JP7263671B2 - 杭基礎構造 - Google Patents

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Description

本発明は、杭基礎構造に関する。
隣り合う複数の杭の杭頭部上にプレキャストコンクリート部材を設置し、プレキャスト部材内に現場でコンクリートを打設することにより基礎及び柱を施工する基礎工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、隣り合う複数の杭によって柱が支持される。
特開平10-299003号公報
ところで、複数の杭によって柱を支持する場合、例えば、平面視にて複数の杭の中央に柱が配置される。この場合、各杭に対して柱が偏心するため、柱から各杭に伝達される長期荷重の伝達効率が低下する可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、複数の杭によって柱を支持する杭基礎構造において、柱の長期荷重を複数の杭に効率的に伝達することを目的とする。
第1態様に係る杭基礎構造は、複数の杭と、外周部に下向きの段差面が形成され、柱を支持するプレキャストコンクリート部と、前記プレキャストコンクリート部の周囲に設けられ、前記段差面が埋設される現場打ちコンクリート部と、を有し、複数の前記杭の杭頭部上に設けられるコンクリート造のフーチングと、を備える。
第1態様に係る杭基礎構造によれば、複数の杭と、複数の杭の杭頭部上に設けられるコンクリート造のフーチングとを有する。フーチングは、プレキャストコンクリート部と、プレキャストコンクリート部の周囲に設けられる現場打ちコンクリート部とを有する。プレキャストコンクリート部は、柱を支持する。これにより、柱の長期荷重(鉛直荷重)は、プレキャストコンクリート部の下面から複数の杭頭部へ伝達される。
また、プレキャストコンクリート部は、外周部に下向きの段差面を有する。この段差面は、現場打ちコンクリート部に埋設される。これにより、柱の長期荷重は、段差面から現場打ちコンクリート部を介して複数の杭頭部に伝達される。この際、柱の長期荷重の伝達範囲が、現場打ちコンクリート部によってプレキャストコンクリート部の外側へ広げられる。したがって、柱の長期荷重を複数の杭に効率的に伝達することができる。
第2態様に係る杭基礎構造は、第1態様に係る杭基礎構造において、前記プレキャストコンクリート部の前記外周部には、突出部が設けられ、前記突出部の下面が、前記段差面とされる。
第2態様に係る杭基礎構造によれば、プレキャストコンクリート部の外周部には、突出部が設けられる。この突出部の下面が、段差面とされる。このようにプレキャストコンクリート部の外周部に突出部を設けることにより、プレキャストコンクリート部の外周部に段差面を容易に設けることができる。
また、プレキャストコンクリート部の外周部からの突出部の突出量(突出高さ)や、杭頭部から突出部の下面までの高さを増減することにより、段差面から現場打ちコンクリート部を介して杭頭部に伝達される柱の長期荷重の伝達範囲を調整することができる。
第3態様に係る杭基礎構造は、第1態様又は第2態様に係る杭基礎構造において、側面視にて、前記段差面の外端から外側下方へ斜め45°の範囲内に、前記複数の杭の何れかの杭頭部の中心が配置される。
第3態様に係る杭基礎構造によれば、側面視にて、プレキャストコンクリート部の段差面の外端から外側下方へ斜め45°の範囲内に、複数の杭の何れかの杭頭部の中心が配置される。これにより、柱の長期荷重は、プレキャストコンクリート部の段差面から現場打ちコンクリート部を介して杭の杭頭部の中心部へ伝達される。したがって、柱の長期荷重を杭に効率的に伝達することができる。
第4態様に係る杭基礎構造は、第1態様第3態様の何れか1つに係る杭基礎構造において、前記プレキャストコンクリート部には、前記外周部から突出し、前記現場打ちコンクリート部に埋設される補強部材が設けられる。
