JP5207108B2 - 橋脚とフーチングとの接合構造及び方法 - Google Patents

橋脚とフーチングとの接合構造及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼製橋脚の下端をRC製フーチングに接合する際に用いられる橋脚とフーチングとの接合構造及び方法に関する。
鋼製橋脚の下端を基礎に接合するにあたっては、アンカーフレームと呼ばれる鋼製フレームを予め製作した上、これを鉄筋コンクリート基礎であるフーチング内に埋設し、次いで、アンカーフレームから延びるアンカーボルトを利用して鋼製橋脚の下端をアンカーフレームにボルト接合する方法が従来から広く用いられている。
最近では、かかる方法に加えて、地盤内に構築された基礎にソケット鋼管と呼ばれる太径の鋼管を設置し、次いで、該ソケット鋼管内に鋼製橋脚の下端を挿入した後、鋼製橋脚の外面とソケット鋼管の内面との間にコンクリートを充填することによって、鋼製橋脚の下端、ソケット鋼管及び基礎を一体化する方法も知られており、かかる方法によれば、急速施工が可能であることから、交通量の多い場所で短工期に工事を進めることが可能となる。
一方、アンカーフレームを用いた接合工法は、本来的にアンカーフレームの製作費が高いため、橋梁の規模が大きくなると、アンカーフレームの大型化や鋼材の高強度化によってその製作費用がますます高くなるとともに、ソケット鋼管を用いたいわゆる二重管工法も、鋼管を二重に用いることから必然的に施工費用が高くなる。
特開平9−13320号公報 特開平9−209308号公報
このような状況下、コスト低減可能な接合工法が研究開発されており、例えば橋脚を構成する鋼管の内面にリブを設けるとともに該リブと対向する位置に鉄筋を配筋し、かかる状態で鋼管内にコンクリートを打設する工法(特許文献1,2)が開発されている。
かかる従来工法によれば、鋼管内に充填されたコンクリートと該コンクリートに埋設定着された鉄筋が鋼管内に鉄筋コンクリート体を形成することとなり、鋼管から受ける引抜き荷重や橋脚頭部の水平変位による強制回転変形に抵抗する。
したがって、アンカーフレームを使用せずとも鋼製橋脚をフーチングに強固に接合することが可能となるのみならず、鋼管によるコンクリートの拘束効果も期待することができる。また、コンクリート打設の際の型枠設置や脱型作業が必要なRC橋脚よりも有利な工法となる。
しかしながら、鉄筋の周囲に所定のコンクリート被り厚を確保しなければならない関係上、鋼管内面のリブと対向するように鉄筋を配置するにあたっては、鉄筋の配筋位置を、リブの突設分だけ、鋼管内側に後退させねばならない。
ここで、リブと鉄筋との荷重伝達は、リブと鉄筋との間に形成される圧縮ストラットやコンクリート自体のせん断抵抗を介して行われることになるが、リブの支圧面積が小さいために圧縮ストラットを介した荷重伝達は多くを期待することができず、コンクリートのせん断抵抗についてもコンクリートの物性上、荷重伝達機能としてはやはり限度がある。
そのため、鉄筋コンクリート体の引抜き強度や回転変形に対する曲げ強度を十分に確保することができないという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、合理的なコストでかつ引抜き強度や回転変形に対する曲げ強度を十分高めることが可能な橋脚とフーチングとの接合構造及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る橋脚とフーチングとの接合構造は請求項1に記載したように、鉄筋コンクリートで形成されたフーチングと、該フーチングの上面との間に所定の隙間が形成されるように鉛直姿勢にて前記フーチングの上方に配置された鋼管と、前記フーチングに一端が埋設定着された鋼管接合用鉄筋及び前記鋼管内に充填され前記鋼管接合用鉄筋の他端が埋設定着されるコンクリートで形成された鉄筋コンクリート体と、該鉄筋コンクリート体に埋設されるように前記鋼管内面に取り付けられた支圧部材とから構成するとともに、前記鋼管接合用鉄筋を取り囲むように前記支圧部材を形成することにより、前記鋼管接合用鉄筋の材軸を中心としたほぼ円錐状の圧縮ストラットが形成されるようにしたものである。
