JP2006083641A - 鉄塔の基礎構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地盤中に打設された複数本の杭体1,1…と、鉄塔の主脚柱2をコンクリート構造体3を介して接合した鉄塔の基礎構造において、前記コンクリート構造体3は、内壁面に、周方向に沿って固設されたズレ止め用リブ4,4…を上下方向に複数段に亘って有する鋼管5内にコンクリート6を打設することによって造成された構造体とし、前記コンクリート構造体3の下部側に、前記地盤中に打設された複数本の杭体1,1…の頂部が接合され、かつ前記鉄塔主脚柱2の下部外面に複数段に亘り支圧板7,7…が設けられ、支圧板7,7…が配設された主脚柱部分Kがコンクリート構造体3に埋設されている構造とする。
【選択図】図1
Description
一方、フーチングと杭頭部との接合方式は、図9(A)に示されるように、フーチング51内に没入させた杭頭部の外面に、外方に突出するように設けたリング状等の支圧板59,59…によって定着する支圧板接合方式や、図9(B)に示されるように、杭頭部とフーチング51とに跨るように複数本の鉄筋60,60…を配設して接合する鉄筋接合方式などが採用されている。
従って、これらの押込み力、引抜き力、曲げモーメント、水平力に対して十分な耐力を有し、ひび割れを起こさないようにフーチング51を設計すると、フーチング規模が大型化してしまうとともに、フーチングが大規模となった分、掘削量が多くなるとともに、コンクリート打設量が多くなるなどの問題も発生し、施工に多くの時間と手間が掛かっていた。
前記コンクリート構造体は、内壁面に、周方向に沿って固設されたズレ止め用リブを上下方向に複数段に亘って有する鋼管内にコンクリートを打設することによって造成された構造体とし、前記コンクリート構造体の下部側に、前記地盤中に打設された複数本の杭体の頂部が接合され、かつ前記鉄塔主脚柱の下部に定着部材が設けられ、前記定着部材が設けられた主脚柱部分が前記コンクリート構造体に埋設されていることを特徴とする鉄塔の基礎構造が提供される。
従来は、鉄塔主脚柱の定着部の設計は、コンクリートの許容引張応力度や許容剪断応力度に基づいた定着耐力により補強が成されていたが、安全性の検知から十分でないと予測される場合があり、一層の定着耐力向上のために、経験則に基づく補強が成されていたため、過剰補強が成されることがあった。本出願人はこのような状況に鑑み、効率的な基礎の設計及び補強について鋭意検討を行った結果、特開2000-345571号公報において開示するように、主脚柱に継続的な応力が作用すると、コンクリートに水平のひび割れや垂直のひび割れ(割裂ひび割れ)が発生する。そして、支圧定着方式の場合には、前記割裂ひび割れの発生による影響を大きく受け、この割裂ひび割れが発生した時は、その内の一つでも基礎表面にまで至ると破壊が生じるとの知見を得るに至った。なお、本願発明者等は、割裂ひび割れに直交する方向、すなわち主脚柱の周方向を鋼管により補強し、コンクリートの拘束を向上させて割裂破壊を抑制することにより、定着耐力を飛躍的に向上できることを十数体の模型実験や数値解析から得ている。
上記請求項7記載の本発明においては、隣接する鉄塔主脚柱のコンクリート構造体同士を結合する連結梁を設けるようにするものである。コンクリート構造体を連結梁で連結しておくことにより、基礎の変位を大幅に抑制することが可能となる。
〔第1形態例〕
図1に示されるように、本発明に係る鉄塔基礎構造は、地盤中に打設された複数本の杭体1,1…と、鉄塔の主脚柱2とをコンクリート構造体3を介して接合するに当たり、前記コンクリート構造体3として、内壁面に、周方向に沿って固設されたズレ止め用リブ4,4…を上下方向に複数段に亘って有する鋼管5内にコンクリート6を打設することによって造成された構造体とし、前記コンクリート構造体3の下部側に、前記地盤中に打設された複数本の杭体1,1…の頂部が接合され、かつ前記鉄塔主脚柱2の下部外面に複数段に亘り支圧板7,7…が設けられ、前記支圧板7,7…が配設された主脚柱部分Kが前記コンクリート構造体3に埋設されている構造とするものである。
