JP6820787B2 - 2液型手塗り用ウレタン防水材組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、年間を通して可使時間を十分に確保することができ、しかも汎用性があり環境対応にも優れた2液型手塗り用ウレタン防水材組成物に関する。
ウレタン防水材は、不定形状および狭小部分の施工に適していることより、新築工事あるいは改修工事を問わず、マンション等集合住宅のベランダ、バルコニー、開放廊下や比較的大面積の屋上の平場部分、立面部分、パラペット、架台周り等に使用されている。
一般的なウレタン防水材は、2液の液状物を攪拌機で混合した後、コテ、ヘラ、ローラー、刷毛等で手塗り施工するものであり、攪拌機で混合した後少なくとも30分程度の使用可能時間(以下、可使時間と称す。)が必要とされている。可使時間については、23℃において2液混合後から、粘度が6万mPa・sに到達するまでの時間とするのが一般的である。
手塗り用2液型ウレタン防水材は、冬季の施工と夏季の施工では外気温が大幅に異なるため、夏季の30℃前後での施工に適した夏用配合と、冬季の5℃前後の施工に適した冬用配合が用意されているのが一般的であり、平場用防水材においては、各季節の施工温度において、可使時間が30分以上となるよう工夫されている。塗布作業において可使時間は長いほど好ましいが、一般的には可使時間を長くしようとすると硬化性が悪くなり、次工程を施工するために塗膜上に作業員が乗れるまでに時間(以下、施工可能時間と称す。)も長くなってしまう。通常の作業では、ウレタン防水材を夕方に塗布し終わり、翌朝には施工可能状態となることが望まれており、施工可能時間は年間を通して冬期でも19時間程度以内、それ以外の季節は17時間程度以内に調整できることが好ましいとされている。
現在汎用化されている2液型手塗用ウレタン防水材は、トリレンジイソシアナート(以下、TDIと称す。)とポリオキシプロピレンポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを主剤とし、一方の硬化剤中の活性水素として、比較的低反応性の芳香族ポリアミンである、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(以下、MOCAと称す。)を主成分とし、低反応性の2級ポリオールであるポリオキシプロピレンポリオールを併用している。また、低反応性のポリオキシプロピレンポリオールの反応を促進させるために、カルボン酸鉛を促進剤として用いるのが一般的である。カルボン酸鉛を使用しない場合には、ポリオールとの反応が促進されないため、特に夏季においては主剤のイソシアナート基と水分との反応が進行してしまい、その結果副生する炭酸ガスにより発泡現象を起こし低物性化してしまう。
上記の防水材はMOCA架橋型防水材と称せられており、MOCAは結晶性が激しくしかも溶解性に乏しい原料であるが、ポリオキシプロピレンポリオールにはある程度溶解し安定化させることができ、手塗施工に適した可使時間を有する防水材となるため、いまだに汎用防水材として用いられている。
MOCA架橋型防水材には環境面での大きな問題がある。硬化剤に用いられているMOCAは労働安全衛生法で特定化学物質第2類物質に指定されており、硬化剤には上限値の1%を超えて使用されているため、特定化学物質等障害予防規則(以下、特化則と称す。)該当品となってしまう。また、MOCAはIARC(国際がん研究機関)による発がん性評価でグループ1(ヒトに対して発がん性を示す)に分類されている。
また、主剤に用いられているTDIも特定化学物質に指定されており、汎用品の主剤には遊離TDIが上限値の1%を超えて存在するため、主剤も特化則該当品となってしまい、製造時および施工時に種々の制約を受けることとなる。さらに、促進剤として用いるカルボン酸鉛化合物は、世界的に使用が厳しく制限されている材料であり、化学物質排出把握管理促進法(通称、化管法)の特定第1種指定化学物質に指定されており、環境面からは使用を避けたい材料である。
一方、MOCA架橋型防水材と同様にTDIとポリオキシプロピレンポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを主剤とし、硬化剤中の活性水素として、MOCAの替わりに高反応性の芳香族ポリアミンであるジエチルトルエンジアミン(以下、DETDAと称す。)を用いた、DETDA架橋型ウレタン防水材も開発されている。この方法は、DETDAが高反応性であるため低温硬化性は良好であるが、夏季の可使時間を確保することに問題があり、特殊なTDIを使用した主剤を用いる方法(特許文献1)、低反応性ポリイソシアナートであるイソホロンジイソシアナート(以下、IPDIと称す。)をTDIと併用する方法(特許文献2)、硬化剤に反応性の穏やかな芳香族2級アミンである4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)を併用する方法(特許文献3)等が提案されている。
DETDA架橋型防水材は、硬化剤には特定化学物質のMOCAを用いなくともよく、さらにはカルボン酸鉛を使用しなくとも硬化性や発泡性には問題がないため、環境面ではMOCA架橋型よりは優れた防水材となるが、主剤には遊離TDIが含まれており、条件によっては含有量を1質量%以下とすることで特化則上は非該当とはなるが、少量とはいえ特定化学物質のTDIが含まれている。
