JP5936059B2 - 既成杭 - Google Patents

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本発明は、既成杭に関する。
従来、既成杭の1つとして、例えば下記特許文献1に示されているような、プレストレスコンクリート(PC)杭が知られている。このPC杭は、円筒状のコンクリート製の杭体の肉厚内に、軸方向(杭の長さ方向)に延在するPC鋼材が埋設されており、これにより、軸方向にプレストレスを付与するものである。さらに、上記したPC杭では、杭体内にリング状又は螺旋状の横筋が埋設されており、これにより、PC杭の曲げ靭性が高くなり、耐震性能を高められている。
特開平5−98638号公報
しかしながら、上記した従来の技術では、大地震時の巨大な地震力により杭体のコンクリートが破壊されると、鉛直支持力を確保することができなくなる。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、杭体のコンクリートが破壊された場合であっても、鉛直支持力を確保することができる既成杭を提供することを目的としている。
本発明に係る既成杭は、コンクリート製の杭体の表面に全周に亘って樹脂製の補強塗膜が被覆されてなり、前記補強塗膜は、引張強度が10〜25MPa、破断伸びが200%以上の物性を有するポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、又はウレアウレタン樹脂からなり、前記杭体の表面に塗布された接着性を有するプライマーを介して2〜4mmの塗布厚で被覆されてなり、前記杭体の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、前記補強塗膜によって前記杭体の形状が保持され、変形量が減少することを特徴としている。
また、本発明に係る既成杭は、コンクリート製の杭体の表面に全周に亘って樹脂製の補強塗膜が被覆されてなり、 前記補強塗膜は、引張強度が10〜25MPa、破断伸びが200%以上の物性を有するポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、又はウレアウレタン樹脂からなり、前記杭体に凹凸部を介して2〜4mmの塗布厚で被覆されてなり、前記杭体の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、前記補強塗膜によって前記杭体の形状が保持され、変形量が減少することを特徴としている。
本発明では、ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、又はウレアウレタン樹脂からなる補強塗膜が、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂であり、例えば10〜25MPa程度の高強度と例えば200%以上の大きな破断伸び(伸び変形性能)を有する。このため、杭体の変形が塑性域に達しても、補強塗膜が杭体の大変形に追従して伸び変形するので、補強塗膜によって杭体の変形に応じたエネルギー吸収性能が発揮される。したがって、高い軸圧縮力及び曲げ応力に対応することが可能な既成杭を形成することができる。
仮に、高軸圧縮力及び曲げ応力を受けることにより杭体の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、補強塗膜は伸びることはあっても破断せず、補強塗膜によって杭体の表面が被覆された状態が維持され、杭体の形状が保持される。
しかも、補強塗膜は変形抵抗を有しているので、地震時に杭体が撓み変形したときに、補強塗膜の変形抵抗力によって杭体を元の形状に戻す力が働く。その結果、杭体は、一旦大きく撓み変形した後に若干戻され、最終的な変形量が小さく抑えられる。
また、補強塗膜が杭体の全周に亘って設けられていることにより、杭体が補強塗膜によって包み込まれた状態、すなわち、閉じられた形状(筒状)の補強塗膜の内側に杭体が収容された状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより効果的に発揮される。
また、本発明の構造体によれば、補強塗膜は杭体に吹き付けや塗布することによって形成されるので、従来技術のようにPC鋼材を杭体に埋設する場合に比べて、容易に且つ安価に製作することができる。
本発明に係る既成杭によれば、杭体のコンクリートが破壊された場合であっても、杭体の形状が保持され、鉛直支持力を確保すると共に、残留変形がある状態でも水平耐力を保持することができる。
本発明の実施の形態による既成杭の杭頭部の側面図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するための図であり、(a)は既成杭の模式的に示した側面図であり、(b)は既成杭のモーメント図であり、(c)は既成杭が打設される地盤のN値を示した図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するための図であり、(a)は既成杭の模式的に示した側面図であり、(b)は既成杭のモーメント図であり、(c)は既成杭が打設される地盤のN値を示した図である。 ポリウレア樹脂の力学的特性を示すためのグラフであり、各材料の応力ひずみ関係を示すグラフである。 杭体の一部分を拡大した断面図である。 実施例1による試験結果を示す図である。 実施例2による試験結果を示す図である。 実施例3による試験結果を示す図である。
