JP2004060197A - コンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業効率向上、施工時間短縮、コスト低減を図れ、長期耐久性に優れたコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物を提供する。
【解決手段】コンクリート構造物表面に、補強層として、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上の樹脂塗膜を含む1層以上の塗膜からなる塗膜層を形成し、コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物。コンクリート構造物表面に合成樹脂からなる緩衝層を形成し、該緩衝層表面に合成樹脂で形成された樹脂塗膜を形成して、コンクリート構造物表面に緩衝層と樹脂塗膜を含む補強層を形成するコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物。コンクリート構造物表面と補強層を、プライマーを介して接合し、プライマーにはセメントおよび/またはシラン系カップリング剤を添加する。
【選択図】 なし
【解決手段】コンクリート構造物表面に、補強層として、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上の樹脂塗膜を含む1層以上の塗膜からなる塗膜層を形成し、コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物。コンクリート構造物表面に合成樹脂からなる緩衝層を形成し、該緩衝層表面に合成樹脂で形成された樹脂塗膜を形成して、コンクリート構造物表面に緩衝層と樹脂塗膜を含む補強層を形成するコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物。コンクリート構造物表面と補強層を、プライマーを介して接合し、プライマーにはセメントおよび/またはシラン系カップリング剤を添加する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば高架橋などのコンクリート構造物表面におけるコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば高架橋などのコンクリート構造物は、施工時に発生するひび割れやコールドジョイントなどの初期欠陥、地震などの衝撃によるひび割れや剥離などの損傷、中性化、塩害、アルカリ骨材反応などの劣化機構による劣化により変状が生じ、変状箇所のコンクリート部材の一部が破片や塊として剥落することがある。従来、このようなコンクリート構造物の剥落を防止するには、コンクリート構造物の表面に、接着剤を介して、抗張力部材としてガラス繊維、炭素繊維などの繊維からなるクロス(以下、「連続繊維シート」とする。)を貼り付け、さらにこの上にエポキシ樹脂などを塗布して、樹脂中に連続繊維シートを埋没した構成の補強層をコンクリート構造物表面に補強層を形成している。この方法では、連続繊維シートの強度でコンクリートの破片や塊の剥落を抑制している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のような剥落防止方法では、以下のような問題があった。
1.工程数が多く、施工時間の短縮、低コスト化が困難。
2.連続繊維シートをコンクリート構造物表面に馴染ませ、貼り付ける作業に手間がかかり、作業効率が悪い。作業に熟練を要する。
3.連続繊維シートを貼り付ける際に用いた接着剤が硬化するまではエポキシ樹脂を塗布することができないことなどから、施工時間の短縮が困難。特に、道路や鉄道などの高架橋に対する施工では、施工中、交通を遮断しておくケースが多々あるため、施工時間を短くして、交通に与える影響を少なくしたい要求があった。
4.連続繊維シートに吸収されていた水分が、毛細管現象によって補強層内に広がり、この水分によって補強層の強度が徐々に低下するため、補強層の長期耐久性は低い。
【0004】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、作業効率の向上、施工時間の短縮、コストの低減を図ることが可能で、長期耐久性に優れたコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コンクリート構造物表面に補強層を形成することによって、コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法において、コンクリート構造物表面に、前記補強層として、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上の合成樹脂で形成された樹脂塗膜を含む1層以上の塗膜からなる塗膜層を形成するコンクリート剥落防止方法を提供する。
本発明は、コンクリート構造物表面に補強層を形成することによって、コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法において、コンクリート構造物表面に合成樹脂からなる緩衝層を形成し、該緩衝層表面に合成樹脂で形成された樹脂塗膜を形成して、コンクリート構造物表面に緩衝層と樹脂塗膜を含む補強層を形成するコンクリート剥落防止方法を提供する。本発明は、上記コンクリート剥落防止方法において、前記樹脂塗膜がウレタン樹脂またはポリウレア樹脂で形成されているコンクリート剥落防止方法を提供する。
本発明は、上記コンクリート剥落防止方法において、前記コンクリート構造物表面と前記補強層を、プライマーを介して接合し、該プライマーにはセメントおよび/またはシラン系カップリング剤が添加されているコンクリート剥落防止方法を提供する。
本発明は、コンクリート構造物表面に、該コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止する補強層が形成された補強層付きコンクリート構造物であって、前記補強層が、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上の合成樹脂で形成された樹脂塗膜を含む1層以上の塗膜からなる補強層付きコンクリート構造物を提供する。