そこで、特定化学物質であるMOCAおよびTDIを使用しないウレタン防水材として、ノルボルナンジイソシアナート(以下、NBDIと称す。)とポリオールからなるイソシアナート末端プレポリマーを主成分とする主剤と、DETDAからなる芳香族ポリアミン鎖延長剤とポリオールを含有する硬化剤からなる常温硬化型ポリウレタン塗膜防水材が提案されている(特許文献4)。
しかしながら、この方法では可使時間を十分に確保するために硬化剤にポリオールを併用することが必要であり、更にそのポリオールの反応を完結させるためには環境上問題のある鉛化合物の使用が実質上必須となっている。
特許第3114557号公報 特許第3957779号公報 特許第3445364号公報 特開2000−73008号公報
現在汎用化されている防水材は特化則に該当する成分やカルボン酸鉛といった鉛化合物も含まれている場合が多く、より環境面に配慮した施工性の良い汎用防水材が望まれている。また、従来の2液型ウレタン防水材の配合技術では、仕上がり性や物性等の実用性に問題がないうえで、夏季の施工に必要とされる可使時間を十分に確保するという技術には限界があった。また、冬季においては、促進剤を用いることにより硬化性はある程度改善されるが可使時間が短縮されてしまい、施工性は悪化してしまうという問題が残されており、年間を通して十分な可使時間を保持したうえで硬化性にも問題がないという汎用性のある防水材の検討が不十分であった。
本発明者らはこれらの問題点を鑑み、年間を通して十分な可使時間を有し、しかも発泡現象やピンホールといった施工上の問題を起こさず、同時に硬化性も適宜にコントロールでき、かつ特定化学物質であるMOCAおよびTDI、更には鉛化合物等の有害物質を使用しない、より安全性の高い2液型手塗り用ウレタン防水材組成物に関して鋭意検討した結果、主剤のポリイソシアナート成分としてNBDIを用い、硬化剤の芳香族ポリアミンとしてDETDAを用い、主剤プレポリマーのNCO含有量を低く抑えるか或いは、DETDAより反応性の低い芳香族ポリアミンを併用し、更に冬季配合においては酸無水物硬化促進剤を使用することにより、防水材に必要な物性と、年間を通して適度な可使時間と良好な硬化性を併せ持つ防水材組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]ポリイソシアナート及びポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と、芳香族ポリアミン、可塑剤および無機充填剤を含む硬化剤とからなる2液型手塗り用ウレタン防水材組成物であって、主剤のポリイソシアナートがノルボルナンジイソシアナートを含み、主剤のイソシアナート基末端プレポリマーのNCO含有量が1.4質量%以上6.0質量%以下であり、
硬化剤の芳香族ポリアミンが、ジエチルトルエンジアミンと下記一般式(1):
Figure 0006820787
〔式中、R〜Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基を示す。但し、R〜Rのうち少なくとも一つは炭素数1〜6のアルキル基である〕
で表される芳香族ポリアミンとを含む2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
[2]硬化剤中の芳香族ポリアミンの50当量%以上97当量%以下がジエチルトルエンジアミンであり、3当量%以上50当量%以下が前記一般式(1)で表される芳香族ポリアミンであり、0当量%以上20当量%以下が、前記ジエチルトルエンジアミン及び前記一般式(1)で表される芳香族ポリアミン以外の第3の芳香族ポリアミンである、[1]に記載の2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
[3]硬化促進剤として酸無水物を含む、[1]または[2]に記載の2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
[4]ポリイソシアナート及びポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と、芳香族ポリアミン、可塑剤および無機充填剤を含み且つポリオールを含まない硬化剤とからなる2液型手塗り用ウレタン防水材組成物であって、主剤のポリイソシアナートがノルボルナンジイソシアナートを含み、主剤のイソシアナート基末端プレポリマーのNCO含有量が1.2質量%以上2.8質量%以下であり、硬化剤の芳香族ポリアミンがジエチルトルエンジアミンである2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
[5]硬化促進剤として酸無水物を含む、[4]に記載の2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
本発明の2液型手塗り用ウレタン防水材は、夏季の使用において発泡現象等の施工上の問題を起こさずに、十分な可使時間を確保することができ、冬季においては促進剤を選定することで可使時間を保持した上で低温硬化性の良い防水材とすることができる。さらに、原材料として特定化学物質を用いず、促進剤として鉛化合物も用いないため、優れた環境対応型防水材となる。
(主剤ポリイソシアナート)
