JP4603639B2 - 一液湿気硬化型ポリウレタン組成物 - Google Patents

一液湿気硬化型ポリウレタン組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一液湿気硬化型ポリウレタン組成物に関し、詳しくはプライマーを用いずとも接着性に優れ、ガラス、アルミ板等の金属、塗装鋼板、モルタル、プラスチック等のシーラント、接着剤、防水材等として好適に用いられる一液湿気硬化型ポリウレタン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種のポリウレタン組成物がシーリング剤、接着剤等として広く利用されている。このようなポリウレタン組成物は、ポリオール系化合物とイソシアネート系化合物とからなる二液型と、空気中の湿気等によって硬化する一液型の組成物とが知られているが、近年、現地施工における組成物の混合調製が不要であり、取扱いが容易であることより、一液湿気硬化型ポリウレタン組成物の利用が拡大している。
【0003】
一液湿気硬化型ポリウレタン組成物について、例えば、米国特許第4,374,237号明細書には、ウレタンプレポリマーに第二級アミノシランを反応させて1分子中2個以上のシラン基を持つプレポリマーを含むポリウレタンシーラントが、米国特許第4,687,533号明細書には、アルコキシシランをペンダント基に持つウレタンプレポリマーを含むシーラントが記載されている。しかし、これらのポリウレタンシーラントは硬化が遅く、例えば、自動車用の窓ガラスを自動車のボディに接着させる用途には安全上問題がある。また、構造部材としての物性も不十分である。
また、米国特許第5,623,044号明細書には、第二級アミノシランとイソホロンジイソシアネート3量体やヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット変成体、ポリフェニルポリメチレンイソシアネートといったポリイソシアネートとの反応物を含むポリウレタンシーラントが記載されている。しかし、これらの反応物を含むポリウレタンシーラントは初期接着性が十分ではないという問題がある。また、上記変性体の添加量が多いためシーラントの物性に悪影響を与えるものと思われる。このため、自動車用の窓ガラスをボディに接着させる用途にはシランカップリング剤を含むプライマーが必要である。
特開平9−32239号公報には、外壁材のタイル貼り化粧方法が提案されており、その中に3官能等のポリオールとポリイソシアネート化合物から得られるウレタンプレポリマーにアミノ系およびグリシジル系シランカップリング剤等を配合した一液湿気硬化型ウレタン系接着剤が記載されている。
【0004】
一方、一液湿気硬化型ポリウレタン組成物は、硬化反応の際にウレタンプレポリマー中の遊離イソシアネートと水分との反応によって炭酸ガスが発生し、発泡してしまうという問題も有している。特に、高温多湿の条件下においてはより発泡しやすいので、硬化段階で高温多湿下に晒される用途、例えばシーリング材、自動車用シーラント等としての使用には問題がある。
【0005】
従って、これらの問題が解決されており、プライマーを使わなくともガラス、金属、プラスチック、塗装鋼板等に対する接着性に優れるポリウレタンシーラントの実現が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、プライマーを用いなくともガラス、金属、塗装鋼板、モルタル、プラスチック等に対する接着性に優れ、耐発泡性が良好である一液湿気硬化型ポリウレタン組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、プライマーを使用せずにガラス、金属、プラスチック、塗装鋼板等の材料を接着させる材料について鋭意検討を行ったところ、ウレタンプレポリマーならびに1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するポリエステルを含有する一液湿気硬化型ポリウレタン組成物が、ガラス、金属、プラスチック、塗装鋼板等の材料を接着させるノンプライマーポリウレタンシーラントとして好適であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、ウレタンプレポリマー(A)ならびに1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するポリエステル(B)を含有する一液湿気硬化型ポリウレタン組成物を提供する。
【0009】
前記ポリエステル(B)が、ポリエステルポリオールに、1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するシラン化合物(b1)ならびにポリイソシアネート化合物(b2)を反応させて得られるのが好ましい。
【0010】
前記ポリエステル(B)の含有量が、ポリウレタン組成物全体100重量部に対して0.1〜20重量部であるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物(以下「本発明の組成物」という。)を詳細に説明する。
本発明に用いられるウレタンプレポリマー(A)は、通常の一液ウレタン樹脂組成物に使用されるものであればよく、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物との反応生成物である。ここで、過剰とは、ポリオール化合物の有するOH基の当量より、ポリイソシアネート化合物の有するNCO基の当量の方が多いことを意味する。
【0012】
