JP2017043740A - 高強度2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物およびウレタン防水工法 - Google Patents

高強度2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物およびウレタン防水工法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境に優しく、施工性および耐久性にも優れた、JIS A 6021(建築用塗膜防水材)のウレタンゴム系高強度形に該当する、2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物を提供する。【解決手段】本発明のウレタン防水材組成物は、ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と、芳香族ポリアミン、可塑剤および無機充填剤を含む硬化剤とからなり、ポリイソシアナートがイソホロンジイソシアナートを含み、ポリオールがポリオキシアルキレンポリオールを含み、イソシアナート基末端プレポリマーのNCO含有量が3.0質量%超、6.0質量%以下であり、硬化剤は、全反応成分中の90当量%超が芳香族ポリアミンであり、芳香族ポリアミンがジエチルトルエンジアミンを含み、主剤のイソシアナート基と硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比が0.92〜1.24である。【選択図】なし

Description

本発明は、高強度2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物およびその組成物を用いたウレタン防水工法に関する。
ウレタン防水材は、不定形状および狭小部分の施工に適していることより、マンション等集合住宅のベランダ、庇の防水や、役物類が多い屋上の防水を初め、通気緩衝シートを用いた本格的な屋上防水まで幅広く使用されてきた。一般的なウレタン防水材は、2液の液状物を攪拌機で混合した後、コテ、ヘラ、ローラー、刷毛等で手塗り施工するものであり、攪拌機で混合した後少なくとも30分程度の使用可能時間(以下、可使時間と称す)が必要とされている。
上記の、手塗り用2液型ウレタン防水材は、冬季の施工と夏季の施工では外気温が大幅に異なるため、夏季の30℃前後での施工に適した夏用配合と、冬季の10℃前後の施工に適した冬用配合が用意されているのが一般的であり、一例ではあるが夏用配合では23℃での可使時間が40分以上、冬用配合では23℃での可使時間が20分以上を目処としている。なお、可使時間については、23℃において2液混合後から粘度が6万〜10万mPa・sに到達するまでの時間とするのが一般的である。
また、ウレタン防水材を夕方に塗布し終わり、翌日朝には軽歩行できるほどに硬化することが望まれており、硬化時間は年間を通して17時間以内に調整できることが最良とされている。
ウレタン防水材の性能は、JIS A 6021、建築用塗膜防水材に詳細が規定されており、従来から汎用的に使用されている手塗り用は、破断時の伸び率(以下、伸び率と称す)が450%以上、引張強さが2.3N/mm2以上、抗張積が280N/mm以上と規定され、ウレタンゴム系高伸長形に分類されている。一方、高反応性の2成分を衝突混合させ専用のスプレー装置により塗布する超速硬化型スプレー塗装が、駐車場用防水、屋上緑化用防水、金属屋根用防水、土木的防水用途等特殊な用途に使用されるようになってきた。この材料は高反応性であり施工後数分で歩行することができ高強度となるが、伸び率を確保することがやや難しい面もあり、伸び率が200%以上、引張強さが10N/mm2以上、抗張積が700N/mmという規格で、最近になりJIS A 6021において、ウレタンゴム系高強度形に分類されるようになった。抗張積=(引張強さ×伸び率)/5で示されるもので、抗張積を高くするには単に引張強さを高くするだけでは達成することが難しく、伸び率を確保することも重要となる。なお、スプレー施工は、スプレー施工時に発生するミストの飛散が大きな問題であり、施工する近辺を厳重にフィルム等で養生することはもとより、近隣の住居や車にも注意を払わなければならないため、住宅密集地での施工には適していない。また、スプレー装置が高価であり、しかも専任技術者が必要となるため、施工できる工事店が限定されてしまうという問題もある。
現在汎用化されている手塗り用高伸長形ウレタン防水材は、トリレンジイソシアナート(以下、TDIと称す)とポリオキシプロピレンポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを主剤とし、一方の硬化剤中に、反応成分として比較的反応が穏やかな芳香族ポリアミンである、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(以下MOCAと称す)を主成分とし、低反応性の2級ポリオールであるポリオキシプロピレンポリオールを併用している。その際、硬化剤中には触媒として、水分よりもポリオールとの反応を選択的に促進することで発泡防止効果があるとされるカルボン酸鉛を用いるのが一般的であり、このような防水材はMOCA架橋型防水材と称されている。なお、硬化剤には無機充填剤として炭酸カルシウムが配合されるのが一般的であるが、炭酸カルシウムには0.1〜0.3質量%程度の水分が含まれており、カルボン酸鉛以外の触媒ではこの水分との反応も促進してしまい、特に夏季においては副生する炭酸ガスにより塗膜に発泡現象が起こりやすいとされている。
MOCA架橋型防水材は反応性が穏やかであるため、特に可使時間が必要とされる夏季の施工性に優れており、また比較的機械的強度も良好であるため、今でも汎用防水材として用いられている。また、汎用のウレタン防水材は主剤のNCO含有量が4.0質量%程度のものが多いが、NCO含有量を6.0質量%前後と高くし、それに伴い硬化剤中の反応成分であるMOCAの濃度も高くすることで高強度化させた、手塗り用ウレタン床材も古くから開発されているが、屋内での用途が多く、屋外の夏季施工においてはNCO含有量が多いがために水分との反応による発泡現象が発生しやすくなる傾向があり、発泡防止のためにカルボン酸鉛を多く配合すると可使時間確保が難しくなるといった実用上の問題がある。
なお、MOCA架橋型防水材には環境面での大きな問題がある。硬化剤に用いられているMOCAは労働安全衛生法で特定化学物質第2類物質に指定されており、硬化剤には上限値の1%を超えて使用されているため、特定化学物質等障害予防規則(以下、特化則と称す)該当品となってしまう。またMOCAは、IARC(国際がん研究機関)による発がん性評価でグループ1(ヒトに対して発がん性を示す)に分類されている。
また、主剤に用いられているTDIも特定化学物質に指定されており、汎用品の主剤には遊離TDIが上限値の1%を超えて存在するため、主剤も特化則該当品となってしまい、製造時および施工時に種々の制約を受けることとなる。さらに、触媒として用いるカルボン酸鉛化合物は、世界的に使用が厳しく制限されている材料であり、化学物質排出把握管理法(通称化管法)の特定第1種指定化学物質に指定されており、環境面からは使用を避けたい材料である。
一方、スプレー施工用の高強度形ウレタン防水材は、TDIよりも高反応性であるジフェニルメタンジイソシアナート(以下、MDIと称す)とポリオールとの部分プレポリマーからなるNCO含有量が10質量%前後となる主剤を用い、硬化剤中に反応成分の主成分として高反応性で高凝集性であるジエチルトルエンジアミン(以下、DETDAと称す)を用い、補助的にポリオールとしてポリオキシエチレンプロピレンポリオール(OH基の70当量%程度を1級化)を配合するのが一般的である。この場合も、触媒として主にポリオールとの反応を促進するカルボン酸鉛を用いるのが一般的である。スプレーした材料が塗布されてから数秒の間にゲル化するというもので、高強度化は容易であるが、やや伸び率を高くすることが難しいという特徴を持っている。
また、可塑剤量を多くするとゲル化時間が長くなり流動性がでてしまうことで膜厚確保が難しくなることもあり、手塗り用よりも可塑剤量が少ないという特徴もある。なお、MDIおよびDETDAは特定化学物質には該当していない。
また、手塗り用高伸長形ウレタン防水材において、TDIプレポリマーに対し、反応成分としてDETDAを用いるDETDA架橋型防水材と称されるタイプも商品化されている。DETDA架橋型防水材は、主剤中のTDIも1%以下になるよう配慮されており、触媒としてカルボン酸鉛を使用する必要もないため、特化則非該当の環境対応型防水材となっている(特許文献2)。
DETDA架橋型防水材は低温時にも硬化性が良いという特徴を持っているが、夏季の可使時間を確保することが難しいため可塑剤量を多く配合するもので、特殊なTDIを使用する方法(特許文献1)や、芳香族ポリエステルポリオールを併用する方法(特許文献2)等により可使時間を確保する方法が提案されている。しかし、手塗り用ウレタン防水材において、DETDA架橋型防水材を高強度化するためには、高反応性で高凝集性であるDETDAをより多く配合する必要があり、可使時間を確保することがことさら難しくなってしまう。なお、DETDAは水分よりもかなり反応性が高いため、DETDAを主反応成分とする塗膜は、カルボン酸鉛なしでも発泡現象を抑制する効果がMOCA架橋型防水材より高いという長所がある。
次に、ウレタン防水材の使用方法であるが、コンクリート等の無機物や金属の被着体に直接塗布するのではなく、被着体との接着性を確保する機能および被着体が含有する水分を絶縁する機能を有するプライマーを塗布した後に塗布することが原則となっている。ウレタン防水材自身は、コンクリートや金属との接着性が乏しく、また水分を多く含んだ被着体に直接塗布すると発泡気味になってしまうため、直接塗布することは行われておらず、大面積の施工においては下地コンクリート層の水分の影響を極力避けるため、通気緩衝シートを用いた脱気機能のある工法を用いるのが一般的になっている。
