JP7075813B2 - 土木建築用コーティング樹脂組成物、硬化物、土木建築構造物、及び土木建築構造物のコーティング方法 - Google Patents
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Description
土木建築用コーティング樹脂組成物(A液(主剤)及びB液(硬化剤組成物))は、当業者において通常用いられる方法によって製造することができる。A液及びB液はそれぞれ、A液及びB液の各成分を、例えば、ディスパー、ボールミル、S.G.ミル、ロールミル、及びプラネタリーミキサー等で混合することにより調製することができる。
土木建築用コーティング樹脂組成物は、例えば、コンクリート構造物はく落防止、コンクリート構造物保護、タイルのはく落防止、建築物の塗膜防水材、建築物の塗り床材、建築物の外壁塗装、及び橋梁の床版防水材等に用いることができる。
硬化物の一実施形態は、上述の土木建築用コーティング樹脂組成物を硬化して得られる硬化物である。硬化物の形態は、例えば、膜であってもよい。硬化物は、例えば、硬化膜、及びコーティング膜等を含む。
硬化物は、押し抜き試験における変位が10mm以上、30mm以上、50mm以上、又は70mm以上であってよく、最大耐荷力が1.5kN以上、1.8kN以上、2.0kN以上、又は2.5kN以上であってよい。硬化物の変位及び最大耐荷力は、23℃において上記数値範囲内であることが好ましく、-10℃、23℃、及び50℃の各温度において上記数値範囲内であることがより好ましく、-30℃、23℃、及び50℃の各温度において上記数値範囲内であることがさらに好ましい。硬化物の変位及び最大耐荷力が上記の範囲内であると、コンクリート片及びタイル等のはく落を好適に防止できる。また、硬化物の変位及び最大耐荷力が上記の範囲内であると、従来の土木建築用コーティングと比較して耐荷力に優れるため、荷重がかかった場合でも破れにくく、信頼性の高いコーティングとなる。なお、押し抜き試験は、JSCE-K 533-2013(土木学会 コンクリート片のはく落防止に適用する表面被覆材の押し抜き試験方法)に準じて求めることができる。
硬化物のコンクリート表面保護の性能は、各種の耐久性試験後(標準養生後、促進耐候性試験後、温冷繰り返し試験後、耐アルカリ試験後、及び耐湿試験後)、硬化物の健全性に優れることが好ましく、硬化物に異常がないことがより好ましい。また、各種の耐久性試験後(標準養生後、促進耐候性試験後、温冷繰り返し試験後、及び耐アルカリ試験後)、硬化物とコンクリートとの付着強度は、1.0N/mm2以上、1.5N/mm2以上、又は2.0N/mm2以上であってよい。
土木建築構造物の一実施形態は、上述の土木建築用コーティング樹脂組成物の硬化物を備える。本実施形態に係る土木建築構造物は、例えば、上述の土木建築用コーティング樹脂組成物を、例えば、塗料(上塗り塗料、中塗り塗料、下塗り塗料)、コーティング、プライマー、トップコート、ペンキ、スプレー、及びワニス等として用いて得られる土木建築構造物であってよい。土木建築構造物は、例えば、上述の土木建築用コーティング樹脂組成物を、対象となる構造物に塗布して樹脂組成物層を設けて、当該樹脂組成物層を硬化させることによって硬化物層(例えば、硬化膜、コーティング等)を形成することで得られる。
コーティング方法の一実施形態は、上述の土木建築用コーティング樹脂組成物を用いる工程を含む。上記コーティング方法は、例えば、対象となる構造物上に上述の土木建築用コーティング樹脂組成物からなる樹脂組成物層を設け、上記樹脂組成物層を硬化させる工程を含む方法であってよい。上記コーティング方法は、例えば、上述の土木建築用コーティング樹脂組成物を対象となる構造物(例えば、土木建築構造物)に適用させる前に、上記構造物の表面にプライマー、不陸調整材ガスバリア塗料、補強用塗料、及びパテからなる群より選ばれる少なくとも1種を塗布する工程を含んでもよい。また、上記コーティング方法は、補強メッシュ又は短繊維を施工する工程(例えば、上記樹脂組成物をメッシュ又は短繊維に含浸させる工程)を含んでもよい。
実施例、及び比較例における評価は以下の方法に従って行った。
[可使時間]
樹脂組成物(A液(主剤)及びB液(硬化剤組成物))を均一になるまで混合した後、23℃の条件下で可使時間を測定した。なお、可使時間は、均一になるまで混合した樹脂組成物をヘラでスレート板に塗布して塗膜を形成する操作において、樹脂組成物が硬化する前に平滑な塗膜を形成することが可能な最大の時間とした。樹脂組成物の可使時間を下記の基準で樹脂組成物の評価を行った。
