JP4844928B2 - 杭頭部の接合構造およびその施工方法 - Google Patents
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本発明の接合構造においては、底盤プレートの外径寸法を杭径の略1.5〜2.0倍とし、該底盤プレートの杭頭部への装着位置の深さを杭頭から杭径の略0.5〜1.0倍の位置とすることが好適である。
本発明の施工方法においては、ピット内へのコンクリート打設に際しては、アンカー筋の外側に型枠を設置して該型枠の内側にコンクリートを打設するとともに、型枠の外側となるピットの外周部を埋め戻すようにしても良い。
また、本発明の施工方法は、杭頭部の周囲に必要最小限の大きさのピットを設けて、そこに単なる円環状の底盤プレートを配置するとともに、その他には単なるアンカー筋とフープ筋を配筋するだけであるので、二重鋼管方式による接合構造の場合に比較すると使用材料に要するコストを大幅を削減できるとともに、搬送や揚重等の作業も軽減できることから施工性を大きく改善でき、したがって同等以上の性能を確保しつつ総合的にはコストを半減させることができる程度の十分なコスト削減効果が得られる。
係合凸部5はその周囲に後打ちされるコンクリートと係合してストラットを有効に形成できるものであれば良く、その形成手法は適宜でよいが、たとえば図1(a)や図3(a)に示すように鋼管杭やSC杭の場合には帯鋼を杭体6の外周面に巻回して隅肉溶接するか、あるいは図3(b)に示すようにPHC杭等の場合には端板7の上面に鋼板(端板7と同様のリング状の鋼材を周方向に分割した形状のもの)をやや外周側に突出させた状態で溶接すると良い。なお、いずれにしても係合凸部5は杭2の製作時に同時に形成しておくと良いが、あるいは現場での杭施工に先立って、あるいは杭施工後に、現場にて形成することでも良い。
ピット8の平面形状は図1(c)に示すように杭2を中心とする正方形状とし、底面の大きさはその一辺の長さが底盤プレート3を水平に配置できる程度、深さは杭径φの0.5〜1.0程度とし、法面傾斜は45度程度とし、底面および法面全体に捨てコンクリートあるいは吹き付けモルタルを施工すると良い。
なお、杭頭部に対する底盤プレート3の装着前に上記の系統凸部5を杭頭に予め取り付けておく場合には、底盤プレート3を装着する際に係合凸部5の位置を支障なく通過し得るようにクリアランス9の大きさ(つまり中心孔の大きさ)を設定しておくと良い。
底盤プレート3に対するアンカー筋4の接合手法は適宜で良いが、たとえば図2(a)、(b)に示すようにアンカー筋4の配筋位置に対応させて底盤プレート3の上面にカプラー(メスねじ)11を溶接し、それにアンカー筋4としてのネジ筋をねじ込むようにすれば良い。あるいは図2(c)に示すように、底盤プレート3に貫通孔を形成してそこにアンカー筋4としてのネジ筋を通し、上下からナット12により締結することでも良い。また、アンカー筋4を底盤プレート3の上面にパイルスタッドで溶接しても良い。
フープ筋10としては、通常の柱配筋等の場合と同様に異形棒鋼を環状ないしスパイラル状に加工したのものや高強度鉄筋を用いると良いが、いずれにしても図1(a)に示しているようにアンカー筋4の下端部に対してたとえば50mm間隔程度で密に3段程度配筋するのみとして後段で配筋する基礎鉄筋と干渉しないようにし、かつその範囲で最上段のフープ筋10は基礎1中に埋設されるように基礎1底面よりやや上(たとえば20mm程度)のレベルに配筋すると良い。
引き続いて、適宜の基礎配筋を行って基礎コンクリートを打設すれば、アンカー筋4の上端部が基礎1中に定着されるとともに、ピット8内に打設されたコンクリートと基礎コンクリートとが最終的に自ずと一体化し、杭2の杭頭部と基礎1とが構造的に確実堅固に剛接合される。
また、上記のようにピット8内へのコンクリート打設(あるいは型枠13内へのコンクリート打設とその外側への埋め戻し)を行った後に、あらためて基礎配筋と基礎コンクリートの打設を行うことが現実的ではあるが、あるいはそれに代えて、ピット8内への底盤プレート3の配置やアンカー筋4、フープ筋10の配筋と相前後して基礎配筋を行ってしまい、ピット8内へのコンクリート打設と基礎コンクリートとの打設を同時に一括して行うことでも良い。
また、上記のようなストラットにより杭頭接合部の耐力が増強されるばかりでなく、杭頭部の周囲に配筋したアンカー筋4の上端部を基礎1に対して定着することから、実質的に杭頭部の外周径が杭2自体の杭径φよりも拡大されて定着部の耐力も自ずと大きくなり、それにより高耐力杭の場合でも杭頭接合部が先行破壊されないような杭頭接合部の耐力が得られる。
勿論、本発明においては杭頭部の周囲に底盤プレート3およびアンカー筋4を配筋するためのピット8を設ける必要があるものの、そのようなピット8は二重鋼管方式の場合にも必要であるし、本発明においては十分な剛接合強度を確保するために必要とされるピット8の平面的な大きさは杭径φの1.5〜2.0倍程度、その深さは杭径φの0.5〜1.0倍程度でしかなく、そのような必要最小限の大きさのピット8を設けてそこにコンクリートを打設することによるコスト増は問題とならない。
2 杭
3 底盤プレート
4 アンカー筋
5 係合凸部
6 杭体
7 端板
8 ピット
9 クリアランス
10 フープ筋
11 カプラー
12 ナット
13 型枠
Claims (4)
- 基礎に対して杭頭部を接合するための接合構造であって、
杭頭の外周面に係合凸部が設けられ、円環状の鋼板からなる底盤プレートが杭頭部に装着されて水平に配置され、該底盤プレートに複数のアンカー筋の下端が接合されて該アンカー筋が杭頭部を取り囲むようにその周囲に配筋され、該アンカー筋の外側にフープ筋が巻回されて配筋され、杭頭部の周囲に基礎と一体となるコンクリートが打設されていることを特徴とする杭頭部の接合構造。 - 請求項1記載の杭頭部の接合構造であって、
底盤プレートの外径寸法が杭径の略1.5〜2.0倍とされ、該底盤プレートの杭頭部への装着位置の深さが杭頭から杭径の略0.5〜1.0倍の位置とされていることを特徴とする杭頭部の接合構造。 - 請求項1または2記載の接合構造によって杭頭部と基礎とを接合するための施工方法であって、
杭頭の外周面に係合凸部を設けた杭を施工するとともに、杭頭部の周囲を根切りしてピットを設け、該ピットの底面に円環状の鋼板からなる底盤プレートを配置して杭頭部に装着するとともに、該底盤プレートに複数のアンカー筋の下端を接合して該アンカー筋を杭頭部を取り囲むようにその周囲に配筋し、かつ該アンカー筋の外側にフープ筋を巻回して配筋し、しかる後に、ピット内にコンクリートを打設することを特徴とする杭頭部の施工方法。 - 請求項3記載の杭頭部の施工方法であって、
ピット内へのコンクリート打設に際しては、アンカー筋の外側に型枠を設置して該型枠の内側にコンクリートを打設するとともに、型枠の外側となるピットの外周部を埋め戻すことを特徴とする杭頭部の施工方法。
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