JP5227561B2 - ウレア樹脂組成物 - Google Patents
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剥落防止工法に適用するには、風雨や日光にさらされ、水の影響、酸性雨などの酸性、下地のコンクリートのアルカリ性、直射日光の影響による熱など、これらの環境に耐えるため、耐酸、耐アルカリ、耐水性は必須条件である。
従来のウレア樹脂系剥落防止工法は反応速度の速さから、衝突混合型の機械吹付けでの作業が一般的であり、前記耐水性等は難しい課題ではなかった。一方、機械で施工できない等により手作業で塗布するには芳香族アミンを用いたウレア樹脂があるが、反応速度の遅さから耐水性、強度の発現が遅く、または発現しないという問題があった。
保持率が80%以上であることを特徴とする請求項1或いは2いずれか一つに記載のウレア樹脂組成物であり、手塗することができ、硬化物の耐酸性がよい。
本発明のウレア樹脂は下記末端イソシアネートプレポリマーと芳香族アミンを当量比で アミン:イソシアネート=0.5〜0.99:1.0の範囲で混合することで得られる。好ましくは0.6〜0.8:1.0が良好な機械強度が得られる。
2官能、3官能のポリオールを混合したものと通常ポリウレタンエラストマー製造に使用されているポリイソシアネートとの反応によって得られる。
ポリオールの種類はポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ひまし油変性ポリオールなどが上げられ、いずれの種類のものでも範囲内の分子量のものであれば2種類以上混合して使用しても良い。
分子量1000〜4000、好ましくは分子量1500〜2500の2官能ポリオールと、分子量500〜3000好ましくは分子量700〜2000の3官能のポリオールを、2官能:3官能=60〜90:40〜10で混合し、2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と反応させ末端イソシアネートプレポリマーとする。前記ポリオールは2官能、3官能とも所定の分子量より小さいと増粘し、手塗作業を難しくし、また大きいと硬化までの時間を要することとなる。
本発明に用いる芳香族アミンは、分子内に芳香環を有することを特徴とし、特に芳香環とアミノ基が直接結合しているアミンが可使時間を長くできるもので、特許文献3に記載されるジアミノジフェニルエーテル系芳香族ポリアミンがあげられる。市販品にエラスマー1000P(イハラケミカル(株)、商品名)、VERSALINKP−1000(エアプロダクツジャパン(株)、商品名)、ポレアSL100A(イハラケミカル(株)、商品名)等がある。さらに特許文献2に示すものは結晶化し難く作業上好ましい。
希釈剤は作業性の改善のために使用される場合がある。
希釈剤としては、ベンジルアルコール、ジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
物性向上と作業性調整、接着剤の粘度調整、揺変性付与等のために充填剤を使用することがある。重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、微粉末チタン、硅砂、クレー、タルク、微粉末シリカなどが例として挙げられる。
また、一般に用いられている消泡剤、接着助剤、老化防止剤、安定剤などの添加剤を必要に応じて含有使用することができる。
次に、実施例、比較例をあげ、詳細を示す。
以下 末端イソシアネートプレポリマーをプレポリマーとする。
エクセノール2020(旭硝子(株)、商品名、ポリプロピレングリコール、分子量2000、2官能、水酸基価56)を50重量部、エクセノール903(旭硝子(株)、商品名、グリセリン系ポリオール、分子量1500、3官能、水酸基価109)を10重量部混合し、ミリオネートMT(日本ポリウレタン(株)、商品名、4,4′−MDI、NCO含有率は33.6%)を40部加え、60℃で3時間混合攪拌し、プレポリマー1を合成した。
プレミノールPML−4002(旭硝子(株)、商品名、ポリエーテル系ポリオール、分子量4000、2官能、水酸基価45)52重量部、アデカポリエーテルG1500((株)ADEKA、商品名、ポリプロピレングリコール、分子量1500、3官能、水酸基価109)を13重量部混合し、ミリオネートMTを35部加え60℃で3時間混合攪拌し、プレポリマー2を合成した。