また、ウレタン防水材自身は耐候性が不十分であるため、ウレタン防水材塗布後に耐候性のよいトップコートを塗布するのが原則となっている。
なお、従来技術としては、鉱物系建材への被覆形成方法としてイソホロンジイソシアナート(以下、IPDIと称す)とポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーをDETDAで硬化させ、水分を含む被着体に直接塗布し被着体を保護するという技術があるが(特許文献3)、施工方法および要求性能は大きく異なり、本願のウレタン防水材は詳細が規定されたJIS規格を満たすことはもとより、年間を通しての最適な施工性と長期の耐久性をも配慮した配合に関するものである。
また、主剤として、IPDIとポリエステルポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを用い、硬化剤中のDETDAを反応成分とした、トップコートを塗布する必要のないウレタン防水材の技術(特許文献4)も報告されているが、一般的にポリエステルポリオールを使用したウレタン塗膜は、耐候性や耐熱性には優れているが、エステル結合は加水分解を受けやすく、耐水性や耐アルカリ性に劣るとされている(非特許文献1)。
さらに、硬化剤の反応成分としてDETDAを用い、主剤としてTDIプレポリマーとIPDIプレポリマーを併用し可使時間を確保するという技術もあるが(特許文献5)、主剤がIPDIプレポリマーのみである場合は、低温での硬化性に問題があることと、ウレタン防水材としての物性が不十分であることが示唆されている。
最近、特殊なポリオールを用いたIPDIプレポリマーに対し、DETDA、水、ポリオールを必須反応成分とし、特殊な可塑剤を少量用いたノンブリード・高強度・高伸長形手塗りウレタン防水材組成物の技術(特許文献6)が開示されているが、物性についてはJIS規格(建築用塗膜防水材、JIS A 6021)に規定されている23℃の養生条件ではなく、60℃の加熱により高強度化する方法が示されており、主にアスファルト系下地への塗工を目的とした防水材の技術である。
特許第3114557号公報 特開2013−139559号公報 特開昭58−134160号公報 特開平10−17819号公報 特開平9−183942号公報 特開2014−227522号公報
西島洋編、「最新 ポリウレタンの設計・改質と高機能化 技術全集」、株式会社技術情報協会、2007年3月31日、p.44
JIS A 6021建築用塗膜防水材のウレタンゴム系高強度形の規格を超速硬化性スプレー材料によりクリアーすることには大きな問題はない。しかし、スプレー施工はミストの飛散という大きな課題があり施工できる場所は限られてしまう。また、スプレー装置が高価でありさらに専門の技術者も必要なため、施工店も限定されてしまい普及させることに限界がある。また、環境面においては、材料を60℃近辺に加温して高圧でスプレーするため、作業者がMDIの蒸気を吸引してしまう危険性があることと、カルボン酸鉛を使用するという問題がある。
一方、従来の手塗り用ウレタン防水材を高強度形に該当させるには大きな課題がある。
従来のMOCA架橋型防水材の場合には、高強度化させるために主剤のNCO含有量を高くした場合、前述のように夏季施工時の発泡性が激しくなり、発泡性を低減させるためにカルボン酸鉛を多目に配合すると、可使時間が短縮されてしまうという問題がある。また、環境面からは、特化則に該当する防水材を今以上に市場に提供することは避けたいことであり、またカルボン酸鉛による環境汚染も避けたいことである。
また、従来のDETDA架橋型防水材では、高強度化のためにはNCO含量を高くすると同時に、高反応性のDETDAを多く使用する必要があるが、この方法では可使時間がさらに短縮されてしまい、やはり夏季の施工は難しくなるという問題がある。
主剤にIPDIとポリエステルポリオールを用い硬化剤にDETDAを用いた防水材は、ポリエステルポリオールの粘度が高いため主剤の粘度が非常に高くなってしまい、特に冬季施工での缶からの主剤の取り出しや混合が難しくなる。この問題を解決するためには多量の溶剤を添加する必要があるが、溶剤による作業環境の悪化や施工後の溶剤揮発による防水層の厚みの低下、収縮による淵部の剥がれやクラックの発生といった問題がおこりやすくなる。特に、1回の施工で1.5〜2.5mm程度の厚みが必要とされるウレタン防水材の施工には溶剤量の多い材料は適していない。
また、上記技術は結晶性の少ない液状の脂肪族ポリエステルポリオールを用いるものであるが、特に脂肪族ポリエステルポリオールは耐加水分解性、耐アルカリ性、耐バクテリア性に問題があるため、アルカリ性であるコンクリート建造物周辺や屋上緑化・土木分野に用いるには不適当であり、高強度形ウレタン防水材の用途に適しているとは言い難い。
芳香族ポリエステルポリオールを用いれば上記の弱点はある程度改善されると思われるが、脂肪族ポリエステルポリオールよりも高粘性となるため、さらに施工上の問題が大きくなる。
なお、ウレタンゴム系高強度形の規格では伸び率が200%以上となっているが、従来からの知見でコンクリート等クラックが発生する被着体に対しては、防水材の伸び率を高くすることが重要であると認識されており、コンクリート下地等無機系下地への施工に関しては高強度形といえども、伸び率を300%以上できれば高伸長形と同様の450%以上とできるだけ高くして、ウレタン防水材の特徴であるクラック追従性を確保することが望ましい。
本発明は、ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と、芳香族ポリアミン、可塑剤および無機充填剤を含む硬化剤とからなり、JIS A 6021(建築用塗膜防水材)のウレタンゴム系高強度形に該当し、施工性が良好でかつ汎用性のある2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材であり、主剤にはポリイソシアナート成分として、従来ウレタン防水材用としてはあまり使用されてこなかった低反応性のIPDIを、ポリオール成分としては低粘性で耐加水分解性に優れた汎用のポリオキシアルキレンポリオールを用い、一方の硬化剤側には高反応性の芳香族ポリアミンであるDETDAと、汎用性の可塑剤および充填剤を用い、主剤のイソシアナート基と硬化剤の芳香族アミノ基とを特定の当量比に配合することで完成するに至った。
本発明は、次の態様を含む。
[1]ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と、反応成分としての芳香族ポリアミン、可塑剤および無機充填剤を含む硬化剤とからなる2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物であって、
a)主剤のポリイソシアナートがイソホロンジイソシアナートを含み、主剤のポリオールがポリオキシアルキレンポリオールを含み、主剤のポリオールが分子量1500以上のジオールを10〜97当量%および分子量1500未満のジオールと官能基数3以上のポリオールを合わせて3〜90当量%含み、イソシアナート基末端プレポリマーのNCO含有量が3.0質量%超、6.0質量%以下であり、
b)硬化剤は、全反応成分中の90当量%超が芳香族ポリアミンであり、該芳香族ポリアミンがジエチルトルエンジアミンを含み、無機充填剤を20〜80質量%含み、
c)可塑剤が、主剤中のプレポリマー100質量部に対し16〜60質量部となるよう、硬化剤に、または主剤と硬化剤の両方に分けて、配合され、
主剤のイソシアナート基と硬化剤中の反応成分である芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が0.92〜1.24である、2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
[2]主剤、硬化剤または主剤と硬化剤との混合物中に、反応促進剤として、有機第2錫化合物、カルボン酸金属塩、カルボン酸、酸無水物および3級アミンからなる群から選択された少なくとも1種が配合された、[1]に記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
[3]主剤、硬化剤または主剤と硬化剤との混合物中に、有機第2錫化合物あるいはイミダゾール化合物が配合された、[1]または[2]に記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
[4]ポリイソシアナートの70当量%超がイソホロンジイソシアナートである、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
[5]主剤のポリオールの50当量%超がポリオキシアルキレンポリオールである、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
[6]芳香族ポリアミンの70当量%超がジエチルトルエンジアミンである、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
[7]被着体に対し、プライマー層を施した後、またはプライマー層とウレタン防水材層を施した後に、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物を塗布する工程を含む、ウレタン防水工法。
[8]被着体に対し、通気緩衝シート、高分子シート、防根シートまたは高分子塗料膜材を施したのちに、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物を塗布する、ウレタン防水工法。