前記コンクリート構造体3としては、例えば径が1000〜5000mm程度、厚みは約20〜30mm程度の厚肉鋼管が好適に使用される。内壁面に固設されるズレ止め用リブ4,4…としては、打設されるコンクリート6との間で確実に滑りを防止し得る突起形状であれば如何なる断面形状のものであってもよい。例えば、図5(A)に示されるように、鉄筋/鋼棒4aを鋼管5の内壁面に沿って溶接によって固設してもよいし、図5(B)に示されるように、角鋼材4bを用いても良いし、図5(C)に示されるようにフラットバー4cなどを用いてもよい。
前記主脚柱2には、前述したように、風荷重等の方向によって、押込み力又は引抜き力の双方が作用することになるため、押込み力と引抜き力との両者に対応可能とするため、前記ズレ止め用リブ4は、前記鉄塔主脚柱2の支圧板配設部位Kを境に、その上部側及び下部側のそれぞれに配設するようにするのが望ましい。実際には、前記鋼管5の上下方向にほぼ均等の間隔で配置するのが望ましい。
次いで、図2に示される第2形態例に係る基礎構造は、前記コンクリート構造体3の鋼管5周壁部より斜め下方向に向けて打設された斜杭10を設けるものである。斜杭10をコンクリート構造体3に対して一体的に備えることにより、押込み力の向上はもちろんであるが、それ以上に引抜き耐力を大幅に向上できるようになる。なお、前記斜杭10は図示例は1本としたが、複数設けるようにしてもよい。
施工は、先ず最初に、コンクリート構造体3の施工部を地盤掘削したならば、掘削部の壁面より穿孔を行い斜杭10を打設した後、鋼管5を設置する。鋼管5の壁面には、予め前記斜杭10との一体化を図るために定着筋11の挿入口5aが形成されている。
また、前記鋼管5の挿入口5aの外側部分にも、コンクリートを打設し、斜杭10の頭部を固定し、コンクリート構造体3との一体化を図るようにする。
次いで、図3に示される第3形態例に係る基礎構造は、隣接する鉄塔主脚柱2のコンクリート構造体3,3同士を結合するように連結梁12を設けるものである。コンクリート構造体3,3を連結梁12によって相互に連結することにより、基礎の変位を大幅に抑制できるようになる。
次に、本発明に係る鉄塔基礎の設計方法について説明する。
この設計方法は、割裂破壊を防止した上での破壊形態(鋼管5の降伏耐力、支圧板周囲のコンクリートの付着耐力、ズレ止め用リブ4の耐力)を終局耐力としているため合理的な設計となる。
Claims (8)
- 地盤中に打設された複数本の杭体と、鉄塔の主脚柱とをコンクリート構造体を介して接合した鉄塔の基礎構造において、
前記コンクリート構造体は、内壁面に、周方向に沿って固設されたズレ止め用リブを上下方向に複数段に亘って有する鋼管内にコンクリートを打設することによって造成された構造体とし、前記コンクリート構造体の下部側に、前記地盤中に打設された複数本の杭体の頂部が接合され、かつ前記鉄塔主脚柱の下部に定着部材が設けられ、前記定着部材が設けられた主脚柱部分が前記コンクリート構造体に埋設されていることを特徴とする鉄塔の基礎構造。 - 前記複数本の杭体は、口径が400φmm以下又は口径が前記鋼管径の1/6以下の小口径杭とする請求項1記載の鉄塔の基礎構造。
- 前記ズレ止め用リブは、前記鉄塔主脚柱の支圧板配設部位を境に、その上部側及び下部側に夫々配設してある請求項1、2いずれかに記載の鉄塔の基礎構造。
- 前記コンクリート構造体は、その大部分が地盤に埋設されている請求項1〜3いずれかに記載の鉄塔の基礎構造。
- 前記鉄塔主脚柱の径をφ、前記鉄塔主脚柱における支圧板の配設区間長をL、前記鋼管の内径をDとするとき、L/φ=2〜5であり、かつD/φ=2〜10の条件を満足している請求項1〜4いずれかに記載の鉄塔の基礎構造。
- 前記コンクリート構造体の鋼管周壁部より斜め下方向に向けて打設された斜杭を備える請求項1〜5いずれかに記載の鉄塔の基礎構造。
- 前記隣接する鉄塔主脚柱のコンクリート構造体同士を結合する連結梁を備える請求項1〜5いずれかに記載の鉄塔の基礎構造。
- 前記鉄塔主脚柱の本数を2乃至4本とする請求項1〜5いずれかに記載の鉄塔の基礎構造。
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