また、本発明に係る橋脚とフーチングとの接合構造は、前記支圧部材を、前記鋼管の内面から前記鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し幅中心近傍に挿通孔が形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で構成するとともに、前記挿通孔に前記鋼管接合用鉄筋を挿通したものである。
また、本発明に係る橋脚とフーチングとの接合構造は、前記支圧部材を、前記鋼管の内面から前記鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し鋼管中心側縁部に切り欠きが形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で構成するとともに、前記切り欠きに前記鋼管接合用鉄筋を配置したものである。
また、本発明に係る橋脚とフーチングとの接合方法は請求項4に記載したように、鋼管で構成された橋脚を鉄筋コンクリートで形成されたフーチングに接合する橋脚とフーチングとの接合方法において、
鋼管接合用鉄筋の一端が前記フーチングに埋設定着されるように該フーチングを形成し、前記鋼管の下端と前記フーチングの上面との間に所定の隙間が形成されるようにかつ前記鋼管接合用鉄筋の他端が前記鋼管内に配置されるように該鋼管を鉛直姿勢にて前記フーチングの上方に位置決めし、前記隙間を所定の型枠材で塞ぎ、前記鋼管接合用鉄筋の他端が埋設定着されるように前記鋼管内にコンクリートを充填して前記鋼管内に鉄筋コンクリート体を形成する各工程からなり、前記鉄筋コンクリート体に埋設されるように前記鋼管内面に支圧部材を取り付けるとともに、前記鋼管接合用鉄筋を取り囲むように前記支圧部材を形成することにより、前記鋼管接合用鉄筋の材軸を中心としたほぼ円錐状の圧縮ストラットが形成されるようにしたものである。
また、本発明に係る橋脚とフーチングとの接合方法は、前記支圧部材を、前記鋼管の内面から前記鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し幅中心近傍に挿通孔が形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で構成するとともに、前記挿通孔に前記鋼管接合用鉄筋を挿通したものである。
また、本発明に係る橋脚とフーチングとの接合方法は、前記支圧部材を、前記鋼管の内面から前記鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し鋼管中心側縁部に切り欠きが形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で構成するとともに、前記切り欠きに前記鋼管接合用鉄筋を配置したものである。
また、本発明に係る橋脚とフーチングとの接合方法は、前記鋼管の鉛直荷重を仮受けできるように前記型枠材を構成するとともに、前記鋼管内に充填したコンクリートが硬化した後、前記型枠材を取り外すものである。
本出願人は、上述した問題点をいかに解決すべきか、研究開発を積み重ねた結果、鋼管内に形成された鉄筋コンクリート体に埋設されるように、鋼管内面に支圧部材を取り付けるとともに、鋼管接合用鉄筋を取り囲むように支圧部材を形成することにより、鋼管接合用鉄筋の材軸を中心としたほぼ円錐状の圧縮ストラットが形成されるようにしてなる新規な発明をなすに至ったものである。
このようにすれば、ほぼ円錐状に形成された圧縮ストラットの鉛直成分合力は従来に比べてはるかに大きくなり、橋脚上方から引抜き荷重が鋼管に作用したときや、橋脚頂部に作用する水平力によって鋼管から強制回転変形を受けたとき、鉄筋コンクリート体の引張断面において、より大きな支圧反力で引抜き荷重や強制回転変形に抵抗することが可能となる。
一方、ほぼ円錐状に形成された圧縮ストラットの水平成分合力は概ね相殺されるため、コンクリートが横方向に膨張しようとする力は従来に比べて大幅に小さくなり、それゆえ、鋼管の拘束力に依存しない安定した鉄筋の付着が可能となる。
ここで、鋼管内面にリブを突設し該リブからコンクリート被り厚だけ鉄筋を離間配置した従来技術においては、鉄筋とリブとの間に形成される圧縮ストラットは、リブに向かって鉄筋から斜め下方に延びるため、鋼管による拘束作用の大きさや鋼管の形状にもよるが、圧縮ストラットの水平成分応力によってコンクリートが横方向に膨張し、リブの付着強度が低下するので、好ましくない状況となる。
特に、充填コンクリートを拘束する力が比較的大きな円形鋼管よりも、拘束力が小さい角形鋼管において、リブ付着強度の低下が問題となる。
