JPH10330451A - 高減衰性ポリウレタン化合物 - Google Patents

高減衰性ポリウレタン化合物

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JPH10330451A
JPH10330451A JP9141281A JP14128197A JPH10330451A JP H10330451 A JPH10330451 A JP H10330451A JP 9141281 A JP9141281 A JP 9141281A JP 14128197 A JP14128197 A JP 14128197A JP H10330451 A JPH10330451 A JP H10330451A
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JP
Japan
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compound
polyurethane
polyol
damping
weight
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Withdrawn
Application number
JP9141281A
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English (en)
Inventor
Rie Kawakubo
利恵 川久保
Tsutomu Urano
勉 浦野
Hiroaki Ichinose
博明 一ノ瀬
Akira Koshiro
暁 小城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP9141281A priority Critical patent/JPH10330451A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種の衝撃吸収材、振動吸収材として使用可能
であり、特に建築分野における骨格構造形成材料の衝撃
的な変位や振動を吸収する粘弾性ダンパーを構成する素
材として好適な高減衰性を示すポリウレタン化合物を提
供すること。 【解決手段】本発明高減衰性ポリウレタン化合物は等価
減衰係数(Heq)が0.2以上を有するものであり、
(a)ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物
として(b)2官能ポリオール化合物、(c)3官能以
上のポリオール化合物、及び(d)アルキレンオキサイ
ド付加ビスフェノール化合物を含む化合物を反応させて
得られる。また、(e)ポリイソシアネート化合物、
(f)ポリオール化合物、及び(g)アスファルトを含
む成分を混合、反応させることによっても得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃吸収材として
使用可能な高減衰性ポリウレタン化合物に関するもので
あり、特に建築分野における骨格構造形成材料の衝撃的
な変位や振動を吸収する粘弾性ダンパーを構成する素材
として好適な高減衰性ポリウレタン化合物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンを防振部材に使用したもの
としては、自動車に搭載する音響機器を保護するための
ダンパーが公知である(特開平6−123321号公
報)。一方、建築分野においては、地震や台風等による
揺れを吸収して建築物に非常に高い制振構造を付与する
ために粘弾性ダンパーが開発されつつあり、かかる粘弾
性ダンパーとしてはポリサルファイド変成エポキシ重合
体を使用したものが知られているに過ぎず(特開平6−
49923、特開平6−49923号公報)、ポリウレ
タンを使用したものは知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−12332
1号公報に記載の技術は音響機器を自動車の振動より保
護する防振作用を付与することが目的であり、負荷され
る荷重も小さく、振動の周波数も40Hzを越える比較
的高いものである。従って、この公知の技術は建築用途
において、音響機器とはケタ違いに大きな荷重を負荷さ
れた状態で200%にも及ぶ剪断歪みを低い周波数で与
えられた場合において破壊することなく等価減衰係数が
0.2以上を示し、十分な制振効果を発揮するポリウレ
タン材料を開示したものではない。
【0004】特開平6−49923、特開平6−499