本発明の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材は、JIS A 6021(建築用塗膜防水材)のウレタンゴム系高強度形に該当することができ、低粘度であり年間を通して施工性に優れ、高強度形に必要とされる耐加水分解性、耐候性、耐熱性といった耐久性にも優れ、コンクリート系下地に必要とされるクラック追従性をも有しており、環境面にも配慮されている。
(イソシアナート基/芳香族アミノ基 当量比)
従来技術であるDETDA架橋型防水材は高反応性であるため、可使時間確保が難しいという欠点がある。特に夏季の可使時間を確保することが難しく、可使時間を少しでも長くするために、主剤のイソシアナート基とDETDAの芳香族アミノ基との当量比(イソシアナート基/芳香族アミノ基)を、1.2〜1.3程度となるようDETDAを少なく配合することが一般的に行われている。
このような場合、DETDAと反応せずに残った過剰なNCO基は、硬化剤に配合される無機充填剤に付着する水分、2液混合時に空気中より取り込まれる水分(湿分)、さらには塗布した後の塗膜表面より吸収される水分(湿分)等と穏やかに反応し自己架橋して、硬化物がより高分子量化し高強度化する。
また、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)を1.2〜1.3と高くしても、DETDAが高反応性であるため、硬化塗膜は低温においても翌朝には十分歩行が可能なほどに強度発現する速硬化性防水材となりうる。
なお、JIS A 6021(建築用塗膜防水材)において、塗膜防水材の養生条件が23±2℃、湿度50±10%の標準状態で7日以後に物性を測定することが規定されているが、従来のTDIプレポリマーを主剤とするMOCA架橋型防水材やDETDA架橋型防水材では、7日の養生期間で過剰なイソシアナート基と水分との反応による自己架橋は大方終了するため、ほぼ最大強度に到達している。そのため、標準状態で7日養生後、直ちに物性測定することが一般的となっている。
一方、本願のIPDIプレポリマーを主剤としたDETDA架橋型防水材では、硬化過程が従来とは大きく異なることが分かった。主剤のNCO含有量を一定にした条件で、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)を0.9〜1.3の範囲となるようDETDA量を調整してみたところ、標準状態で7日後の物性はほぼ(イソシアナート基/芳香族アミノ基)1.0〜1.05近辺でピークとなり、1.10以上になると従来品とは違い物性が低下する傾向があることが分かった。
これは、IPDIプレポリマーの末端イソシアナート基は、主に低反応性の2級イソシアナート基であるため、水分との反応が非常に遅く、過剰となったイソシアナート基は標準状態7日後では自己架橋があまり進行しないことに起因すると思われる。ただし、IPDIプレポリマーとDETDAの反応は常温でも比較的速やかに進行するため、翌日には強度発現して歩行可能な防水材となり得る。
なお、本願では(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が1.0近辺となっても、従来のDETDA架橋型防水材よりも可使時間は長く取れるため、実用上の問題とはならない。また、従来のDETDA架橋型防水材を高強度化させるためには、主剤のNCO含有量を高くし、硬化剤中のDETDA量を増加させることが有効であるが、この方法では可使時間がさらに短くなってしまい実用性がなくなるのに対し、本願においてはNCO含有量をさらに高くしても可使時間が確保することができ、高強度化を達成することができる。
(養生条件)
さらに高強度化について検討を進めた結果、本願の防水材は標準状態で7日後の物性よりも14日後の物性が大幅に向上することが分かった。この傾向は、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が1.05〜1.20とやや高くなるに従い顕著となるため、やはりIPDIプレポリマーの末端イソシアナート基と水分との反応による自己架橋が進行しにくいためと推測される。
しかし、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が高くなりすぎると使用するDETDA量が少なくなることの影響が大となるため、標準状態14日後でも容易には高強度化しにくくなることが分かった。
なお、標準状態での養生日数が7日後と14日後の間には物性が大きく上昇することが認められるが、14日後と28日後の物性にはそれほど大きな差は認められない。そのため、本願では、標準状態で14日後による高強度化についても発明の範囲にすることとした。
このように、本願のIPDIプレポリマーを用いた防水材は、従来品よりも最高強度に達するまでにやや時間を要するが、DETDAとの反応は比較的円滑に進行するため、翌朝までには歩行することができるほど硬化し、常温において高強度化が達成できる実用性のある高強度2液型環境対応手塗り用防水材となる。
以上のように、高強度化のためには(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が支配的な役割を果たし1.0に近づけることが有効な手段となる。しかし、1.0を下回っていくと、硬化物中にアミノ基末端の低分子量体が多くなるため、徐々に物性が低下する傾向となる。末端アミノ基の低分子量体同志では、それ以上高分子化することができないため、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)を低くしすぎると、低強度のままで停止してしまい、耐熱性等の耐久性も悪くなるという危険な状態となってしまう。
また、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が低くなりすぎると、硬化物中のNCO基が残存し難くなるため、その上に塗布される防水材やトップコートとの接着性が低下するという問題も発生する。以上のことより、本発明においては、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)を0.92〜1.24とする必要があり、0.95以上1.20未満であることが好ましく、0.97〜1.17であることがさらに好ましい。
(反応促進剤)
さらに深く検討を進めた結果、本願の防水材においては、湿気硬化促進剤を用いることで、より短期間で高強度化が達成できることが分かった。この効果は、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が1.05以上さらには1.10以上の範囲で特に顕著となる傾向があるため、高めの(イソシアナート基/芳香族アミノ基)に設定しても速やかに高強度化が達成でき、施工時の混合比の下ぶれに対してもより安全サイドとなり、可使時間確保の面でも有効となる。
本願ではウレタン化反応において湿気硬化促進効果があるとされている、有機第2錫系化合物、3級アミン、カルボン酸金属塩等が反応促進剤として使用できる。
有機第2錫系化合物としては、例えばジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ2−エチルへキサノエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプタイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトネート、ジブチル錫オキシラウレート、ジオクチル錫ジネオデカネート、ジブチル錫ビスブチルマレート、ジオクチル錫2−エチルヘキシルマレート等が挙げられ、中でもジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートが好ましい。有機第2錫系化合物は硬化剤中に0.001〜0.1質量%使用する事が好ましい。
3級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、ビス(2−モルホリノエチル)エーテル、ジアザビシクロウンデセン等の一般的な3級アミンを使用する事ができるが、特殊な3級アミンであるイミダゾール化合物が発泡抑制および高強度発現促進効果の面より好ましく、イミダゾール化合物としては、例えば1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールのような1位と2位に置換基を有する化合物や、1−メチルイミダゾール、1−アリルイミダゾールのような1位に置換基を有する化合物が使用できる。中でも、1位と2位に置換基を有するイミダゾール化合物は高強度発現促進効果が高くより好ましい。3級アミンは、硬化剤中に0.01〜2.0質量%使用する事が好ましい。
また、一般的にはウレタン化触媒であるカルボン酸金属塩も使用することができる。カルボン酸金属塩は湿気硬化促進効果は弱いが、芳香族ポリアミンとの反応を強く促進し、可使時間および硬化時間を短くするため、夏季用触媒よりも冬季用触媒として用いることが好ましい。カルボン酸金属塩としては、例えば2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、樹脂酸の鉛塩、亜鉛塩、ビスマス塩、ジルジルコニウム塩、錫塩、銅塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等が挙げられ、中でも、2−エチルヘキサン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸亜鉛は高強度発現促進効果が高いため好ましい。カルボン酸金属塩は硬化剤中に0.1〜4.0質量%使用する事が好ましい。一方、カルボン酸鉛は可使時間と硬化時間の短縮効果は高いが高強度発現促進効果はあまり認められず、また環境面から見ても使用することは好ましくはない。
