JP2015031125A - 補強構造 - Google Patents

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【課題】防液堤等の構造体に衝撃力が加えられても、構造体の大きな変形に追従し、構造体が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持するように構造体を補強可能とする補強構造を提供する。【解決手段】構造体20の表面20aを被覆するように構造体20に対して一体に設けられて構造体20を補強する補強構造30であって、構造体20の表面20aに被覆された可撓性を有するプライマー層32と、プライマー層32の上に被覆されたポリウレタン樹脂或いはポリウレア樹脂からなる樹脂補強層34と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、補強構造に関する。
一般に、灯油や重油等を貯蔵する貯油タンクの周囲には、コンクリート製の防液堤が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。防液堤は、貯油タンクの堤防又は堰堤であり、貯油タンクから内容物が漏出した際に、漏出した内容物が防液堤の外方に流出しないようにするためのものである。コンクリート製の防液堤は、複数回のコンクリート打設、或いは複数のプレキャストコンクリートを連結することによって形成され、コンクリートの打ち継ぎ部分やプレキャストコンクリートの連結部分には目地部が設けられている。
ところが、地震や津波の発生時には、液状化による不同沈下や津波及び漂流物の衝突によって防液堤に大きな衝撃力が加わる。その際、目地部の部分から防液堤が破損し、貯油タンク内の油が防液堤の外部に流出する虞があった。このような防液堤の破損を防ぐために、例えば鋼材による補強が行われている。
特開2002−80091号公報
従来のように鋼材による防液堤の補強では、少なからず費用がかかっていた。鋼材に替わる防液堤の補強方法としては、防液堤のコンクリート表面に靭性が非常に高いポリウレア樹脂を塗布する方法が考えられる。しかしながら、ポリウレア樹脂をコンクリートに直接塗布することは困難であり、塗布できたとしても地震や津波の発生時に防液堤に大きな衝撃力が加わるとコンクリートの変形にポリウレア樹脂が追従できす、コンクリートからポリウレア樹脂が剥がれてしまい、防液堤が転倒或いは破損、崩壊するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、防液堤等の構造体に衝撃力が加えられても、構造体の大きな変形に追従し、構造体が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持するように構造体を補強可能とする補強構造の提供を課題とする。
請求項1記載の補強構造は、構造体の表面を被覆するように前記構造体に対して一体に設けられて前記構造体を補強する補強構造であって、前記構造体の表面に被覆された可撓性を有するプライマー層と、前記プライマー層の上に被覆されたポリウレタン樹脂或いはポリウレア樹脂からなる樹脂補強層と、を備えていることを特徴とする。
即ち、コンクリート等から形成される構造体と、ポリウレタン樹脂或いはポリウレア樹脂からなり、非常に高い靭性を有する樹脂補強層との間に、構造体と樹脂補強層との靭性の差を和らげる中間層として、可撓性を有するプライマー層が設けられている。また、プライマー層は構造体及び樹脂補強層に密着した状態で設けられている。この構成によれば、プライマー層が構造体の変形に追従することで、構造体が樹脂補強層を剥がそうとする力が緩和される。それと共に、樹脂補強層がプライマー層の動きに応じて自在に伸縮する、或いは撓ることで、樹脂補強層にプライマー層の変動が適度に吸収される。これにより、例えば地震や津波の発生時に、構造体に大きな衝撃力が加わっても、プライマー層と樹脂補強層が構造体の変形に順次追従して段階的に伸縮し、破断することなく、構造体に密着した状態で残存する。従って、補強構造によって構造体の表面が被覆された状態が確実に維持される。
請求項2記載の補強構造は、前記プライマー層が、ポリウレタン樹脂を主成分とする溶剤系プライマー或いは無溶剤系プライマーから構成されていることを特徴とする。
請求項3記載の補強構造は、前記プライマー層が、ポリブタジエン系ゴムを含んでいることを特徴とする。
請求項2及び3記載の補強構造では、プライマー層の構造体に対する密着度が高められると共に、プライマー層の樹脂補強層に対する密着度が極めて高められる。従って、構造体により大きな衝撃力が加わっても、補強構造が構造体の表面に強固に密着した状態で残存する。従って、補強構造によって構造体の表面が被覆された状態がより確実に維持される。
本発明によれば、構造体に衝撃力が加えられても、構造体の大きな変形に追従し、構造体が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持するように構造体を補強可能とする補強構造が提供される。
本発明の実施形態である補強構造を示す断面図である。 実施例における試験体1を示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。 実施例の曲げ試験結果による荷重変位の関係を示す図である。 比較例の曲げ試験結果による荷重変位の関係を示す図である。 実施例及び比較例の曲げ試験結果による荷重変位の関係を示す図である。 実施例及び比較例の曲げ試験結果による計測位置と鉛直変位の関係を示す図である。
