JP7398208B2 - コンクリート片の剥落防止工法 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 平成30年5月29日兵庫県佐用郡佐用町口長谷808において施工された智頭線高架橋修繕で使用
本発明は、橋梁、トンネル又は建築物等のコンクリート構造物の表面からコンクリート片が剥落するのを防止する工法に関するものである。
従来より、コンクリート構造物の表面からコンクリート片が剥落するのを防止するために、コンクリート躯体表面に繊維シートを展張すると共に,イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンを含む塗装材を塗布して、繊維シートが埋入された透明補強層を形成することが行われている(特許文献1)。しかるに、繊維シートを展張した状態で塗装材を塗布するという施工は、作業者にとって煩雑なものであった。
このため、繊維シートを用いることなく、コンクリート躯体表面にイソシアネートプレポリマーと芳香属アミンを含む塗装材を塗布して強靱な透明補強層を形成するという、コンクリート片の剥落防止工法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この塗装材は、硬化が速いということがあった。すなわち、イソシアネートプレポリマーと芳香属ポリアミンとを混合した直後の粘度が、30分経過後には2倍になってしまうのである(特許文献2、請求項1)。そして、塗装材の硬化が早いと、可使時間が短くなり、作業しにくいという欠点が生じるのである。また、形成された透明補強層が経時的に黄変しやすく透明性が低下し、コンクリート躯体のひび割れや劣化等を目視により確認しにくくなるという欠点もあった。
特許第6320223号公報 特許第5680821号公報
本発明の課題は、強靱な透明補強層を形成しうる塗装材の可使時間を延ばして、作業性を向上させると共に、形成された透明補強層が経時的に黄変しにくく透明性を維持しうる、コンクリート片の剥落防止工法を提供することにある。
本発明は、イソシアネートプレポリマーに、特定のイソシアヌレートと特定の脂環式ジアミン化合物を組み合わせてなる塗装材を塗布して、透明補強層を形成することにより、上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、コンクリート躯体の表面側に透明プライマー層を形成した後、該透明プライマー層上に透明補強層を形成するコンクリート片の剥落防止工法であって、前記透明補強層は、化1で表されるイソシアヌレート化合物、化2で表される末端基を複数個持つイソシアネートプレポリマー及び化3で表される脂環式ジアミン化合物を含み、該イソシアネートプレポリマー100質量部に対し、該イソシアヌレート化合物が10~60質量部及び該脂環式ジアミン化合物が10~80質量部配合されてなる塗装材を塗布して形成することを特徴とするコンクリート片の剥落防止工法に関するものである。
Figure 0007398208000001
(化1中、R1、R2及びR3は、炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)
Figure 0007398208000002
(化2中、R4は窒素原子を含むことのある炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基であり、Xは、O、NH及びNRよりなる群から選ばれた基であり、Rは窒素原子を含むことのある炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)
Figure 0007398208000003
(化3中、R6は水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基であり、R7は水素原子又は
Figure 0007398208000004
であって、R10は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基であり、R8は水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基であり、R9は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)
本発明に係る工法を順に説明する。まず、コンクリート躯体表面にプライマーを塗布して、透明プライマー層を形成する。プライマーとは下塗り塗料のことであり、コンクリート躯体表面に下地を形成し、この上に形成される透明補強層との接着性を高めるためのものである。プライマーの塗布量は任意であるが、一般的に0.05~0.2kg/m2程度である。プライマーとしては、従来公知の下塗り塗料が用いられる。たとえば、1液型又は2液型エポキシ樹脂、1液型又は2液型ウレタン樹脂、2液型アクリル樹脂等が用いられる。作業性の点で、1液型エポキシ樹脂又は1液型ウレタン樹脂を用いるのが好ましい。なお、プライマー層が透明になっているのは、目視によりコンクリート躯体の状態を確認しうるようにするためである。
透明プライマー層を形成した後に、この層上に塗装材を塗布し、透明補強層を形成する。本発明は、特に、この塗装材として特定のものを用いた点に特徴がある。本発明で用いる塗装材は、化1で表されるイソシアヌレート化合物(以下、単に「イソシアヌレート化合物」という。)、化2で表される末端基を複数個持つイソシアネートプレポリマー(以下、単に「イソシアネートプレポリマー」という。)及び化3で表される脂環式ジアミン化合物(以下、単に「脂環式ジアミン化合物」という。)を含むものである。
[イソシアヌレート化合物]
