JP6778986B2 - 貯水槽の保水構造および貯水槽の保水方法 - Google Patents

貯水槽の保水構造および貯水槽の保水方法 Download PDF

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Description

本発明は、貯水槽の保水構造および貯水槽の保水方法に関する。
従来、池状構造物として、例えば特許文献1に示すような鉄筋コンクリート製の貯水槽が知られている。このような貯水槽においては、大規模地震時に部材が降伏し、貫通ひび割れが発生した場合、貯水機能が失われるが、そのような場合は施設が破壊したとみなし、それでも当面の貯水機能を維持するような対策は施されていない。しかしながら、今後巨大地震が発生する可能性も指摘されており、既設貯水槽のような生活インフラ構造物においては部材が破壊しても当面の機能を維持し、震災後の生活への悪影響をできるだけ小さくする対策が求められていた。通常、大規模地震時に貯水槽の機能を維持するためには、部材を補強してひび割れを防止する方法が採用され、貯水槽のコンクリート厚を増大するコンクリート増厚工法や、炭素繊維シートをコンクリート表面に貼り付けることで、構造的に補強する炭素繊維補強工法などを用いた耐震補強工法も効果的とされている。
また、一般的にはエポキシなどの樹脂材料を貯水槽の内面に塗布または吹き付けにより被覆することで防水機能をもたせることが行われているが、これは常時の内部の液体による腐蝕、経年劣化に対して機能を維持するためのものであり、前述のように大規模地震において部材が破壊したとみなされるような場合のひび割れに対応可能なものではない。
特開平10−314753号公報
すなわち、エポキシ等の樹脂材料をコンクリート表面に被覆する方法では、大きな外力が作用することが想定されていないため、部材降伏時のコンクリートのひび割れ等の変形にエポキシ等の樹脂材料が追従できず、コンクリートにひび割れが発生すると同時に樹脂材料が破断してしまい、ひび割れから漏水して、ひび割れが発生したコンクリート構造物において保水性能を維持できないという問題があった。
また、上述したコンクリート増厚工法や炭素繊維補強工法などを用いた耐震補強工法の場合には、工費や工期がかかることから採用され難いという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、貯水槽に大きなひび割れが発生しても、構造物としての保水性を維持することができる貯水槽の保水構造および貯水槽の保水方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る貯水槽の保水構造は、内部に液体が貯留されるコンクリート製の貯水槽における液体が接する内面に、樹脂材料を被覆することにより一体に設けて構造物としての保水性を維持する貯水槽の保水構造であって、前記樹脂材料は、 前記貯水槽の止水側の表面に被覆された可撓性を有するプライマー層と、前記プライマー層の上に厚さ2mm以上4mm以下で被覆されたポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる樹脂止水層と、を有し、前記樹脂止水層は、前記プライマー層に密着することで、前記プライマー層の変動を吸収し、前記プライマー層は、ポリブタジエン系ゴムを含む変性ポリウレタン系プライマーから構成され、前記貯水槽に密着した状態で設けられ、前記プライマー層と前記樹脂止水層とは、0.1N/mm〜0.3N/mmの水圧を加えた状態で、前記貯水槽における2mm〜10mmのひび割れに追従して伸縮することを特徴としている。
また、本発明に係る貯水槽の保水方法は、内部に液体が貯留されるコンクリート製の貯水槽における液体が接する内面に、樹脂材料を被覆することにより一体に設けて構造物としての保水性を維持する貯水槽の保水方法であって、前記貯水槽の止水側の表面に可撓性を有するプライマー層を被覆する工程と、前記プライマー層の上にポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる樹脂止水層を厚さ2mm以上4mm以下で被覆する工程と、 を有し、前記樹脂止水層は、前記プライマー層に密着することで、前記プライマー層の変動を吸収し、前記プライマー層は、ポリブタジエン系ゴムを含む変性ポリウレタン系プライマーから構成され、前記貯水槽に密着した状態で設けられ、前記プライマー層と前記樹脂止水層とは、0.1N/mm〜0.3N/mmの水圧を加えた状態で、前記貯水槽における2mm〜10mmのひび割れに追従して伸縮することを特徴としている。