しかしながら、本発明においては、上述したように鋼管の拘束力に依存することなく、引抜き荷重や強制回転変形に抵抗することが可能となるため、どのような断面形状の鋼管にも適用可能であり、特にリブ付着強度が低下しがちであった角形鋼管に本発明を適用した場合、その作用効果は顕著である。
このように本発明が対象とする鋼管は、断面形状を任意とすることが可能であり、例えば円形、角形、多角形等の断面形状が考えられる。また、例えば山間部に橋梁を建設する場合、橋脚が高くなることがあり、その際には、鋼管を溶接等で継ぎ足していくことになる。
橋脚が複数の鋼管で構成される場合、本発明の鋼管を単一の鋼管で構成することができるほか、複数の鋼管で構成することも可能であり、かかる場合には、支圧部材を最下段の鋼管に設けるほか、二段目、三段目といった鋼管にも支圧部材を設けることができる。
なお、橋脚を構成する鋼管を鋼殻と称することも多いが、本発明では、便宜上、鋼殻も含める概念として鋼管と呼ぶこととする。
フーチングは、鉄筋コンクリートで形成されたものであって、一般的には杭を伴う場合が多いが、本発明においては、フーチングだけで基礎構造が構成されるのか、杭とその頭部に接合されたフーチングとで基礎構造が構成されるのかは問わない。
鋼管接合用鉄筋は、一端がフーチングに埋設定着され、他端が鋼管内に充填形成されたコンクリート内に埋設定着されるものであり、例えば異形鉄筋で構成することができる。
支圧部材は、該支圧部材に生じる支圧反力と鋼管接合用鉄筋の周囲に生じる引張付着応力とによって、鋼管接合用鉄筋の材軸を中心としたほぼ円錐状の領域に圧縮ストラットが生じるように構成する限り、その構成は任意である。
ここで、圧縮ストラットとは一般的には、所定の外力が鉄筋コンクリート部材に作用したときに該鉄筋コンクリート部材内に形成される束状に連なった圧縮応力領域を意味するものであって、例えば鉄筋コンクリート梁に発生するアーチリブが該当するが、本明細書においては特に、鋼管内面に取り付けられた支圧部材と鉄筋との間に束状に連なって形成される圧縮応力領域を指すものとする。
圧縮ストラットが鋼管接合用鉄筋の材軸を中心としたほぼ円錐状に形成されるためには、支圧部材が鋼管接合用鉄筋を取り囲むように配置されることが必要となるが、本発明でいうところの円錐状とは、底面がほぼ円形の円錐だけを意味するものではなく、開き角度が180度程度以上の扇形底面を有する円錐形状も含むものとする。かかる場合であっても、従来より十分大きな支圧面積を確保することが可能である。同様な意味で、鋼管接合用鉄筋を取り囲むように支圧部材を構成するとは、完全な包囲を意味するものではなく、概ね半円錐以上の圧縮ストラットが形成される程度の支圧面積が確保される包囲、すなわち鋼管接合用鉄筋を180度程度以上包囲できれば足りる。
支圧部材の具体例としては例えば、鋼管の内面から鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し幅中心近傍に挿通孔が形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で支圧部材を構成するとともに、該挿通孔に鋼管接合用鉄筋を挿通する構成が考えられる。
また、鋼管の内面から鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し鋼管中心側縁部に切り欠きが形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で支圧部材を構成するとともに、該切り欠きに鋼管接合用鉄筋を配置する構成が考えられる。
本発明に係る橋脚とフーチングとの接合構造を構築するには、まず、鋼管接合用鉄筋の一端がフーチングに埋設定着されるように該フーチングを形成し、次いで、鋼管の下端とフーチングの上面との間に所定の隙間が形成されるようにかつ鋼管接合用鉄筋の他端が鋼管内に配置されるように該鋼管を鉛直姿勢にてフーチングの上方に位置決めし、次いで、隙間を所定の型枠材で塞ぎ、しかる後、鋼管接合用鉄筋の他端が埋設定着されるように、鋼管内にコンクリートを充填すればよい。
ここで、鋼管の鉛直荷重を仮受けできるように型枠材を構成すれば、コンクリート充填打設の前における鋼管の仮受けを容易に行うことが可能となる。なお、かかる場合には、鋼管内に充填したコンクリートが硬化した後、型枠材を取り外す。