本発明は、コンクリート構造物表面に、該コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止する補強層が形成された補強層付きコンクリート構造物であって、コンクリート構造物表面に合成樹脂からなる緩衝層が形成され、該緩衝層表面に合成樹脂で形成された樹脂塗膜が形成されて、コンクリート構造物表面に緩衝層と樹脂塗膜を含む補強層が形成された補強層付きコンクリート構造物を提供する。
本発明は、上記補強層付きコンクリート構造物において、前記樹脂塗膜がウレタン樹脂またはポリウレア樹脂で形成された補強層付きコンクリート構造物を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物を説明する概略構成図である。
本発明のコンクリート剥落防止方法は、道路や鉄道の高架橋の高欄、橋脚などのコンクリート構造物1の表面に、合成樹脂からなる補強層2を形成することによって、コンクリート構造物1からのコンクリートの破片や塊が剥落するのを防止するものである。補強層2は、コンクリート構造物1からのコンクリートの剥落を防止するものであるから、その形成位置は、コンクリート構造物1の外壁面、下面など、コンクリートの剥落のおそれがある箇所である。例えば、図1に例示した高架橋では、高欄や橋脚の外壁面、床版や橋桁の下面、橋脚張り出し部の下面などがその対象となる。この補強層2が形成されたコンクリート構造物1が、本発明に係る補強層付きコンクリート構造物である。
【0007】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を、図2を参照して説明する。
図中、符号1はコンクリート構造物、2は合成樹脂からなる補強層、3は補強層2の一部をなすプライマー層、4は補強層2の一部をなす樹脂塗膜、5は補強層2の一部をなすトップコート層を示す。この実施形態に係る補強層2は、プライマー層3と、樹脂塗膜4と、トップコート層5とから構成されている。
【0008】
プライマー層3は、コンクリート構造物1および樹脂塗膜4との親和性を有するものであることが好ましく、コンクリート構造物1の表面が湿っている場合もあることから、湿潤面に接着可能であるものが好ましい。具体的には、プライマー層3としては、常温硬化性のウレタン系樹脂や、エポキシ系樹脂からなるプライマーが好ましく用いられ、1液硬化型でも2液硬化型でもよい。
【0009】
また、プライマー層3には、セメントまたはシラン系カップリング剤、あるいは、セメントとシラン系カップリング剤の両方が添加されていることが好ましい。プライマー層3とセメントとの配合割合は2:1(重量比)、プライマー層3に対するシラン系カップリング剤の配合割合は0.2〜3.0重量%程度とする。
セメントとしては、ポルトランドセメント、早強セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメントなどが用いられる。
シラン系カップリング剤としては、エポキシシラン、アミノシランなどが用いられる。
このように、プライマー層3にセメントまたはシラン系カップリング剤、あるいは、セメントとシラン系カップリング剤の両方を添加すれば、コンクリート構造物1とプライマー層3との接着力が強くなり、結果として、コンクリート構造物1と補強層2の接着力が強くなる。
【0010】
樹脂塗膜4の厚さは、0.5mm〜4mm程度であることが好ましい。
樹脂塗膜4を形成する合成樹脂としては、適度な伸び、柔軟性および弾性を有する材料であることが好ましい。樹脂塗膜4がこのような材料で形成されていれば、コンクリート構造物1の撓みなどによる変形に追従して変形し、破断し難いから、コンクリート構造物1からのコンクリートの破片や塊の剥落防止の機能を長期に渡って安定に維持できる。
また、樹脂塗膜4を形成する合成樹脂としては、JIS K 6251に規定されているダンベル状3号に形成した状態で、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上であることが好ましく、実用的には、引張り強さ8.0N/mm2〜20N/mm2かつ引張り伸び300〜700%であることが好ましい。なお、引張り強さおよび引張り伸びの下限は、コンクリート構造物1からのコンクリートの破片や塊が剥落するのを防止する樹脂塗膜4の強度を確保するためのものである。
【0011】
樹脂塗膜4を形成する合成樹脂としては、具体的には、超速硬化性のポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂などを用いることができる。これらの熱硬化性樹脂の中でも、超速硬化性の2液硬化型ポリウレタン系樹脂または2液硬化型ポリウレア系樹脂を用いるのが好ましい。超速硬化性の樹脂を用いることにより、コンクリート剥落防止の工期の短縮、樹脂塗膜4を形成する合成樹脂をコンクリート構造物1の表面に塗布した後に、この樹脂の液だれによる工事現場の環境悪化などを防止することができる。
【0012】
この樹脂塗膜4は、緻密層でも、独立気泡を含む発泡層でも、合成樹脂のモルタルからなる層であってもよい。樹脂塗膜4を、発泡層とする場合は、硬化前の合成樹脂に発泡用ガスを混合すればよく、合成樹脂のモルタルからなる層とする場合は、硬化前の合成樹脂に骨材を混合すればよい。
【0013】
トップコート層5は、樹脂塗膜4を保護する目的で形成されるものである。トップコート層5を形成する合成樹脂としては、2液硬化型溶剤系アクリルウレタン樹脂、2液硬化型水系アクリルウレタン樹脂などが用いられる。
【0014】
この実施形態のコンクリート剥落防止方法は、まず、コンクリート構造物1の表面の脆弱層や、その他の塵埃や異物を完全に除去する。また、コンクリート構造物1の表面に突起物や段差などがある場合、動力工具や手工具を併用して、表面を平滑にする。コンクリート構造物1の表面の補強層2が形成される部分(被形成面)を全て平滑処理した後、ブラシ、エアーブローなどで被形成面を清掃し、塵埃や異物を完全に除去する。
【0015】
次いで、清掃済みのコンクリート構造物1の表面に、プライマー層3を塗布する。