本発明では、貯水槽と、ポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる止水性を有する樹脂止水層との間に、貯水槽と樹脂止水層との靭性の差を和らげる中間層として、可撓性を有するプライマー層が設けられている。そして、プライマー層は貯水槽及び樹脂止水層に密着した状態で設けられている。この構成によれば、プライマー層が貯水槽のひび割れ等の変形に追従することで、貯水槽が樹脂止水層を剥がそうとする力が緩和される。それと共に、樹脂止水層がプライマー層の動きに応じて自在に伸縮する、或いは撓ることで、樹脂止水層にプライマー層の変動が適度に吸収される。
これにより、大規模地震時に、貯水槽に大きな外力が加わっても、プライマー層と樹脂止水層が貯水槽のひび割れに順次追従して伸縮し、破断することなく、貯水槽の表面に密着した状態で残存する。従って、樹脂材料によって貯水槽の止水側の表面が被覆された状態が確実に維持され、貯水槽にひび割れが発生している状態であっても構造体としての保水性を確保することができる。
また、従来のように貯水槽自体を補強する耐震補強工法ではなく、樹脂材料を塗布又は吹き付けるといった簡易な方法によって構成することが可能となるので、施工にかかる工費や工期を低減することができる。
本発明の貯水槽の保水構造および貯水槽の保水方法によれば、貯水槽に大きなひび割れが発生しても、構造物としての保水性を維持することができる。
本発明の実施の形態による貯水槽の構成を示す縦断面図である。 図1に示す貯水槽の側壁の一部を破断した斜視図である。 実施例による試験体を使用した水圧試験の状態を部分的に破断した縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態による貯水槽の保水構造および貯水槽の保水方法について、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による貯水槽1、コンクリート構造物2の内面2a(止水側の表面)に樹脂材料3を被覆することにより一体に設けて保水性を確保した構造となっている。
貯水槽1は、例えば防火水槽として用いられるものであって、平面視で四角形状をなし、コンクリート構造物2が鉄筋コンクリート造により施工された側壁11、底壁12、および天壁(図示省略)からなり、地中に埋設されるとともに、内部に水Wが貯留される躯体構造物である。つまり、少なくとも側壁11および底壁12の外周面は地盤に接した状態で配置されている。
コンクリート構造物2は、コンクリートを現場打ちによって施工されている。具体的には、コンクリート構造物2の鉄筋を配筋すると共に型枠を建て込み、その後、型枠内にコンクリートを打設することで、コンクリート構造物2が施工される。また、別の方法として、コンクリート構造物2は、例えばプレキャストコンクリート工法によって製造された複数のものを施工箇所に配置して連結することによって貯水槽1を構築する方法であってもよい。
樹脂材料3は、コンクリート構造物2の内面2aに被覆された可撓性を有するプライマー層31と、プライマー層31の上に被覆されたポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる樹脂止水層32と、を有する。
プライマー層31は、コンクリート構造物2にひび割れが発生しても、そのひび割れによる変形に追従しながらコンクリート構造物2が樹脂止水層32を剥がそうとする力を緩和させるために設けられている。すなわち、プライマー層31は、コンクリート構造物2及び樹脂止水層32との密着性がよく、コンクリート構造物2が樹脂止水層32を剥がそうとする力を緩和させ得る程度に可撓性を有している。
上記可撓性を有するプライマー層31を構成するプライマーとしては、ひび割れ追従性(JHS 410)が15mm以上であるものが好ましい。プライマー層31のひび割れ追従性が前記下限値より小さい場合には、プライマー層31がコンクリート構造体2の変形に伴って破断される、或いは樹脂止水層32から剥がれてしまうため、貯水槽1内の水Wがコンクリート構造体2のひび割れを介して漏れ出すおそれがあるため、好ましくない。