第4態様に係る杭基礎構造によれば、プレキャストコンクリート部には、補強部材が設けられる。補強部材は、プレキャストコンクリート部の外周部から突出し、現場打ちコンクリート部に埋設される。これにより、地震時に、補強部材を介して、プレキャストコンクリート部と現場打ちコンクリート部との間で短期荷重が伝達される。したがって、フーチングの耐震性能が向上する。
以上説明したように、本発明に係る杭基礎構造によれば、複数の杭によって柱を支持する杭基礎構造において、柱の長期荷重を複数の杭に効率的に伝達することができる。
一実施形態に係る杭基礎構造が適用された構造物の基礎部を示す縦断面図である。 図4の2-2線断面図である。 図1に示される杭基礎構造の施工過程を示す立面図である。 図1に示される杭基礎構造の施工過程を示す立面図である。 図1に示される杭基礎構造の施工過程を示す立面図である。 比較例に係る杭基礎構造を示す縦断面図である。 図1に示される杭基礎構造の変形例を示す立面図である。 図1に示される杭基礎構造の変形例を示す立面図である。 (A)及び(B)は、図1に示される杭基礎構造の変形例を示す図2に対応する断面図である。
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る杭基礎構造について説明する。
(杭基礎構造)
図1には、本実施形態に係る杭基礎構造20が適用された構造物(建物)10の基礎部12が示されている。構造物10の基礎部12は、複数の杭22で1本の柱14を支持する杭基礎とされている。この基礎部12は、複数の杭22と、ベース体30と、フーチング40と、複数の基礎梁70とを備えている。
(杭)
杭22は、例えば、コンクリート杭や鋼杭とされており、地盤Gに設けられている。図2に示されるように、複数の杭22は、平面視にて、互いに隣り合うように配置されている。より具体的には、4本の杭22は、平面視にて4本の杭22の杭頭部22Hを結ぶ線が矩形状になるように互いに隣り合って配置されている。これらの杭22の杭頭部22H上には、ベース体30が設けられている。
なお、杭22の形状や構造、配置は、適宜変更可能である。また、杭22は、新設杭でも良いし、既存杭でも良い。
(ベース体)
図1に示されるように、ベース体30は、鉄筋コンクリート造とされており、内部に補強筋32が適宜埋設されている。このベース体30は、地盤Gを掘削した掘削部に形成されている。また、ベース体30は、平面視にて矩形状の盤状に形成されており、複数の杭22の杭頭部22Hに亘って設けられている。このベース体30には、複数の杭22の杭頭部22Hが埋設されている。
なお、ベース体30に杭22の杭頭部22Hを埋設せずに、ベース体30を杭22の杭頭部22Hに設けても良い。また、ベース体30は、地盤Gの掘削部ではなく、地上に形成することも可能である。
図3に示さるように、ベース体30には、当該ベース体30と後述するフーチング40とを接続する接続鉄筋34が設けられている。接続鉄筋34は、端部がベース体30の上面30Uから上方へ突出された状態で、ベース体30に埋設されている。このベース体30上には、フーチング40が設けられている。なお、図2では、接続鉄筋34の図示が省略されている。
(フーチング)
図1に示されるように、フーチング40は、鉄筋コンクリート造とされており、内部に補強筋62等が埋設されている。また、フーチング40は、ベース体30を介して複数の杭22の杭頭部22H上に設けられている。このフーチング40及びベース体30を介して、複数の杭22、柱14、及び複数の基礎梁70が相互に接合されている。
フーチング40は、プレキャストコンクリート部(プレキャストコンクリート部材)42と、現場打ちコンクリート部60とを有している。プレキャストコンクリート部(以下、「プレキャスト部」という)42は、プレキャストコンクリートによって形成されており、フーチング40上に立てられる柱14を支持する。なお、プレキャスト部42は、例えば、工場や敷地内サイト等によって形成される。
図2に示されるように、プレキャスト部42は、角柱状に形成されている。また、プレキャスト部42は、平面視にて、複数の杭22の杭頭部22Hの中央部に配置されている。なお、プレキャスト部42は、角柱状に限らず、例えば、円柱状であっても良い。
