JP5044879B2 - ポリウレア系塗料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、溶剤を用いなくとも充分低粘度で作業性がよく、常温で硬化し、その硬化性、硬化後の塗膜外観、機械強度およびトップコートの接着性に優れたポリウレア系塗組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
イソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーを主成分とする主剤と、活性水素化合物を含む硬化剤とからなる二液型常温硬化性組成物を硬化させて得られるポリウレタンエラストマーは、その優れた柔軟性により、防水材、床材、防食材、シーリング材、弾性舗装材などの幅広い建材用途に用いられている。
【0003】
二液型常温硬化性組成物は、手塗りタイプと速硬化スプレータイプがある。手塗りタイプは、ポリオキシプロピレンポリオールとトリレンジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーを主成分とする主剤と、ポリオキシプロピレンポリオールおよび4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)を主成分とする硬化剤からなる二液型が現在でも主流である。
【0004】
また、超速硬化スプレータイプは、ポリオキシプロピレンポリオールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーを主成分とする主剤と、ポリオキシプロピレンポリオールおよびジエチルトルエンジアミンを主成分とする硬化剤とからなる二液型が主流である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の手塗りタイプの硬化剤に用いられる4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)は常温で固体であるため、通常、ポリオキシプロピレンポリオールに30〜50質量%の濃度に溶解して使用される。この溶液は粘性が高く、さらに硬化剤には炭酸カルシウムなどの充填剤を混合するため、硬化剤の粘度を低下させるために有機溶剤を1〜8質量%添加する必要があった。
【0006】
しかし、溶剤の使用は環境衛生上好ましくなく、また、溶剤揮発の影響で硬化塗膜が肉痩せし、安定した機械物性が得られにくい問題があった。
【0007】
一方、超速硬化スプレータイプの主剤および硬化剤は、常温では粘度が高いため、吹き付け施工の際に50〜70℃に加温しなければならず、準備作業に手間がかかる問題があった。また、加温するために原料タンクから配管までヒーターや断熱材によって完全に保温して温度管理する必要があった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、溶剤を用いなくても充分低粘度で作業性がよく、常温で硬化し、その硬化性、硬化後の塗膜外観、機械強度およびトップコートの接着性に優れたポリウレア系塗組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のポリウレア系塗組成物は、イソシアネート基含有化合物を含む主剤と、芳香族ポリアミンを含む硬化剤とを含有するポリウレア系塗組成物であって、炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸と炭素数1〜10のモノオールとのエステルの1種または2種以上からなる、20℃における粘度が20mPa・s以下の可塑剤を含有し、かつ、溶剤の含有量が3質量%以下であることを特徴とする。
【0010】
上記発明によれば、溶剤を用いなくても充分低粘度で作業性がよく、常温で硬化し、その硬化性、硬化後の塗膜外観、機械強度およびトップコートの接着性に優れたポリウレア系塗組成物を提供できる。
【0011】
本発明の好ましい態様の一つは、前記イソシアネート基含有化合物が、ポリオキシプロピレンポリオールと、トリレンジイソシアネートまたは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーである。この態様によれば、主剤の臭気が少ないので安全性の問題が少なく、また充分な硬化性を有するポリウレア系塗組成物を提供できる。
【0012】
また、好ましい態様のもう一つは、前記芳香族ポリアミンが、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、ビスメチルチオトルエンジアミンおよびジエチルトルエンジアミンからなる群から選ばれた1種以上の混合物である。この態様によれば、常温での硬化性を充分に満足すると共に得られた硬化物の機械強度および伸び性能に優れたポリウレア系塗組成物を提供できる。
【0013】
また、好ましい態様のもう一つは、前記可塑剤を、塗組成物全量に対して2〜15質量%含む。この態様によれば、溶剤を用いなくても充分低粘度で作業性がよく、また、トップコートの接着性に優れたポリウレア系塗組成物を提供できる。
【0014】
