JP2010144401A - コンクリート片はく落防止樹脂組成物及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【効果】手作業で塗布することが出来ると共に、塗膜の硬化が速く、上塗材を塗布するまでの養生時間が短時間であるという効果がある。また硬化後の塗膜は強靭であり、繊維シートによる補強や、変位層を設けることなく、(株)高速道路総合技術研究所発行の構造物施工管理要領(平成19年8月)による、はく落防止性能を満たすことが出来る効果がある。
【選択図】なし
Description
ポリエーテルジオールP−2000(商品名 (株)ADEKA製 2官能 平均分子量2000)を100部とミリオネートMT(商品名 日本ポリウレタン工業(株)製 ピュアMDI)を93部の割合で混合し、80℃で3時間反応させることによりNCO%が14%の末端イソシアネートプレポリマーを合成し、これを共通のイソシアネート樹脂とした。本発明においてイソシアネート樹脂のNCO%は5%以上20%以下が好ましく、5%未満の場合はアミン樹脂との混合後、経時的に粘度の増加が大きくなって作業性が低下するとともに、塗膜中のウレア結合量が少ないことに起因する塗膜の強度低下、耐水性低下、その他硬化性の低下を生じる。NCO%が20%超の場合は、塗膜中のウレア結合量が過剰となって塗膜が剛直になり、強靭性が不足する。またイソシアネートプレポリマーを有しないピュアMDIのみをイソシアネート樹脂として使用すると冬季における低温下で結晶化して施工現場にて使用することが困難となる。
前記イソシアネート樹脂100部と1分子中に芳香環直結のアミノ基を2つ含有するアミン樹脂であるSL−100A(商品名 イハラケミカル工業(株)製 理論分子量1238)100部を混合し、本発明に係るコンクリート片はく落防止樹脂組成物の実施例1とした。
実施例1のSL−100A 100部を1分子中に芳香環直結のアミノ基を2つ含有するエラスマー650P(商品名 イハラケミカル工業(株)製 理論分子量888)70部に代替し、実施例2とした。
実施例1のSL−100A100部を1分子中に芳香環直結のアミノ基を2つ含有するエラスマー250P(商品名 イハラケミカル工業(株)製 理論分子量488)40部に代替し、実施例3とした。
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物に充填材として微粉末シリカであるアエロジルRY200(商品名 日本アエロジル(株)製 ジメチルシリコーンオイル表面処理 BET法による比表面積100±20m2/g)を5部追加混合し、実施例4とした。
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物に充填材としてクレーであるTOYOCLAY TC−600(東洋化成(株)、商品名、クレー、平均粒径D50:2.1μm)を50部追加混合し、実施例5とした。
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物に充填材としてタルクであるタルクSW(日本タルク(株)、タルク、平均粒径D50:12μm)を50部追加混合し、実施例6とした。
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物に充填材として水酸化アルミニウムであるハイジライトH−32(昭和電工(株)、商品名、水酸化アルミニウム、平均粒径D50:8μm)を50部追加混合し、実施例7とした。
実施例4のコンクリート片はく落防止樹脂組成物にさらに充填材としてクレーであるTOYOCLAY TC−600(東洋化成(株)、商品名、クレー、平均粒径D50:2.1μm)を50部追加混合し、実施例8とした。
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物をポリウレタン樹脂JDU−310S(商品名 アイカ工業(株)製、無溶剤系ポリウレタン樹脂、粘度15Pa・s/25℃、配合比;主剤:硬化剤=12:5)とし、比較例1とした。
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物をエポキシ樹脂パテL−790S(商品名 アイカ工業(株)製、無溶剤系エポキシ樹脂、粘度68Pa・s/25℃、配合比;主剤:硬化剤=1:1)とし、比較例2とした。
実施例1のアミン樹脂のSL−100A100部のうち2部を脂肪族ポリアミンであるジェファーミンD2000(商品名 PTIジャパン(株)製 活性水素当量520)に代替し、比較例3とした。