本発明は、ポリイソシアナートとしてNBDIを含む必要があり、ポリイソシアナートの80当量%以上がNBDIであることが好ましく、90当量%以上であることがより好ましく、95当量%以上であることが最も好ましい。NBDIの量を上記範囲にすることによって、より十分な可使時間を有した物性の良い防水材を得ることができる。NBDIとは、具体的には、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、または2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタンの混合物である。
尚、一部その他のポリイソシアナートを併用することができる。併用できるイソシアナートとしては、反応性の穏やかな、脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアナートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水添化トリレンジイソシアナート、水添化キシリレンジイソシアナート、水添化ジフェニルメタンジイソシアナート、水添化テトラメチルキシリレンジイソシアナート等が挙げられる。また、TDI、キシリレンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナートといった芳香族ポリイソシアナートも一部使用することができるが、TDIは労働安全衛生法の特定化学物質であり、環境的な面より好ましくない。
(主剤ポリオール)
主剤に用いるポリオールとしては、通常ウレタン防水材の主剤に用いられるポリオールを用いることができるが、低粘度で施工性のよい主剤とするためには、分子量が300〜8000のポリオキシプロピレンポリオールやポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールといったポリエーテル系ポリオールを用いることが好ましい。また、ポリエステル系などその他の高分子量ポリオールも一部であれば使用することができる。
さらに、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールといった短鎖ポリオールも使用することができる。
(主剤NCO含有量)
一般的に、可使時間を確保するためには、主剤のNCO含有量を少なくすることが効果的であるが、その結果硬化性が低下したりウレタン防水材として必要とされる強度や耐熱性・耐アルカリ性といった耐久性が低下するという問題が発生してしまう。
しかし本発明のウレタン防水材は、比較的NCO含有量が低い領域においてもウレタン防水材に必要とされる強度や耐久性を確保することができる。本発明の第1の形態では、硬化剤の芳香族ポリアミンとして、ジエチルトルエンジアミンと下記一般式(1):
Figure 0006820787
〔式中、R〜Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基を示す。但し、R〜Rのうち少なくとも一つは炭素数1〜6のアルキル基である〕
で表される芳香族ポリアミンとを含み、主剤のNCO含有量を1.4質量%以上6.0質量%以下の範囲にすることで、十分な可使時間を有した上でウレタン防水材に必要とされる強度や耐久性を確保することができる。尚、可使時間確保および施工可能時間確保の面より、NCO含有量が1.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、1.6質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましく、さらには1.8質量%以上3.5質量%以下であることがもっとも好ましい。NCO含有量が1.4質量%未満では、ウレタン防水材に必要とされる強度や耐久性を確保することが難しくなり、6.0質量%超では可使時間の確保が難しくなる。
また、本発明の第2の形態である硬化剤の芳香族ポリアミンがジエチルトルエンジアミンのみである場合は、NCO含有量を1.2質量%以上2.8質量%以下の範囲にすることで、十分な可使時間を有した上でウレタン防水材に必要とされる強度や耐久性を確保することができる。本発明の第2の形態では、硬化剤はポリオールを含まない。硬化剤がポリオールを含む場合、ポリオールの反応を完結させるために鉛化合物の使用が必須となるが、硬化剤がポリオールを含まないことによって、環境上問題のある鉛化合物を要しない。
第2の形態では、可使時間確保および施工可能時間確保の面より、NCO含有量が1.3質量%以上2.8質量%以下であることが好ましく、1.4質量%以上2.7質量%以下であることがより好ましく、さらには1.5質量%以上2.6質量%以下であることがもっとも好ましい。NCO含有量が1.2質量%未満では、ウレタン防水材に必要とされる強度や耐久性を確保することが難しくなり、2.8質量%超では可使時間の確保が難しくなる。
(主剤NCO基/OH基当量比)
本発明で使用する主剤製造時のイソシアナート基とポリオールのOH基との比である、NCO基/OH基当量比は1.4〜2.7の範囲であることが好ましく、1.5以上2.5未満であることがより好ましく、1.6以上2.3未満であることが最も好ましい。NCO基/OH基当量比が1.4以上の場合、急激な増粘を抑制することができ、2.7以下の場合、十分な可使時間及び良好な物性をより安定して得ることができる。従来のTDIを用いた主剤と異なり、製造時のNCO基/OH基が1.5近辺であっても反応を簡単に完結させることができ、比較的低粘度で貯蔵安定性の良い主剤を製造することができる。