イソシアヌレート化合物は、以下の化合物の三量体、すなわち三分子が縮合して生成したものである。具体的には、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシジルジイソシアネート等の三分子が環状に縮合して生成したイソシアヌレート化合物を用いることができる。これらのイソシアヌレート化合物は、NCO基が炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を介して環を構成している窒素原子と結合しているため、反応性が低下し、塗装材の可使時間を延ばしうるものである。たとえば、NCO基が芳香族炭化水素基を介して環を構成している窒素原子と結合していると、反応性が高く、塗装材の可使時間を延ばすことができない。また、形成された透明補強層が経時的に黄変しやすくなる。本発明では、特にイソホロンジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート化合物を用いるのが好ましい。
イソシアヌレート化合物中に導入される脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基の炭素数は3~20である。この炭素数が3未満になると、反応性が低下しにくくなり、塗装材の可使時間を延ばすことができない。また、炭素数が20を超えると、透明補強層の強靱性が低下する。イソシアヌレート化合物の塗装材中の配合量は、イソシアネートプレポリマー100質量部に対して、10~60質量部である。イソシアヌレート化合物の配合量が10質量部未満であると、透明補強層の強靱性が低下する。また、イソシアヌレート化合物の配合量が60質量部を超えると、透明補強層が脆くなる。
[イソシアネートプレポリマー]
イソシアネートプレポリマーとしては、従来公知のものが用いられる。具体的には、活性水素を有するポリオール化合物、第一級アミン化合物又は第二級アミン化合物と、脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物とを、錫触媒等の触媒の存在下又は触媒の無存在下、イソシアネート基が過剰の条件で反応して得られるものである。イソシアネート基が過剰の条件で生成されるので、得られるイソシアネートプレポリマーの末端にはNCO基が結合している。
ポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子ポリオール化合物;ジメチロールブタン酸又はジメチロールプロピオン酸等のカルボキシル基を有するポリオール化合物;ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールやその誘導体等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール又はポリカーボネートポリオール等の高分子ポリオール化合物を用いることができる。
第一級アミン化合物又は第二級アミン化合物としては、エチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン又はペンタエチレンヘキサミン等の脂肪族ポリアミン;4,4´-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン又はノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン;;ポリオキシアルキレン骨格を有するポリアミンを用いることができる。
脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物としては、イソシアヌレート化合物を生成するときに用いたものと同様のものが用いられる。本発明では、イソシアネートプレポリマーを得るのに、芳香族ジイソシアネート化合物を用いるのは好ましくない。芳香族ジイソシアネート化合物を用いて得られたイソシアネートプレポリマーは、可使時間を延ばしにくく、しかも得られた透明補強層が経時的に黄変しやすくなるからである。本発明では、イソシアネートプレポリマーを得るのに、ポリエーテルポリオールからなるポリオール化合物と脂環式ジイソシアネート化合物とを、錫触媒の存在下、イソシアネート基が過剰の条件で反応して得られるものを用いるのが好ましい。特に、ポリテトラメチレングリコール又はその誘導体とイソホロンジイソシアネートとを、錫触媒の存在下、イソシアネート基が過剰の条件で反応して得られるものを用いるのが最も好ましい。
[脂環式ジアミン化合物]
脂環式ジアミン化合物としては、化3の構造式で表されているとおり、4,4’-メチレンビス(シクロアルキルアミン)に不飽和カルボン酸エステルを付加させた化合物が用いられる。この脂環式ジアミン化合物は硬化材として機能するものであり、イソシアヌレート化合物とイソシアネートプレポリマーとを反応させ、透明補強層を形成するものである。脂環式ジアミン化合物の具体例としては、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)にマレイン酸ジエチルエステルを付加させた化合物や、4,4’-メチレンビス(メチルシクロヘキシルアミン)にマレイン酸ジエチルエステルを付加させた化合物等が用いられる。脂肪族ジアミン化合物を用いると、可使時間が短くなるので好ましくない。また、芳香属ジアミン化合物を用いると、形成された透明補強層が経時的に黄変しやすくなり、好ましくない。
脂環式ジアミン化合物の塗装材中の配合量は、イソシアネートプレポリマー100質量部に対して、10~80質量部である。脂環式ジアミン化合物の配合量が10質量部未満であると、透明補強層の強靱性が低下する。また、脂環式ジアミン化合物の配合量が80質量部を超えると、可使時間を延ばしにくくなる。
[その他の添加材]