23号公報に記載されたポリサルファイド変成エポキシ
重合体は使用原料が制限されており、要求特性に応じた
分子設計を行って種々の用途に対応することが困難であ
る。
【0005】本発明の目的は、原料の選択の範囲が広
く、配合の自由度も高く、要求特性に応じた分子設計が
可能であるというポリウレタンの特性を生かし、各種の
衝撃吸収材、振動吸収材として使用可能であり、特に建
築分野における骨格構造形成材料の衝撃的な変位や振動
を吸収する粘弾性ダンパーを構成する素材として好適な
高減衰性を示すポリウレタン化合物を提供することにあ
る。
【0006】ポリウレタンの使用により金属、樹脂、セ
ラミックス等の各種の材料との良好な接着性、減衰特性
の低く優れた温度依存性が得られ、また、原料の粘度が
低いためにポリサルファイド変成エポキシ重合体と比較
して取り扱い・加工が容易であるという効果も併せて得
られる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載の発
明は(a)ポリイソシアネート化合物と活性水素
(H * )含有化合物として(b)2官能ポリオール化合
物、(c)3官能以上のポリオール化合物、及び(d)
アルキレンオキサイド付加ビスフェノール化合物を含む
化合物を反応させて得られ、等価減衰係数(Heq)が
0.2以上である高減衰性ポリウレタン化合物に関する
ものである。
【0008】本発明の高減衰ポリウレタン化合物の特徴
は、活性水素化合物として少なくとも2官能ポリオール
化合物と3官能以上の多官能ポリオール化合物、並びに
アルキレンオキサイド付加ビスフェノール化合物を使用
する点に有り、かかる構成とすることにより、Heqが
0.2以上である高減衰性ポリウレタン化合物を得るこ
とができる。3官能以上のポリオール化合物は、3官能
性以上のポリオールを単独で使用してもよく数種類を混
合したものであってもよい。
【0009】ここに等価減衰係数(Heq)とは、建築物
に使用される免振装置の減衰特性を示すために使用され
る数値であり、免振装置について有効設計変位uBeの変
位を与えてヒステリシス曲線を測定し、その結果に基づ
いて計算されるものである。図1に基づいて説明する
と、Heqは以下の式(数1)にて計算される数値であ
り、Heqが0.2未満の場合には十分な減衰性能が得ら
れない。
【0010】
【数1】Heq=ΔW/2πW W:免振装置の弾性エネルギー(図1において示される
三角形の面積。単位はtf・m) ΔW:免振装置が吸収するエネルギーの合計(図1にお
いて示されるヒステリシス曲線の面積。単位はtf・
m)
【0011】本発明の高減衰性ポリウレタン化合物は、
重合反応を行う際のイソシアネートインデックス(NC
O/H* 当量比)が0.3〜0.8であることが好適で
ある。
【0012】振動の減衰においては重合体分子粘弾性の
なかで、分子間の滑り等に基づく粘性項が重要な役割を
果たすものと考えられるが、イソシアネートインデック
スを上述の範囲に設定することにより粘性成分を増大さ
せることができ、その結果特に優れた高減衰特性が得ら
れるものと推定される。即ち、イソシアネートインデッ
クスが0.3未満では重合体の流動性が増大する傾向が
大きく、0.8を越える場合は減衰性が十分得られなく
なる。
【0013】本発明の高減衰性ポリウレタン化合物にお
いて使用する前記(d)アルキレンオキサイド付加ビス
フェノール化合物は、ポリウレタン化合物中のビスフェ
ノール骨格濃度が5〜25重量%となるように配合され
たものであることが好ましい。ビスフェノール骨格濃度
とは、(化1)にて表される構造部分がポリウレタン化
合物中において占める重量比率をいい、可塑剤を配合し
たポリウレタン化合物においては、可塑剤までは含めて
計算される数値である。(充填剤等の添加物までは含め
ない。)
【0014】
【化1】
【0015】上述のビスフェノール骨格濃度が5重量%
以下では減衰性能が十分発揮されず、25重量%以上に
なるとポリウレタンの硬度が高くなりすぎて好ましくな
い。
【0016】本発明の高減衰性ポリウレタン化合物にお
いては、前記活性水素化合物100重量部中、前記
(c)3官能以上のポリオール化合物が5〜25重量部
含まれていることが好適である。
【0017】3官能以上のポリオール化合物の使用量が
5重量部未満の場合には、イソシアネートインデックス
が低いと重合体の流動性が増大し、取り扱いに困難を生
じる場合がある。また3官能以上のポリオール化合物の
使用量が25重量部を越えると、前述のイソシアネート
インデックスが高いと粘性項が減少し、好適なHeqが達