図1に示されるように、プレキャスト部42には、複数の接合筋44が埋設されている。複数の接合筋44は、例えば、アンカー筋や、柱主筋とされる。各接合筋44は、上下方向に沿ってプレキャスト部42に埋設されるとともに、上端部がプレキャスト部42の上面42Uから上方へ突出している。これらの接合筋44には、例えば、フーチング40上に立てられる柱14の図示しない柱主筋や、ベースプレートが接合される。
なお、柱14は、鉄筋コンクリート造や、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造とされる。また、柱14は、プレキャスト部材で形成しても良いし、現場打ちコンクリートで形成しても良い。
プレキャスト部42には、複数の上端梁主筋46及び複数の下端梁主筋48が設けられている。複数の上端梁主筋46は、プレキャスト部42の上部の側面42Sから突出している。また、複数の下端梁主筋48は、プレキャスト部42の下部の側面42Sから突出している。これらの上端梁主筋46及び下端梁主筋48には、基礎梁70の上端梁主筋72及び下端梁主筋74が接続されている。
(基礎梁)
基礎梁70は、プレキャストコンクリートによって形成されている。この基礎梁70は、断面矩形状に形成されており、プレキャスト部42の側面42Sに端面70Eを対向させた状態で配置されている。この基礎梁70の内部には、複数の上端梁主筋72及び複数の下端梁主筋74が埋設されている。
複数の上端梁主筋72及び複数の下端梁主筋74は、基礎梁70の材軸方向に沿って基礎梁70に埋設されるとともに、基礎梁70の端面70Eからそれぞれ突出している。上端梁主筋72は、機械式継手76を介してプレキャスト部42の上端梁主筋46と接続されている。また、下端梁主筋74は、機械式継手76を介してプレキャスト部42の下端梁主筋48と接続されている。
なお、基礎梁70の上端梁主筋72と、プレキャスト部42の上端梁主筋46とは、機械式継手76に限らず、溶接で接続(接合)しても良い。これと同様に、基礎梁70の下端梁主筋74とプレキャスト部42の下端梁主筋48とは、機械式継手76に限らず、溶接で接続(接合)しても良い。
プレキャスト部42の上部の外周部には、突出部50が設けられている。突出部50は、プレキャスト部42の上部の各側面42Sから外側へ突出している。この突出部50は、プレキャスト部42の上部の全周に亘って設けられており、平面視にて矩形状の環状に形成されている。
突出部50の下面は、下向きの段差面(以下、「下向き段差面」という)50Lとされている。下向き段差面50Lは、略水平な平坦面とされており、プレキャスト部42から各杭22の杭頭部22H側(外側)へ延出している。この下向き段差面50Lは、後述する現場打ちコンクリート部60(図1参照)に埋設されている。
また、突出部50の上面は、上向きの段差面(以下、「上向き段差面」という)50Uとされている。下向き段差面50Lは、略水平な平坦面とされており、プレキャスト部42から各杭22の杭頭部22H側(外側)へ延出している。この上向き段差面50Uは、後述する現場打ちコンクリート部60に埋設されている。なお、下向き段差面50L及び上向き段差面50Uは、例えば、傾斜面や湾曲面であっても良い。
プレキャスト部42には、当該プレキャスト部42と後述する現場打ちコンクリート部60とを接続する複数の補強部材52が埋設されている。複数の補強部材52は、鉄筋によって形成されている。これらの補強部材52は、プレキャスト部42の上部及び下部の側面42Sからそれぞれ突出しており、現場打ちコンクリート部60(図1参照)に埋設される。なお、補強部材52は、鉄筋に限らず、例えば、スタッドやアングル等であっても良い。