実施例1のアミン樹脂のSL−100A100部のうち5部を脂肪族ポリアミンであるジェファーミンD2000(商品名 PTIジャパン(株)製 活性水素当量520)に代替し、比較例4とした。
23℃、RH50%条件下にて、実施例についてはコンクリート片はく落防止樹脂組成物のアミン樹脂とイソシアネート樹脂及び充填材を1分間混合し、比較例については各々の樹脂組成物を調製し、それぞれ均一であることを確認した後、直ちにB型粘度計により粘度を測定し、初期粘度(Pa・s)とした。
初期粘度を測定後、継続して粘度を測定し、初期粘度の2倍の粘度となった時間を2倍粘度到達時間(分)とした。鏝又はヘラを使用した手作業では500Pa・s程度まで塗布することが可能であるとともに、塗料の技術分野では2倍粘度到達時間を一般的に可使時間とみなすことが多いため、本発明においても当該2倍粘度到達時間を可使時間とした。
23℃、RH50%条件下にて、実施例についてはコンクリート片はく落防止樹脂組成物のアミン樹脂とイソシアネート樹脂及び充填材を1分間混合し、比較例については各々の樹脂組成物を調製し、それぞれ均一であることを確認した後、直ちに1.5kg/m2で塗り広げ、指触によりタックが完全になくなる時間を指触乾燥時間(時間)とした。
JIS A5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)付属書5に規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名300(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という。)のコンクリート中央部裏面を、φ100mmの形状かつ55mm±0.5mmの深さで、コンクリート用コアカッターにより切り込みを入れた。表面を、サンディング処理し、この処理面に対しクリートコートEXプライマー(商品名 アイカ工業(株)製 無溶剤系エポキシ樹脂プライマー 粘度3600mPa・s/25℃)を0.25kg/m2塗布後、1日養生し、さらにPS−318JR(商品名 アイカ工業(株)製 溶剤系エポキシ樹脂プライマー 粘度11.5mPa・s/25℃)を0.15kg/m2塗布した。3時間養生した後、23℃、RH50%条件下にて実施例及び比較例の各々の樹脂組成物を1.5kg/m2の割合で金鏝にて手作業で塗布し7日間養生して、押し抜き最大荷重測定用試験体を得た。その後、JHS 424−2004 はく落防止の押し抜き試験方法に準じて試験を行ない、最大荷重を押し抜き最大荷重(KN)とした。
23℃、RH50%条件下にて、実施例についてはコンクリート片はく落防止樹脂組成物のアミン樹脂とイソシアネート樹脂及び充填材を1分間混合し、比較例については各々の樹脂組成物を調製し、それぞれ均一であることを確認した後、直ちにシート状に塗り広げ7日間養生後JIS K 6251加硫ゴムの引張試験方法規定の2号ダンベル片形状に成型した。その後、同試験方法に従い引張速度500mm/分で引っ張り、破断時の強度を引張強度(MPa)とした。
総合評価は2倍到達粘度が5分以上30分未満であり、指触乾燥時間が5時間以内、押し抜き最大荷重が1.5kN以上の全てを満たすものを○、そうでないものを×とした。
Claims (4)
- コンクリート構造物の表層に塗布するコンクリート片はく落防止樹脂組成物であって、芳香族アミンから成るアミン樹脂と、イソシアネートプレポリマーから成るイソシアネート樹脂とを混合して成ることを特徴とするコンクリート片はく落防止樹脂組成物。
- コンクリート構造物の表層に塗布するコンクリート片はく落防止樹脂組成物であって、芳香族アミンから成るアミン樹脂とイソシアネートプレポリマーから成るイソシアネート樹脂と、微粉末シリカ、クレー、タルク若しくは水酸化アルミニウムのいずれか一つ又はこれらより選択された複数の充填材とを混合して成ることを特徴とするコンクリート片はく落防止樹脂組成物。
- 前記アミン樹脂とイソシアネート樹脂の混合後の粘度が、均一に混合された直後の粘度の2倍となるまでの時間が23℃にて5分以上30分未満であり、指触乾燥時間が5時間未満/23℃であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート片はく落防止樹脂組成物。
- コンクリート構造物の表層に前記請求項1乃至請求項3記載のコンクリート片はく落防止樹脂組成物を鏝又はヘラにて手作業で塗布することを特徴とするコンクリート片はく落防止樹脂組成物の施工方法。
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