成しにくくなる。この(c)3官能以上のポリオール化
合物の配合量は10〜20重量部であることが特に好ま
しく、バランスのよい特性を有する高減衰性ポリウレタ
ン化合物を得ることができる。
【0018】本発明の高減衰性ポリウレタン化合物にお
いては、さらに可塑剤が添加されていることが好まし
く、その添加量はポリウレタン化合物に対して10〜5
0重量%であることが好ましい態様である。可塑剤の添
加量が10重量%未満の場合には可塑剤を添加しない場
合と差がなく、50重量%を越えて添加するとブリード
の問題が発生することがある。
【0019】可塑剤の配合により、ポリウレタン化合物
の特性を調節し、目的とする減衰特性、硬度等を容易に
付与することができる。
【0020】本願請求項6に記載の発明は、(e)ポリ
イソシアネート化合物、(f)ポリオール化合物、及び
(g)アスファルトを含む成分を混合、反応させて得ら
れ、等価減衰係数(Heq)が0.2以上である高減衰性
ポリウレタン化合物に関するものである。
【0021】ポリウレタンにアスファルトを配合するこ
とによっても必要な物理特性を維持しつつ高い振動減衰
特性を有するポリウレタン化合物を得ることが可能であ
る。その作用は明確ではないが、アスファルトとポリウ
レタンがミクロ的にみて適度に相溶すること等により、
アスファルトの有する粘性とポリウレタンの有する弾性
のバランスが良好となる結果、振動減衰特性が発現され
るものと推定される。
【0022】なお、スチレン−ブタジエン−スチレン等
の熱可塑性ブロック共重合体とアスファルトを混合した
減衰性の高い材料が提案されている(日本ゴム協会誌、
69巻、p608〜614(1996))。この手段に
よれば少なくとも180℃、実際にはこの文献に記載さ
れているように230℃という高温で、30分以上の加
熱・混合が必要である。これに対して本発明によればポ
リオール化合物はいずれも60℃程度で溶解して流動
し、アスファルトも100℃程度で流動性が高くなるも
のであるために、160℃以下の加熱で容易に製作する
ことができ、エネルギー的に低コストにて高減衰性のポ
リウレタン化合物を得ることができるという利点があ
る。
【0023】本願請求項6に記載の発明においては前記
(f)ポリオール化合物は、請求項1に記載の発明とは
異なり、アスファルトを使用するものであるために3官
能以上のポリオール、アルキレンオキサイド付加ビスフ
ェノール化合物は必須成分ではないが、これらのポリオ
ール化合物の使用も良好な減衰特性を得る上で好ましい
態様である。本発明においては、前記(f)ポリオール
化合物は、ポリジエンポリオールを主成分とするもので
あることが好ましい。ポリジエンポリオールを使用した
ポリウレタンはアスファルトとの相溶性がよく、特に良
好な減衰特性を有するポリウレタン化合物を得ることが
できる。
【0024】アスファルトを配合した高減衰性ポリウレ
タン化合物にあっては、前記(e)ポリイソシアネート
化合物と前記(f)ポリオール化合物がイソシアネート
インデックス(NCO/H* 当量比)が0.4〜1.8
にて配合されたものであることが好ましい。
【0025】イソシアネートインデックスが0.4以下
の場合には重合体の流動性が増大し、取り扱いに困難を
生じる場合がある。またイソシアネートインデックスが
1.8以上になると粘性項が減少し、好適なHeqが達成
しにくくなる。特に好適なイソシアネートインデックス
の範囲は0.7〜1.5であり、バランスのとれた特性
を有する高減衰性ポリウレタン化合物が安定して作成で
きる。
【0026】また、アスファルトを配合した高減衰性ポ
リウレタン化合物にあっては、前記(g)アスファルト
の配合比率がポリウレタン化合物中50〜90重量%で
あることが好ましい。
【0027】アスファルトの配合量が50重量%以下の
場合には、請求項1に記載のような特殊な組成の化合物
を使用しないと高減衰性を有するポリウレタン化合物が
得られない。また90重量%以上配合すると、アスファ
ルトの性質が強く表れ、弾性等のポリウレタンの他の特
性が十分発揮されなくなる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に使用する(a)ポリイソ
シアネート化合物としてはポリウレタンの技術分野にお
いて使用されるものはいずれも使用可能である。具体的
には以下の化合物が例示され、これらの1種以上が任意
に選択され、単独で、もしくは混合して使用される。
【0029】芳香族ジイソシアネート化合物 ・4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,