塗装材中には、イソシアヌレート化合物、イソシアネートプレポリマー及び脂環式ジアミン化合物の他に、疎水性シリカやフュームドシリカ等の揺変材、紫外線吸収剤や光安定剤等の老化防止材又は着色するための染料を含有させてもよい。また、塗装材の粘度調整のために、ミネラルスピット等の炭化水素系溶剤を添加してもよい。特に、染料の場合、主材と硬化材に異色の染料を添加し、主材と硬化材を混合する際に、均一混合されているか否かを確認するのがよい。すなわち、黄色の主材と青色の硬化材を混合して塗装材を得る際に、塗装材が均一な緑色になれば、両者が均一に混合されていることを確認しうるのである。これらの添加材の配合量は、イソシアネートプレポリマー100質量部に対して、1~60質量部程度である。
[施工法]
まず、コンクリート躯体の表面側にプライマーを塗布して透明プライマー層を形成する。その後、施工現場で、イソシアヌレート化合物、イソシアネートプレポリマー及び脂環式ジアミン化合物を混合して、塗装材を調製する。施工現場までは、塗装材はキットして運搬される。キットは、硬化材である脂環式ジアミン化合物と、主材であるイソシアヌレート化合物及びイソシアネートプレポリマーとの組み合わせとなる。添加材は、硬化材中に含有させてもよく、主材に含有させてもよい。そして、施工する際に、主材と硬化材とを均一に混合して塗装材とし、これを透明プライマー層表面に塗布して透明補強層を形成する。塗装材の塗布量は任意であるが、一般的に0.5~1.5kg/m2程度である。塗布量が0.5kg/m2未満になると、透明補強層の強靱性が低下する傾向が生じる。また、塗布量が1.5kg/m2を超えると、透明補強層の強靱性は高くなるが、塗装材の使用量が多くなって合理的でない傾向となる。また、本発明に係る工法では、透明補強層が強靱であるため、補強用の繊維シートを用いる必要はなく、合理的である。
塗装材によって透明補強層を形成した後に、透明補強層上に仕上塗料を塗布して、仕上層を形成してもよい。仕上塗料としては、従来公知のものが用いられるが、経時的に黄変しにくいものが好ましい。たとえば、アクリル樹脂又はフッ素系樹脂等が用いられる。仕上塗料の塗布量は任意であるが、一般的に0.05~0.2kg/m2程度である。
本発明に係るコンクリート片の剥落防止工法は、透明補強層を特定の塗装材を用いて形成しているため、塗布する際の可使時間が長くなり、また形成された透明補強層も強靱で補強用の繊維シートを必要とせず、作業性が向上するという効果を奏する。また、特定の塗装材で形成された透明補強層は、長期に亙って黄変しにくく、透明性を維持しているため、コンクリート躯体のひび割れや劣化等を目視できるので、修繕の可否を確認しやすいという効果を奏する。
[原料の準備]
(1)プライマー
プライマーとして、以下の二種を準備した。
(1a)コニシ株式会社製「ボンド VMクリアプライマー」(1液型ウレタン樹脂)
(1b)コニシ株式会社製「ボンド VMプライマー」(1液型エポキシ樹脂)
(2)イソシアヌレート化合物
イソシアヌレート化合物として、以下の二種と、本発明では用いられないイソシアヌレート化合物の一種を準備した。
(2a)住化コベストロウレタン株式会社製「デスモジュール Z4470 BA」(イソホロンジイソシアネートの三量体)
(2b)旭化成株式会社製「デュラネートTKA-100」(ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体)
(2c)三井化学株式会社製「タケネートD-204」(トルエンジイソシアネートの三量体;本発明では用いられいないイソシアヌレート化合物)
(3)イソシアネートプレポリマー
イソシアネートプレポリマーとして、以下の三種と、本発明では用いられないイソシアネートプレポリマーの一種を準備した。
(3a)保土ヶ谷化学工業株式会社製「PTG L2000」(分子量2000の変性ポリテトラメチレングリコール)100質量部と、イソホロンジイソシアネート21質量部とを均一に混合し、触媒である日東化成株式会社製「ネオスタン U-830」(ジオクチル錫)0.003質量部の存在下、80℃で2時間反応させて得られたイソシアネートプレポリマー
(3b)三井化学SKCポリウレタン株式会社製「アクトコールD2000」(分子量2000のポリプロピレングリコール)100質量部と、イソホロンジイソシアネート20質量部とを均一に混合し、触媒である日東化成株式会社製「ネオスタン U-830」(ジオクチル錫)0.003質量部の存在下、80℃で2時間反応させて得られたイソシアネートプレポリマー
(3c)イソホロンジイソシアネート21質量部を、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート15質量部に変更した他は、上記(3a)と同一の条件で得られたイソシアネートプレポリマー
(3d)イソホロンジイソシアネート21質量部を、モノメリックMDI(4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート)24質量部に変更した他は、上記(3a)と同一の条件で得られたイソシアネートプレポリマー(本発明では用いられないイソシアネートプレポリマー)
(4)脂環式ジアミン化合物
脂環式ジアミン化合物として、以下の二種と、本発明では用いられないジアミン化合物の一種を準備した。
(4a)住化コベストロウレタン株式会社製「デスモフェン NH1420」(これは、化6で表される脂環式ジアミン化合物である。)
Figure 0007398208000005
(4b)住化コベストロウレタン株式会社製「デスモフェン NH1520」(これは、化7で表される脂環式ジアミン化合物である。)
Figure 0007398208000006
(4c)住化コベストロウレタン株式会社製「デスモフェン NH1220」(これは、化8で表される脂肪族ジアミン化合物であり、本発明では用いられないジアミン化合物である。)
Figure 0007398208000007