アデカポリエーテルP1000((株)ADEKA、商品名、ポリプロピレンポリオール、分子量1000、2官能、水酸基価110)を36重量部、アデカポリエーテルG3000B((株)ADEKA、商品名、ポリプロピレングリコール、分子量3000、3官能、水酸基価56)を24重量部混合し、ミリオネートMTを40部加え60℃で3時間混合攪拌し、プレポリマー3を合成した。
アデカポリエーテルP2000((株)ADEKA、商品名、分子量2000、2官能、水酸基価56)を55重量部、アデカポリエーテルG700((株)ADEKA、商品名、分子量700、3官能、水酸基価225)を5重量部混合し、ミリオネートMTを40部加え60℃で3時間混合攪拌し、プレポリマー4を合成した。
クラレポリオールP1010((株)クラレ、商品名、ポリエステルポリオール、分子量1000、2官能、水酸基価110)44重量部、URIC H−30(伊藤製油(株)、商品名、ひまし油変性ポリオール、分子量約500、2.7官能、水酸基価161)を11重量部、ミリオネートMTを45部加え60℃で3時間混合攪拌し、プレポリマー5を合成した。
アデカポリエーテルP2000を60重量部とミリオネートMTを40部加え、60℃で3時間混合攪拌し、プレポリマー6を合成した。
エクセノール4030(旭硝子(株)、商品名、ポリプロピレングリコール、分子量4000、3官能、水酸基価42)を65重量部とミリオネートMTを35部加え60℃で3時間混合攪拌し、プレポリマー7を合成した。
アデカポリエーテルP2000を30重量部とクラレポリオールP2010((株)クラレ、商品名、ポリエステルポリオール、2官能、水酸基価56)30重量部を混合し、ミリオネートMTを40部加え60℃で3時間混合攪拌し、プレポリマー8を合成した。
プレポリマー1をプレポリマー6をに変えた以外は実施例1と同じくし、比較例1のウレア樹脂組成物とした。
プレポリマー1をプレポリマー7に変えた以外実施例1と同じくし、比較例2のウレア樹脂組成物とした。
プレポリマー1をプレポリマー8に変えた以外実施例1と同じくし、比較例3のウレア樹脂組成物とした。
TLM(豊国製油(株)、商品名、ひまし油ポリオール、3官能)60重量部にミリオネートMTを40重量部加え60℃で3時間混合攪拌を行ったところ、反応容器内でゲル化してしまい使用不可能であった。
JUX−33(アイカ工業(株)、吹付け用機械塗布用ウレア樹脂)を試験体とし比較例5とした。
実施例・比較例のウレア樹脂組成物は、1日後2号ダンベル型の引張試験体を作製し、23℃7日静置後万能物性試験機を用いてJISK6251に準じて引張試験を行った。5MPa以上、200%の伸びを持つものを○、それ以下なら×とした。
浸漬試験開始前の常態強度を比較し、各条件で80%以上強度を保持しているものについては○、それ以外は×とした。
初期粘度から2倍に増粘する時間を可使時間とし、可使時間が15分以上なら○、それ以下なら×とした。
上記、評価のすべて○のものを○、一項目でも×があるものを×とした。
Claims (4)
- ポリアルキレンエーテルアミノベンゾエートである芳香族アミンと末端イソシアネートプレポリマーが官能基当量比で0.5〜0.99:1.0で混合されるウレア樹脂であって、末端イソシアネートプレポリマーが4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートと、分子量1000〜4000の2官能ポリオール60〜90重量部と分子量500〜3000の3官能ポリオールを40〜10重量部混合したポリオールとからなることを特徴とするウレア樹脂組成物。
- 上記ウレア樹脂の硬化物が、50℃水浸漬30日後の強度保持率が80%以上であることを特徴とする請求項1記載のウレア樹脂組成物。
- 上記ウレア樹脂の硬化物が、40℃10%硫酸浸漬30日後の強度保持率が80%以上であることを特徴とする請求項1或いは2いずれか一つに記載のウレア樹脂組成物。
- 上記ウレア樹脂の硬化物が、40℃10%水酸化ナトリウム水溶液浸漬30日後の強度保持率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一つに記載のウレア樹脂組成物。
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