以下、本発明に係る既成杭の実施の形態について、図面に基いて説明する。
[第1の実施の形態]
図1及び図2を参照して、本発明に係る既成杭の第1の実施の形態の構成を説明する。
図1に示す既成杭1は、円筒形状のコンクリート製の杭体2からなる、例えば鉄筋コンクリートパイル(RC杭)や高強度プレストレスコンクリートパイル(PHC杭)、高強度プレストレス鉄筋コンクリートパイル(PRC)等のコンクリート杭である。この既成杭1は、例えばプレボーリング後の建込工法で地盤に打設される。なお、既成杭1はセメントミルクで根固めして先端支持力を発現させてもよく、或いは、建て込み後の打撃にて先端支持力を発現させてもよい。また、本実施の形態における既成杭1の杭頭は、上部構造の基礎4に剛結されている。
既成杭1の杭体2の外周面(表面)には、樹脂製の補強塗膜3が被覆されている。この補強塗膜3は、杭体2の全周に亘って設けられている。つまり、本実施の形態における補強塗膜3は、横断面視の形状が環状(閉じられた形状)、すなわち筒形状に形成されている。また、補強塗膜3は、既成杭1の杭体2の軸方向の領域のうち、曲げモーメントが大きい領域にのみ設けられている。具体的には、図2(b)に示すように杭頭剛結の既成杭1では杭頭及び杭の中間点において曲げモーメントが最大となるため、図2(a)に示すように補強塗膜3は杭体2の杭頭部分と軸方向の中間部分の一部とにそれぞれ設けられ、他の領域には設けられていない。なお、図2(b)の曲げモーメント図は、地盤のN値(標準貫入試験値)が図2(c)に示す条件下での上記した杭頭剛結の既成杭1の曲げモーメントを示している。
[第2の実施の形態]
図3を参照して、本発明に係る既成杭の第2の実施の形態の構成を説明する。
図3(a)に示すように、本実施の形態における既成杭10では、杭頭が上部構造の基礎4にピン結合されており、図3(b)に示すように杭頭ピン結合(杭頭ヒンジ)の既成杭1では杭の中間点において曲げモーメントが最大となるため、補強塗膜3は、杭体2の杭頭部分よりも下側(杭の先端側)に位置する軸方向の中間部分の一部にのみ設けられている。なお、図3(b)の曲げモーメント図は、地盤のN値(標準貫入試験値)が図3(c)に示す条件下での上記した杭頭ピン結合の既成杭10の曲げモーメントを示している。
[補強塗膜]
上記した補強塗膜3は、杭体2の表面に吹き付けやローラーなどで塗布される樹脂製の塗膜であって、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤との化学反応により形成された化合物からなる。例えば、補強塗膜3としては、イソシアネートとアミンとの化学反応により形成された化合物であるポリウレア樹脂を用いることができる。
補強塗膜3は、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂からなり、例えばポリウレア樹脂の場合は、図4に示す応力ひずみ特性を有する。補強塗膜3を構成する合成樹脂としては、例えば引張強度が鉄筋の十分の一程度の20MPa程度(10〜25MPa)であって、破断伸びが200%以上の物性を有する樹脂からなる。ポリウレア樹脂としては、例えば「スワエールAR−100(登録商標:三井化学産資株式会社製)」が用いられる。なお、補強塗膜3の厚さ寸法Dは、2mm以上であることが好ましい。
ここで、杭体2に補強塗膜3を被覆する施工方法としては、塗布するコンクリート表面を十分に清掃して塵等を取り除いた後、プライマーを塗布し、その後、補強塗膜材料を杭体2の表面に所定厚さだけ塗布する。これにより、杭体2の表面に補強塗膜3が形成される。なお、プライマーの塗布は省略することも可能であり、或いは、補強塗膜3と杭体2との付着性を高めるために杭体2の表面に凸凹が形成されていてもよい。
次に、上記した構成からなる既成杭1,10の作用について、具体的に説明する。
上述したように、本実施の形態では、補強塗膜3が、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂であるため、杭体2の変形が塑性域に達しても、補強塗膜3が杭体の大変形に追従して伸び変形するので、補強塗膜3によって杭体の変形に応じたエネルギー吸収性能が発揮される。したがって、高い軸圧縮力及び曲げ応力に対応することが可能な既成杭1,10を形成することができる。
仮に、高軸圧縮力及び曲げ応力を受けることにより杭体2の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、補強塗膜3は伸びることはあっても破断せず、補強塗膜3によって杭体2の表面が被覆された状態が維持され、杭体2の形状を保持される(形状保持)。
また、補強塗膜3は変形抵抗を有しているので、地震時に杭体2が撓み変形したときに、補強塗膜3の変形抵抗力によって杭体2を元の形状に戻す力が働く。その結果、杭体2は、一旦大きく撓み変形した後に若干戻され、最終的な変形量が小さく抑えられる。
また、補強塗膜3を杭体2の表面に吹き付けたり塗布したりするだけなので、容易に且つ安価に施工することができる。
また、図5に示すように、杭体2にクラックC(ひび割れ)が生じても、補強塗膜3はその伸縮性によって破断しない。この場合、補強塗膜3は伸び変形しているので、補強塗膜3の弾性力によって戻る方向の力Eが作用する。この力は、クラックCの幅を拡げる力Sに抵抗する方向に作用するため、結果的に、クラックCの開き量dが小さく抑えられる。
