JP2014047514A - 既成杭 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンクリート製の杭体2の表面に樹脂製の補強塗膜3が被覆され、補強塗膜3は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなる。
【選択図】図1
Description
しかも、補強塗膜は変形抵抗を有しているので、地震時に杭体が撓み変形したときに、補強塗膜の変形抵抗力によって杭体を元の形状に戻す力が働く。その結果、杭体は、一旦大きく撓み変形した後に若干戻され、最終的な変形量が小さく抑えられる。
図1及び図2を参照して、本発明に係る既成杭の第1の実施の形態の構成を説明する。
図3を参照して、本発明に係る既成杭の第2の実施の形態の構成を説明する。
上記した補強塗膜3は、杭体2の表面に吹き付けやローラーなどで塗布される樹脂製の塗膜であって、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤との化学反応により形成された化合物からなる。例えば、補強塗膜3としては、イソシアネートとアミンとの化学反応により形成された化合物であるポリウレア樹脂を用いることができる。
上述したように、本実施の形態では、補強塗膜3が、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂であるため、杭体2の変形が塑性域に達しても、補強塗膜3が杭体の大変形に追従して伸び変形するので、補強塗膜3によって杭体の変形に応じたエネルギー吸収性能が発揮される。したがって、高い軸圧縮力及び曲げ応力に対応することが可能な既成杭1,10を形成することができる。
実施例1では、矩形断面の鉄筋コンクリート製の梁材を試験体に使用し、その梁材の表面にポリウレア樹脂を塗布した試験体1、2、3と、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体4とに対して載荷装置を使用した衝撃曲げ試験を行い、ポリウレア樹脂の塗布状況を変えた試験体1〜4の変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
各試験体1〜4の梁材は、縦100mm×横120mmで長さ寸法が1200mmの6面を有する構造体であり、4週強度で25N/mm2のコンクリートを使用している。さらに、試験体1〜4の内部にD13(芯被り35mm)、せん断補強筋D6を使用している。そして、載荷条件としては、試験体1〜4を長さ方向を水平方向に向けて配置し、試験体1〜4の長さ方向の中心部に対して30kNの荷重を準静的な0.0001m/sの速度で載荷を付与した。
図6に示すように、試験体4の場合には、変形量δが略40mmで破壊し、その破壊箇所においてコンクリート片が生じた。
上下2面にポリウレア樹脂2mmを塗布した試験体3の場合は、変形量δが略60mmで破壊しているが、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体4の場合よりはじん性が高い、つまり拘束効果(ラッピング効果)を有し、一定の形状保持効果があることが確認された。
また、梁材の表面全周(6面)にポリウレア樹脂を塗布した試験体1、2においては、降伏後(図6の降伏点P1より右側)でも30kNの荷重が維持されていることが確認できることから、ラッピング効果が大きく、形状保持効果が高いことがわかる。
次に、実施例2では、上記実施例1における梁材の6面に塗布厚2mmでポリウレア樹脂を塗布し、衝撃曲げ試験で載荷速度を変えた試験を行い、変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
第1試験T1は4m/s(高速)の載荷速度とし、第2試験T2は0.5〜1m/s(中速)の載荷速度とし、第3試験T3は0.1〜0.5m/s(低速)の載荷速度とし、第4試験T4は0.0001m/s(準静的速度)の載荷速度とした。
図7に示すように、各試験T1〜T4ともに降伏後でも準静的最大荷重が維持されていることがわかる。このことから、ポリウレア樹脂を梁材の6面全体にわたって塗布する場合には、載荷速度にかかわらず、準静的最大荷重が維持されることを確認することができる。このとき、梁材の試験体は大きく変形し、約5度程度の角度で屈曲していたが、コンクリート片が生じることもなく、梁材としての形状が保持されていた。このように、ポリウレア樹脂を塗布した梁材は、衝撃や持続的な加力に対して有効であり、コンクリート片の発生を防ぐことができることが確認できた。
実施例3では、矩形断面の鉄筋コンクリート製の梁材を試験体に使用し、その梁材の表面にポリウレア樹脂を塗布した試験体1´、2´と、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体3´とに対して載荷装置を使用した衝撃曲げ試験を行い、ポリウレア樹脂の塗布状況を変えた試験体1´〜3´の変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
各試験体1´〜3´の梁材は、縦150mm×横150mmで長さ寸法が450mmの6面を有する構造体であり、4週強度で25N/mm2のコンクリートを使用している。さらに、試験体1´〜3´の内部にD13(芯被り35mm)、せん断補強筋D6を使用している。そして、載荷条件としては、試験体1´〜3´を長さ方向を水平方向に向けて配置し、試験体1´〜3´の長さ方向の中心部に対して30kNの荷重を準静的な0.0001m/sの速度で載荷を付与した。
図8に示すように、試験体3´の場合には、変形量δが略0.65mmで破壊し、その破壊箇所においてコンクリート片が生じた。
上面以外の5面にポリウレア樹脂4mmを塗布した試験体2´の場合は、変形量δが略9mmで破壊しているが、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体3´の場合よりはじん性が高い、つまり拘束効果(ラッピング効果)を有し、一定の形状保持効果があることが確認された。
また、梁材の表面全周(6面)にポリウレア樹脂を塗布した試験体1´においては、変形量δが略30〜35mmで破壊しているが、5面にポリウレア樹脂を塗布した試験体2´の場合よりは更にじん性が高い、つまりラッピング効果が大きく、形状保持効果が高いことがわかる。
例えば、上記した実施の形態では、補強塗膜3が既成杭1,10の杭体2の軸方向の領域のうち、曲げモーメントが大きい領域にのみ設けられているが、本発明は、補強塗膜3が既成杭1,10の杭体2の軸方向領域全体に亘って設けられていてもよい。
2・・・杭体
3・・・補強塗膜
Claims (2)
- コンクリート製の杭体の表面に樹脂製の補強塗膜が被覆されてなり、
前記補強塗膜は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなることを特徴とする既成杭。 - 前記補強塗膜は、前記杭体の全周に亘って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の既成杭。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016053262A (ja) * | 2014-09-03 | 2016-04-14 | 株式会社昇和産業 | 耐震補強管及び管内耐震補強工法 |
JP2017160635A (ja) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | ジャパンパイル株式会社 | 既製杭 |
Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JPS621923A (ja) * | 1985-06-27 | 1987-01-07 | Tousen Asano Paul Kk | コンクリ−ト杭と、その製造方法 |
JPS6340014A (ja) * | 1986-08-01 | 1988-02-20 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 負摩擦力軽減用基礎杭 |
JP2009133196A (ja) * | 2009-03-18 | 2009-06-18 | Kajima Corp | コンクリート床版 |
-
2012
- 2012-08-30 JP JP2012190262A patent/JP5936059B2/ja active Active
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