以下、本発明に係る橋脚とフーチングとの接合構造及び方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る橋脚とフーチングとの接合構造を示した図である。同図でわかるように、本実施形態に係る橋脚とフーチングとの接合構造1は、鋼管2で構成された橋脚3を鉄筋コンクリートで形成されたフーチング4に接合してなる。
鋼管2の下端とフーチング4の上面との間には、隙間hが形成されるように鋼管2を鉛直姿勢にてフーチング4の上方に配置してある。
フーチング4には、鋼管接合用鉄筋としての異形鉄筋6の一端を埋設定着してあり、該異形鉄筋の他端は、鋼管2内に充填されたコンクリート7に埋設定着してある。
異形鉄筋6は、鋼管2内に充填されたコンクリート7とともに鉄筋コンクリート体8を形成しており、該鉄筋コンクリート体8は後述するように、橋脚3から引抜き力が作用したとき、該引抜き力に抵抗してフーチング4に伝達するとともに、橋脚3の頭部に水平力が作用したとき、該水平力による鋼管2の回転変形に対して曲げ抵抗し、該水平力をフーチング4に伝達する役目を果たす。
ここで、鋼管2の内面には、鉄筋コンクリート体8に埋設されるように支圧部材としての支圧板21を取り付けてある。
図2は、支圧板21を全体斜視図及び平面図で示したものである。
同図でわかるように支圧板21は、中央に矩形開口23が形成された矩形枠状をなし、鋼管2の内面から鋼管2の中心に向かう方向に沿って幅Wを有するとともに、幅中心近傍に複数の挿通孔22を形成してあり、該挿通孔に異形鉄筋6をそれぞれ挿通することで、該異形鉄筋の周囲を支圧板21を構成する板材で取り囲むようになっている。
支圧板21は、鋼管2に作用する引抜き力の大きさや、鋼管2から受ける強制回転変形の大きさによって、高さ方向の設置ピッチや設置段数を適宜設定すればよい。
挿通孔22は、異形鉄筋6が挿通しやすいよう、該異形鉄筋の外径よりも内径が大きくなるように形成するが、施工上問題のない範囲で、内径を異形鉄筋6の外径に近づけるのが支圧面積を大きくする上で望ましい。
異形鉄筋6は、それぞれ直棒状に構成してあり、図1(b)に示すように鋼管2が角形鋼管であれば所定ピッチで矩形状に配置すればよいし、円形鋼管であれば円形に配置すればよい。
本実施形態に係る橋脚とフーチングとの接合構造1を構築するには、まず図3に示すように、杭11を地盤(図示せず)に打ち込んだ後、該杭の頭部にフーチング4を形成するが、かかる基礎工事の際には、異形鉄筋6の一端がフーチング4内に埋設定着されるように該フーチングを形成する。
異形鉄筋6は、後工程で立設する鋼管2の内面に取り付けられた支圧板21の挿通孔22に挿通できるよう、フーチング4内に適宜埋設すればよい。
次に図4に示すように、型枠材12をフーチング4の上面に載置する。型枠材12は、L状断面を有する矩形フレームで構成してあり、内周側に形成された肩部13に鋼管2の下端を載せることにより、該鋼管の下端とフーチング4の上面との間の隙間hを塞ぐとともに、鋼管2の荷重を仮受けすることができるようになっている。
型枠材12は、次工程で立設する鋼管2の内面に取り付けられた支圧板21の挿通孔22に異形鉄筋6が挿通できるよう、フーチング4の上面に位置決めする。
次に、支圧板21の挿通孔22に異形鉄筋6を挿通しながら、型枠材12の肩部13に鋼管2の下端を載せるようにして、鋼管2をフーチング4の上方に鉛直姿勢で吊り込み、鋼管2を型枠材12で仮受けする。
次に、異形鉄筋6が埋設される高さまで、鋼管2内にコンクリート7を打設充填する。
打設したコンクリート7が硬化したならば、最後に型枠材12を撤去する。
このように構築された橋脚とフーチングとの接合構造1においては、図5に示すように、橋脚3上方から圧縮荷重が作用するが、かかる圧縮荷重は、鋼管2の内面に取り付けられた支圧板21を介して鉄筋コンクリート体8に伝達し、さらにフーチング4へと伝達して圧縮荷重が支持される。
また、橋脚3の頭部に水平力が右方向に作用する場合を想定すると、鋼管2は、該水平力によって時計回りに回転しようとする。
そのため、鉄筋コンクリート体8の側面には図6(a)に示す分布形状の水平力Pが鋼管2から作用するとともに、左側に位置する異形鉄筋6からの引張力Tが左側底面に、右側に位置する異形鉄筋6からの圧縮力C1とフーチング4の右上面からの圧縮力C2が右側底面に、フーチング4からの水平反力Hが底面にそれぞれ作用するが、鉄筋コンクリート体8は、異形鉄筋6及び充填コンクリート7からなるRC部材としてこれらの力に曲げせん断で抵抗する。