4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイ
ソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等 脂肪族ジイソシアネート化合物 ・エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシア
ネート類 ・水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(HMDI、商品名ハイレン−W、ヒュルス社製)、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHD
I)、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソ
フォロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加m−
キシリレンジイソシアネート(HXDI)等の脂環式ジ
イソシアネート類 ・キシリレンジイソシアネートート(XDI)、テトラ
メチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等 3官能以上のポリイソシアネートを含むイソシアネート
化合物 ・クルードMDI(44V−10,44V−20等(バ
イエル社製)) ・カルボジイミド変成MDI(アイソネート143L;
三菱化学製) ・ウレトンイミン含有MDI(液状MDI)(ミリオネ
ートMTL;日本ポリウレタン工業製)
【0030】なお、上記のイソシアネート化合物は、い
わゆるブロックイソシアネートと称され、イソシアネー
ト基をMEKオキシムやε−カプロラクタム等によりブ
ロックした誘導体として使用してもかまわない。ブロッ
クイソシアネートは加熱により解離してイソシアネート
基を生成し、このイソシアネート基が活性水素を有する
化合物と反応し、ポリウレタンやポリウレタンウレアを
形成する。
【0031】上記のイソシアネート化合物のなかでも、
芳香族系のイソシアネート化合物が反応性、物理特性の
点で好ましく、特にMDI、クルードMDIやそのブロ
ックイソシアネートの使用がバランスのとれたポリウレ
タンが得られる点、安定性が良好で扱いやすい点、低価
格である点等において好ましい。
【0032】本発明に使用できる活性水素基含有化合物
としては、ポリウレタンの技術分野において通常使用さ
れる活性水素基含有化合物、いわゆるポリオール化合物
はいずれも使用可能である。ポリオール化合物とはイソ
シアネート基と反応し得る水酸基、第1級もしくは第2
級アミノ基、メルカプト基等を分子中に2以上有する分
子量が300〜30000程度のオリゴマーである。具
体的には代表的なものとしてポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオール等があり、さらに具体的には以
下のものが例示される。
【0033】ポリエステルポリオールとしては、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等
のジカルボン酸の1種以上と、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,1
0−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリメチ
ロールプロパン等の多価アルコールの1種以上を縮重合
させて得られるもの、ラクトン類の開環重合により得ら
れるものが例示される。
【0034】またポリエーテルポリオールとしては、水
や上記のポリエステルポリオールの合成に使用する多価
アルコールの他、第1級、第2級アミン類にエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラ
ヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合させて得
られるものが使用でき、ポリオキシエチレンポリオール
(PEG)、ポリオキシプロピレンポリオール(PP
G)、ポリオキシテトラメチレンポリオール(PTM
G)等が例示でき、ポリオキシテトラメチレンポリオー
ルにプロピレンオキサイドを開環付加した共重合体、エ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム共
重合体やブロック共重合体等も使用可能である。