A:可使時間が、30分以上
B:可使時間が、20分以上30分未満
C:可使時間が、10分以上20分未満
D:可使時間が、10分未満
均一になるまで混合した樹脂組成物に対して、JIS A1439(2010)「建築用シーリング材の試験方法」の「5.19 タックフリー試験」に準拠して、23℃、50%相対湿度におけるタックフリー時間を測定して、下記の基準で評価した。
A:タックフリー時間が、6時間未満
B:タックフリー時間が、6時間以上24時間未満
C:タックフリー時間が、24時間以上72時間未満
D:タックフリー時間が、72時間以上
樹脂組成物の試料に、アセトニトリルを加えた後、試料中のイソシアナト基の量に対して大過剰の二級アミン(例えば、芳香族イソシアネートに対してはジエチルアミン、脂肪族イソシアネートに対しては1-フェニルピペラジン)を添加して、室温で誘導体化を行った。さらにアセトニトリルで希釈し、高速液体クロマトグラフィー装置(日本分光株式会社製、PU-2085 Plus型、検出器:UV、カラム:CAPCELL PAK C18 UG120、溶離液:アセトニトリルと水との混合溶媒)にて定量分析を行った。検出された誘導体の含有量から、飽和蒸気濃度が300ppb以下であるポリイソシアネートの残存量を下記の基準で評価した。
A:残存量が、1質量%未満
B:残存量が、1質量%以上
均一になるまで混合した樹脂組成物について、東機産業株式会社製のE型粘度計TVE25Hを用いて、JIS-Z8803(液体の粘度測定方法)に従い粘度を測定した。コーンローターは、3°×R9.7を用い、この際のサンプル量は0.2mlとした。測定温度は23℃とした。回転速度は20rpmとした。増粘剤を添加したサンプルのチキソ性を求める場合には、回転速度を5rpm及び50rpmとして粘度を測定し、回転速度を5rpmとした際の粘度を、回転速度を50rpmとした際の粘度で割った値をチキソトロピーインデックス(TI)とした。
23℃の条件下、垂直に立てたスレート板(厚さ:4mm×横:70mm×縦:150mm)の上部から10~70mmの位置に、縦60×横60mmの範囲で所定の厚み(標準は1mm)となるように、均一になるまで混合した樹脂組成物のサンプルを塗布して、硬化するまでのタレの長さを計測し、下記の基準で評価した。
A:タレの長さが、10mm未満
B:タレの長さが、10mm以上、100mm未満
C:タレの長さが、100mm以上
[硬化膜の作製]
均一になるまで混合した樹脂組成物を、はく離処理された基板に厚さ2mmとなるように塗布した後、23℃、50%RHの標準状態で、7日間養生することによって評価用サンプルである硬化膜を作製した。
上記で得られた硬化膜を目視観察によって評価した。
A:硬化膜が、無色透明である。
B:硬化膜が、わずかに着色している、又はわずかな濁りがある。
C:硬化膜が、着色している又は濁りがある。
上記で得られた硬化膜からダンベル状3号形を使用して試験片を打ち抜き、得られた試験片に対して、各温度おける破断強度、破断伸度、及び引張弾性率を、JIS K 7161-1:2014「プラスチック-引張特性の求め方」に準拠して測定した。
上記で得られた硬化膜に対して、日本電色工業株式会社製のNDH2000を用いて、JIS K 7136:2000(プラスチック-透明材料のヘーズの求め方)に従いヘーズを測定した。
日本電色工業株式会社製のNDH2000を用い、JIS K 7375:2008(プラスチック-全光線透過率及び全光線反射率の求め方)に従い全光線透過率を測定した。
上記で得られた硬化膜を短冊状に切り取って試験片とし、TA Instruments社製の固体粘弾性アナライザー RSA-G2を用いて、以下の条件で測定した。
測定モード:引っ張りモード 動的測定
sweep TYPE:温度ステップ3℃/分
Soak時間:0.5分
周波数:1Hz(6.28rad/秒)
ひずみ:0.2~3%(AUTO設定)
温度範囲:-100℃~200℃
雰囲気:窒素気流中
なお、損失正接の極大値は、動的粘弾性測定によって測定される損失弾性率(E’’)と貯蔵弾性率(E’)との比(損失弾性率の値を貯蔵弾性率の値で割った値:E’’/E’)の温度依存性を示すグラフから求め、上記極大値を示す温度を、ピーク温度とした。
[促進暴露試験]
上記で得られた硬化膜から、縦100mm×横50mm×厚さ2mmの短冊状に試験片を採取し、JIS B7753に規定するサンシャインウェザオメーター(スガ試験機株式会社製、ブラックパネル温度:63℃、シャワー18分/120分)を用いて以下の評価を行った。なお、試験時間は、700時間とした。