以上のように、湿気硬化を促進すると思われる化合物を用いることができるが、中でも有機第2錫系化合物およびイミダゾール化合物は、いずれも可使時間を短縮することなしに高強度化を促進することができ、発泡抑制性にも優れており、特に夏季用触媒として好ましく使用できる。
また、イミダゾール化合物は、金属系触媒が多量に添加すると熱劣化を促進する傾向が強いのに対して、多目に添加してもほとんど熱劣化を促進しないという特徴があるため、更に好ましい。なお、湿気硬化促進剤は硬化剤に配合することが原則であるが、相当量を施工現場で2液混合時に添加しても構わない。一方、主剤側に配合することも可能ではあるが、貯蔵安定性を損ねる可能性があるため、あまり好ましくはない。
一方、カルボン酸或いは酸無水物は、IPDIプレポリマーと芳香族ポリアミンとの反応を促進するため、可使時間および硬化時間の短縮に有効であり、カルボン酸金属塩のような熱劣化促進もほとんどないため、特に冬用促進剤として好ましく使用できる。但し、湿気硬化促進効果は殆どないため、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が高い配合においては高強度発現促進効果はあまり望めない。
カルボン酸としては、例えばプロピオン酸、2−メチルペンタン酸、オクチル酸、イソノナン酸、ナフテン酸等が挙げられ、中でもオクチル酸が好ましい。
酸無水物としては、例えば無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、中でもメチル−テトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。
カルボン酸および酸無水物は、硬化剤中に0.05〜2.0質量%使用する事が望ましく、その一部或いは全量を主剤側に配合しても構わない。
さらに、酸無水物触媒について詳しく検討を行ったところ、酸無水物自体は反応促進効果はないが、硬化剤側に配合した場合、硬化剤に含まれる水分により加水分解し、対応するジカルボン酸となるため、主剤と混合する段階ではかなりの部分がカルボン酸触媒として働き、可使時間および硬化時間を短縮することが分かった。
一方、主剤側に配合した場合は無水系であるため酸無水物は安定的に存在し、硬化剤との混合開始後、硬化剤中の水分で加水分解を始めるが、反応はプレポリマーのイソシアナート基と競争的であるため、可使時間にはあまり影響を与えずに、最終的には硬化時間を短縮することができる。従って、主剤側に酸無水物を配合することで、従来の防水材より可使時間が十分に取れ、しかも速やかに硬化するというもっとも好ましい施工性を兼ね備えた防水材となることを見出した。
また、あらかじめ硬化剤中に微量の水分を添加すること等により、酸無水物の加水分解反応速度を調整することもできる。さらには、湿気硬化促進剤と併用することもできる。なお、施工現場において、酸無水物を2液混合時に添加する方法もあるが、非常に微量の酸無水物を施工現場で小分けして添加することは作業性の低下およびトラブルの原因ともなり、また施工現場で酸無水物を取り扱う際に、水分や湿分により加水分解してしまう可能性もあり、管理することが難しいため、あまり好ましくはない。
なお、有機第2錫化合物、カルボン酸金属塩、カルボン酸、酸無水物、3級アミンのいずれか一つ以上の促進剤を併用することができる。
以上より本願は、従来標準状態7日の養生条件を14日まで延長することおよび、場合によっては湿気硬化促進剤を用いることで、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)当量比が0.92〜1.24の範囲において高強度であって年間を通して施工性に優れる、2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材とすることができる。また、より優れた強度発現性および高強度化の面からは、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が0.95以上1.20未満であることが好ましく、0.97〜1.17であることがより好ましい。高強度化のためには、DETDAを主成分とする芳香族アミノ基の当量比は支配的であり、湿気硬化促進剤を用いても、(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が1.24を超えると高強度化を達成することは難しくなる。
(硬化剤中の活性水素)
次に、硬化剤中の反応成分として芳香族ポリアミン以外に、水分やポリオールを意図的に配合することについて検討を行った。まず、反応成分としての水分であるが、前述のように水分はDETDAよりもかなり反応性が低いため、DETDAの一部を水分に置き換えることで可使時間を延長することは出来るが、強度発現性や硬化性は低下してしまう。
NCO含有量が一定という条件で考察した場合、反応成分としての水分を添加することで高凝集性であるDETDAの配合量を低減させてしまうため、最終強度が低下し、同時に強度発現も遅くなり、湿気硬化促進剤を用いてもカバーすることに限界がある。
そのため、水分は反応成分として特に配合する必要はない。
なお、硬化剤に配合される充填剤に付着する水分については、実質的には過剰なイソシアナート基と穏やかに反応し最終強度の増加に一部寄与しているが、従来と同様に特に反応成分として配慮する必要はない。
ただし、硬化剤中の水分量を調整する目的で少量の水分を添加することができる。冬季等乾燥時の硬化剤製造においては、充填剤の付着水が少なく、製造時に巻き込まれる湿分もすくないため、硬化剤中の水分量が少なくなる場合がある。このような場合に少量の水分を添加することで湿気硬化を進行しやすくすることができる。
次に、ポリオールを配合する方法であるが、一般的にポリオール類は水分よりも分子量が大きく低反応性で低凝集性の傾向があるため、併用することにより強度発現性や硬化性が低下し、最終強度をも低下させる傾向があるが、少量であれば芳香族ポリアミンと併用できる。
反応成分として使用できるポリオールとしては高強度化の面より、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の短鎖ポリオール類、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールといった比較的高凝集性のポリオールが好ましい。
その中でも1級水酸基ポリオールの方が反応性は高く未反応で残りにくいためより好ましく、中でも、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、および分子量300〜800の芳香族含有ポリエステルポリオールが高強度化のためにさらに好ましい。
なお、芳香族ポリエステルポリオールは、クラポール(株式会社クラレ製)のように低結晶性のポリオールを用いた液状品であるものが好ましい。
また、分子量が1500以上のポリオキシプロピレンポリオールあるいはポリオキシエチレンプロピレンポリオールは、低凝集性であるため高強度化の面からは配合することは好ましくない。
なお、硬化剤の反応成分としてポリオールを併用する場合は、湿気硬化と同時にウレタン化反応をも促進させることのできる有機第2錫化合物、1位と2位に置換基を有するイミダゾール化合物、カルボン酸金属塩等を触媒として用いることが好ましい。
以上のように、本発明では、ポリオールや水分を反応成分として必須ではないが、可使時間あるいは硬化時間の調整やその他の性能を微調整するために、少量のポリオールあるいは水分を意図的に配合することもできる。
その場合、全反応成分(芳香族アミノ基、ポリオールの水酸基、水分)中の90当量%超がDETDAを主成分とする芳香族ポリアミンの芳香族アミノ基である必要があり、芳香族アミノ基が92当量%以上であることがより好ましく、95当量%以上であることがさらに好ましく、100当量%であることが最も好ましい。
(芳香族ポリアミン)
本発明では、硬化剤の反応成分として使用できる芳香族ポリアミンとしDETDAを主成分とすることが好ましいが、その他の芳香族ポリアミンを併用することもできる。
一般的にDETDAには、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンなどの異性体が存在するが、本発明においては、いずれの異性体を用いてもよく、またそれらの混合物を用いてもよい。異性体含有率の異なるものが市販されており、工業品としては例えば“エタキュア100”(2,4−異性体/2,6−異性体の重量比80/20)などが入手使用できる。
DETDAと併用できる芳香族ポリアミンとしては、DETDAと同様の高反応性であるイハラケミカル工業株式会社製のキュアハードMED(4,4′−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、日本化薬株式会社製のカヤハードAA(4,4′−メチレンビス(2−エチルアニリン)、日本化薬株式会社製のカヤボンドC−300(4,4′−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、日本化薬株式会社製のカヤボンドC−400(4,4′−メチレンビス(2,6−ジiso−プロピルアニリン)等が挙げられる。
また、低反応性の芳香族ポリアミンではあるが、アルベマール社製のエタキュア420(4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン))、アルベマール社製のエタキュア300(ジメチルチオトルエンジアミン)等が使用できる。
なお、DETDAは高反応性で高凝集性であると同時に、常温で低粘度の液体であるため扱い易く、経済性にも優れているため、本願では、全芳香族ポリアミン中の70当量%以上がDETDAであることが好ましく、90当量%以上がDETDAであることがより好ましい。
(可塑剤)