(主剤の合成)
本発明のイソシアナート基末端プレポリマーの合成方法では、単に加熱するだけでは反応が促進しにくいため、反応促進剤を用いることが好ましい。一般的なウレタン化反応促進剤が使用できるが、なかでもジブチル錫ジラウレートやジオクチル錫ジラウレートといった有機第2錫触媒が好ましく、0.0001〜0.1質量%といった少量の添加で効率的に反応を促進させることができる。反応温度は60〜100℃であることが好ましく、2〜6時間程度で反応を完結させることができる。尚、反応終了後には、リン酸等により反応促進剤を失活させておく方が好ましい。
(硬化剤中の芳香族ポリアミン)
本発明で使用されるDETDAには、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンなどの異性体が存在するが、いずれの異性体を用いてもよく、またそれらの混合物を用いてもよい。工業用としては例えばアルベマール社製のエタキュア100(2,4−異性体/2,6−異性体の質量比80/20)などが入手できる。
本発明の第1の形態では、硬化剤の芳香族ポリアミンにDETDAと下記一般式(1):
Figure 0006820787
〔式中、R〜Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基を示す。但し、R〜Rのうち少なくとも一つは炭素数1〜6のアルキル基である〕
で表される芳香族ポリアミンとを含むことにより、年間を通して十分な可使時間を確保しながら硬化性も適宜にコントロールすることができる。
一般式(1)で表される芳香族ポリアミンとしては、具体的にはイハラケミカル工業株式会社製のキュアハードMED(4,4′−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン))、日本化薬株式会社製のカヤハードAA(4,4′−メチレンビス(2−エチルアニリン))、日本化薬株式会社製のカヤボンドC−300(4,4′−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン))、日本化薬株式会社製のカヤボンドC−400(4,4′−メチレンビス(2,6−ジiso−プロピルアニリン))、アルベマール社製のエタキュア420(4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン))等が使用できる。その中でもエタキュア420およびキュアハードMEDは、可使時間を延長させる効果が高いにもかかわらず硬化性をあまり悪くさせないという特徴があるため、特に好ましく使用することができる。
また、芳香族ポリアミン中の50当量%以上97当量%以下がDETDAであることが好ましく、60当量%以上95当量%以下であることがより好ましく、70当量%以上90当量%以下であることがさらに好ましい。高凝集性で高反応性でありしかも液状で溶解性の良いDETDAを50当量%以上とすることにより、より硬化性に優れしかもより高物性の防水材を得ることができる。
一方、下記一般式(1):
Figure 0006820787
〔式中、R〜Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基を示す。但し、R〜Rのうち少なくとも一つは炭素数1〜6のアルキル基である〕
で表される芳香族ポリアミンは、芳香族ポリアミン中の3当量%以上50当量%以下であることが好ましく、5当量%以上40当量%以下であることがより好ましく、10当量%以上30当量%以下であることがさらに好ましい。一般式(1)で表される芳香族ポリアミンを3当量%以上とすることにより、可使時間をより十分に確保することができ、50当量%以下とすることにより、より硬化性に優れしかもより高物性の防水材を得ることができる。
第1の形態において硬化剤は、DETDA及び前記一般式(1)で表される芳香族ポリアミンに加えて、DETDA及び前記一般式(1)で表される芳香族ポリアミン以外の第3の芳香族ポリアミンを含んでもよい。すなわち、硬化剤中の芳香族ポリアミンの0当量%超が第3の芳香族ポリアミンであることができる。第3の芳香族ポリアミンとしては、アルベマール社製のエタキュア300(ジメチルチオトルエンジアミン)、イハラケミカル株式会社製のエラスマー650P(ポリテトラメチレングリコールビス(p−アミノベンゾエート))、イハラケミカル株式会社製のポレアSL−100A(ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート))等のうち一種以上が使用できる。好ましくは、硬化剤中の芳香族ポリアミンの50当量%以上97当量%以下がジエチルトルエンジアミンであり、3当量%以上50当量%以下が前記一般式(1)で表される芳香族ポリアミンであり、0当量%以上20当量%以下が第3の芳香族ポリアミンである。硬化剤中の全芳香族ポリアミンの90当量%以上がDETDA及び前記一般式(1)で表される芳香族ポリアミンであることがより好ましく、95当量%以上であることがさらに好ましい。DETDA及び前記一般式(1)で表される芳香族ポリアミンが上記範囲で硬化剤に含まれることにより、可使時間を十分に確保しながら硬化性に優れ、しかもより高物性の防水材を得ることができる。
(主剤NCO/硬化剤NH当量比)