また、好ましい態様のもう一つは、前記ポリウレア系塗組成物が、手塗りタイプまたは超速硬化スプレータイプの防水材、床材または防食材である。この態様によれば、作業性のよい手塗りタイプまたは超速硬化スプレータイプの塗組成物を提供できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のポリウレア系塗組成物においては、炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸と炭素数1〜10のモノオールとのエステル(以下、脂肪族モノカルボン酸アルキルエステルという。)の1種または2種以上からなる、20℃における粘度が20mPa・s以下の可塑剤が用いられる。上記脂肪族モノカルボン酸アルキルエステルの1種または2種以上からなる可塑剤は、20℃における粘度が1〜20mPa・sが好ましく、3〜10mPa・sが特に好ましい。このような脂肪族モノカルボン酸アルキルエステルの1種または2種以上を可塑剤として用いることにより、溶剤を用いることなく主剤と硬化剤の混合液の粘度を大幅に下げることができる。
【0016】
本発明における可塑剤としては、上記脂肪族モノカルボン酸アルキルエステルに加えて、炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸と炭素数2〜10のジオールとのジエステルを併用してもよい。
【0017】
上記炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸などが挙げられる。
【0018】
また、上記炭素数1〜10のモノオールとしては、炭素数1〜5のモノオールが特に好ましく、メタノールが最も好ましい。
【0019】
さらに、アマニ油、オリーブ油、けし油、ごま油、大豆油、糠油、つばき油、なたね油、ひまわり油などの植物油脂や、アヒル、ウサギ、牛、馬、羊、ミンク、鶏、ブタ、カサゴ、マンボウ、キンメダイなどの動物油脂を変性して得られるモノカルボン酸アルキルエステル混合物も挙げられる。
【0020】
本発明においては、大豆油脂肪酸(分析例:リノール酸54%、オレイン酸24%、パルミチン酸10%、リノレン酸8%、ステアリン酸4%)、糠油脂肪酸(分析例:リノール酸38%、オレイン酸41%、パルミチン酸17%、ステアリン酸2%、リノレン酸2%)、なたね油脂肪酸(分析例:リノール酸22%、オレイン酸58%、パルミチン酸5%、ステアリン酸3%、リノレン酸12%)などの脂肪酸のメタノールエステルであるモノカルボン酸メチルエステル混合物が低粘度(20℃における粘度は5〜8mPa・s)であり、かつ揮発性が低い点から最も好ましい。
【0021】
一方、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、アジピン酸ジオクチル、塩素化パラフィン、石油系可塑剤などの汎用可塑剤は少量併用できるが、充分な粘度低減効果が得られないため、使用しないことが好ましい。もし、併用する場合、その使用量は、上記脂肪族モノカルボン酸アルキルエステルを含む可塑剤全量に対して50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
【0022】
本発明においては、可塑剤として上記脂肪族モノカルボン酸アルキルエステルを塗組成物全量に対して2〜15質量%用いることが好ましい。可塑剤の使用量が2質量%未満であると充分な粘度低減効果が得られず、15質量%超であると硬化塗膜がブリードしやすくなり、トップコートの接着性が低下する。
【0023】
上記可塑剤は、主剤および/または硬化剤に添加することができるが、手塗りタイプの塗組成物においては、硬化剤に可塑剤を添加することが好ましい。硬化剤に上記可塑剤を添加することにより、充填剤をより均一に効率よく混練することができ、硬化塗膜の表面外観が際だって良好となる。その添加量は、硬化剤中30質量%以下が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
【0024】
一方、超速硬化スプレータイプの塗組成物においては、主剤の方が特に粘度が高いので、主剤に可塑剤を添加することが好ましい。上記可塑剤を用いることにより、より低粘度になるので、従来、吹き付け施工の際に主剤および硬化剤を50〜70℃に加温する必要があったが、40〜60℃程度の加温で充分に施工できる。その添加量は、主剤中30質量%以下が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
【0025】
本発明のポリウレア系塗組成物において、主剤に含まれるイソシアネート基含有化合物としては、ポリイソシアネート、およびポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、両者を混合して用いてもよい。
【0026】
ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネートまたは変性ポリイソシアネートなどが挙げられる。本発明においては、芳香族系ポリイソシアネートまたはその変性体が好ましく、具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIという。)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(以下、クルードMDIという。)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、カルボジイミド変性MDIという。)などの液状のものが特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、両者を混合して用いてもよい。