本願では、可塑剤が重要な役割を果している。IPDIプレポリマーとDETDAによる高強度化は可塑剤が少ないほど容易となるが、可塑剤なしで可使時間を確保することはできない。一方、可塑剤が多すぎる場合は高強度化が難しくなり、主剤のイソシアナート含有量を高くしても容易には高強度化を達成できない。
なお、一般的にウレタン防水材は、施工現場での計量の容易さおよび計量ミスの防止の面より、主剤と硬化剤の配合比は1/1(質量比)が最適とされている。本願においても、基本的には1/1配合での検討を行った結果、主剤中のプレポリマー100質量部に対し、可塑剤は16〜60質量部必要であり、20〜50質量部であることが好ましい。16質量部以下では可使時間を確保することが難しく、60質量部以上では高強度化を達成することが難しくなる。この範囲の可塑剤量であれば耐熱性や耐候性といった耐久性能には問題はなく、経済性にも優れた防水材となる。
なお、可塑剤は硬化剤に配合するのが一般的であるが、一部を主剤側に配合することもでき、主剤側に配合した可塑剤も含め、主剤中のプレポリマー100質量部に対し16〜60質量部とする必要がある。
可塑剤としては、ウレタン樹脂に一般的に配合できる可塑剤を使用することができる。例として、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)などのフタル酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、セバシン酸エステル類、エポキシ脂肪酸エステル類、グリコールエステル類、動植物油系脂肪酸エステル類、石油・鉱物油系可塑剤、アルキレンオキサイド重合系可塑剤等が挙げられる。
中でも、引火点が200℃以上である、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)は長期的にも重量減少を起こし難く、芳香族ポリエステルであり加水分解も起こし難いため、好ましく使用することができる。なお、硬化剤中に溶剤を使用することもできるが、施工後の揮発により収縮を起こす危険性や無機充填剤を沈降しやすくする傾向があり、環境面での問題もあるため、5質量%以内で用いることが好ましく、使用しないことがより好ましい。また、硬化剤側に可塑剤を配合することで、無機充填剤を多く配合することができ、経済性のある防水材とすることができる。
(無機充填剤)
無機充填剤としては炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウムは経済効果が高いと同時に、硬化剤製造時の分散性が良好であり多量に配合しても増粘性が少なく、硬化剤貯蔵時の沈降性を少なくすることも容易であり、物性面でも悪影響が少ない。なお、炭酸カルシウムには、重質酸炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、表面処理コロイダル炭酸カルシウム等種々の炭酸カルシウムがあるが、いずれの炭酸カルシウムも使用することができ、表面処理コロイダル炭酸カルシウムによりチクソ性を付与した立面用防水材として使用することもできる。
通常用いられる重質炭酸カルシウムは0.1〜0.3質量%程度の付着水を有しているが、本願ではこの付着水が高強度化に寄与すると考えられ、特に(イソシアナート基/芳香族アミノ基)を1.05以上の配合にした場合は、付着水を主とした水分が過剰に配合されたイソシアナート基と反応することで、最終的に高強度化が達成されると推察している。
そのため本発明では、硬化剤中に20〜80質量%の無機充填剤を配合する必要がある。無機充填剤を配合することにより、硬化剤中の水分量を1000ppm〜2500ppm程度にすることができ、また可塑剤よりは親水性的である無機充填剤を配合することで、2液混合時および防水材を塗布し硬化養生させるときに空気中の水分を吸収しやすくすることができ、補助的ではあるが湿気硬化による高強度化を支援することができる。
硬化剤中の充填剤が20質量%以下では、水分の供給効果が不十分であり、80質量%以上では増粘性が激しくなることでの施工性の低下や物性の低下が懸念される。
また、シリカ、カオリン、タルク、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム等の付着水を有する充填剤を一部使用することができ、場合によっては水分を添加することもできる。
(その他添加剤)
その他、硬化剤には、湿潤剤、消泡剤、顔料、耐候性付与剤等の添加剤類を必要に応じて配合することができる。
(ポリイソシアナート)
次に主剤であるが、本願はポリイソシアナートの主成分がIPDIで、ポリオールの主成分がポリオキシアルキレンンポリオールであることが必要となる。
IPDIは低反応性のポリイソシアナートであり、低凝集性であるポリオキシアルキレンポリオールとのプレポリマーによる高強度化には難しいと思われているところもあったが、硬化剤に使用される反応成分の主成分がDETDAである場合には高強度化に適した材料となり、可使時間を確保することも容易であることが分かった。本願では、ポリイソシアナート成分の70当量%超がIPDIであることが好ましく、75当量%以上であることがより好ましい。一方、IPDIのヌレート体やダクト体といった2官能を超える誘導体も商品化されているが、伸び率を拘束する傾向があるため多くは使用できず、全ポリイソシアナート成分中の0〜30当量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明では、ポリイソシアナートとしてIPDI以外のポリイソシアナートを併用することもできる。併用できるポリイソシアナートとしては、反応性の穏やかな、脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアナートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアナート、ノルボルネンジイソシアナート、水添化トリレンジイソシアナート、水添化キシリレンジイソシアナート、水添化ジフェニルメタンジイソシアナート、水添化テトラメチルキシリレンジイソシアナート等が挙げられる。
また、トリレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシアナートといった芳香族ポリイソシアナートも一部使用することができるが、トリレンジイソシアナートは労働安全衛生法の特定化学物質であり、環境的な面より好ましくない。
(主剤NCO含有量およびNCO基/OH基当量比)
本願は主剤のNCO含有量が3.0質量%超、6.0質量%以下である必要がある。本発明の可塑剤量の範囲では、NCO含有量が3.0質量%超でないと高強度化は達成できない。一方、NCO含有量が6.0質量%を超えると反応成分の主成分であるDETDA量も多くなるため、可使時間が短くなり施工性に問題を生じる。さらに、高強度化を達成することおよび良好な施工性を確保するためには、主剤のNCO含有量が3.3〜5.5質量%であることが好ましい。
主剤中のIPDIプレポリマーのNCO基とポリオールのOH基の当量比である(NCO基/OH基)は1.5〜2.5であることが好ましく、1.6〜2.3であることがより好ましい。1.5未満となると主剤の増粘が激しくなり、2.5超となるとフリーのIPDIが多くなるため、伸び率の低下や可使時間の短縮といった問題が生じやすくなる。
(主剤ポリオール)
ポリイソシアナートと反応させるポリオール成分としては、ポリオキシアルキレンポリオールが主成分であることが必要であり、さらに結晶性が少なく低粘性であり経済性にも優れたポリオキシプロピレンポリオールおよびポリオキシエチレンプロピレンポリオールであることが好ましい。
高強度化のためには高凝集性であるポリエステルポリオールを用いる方法もあるが、ポリエステルポリオールは高粘性であるためプレポリマーも高粘性となり、缶からの取り出し時や2液混合時および塗布時の施工性が悪くなる。そのため、施工性改善のためには多量の溶剤が必要となるが、溶剤による環境汚染および硬化物の収縮によるクラックや剥がれの発生といった問題が発生する。
さらに、一般的である脂肪族ポリエステルポリオールは、耐候性や耐熱性には優れているが耐加水分解性、耐アルカリ性、耐バクテリア性には問題があることが認識されており、高強度形ウレタン防水材の用途には適していない。
一方、ポリエーテルであるポリオキシアルキレンポリオールは低凝集性であるため、プレポリマーも比較的低粘性となり、溶剤量を5質量%以下にしても施工することができる。また、ポリエーテルポリオールは耐加水分解性、耐アルカリ性、耐バクテリア性に優れるため、高強度形ウレタン防水材の用途に適している。なお、ポリオキシアルキレンポリオールはポリオール中の50当量%超であることが好ましい。
(主剤ポリオールの分子量と官能基数)
本願において、効率的に高強度化を行うためには、伸び率が重要な役割を果たしており、伸び率を確保することで抗張積はもとより引張強さを効率的に高くすることができる。逆に、伸び率を確保せずに高強度化しようとすると、非常に高硬度化(高モジュラス)してしまい、ウレタン防水材には似つかわしくない材料となってしまう。
そのため主剤に使用するポリオールとして、伸び率確保のために分子量1500以上のジオールを10〜97当量%用いることが必要であり、20〜80当量%用いることが好ましい。分子量1500以上のジオール100当量%では、硬化物中の分技点がなくなりウレタン結合の濃度も低下するため、強度発現性および硬化性の低下、さらには最終強度の低下を引き起こしてしまう。
この問題を解決するために、分子量1500未満のジオールあるいは官能基数3以上のポリオールを合わせて3〜90当量%用いることが必要であり、20〜80当量%用いることが好ましい。