ウレタン防水材に必要とされる強度や耐久性は、硬化剤中の芳香族ポリアミン量に依存するところが大きいため、イソシアナート基/芳香族アミノ基当量比を、0.8〜1.6の範囲にすることが好ましく、0.9〜1.5にすることがより好ましく、0.95〜1.4にすることが最も好ましい。イソシアナート基/芳香族アミノ基当量比が0.8以上の場合、芳香族アミノ基が過剰にならず硬化物の高分子量化が十分となり、より高物性化することができ、1.6以下の場合、芳香族ポリアミン量を多くすることができ、強度や耐久性が確保でき、硬化性をより向上することができる。
(可塑剤)
本発明では、可塑剤の使用量は、主剤中のプレポリマー成分に対し、可使時間確保および物性の面より15〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。可塑剤量が15質量%以上の場合、可使時間を十分に確保した経済性に優れたウレタン防水材を得ることができ、90質量%以下の場合、ウレタン防水材に必要とされる強度や耐久性をより安定して確保することができ、可塑剤のブリードアウトも抑制することができる。尚、可塑剤は硬化剤に配合することが原則であるが、一部主剤側に配合することもできる。
本発明で用いる可塑剤としては、ウレタン樹脂に一般的に配合できる可塑剤を使用することができる。具体例として、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)などのフタル酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、セバシン酸エステル類、エポキシ脂肪酸エステル類、グリコールエステル類、動植物油系脂肪酸エステル類、石油・鉱物油系可塑剤、アルキレンオキサイド重合系可塑剤等が挙げられる。中でも、引火点が200℃以上である、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)は長期的にも質量減少を起こし難く、芳香族ポリエステルであり加水分解も起こし難いため、好ましく使用することができる。なお、硬化剤中に溶剤を使用することもできるが、施工後の揮発により収縮を起こす危険性や無機充填剤を沈降しやすくする傾向があり、環境面での問題もあるため5質量%以内で用いることが好ましく、使用しないことがより好ましい。
(無機充填剤)
また、本発明は、硬化剤に無機充填剤を配合する必要がある。無機充填剤の補強効果なしでウレタン防水材に必要とされる強度を確保するのは効率的でなく、また無機充填剤を配合することで経済性に優れた汎用性のある防水材とすることができる。無機充填剤は20〜80質量%配合することが好ましい。20質量%以上の場合、補強効果が十分でありまた経済性も優れており、80質量%以下の場合、急激な増粘を抑制して施工性を向上することができる。
本発明は、硬化剤側に可塑剤を比較的多く配合することで、無機充填材も多く配合することができ、それにより主剤/硬化剤の配合比1/2(質量比)も可能となるため、経済性に優れた汎用性のある防水材とすることができ、可使時間を確保した上でウレタン防水材に必要とされる強度や耐久性を十分にクリアーした防水材にすることができる。
無機充填剤としては炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウムは経済効果が高いと同時に、硬化剤製造時の分散性が良好であり多量に配合しても増粘性が少なく、硬化剤貯蔵時の沈降性を少なくすることも容易であり、物性面での補強効果も高い。尚、炭酸カルシウムには、重質酸炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、表面処理コロイダル炭酸カルシウム等種々の炭酸カルシウムがあるが、いずれの炭酸カルシウムも使用することができる。
また、シリカ、カオリン、タルク、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム等の無機充填剤を一部使用することができる。尚、上記のような無機充填剤は付着水を含有し、この付着水がイソシアナート基と徐々に反応すると思われるが、付着水は活性水素とみなしていないのが一般的である。また、主剤と硬化剤を混合する際に巻き込まれる湿分(水分)や、防水材塗布後に塗膜表面より吸収される湿分(水分)もある程度イソシアナート基と反応するとされるのが一般的である。
(硬化促進剤)
本発明においては、硬化剤中の芳香族ポリアミンとしてイソシアナート基との反応性が高いDETDAを含んでいるため、硬化促進剤は特に使用しなくても構わないが、速硬化性を必要とする場面や施工温度が低い冬季用配合、あるいは主剤NCO/硬化剤NH当量比が高く過剰のイソシアナート基と水分との反応を促進させる必要がある場合などにおいて、必要に応じて硬化促進剤を使用する事ができる。
本発明では、有機酸、有機酸金属塩、酸無水物、有機第2錫、イミダゾール化合物などの一般的なポリウレタン用硬化促進剤を用いることができる。有機酸としては具体的には、プロピオン酸、2−メチルペンタン酸、イソノナン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、樹脂酸などが挙げられ、有機酸金属塩としては前記有機酸の亜鉛塩、ビスマス塩、マグネシウム塩、ジルコニウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、銅塩、鉛塩などが挙げられる。但し、有機酸鉛は環境上使用しないことが好ましい。