以下、本発明に係る補強構造の実施形態について、図1を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
図1に示すように、本発明を適用した一実施形態の補強構造30は、構造体20の表面20aを被覆するように構造体20に対して一体に設けられており、構造体20が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持するように構造体20を補強するものである。構造体20は、例えば貯油タンク等のタンクTの周囲に設置される防液堤の躯体である。
構造体20は、底版22と、底版22から立設された周壁24と、を備えている。底版22は、地中に埋設された基礎構造体であり、平面視においてタンクTの周りを囲むように形成されている。周壁24は、底版22の上面に突設されて地上に立ち上げられた壁構造体であり、平面視において底版22と重なっており、タンクTの周りを囲むように形成されている。
構造体20は、例えばコンクリートの現場打ちによって施工されている。すなわち、タンクTの周囲に鉄筋を配筋すると共に型枠を建て込み、その後、型枠内にフレッシュコンクリートを打設することで、構造体20が建設されている。この施工方法の場合、構造体20全体を一度にコンクリート打設することは困難であるため、周方向に複数回に分けてコンクリート打設が行われる。このコンクリートの打ち継ぎ部分には目地部が形成される。別の方法として、構造体20は、例えばプレキャストコンクリート工法によって施工されている。すなわち、構造体20を周方向に複数に分割したプレキャストコンクリート部材を製造し、それら複数のプレキャストコンクリート部材をタンクTの周囲に並べて互いに連結することで、構造体20が建設されている。この連結部分には目地部が形成されている。
上記説明した構造体20を補強する補強構造30は、構造体20の表面20aに被覆されたプライマー層32と、プライマー層32の上に被覆された樹脂補強層34と、を備えている。
プライマー層32は、例えば地震や津波の発生時の液状化現象による不同沈下で構造体20が大きく変形しても、構造体20の変形に追従しながら構造体20が樹脂補強層34を剥がそうとする力を緩和させるために設けられている。すなわち、プライマー層32は、構造体20及び樹脂補強層34との密着性がよく、構造体20が樹脂補強層34を剥がそうとする力を緩和させ得る程度に可撓性を有するものである。
上記可撓性を有するプライマー層32を構成するプライマーとしては、ひび割れ追従性(JHS 410)が15mm以上であるものが好ましい。プライマー層32のひび割れ追従性が前記下限値より小さい場合には、プライマー層32が構造体20の変形に伴って破断される、或いは樹脂補強層34から剥がれてしまうため、構造体20の転倒や崩壊が発生し、好ましくない。
ひび割れ追従性が大きいプライマーとしては、例えばポリウレタン樹脂プライマー、ブタジエン系樹脂プライマーが挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、樹脂補強層34をなすポリウレア樹脂と同じイソシアネートによって構成されている。また、ブタジエン系樹脂は、ブタジエンとイソシアネートとの架橋反応によって生成されるものである。具体的に、ブタジエン系樹脂プライマーは、例えば常温でポリイソシアネートと混合しても、発熱により高温になることなく、弾性を有するプライマーを形成することが可能なブタジエン系ゴムを含むものが好適である。ブタジエン系ゴムとしては、ポリブタジエン系ゴム、ブタジエンと例えばスチレン、イソブチレン等の他のモノマーやその他のビニル系モノマーとの共重合体等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーのコンクリートに対する密着性は比較的高く、ポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーのコンクリートに対する変形追従性は極めて良好である。上記説明した各プライマーの組成に起因して、ポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーのポリウレタン樹脂及びポリウレア樹脂に対する密着性は、非常に高い。従って、構造体20と樹脂補強層34の双方に密着し、構造体20の大きな変形に追従しながら、構造体20が樹脂補強層34を剥がそうとする力を充分に緩和させる点から、プライマー層32はポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーから構成されていることが好ましい。特に液剤等の調合が容易である点から、プライマー層32は、ポリウレタン樹脂を主成分とする溶剤系プライマー或いは無溶剤系プライマーから構成されている、又は、ポリブタジエン系ゴムを含んでいることが好ましい。ポリウレタン樹脂を主成分とする溶剤系プライマー或いは無溶剤系プライマーには、例えば市販のサンシラールスーパー(AGCポリマー建材株式会社製)がある。ポリブタジエン系ゴムを含むプライマー層32の材料には、例えば市販のスワエールB−500M(三井化学産資株式会社製)がある。