促進暴露試験後の試験片を目視により観察し、下記の基準で評価した。
A:試験片に、異常のない場合
B:試験片に、僅かな黄変、濁り、又はクレーズが認められる場合
C:試験片に、クラック・変色が認められる場合
スレート板上に、筆記具を用いて0.1mm幅と0.2mm幅の黒色のラインを描き、その後に、均一になるまで混合した樹脂組成物を、ヘラを用いて厚さ2mmとなるようにラインを描いたスレート板上に塗布し、23℃、50%RHの標準状態で、7日間養生した後、下記の基準で評価した。
A:目視にて0.1mm幅のラインが明確に視認できる場合
B:目視にて0.1mm幅のラインは明確に視認できないが、0.2mmのラインは明確に視認できる場合
C:目視にて0.1mm幅と0.2mm幅のラインが明確に視認できない場合
上記の引張試験と同様の方法で、促進暴露試験前後の試験片を評価し、各々の保持率を求めた。
JIS K5600-4-6:1999「塗料一般試験方法の測色(SCE)」に準拠して、分光測色計(KONIKA MINOLTA社製、SPECTROPHTOMETER CM-2500d)を用いて測定される、促進暴露試験前の試験片のL*a*b*を初期値とし、当該初期値に対する促進暴露試験後の試験片のL*a*b*を測定し、ΔE*abを下記の基準で評価した。
A:ΔE≦3
B:3<ΔE≦15
C:15<ΔE
JIS K5600-4-7:1999「塗料一般試験方法の鏡面光沢度(60°)に準拠し、光沢計(BYK Gardner社製、micro-TRI-gloss)を用いて測定される、促進暴露試験前の試験片の鏡面光沢度を初期値とし、当該初期値に対する促進暴露試験後の試験片の鏡面光沢度を測定し、光沢保持率を下記の基準で評価した。
A:光沢保持率が、80%以上
B:光沢保持率が、60%以上80%未満
C:光沢保持率が、60%未満
[押し抜き試験]
JSCE-K 533-2013(土木学会 コンクリート片のはく落防止に適用する表面被覆材の押し抜き試験方法)に準じて試験を行ない、荷重-変位測定における変位10mm以上における最大荷重を押し抜き最大荷重(kN)とした。なお、下地は300mm×300mm×60mmの上蓋式U形側溝蓋を用いた。
実施例で使用した原材料は、次のとおりである。
[ポリイソシアネート]
炭素数13以上の脂肪族ポリイソシアネート
H-MDI:ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート(エボニックジャパン社製、VESTANAT H12MDI)
D101:ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、NCO%:19.7質量%)
D201:ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、NCO%:15.8質量%)
炭素数13未満の脂肪族ポリイソシアネート
H6XDI:水添キシリレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、タケネート600)
IPDI:イソホロンジイソシアネート(エボニックジャパン社製、VESTANAT IPDI)
芳香族ポリイソシアネート
MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
PH-200D:ポリカーボネートジオール(宇部興産株式会社製、商品名:ETERNACOLL PH-200D、水酸基価:56.6mgKOH/g)
PH-100:ポリカーボネートジオール(宇部興産株式会社製、商品名:ETERNACOLL PH-100、水酸基価:106.0mgKOH/g)
PTMG 1000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱ケミカル株式会社製、水酸基価:115.6mgKOH/g)
PTMG 3000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱ケミカル株式会社製、水酸基価:39.5mgKOH/g)
芳香族ポリアミン
DETDA:ジエチルトルエンジアミン(三井化学ファイン株式会社製、ETHACURE 100 PLUS)
脂肪族ポリアミン(ポリエーテルポリアミン)
T5000:ポリオキシアルキレントリアミン(三井化学ファイン株式会社製、商品名:Polyeteramine T 5000、アミン価:29.8mgKOH/g)