ここで、鉄筋コンクリート体8の左側引張断面では同図(b)に示すように、異形鉄筋6に引張付着応力が下向きに作用するが、異形鉄筋6を支圧板21の挿通孔22に挿通してあるため、支圧板21には、上向きの支圧反力が異形鉄筋6を取り囲むように発生し、かくして異形鉄筋6と支圧板21との間には、異形鉄筋6の材軸を中心としたほぼ円錐状の圧縮ストラット23が形成される。
そして、この圧縮ストラット23によって、鋼管2に作用する引張力が支持されることとなり、かくして鉄筋コンクリート体8の曲げ強度が高くなり、鋼管2から受ける大きな強制回転変形にも抵抗することができる。
鋼管2に大きな引抜き力が作用して鉄筋コンクリート体8の全断面が引張となる場合には、上述した圧縮ストラット23が鋼管2の内面に設けられた支圧板21の全周でかつ全段で生じ、これらが鋼管2に作用する大きな引抜き力に抵抗し、最終的にはフーチング4に伝達される。
以上説明したように、本実施形態に係る橋脚とフーチングとの接合構造1によれば、鋼管2内に形成された鉄筋コンクリート体8に埋設されるように、支圧板21を鋼管2の内面に取り付けるとともに、該支圧板に形成された挿通孔22に異形鉄筋6を挿通するようにしたので、橋脚3の頭部に作用する水平力によって鋼管2に強制回転変形を生じたとき、あるいは鋼管2に大きな引抜き力が作用したとき、引張断面に配置されている異形鉄筋6と支圧板21との間には、異形鉄筋6の材軸を中心とするほぼ円錐状の圧縮ストラット23が形成される。
すなわち、支圧板21は、異形鉄筋6を取り囲むように配置されているため、異形鉄筋6の引張付着応力とバランスする支圧反力が支圧板21の広い面積範囲で発生するとともに、これらの間には、大きなボリュームを有する圧縮ストラット23が形成される。
そのため、フーチング4との接合箇所における引張強度や曲げ強度を格段に向上させることが可能となる。
また、円錐状に形成された圧縮ストラット23の水平成分合力は概ね相殺されるため、充填コンクリート7が横方向に膨張しようとする力は従来に比べて大幅に小さくなり、鋼管2による拘束作用と相俟って、コンクリート7のひび割れを抑制することも可能となる。
本実施形態では特に言及しなかったが、橋脚3が長い場合、鋼管2の上に該鋼管と同様の鋼管を溶接等で順次継ぎ足していくことが可能である。
また、本実施形態では、型枠材12に鋼管2の自重を仮受けする機能を持たせたが、鋼管2を別の公知手段で仮受けし、型枠材12は、型枠の機能だけを持たせるようにしてもかまわない。この場合、コンクリート硬化後に型枠材12を撤去するかどうかは任意である。
また、本実施形態では、鋼管2が角形鋼管である関係上、矩形枠状の支圧板21で支圧部材を構成したが、本発明に係る支圧部材はかかる形状に限定されるものではなく、鋼管が円形鋼管であれば環状の支圧板とし、多角形鋼管であれば多角形枠状の支圧板とすることが可能である。
また、本実施形態では、異形鉄筋6を挿通する挿通孔22が形成された支圧板21で支圧部材を構成したが、本発明に係る支圧部材はかかる構成に限定されるものではなく、鋼管接合用鉄筋との間でほぼ円錐状の圧縮ストラットが形成され得る支圧部材であれば、いかなる支圧部材でもかまわない。
例えば、図7(a)に示すように、鋼管2の内面からその中心に向かう方向に沿って幅Wを有し、鋼管中心側縁部に切り欠き71が形成された矩形枠状の支圧板72で本発明の支圧部材を構成することが可能である。
かかる変形例においては、切り欠き71に異形鉄筋6を嵌め込む関係上、鋼管中心側縁部よりも内側では、異形鉄筋6の引張付着応力とバランスする支圧部分がなく、そのため、圧縮ストラット23aは、同図(b)に示すように半円錐形となる。
しかし、従来よりも支圧面積が大幅に増大していることに変わりはなく、上述した作用効果は本変形例においても同様に当てはまる。加えて、本変形例によれば、異形鉄筋6を側方から嵌め込むことができるので、施工時の作業性が高いという作用効果を奏する。なお、かかる変形例における接合方法については、上述した実施形態とほぼ同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る橋脚とフーチングとの接合構造1を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)はA−A線に沿う断面図。 支圧板21とその取付け状況を示した図であり、(a)は全体斜視図、(b)は平面図。 本実施形態に係る橋脚とフーチングとの接合方法の手順を示した施工手順図。 引き続き本実施形態に係る橋脚とフーチングとの接合方法の手順を示した施工手順図。 本実施形態に係る橋脚とフーチングとの接合構造及び方法の作用を示した図。 同じく本実施形態に係る橋脚とフーチングとの接合構造及び方法の作用を示した図。 変形例に係る橋脚とフーチングとの接合構造を示した図。