構造体20にプライマー層32を被覆する施工方法としては、構造体20の表面20aを十分に清掃して塵等を取り除いた後、構造体20の表面20aにプライマー層32を構成するプライマーを所定の厚み寸法で塗布する方法が挙げられる。
樹脂補強層34は、構造体20の大きな変形に対して自身が柔軟に伸縮する、或いは撓ることで、構造体20が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持するように構造体20を補強するために設けられている。すなわち、樹脂補強層34は、非常に高い靭性を有するものであり、せん断付着力及び曲げ引張強度が高く、かつ、強度及び伸び等の力学的特性に優れた合成樹脂から構成されている。樹脂補強層34を構成する合成樹脂の引張強度は20MPa程度(10〜25MPa)であり、合成樹脂の破断伸びは200%以上であればよい。良好な力学的特性が得られる点から、樹脂補強層34の厚さ寸法は、2mm以上であることが好ましい。
樹脂補強層34は、力学的特性等に優れたポリウレタン樹脂或いはポリウレア樹脂から構成されている。ポリウレア樹脂は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤との化学反応により形成された化合物である。このようなポリウレア樹脂には、例えばスワエールAR−100(登録商標:三井化学産資株式会社製)がある。
プライマー層32の上に樹脂補強層34を被覆する施工方法としては、プライマー層32の表面を清浄した後、プライマー層32の表面に樹脂補強層34の材料を所定の厚み寸法で塗布する方法が挙げられる。
以上説明したように、本実施形態の補強構造30は、構造体20の表面20aを被覆するように構造体20に対して一体に設けられているものであり、構造体20の表面20aに被覆された可撓性を有するプライマー層32と、その上に被覆されたポリウレタン樹脂或いはポリウレア樹脂からなる樹脂補強層34と、を備えている。すなわち、構造体20と非常に高い靭性を有する樹脂補強層34との間に可撓性を有するプライマー層32が設けられており、プライマー層32が構造体20及び樹脂補強層34と密着している。この構成によれば、プライマー層32が構造体20の変形に追従することで、構造体20が樹脂補強層34を剥がそうとする力が緩和される。それと共に、樹脂補強層34がプライマー層32の動きに応じて自在に伸縮する、或いは撓ることで、プライマー層32の変動が適度に吸収される。これにより、例えば地震や津波の発生時に、構造体20に大きな衝撃力が加わっても、プライマー層32と樹脂補強層34が構造体20の変形に順次追従して段階的に伸縮し、破断することなく構造体20に密着した状態で残存する。従って、補強構造30によって構造体20の表面20aが被覆された状態が確実に維持される。このため、構造体20は転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持することができる。その結果、タンクTから内容物が漏出しても、漏出した内容物の構造体20外方への流出を防止することができる。
本実施形態の補強構造30においては、プライマー層32が、ポリウレタン樹脂を主成分とする溶剤系プライマー或いは無溶剤系プライマーから構成されているか、又は、ポリブタジエン系ゴムを含んでいる。これにより、プライマー層32の構造体20に対する密着度が高められると共に、プライマー層32の樹脂補強層34に対する密着度が極めて高められる。従って、構造体20により大きな衝撃力が加わっても、補強構造30が構造体20の表面20aに強固に密着した状態で残存する。従って、補強構造30によって構造体20の表面20aが被覆された状態がより確実に維持される。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、構造体20として防液堤の躯体を例に挙げて説明しているが、本発明は、液状の内容物の漏出を防止する必要があるタンク、雨水等の漏水を防止する必要がある建築物、地下水等の漏水を防止する必要があるトンネルや地下施設等の地下構造物、廃棄物埋め立て処分場の周囲に埋設されて汚染水の漏出を防止する必要がある地中遮水構造物等の他の構造物に適用することもできる。また、図1では構造体20が断面視において逆T字形状になっているが、本発明において構造体20の形状は適宜変更可能であり、例えば断面視においてL字形状とされていてもよい。
なお、上記の実施形態では、コンクリートからなる構造体20を例示しているが、構造体20を構成する材料はコンクリートに限定されず、例えば鋼材等であってもよい。また、補強構造30は、構造体20が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持可能とするために補強するべき構造体20の表面20aの部位に設けられていればよい。すなわち、補強構造30は、構造体20の表面20a全体に形成されていてもよく、表面20aの一箇所又は複数個所に形成されていてもよい。