プライマー層3をコンクリート構造物1の表面に塗布する方法としては、スプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや刷毛もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用できる。
なお、コンクリート構造物1の表面状態などによっては、プライマー層3の塗布を省略してもよい。
【0016】
次いで、コンクリート構造物1の表面に、樹脂塗膜4を形成する。樹脂塗膜4をコンクリート構造物1の表面に形成する方法としては、上記の樹脂塗膜4を形成する合成樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや鏝もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用できる。例えば、合成樹脂としてポリウレタン系樹脂を用いた場合、スプレーガンによる噴射では、イソシアネート成分とポリオール成分をあらかじめ混合してなる硬化性混合物を、スプレーガンで噴射して樹脂塗膜4を形成してもよく、あるいは、スプレーガンにイソシアネート成分とポリオール成分とを別々に供給してスプレーガン内で混合して得られる混合物をコンクリート構造物1の表面に噴射して樹脂塗膜4を形成してもよい。ローラーなどによる塗布では、イソシアネート成分とポリオール成分をあらかじめ混合してなる硬化性混合物を、コンクリート構造物1の表面に塗布してもよい。
【0017】
次いで、樹脂塗膜4の表面に、トップコート層5を形成する。トップコート層5を樹脂塗膜4の表面に形成する方法としては、特に限定はなく、上記のトップコート層5を形成する合成樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや鏝もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用可能である。
【0018】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を、図3を参照して説明する。
図3において、図2に示した第1の実施形態の構成部分と同じ構成部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態は、プライマー層3と樹脂塗膜4の間に、合成樹脂からなる緩衝層6を形成する点で、第1の実施形態と異なる。この実施形態の補強層2は、プライマー層3と、樹脂塗膜4と、トップコート層5と、緩衝層6とから構成されている。
【0019】
緩衝層6は、コンクリート構造物1に作用する熱的挙動や車輌通行時に起こる微振動などの外力によって、コンクリート構造体1に発生するひび割れに対する緩衝効果を実現させる樹脂塗膜層である。
緩衝層6は、樹脂塗膜4よりも低モジュラス(引張り強さ2N/mm2〜7N/mm2、引張り伸び300%以上)であり、その厚さは0.2mm〜3mm程度であることが好ましい。
緩衝層6を形成する合成樹脂としては、柔軟性および弾性を有する材料であることが好ましい。緩衝層6がこのような材料で形成されていれば、樹脂塗膜4がコンクリート構造物1からの応力によって変形(コンクリート構造物1の変形、撓みなどによる変形)したり、破断することを防止でき、コンクリート構造物1からのコンクリートの破片や塊の剥落防止する樹脂塗膜4の機能を長期に渡って安定に維持することができる。
【0020】
緩衝層6を形成する合成樹脂としては、1液硬化型ポリウレタン系樹脂、2液硬化型ウレタンエラストマーなどが用いられる。これらの中でも、作業性や湿潤面に対する塗工などを勘案すると、1液硬化型ポリウレタン系樹脂が好ましい。緩衝層6を形成する合成樹脂として、例えば1液硬化型ポリウレタン系樹脂、潜在性硬化剤を含む1液硬化型ポリウレタン系樹脂など、水との反応によって硬化する材料を用いた場合、コンクリート構造物1の表面が湿った状態で緩衝層6を形成すると、プライマー層3を透過してきた水分が緩衝層6を形成する合成樹脂に取り込まれ、この水分によって緩衝層6を形成する合成樹脂が硬化するから、プライマー層3と緩衝層6との接着一体性が向上し、結果として、コンクリート構造物1の表面と緩衝層6との接着一体性が向上する。また、補強層2の施工時に、コンクリート構造物1の表面に存在していた水分が、緩衝層6を形成する合成樹脂に取り込まれる構成であれば、この水分がコンクリート構造物1と補強層2の界面に拡散して、両者の密着度を劣化させるといった不都合を防止でき、長期耐久性に優れた補強層2を得ることができる。
【0021】
この実施形態のコンクリート剥落防止方法は、まず、第1の実施形態と同様にコンクリート構造物1の表面の脆弱層や、その他の塵埃や異物を完全に除去する。
次いで、清掃済みのコンクリート構造物1の表面に、プライマー層3を塗布する。プライマー層3の塗布方法としては、特に限定はなく、例えば、スプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや刷毛もしくはレーキを用いた塗布など、各種採用可能である。なお、コンクリート構造物1の表面状態などによっては、プライマー層3の塗布を省略してもよい。
【0022】
次いで、コンクリート構造物1の表面(詳細には、プライマー層3の表面)に、緩衝層6を形成する。緩衝層6を形成する方法としては、上記の緩衝層6を形成する合成樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや鏝もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用可能である。
【0023】
次いで、緩衝層6の表面に、樹脂塗膜4を形成し、さらに、樹脂塗膜4の表面に、トップコート層5を形成する。これら、樹脂塗膜4や、トップコート層5の形成方法は、前述の第1の実施形態と同様のものでよく、合成樹脂材料のスプレーガンによる噴射、あるいは、ローラーや鏝もしくはレーキを用いた塗布など各種採用可能である。
【0024】
以下、具体的な実施例を示して、本発明の効果を明らかにする。
(実施例1)