実施例1
コンクリート躯体表面に、プライマー(1a)を0.12kg/m2塗布し、常温で3時間養生して透明プライマー層を形成した。透明プライマー層を形成した後、イソシアヌレート化合物(2a)49質量部、イソシアネートプレポリマー(3a)100質量部、脂環式ジアミン化合物(4a)53質量部、ミネラルスピリット16質量部、疎水性シリカ13質量部、紫外線吸収剤1.7質量部及び光安定剤1.7質量部を均一に混合して塗装材を調製した。この塗装材を透明プライマー層の上に、1.0kg/m2塗布し、常温で14日間養生して透明補強層を形成し、剥落防止工法の施工を行った。
実施例2
プライマー(1a)に代えてプライマー(1b)を使用し、常温で24時間養生して透明プライマー層を形成した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
実施例3
イソシアヌレート化合物(2a)49質量部に代えて、イソシアヌレート化合物(2b)25質量部を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
実施例4
イソシアネートプレポリマー(3a)に代えて、イソシアネートプレポリマー(3b)を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
実施例5
イソシアネートプレポリマー(3a)に代えて、イソシアネートプレポリマー(3c)を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
実施例6
脂環式ジアミン化合物(4a)53質量部に代えて、脂環式ジアミン化合物(4b)56質量部を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
比較例1
イソシアヌレート化合物(2a)49質量部に代えて、イソシアヌレート化合物(2c)78質量部を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
比較例2
イソシアネートプレポリマー(3a)に代えて、イソシアネートプレポリマー(3d)を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
比較例3
脂環式ジアミン化合物(4a)53質量部に代えて、脂肪族ジアミン化合物(4c)44質量部を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
[可使時間の測定]
実施例1~6及び比較例1~3で調製した塗装材の可使時間を以下の方法で測定した。すなわち、調製した塗装材を23℃の環境下で1分間混合し、B型粘度形で初期粘度を測定した。その後、継続して粘度を測定し、初期粘度の1.5倍に到達するまでの時間(分)を測った。この結果を表1に示した。
[押抜き強さの測定]
実施例1~6及び比較例1~3の剥落防止工法を、コンクリート躯体に適用せずにJSCE-K 533に記載された供試体に適用した。そして、JSCE-K 533に記載の方法で、23℃の環境下にて、供試体に形成された透明プライマー層及び透明補強層に対して押抜き試験を行い、荷重-変位曲線を得た。そして、変位が10mm以上における最大荷重を求め、これを押抜き強さ(kN)とした。この結果を表1に示した。
[透明補強層の透明性維持試験]
実施例1~6及び比較例1~3の剥落防止工法を、コンクリート躯体に適用せずに60mm×40mmのモルタル板に適用し、透明プライマー層及び透明補強層を形成した。そして、メタルウェザーメーター(ダイプラ・ウィンテス社製 KW-R5TP-A)を使用して、透明補強層側から紫外線照射を行い、JIS K 7350-3記載の方法に準拠して促進耐候試験を行った。300時間試験を行った後、目視にて当初の透明性が維持されているか否かの評価を行った。色調及び透明性の変化が殆ど無くモルタル板を視認しうるものを「○」と評価し、色調が変わり透明性が低下しモルタル板を視認しにくくなったものを「×」と評価し、色調及び透明性の変化の程度が「○」と「×」の中間程度のものを「△」と評価し、これを表1に示した。
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
可使時間(分) 押抜き強さ(kN) 透明性維持
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 60分< 2.13kN ○
実施例2 60分< 2.43kN ○
実施例3 20~30分 1.14kN ○
実施例4 50~60分 1.46kN ○
実施例5 40~50分 1.52kN ○
実施例6 60分< 0.89kN ○
比較例1 20~30分 0.5kN> ×
比較例2 10分> 1.80kN △
比較例3 5分> 1.52kN ○
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表1の結果から明らかなように、実施例1~6で使用した塗装材を用いれば、可使時間が長く、形成された透明補強層は、押抜き強さが高く強靱であり、かつ、長期に亙って紫外線に暴露されても透明性を維持しうるものであった。これに対して、比較例1で使用した塗装材で形成された透明補強層は、押抜き強さが低く、しかも、長期に亙って紫外線に暴露されると透明性が低下するものであった。比較例2及び3で使用した塗装材は、可使時間が短く、現場での作業性に劣るものであった。なお、実施例6で使用した塗装材の場合、形成された透明補強層の押抜き強さが若干低いものであったが、塗装材中にガラス繊維を添加するなどの公知の技術を適用して、押抜き強さを向上させればよい。

Claims (9)

  1. コンクリート躯体の表面側に透明プライマー層を形成した後、該透明プライマー層上に透明補強層を形成するコンクリート片の剥落防止工法であって、