ウレタンプレポリマー(A)を生成するポリオール化合物は、通常の一液ウレタン樹脂組成物に用いられるものを使用することができる。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4´−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種または2種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種または2種以上を付加して得られるポリエーテルポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイドが挙げられる。具体的には、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオールが挙げられる。
【0013】
ポリエステルポリオールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等の開環重合体が挙げられる。
【0014】
上記以外のポリオールとしては、ポリマーポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
【0015】
これらの中でも、数平均分子量が1000〜15000、特に1000〜10000であるポリエーテルポリオールが、ガラス転移温度、硬化後の組成物のシーラントとしての物性の点で好ましい。
【0016】
ウレタンプレポリマー(A)を生成するポリイソシアネート化合物は、通常の一液ウレタン樹脂組成物に用いられるものを使用することができる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネートおよびこれらの水素添加化合物;エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらの水素添加化合物;下記式1で表されるリジンジイソシアネート等のリジンジイソシアネート;下記式2で表されるリジントリイソシアネート等のリジントリイソシアネートが挙げられる。
【0017】
【化2】
Figure 0004603639
【0018】
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
本発明に用いられるウレタンプレポリマー(A)は、上述のポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて製造することができる。ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合比は、ポリオール化合物中の水酸基の当量に対するポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の当量の比(NCO/OH)が、NCO/OH=1.2〜2.5であるのが好ましく、1.5〜2.4であるのがより好ましい。上記範囲であると、ウレタンプレポリマー(A)の粘度が適切となる。
【0020】
また、本発明に用いられるウレタンプレポリマー(A)の製造方法は、通常のウレタンプレポリマーと同様の方法を用いることができ、例えば、上述の量比のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を、50〜100℃で加熱かくはんすることによって行うことができる。また、必要に応じて、有機錫化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いることもできる。
【0021】
このようにして得られるウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基数が、1分子当たり平均で2.0以上であるのが好ましく、2.2以上であるのがより好ましく、また、重量%でいうと0.4重量%以上であるのが好ましく、0.5重量%以上であるのがより好ましい。平均分子量は2000〜20000であるのが好ましく、2000〜15000であるのがより好ましい。上記範囲であると、得られる本発明の組成物の粘度が好適になり、接着性および硬化後のシーラントとしての特性(例えば、硬度、モジュラス)が優れたものになる。
【0022】
本発明に用いられるポリエステル(B)は、1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステルの骨格にイソシアネート基およびアルコキシシリル基が導入されたものを用いることができる。
【0023】
骨格となるポリエステルは、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合により得られる高分子化合物、ラクトンの開環重合物等を用いることができる。
【0024】
多塩基酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、水素化、塩素化または臭素化フタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、ナフタリン−1,5−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、1,2−ビス(p−カルボキシフェノキシ)エタン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の飽和二塩基酸;無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和二塩基酸が挙げられる。
多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、p−キシリレングリコール、シクロヘサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物、グリセリン、ヘキサントリオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