次いで、上述した本発明の実施形態の補強構造30を用いた構造体20の効果を裏付けるために行った実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、図2(a),(b)に示すように、構造体24としての矩形断面のコンクリート(長さ寸法:5m×0.4m:、厚み寸法:600mm)の表面に、プライマー層32としてスワエールB−500M(三井化学産資株式会社製)を塗布し、その上に樹脂補強層34としてスワエールAR−100(三井化学産資株式会社製)を塗布した。スワエールB−500MとスワエールAR−100の厚み寸法は、それぞれ0.5mm、2mmとした。このようにして、コンクリートの表面にスワエールB−500MとスワエールAR−100が順次積層された補強構造30が被覆された試験体1を用意した。次に、試験体1の底面に所定の間隔をあけてひずみゲージMを貼り付けた。このような試験体1に対して載荷試験を行い、試験体1の耐力を評価した。載荷試験の方法は、試験体1の長手方向Xの中心Cから両端に500mmの位置で上方から載荷し、長手方向XのひずみゲージMの貼り付け位置における鉛直方向Yの変位(以下、単に鉛直変位という)を測定する曲げ試験とした。
(比較例1)
評価体1に用いたコンクリートと同じコンクリートの表面に、樹脂補強層としてスワエールAR−100(登録商標:三井化学産資株式会社製)のみを塗布した。スワエールAR−100の厚み寸法は、2mmとした。このようにして、コンクリートの表面にスワエールAR−100が被覆された試験体2を用意した。次に、試験体2の底面に試験体1と同じ間隔をあけてひずみゲージMを貼り付けた。このような試験体2に対して試験体1と同様の方法及び条件で載荷試験を行い、試験体2の耐力を評価した。
図3〜図5は、上記試験体1,2において、横軸を載荷点の変位δ[mm]とし、縦軸を荷重P[kN]とした曲げ試験結果を示している。図3及び図4のδyはコンクリートの降伏時の長手方向Xの中心Cにおける鉛直変位であって、例えば図中の「18δy」は、コンクリートの降伏時の変位の18倍であることを示している。
図3によれば、試験体1において、降伏荷重が280kNとなり、圧縮破壊時には降伏変位の8倍(8δy)弱となった。また、圧縮破壊後は試験体1が終局耐力を迎える状態、すなわち完全破壊する状態にはならず、荷重の増加と共に変位も緩やかに増加し、最大荷重は409.4kNに達した。これに対し、試験体2においては、降伏荷重が280kNとなり、圧縮破壊時には降伏変位の8倍(8δy)となったが、降伏後の荷重が試験体1よりも低くなった。そして、圧縮破壊後も完全破壊する状態にはならず、荷重の増加と共に変位も試験体1と同様の変化率で緩やかに増加するが、最大荷重は試験体1より低い394.1kNに留まった。図5に示すように、プライマー層であるスワエールB−500Mを備えた試験体1は、スワエールB−500Mを備えていない試験体2に比べて、最大荷重が高くなり、荷重に対する耐力を維持していることを確認した。なお、試験体1のスワエールB−500M及びスワエールAR−100は、試験体1が終局耐力を迎える降伏変位の38倍(38δy)においても、破断していなかった。
図6は、上記試験体1,2の各計測位置、つまり図2(b)に示す長手方向Xの中心Cからの距離x[mm]と、鉛直変位y[mm]との関係を示している。図6に示すように、30δy以下の荷重を加えた際には、試験体1,2双方で左右対称の波形を示しており、鉛直変位が増加しても急激な圧縮破壊をせずに、試験体1,2が大きな曲げ靭性を維持していることがわかる。しかしながら、30δyを超えて、例えば35δy、38δyの荷重を加えた際には、試験体2の波形は計測位置xが0[mm]である中心Cにおいて尖がっているのに対して、試験体1の波形は中心Cの近傍においてやや湾曲している。従って、プライマー層であるスワエールB−500Mを備えた試験体1は、スワエールB−500Mを備えていない試験体2に比べて、より一層大きな曲げ靭性を維持していることを確認した。
上記説明した図2(a),(b)及び図3に示す試験結果より、試験体1では、荷重がかかった際のコンクリートの折れや破損による変形に対してスワエールB−500MとスワエールAR−100が順次追従し、コンクリートから剥がれずに密着して伸びることで、コンクリートの形状保持性能及び耐力がより向上したものと考えられる。従って、構造体を構成するコンクリートに大きな衝撃力が加えられても、プライマー層と樹脂補強層が構造体の変形に順次追従して段階的に伸縮し、破断することなく構造体に密着した状態で残存することを確認した。これにより、本発明の補強構造によって構造体の表面が被覆された状態が確実に維持され、構造体が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持することができるといえる。
20 構造体
20a 表面
30 補強構造
32 プライマー層
34 樹脂補強層

Claims (3)

  1. 構造体の表面を被覆するように前記構造体に対して一体に設けられて前記構造体を補強する補強構造であって、
    前記構造体の表面に被覆された可撓性を有するプライマー層と、
    前記プライマー層の上に被覆されたポリウレタン樹脂或いはポリウレア樹脂からなる樹脂補強層と、
    を備えていることを特徴とする補強構造。
  2. 前記プライマー層が、ポリウレタン樹脂を主成分とする溶剤系プライマー或いは無溶剤系プライマーから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の補強構造。
  3. 前記プライマー層が、ポリブタジエン系ゴムを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の補強構造。
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