日本道路公団試験研究規格「連続繊維シート接着の押抜き試験方法」に準拠して、コンクリート構造物の表面に形成される補強層の性能を評価した。
JIS A5334に規定されているU形ふたを用いた。
次いで、このU形ふたを、24時間水中に浸漬した。
次いで、水中からU形ふたを取り出して、穿孔が形成されている側の面を底面とし、この底面と対向する面を表面として、この表面の水分をウエスで拭き取った。
次いで、前記表面にプライマーを塗布し、樹脂塗膜を形成した後、トップコート層を形成して、補強層を形成した。プライマーとしては、2液硬化型エポキシ系樹脂水系プライマー(商品名:ボリテックPE、ダイフレックス社製)にポルトランドセメントおよびシラン系カップリング剤(商品名:添加剤TG、ダイフレックス社製)を添加したものを用い、樹脂塗膜を形成する合成樹脂としては、2液硬化型ポリウレタン系樹脂(商品名:プラマックス100、ダイフレックス社製、条件にもよるがこの合成樹脂により、樹脂塗膜は引張り強さ8N/mm2〜10N/mm2程度、引張り伸び400〜700%程度の特性が得られる。)を用い、トップコート層を形成する合成樹脂としては、2液硬化型溶剤系アクリルウレタン樹脂(商品名:エクセルトップ、ダイフレックス社製)を用いた。
プライマーとセメントとの配合割合は2:1(重量比)、プライマーに対するシラン系カップリング剤の配合割合は1重量%とし、プライマーの使用量を0.2kg/m2とした。樹脂塗膜を形成する合成樹脂の使用量を2.0kg/m2とし、樹脂塗膜の膜厚を2.0mmとした。トップコート層を形成する合成樹脂の使用量を0.2kg/m2とし、トップコート層の膜厚を50μmとした。
次いで、補強層形成後、補強層の形成された側が水中に漬かるようにU形ふたを水中に半没させて、補強層を1週間養生した。
次いで、補強層の形成されたU形ふたを、穿孔が形成されている側の面を上面として、スパン400mmにてH鋼上にガタがないように載置した。
次いで、穿孔底面の中央部に鉛直、均等に荷重がかかるように、球座などを介して、ロードセルで穿孔底面に載荷した。
速度5mm/minで載荷して押抜き試験を行い、押抜き最大荷重(最大耐荷力)を測定した。最大50mm程度の変位までの剥落防止性能を確認した。
その結果、ロードセルの変位30mm以上でも補強層は破談せず、最大耐荷力は2.49kNであった。
【0025】
(実施例2)
次いで、このU形ふたを、24時間水中に浸漬した。
次いで、水中からU形ふたを取り出して、穿孔が形成されている側の面を底面とし、この底面と対向する面を表面として、この表面の水分をウエスで拭き取った。
次いで、前記表面にプライマーを塗布し、樹脂塗膜を形成した後、トップコート層を形成して、補強層を形成した。プライマーとしては、2液硬化型エポキシ系樹脂溶剤系プライマー(商品名:ボリテックPW−F、ダイフレックス社製)にポルトランドセメントおよびシラン系カップリング剤(商品名:添加剤TG、ダイフレックス社製)を添加したものを用い、緩衝層を形成する合成樹脂としては、1液硬化型ポリウレタン系樹脂(商品名:PT−50、ダイフレックス社製)を用い、樹脂塗膜を形成する合成樹脂としては、2液硬化型ポリウレタン系樹脂(商品名:プラマックス100、ダイフレックス社製、条件にもよるがこの合成樹脂により、樹脂塗膜は引張り強さ8N/mm2〜10N/mm2程度、引張り伸び400〜700%程度の特性が得られる。)を用い、トップコート層を形成する合成樹脂としては、2液硬化型溶剤系アクリルウレタン樹脂(商品名:エクセルトップ、ダイフレックス社製)を用いた。
プライマーとセメントとの配合割合は2:1(重量比)、プライマーに対するシラン系カップリング剤の配合割合は1重量%とし、プライマーの使用量を0.2kg/m2とした。緩衝層を形成する合成樹脂の使用量を0.3kg/m2とした。樹脂塗膜を形成する合成樹脂の使用量を2.0kg/m2とし、樹脂塗膜の膜厚を2.0mmとした。トップコート層を形成する合成樹脂の使用量を0.2kg/m2とし、トップコート層の膜厚を50μmとした。
以下、実施例1と同様にして、押抜き試験を行った。
その結果、ロードセルの変位30mm以上でも補強層は破断せず、最大耐荷力は2.43kNであった。
【0026】
実施例1および実施例2のコンクリートの補強構造は、日本道路公団試験研究規格「連続繊維シート接着の押抜き試験方法」に規定されている、ロードセルの変位10mm以上、最大耐荷力1.5kN以上という基準を十分に満たしていることが確認された。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、初期欠陥、地震などの衝撃によるひび割れや剥離などの損傷、中性化、塩害、アルカリ骨材反応などの劣化機構による変状などで、コンクリート構造物のコンクリート部材の一部が破片や塊として剥落することを補強層の樹脂塗膜の強度などの物性によって防止することができる。また、合成樹脂の塗膜からなる補強層を形成するために、ガラス繊維、炭素繊維などの連続繊維シートの接着が必要な従来工法に比べて、作業効率の向上や、施工時間の短縮、低コスト化を実現できる。さらに、緩衝層を設けることにより、コンクリート構造物の変形(撓みなど)やひび割れなどの変状の影響が、樹脂塗膜に作用することを防止できるようになるため、長期耐久性の高い補強層付きコンクリート構造物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物を説明する概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す断面模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1・・・コンクリート構造物、2・・・補強層、3・・・プライマー層、4・・・補強層、5・・・トップコート層、6・・・緩衝層