分子量1500未満のジオールを用いることで、硬化物中のウレタン結合およびウレア結合の濃度が高くなるため、伸び率をあまり損ねずに高強度化させることができる。また、官能基数が3以上のポリオールを用いることで、硬化物中に分枝点を作ることができるため、強度発現性および硬化性を向上させることができ、高強度化が容易となる。
分子量1500以上のジオールとしては、一般的なポリオキシアルキレンジオールを用いることができ、結晶性が少なく低粘度であるポリオキシプロピレンジオールおよびポリオキシエチレンプロピレンジオールを用いることが好ましく、特殊なジオールを用いなくともよい。
分子量1500未満のジオールとしては、分子量200〜1200のポリオキシアルキレンジオールおよび短鎖ポリオールを使用することが好ましい。ポリオキシアルキレンジオールとしては、やはり低結晶性で低粘度である一般的なポリオキシプロピレンジオールおよびポリオキシエチレンプロピレンジオールがより好ましく、主剤の粘度をあまり上昇させずにNCO含有量を高くすることができ、伸び率をあまり損ねずに高強度化を達成することができる。
なお、開始剤をビスフェノールAとした分子量200〜800のポリエーテルポリオールはポリエーテルの中では凝集力が高く高強度化には有効であるため、より好ましく使用できる。また、ポリエステルポリオールの中でも、例えば2−メチル−1,3−プロパンジオールや3−メチル−1,5−ペンタンジオールのような非結晶性のポリオールを用いた分子量が300〜800の低結晶性芳香族ポリエステルポリオールは耐アルカリ性が良好であり高凝集性でもあるため使用することができる。
また、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールといった分子量が200以下の短鎖ジオールも使用することができるが、使用量が多くなると伸び率を拘束し高強度化を妨げる傾向があるため、50当量%未満であることが好ましい。
官能基数が3以上のポリオールとしては、分子量が1500以上のポリオキシアルキレントリオールを使用することができ、一般的なポリオキシプロピレントリオールあるいはポリオキシエチレンプロピレントリオールが好ましい。
なお、官能基数が4以上のポリオキシプロピレンポリオールあるいはポリオキシエチレンプロピレンポリオールは伸び率を拘束する傾向があるため、少量であれば使用することができる。
分子量が1500未満のポリオキシアルキレントリオールも使用することができ、ポリオキシプロピレントリオールあるいはポリオキシエチレンプロピレントリオールが好ましいが、やはり伸び率を拘束する傾向が強いため、少量であれば使用することができる。
また、トリメチロールプロパン、グリセリンといった3官能ポリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトールといった4官能以上のポリオールも伸び率を拘束する傾向があるため、少量に限って使用することができる。
(プレポリマーの合成)
IPDIプレポリマーの合成方法であるが、単に加熱するだけでは反応が促進しにくいため、触媒を用いることが好ましい。一般的なウレタン化触媒が使用できるが、なかでもDBTDLやDOTDLといった有機第2錫触媒が好ましく、0.0001〜0.1質量%といった少量の添加量で効率的に反応を促進させることができる。
反応温度は60℃〜110℃であることが好ましく、2〜10時間程度で反応を完結させることができる。なお、反応終了後には、リン酸等により触媒を失活させておく方が好ましい。
(主剤/硬化剤 配合比)
主剤と硬化剤の配合比は質量比で1/1であることが好ましい。施工現場で小分けし計量して使用する場合もあり、混合比が1/1である場合は計量ミスが少なくなる。
ただし、硬化剤側にコロイダル炭酸カルシウム等の揺変剤を配合して立ち上がり用防水材とする場合は、充填剤量を多く必要とするため、1/1超〜1/2と硬化剤が多くなる配合になることもある。
(防水材組成物)
本願は、コンクリート下地等経年によりクラックが発生するような下地の防水を目的のひとつとしているため、クラック追従性に必要とされる伸び率を確保することを重視した。そのため本願は、高強度形ウレタン防水材のJIS規格では伸び率が200%以上であるのに対し、伸び率を300%以上とすることが好ましく、450%以上とすることがより好ましい。
その結果、従来の防水材よりも抗張積が格段と高くなり、補強布なしでも破壊されにくい防水材となるため、補強メッシュを用いない使用方法も可能となる。大面積の屋上防水においては、従来通り下地コンクリート中の水分(湿分)を脱気する通気緩衝工法がよいが、小面積の施工や立ち上がり部分、庇部分、役物廻り部分、側溝部分といった従来施工に手間の掛かる部分の施工において、補強布(メッシュ)を挿入せずとも防水性能を発揮することができ、大幅な省力化が達成できる。
(防水工法)
なお、本願の高強度形ウレタン防水材は、コンクリート等の無機系下地に対し直接塗布することはできない。無機系下地の場合は高強度形ウレタン防水材とは接着しないため、下地の水分を遮蔽し接着性を確保することのできるプライマーを塗布した後に、施工することが必要となる。
また、新築工事や改修工事のいずれにおいても、無機系下地に直接ではなく、各種通気緩衝シート、塩ビや加硫ゴム等を用いた高分子シート、防根シート、エポキシ樹脂やFRPといった高分子塗膜材を設置した上に、場合によってはプライマーを塗布しその上に施工することができる。
さらに、金属系下地の場合も直接本願の高強度形ウレタン防水材を塗布しても接着性は確保できないため、専用のプライマーを塗布した後に塗布することができる。
無機系下地等にプライマーを塗布した後、従来の低硬度である高伸長形の2液型防水材あるいは1液型防水材を塗布し、その上に本願の高強度形防水材を塗布することができる。
このように、硬度の違う2層構造を構築することで、下層の低硬度部分が下地に発生するクラックの動きを緩衝する役目を果し、しかも上層が高伸長・高強度の高硬度部分となるため、補強布を用いなくとも破断することのない防水層を構築することができる。また、本願の高強度形防水材を塗布した上に、塩ビ等高分子系防水材、防根シート、ノンスリップ材、各種成形品を設置することができる。
本発明は、アスファルト系防水層の改修を目的とはしておらず、コンクリート等の無機下地、金属系下地、高分子系樹脂シート下地、高分子塗膜材下地の防水および保護を目的としたものである。
(トップコート)
また、本願の高強度形ウレタン防水材は日光が直接当たるような部分に使用する場合はトップコートを塗布することが原則となる。ただし、屋上緑化や土木的用途等日光の当たらない部分に使用する場合はトップコートの塗布は必要としない。
原材料
以下の実施例および比較例で用いた原材料は、次のとおりである。
IPDI: VESTANAT(登録商標)IPDI、イソホロンジイソシアナート単体、NCO含有量37.8質量%、NCO官能基数約2.0、エボニック・ジャパン株式会社製
サンニックスPP−2000: ポリオキシプロピレンジオール、平均分子量2000、OH価56.1mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
サンニックスGH−3000: ポリオキシプロピレントリオール、平均分子量3000、OH価:56.1mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
ニューポールBP−5P: ポリオキシプロピレンジオール、平均分子量500、OH価:209mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
MC−2000ソルベント: ノルマルパラフィン、イソパラフィン混合物、三協化学株式会社製
ジオクチル錫ジラウレート: KS−1200A−1,共同薬品株式会社製
DETDA: エタキュア100、ジエチルトルエンジアミン、アルベマール日本株式会社製
DINP: サンソサイザーDINP、ジイソノニルフタレート、新日本理化株式会社製
炭酸カルシウム NS#100: NS#100、炭酸カルシウム、日東粉化工業株式会社製
添加剤類: 楠本化成株式会社製
炭酸カルシウム カルファイン N−2: 炭酸カルシウム(表面処理)、丸尾カルシウム株式会社製
T−80: コロネートT−80、2,4−トリレンジイソシアナート/2,6−トリレンジイソシアナート=80/20(質量比)の混合物、NCO含有量48.3質量%、東ソー株式会社製
T−100: コロネートT−100、2,4−トリレンジイソシアナート100%含有品、NCO含有量48.3質量%、東ソー株式会社製
サンニックスGH−5000: ポリオキシプロピレントリオール、平均分子量5000、OH価:33.7mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
エタキュア420: 4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)、芳香族二級ジアミン、アルベマール社製
クラレポリオールP−530: 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとイソフタル酸との反応によって得られる芳香族系ポリエステルジオール、平均分子量500、OH価:224.4mgKOH/g、株式会社クラレ製
2−エチルヘキシル酸: オクチル酸、東洋合成工業株式会社製
1−イソブチル−2−メチルイミダゾール: DABCO NC−IM、エアープロダクツジャパン株式会社製
ジブチル錫ジラウレート: KS−1260、共同薬品株式会社製
2−エチルヘキシル酸鉛(Pb20%): ニッカオクチックス鉛20%TS、2−エチルヘキシル酸鉛とノルマルパラフィン、イソパラフィン混合物との混合物、Pbとして20%含有、日本化学産業株式会社製
ニッカオクチックスZn 8%T: ニッカオクチックス亜鉛8%(T)、2−エチルヘキシル酸亜鉛とミネラルスピリットとの混合物、Znとして8%含有、日本化学産業株式会社製