本発明においては、上記多塩基酸の1種以上と上記多価アルコールの1種以上との重縮合により得られるポリエステルを用いることができ、上述したウレタンプレポリマー(A)に用いられるポリエステルポリオールを用いることもできる。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリエステル共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミド酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体が例示される。
【0025】
また、ラクトンの開環重合物は、例えば、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン等を適当な重合開始剤で開環重合させたものが挙げられる。中でも、ε−カプロラクトンの開環重合物が好ましい。
【0026】
ポリエステルの骨格にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を導入する方法は、特に限定されないが、ポリエステルポリオールに、1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するシラン化合物(b1)ならびにポリイソシアネート化合物(b2)を反応させる方法が好ましい。具体的には、ポリエステルポリオールの水酸基に、1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するシラン化合物(b1)を反応させてポリエステル骨格にアルコキシシリル基を導入した後、ポリエステルポリオールの未反応の水酸基にポリイソシアネート化合物(b2)を反応させてイソシアネート基を導入する方法が好適に例示される。上記方法であると、シラン化合物(b1)をポリエステルポリオールに効率よく付加できる上、反応物の高分子量化やゲル化も防止できるので、ポリエステルポリオールに、ポリイソシアネート化合物(b2)を反応させてポリエステル骨格にイソシアネート基を導入した後、未反応の水酸基にシラン化合物(b1)を反応させてアルコキシシリル基を導入する方法より好ましい。
【0027】
上記方法に用いられるポリエステルポリオールは、上述のウレタンプレポリマー(A)に用いられるものと同様のものを用いることができ、好適な分子量は
250〜1000、特に280〜850である。
上記方法に用いられる1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するシラン化合物(b1)は、例えば、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
また、シラン化合物(b1)は、ポリイソシアネート化合物と活性水素を有するシランカップリング剤とをイソシアネート基過剰のもとで常法により調製することもできる。シラン化合物(b1)の調製に用いられるポリイソシアネート化合物は、上述のウレタンプレポリマー(A)に用いられるものと同様のものを用いることができる。シラン化合物(b1)の調製に用いられるシランカップリング剤は、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
上記方法に用いられるポリイソシアネート化合物(b2)は、上述のウレタンプレポリマー(A)に用いられるものと同様のものを用いることができる。
【0028】
本発明に用いられるポリエステル(B)は、好ましくは1分子内にイソシアネート基を平均1個以上、より好ましくは平均1.0〜2.0個、ケイ素原子に結合する加水分解可能なアルコキシ基(アルコキシシリル基中のアルコキシ基)を好ましくは平均2.0個以上、より好ましくは平均2.0〜6.0個、特に好ましくは平均3.0〜6.0個有する。上記範囲であると、本発明の組成物の接着性および硬化後の物性に優れる。
【0029】
本発明の組成物は、上記ポリエステル(B)を少なくとも1種含有する。ポリエステル(B)の含有量は、ポリウレタン組成物全体100重量部に対して0.1〜20重量部であるのが好ましく、0.1〜5重量部であるのがより好ましい。0.1重量部以上であると十分な接着性が発現する。また、20重量部以下であると硬化後の物性が十分なものとなる。
【0030】
ポリエステル(B)の具体例としては、下記式3で表されるポリエステルが好適に挙げられる。
【0031】
【化3】
Figure 0004603639
【0032】
(式中、R1 は上述したポリエステル骨格を表し、R2 およびR3 はアルキレン基を表し、R4 はアルキル基を表す。ここで、3個のR4 は同一であってもよく、異なっていてもよい。m、nはそれぞれ1以上の整数を表す。)
2 は、炭素数1〜12のアルキレン基であるのが好ましく、ヘキサメチレン基であるのが最も好ましい。R3 は、炭素数1〜6のアルキレン基であるのが好ましく、プロピレン基であるのが最も好ましい。R4 は、炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましく、メチル基またはエチル基であるのがより好ましい。
上記式3で表されるポリエステルは、R1 をポリエステル骨格として有するポリエステルポリオールにおいて、該ポリエステルポリオールの一部の水酸基を1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するシラン化合物(b1)のイソシアネート基と結合し、他の水酸基をポリイソシアネート化合物(b2)のイソシアネート基と結合したものであるのが好ましい。
【0033】