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば高架橋などのコンクリート構造物表面におけるコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば高架橋などのコンクリート構造物は、施工時に発生するひび割れやコールドジョイントなどの初期欠陥、地震などの衝撃によるひび割れや剥離などの損傷、中性化、塩害、アルカリ骨材反応などの劣化機構による劣化により変状が生じ、変状箇所のコンクリート部材の一部が破片や塊として剥落することがある。従来、このようなコンクリート構造物の剥落を防止するには、コンクリート構造物の表面に、接着剤を介して、抗張力部材としてガラス繊維、炭素繊維などの繊維からなるクロス(以下、「連続繊維シート」とする。)を貼り付け、さらにこの上にエポキシ樹脂などを塗布して、樹脂中に連続繊維シートを埋没した構成の補強層をコンクリート構造物表面に補強層を形成している。この方法では、連続繊維シートの強度でコンクリートの破片や塊の剥落を抑制している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のような剥落防止方法では、以下のような問題があった。
1.工程数が多く、施工時間の短縮、低コスト化が困難。
2.連続繊維シートをコンクリート構造物表面に馴染ませ、貼り付ける作業に手間がかかり、作業効率が悪い。作業に熟練を要する。
3.連続繊維シートを貼り付ける際に用いた接着剤が硬化するまではエポキシ樹脂を塗布することができないことなどから、施工時間の短縮が困難。特に、道路や鉄道などの高架橋に対する施工では、施工中、交通を遮断しておくケースが多々あるため、施工時間を短くして、交通に与える影響を少なくしたい要求があった。
4.連続繊維シートに吸収されていた水分が、毛細管現象によって補強層内に広がり、この水分によって補強層の強度が徐々に低下するため、補強層の長期耐久性は低い。
【0004】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、作業効率の向上、施工時間の短縮、コストの低減を図ることが可能で、長期耐久性に優れたコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コンクリート構造物表面に補強層を形成することによって、コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法において、コンクリート構造物表面に、前記補強層として、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上の合成樹脂で形成された樹脂塗膜を含む1層以上の塗膜からなる塗膜層を形成するコンクリート剥落防止方法を提供する。
本発明は、コンクリート構造物表面に補強層を形成することによって、コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法において、コンクリート構造物表面に合成樹脂からなる緩衝層を形成し、該緩衝層表面に合成樹脂で形成された樹脂塗膜を形成して、コンクリート構造物表面に緩衝層と樹脂塗膜を含む補強層を形成するコンクリート剥落防止方法を提供する。本発明は、上記コンクリート剥落防止方法において、前記樹脂塗膜がウレタン樹脂またはポリウレア樹脂で形成されているコンクリート剥落防止方法を提供する。
本発明は、上記コンクリート剥落防止方法において、前記コンクリート構造物表面と前記補強層を、プライマーを介して接合し、該プライマーにはセメントおよび/またはシラン系カップリング剤が添加されているコンクリート剥落防止方法を提供する。
本発明は、コンクリート構造物表面に、該コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止する補強層が形成された補強層付きコンクリート構造物であって、前記補強層が、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上の合成樹脂で形成された樹脂塗膜を含む1層以上の塗膜からなる補強層付きコンクリート構造物を提供する。
本発明は、コンクリート構造物表面に、該コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止する補強層が形成された補強層付きコンクリート構造物であって、コンクリート構造物表面に合成樹脂からなる緩衝層が形成され、該緩衝層表面に合成樹脂で形成された樹脂塗膜が形成されて、コンクリート構造物表面に緩衝層と樹脂塗膜を含む補強層が形成された補強層付きコンクリート構造物を提供する。
本発明は、上記補強層付きコンクリート構造物において、前記樹脂塗膜がウレタン樹脂またはポリウレア樹脂で形成された補強層付きコンクリート構造物を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物を説明する概略構成図である。
本発明のコンクリート剥落防止方法は、道路や鉄道の高架橋の高欄、橋脚などのコンクリート構造物1の表面に、合成樹脂からなる補強層2を形成することによって、コンクリート構造物1からのコンクリートの破片や塊が剥落するのを防止するものである。補強層2は、コンクリート構造物1からのコンクリートの剥落を防止するものであるから、その形成位置は、コンクリート構造物1の外壁面、下面など、コンクリートの剥落のおそれがある箇所である。例えば、図1に例示した高架橋では、高欄や橋脚の外壁面、床版や橋桁の下面、橋脚張り出し部の下面などがその対象となる。この補強層2が形成されたコンクリート構造物1が、本発明に係る補強層付きコンクリート構造物である。
【0007】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を、図2を参照して説明する。
図中、符号1はコンクリート構造物、2は合成樹脂からなる補強層、3は補強層2の一部をなすプライマー層、4は補強層2の一部をなす樹脂塗膜、5は補強層2の一部をなすトップコート層を示す。この実施形態に係る補強層2は、プライマー層3と、樹脂塗膜4と、トップコート層5とから構成されている。
【0008】
プライマー層3は、コンクリート構造物1および樹脂塗膜4との親和性を有するものであることが好ましく、コンクリート構造物1の表面が湿っている場合もあることから、湿潤面に接着可能であるものが好ましい。具体的には、プライマー層3としては、常温硬化性のウレタン系樹脂や、エポキシ系樹脂からなるプライマーが好ましく用いられ、1液硬化型でも2液硬化型でもよい。
【0009】