酸無水物としては、例えば、無水酢酸、プロピオン酸無水物、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビスアンヒドロトリメリテートモノアセテート、テトラプロペニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
有機第2錫系化合物としては、例えばジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ2−エチルへキサノエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプタイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトネート、ジブチル錫オキシラウレート、ジオクチル錫ジネオデカネート、ジブチル錫ビスブチルマレート、ジオクチル錫2−エチルヘキシルマレートなどが挙げられる。
イミダゾール化合物としては、例えば1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールのような1位と2位に置換基を有する化合物や、1−メチルイミダゾール、1−アリルイミダゾールのような1位に置換基を有する化合物が使用できる。
上記促進剤の中でも酸無水物を主剤あるいは主剤と硬化剤を混合する時に添加した場合には、可使時間をあまり短縮させずに硬化性を促進させることができるため好ましい。さらに、酸無水物の中でも特に日立化成株式会社製のHN−2200(3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物と4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物の混合物)、日立化成株式会社製のMHAC−P(メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物)、新日本理化株式会社製のリカシッドMH−700(3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物/4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物=70/30の混合物)、三洋化成工業株式会社製のDSA(テトラプロペニルコハク酸無水物)などがより好ましい。尚、各促進剤は単独でも二種以上を併用しても構わない。また、その使用量は可使時間と硬化性のバランスを考慮して適宜決めることができる。
(その他添加剤)
その他、硬化剤には、湿潤剤、消泡剤、顔料、耐候性付与剤などの添加剤類を必要に応じて適量を配合することができる。
(主剤/硬化剤 配合比)
主剤と硬化剤の配合比は特に限定はされないが、質量比で1/1〜1/3の範囲であることが好ましく、1/1〜1/2であることがより好ましい。
(原材料)
以下の実施例および比較例で用いた原材料は、次のとおりである。
NBDI: コスモネート(登録商標)NBDI、ノルボルナンジイソシアナート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタンの混合物、三井化学株式会社製
サンニックスPP−2000: ポリオキシプロピレンジオール、平均分子量2000、OH価56.1mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
サンニックスGH−5000: ポリオキシプロピレントリオール、平均分子量5000、OH価:33.7mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
MC−2000ソルベント: ノルマルパラフィン、イソパラフィン混合物、三協化学株式会社製
ジオクチル錫ジラウレート: KS−1200A−1,共同薬品株式会社製
DETDA: エタキュア100、ジエチルトルエンジアミン、アルベマール日本株式会社製
エタキュア420: 4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)、芳香族二級ジアミン、アルベマール社製
キュアハードMED:4,4′−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、イハラケミカル工業株式会社製
DINP: サンソサイザーDINP、ジイソノニルフタレート、新日本理化株式会社製
炭酸カルシウム NS#100: NS#100、炭酸カルシウム、日東粉化工業株式会社製
添加剤類: 楠本化成株式会社製
HN−2200: テトラヒドロメチル無水フタル酸、日立化成株式会社製
1−イソブチル−2−メチルイミダゾール: DABCO NC−IM、エアープロダクツジャパン株式会社製
(主剤の調製)
表1〜4の配合に従って、四つ口フラスコにポリオールと溶剤とジオクチル錫ジラウレートを仕込み、次いでポリイソシアナート化合物を仕込んだ。その後攪拌しながら85〜95℃で2〜7時間反応させて各主剤を得た。
(硬化剤の調製)
表1〜4の配合に従って、金属容器に液物を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウムを配合し1500rpmで15分間混合して各硬化剤を得た。
(実施例1〜3)