【0035】ポリオール化合物としては、これ以外に
も、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオ
ール等のポリジエンポリオール、ポリオレフィンポリオ
ール、ポリアクリル酸エステル系ポリオール、ポリカー
ボネートポリオール等が例示でき、これらの活性水素含
有化合物は官能基数、分子量等を考慮して選択して使用
される。上記の活性水素含有化合物、即ちポリオール化
合物は、最終的に得られるポリウレタン化合物の特性等
を考慮して選択され、単独で、又は混合して使用され
る。
【0036】本願請求項1に記載の(b)2官能ポリオ
ール化合物としては、上述のポリオール化合物のなかで
2官能性のものが選択して使用され、(c)3官能以上
のポリオール化合物としては上述のポリオール化合物中
の3官能性以上の多官能性のポリオールが選択して使用
される。
【0037】本願請求項1に記載の(d)アルキレンオ
キサイド付加ビスフェノール化合物は、ビスフェノール
−A、ビスフェノール−F、ビスフェノール−S等のビ
スフェノール化合物のフェノール基にエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドの一方又は双方を常法により
開環付加させて得られる化合物であり、これらのアルキ
レンオキサイドは通常1個のフェノール基に対し1〜5
程度付加されたものが使用される。
【0038】上述の(b)〜(d)の活性水素含有化合
物の組み合わせは、相溶性を考慮して組み合わせて使用
され、特に(d)のアルキレンオキサイド付加ビスフェ
ノール化合物との相溶性を考慮すると、(b)、(c)
のポリオール化合物としてはPPG、PTMG等のポリ
エーテルポリオールの使用が好ましい。
【0039】また(c)3官能以上のポリオール化合物
としては分子量が300〜800程度の比較的低分子量
の3ないし4官能のポリオールの使用が良好な結果を与
える。
【0040】本願請求項1に記載の高減衰性ポリウレタ
ン化合物においては、上述の活性水素基含有化合物以外
に鎖延長剤として低分子量の多官能性の活性水素化合物
を反応させることも可能であり、鎖延長剤はポリウレタ
ンの物理的な特性を向上させる効果を有する。かかる鎖
延長剤としては、特にエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール等のグリコール類やトリメチロールプロパン等
のトリオール類が例示され、これらの1種以上が使用可
能である。
【0041】請求項5に記載の可塑剤としては、ポリウ
レタンの技術分野において使用される可塑剤はいずれも
使用可能であり、具体的にはジオクチルフタレート(D
OP)、ジオクチルセバケート(DOS)、ジオクチル
アジペート(DOA)等のジカルボン酸エステルや乳酸
エチル等のオキシカルボン酸エステルが例示される。
【0042】請求項6に記載の(e)ポリイソシアネー
ト化合物としては上述の(a)のポリイソシアネート化
合物として例示したものと同じ化合物の使用が可能であ
る。
【0043】また(f)の活性水素基含有化合物も
(b)、(c)を含む活性水素含有化合物として例示さ
れるポリオール化合物が特に限定なく使用可能である。
また請求項1に記載のポリウレタン化合物と同様に鎖延
長剤を使用することも自由である。特にポリブタジエン
ポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリジエン
系ポリオールは(f)ポリオール化合物として好適な材
料であり、1,4−重合体、1,2−重合体のいずれも
が使用可能である。
【0044】(g)アスファルトとしては、ハートール
ピッチやストレートアスファルト等のアスファルトが例
示でき、単独にて又は数種類を混合して使用することが
できる。
【0045】なお、本発明の請求項1〜9のいずれにお
いてもポリウレタン成分は、プレポリマー法、ワンショ
ット法の一方または双方を併用して形成されてもかまわ
ない。
【0046】上述の請求項1ないしは請求項6に記載の
高減衰性ポリウレタン化合物には必要に応じて他の素材
を添加することができる。かかる素材としては、充填
剤、触媒、酸化防止剤等が例示できる。なお、充填剤と
しては以下のものが例示される。 ・粉体:アルミニウム粉末等の金属粉、ケイ砂、クレ
ー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粉末、デンプンや
ポリスチレン粉末等の有機粉末。 ・短繊維:ガラス繊維(ミルドファイバー)、炭素繊