また、プライマー層3には、セメントまたはシラン系カップリング剤、あるいは、セメントとシラン系カップリング剤の両方が添加されていることが好ましい。プライマー層3とセメントとの配合割合は2:1(重量比)、プライマー層3に対するシラン系カップリング剤の配合割合は0.2〜3.0重量%程度とする。
セメントとしては、ポルトランドセメント、早強セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメントなどが用いられる。
シラン系カップリング剤としては、エポキシシラン、アミノシランなどが用いられる。
このように、プライマー層3にセメントまたはシラン系カップリング剤、あるいは、セメントとシラン系カップリング剤の両方を添加すれば、コンクリート構造物1とプライマー層3との接着力が強くなり、結果として、コンクリート構造物1と補強層2の接着力が強くなる。
【0010】
樹脂塗膜4の厚さは、0.5mm〜4mm程度であることが好ましい。
樹脂塗膜4を形成する合成樹脂としては、適度な伸び、柔軟性および弾性を有する材料であることが好ましい。樹脂塗膜4がこのような材料で形成されていれば、コンクリート構造物1の撓みなどによる変形に追従して変形し、破断し難いから、コンクリート構造物1からのコンクリートの破片や塊の剥落防止の機能を長期に渡って安定に維持できる。
また、樹脂塗膜4を形成する合成樹脂としては、JIS K 6251に規定されているダンベル状3号に形成した状態で、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上であることが好ましく、実用的には、引張り強さ8.0N/mm2〜20N/mm2かつ引張り伸び300〜700%であることが好ましい。なお、引張り強さおよび引張り伸びの下限は、コンクリート構造物1からのコンクリートの破片や塊が剥落するのを防止する樹脂塗膜4の強度を確保するためのものである。
【0011】
樹脂塗膜4を形成する合成樹脂としては、具体的には、超速硬化性のポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂などを用いることができる。これらの熱硬化性樹脂の中でも、超速硬化性の2液硬化型ポリウレタン系樹脂または2液硬化型ポリウレア系樹脂を用いるのが好ましい。超速硬化性の樹脂を用いることにより、コンクリート剥落防止の工期の短縮、樹脂塗膜4を形成する合成樹脂をコンクリート構造物1の表面に塗布した後に、この樹脂の液だれによる工事現場の環境悪化などを防止することができる。
【0012】
この樹脂塗膜4は、緻密層でも、独立気泡を含む発泡層でも、合成樹脂のモルタルからなる層であってもよい。樹脂塗膜4を、発泡層とする場合は、硬化前の合成樹脂に発泡用ガスを混合すればよく、合成樹脂のモルタルからなる層とする場合は、硬化前の合成樹脂に骨材を混合すればよい。
【0013】
トップコート層5は、樹脂塗膜4を保護する目的で形成されるものである。トップコート層5を形成する合成樹脂としては、2液硬化型溶剤系アクリルウレタン樹脂、2液硬化型水系アクリルウレタン樹脂などが用いられる。
【0014】
この実施形態のコンクリート剥落防止方法は、まず、コンクリート構造物1の表面の脆弱層や、その他の塵埃や異物を完全に除去する。また、コンクリート構造物1の表面に突起物や段差などがある場合、動力工具や手工具を併用して、表面を平滑にする。コンクリート構造物1の表面の補強層2が形成される部分(被形成面)を全て平滑処理した後、ブラシ、エアーブローなどで被形成面を清掃し、塵埃や異物を完全に除去する。
【0015】
次いで、清掃済みのコンクリート構造物1の表面に、プライマー層3を塗布する。
プライマー層3をコンクリート構造物1の表面に塗布する方法としては、スプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや刷毛もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用できる。
なお、コンクリート構造物1の表面状態などによっては、プライマー層3の塗布を省略してもよい。
【0016】
次いで、コンクリート構造物1の表面に、樹脂塗膜4を形成する。樹脂塗膜4をコンクリート構造物1の表面に形成する方法としては、上記の樹脂塗膜4を形成する合成樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや鏝もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用できる。例えば、合成樹脂としてポリウレタン系樹脂を用いた場合、スプレーガンによる噴射では、イソシアネート成分とポリオール成分をあらかじめ混合してなる硬化性混合物を、スプレーガンで噴射して樹脂塗膜4を形成してもよく、あるいは、スプレーガンにイソシアネート成分とポリオール成分とを別々に供給してスプレーガン内で混合して得られる混合物をコンクリート構造物1の表面に噴射して樹脂塗膜4を形成してもよい。ローラーなどによる塗布では、イソシアネート成分とポリオール成分をあらかじめ混合してなる硬化性混合物を、コンクリート構造物1の表面に塗布してもよい。
【0017】
次いで、樹脂塗膜4の表面に、トップコート層5を形成する。トップコート層5を樹脂塗膜4の表面に形成する方法としては、特に限定はなく、上記のトップコート層5を形成する合成樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや鏝もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用可能である。
【0018】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を、図3を参照して説明する。
図3において、図2に示した第1の実施形態の構成部分と同じ構成部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態は、プライマー層3と樹脂塗膜4の間に、合成樹脂からなる緩衝層6を形成する点で、第1の実施形態と異なる。この実施形態の補強層2は、プライマー層3と、樹脂塗膜4と、トップコート層5と、緩衝層6とから構成されている。