【0027】
また、イソシアネート基末端プレポリマーの原料となるポリオールとしては、ポリエステルポリオールや、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンオキシエチレンポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ひまし油系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオールなどが挙げられる。ひまし油系ポリオールとは、ひまし油、ひまし油にさらに水酸基を導入してなる変性ポリオールをいう。本発明においては、ポリエーテルポリオールが好ましく、ポリオキシプロピレンポリオールがより好ましい。また、ポリオキシプロピレンジオールとポリオキシプロピレントリオールの混合物も好ましく用いられる。その場合、そのモル比は60〜90/40〜10が好ましい。
【0028】
上記ポリオールの水酸基数は2〜4が好ましく、3以下、特に平均して2.5以下、さらには平均して2.1〜2.4が好ましい。水酸基数が2未満では硬化塗膜の高分子量化が困難になるため硬化物の機械強度が不充分となり、4を超えると架橋密度が高くなり過ぎて硬化物の伸び性能が悪化する。
【0029】
また、上記ポリオールの水酸基価は、手塗りタイプの塗組成物に用いられる場合、20〜80mgKOH/gが好ましく、40〜70mgKOH/gが特に好ましい。一方、超速硬化スプレータイプの塗組成物に用いられる場合、25〜280mgKOH/gが好ましく、30〜120mgKOH/gが特に好ましい。水酸基数および水酸基価が上記範囲外であると、得られる硬化塗膜の機械強度が不充分となったり、硬化塗膜の弾性や伸びに劣る。
【0030】
また、上記ポリオールの分子量は、得られるプレポリマーの粘度、硬化塗膜の強度、伸び性能のバランスから、水酸基当たりの分子量は200〜7,000が好ましく、特に700〜1,500が好ましい。
【0031】
そして、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの原料となるポリイソシアネートとしては、上記ポリイソシアネートなどが挙げられる。本発明においては、手塗りタイプの塗組成物に用いられる場合、得られるプレポリマーの粘度、硬化性、硬化塗膜の機械強度の点からトリレンジイソシアネートが好ましく、特に2,4−異性体の含有率が80質量%以上であるトリレンジイソシアネートが好ましい。一方、超速硬化スプレータイプの塗組成物に用いられる場合、硬化性の点からMDIが好ましい。
【0032】
そして、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は、手塗りタイプの防水材では2〜5質量%、床材では4〜8質量%、防食材では8〜15質量%が好ましい。また、超速硬化スプレータイプの防水材では10〜20質量%、床材では15〜25質量%、防食材では20〜30質量%が好ましい。
【0033】
本発明のポリウレア系塗組成物の硬化剤に含まれる芳香族ポリアミンとしては、4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン)、ビスメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)などが挙げられる。本発明においては、4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン)、ビスメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミンからなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物が好ましい。
【0034】
また、上記芳香族ポリアミンを比較的分子量の高いポリオールと組み合わせて用いることにより、適度な硬化性が得られる。
【0035】
硬化剤に用いられるポリオールの水酸基数は2〜4が好ましく、2〜3がより好ましい。また、その水酸基価は10〜112mgKOH/gが好ましく、16〜56mgKOH/gがより好ましい。また、ポリオールとしてはポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。水酸基数が2未満では硬化塗膜の高分子量化が困難になるため硬化性が悪化し、硬化物の機械強度が不充分となり、水酸基数が4を超えると架橋密度が高くなり過ぎて硬化物の伸び性能が悪化する。また、水酸基価が10mgKOH/g未満ではポリオールの粘度が高くなり過ぎ、112mgKOH/gを超えると分子量が小さいために硬化剤への配合量が少なくなり、その代替として可塑剤の使用量が多くなるため好ましくない。
【0036】
このポリオールは、水酸基数2〜4、より好ましくは水酸基数2〜3の開始剤にプロピレンオキシドを反応させて得られるものが好ましい。
【0037】
また、硬化剤には、充分な硬化性を満足するために硬化触媒が含まれる。硬化触媒としてはウレア・ウレタン化反応を促進する公知の触媒が使用でき、たとえば有機酸鉛、有機酸錫、3級アミン化合物などが挙げられる。