符号の説明
1 橋脚とフーチングとの接合構造
2 鋼管
3 橋脚
4 フーチング
6 異形鉄筋(鋼管接合用鉄筋)
7 充填コンクリート
8 鉄筋コンクリート体
12 型枠材
21,72 支圧板(支圧部材)
22 挿通孔
23,23a 圧縮ストラット
71 切り欠き

Claims (7)

  1. 鉄筋コンクリートで形成されたフーチングと、該フーチングの上面との間に所定の隙間が形成されるように鉛直姿勢にて前記フーチングの上方に配置された鋼管と、前記フーチングに一端が埋設定着された鋼管接合用鉄筋及び前記鋼管内に充填され前記鋼管接合用鉄筋の他端が埋設定着されるコンクリートで形成された鉄筋コンクリート体と、該鉄筋コンクリート体に埋設されるように前記鋼管内面に取り付けられた支圧部材とから構成するとともに、前記鋼管接合用鉄筋を取り囲むように前記支圧部材を形成することにより、前記鋼管接合用鉄筋の材軸を中心としたほぼ円錐状の圧縮ストラットが形成されるようにしたことを特徴とする橋脚とフーチングとの接合構造。
  2. 前記支圧部材を、前記鋼管の内面から前記鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し幅中心近傍に挿通孔が形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で構成するとともに、前記挿通孔に前記鋼管接合用鉄筋を挿通した請求項1記載の橋脚とフーチングとの接合構造。
  3. 前記支圧部材を、前記鋼管の内面から前記鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し鋼管中心側縁部に切り欠きが形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で構成するとともに、前記切り欠きに前記鋼管接合用鉄筋を配置した請求項1記載の橋脚とフーチングとの接合構造。
  4. 鋼管で構成された橋脚を鉄筋コンクリートで形成されたフーチングに接合する橋脚とフーチングとの接合方法において、
    鋼管接合用鉄筋の一端が前記フーチングに埋設定着されるように該フーチングを形成し、前記鋼管の下端と前記フーチングの上面との間に所定の隙間が形成されるようにかつ前記鋼管接合用鉄筋の他端が前記鋼管内に配置されるように該鋼管を鉛直姿勢にて前記フーチングの上方に位置決めし、前記隙間を所定の型枠材で塞ぎ、前記鋼管接合用鉄筋の他端が埋設定着されるように前記鋼管内にコンクリートを充填して前記鋼管内に鉄筋コンクリート体を形成する各工程からなり、前記鉄筋コンクリート体に埋設されるように前記鋼管内面に支圧部材を取り付けるとともに、前記鋼管接合用鉄筋を取り囲むように前記支圧部材を形成することにより、前記鋼管接合用鉄筋の材軸を中心としたほぼ円錐状の圧縮ストラットが形成されるようにしたことを特徴とする橋脚とフーチングとの接合方法。
  5. 前記支圧部材を、前記鋼管の内面から前記鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し幅中心近傍に挿通孔が形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で構成するとともに、前記挿通孔に前記鋼管接合用鉄筋を挿通した請求項4記載の橋脚とフーチングとの接合方法。
  6. 前記支圧部材を、前記鋼管の内面から前記鋼管の中心に向かう方向に沿って所定幅を有し鋼管中心側縁部に切り欠きが形成された環状、矩形枠状又は多角形枠状の支圧板で構成するとともに、前記切り欠きに前記鋼管接合用鉄筋を配置した請求項4記載の橋脚とフーチングとの接合方法。
  7. 前記鋼管の鉛直荷重を仮受けできるように前記型枠材を構成するとともに、前記鋼管内に充填したコンクリートが硬化した後、前記型枠材を取り外す請求項4乃至請求項6のいずれか一記載の橋脚とフーチングとの接合方法。
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