ポリエステル(B)は、1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有し、接着性に寄与する。特に、ポリエステル(B)はウレタンプレポリマー(A)との相溶性が低く、ブリードアウトが起こるので、本発明の組成物は、ポリエステル(B)を僅かに含有するだけで優れた接着性を発現することができる。
【0034】
本発明の組成物は、上述の各成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤を含有することができる。
その他の添加剤は、例えば、炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、タルク、ホワイトカーボン、無水ケイ酸等の充填剤;ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、テトラヒドロフタル酸、アゼライン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバチン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クエン酸およびこれらの誘導体、イソシアネート基および/またはアルコキシシリル基を有さないポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系、パラフィン系、ナフテン系および芳香族系のプロセスオイル等の可塑剤;トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の溶剤;ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ラウレート、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、第三級アミン等の硬化促進剤が挙げられる。
【0035】
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、通常の一液湿気硬化型ポリウレタン組成物と同様の方法を用いることができるが、化合物中の含水率が低い状態で、更には無水状態で行うのが好ましい。製造系内の水分により、製造時の粘度が高くなり、また、ポリエステル(B)のアルコキシ基が加水分解を起こし、得られる本発明の組成物の接着性が損なわれるからである。具体的には、例えば、ウレタンプレポリマー(A)、ポリエステル(B)および必要に応じてその他の添加剤を、無水状態で十分に混練し、均一に分散させることによって製造する。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0037】
1.ウレタンプレポリマー(A)の合成
平均分子量2000のポリプロピレンジオール500g、平均分子量5000のポリプロピレントリオール750gおよび4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート214gを混合し(NCO/OH=1.8)、更にジオクチルフタレート1460gを加えて、N気流中、80℃でかくはんし、反応させて、イソシアネート基を1.1重量%含有するウレタンプレポリマー(A)を合成した。
【0038】
2.1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するポリエステル(B)の合成
(1)反応物1の合成
平均分子量約310のポリカプロラクトントリオール(PCL303、ダイセル化学工業社製、水酸基価541.1)100.00gをフラスコに入れ、45℃でかくはんしながら、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(Y5187、日本ユニカー社製)65.94gを滴下して8時間反応させた。得られた反応物をヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)108.07gおよび酢酸エチル91.37gを入れたフラスコに滴下し、45℃で10時間反応させて、イソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するポリエステル(B−1)を含有する反応物1を得た。反応物1中のポリエステル(B−1)濃度は75重量%、反応液1中のイソシアネート基量は7.4重量%であった。
【0039】
(2)反応物2の合成
平均分子量約850のポリカプロラクトントリオール(PCL308、ダイセル化学工業社製、水酸基価197.7)100.00gをフラスコに入れ、45℃でかくはんしながら、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(Y5187)24.09gを滴下して10時間反応させた。得られた反応物をHDI39.49gおよび酢酸エチル54.53gを入れたフラスコに滴下し、45℃で10時間反応させて、イソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するポリエステル(B−2)を含有する反応物2を得た。反応物2中のポリエステル(B−2)濃度は75重量%、反応液2中のイソシアネート基量は4.5重量%であった。
【0040】
(3)反応物3の合成
平均分子量約520のポリカプロラクトンジオール(PCL205、ダイセル化学工業社製、水酸基価214.98)100.00gをフラスコに入れ、45℃でかくはんしながら、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(Y5187)39.29gを滴下して8時間反応させた。得られた反応物をHDI32.20gおよび酢酸エチル57.16gを入れたフラスコに滴下し、45℃で10時間反応させて、イソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するポリエステル(B−3)を含有する反応物3を得た。反応物3中のポリエステル(B−3)濃度は75重量%、反応液3中のイソシアネート基量は3.5重量%であった。