【0038】
さらに、硬化剤は上記基本的成分のほかに、充填剤、顔料、安定剤から選ばれる添加剤を含んでいてもよい。
【0039】
充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、カーボンなどが挙げられる。
【0040】
顔料としては、酸化クロム、酸化チタンなどの無機顔料やフタロシアニン顔料などの有機顔料が挙げられる。
【0041】
安定剤としては、ポリウレア/ポリウレタン樹脂に一般的に使用される酸化防止剤、紫外線吸収剤、脱水剤などが挙げられる。
【0042】
本発明において、ポリウレア系塗組成物が実質的に溶剤を含まないとは、添加剤などに予め含まれる溶剤までも含まないという意味ではなく、粘度低減を目的として添加される溶剤を含まないこと意味する。具体的には、主剤および硬化剤中の溶剤の含有量が3質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
【0043】
本発明のポリウレア系塗組成物において、主剤中のイソシアネート基と硬化剤中の活性水素含有基とのモル比{NCO/(NH+OH)}は1.0〜1.3が好ましい。該モル比が1.0未満では充分な硬化塗膜の機械強度が得られなかったり、塗膜表面にタックが残ることがある。また、該モル比が1.3超では過剰のイソシアネート基が水分の影響を受けて発泡しやすくなったり、硬化塗膜が脆くなる傾向が見られる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、各例で得られた塗組成物は、下記に方法により、防水材としての性能を評価した。
【0045】
<初期粘度>
主剤と硬化剤を混合し、混合開始から3分間後の20℃における粘度(単位:mPa・s)を測定した。
【0046】
<可使時間>
23℃、相対湿度50%の実験室にて、主剤と硬化剤を混合し、混合開始から100Pa・sの粘度に到達するまでの時間(分)を測定した。可使時間が40分間以上であれば夏場においても充分施工できると判断した。
【0047】
<可塑剤揮発性>
可塑剤5gを入れたシャーレを105℃のオーブン内に3時間放置した後、取り出して質量を測定し、残分の割合(質量%)を求めた。90質量%以上を目標とした。
【0048】
<塗膜物性>
JIS−A6021に準拠して塗膜の機械物性を測定した。表中のTsは引張り強度(単位:N/mm2)、Eは破断時の伸び(単位:%)を示す。
【0049】
実施例1
分子量3,000のポリオキシプロピレントリオール17質量部と、分子量2,000のポリオキシプロピレンジオール68質量部に、15質量部のトリレンジイソシアネート(2,4−異性体80質量%)(NCO/OH比=2.03)を反応させ、NCO基含有率3.6質量%のプレポリマーを得、これを主剤とした。
【0050】
4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)7.30質量部を溶融したものを、分子量2,000のポリオキシプロピレンジオール21.04質量部に溶解してなる溶融混合液に、大豆油をメタノールでエステル交換したモノカルボン酸メチルエステル混合物(20℃における粘度7.9mPa・s)12.66質量部、炭酸カルシウム55質量部、顔料ペースト3質量部および2−エチルヘキサン酸鉛(鉛含有量24質量%)1質量部を混合した液を硬化剤とした。
【0051】
そして、主剤/硬化剤の質量比=1/1{NCO/(NH2+OH)比=1.1}の配合割合で防水材として使用した。
【0052】
実施例2
実施例1と同じプレポリマーを主剤とした。
【0053】
4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)9.2質量部を溶融したものを、分子量10,000のポリオキシプロピレントリオール22.8質量部に溶解してなる溶融混合液に、糠油をメタノールでエステル交換したモノカルボン酸メチルエステル混合物(20℃における粘度5.5mPa・s)12質量部、炭酸カルシウム52質量部、顔料ペースト3質量部および2−エチルヘキサン酸鉛(鉛含有量24質量%)1質量部を混合した液を硬化剤とした。
【0054】
そして、主剤/硬化剤の質量比=1/1{NCO/(NH2+OH)比=1.1}の配合割合で防水材として使用した。
【0055】
実施例3
実施例1と同じプレポリマーを主剤とした。
【0056】
ビスメチルチオトルエンジアミン[3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンおよび3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの混合物]4.23質量部、分子量5,000のポリオキシプロピレントリオール7.32質量部の混合液に、なたね油をメタノールでエステル交換したモノカルボン酸メチルエステル混合物(20℃における粘度7.7mPa・s)19.45質量部、炭酸カルシウム65質量部、顔料ペースト3質量部、2−エチルヘキサン酸鉛(鉛含有量24質量%)1質量部を混合した液を硬化剤とした。
【0057】
そして、主剤/硬化剤の質量比=1/1{NCO/(NH2+OH)比=1.1}の配合割合で防水材として使用した。
【0058】
実施例4