脂肪族ポリアミン(脂環構造を有するポリアミン)
DMDC:4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)
DC11:イソホロンジアミン変性組成物(三菱ケミカル株式会社製、jERキュアDC11)
脂肪族ポリオール
BD:1,4-ブタンジオール
TMP:トリメチロールプロパン
アルカノールアミン
MEA:モノエタノールアミン
DEA:ジエタノールアミン
シラン化合物
KBM-903:3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)
(1)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体
(i)TINUVIN 400:2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルとオキシラン[(C10-C16、主としてC12-C13アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物、15% 1-メトキシ-2-プロパノール(BASFジャパン株式会社製)
(2)ヒンダードアミン系誘導体
(i)TINUVIN 292:70-80% ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートと、20-30% メチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケートとの混合物(BASFジャパン株式会社製)
(ii)TINUVIN 123:デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル:1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(BASFジャパン株式会社製)
フュームドシリカ(親水性)
Aerosil 200:日本アエロジル株式会社製、比表面積200m2/g
Aerosil 300:日本アエロジル株式会社製、比表面積300m2/g
フュームドシリカ(疎水性)
Aerosil R974:日本アエロジル株式会社製、比表面積200m2/g、ジメチルシリル処理
Aerosil RX200:日本アエロジル株式会社製、比表面積200m2/g、トリメチルシリル処理
Aerosil RX300:日本アエロジル株式会社製、比表面積300m2/g、トリメチルシリル処理
ポリカルボン酸アマイド誘導体
BYK 405:ポリカルボン酸アマイドの溶液(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
ポリヒドロキシカルボン酸エステル誘導体
BYK-R 606:ポリヒドロキシカルボン酸エステル(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
DBTDL:ジラウリン酸スズジブチル(和光純薬工業株式会社製)
キシレン:和光純薬工業株式会社製
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(三協化学株式会社製)
[プライマー]
エポキシ系プライマー
無溶剤形低粘度エポキシ樹脂系プライマー(主剤:エポキシ樹脂、硬化剤:ポリアミン、混合粘度:500mPa・s(23℃))
<<末端がイソシアナト基であるプレポリマーP1の合成>>
末端がイソシアナト基であるプレポリマーを次のとおり合成した。
攪拌機、温度計、窒素シール管、及び加熱・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながら、1000質量部のポリオール(PH-200D)を仕込み、攪拌しながら670質量部のポリイソシアネート(H-MDI)を仕込み、さらに硬化触媒としてDBTDLを、H-MDI及びPH-200Dの合計量を基準として、10ppm加えた。H-MDI及びPH-200Dの仕込み比(モル比)は表1に示すとおりとした。その後、70~80℃で攪拌しながら反応させた。JIS K 1603-1:2007「イソシアネート基含有率の求め方」の手順に従った中和滴定によって決定されるイソシアナト基の含有量が、理論値以下になった時点(約2時間)で反応を終了し、冷却することによってプレポリマーP1を合成した。得られたプレポリマーP1は、滴定によるイソシアナト基の含有量がプレポリマーP1の全量基準で、10.3質量%であった。得られたプレポリマーP1は、常温で透明の液体であり、23℃における粘度が157,000mPa・sであった。