ニッカオクチックスCa 5%TK: ニッカオクチックスカルシウム5%(TK)、2−エチルヘキシル酸カルシウムとイソパラフィン系溶剤との混合物、Caとして5%含有、日本化学産業株式会社製
テトラヒドロメチルフタル酸無水物: HN−2200R、テトラヒドロメチル無水フタル酸、日立化成株式会社製
サンニックスFA−703: エチレンオキサイド付加ポリオキシプロピレントリオール、平均分子量5000、OH価:33mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
1,4−ブタンジオール: 試薬、ナカライテスク株式会社製
2−メチル−1,3−プロパンジオール: MPDiol Glycol、クラレトレーディング株式会社製
サンニックスPP−1000: ポリオキシプロピレンジオール、平均分子量1000、OH価112.2mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
サンニックスPP−400: ポリオキシプロピレンジオール、平均分子量400、OH価280.5mgKOH/g、三洋化成工業株式会社製
主剤の調製
表1〜14の配合に従って、四つ口フラスコにポリオールと溶剤と必要に応じてジオクチル錫ジラウレートを仕込み、次いでポリイソシアナート化合物を仕込んだ。その後攪拌しながら90〜100℃で3〜7時間反応させて各主剤を得た。なお、実施例16は、主剤の合成・冷却後、テトラヒドロメチルフタル酸無水物を表5の配合量に従って添加した。
硬化剤の調製
表1〜11の配合に従って、金属容器に液物を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウムを配合し1500rpmで15分間混合して各硬化剤を得た。
実施例1〜6(表1)、比較例1〜2(表2)
実施例1〜6は表1の配合に従って、比較例1〜2は表2の配合に従って、主剤と硬化剤を得た。これら主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
主剤NCO/硬化剤NH2(当量比)が0.95の実施例1、1.00の実施例2、1.05の実施例3、1.07の実施例4、1.10の実施例5、1.20の実施例6は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。主剤NCO/硬化剤NH2(当量比)が1.30の比較例1、0.90の比較例2は、塗膜物性が良好ではなかった。
比較例3〜5(表2)
比較例3〜5は表2の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。これら主剤と硬化剤を質量比1:2で混合しウレタン防水材組成物を得た。
主剤のポリイソシアナート化合物にT−80を使用し、主剤NCO/硬化剤NH2(当量比)が0.90の比較例3、1.05の比較例4、1.20の比較例5は、塗膜物性が良好ではなかった。
比較例6〜7(表2)
比較例6〜7は表2の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。これら主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
主剤のポリイソシアナート化合物にT−100、トリオールにGH−5000を使用した主剤NCO/硬化剤NH2(当量比)=1.20の比較例6、主剤のポリイソシアナート化合物にT−100、トリオールにGH−3000を使用した主剤NCO/硬化剤NH2(当量比)=1.20の比較例7は、塗膜物性が良好ではなく可使時間も短かった。
実施例7〜14(表3、4)
実施例7〜14は、表3、4の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。この主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
硬化剤に硬化促進剤として2−エチルヘキシル酸を0.30質量%使用した実施例7、1−イソブチル−2−メチルイミダゾールを0.30質量%使用した実施例8、1−イソブチル−2−メチルイミダゾールを0.50質量%使用した実施例9、ジブチル錫ジラウレートを0.05質量%使用した実施例10、ジブチル錫ジラウレートを0.10質量%使用した実施例11、2−エチルヘキシル酸鉛(Pb20%)を0.50質量%使用した実施例12、ニッカオクチックスZn8%Tを1.32質量%使用した実施例13、ニッカオクチックスCa5%TKを1.30質量%使用した実施例14は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
実施例15〜17(表5)
実施例15〜17は、表5の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。この主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
酸無水物の硬化促進剤として、テトラヒドロメチルフタル酸無水物を硬化剤に0.30質量%添加した実施例15、テトラヒドロメチルフタル酸無水物を主剤に0.30質量%添加した実施例16およびテトラヒドロメチルフタル酸無水物を主剤と硬化剤の混合物中に0.30質量%添加した実施例17は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
実施例18、比較例8〜10(表6)
実施例18、比較例8〜10は、表6の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。この主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
硬化剤に活性水素化合物としての水を添加しない実施例18は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。硬化剤に活性水素化合物としての水を、DETDA/水(当量比)が90/10となるように添加した比較例8、85/15となるように添加した比較例9、80/20となるように添加した比較例10は、塗膜物性及び耐熱性が良好ではなかった。
実施例19、比較例11、実施例20(表7)
実施例19、比較例11、実施例20は、表7の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。この主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
硬化剤にクラレポリオールP−530を1.01質量%使用し、硬化剤の芳香族ポリアミン中のDETDA(当量%)が100、芳香族ポリアミン/他の活性水素(当量比)が95/5、主剤NCO/硬化剤NH2(当量比)が1.11の実施例19、硬化剤にエタキュア420を0.97質量%使用し、硬化剤の芳香族ポリアミン中のDETDA(当量%)が95、芳香族ポリアミン/他の活性水素(当量比)が100/0、主剤NCO/硬化剤NH2(当量比)が1.05の実施例20は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。硬化剤にサンニックスFA−703を24.56質量%使用し、硬化剤の芳香族ポリアミン中のDETDA(当量%)が100、芳香族ポリアミン/他の活性水素(当量比)が82/18、主剤NCO/硬化剤NH2(当量比)が1.28の比較例11は、塗膜物性が良好ではなかった。
実施例21〜22(表8)
実施例21〜22は表8の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。この主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
硬化剤に可塑剤としてDINPを35.00質量%使用した実施例21、40.00質量%使用した実施例22は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
実施例23〜25(表9)
実施例23〜25は、表9の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。これら主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
主剤のNCO/OH(当量比)が2.10、NCO含有率が4.81質量%の実施例23、主剤のNCO/OH(当量比)が2.00、NCO含有率が4.40質量%の実施例24、主剤のNCO/OH(当量比)が1.90、NCO含有率が3.93質量%の実施例25は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
比較例12、実施例26〜34(表10、11)
比較例12、実施例26〜34は、表10、11の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。これら主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
主剤のポリオールにサンニックスPP−2000のみを使用した比較例12は、塗膜物性が良好ではなかった。