実施例1〜3は表1の配合に従って、主剤と硬化剤を得た。これら主剤と硬化剤を質量比1:2で混合しウレタン防水材組成物を得た。
硬化剤に芳香族ポリアミンとしてDETDAとエタキュア420を80:20の当量比で用い、主剤のNCO含有量が2.91質量%である実施例1は、23℃での可使時間が36分とやや短めではあるが、23℃での施工可能時間が9時間、5℃での施工可能時間が19時間であり低温においても翌日施工が可能であった。また、得られた塗膜は高伸長形手塗り用ウレタン防水材として良好な初期物性と十分な耐熱・耐アルカリ性を示した。
主剤のNCO含有量がそれぞれ2.46、1.95質量%である実施例2、3は、23℃での可使時間が46、61分と十分に長く、23℃での施工可能時間は12、15時間であり翌日施工が可能であった。また、得られた塗膜は高伸長形手塗り用ウレタン防水材として良好な初期物性と十分な耐熱・耐アルカリ性を示した。
(実施例4)
実施例3のエタキュア420をキュアハードMEDに代えた以外は実施例3と同様に行った結果、23℃での可使時間は55分と十分に長く、23℃での施工可能時間は14時間であり翌日施工が可能であった。また、得られた塗膜は高伸長形手塗り用ウレタン防水材として良好な初期物性と十分な耐熱・耐アルカリ性を示した。
(比較例1)
比較例1は実施例1と同じNCO含有量が2.91質量%である主剤に対して、硬化剤に芳香族ポリアミンとしてDETDAのみを使用し、質量比1:2で混合した例である。
主剤のNCO含有量が2.91質量%と高く、硬化剤中の活性水素化合物がDETDAのみである比較例1は、得られた塗膜は高伸長形手塗り用ウレタン防水材として良好な初期物性と耐熱・耐アルカリ性を示しているが、23℃での可使時間が26分と不十分であった。
(実施例5、6)
実施例5、6はNCO含有量がそれぞれ2.46、1.95質量%である主剤に対して、比較例1と同様に硬化剤の芳香族ポリアミンとしてDETDAのみを使用し、質量比1:2で混合した例である。23℃での可使時間はそれぞれ34、47分と長くなり、23℃での施工可能時間は8、12時間であり翌日施工が可能であった。実施例5では、5℃での施工可能時間が18時間であり低温においても翌日施工が可能であった。また、得られた塗膜は高伸長形手塗り用ウレタン防水材として良好な初期物性と十分な耐熱・耐アルカリ性を示した。
(実施例7、8)
実施例7、8は、主剤100gに対して、酸無水物硬化促進剤であるHN−2200を0.30、0.60g添加した以外は、実施例6と同様に実施した例である。
実施例7、8は、23℃での可使時間はそれぞれ45、43分と実施例6に比べるとやや短くなるが、23℃での施工可能時間は7、6時間と大幅に短縮され翌日施工が可能であった。さらに、5℃での施工可能時間も17、13時間であり冬季条件でも翌日施工が可能であった。また、得られた塗膜は高伸長形手塗り用ウレタン防水材として良好な初期物性と十分な耐熱・耐アルカリ性を示した。
(実施例9、10)
実施例9、10は、主剤100gに対して、酸無水物硬化促進剤であるHN−2200を0.30、0.60g添加した以外は、実施例3と同様に実施した例である。
実施例9、10は、23℃での可使時間はそれぞれ56、49分と実施例3に比べるとやや短くなるが、23℃での施工可能時間は8、6時間と大幅に短縮され翌日施工が可能であった。さらに、5℃での施工可能時間も19、14時間であり冬季条件でも翌日施工が可能であった。また、得られた塗膜は高伸長形手塗り用ウレタン防水材として良好な初期物性と十分な耐熱・耐アルカリ性を示した。
(実施例11、12)
実施例11、12は主剤NCO/硬化剤NH当量比を実施例3の1.20から各々0.95、1.40に変えた例である。実施例11、12は、いずれも実施例3に比べると塗膜の引張強度がやや低下する傾向にあるが、高伸長形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性と十分な耐熱・耐アルカリ性を示し、十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
(実施例13、14)
実施例13は硬化促進剤として、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール0.50gを、実施例14はジオクチル錫ジラウレート0.01gを添加した以外は、実施例12と同様に実施した例である。実施例13、14は、いずれも実施例12と比べて施工性・硬化性はほぼ同等でかつ塗膜の引張強度が向上傾向にあり、高伸長形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性と十分な耐熱・耐アルカリ性を示し、十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
なお、各評価項目の測定方法は次のとおりである。
[NCO(質量%)]
200mLの三角フラスコに主剤約1gを精秤し、これに0.5Nジ−n−ブチルアミン(トルエン溶液)10mL、トルエン10mLおよび適量のブロムフェノールブルーを加えた後メタノール約100mLを加え溶解する。この混合液を0.25N塩酸溶液で滴定する。NCO(質量%)は以下の式によって求められる。
NCO(質量%)=(ブランク滴定値−0.5N塩酸溶液滴定値)×4.202×0.25N塩酸溶液のファクター×0.25÷サンプル質量
[可使時間(分)]