<<末端がイソシアナト基であるプレポリマーP2~P12の合成>>
表1及び表2に示すとおりに原材料及び仕込み比(モル比)を変更したこと以外は、合成例1と同様にして、末端がイソシアナト基であるプレポリマーP2~P8及びその他のプレポリマーP9~P12を合成した。なお、プレポリマーP7は、23℃における粘度86,000mPa・sであり、プレポリマーP11は、23℃における粘度28,000mPa・sであった。各合成例で得られたプレポリマーP1~P12を以下の樹脂組成物の調製において主剤(A液)として用いた。
<硬化剤組成物(B液)の調製>
容器に、表3に示すとおりに硬化剤(b)、硬化触媒(e)及び溶剤(f)を仕込み、均一になるまで混練することで硬化剤組成物(B液)を調製した。具体的には、容器に、硬化剤(b)として10.4質量部の1,4-ブタンジオール(BD)、硬化触媒(e)として0.05質量部のジラウリン酸スズジブチル(DBTDL)、及び溶剤(f)として11.1質量部のキシレンを加えて均一になるまで混練し、硬化剤組成物(B液)を調製した。
表3に示すとおりに、容器に、プレポリマー(a)としてP1を100質量部仕込み、上記で調製した硬化剤組成物(B液)を21.55質量部加えて均一になるまで攪拌混合し、樹脂組成物を製造した。プレポリマー(a)、硬化剤(b)の各成分、及び溶剤(f)の仕込み比(質量比)は表3に示すとおりである。
樹脂組成物、及び硬化膜について、可使時間、タックフリー時間、飽和蒸気濃度300ppb以下のイソシアネートの残存量、硬化膜の透明性、23℃における破断強度、23℃における引張弾性率、及び23℃における破断伸度について評価した。その結果を表3に示す。
表3~表7に示すとおりに原材料及び仕込み比(質量比)を変更したこと以外は実施例1と同様にして、B液を調製した。さらに主剤(A液)として、表3~表7に示すプレポリマー(a)100質量部に対して、上記B液を表3~表7に示す質量部で仕込み、攪拌混合して、樹脂組成物を製造した。樹脂組成物、及び硬化膜について、可使時間、タックフリー時間、飽和蒸気濃度300ppb以下のイソシアネートの残存量、硬化膜の透明性、破断強度、引張弾性率及び破断伸度について評価した。その結果を表3~表7に示す。
実施例5の樹脂組成物を用いて、はく落防止の押抜き試験、ひび割れ含浸試験、及びはく落防止の耐久性試験(付着強度、ひび割れ抵抗性、塩化物イオン透過性)を行った。これらの試験は、構造物施工管理要領(平成29年7月、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社)のはく落防止対策に従って行い、評価した。
はく落防止の押抜き試験は、上述のはく落防止性能の評価と同様の方法で行った。
(2)はく落防止の耐久性能試験
はく落防止の耐久性能試験は、NEXCO試験方法 第4編 試験法425-2004に従って評価した。
実施例5の樹脂組成物を用いて、硬化膜の外観、コンクリートとの接着性、劣化因子遮断性(遮塩性、酸素透過阻止性、水蒸気透過阻止性、中性化阻止性)、及びひびわれ追従性を評価した。これらの性能評価は、構造物施工管理要領(平成29年7月、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社)のコンクリート表面保護の性能照査に従って行った。
表10に示すとおりに原材料及び仕込み比(質量比)を変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。樹脂組成物、及び硬化膜について、可使時間、タックフリー時間、飽和蒸気濃度300ppb以下のイソシアネートの残存量、透明性、全光線透過率、破断強度、引張弾性率、破断伸度、引張弾性率の温度変化率、色差、損失正接の極大値を示す温度及びはく落防止性能について評価した。その結果を表10に示す。
Claims (18)
- イソシアナト基を有するプレポリマー(a)と、硬化剤(b)とを含む、コーティング樹脂組成物であって、
プレポリマー(a)が、イソシアナト基を2個有する炭素数13以上の脂肪族ポリイソシアネート(ただし、イソシアヌレート結合又はアロファネート結合を有するものを除く)由来の構造及びポリオール(ただし、3官能以上のポリヒドロキシ化合物を除く)由来の構造を有し、