ひび割れ追従性が大きいプライマーとしては、例えばポリウレタン樹脂プライマー、ブタジエン系樹脂プライマーが挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、樹脂止水層32をなすポリウレア樹脂と同じイソシアネートによって構成されている。また、ブタジエン系樹脂は、ブタジエンとイソシアネートとの架橋反応によって生成されるものである。具体的に、ブタジエン系樹脂プライマーは、例えば常温でポリイソシアネートと混合しても、発熱により高温になることなく、弾性を有するプライマーを形成することが可能なブタジエン系ゴムを含むものが好適である。ブタジエン系ゴムとしては、ポリブタジエン系ゴム、ブタジエンと例えばスチレン、イソブチレン等の他のモノマーやその他のビニル系モノマーとの共重合体等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーのコンクリートに対する密着性は比較的高く、ポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーのコンクリートに対する変形追従性は極めて良好である。上記説明した各プライマーの組成に起因して、ポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーのポリウレタン樹脂及びポリウレア樹脂に対する密着性は、非常に高い。従って、コンクリート構造物2と樹脂止水層32の双方に密着し、コンクリート構造物2の大きな変形に追従しながら、コンクリート構造物2が樹脂止水層32を剥がそうとする力を充分に緩和させる点から、プライマー層31はポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーから構成されていることが好ましい。特に液剤等の調合が容易である点から、プライマー層31は、ポリウレタン樹脂を主成分とする溶剤系プライマー或いは無溶剤系プライマーから構成されている、又は、ポリブタジエン系ゴムを含む変性ポリウレタン系プライマーであることが好ましい。ポリウレタン樹脂を主成分とする溶剤系プライマー或いは無溶剤系プライマーには、例えば市販のサンシラールスーパー(AGCポリマー建材株式会社製)がある。ポリブタジエン系ゴムを含むプライマー層31の材料には、例えば市販のスワエールB−500M(三井化学産資株式会社製)がある。
コンクリート構造物2に対してプライマー層31を被覆する施工方法としては、コンクリート構造物2の内面2aを十分に清掃して塵等を取り除いた後、コンクリート構造物2の内面2aにプライマー層31を構成するプライマーを所定の厚み寸法で塗布又は吹き付ける方法が挙げられる。
樹脂止水層32は、コンクリート構造物2の大きな変形に対して自身が柔軟に伸縮する、或いは撓ることで、コンクリート構造物2のひび割れPを保持するために設けられている。すなわち、樹脂止水層32は、非常に高い靭性を有するものであり、せん断付着力及び曲げ引張強度が高く、かつ、強度及び伸び等の力学的特性に優れた合成樹脂から構成されている。樹脂止水層32を構成する合成樹脂の引張強度は20MPa程度(10〜25MPa)であり、合成樹脂の破断伸びは200%以上であればよい。樹脂止水層32の厚さ寸法は、良好な力学的特性が得られる点や被覆厚の均一性の点から、2mm以上であることが好ましい。
樹脂止水層32は、力学的特性等に優れたポリウレタン樹脂或いはポリウレア樹脂から構成されている。ポリウレア樹脂は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤との化学反応により形成された化合物である。このようなポリウレア樹脂には、例えばスワエールAR−100(登録商標:三井化学産資株式会社製)がある。
プライマー層31の上に樹脂止水層32を被覆する施工方法としては、プライマー層31の表面を清浄した後、プライマー層31の表面に樹脂止水層32の材料を所定の厚み寸法で塗布する方法が挙げられる。
上述のように本実施の形態による貯水槽1および貯水槽の保水方法では、図1及び図2に示すように、コンクリート構造物2の内面2aに可撓性を有するプライマー層31を被覆し、その後、プライマー層31の上にポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる樹脂止水層32を被覆することにより、コンクリート構造物2に一体に設けて保水性を確保することができる。