図1に示されるように、現場打ちコンクリート部(以下、「現場打ち部」という)60は、鉄筋コンクリート造とされており、ベース体30上に設置されたプレキャスト部42の周囲に、補強筋62を適宜配筋した状態でコンクリートを打設することにより形成されている。また、現場打ち部60には、前述した複数の上端梁主筋46,72、下端梁主筋48,74、機械式継手76、及び補強部材52が埋設されている。この現場打ち部60を介して、プレキャスト部42とベース体30及び複数の杭22とが接合されている。また、現場打ち部60を介して、プレキャスト部42と基礎梁70とが接合されている。
また、現場打ち部60には、プレキャスト部42の突出部50の全体が埋設されている。また、現場打ち部60は、プレキャスト部42の下向き段差面50Lとベース体30の上面30Uとの間に隙間なく充填されている。これにより、柱14の長期荷重(鉛直荷重)Nが、プレキャスト部42の下向き段差面50Lから現場打ち部60を介して杭22に伝達される。また、地震時に柱14に作用する引抜き力Fが、突出部50の上向き段差面50Uから現場打ち部60を介して基礎梁70に伝達される。
なお、プレキャスト部42の側面42Sには、現場打ちコンクリート部60との付着力を高めるコッター54(図4参照)が形成されている。また、図示を省略するが、基礎梁70の端面70Eにも、現場打ちコンクリート部60との付着力を高めるコッターが形成されている。なお、各種のコッター54等は、適宜省略可能である。
ここで、図4に示されるように、プレキャスト部42の側面42Sから延出する下向き段差面50Lの延出長さ(突出部50の突出量(突出高さ))a、及び杭22の杭頭部22Hから下向き段差面50Lまでの高さhは、例えば、次のように設定される。
すなわち、下向き段差面50Lの延出長さa及び高さhは、側面視にて、より具体的には下向き段差面50U及び杭頭部22Hを含む縦断面視にて、下向き段差面50Lの外端50L1(下向き段差面50Lの延出方向の先端)から、外側下方へ斜め45°の範囲(以下、「伝達範囲M」という)内に、何れかの杭22の杭頭部22Hの中心Cが配置されるように設定される。これにより、柱14の長期荷重Nが、下向き段差面50Lを介して杭22の杭頭部22Hに効率的に伝達される。
また、下向き段差面50Lは、現場打ち部60から上向きの反力Rを受ける。この反力Rによって突出部50の根元部分が破損(せん断破壊)しないように突出部50の縦幅(上下方向の長さ)bが設定される。
次に、本実施形態に係る杭基礎構造20の施工方法の一例について説明する。
先ず、図3に示されるように、杭施工工程において、複数の杭22を地盤Gに施工する。この際、複数の杭22は、互いに隣り合うように配置する。なお、杭22として既存杭を利用する場合には、杭施工工程は省略される。
次に、ベース体施工工程において、複数の杭22の杭頭部22Hの周辺に、ベース体30を施工し、これらの杭頭部22Hをベース体30に埋設する。
次に、図4に示されるように、プレキャスト部設置工程において、図示しない揚重機等によってプレキャスト部42を吊り上げ、ベース体30の上面30Uの中央部にプレキャスト部42を設置する。この際、プレキャスト部42は、平面視にて、互いに隣り合う杭22の杭頭部22Hの中央部に設置する。なお、プレキャスト部42は、工場や敷地内サイト等によって予め形成しておく。また、プレキャスト部42は、平面視にて、互いに隣り合う杭22の杭頭部22Hの中央部から外れた位置に配置することも可能である。
以上の手順を繰り返し、図5に示されるように、複数のプレキャスト部42を施工する。
次に、基礎梁施工工程において、隣り合うプレキャスト部42の間に基礎梁70を設置する。そして、図1に示されるように、基礎梁70の端面70Eから突出する複数の上端梁主筋72と、プレキャスト部42の側面42Sから突出する複数の上端梁主筋46とを機械式継手76を介して接続する。また、基礎梁70の端面70Eから突出する複数の下端梁主筋74と、プレキャスト部42の側面42Sから突出する複数の下端梁主筋48とを機械式継手76を介して接続する。なお、基礎梁70は、工場や敷地内サイト等によって予め形成しておく。