前記コーティング樹脂組成物における脂肪族ポリイソシアネートの含有量が25質量%以下である、土木建築用コーティング樹脂組成物。 - 前記脂肪族ポリイソシアネート由来の構造が脂環構造を含む、請求項1記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
- プレポリマー(a)が、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリカーボネートポリエステルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールに由来する構造を有する、請求項1又は2に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
- 硬化剤(b)が、芳香族系硬化剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
- 硬化剤(b)が、直鎖状の脂肪族ポリアミン、分岐状の脂肪族ポリアミン、及び1級アミノ基を1つ以上有する脂環ポリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂肪族ポリアミンを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
- 硬化剤(b)が、芳香族ポリアミン、芳香族ポリオール、脂肪族ポリアミン、脂肪族ポリオール、アルカノールアミン及びシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種の硬化剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
- 前記コーティング樹脂組成物が、耐候性付与剤(c)を更に含み、
前記耐候性付与剤(c)が、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、及びヒンダードアミン系誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。 - 前記コーティング樹脂組成物が、揺変性付与剤(d)を更に含み、
前記揺変性付与剤(d)が、微粉状シリカ、ポリヒドロキシカルボン酸エステル誘導体、ポリカルボン酸アマイド誘導体、及びポリエーテルリン酸エステル誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。 - 前記脂肪族ポリイソシアネートは、25℃、大気圧下における飽和蒸気濃度が300ppb以下の化合物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
- コンクリート構造物はく落防止、コンクリート構造物保護、タイルのはく落防止、建築物の塗膜防水、又はコンクリート床版の床版防水に用いられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
- 破断強度が、-10℃において10MPa以上、23℃において5MPa以上、及び50℃において3MPa以上である、請求項11に記載の硬化物。
- 破断伸度が、-10℃において100%以上、23℃において100%以上、及び50℃において100%以上である、請求項11又は12に記載の硬化物。
- 引張弾性率が、-10℃において5~200MPa、23℃において1~150MPa、及び50℃において1~150MPaである、請求項11~13のいずれか一項に記載の硬化物。
- 50℃における引張弾性率に対する、-10℃における引張弾性率の比が0.8~30である、請求項11~14のいずれか一項に記載の硬化物。
- 動的粘弾性測定よって測定される損失正接が-10~30℃の温度域に極大値を有しない、請求項11~15のいずれか一項に記載の硬化物。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物の硬化物を備える土木建築構造物。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の土木建築用コーティング樹脂組成物を用いる、土木建築構造物のコーティング方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018065601 | 2018-03-29 | ||
JP2018065601 | 2018-03-29 |
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