また、本実施の形態の既成杭1によれば、補強塗膜3が杭体2の全周に亘って設けられているので、杭体2が補強塗膜3によって包み込まれた状態、すなわち、閉じられた形状(筒状)の補強塗膜3の内側に杭体2が収容された状態となり、そのようなラッピング効果により、上記した形状保持がより効果的に発揮される。
上述したように、本実施の形態の既成杭1によれば、杭体2のコンクリートが破壊された場合であっても、杭体2の形状が保持され、鉛直支持力を確保すると共に、残留変形がある状態でも水平耐力を保持することができる。
次に、上述した実施の形態による既成杭1の効果を裏付けるために行った試験例(実施例1、2、3)について以下説明する。
(実施例1)
実施例1では、矩形断面の鉄筋コンクリート製の梁材を試験体に使用し、その梁材の表面にポリウレア樹脂を塗布した試験体1、2、3と、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体4とに対して載荷装置を使用した衝撃曲げ試験を行い、ポリウレア樹脂の塗布状況を変えた試験体1〜4の変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
各試験体1〜4の梁材は、縦100mm×横120mmで長さ寸法が1200mmの6面を有する構造体であり、4週強度で25N/mm2のコンクリートを使用している。さらに、試験体1〜4の内部にD13(芯被り35mm)、せん断補強筋D6を使用している。そして、載荷条件としては、試験体1〜4を長さ方向を水平方向に向けて配置し、試験体1〜4の長さ方向の中心部に対して30kNの荷重を準静的な0.0001m/sの速度で載荷を付与した。
ここで、試験体1は梁材の6面に塗布厚4mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体2は梁材の6面に塗布厚2mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体3は梁材のうち長さ方向を水平方向に向けた状態で上面および下面の2面のみに塗布厚2mmのポリウレア樹脂を塗布したもの(4側面にポリウレア樹脂を塗布しない場合)であり、試験体4はポリウレア樹脂を施していないものである。
図6は、上記試験体1〜4において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図6に示すように、試験体4の場合には、変形量δが略40mmで破壊し、その破壊箇所においてコンクリート片が生じた。
上下2面にポリウレア樹脂2mmを塗布した試験体3の場合は、変形量δが略60mmで破壊しているが、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体4の場合よりはじん性が高い、つまり拘束効果(ラッピング効果)を有し、一定の形状保持効果があることが確認された。
また、梁材の表面全周(6面)にポリウレア樹脂を塗布した試験体1、2においては、降伏後(図6の降伏点P1より右側)でも30kNの荷重が維持されていることが確認できることから、ラッピング効果が大きく、形状保持効果が高いことがわかる。
(実施例2)
次に、実施例2では、上記実施例1における梁材の6面に塗布厚2mmでポリウレア樹脂を塗布し、衝撃曲げ試験で載荷速度を変えた試験を行い、変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
第1試験T1は4m/s(高速)の載荷速度とし、第2試験T2は0.5〜1m/s(中速)の載荷速度とし、第3試験T3は0.1〜0.5m/s(低速)の載荷速度とし、第4試験T4は0.0001m/s(準静的速度)の載荷速度とした。
図7は、上記第1試験T1〜第4試験T4において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図7に示すように、各試験T1〜T4ともに降伏後でも準静的最大荷重が維持されていることがわかる。このことから、ポリウレア樹脂を梁材の6面全体にわたって塗布する場合には、載荷速度にかかわらず、準静的最大荷重が維持されることを確認することができる。このとき、梁材の試験体は大きく変形し、約5度程度の角度で屈曲していたが、コンクリート片が生じることもなく、梁材としての形状が保持されていた。このように、ポリウレア樹脂を塗布した梁材は、衝撃や持続的な加力に対して有効であり、コンクリート片の発生を防ぐことができることが確認できた。
(実施例3)
実施例3では、矩形断面の鉄筋コンクリート製の梁材を試験体に使用し、その梁材の表面にポリウレア樹脂を塗布した試験体1´、2´と、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体3´とに対して載荷装置を使用した衝撃曲げ試験を行い、ポリウレア樹脂の塗布状況を変えた試験体1´〜3´の変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
各試験体1´〜3´の梁材は、縦150mm×横150mmで長さ寸法が450mmの6面を有する構造体であり、4週強度で25N/mm2のコンクリートを使用している。さらに、試験体1´〜3´の内部にD13(芯被り35mm)、せん断補強筋D6を使用している。そして、載荷条件としては、試験体1´〜3´を長さ方向を水平方向に向けて配置し、試験体1´〜3´の長さ方向の中心部に対して30kNの荷重を準静的な0.0001m/sの速度で載荷を付与した。