維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカー等のウ
ィスカー。 ・その他:カーボンブラック、マイカ等。 なお、これらの充填剤は必要に応じてプライマー処理、
各種のカップリング剤処理等の表面処理を行って添加す
ることも好ましい態様である。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1〜4)請求項1に記載の高減衰性ポリウレタ
ン化合物に関する実施例として表1に記載の組成にて合
成を行った。評価に使用するサンプルは幅50mm、長
さ120mm、厚さ2.5mmの鋼材を2枚使用し、図
2に示した側面形状であって、ポリウレタン化合物の形
状が50mm×50mm×5mm(t)となるように加
工した。このような加工は、所定の金型内に表面を清浄
化した鋼材をセットし、混合したポリウレタン原料を流
し込むことにより容易に行うことができる。
【0048】
【表1】
【0049】(実施例5〜8)また請求項6に記載の発
明に対応する実施例として表2に記載の組成にて合成を
行った。実施例1〜4に記載したものと同様の評価用サ
ンプルを作成した。
【0050】
【表2】
【0051】(評価)評価は、測定装置CATY−50
0(米倉製作所製)を使用し、垂直荷重500kgの条
件において、水平方向の剪断歪みが50%、100%、
200%となるように0.2Hzにて剪断変形させてヒ
ステリシス曲線を測定した。温度は室温にて測定した。
【0052】評価結果は表3に示した。Heqはいずれに
おいても好ましい減衰性を示すものとされる0.2以上
であり、本発明のポリウレタン化合物は高減衰性を有す
ることが明らかである。
【0053】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒステリシス曲線測定結果より等価減衰係数を
計算する方法を示した図
【図2】ヒステリシスを測定するために使用した評価試
料の側面を示した図
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小城 暁 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリイソシアネート化合物と活性
    水素含有化合物として(b)2官能ポリオール化合物、
    (c)3官能以上のポリオール化合物、及び(d)アル
    キレンオキサイド付加ビスフェノール化合物を含む原料
    化合物を反応させて得られ、等価減衰係数(Heq)が
    0.2以上である高減衰性ポリウレタン化合物。
  2. 【請求項2】 イソシアネートインデックス(NCO/
    * 当量比)が0.3〜0.8にて反応させて得られる
    請求項1に記載の高減衰性ポリウレタン化合物。
  3. 【請求項3】 前記(d)アルキレンオキサイド付加ビ
    スフェノール化合物が、ポリウレタン化合物中のビスフ
    ェノール骨格濃度が5〜25重量%となるように配合さ
    れたものである請求項1又は2に記載の高減衰性ポリウ
    レタン化合物。
  4. 【請求項4】 前記活性水素化合物100重量部中、前
    記(c)3官能以上のポリオール化合物が5〜25重量
    部含まれている請求項1又は2に記載の高減衰性ポリウ
    レタン化合物。
  5. 【請求項5】 さらに可塑剤が添加されたものである請
    求項1〜4のいずれかに記載の高減衰性ポリウレタン化
    合物。
  6. 【請求項6】 (e)ポリイソシアネート化合物、
    (f)ポリオール化合物、及び(g)アスファルトを含
    む成分を混合、反応させて得られ、等価減衰係数(He
    q)が0.2以上である高減衰性ポリウレタン化合物。
  7. 【請求項7】 前記(f)ポリオール化合物がポリジエ
    ンポリオールを主成分とするものである請求項6に記載
    の高減衰性ポリウレタン化合物。
  8. 【請求項8】 前記(e)ポリイソシアネート化合物と
    前記(f)ポリオール化合物がイソシアネートインデッ
    クス(NCO/H* 当量比)が0.4〜1.8にて配合
    されたものである請求項6又は7に記載の高減衰性ポリ
    ウレタン化合物。
  9. 【請求項9】 前記(g)アスファルトの配合比率がポ
    リウレタン化合物中50〜90重量%である請求項6〜
    8のいずれかに記載の高減衰性ポリウレタン化合物。
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