    前記透明補強層は、化1で表されるイソシアヌレート化合物、化2で表される末端基を複数個持つイソシアネートプレポリマー及び化3で表される脂環式ジアミン化合物を含み、該イソシアネートプレポリマー100質量部に対し、該イソシアヌレート化合物が10~60質量部及び該脂環式ジアミン化合物が10~80質量部配合されてなる塗装材を塗布して形成することを特徴とするコンクリート片の剥落防止工法。
    Figure 0007398208000008
    (化1中、R1、R2及びR3は、炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)
    Figure 0007398208000009
    (化2中、R4は窒素原子を含むことのある炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基であり、Xは、O、NH及びNRよりなる群から選ばれた基であり、Rは窒素原子を含むことのある炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)
    Figure 0007398208000010
    (化3中、R6は水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基であり、R7は水素原子又は
    Figure 0007398208000011
    であって、R10は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基であり、R8は水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基であり、R9は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)
  2. 補強用の繊維シートを使用しない請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
  3. 透明プライマー層は、1液型エポキシ樹脂又は1液型ウレタン樹脂を塗布することによって形成される請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
  4. イソシアヌレート化合物がイソホロンジイソシアネートの三量体である請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
  5. イソシアネートプレポリマーが、ポリエーテルポリオールと脂環式ジイソシアネートとを反応させて得られたものである請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
  6. ポリエーテルポリオールが化5で表される化合物であり、脂環式ジイソシアネートがイソホロンジイソシアネートである請求項5記載のコンクリート片の剥落防止工法。
    Figure 0007398208000012
    (化5中、R11は水素原子又は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基であり、m及びnは1以上である。)
  7. 塗装材に疎水性シリカ粒子及び/又は老化防止剤が含まれている請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
  8. 請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法に用いる塗装材を得るための塗装材キットであって、該塗装材キットは化1で表されるイソシアヌレート化合物及び化2で表される末端基を複数個持つイソシアネートプレポリマーを含む主材と、化3で表される脂環式ジアミン化合物を含む硬化材との組み合わせであって、該イソシアネートプレポリマー100質量部に対し、該イソシアヌレート化合物が10~60質量部及び該脂環式ジアミン化合物が10~80質量部の割合であることを特徴とする塗装材キット。
    Figure 0007398208000013
    (化1中、R1、R2及びR3は、炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)
    Figure 0007398208000014
    (化2中、R4は窒素原子を含むことのある炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基であり、Xは、O、NH及びNRよりなる群から選ばれた基であり、Rは窒素原子を含むことのある炭素数3~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)
    Figure 0007398208000015
    (化3中、R6は水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基であり、R7は水素原子又は
    Figure 0007398208000016
    であって、R10は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基であり、R8は水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基であり、R9は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)
  9. 主材又は硬化材中に、疎水性シリカ粒子及び/又は老化防止剤が含まれている請求項8記載の塗装材キット。
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