ここで、試験体1´は梁材の6面に塗布厚4mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体2´は梁材の上面以外の5面に塗布厚4mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体3´はポリウレア樹脂を施していないものである。
図8は、上記試験体1´〜3´において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図8に示すように、試験体3´の場合には、変形量δが略0.65mmで破壊し、その破壊箇所においてコンクリート片が生じた。
上面以外の5面にポリウレア樹脂4mmを塗布した試験体2´の場合は、変形量δが略9mmで破壊しているが、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体3´の場合よりはじん性が高い、つまり拘束効果(ラッピング効果)を有し、一定の形状保持効果があることが確認された。
また、梁材の表面全周(6面)にポリウレア樹脂を塗布した試験体1´においては、変形量δが略30〜35mmで破壊しているが、5面にポリウレア樹脂を塗布した試験体2´の場合よりは更にじん性が高い、つまりラッピング効果が大きく、形状保持効果が高いことがわかる。
以上、本発明に係る構造体の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、補強塗膜3が既成杭1,10の杭体2の軸方向の領域のうち、曲げモーメントが大きい領域にのみ設けられているが、本発明は、補強塗膜3が既成杭1,10の杭体2の軸方向領域全体に亘って設けられていてもよい。
また、上記した実施の形態では、補強塗膜3が杭体2の全周に亘って被覆されているが、本発明に係る既成杭は、補強塗膜3が杭体2の表面のうちの周方向の一部を除いて被覆した構成、つまり、補強塗膜3が横断面視C字形状の構成であってもよく、この場合でも、上記したラッピング効果をある程度は発揮することができる。さらに、補強塗膜3が杭体2の表面のうちの周方向の一部のみを被覆した構成であってもよく、この場合であっても、上記したラッピング効果が発揮されないが、上記した形状保持の効果を奏することができる。
また、杭体に節部がある場合には、その節部に応力が集中してコンクリートのひび割れが生じやすいので、本発明は、その節部の表面に補強塗膜を被覆してもよい。
また、上記した実施の形態では、杭体2の外周面に補強塗膜3が被覆されているが、本発明は、筒状の杭体2の内周面にも補強塗膜3が被覆された構成であってもよい。なお、本発明は、筒状の杭体2からなる既成杭1,10に限定されるものではなく、柱状(中実)の杭体からなる既成杭であってもよい。
さらに、補強塗膜3において、例えばガラス片やガラス繊維、ガラスフリット等を分散させてなる不燃性を有する混入材を、ポリウレア樹脂に混入させることも可能である。あるいは混入材として、例えばコンクリート、煉瓦、瓦、石綿スレート、鉄鋼、アルミニウム、モルタル、漆喰等のガラス以外の不燃材料であっても良い。
また、上記した実施の形態では、補強塗膜3として、イソシアネートとアミンとの化学反応により形成された化合物からなるポリウレア樹脂が用いられているが、本発明は、イソシアネートとポリオールとの化学反応により形成された化合物からなるポリウレタン樹脂を補強塗膜として用いることも可能であり、また、イソシアネートとポリオールとアミンとの化学反応により形成された化合物からなる樹脂を補強塗膜として用いることも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1,10・・・既成杭
2・・・杭体
3・・・補強塗膜

Claims (2)

  1. コンクリート製の杭体の表面に全周に亘って樹脂製の補強塗膜が被覆されてなり、
    前記補強塗膜は、引張強度が10〜25MPa、破断伸びが200%以上の物性を有するポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、又はウレアウレタン樹脂からなり、前記杭体の表面に塗布された接着性を有するプライマーを介して2〜4mmの塗布厚で被覆されてなり、
    前記杭体の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、前記補強塗膜によって前記杭体の形状が保持され、変形量が減少することを特徴とする既成杭。
  2. コンクリート製の杭体の表面に全周に亘って樹脂製の補強塗膜が被覆されてなり、
    前記補強塗膜は、引張強度が10〜25MPa、破断伸びが200%以上の物性を有するポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、又はウレアウレタン樹脂からなり、前記杭体に凹凸部を介して2〜4mmの塗布厚で被覆されてなり、
    前記杭体の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、前記補強塗膜によって前記杭体の形状が保持され、変形量が減少することを特徴とする既成杭。
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