このようにコンクリート構造物2と、ポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる止水性を有する樹脂止水層32との間に、コンクリート構造物2と樹脂止水層32との靭性の差を和らげる中間層として、可撓性を有するプライマー層31が設けられている。そして、プライマー層31はコンクリート構造物2及び樹脂止水層32に密着した状態で設けられている。この構成によれば、プライマー層31がコンクリート構造物32のひび割れ等の変形に追従することで、コンクリート構造物2が樹脂止水層32を剥がそうとする力が緩和される。それと共に、樹脂止水層32がプライマー層31の動きに応じて自在に伸縮する、或いは撓ることで、樹脂止水層32にプライマー層31の変動が適度に吸収される。
これにより、大規模地震時に、コンクリート構造物2に大きな外力が加わっても、プライマー層31と樹脂止水層32がコンクリート構造物2のひび割れに順次追従して伸縮し、破断することなく、コンクリート構造物2の内面2aに密着した状態で残存する。従って、樹脂材料3によってコンクリート構造物2の内面2aが被覆された状態が確実に維持され、コンクリート構造物2にひび割れが発生している状態であっても構造体としての保水性を確保することができる。
また、従来のようにコンクリート構造物2自体を補強する耐震補強工法ではなく、樹脂材料3を塗布又は吹き付けるといった簡易な方法によって構成することが可能となるので、施工にかかる工費や工期を低減することができる。
次に、上述した実施の形態による貯水槽の保水構造および貯水槽の保水方法の効果を裏付けるために行った実施例について以下説明する。
(実施例)
本実施例では、図3に示すように、上述した実施の形態の貯水槽1を模擬した保水性能試験体(以下、単に試験体10という)を製造し、水圧試験機17を使用して水圧試験を行い、試験体10としての効果を確認した。試験体10は、大規模地震(L2レベルの地震)により、水圧が作用した状態で貯水槽に大きなひび割れが発生した場合を想定して貯水槽の防水性能を確認する際に使用する。
試験体10は、コンクリート構造物として、縦70mm、横70mm、厚さ35mmの無筋コンクリート板11、12を2つ作成し、それぞれにケミカルアンカー13を使用して反力板14を固定して製作した。そして、これら2つの無筋コンクリート板11、12を互いに突き合わせた状態でサンダー等を用いたケレンによる下地処理を行い、樹脂材料15を被覆する。つまり、無筋コンクリート板11、12上にプライマー層を刷毛等を使用して塗布した後、樹脂止水材(樹脂止水層)を吹き付けによって被覆する。その後、反力板の貫通穴にねじボルトを挿通させ、反力板の両側からナットで固定した。ここで、プライマーとしては、2液無溶剤型、変性ポリウレタン系プライマーを使用し、塗布量は0.5kg/mとした。樹脂止水材(吹付け材)としては、厚さ2.0mm または4.0mmの2液無溶剤型、ポリウレア樹脂を使用し、スプレーにより吹き付け施工とした。
そして、樹脂材料15(プライマーおよび樹脂止水材)を塗布した状態で、試験体10の内側のナットを回転させることにより反力板14が左右に移動し、見開きを発生させることにより、2つの無筋コンクリート板11、12に任意のひび割れに相当する隙間16(幅が数mm〜数10mm)を発生させる。具体的に、隙間16の条件として、隙間幅が2mm、4mm、6mm、8mm、10mmの5種類を作成した。
この試験体10を透水試験機17にセットする。具体的には、隙間16を形成した試験体10の上面および下面に中央に開口17aが形成されたゴム製のガスケット17A、17Bを取り付け、その下側に蓋体17Cを固定するとともに、上側に有頂筒状の水圧作用体17Dを設置する。水圧作用体17Dの下端17bを上側のガスケット17Aに密着させた状態で内部に水を注水して所定の水圧に作用させる構成となっている。
そして、試験体10のセットが完了した後、0.1N/mm(10m水頭)の水圧を1時間にわたって作用させることにより、上述した5種類のひび割れ(隙間16)が発生した無筋コンクリート板11、12に樹脂材料15を被覆させた試験体10の保水性能を確認した。なお、圧力の作用時間は、建築用セメント防水材の試験方法 (JIS−A1404)の透水試験に準じて1時間に設定している。