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合開始から、BH型粘度計で2rpmにおける粘度が60,000mPa・sになるまでの時間を測定した。
[施工可能時間(時間)]
23℃または5℃、湿度50%の空気循環式型環境試験室内において、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合した防水材を2kg/m塗布し、完全には硬化していないが、塗膜上を靴で歩行が可能となり、次工程の作業を開始できるまでの時間を測定した。
[引張強さ(N/mm)]
養生条件を23℃、湿度50%で7日とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形では引張強さは2.3N/mm以上)。
[破断時の伸び率(%)]
養生条件を23℃、湿度50%で7日とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形では破断時の伸び率は450%以上)。
[引裂き強さ(N/mm)]
養生条件を23℃、湿度50%で7日とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形では引裂き強さは14N/mm以上)。
[耐熱性 引張り強さ比(%)]
23℃、湿度50%で7日養生後、80℃の乾燥機に28日(JIS A 6021では80℃で7日)入れて加熱処理した試験片について、JIS A 6021に基づいて行い、処理前に対する引張強さ比(%)を求めた(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形では引っ張り強さ比は80℃、7日で80%以上)。
[耐アルカリ性 引張り強さ比(%)]
23℃、湿度50%で7日養生後、アルカリ処理条件を60℃、7日(JIS A 6021では23℃で7日)に変えた以外は、JIS A 6021に基づいて行い、処理前に対する引張強さ比(%)および破断時の伸び率(%)を求めた。(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形では引っ張り強さ比は23℃、7日で60%以上)。
Figure 0006820787
Figure 0006820787
Figure 0006820787
Figure 0006820787
本発明の組成物は、高伸長2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材として、建築物の屋上やマンション等の集合住宅のベランダ等の防水に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. ポリイソシアナート及びポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と、芳香族ポリアミン、可塑剤および無機充填剤を含む硬化剤とからなる2液型手塗り用ウレタン防水材組成物であって、前記主剤のポリイソシアナートがノルボルナンジイソシアナートを含み、前記主剤のイソシアナート基末端プレポリマーのNCO含有量が1.4質量%以上6.0質量%以下であり、
    前記硬化剤の芳香族ポリアミンが、ジエチルトルエンジアミンと下記一般式(1):
    Figure 0006820787
    〔式中、R〜Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基を示す。但し、R〜Rのうち少なくとも一つは炭素数1〜6のアルキル基である〕
    で表される芳香族ポリアミンとを含む2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
  2. 前記硬化剤中の芳香族ポリアミンの50当量%以上97当量%以下が前記ジエチルトルエンジアミンであり、3当量%以上50当量%以下が前記一般式(1)で表される芳香族ポリアミンであり、0当量%以上20当量%以下が、前記ジエチルトルエンジアミン及び前記一般式(1)で表される芳香族ポリアミン以外の第3の芳香族ポリアミンである、請求項1に記載の2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
  3. 硬化促進剤として酸無水物を含む、請求項1または2に記載の2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
  4. ポリイソシアナート及びポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と、芳香族ポリアミン、可塑剤および無機充填剤を含み且つポリオールを含まない硬化剤とからなる2液型手塗り用ウレタン防水材組成物であって、前記主剤のポリイソシアナートがノルボルナンジイソシアナートを含み、前記主剤のイソシアナート基末端プレポリマーのNCO含有量が1.2質量%以上2.8質量%以下であり、前記硬化剤の芳香族ポリアミンがジエチルトルエンジアミンである2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
  5. 硬化促進剤として酸無水物を含む、請求項4に記載の2液型手塗り用ウレタン防水材組成物。
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