【0019】
緩衝層6は、コンクリート構造物1に作用する熱的挙動や車輌通行時に起こる微振動などの外力によって、コンクリート構造体1に発生するひび割れに対する緩衝効果を実現させる樹脂塗膜層である。
緩衝層6は、樹脂塗膜4よりも低モジュラス(引張り強さ2N/mm2〜7N/mm2、引張り伸び300%以上)であり、その厚さは0.2mm〜3mm程度であることが好ましい。
緩衝層6を形成する合成樹脂としては、柔軟性および弾性を有する材料であることが好ましい。緩衝層6がこのような材料で形成されていれば、樹脂塗膜4がコンクリート構造物1からの応力によって変形(コンクリート構造物1の変形、撓みなどによる変形)したり、破断することを防止でき、コンクリート構造物1からのコンクリートの破片や塊の剥落防止する樹脂塗膜4の機能を長期に渡って安定に維持することができる。
【0020】
緩衝層6を形成する合成樹脂としては、1液硬化型ポリウレタン系樹脂、2液硬化型ウレタンエラストマーなどが用いられる。これらの中でも、作業性や湿潤面に対する塗工などを勘案すると、1液硬化型ポリウレタン系樹脂が好ましい。緩衝層6を形成する合成樹脂として、例えば1液硬化型ポリウレタン系樹脂、潜在性硬化剤を含む1液硬化型ポリウレタン系樹脂など、水との反応によって硬化する材料を用いた場合、コンクリート構造物1の表面が湿った状態で緩衝層6を形成すると、プライマー層3を透過してきた水分が緩衝層6を形成する合成樹脂に取り込まれ、この水分によって緩衝層6を形成する合成樹脂が硬化するから、プライマー層3と緩衝層6との接着一体性が向上し、結果として、コンクリート構造物1の表面と緩衝層6との接着一体性が向上する。また、補強層2の施工時に、コンクリート構造物1の表面に存在していた水分が、緩衝層6を形成する合成樹脂に取り込まれる構成であれば、この水分がコンクリート構造物1と補強層2の界面に拡散して、両者の密着度を劣化させるといった不都合を防止でき、長期耐久性に優れた補強層2を得ることができる。
【0021】
この実施形態のコンクリート剥落防止方法は、まず、第1の実施形態と同様にコンクリート構造物1の表面の脆弱層や、その他の塵埃や異物を完全に除去する。
次いで、清掃済みのコンクリート構造物1の表面に、プライマー層3を塗布する。プライマー層3の塗布方法としては、特に限定はなく、例えば、スプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや刷毛もしくはレーキを用いた塗布など、各種採用可能である。なお、コンクリート構造物1の表面状態などによっては、プライマー層3の塗布を省略してもよい。
【0022】
次いで、コンクリート構造物1の表面(詳細には、プライマー層3の表面)に、緩衝層6を形成する。緩衝層6を形成する方法としては、上記の緩衝層6を形成する合成樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや鏝もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用可能である。
【0023】
次いで、緩衝層6の表面に、樹脂塗膜4を形成し、さらに、樹脂塗膜4の表面に、トップコート層5を形成する。これら、樹脂塗膜4や、トップコート層5の形成方法は、前述の第1の実施形態と同様のものでよく、合成樹脂材料のスプレーガンによる噴射、あるいは、ローラーや鏝もしくはレーキを用いた塗布など各種採用可能である。
【0024】
以下、具体的な実施例を示して、本発明の効果を明らかにする。
(実施例1)
日本道路公団試験研究規格「連続繊維シート接着の押抜き試験方法」に準拠して、コンクリート構造物の表面に形成される補強層の性能を評価した。
JIS A5334に規定されているU形ふたを用いた。
次いで、このU形ふたを、24時間水中に浸漬した。
次いで、水中からU形ふたを取り出して、穿孔が形成されている側の面を底面とし、この底面と対向する面を表面として、この表面の水分をウエスで拭き取った。
次いで、前記表面にプライマーを塗布し、樹脂塗膜を形成した後、トップコート層を形成して、補強層を形成した。プライマーとしては、2液硬化型エポキシ系樹脂水系プライマー(商品名:ボリテックPE、ダイフレックス社製)にポルトランドセメントおよびシラン系カップリング剤(商品名:添加剤TG、ダイフレックス社製)を添加したものを用い、樹脂塗膜を形成する合成樹脂としては、2液硬化型ポリウレタン系樹脂(商品名:プラマックス100、ダイフレックス社製、条件にもよるがこの合成樹脂により、樹脂塗膜は引張り強さ8N/mm2〜10N/mm2程度、引張り伸び400〜700%程度の特性が得られる。)を用い、トップコート層を形成する合成樹脂としては、2液硬化型溶剤系アクリルウレタン樹脂(商品名:エクセルトップ、ダイフレックス社製)を用いた。
プライマーとセメントとの配合割合は2:1(重量比)、プライマーに対するシラン系カップリング剤の配合割合は1重量%とし、プライマーの使用量を0.2kg/m2とした。樹脂塗膜を形成する合成樹脂の使用量を2.0kg/m2とし、樹脂塗膜の膜厚を2.0mmとした。トップコート層を形成する合成樹脂の使用量を0.2kg/m2とし、トップコート層の膜厚を50μmとした。
次いで、補強層形成後、補強層の形成された側が水中に漬かるようにU形ふたを水中に半没させて、補強層を1週間養生した。
次いで、補強層の形成されたU形ふたを、穿孔が形成されている側の面を上面として、スパン400mmにてH鋼上にガタがないように載置した。
次いで、穿孔底面の中央部に鉛直、均等に荷重がかかるように、球座などを介して、ロードセルで穿孔底面に載荷した。
速度5mm/minで載荷して押抜き試験を行い、押抜き最大荷重(最大耐荷力)を測定した。最大50mm程度の変位までの剥落防止性能を確認した。
その結果、ロードセルの変位30mm以上でも補強層は破談せず、最大耐荷力は2.49kNであった。
【0025】
(実施例2)
次いで、このU形ふたを、24時間水中に浸漬した。
次いで、水中からU形ふたを取り出して、穿孔が形成されている側の面を底面とし、この底面と対向する面を表面として、この表面の水分をウエスで拭き取った。