【0041】
(4)反応物4の合成
平均分子量約820のポリカプロラクトンジオール(PCL208、ダイセル化学工業社製、水酸基価137.29)100.00gをフラスコに入れ、45℃でかくはんしながら、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(Y5187)25.09gを滴下して10時間反応させた。得られた反応物をHDI20.57gおよび酢酸エチル48.55gを入れたフラスコに滴下し、45℃で10時間反応させて、イソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するポリエステル(B−4)を含有する反応物4を得た。反応物4中のポリエステル(B−4)濃度は75重量%、反応液4中のイソシアネート基量は2.6重量%であった。
【0042】
3.ウレタン樹脂組成物の調製
以下に示される材料を第1表に示される量比でドライブレンドして、各一液湿気硬化型ポリウレタン組成物を得た。
(1)上記で得られたウレタンプレポリマー(A)
(2)充填剤(カーボンブラック)
(3)硬化促進剤(ジオクチル錫ジラウレート)
(4)接着性付与剤:上記で得られた反応物1〜4(ポリエステル(B−1)〜(B−4)の濃度:75重量%)
【0043】
4.一液湿気硬化型ポリウレタン組成物の評価
得られた各一液湿気硬化型ポリウレタン組成物について、以下の接着性試験を行い、種々の条件下での接着性を評価した。
<接着性試験>
各一液湿気硬化型ポリウレタン組成物および、対照としてポリエステル(B)を含有しないポリウレタン組成物をガラス板、アルミニウム板およびアクリル樹脂塗装鋼板に3mm厚で塗布し、試験体とした。試験体を▲1▼20℃、65%RHの雰囲気下で3日間、▲2▼40℃の水中で10日間、または▲3▼50℃のウィンドウウォッシャ液(アルコールおよび界面活性剤の水溶液)中で10日間放置した。
全ての場合において、組成物内および組成物と各種板との界面に発泡は見られなかった。
その後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、接着界面の状態を観察した。
接着性は、破壊の状態(CF:組成物の凝集破壊、AF:アルミニウム板−組成物界面破壊)およびその面積の塗布面積に対する割合(%)で評価した。CF100は、塗布面積全てで組成物が凝集破壊し、組成物とアルミニウム板の界面でのはく離がなかったことを示し、AF100は、塗布面積全てで組成物とアルミニウム板の界面ではく離し、組成物の凝集破壊がなかったことを示す。
【0044】
結果を第1表に示す。第1表から明らかなように、本発明の組成物(実施例1〜4)は、ガラス板、アルミニウム板およびアクリル樹脂塗装鋼板に対する種々の条件での接着性に優れる。
これに対して、1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するポリエステル(B)を含有しない場合は、接着性に劣る。
【0045】
【表1】
Figure 0004603639
【0046】
【発明の効果】
本発明の一液湿気硬化型ポリウレタン組成物は、プライマーを用いずともガラス、金属および塗装鋼板との接着性に優れ、耐発泡性も優れる。従って、自動車用シーラント、建築用シーラント、土木用シーラント、建築用コーティング材、接着剤、防水材等に好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 数平均分子量が1000〜15000のポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマー(A)ならびに、ラクトンの開環重合物の1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するポリエステル(B)を含有する一液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
  2. 前記ポリエステル(B)が、ポリエステルポリオールに、1分子中にイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有するシラン化合物(b1)ならびにポリイソシアネート化合物(b2)を反応させて得られる請求項1に記載の一液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
  3. 前記ポリエステル(B)が、式3で表されるポリエステルである請求項1または2に記載の一液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
    【化1】
    (OCN−R−NHCOO)n−R−(OCONH−R−Si(OR)m
    ・・・式3
    (式中、Rポリエステルポリオール骨格を表し、R炭素数1〜12のアルキレン基を表し、R炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R炭素数1〜4のアルキル基を表す。ここで、3個のRは同一であってもよく、異なっても良い。m、nはそれぞれ1以上の整数を表す。)
  4. 前記ポリエステル(B)の含有量が、ポリウレタン組成物全体100重量部に対して0.1〜20重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の一液湿気硬化型ポリウレタン組成物。
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