分子量2,000のポリオキシプロピレンジオール54質量部、分子量400のポリオキシプロピレンジオール15質量部、および実施例1と同じモノカルボン酸メチルエステル混合物5質量部に、26質量部のトリレンジイソシアネート(2,4−異性体80質量%)(NCO/OH比=2.32)を反応させ、NCO基含有率7.1質量%のプレポリマーを得、これを主剤とした。
【0059】
4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)12質量部を溶融したものと分子量2,000のポリオキシプロピレンジオール11質量部の混合液に、実施例1と同じモノカルボン酸メチルエステル混合物16.7質量部、炭酸カルシウム55質量部、顔料ペースト5質量部および2−エチルヘキサン酸鉛(鉛含有量24質量%)0.3質量部を混合した液を硬化剤とした。
【0060】
そして、主剤/硬化剤の質量比=1/1.5{NCO/(NH2+OH)比=1.1}の配合割合で防水材として使用した。
【0061】
実施例5
分子量2,000のポリオキシプロピレンジオール48質量部、および実施例1と同じモノカルボン酸メチルエステル混合物15質量部に、33質量部の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと4質量部のカルボジイミド変性MDI(NCO/OH比=6.08)を反応させ、NCO基含有率10.3質量%のプレポリマーを得、これを主剤とした。
【0062】
ジエチルトルエンジアミン12質量部と分子量2,000のポリオキシプロピレンジオール88質量部、および2−エチルヘキサン酸と1,2−ジメチル−イミダゾールとの塩0.5質量部の混合液を硬化剤とした。
【0063】
そして、主剤/硬化剤の容量比=1/1(NCO/OH比=約1.03)で防水材としてスプレー吹きした。
【0064】
比較例1
実施例1において、可塑剤としてモノカルボン酸メチルエステル混合物の代わりにフタル酸ジオクチル(20℃における粘度60mPa・s)7.66質量部を用い、溶剤としてキシレン5質量部を用いた以外は同様の組成で防水材として使用した。
【0065】
比較例2
実施例1において、可塑剤としてモノカルボン酸メチルエステル混合物の代わりにフタル酸ジオクチル(20℃における粘度60mPa・s)12.66質量部を用いた以外は同様の組成で防水材として使用した。
【0066】
比較例3
実施例1において、可塑剤としてモノカルボン酸メチルエステル混合物の代わりにアジピン酸ジオクチル(20℃における粘度14mPa・s)12.66質量部を用いた以外は同様の組成で防水材として使用した。
【0067】
比較例4
実施例1において、可塑剤としてモノカルボン酸メチルエステル混合物の代わりに2塩基酸エステルの混合物(グルタル酸ジメチル66%、アジピン酸ジメチル17%、コハク酸ジメチル17%)(20℃における粘度4.8mPa・s)12.66質量部を用いた以外は同様の組成で防水材として使用した。
【0068】
【表1】
Figure 0005044879
【0069】
表1から、可塑剤として特定のモノカルボン酸メチルエステルを用いた塗組成物(実施例1〜5)は、溶剤を用いなくても充分低粘度で、充分な可使時間を有しており、また、その硬化塗膜の機械物性も優れていることが分かる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、充分低粘度で溶剤を用いなくても作業性がよく、常温で硬化し、その硬化性、硬化後の塗膜外観、機械強度およびトップコートの接着性に優れたポリウレア系塗組成物を提供できる。このポリウレア系塗組成物は、防水材、床材、防蝕材などの各種用途に適したものである。

Claims (5)

  1. イソシアネート基含有化合物を含む主剤と、芳香族ポリアミンを含む硬化剤とを含有するポリウレア系塗組成物であって、炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸と炭素数1〜10のモノオールとのエステルの1種または2種以上からなる、20℃における粘度が20mPa・s以下の可塑剤を含有し、かつ、溶剤の含有量が3質量%以下であることを特徴とする、ポリウレア系塗組成物。
  2. 前記イソシアネート基含有化合物が、ポリオキシプロピレンポリオールと、トリレンジイソシアネートまたは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーである、請求項1に記載のポリウレア系塗組成物。
  3. 前記芳香族ポリアミンが、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、ビスメチルチオトルエンジアミンおよびジエチルトルエンジアミンからなる群から選ばれた1種または2種以上の混合物である、請求項1または2に記載のポリウレア系塗組成物。
  4. 前記可塑剤を、塗組成物全量に対して2〜15質量%含有する、請求項1〜3のいずれか一つに記載のポリウレア系塗組成物。
  5. 前記ポリウレア系塗組成物が、手塗りタイプまたは超速硬化スプレータイプの防水材、床材または防食材である請求項1〜4のいずれか一つに記載のポリウレア系塗組成物。
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