次いで、前記表面にプライマーを塗布し、樹脂塗膜を形成した後、トップコート層を形成して、補強層を形成した。プライマーとしては、2液硬化型エポキシ系樹脂溶剤系プライマー(商品名:ボリテックPW−F、ダイフレックス社製)にポルトランドセメントおよびシラン系カップリング剤(商品名:添加剤TG、ダイフレックス社製)を添加したものを用い、緩衝層を形成する合成樹脂としては、1液硬化型ポリウレタン系樹脂(商品名:PT−50、ダイフレックス社製)を用い、樹脂塗膜を形成する合成樹脂としては、2液硬化型ポリウレタン系樹脂(商品名:プラマックス100、ダイフレックス社製、条件にもよるがこの合成樹脂により、樹脂塗膜は引張り強さ8N/mm2〜10N/mm2程度、引張り伸び400〜700%程度の特性が得られる。)を用い、トップコート層を形成する合成樹脂としては、2液硬化型溶剤系アクリルウレタン樹脂(商品名:エクセルトップ、ダイフレックス社製)を用いた。
プライマーとセメントとの配合割合は2:1(重量比)、プライマーに対するシラン系カップリング剤の配合割合は1重量%とし、プライマーの使用量を0.2kg/m2とした。緩衝層を形成する合成樹脂の使用量を0.3kg/m2とした。樹脂塗膜を形成する合成樹脂の使用量を2.0kg/m2とし、樹脂塗膜の膜厚を2.0mmとした。トップコート層を形成する合成樹脂の使用量を0.2kg/m2とし、トップコート層の膜厚を50μmとした。
以下、実施例1と同様にして、押抜き試験を行った。
その結果、ロードセルの変位30mm以上でも補強層は破断せず、最大耐荷力は2.43kNであった。
【0026】
実施例1および実施例2のコンクリートの補強構造は、日本道路公団試験研究規格「連続繊維シート接着の押抜き試験方法」に規定されている、ロードセルの変位10mm以上、最大耐荷力1.5kN以上という基準を十分に満たしていることが確認された。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、初期欠陥、地震などの衝撃によるひび割れや剥離などの損傷、中性化、塩害、アルカリ骨材反応などの劣化機構による変状などで、コンクリート構造物のコンクリート部材の一部が破片や塊として剥落することを補強層の樹脂塗膜の強度などの物性によって防止することができる。また、合成樹脂の塗膜からなる補強層を形成するために、ガラス繊維、炭素繊維などの連続繊維シートの接着が必要な従来工法に比べて、作業効率の向上や、施工時間の短縮、低コスト化を実現できる。さらに、緩衝層を設けることにより、コンクリート構造物の変形(撓みなど)やひび割れなどの変状の影響が、樹脂塗膜に作用することを防止できるようになるため、長期耐久性の高い補強層付きコンクリート構造物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート剥落防止方法および補強層付きコンクリート構造物を説明する概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す断面模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1・・・コンクリート構造物、2・・・補強層、3・・・プライマー層、4・・・補強層、5・・・トップコート層、6・・・緩衝層
Claims (7)
- コンクリート構造物表面に補強層を形成することによって、コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法において、
コンクリート構造物表面に、前記補強層として、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上の合成樹脂で形成された樹脂塗膜を含む1層以上の塗膜からなる塗膜層を形成することを特徴とするコンクリート剥落防止方法。 - コンクリート構造物表面に補強層を形成することによって、コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止するコンクリート剥落防止方法において、
コンクリート構造物表面に合成樹脂からなる緩衝層を形成し、該緩衝層表面に合成樹脂で形成された樹脂塗膜を形成して、コンクリート構造物表面に緩衝層と樹脂塗膜を含む補強層を形成することを特徴とするコンクリート剥落防止方法。 - 請求項1または2記載のコンクリート剥落防止方法において、
前記樹脂塗膜がウレタン樹脂またはポリウレア樹脂で形成されていることを特徴とするコンクリート剥落防止方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のコンクリート剥落防止方法において、
前記コンクリート構造物表面と前記補強層を、プライマーを介して接合し、該プライマーにはセメントおよび/またはシラン系カップリング剤が添加されていることを特徴とするコンクリート剥落防止方法。 - コンクリート構造物表面に、該コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止する補強層が形成された補強層付きコンクリート構造物であって、
前記補強層が、引張り強さ7N/mm2以上かつ引張り伸び300%以上の合成樹脂で形成された樹脂塗膜を含む1層以上の塗膜からなることを特徴とする補強層付きコンクリート構造物。 - コンクリート構造物表面に、該コンクリート構造物からのコンクリートの剥落を防止する補強層が形成された補強層付きコンクリート構造物であって、
コンクリート構造物表面に合成樹脂からなる緩衝層が形成され、該緩衝層表面に合成樹脂で形成された樹脂塗膜が形成されて、コンクリート構造物表面に緩衝層と樹脂塗膜を含む補強層が形成されたことを特徴とする補強層付きコンクリート構造物。 - 請求項5または6記載の補強層付きコンクリート構造物において、
前記樹脂塗膜がウレタン樹脂またはポリウレア樹脂で形成されたことを特徴とする補強層付きコンクリート構造物。
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Legal Events
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