主剤にポリオールとしてサンニックスPP−2000/サンニックスGH−3000=80/20(当量比)を使用した実施例26、主剤にポリオールとしてサンニックスPP−2000/ニューポールBP−5P=50/50(当量比)を使用した実施例27、主剤にポリオールとしてサンニックスPP−2000/ニューポールBP−5P/サンニックスGH−3000=50/45/5(当量比)を使用した実施例28、主剤にポリオールとしてサンニックスPP−2000/ニューポールBP−5P/サンニックスGH−3000=40/50/10(当量比)を使用した実施例29、主剤にポリオールとしてサンニックスPP−2000/ニューポールBP−5P/サンニックスGH−3000=40/40/20(当量比)を使用した実施例30、主剤にポリオールとしてサンニックスPP−2000/ニューポールBP−5P/サンニックスGH−3000=40/30/30(当量比)を使用した実施例31、主剤にポリオールとしてサンニックスPP−2000/ニューポールBP−5P/サンニックスGH−3000=30/60/10(当量比)を使用した実施例32、主剤にポリオールとしてサンニックスPP−2000/ニューポールBP−5P/サンニックスGH−3000=30/50/20(当量比)を使用した実施例33、主剤にポリオールとしてサンニックスPP−2000/ニューポールBP−5P/サンニックスGH−3000=20/60/20(当量比)を使用した実施例34は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
実施例35〜40(表12)
実施例35〜40は、表12の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。これら主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
主剤に平均分子量1500未満のジオールとしてサンニックスBP−5Pを使用した実施例35、1,4−ブタンジオールを使用した実施例36、2−メチル−1,3−プロパンジオールを使用した実施例37、クラレポリオールP−530を使用した実施例38、サンニックスPP−1000を使用した実施例39、サンニックスPP−400を使用した実施例40は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
実施例41〜42(表13)
実施例41〜42は、表13の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。これら主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
主剤にトリオールとして平均分子量3000のサンニックスGH−3000を使用した実施例41、平均分子量5000のサンニックスGH−5000を使用した実施例42は、高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
実施例43(表14)
実施例43は、表14の配合に従って、主剤及び硬化剤を得た。これら主剤と硬化剤を質量比1:1で混合しウレタン防水材組成物を得た。
硬化剤に表面処理炭酸カルシウムのカルファイン N−2を併用した実施例43は、チクソが高く、垂れ防止性を必要とする高強度形手塗り用ウレタン防水材として良好な塗膜物性を示しかつ十分な可使時間を確保しながら翌日施工が可能であった。
なお、各評価項目の測定方法は次のとおりである。
[NCO(質量%)]
200mLの三角フラスコに主剤約1gを精秤し、これに0.5Nジ−n−ブチルアミン(トルエン溶液)10mL、トルエン10mLおよび適量のブロムフェノールブルーを加えた後メタノール約100mLを加え溶解する。この混合液を0.25N塩酸溶液で滴定する。NCO(質量%)は以下の式によって求められる。
NCO(質量%)=(ブランク滴定値−0.5N塩酸溶液滴定値)×4.202×0.25N塩酸溶液のファクター×0.25÷サンプル重量
[可使時間(分)]
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合開始から、BH型粘度計で2rpmにおける粘度が60,000mPa・sになるまでの時間を測定した。
[施工可能時間(時間)]
23℃、湿度50%の空気循環式型環境試験室内において、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合した防水材を2kg/m2塗布し、完全には硬化していないが、靴で歩行が可能となり、次工程の作業を開始できる時間を測定した。
[硬化時間(時間)]
23℃、湿度50%の空気循環式型環境試験室内において、主剤と硬化剤を所定の割合で攪拌・混合した防水材を2kg/m2塗布し、完全に硬化するまでの時間を測定した。
[引張強さ(N/mm2)]
養生条件を23℃で7日、23℃で14日、23℃で28日(JIS A 6021では23℃で7日以上)とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高強度形では引張強さは10N/mm2以上)。
[破断時の伸び率(%)]
養生条件を23℃で7日、23℃で14日、23℃で28日(JIS A 6021では23℃で7日以上)とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高伸長形(旧1類)では破断時の伸び率は450%以上)。
[引裂き強さ(N/mm)]
養生条件を23℃で7日、23℃で14日、23℃で28日(JIS A 6021では23℃で7日以上)とした試験片について、JIS A 6021に基づいて測定を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高強度形では引裂き強さは30N/mm以上)。
[抗張積(N/mm)]
養生条件を23℃で7日、23℃で14日、23℃で28日(JIS A 6021では23℃で7日以上)とした試験片について、引張強さと破断時の伸び率を用いて、JIS A 6021に基づいて計算を行った(JIS A 6021のウレタンゴム系高強度形では抗張積は700N/mm以上)。
[硬度(デュロメーター)]
養生条件を23℃で7日、23℃で14日、23℃で28日とした試験片について、JIS K 7312に基づいて測定を行った。
[耐熱性 引っ張り強さ比(%)と破断時の伸び率(%)]
80℃の乾燥機に28日(JIS A 6021では80℃で7日)入れて加熱処理した試験片について、JIS A 6021に基づいて行い、処理前に対する引張強さ比(%)および破断時の伸び率(%)を求めた。
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本発明の組成物は、高強度2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材として、建築物の屋上やマンション等の集合住宅のベランダ等の防水に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. ポリイソシアナートとポリオールからなるイソシアナート基末端プレポリマーを含む主剤と、反応成分としての芳香族ポリアミン、可塑剤および無機充填剤を含む硬化剤とからなる2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物であって、
    a)主剤のポリイソシアナートがイソホロンジイソシアナートを含み、主剤のポリオールがポリオキシアルキレンポリオールを含み、主剤のポリオールが分子量1500以上のジオールを10〜97当量%および分子量1500未満のジオールと官能基数3以上のポリオールを合わせて3〜90当量%含み、イソシアナート基末端プレポリマーのNCO含有量が3.0質量%超、6.0質量%以下であり、
    b)硬化剤は、全反応成分中の90当量%超が芳香族ポリアミンであり、該芳香族ポリアミンがジエチルトルエンジアミンを含み、無機充填剤を20〜80質量%含み、
    c)可塑剤が、主剤中のプレポリマー100質量部に対し16〜60質量部となるよう、硬化剤に、または主剤と硬化剤の両方に分けて、配合され、
    主剤のイソシアナート基と硬化剤中の反応成分である芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比(イソシアナート基/芳香族アミノ基)が0.92〜1.24である、2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
  2. 主剤、硬化剤または主剤と硬化剤との混合物中に、反応促進剤として、有機第2錫化合物、カルボン酸金属塩、カルボン酸、酸無水物および3級アミンからなる群から選択された少なくとも1種が配合された、請求項1に記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
  3. 主剤、硬化剤または主剤と硬化剤との混合物中に、有機第2錫化合物あるいはイミダゾール化合物が配合された、請求項1または2に記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
  4. ポリイソシアナートの70当量%超がイソホロンジイソシアナートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
  5. 主剤のポリオールの50当量%超がポリオキシアルキレンポリオールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
  6. 芳香族ポリアミンの70当量%超がジエチルトルエンジアミンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物。
  7. 被着体に対し、プライマー層を施した後、またはプライマー層とウレタン防水材層を施した後に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物を塗布する工程を含む、ウレタン防水工法。
  8. 被着体に対し、通気緩衝シート、高分子シート、防根シートまたは高分子塗膜材を施したのちに、請求項1〜6のいずれか1項に記載の2液型環境対応手塗り用ウレタン防水材組成物を塗布する工程を含む、ウレタン防水工法。
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