なお、本実施例による試験体10では、上述した水圧、作用時間としているが、この水圧作用条件に限定されず、例えば水圧0.1N/mm〜0.3N/mm程度を1〜168時間で作用させることが可能である。
表1は、本実施例による試験結果を示しており、5種類の隙間16のそれぞれにおいて、ひび割れ面(隙間16)からの漏水、樹脂止水材の過大な変形、隅角部における局部変形(亀裂)などは観測されず、良好な結果が得られた。
さらに、1週間程度まで防水性確認実験を続行し、時間に伴う経過(経過時間1.0時間、24時間(1日)、48時間(2日)、120時間(5日)、168時間(7日))を観察した結果も、上述した隙間16からの漏水、樹脂止水材の過大な変形、隅角部における局部変形が見られず、良好であることが確認された。
Figure 0006778986
以上、本発明による貯水槽の保水構造および貯水槽の保水方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、コンクリート構造物として貯水槽1を対象としているが、他のコンクリート製の水槽構造物であってもかまわない。また、コンクリート構造物の形状は、とくに制限されるものではなく、本実施の形態のように平面視で四角形状に限らず、例えば平面視で円形、六角形などの形状であってもよい。
また、コンクリート構造物として、本実施の形態のように鉄筋コンクリートに限らず、無筋コンクリートやプレストレスコンクリートであってもよい。
さらに、本実施の形態では、プライマー層31とポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる樹脂止水層32とからなる樹脂材料3をコンクリート構造物2に被覆する効果としてひび割れが発生したコンクリート構造物2における保水性を挙げているが、この他の効果として、コンクリート構造物2自体のひび割れの防止あるいは伸展を抑制する機能も有している。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
貯水槽
2 コンクリート構造物
2a 内面(止水側の表面)
3 樹脂材料
31 プライマー層
32 樹脂止水層
W 水

Claims (2)

  1. 内部に液体が貯留されるコンクリート製の貯水槽における液体が接する内面に、樹脂材料を被覆することにより一体に設けて構造物としての保水性を維持する貯水槽の保水構造であって、
    前記樹脂材料は、
    前記貯水槽の止水側の表面に被覆された可撓性を有するプライマー層と、
    前記プライマー層の上に厚さ2mm以上4mm以下で被覆されたポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる樹脂止水層と、
    を有し、
    前記樹脂止水層は、前記プライマー層に密着することで、前記プライマー層の変動を吸収し、
    前記プライマー層は、ポリブタジエン系ゴムを含む変性ポリウレタン系プライマーから構成され、前記貯水槽に密着した状態で設けられ、
    前記プライマー層と前記樹脂止水層とは、0.1N/mm〜0.3N/mmの水圧を加えた状態で、前記貯水槽における2mm〜10mmのひび割れに追従して伸縮することを特徴とする貯水槽の保水構造。
  2. 内部に液体が貯留されるコンクリート製の貯水槽における液体が接する内面に、樹脂材料を被覆することにより一体に設けて構造物としての保水性を維持する貯水槽の保水方法であって、
    前記貯水槽の止水側の表面に可撓性を有するプライマー層を被覆する工程と、
    前記プライマー層の上にポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる樹脂止水層を厚さ2mm以上4mm以下で被覆する工程と、
    を有し、
    前記樹脂止水層は、前記プライマー層に密着することで、前記プライマー層の変動を吸収し、
    前記プライマー層は、ポリブタジエン系ゴムを含む変性ポリウレタン系プライマーから構成され、前記貯水槽に密着した状態で設けられ、
    前記プライマー層と前記樹脂止水層とは、0.1N/mm〜0.3N/mmの水圧を加えた状態で、前記貯水槽における2mm〜10mmのひび割れに追従して伸縮することを特徴とする貯水槽の保水方法。
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