次に、現場打ち部施工工程において、ベース体30の外周部に沿って図示しない型枠を仮設し、仮設した型枠内に補強筋32を適宜配筋した状態でコンクリートを打設する。これにより、プレキャスト部42の周囲に現場打ち部60が形成され、プレキャスト部42及び現場打ち部60によってフーチング40が形成される。この結果、現場打ち部60を介して、プレキャスト部42とベース体30及び複数の杭22とが接合される。また、現場打ち部60を介して、プレキャスト部42と基礎梁70とが接合される。
次に、柱施工工程において、プレキャスト部42上に柱14を施工する。この柱14は、フーチング40を介して複数の杭22に支持されるとともに、フーチング40を介して基礎梁70と接合される。
なお、柱施工工程は、基礎梁施工工程の前や、現場打ち部施工工程の前に行っても良い。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
先ず、本実施形態に係る杭基礎構造20の作用を明確にするために、比較例に係る杭基礎構造100について説明する。
図6に示されるように、杭基礎構造100では、複数の杭22の杭頭部22H上にフーチング102が設けられている。このフーチング102は、現場において、複数の杭22の杭頭部22Hの周囲にコンクリートを打設することにより形成されている。このフーチング102の上には、柱14が立てられている。この柱14は、フーチング102を介して複数の杭22に支持されている。
ここで、柱14は、平面視にて複数の杭22の中央に配置されており、各杭22に対して柱14が偏心している。この場合、柱14の長期荷重Nは、柱14の下面からフーチング102を介して複数の杭22の中央部に伝達される。したがって、柱14から各杭22に伝達される長期荷重Nの伝達効率が低下する可能性がある。
これに対して本実施形態に係る杭基礎構造20では、図1に示されるように、複数の杭22の杭頭部22H上に、ベース体30を介してフーチング40が設けられている。フーチング40は、プレキャスト部42と、現場打ち部60とを有している。プレキャスト部42は、柱14を支持している。これにより、柱14の長期荷重Nは、プレキャスト部42の下面42Lからベース体30を介して複数の杭頭部22Hへ伝達される。
ここで、プレキャスト部42は、外周部に下向き段差面50Lを有している。この下向き段差面50Lは、現場打ち部60に埋設されている。これにより、柱14の長期荷重Nは、下向き段差面50Lから現場打ち部60を介して複数の杭頭部22Hに伝達される。この際、柱14の長期荷重Nの伝達範囲Mが、図4に二点鎖線で示されるように、現場打ち部60によってプレキャスト部42の外側へ広げられる。
より具体的に説明すると、柱14の長期荷重Nは、側面視にて、下向き段差面50Lの外端50L1から外側下方へ斜め45°の伝達範囲Mに伝達される。したがって、本実施形態では、プレキャスト部42が下向き段差面50Lを有しない構成と比較して、柱14の長期荷重Nを杭22の杭頭部22Hに効率的に伝達することができる。
特に本実施形態では、側面視にて、プレキャスト部42の下向き段差面50Lの外端50L1から外側下方へ斜め45°の伝達範囲M内に、杭22の杭頭部22Hの中心Cが配置されている。これにより、柱14の長期荷重Nが、プレキャスト部42の下向き段差面50Lから現場打ち部60を介して杭22の杭頭部22Hの中心C(中心部)へ伝達される。したがって、柱14の長期荷重Nを杭22に効率的に伝達することができる。
また、下向き段差面50Lは、突出部50の下面によって形成されている。したがって、プレキャスト部42の外周部に突出部50を設けることにより、プレキャスト部42に下向き段差面50Lを容易に設けることができる。
また、下向き段差面50Lの延出長さa及び高さhを増減することにより、柱14の長期荷重Nの伝達範囲Mを調整することができる。
さらに、プレキャスト部42には、複数の補強部材52が設けられている。複数の補強部材52は、プレキャスト部42の外周部から突出し、現場打ち部60に埋設されている。これにより、地震時には、複数の補強部材52のダウエル効果によって、プレキャスト部42と現場打ち部60との間で短期荷重が伝達される。したがって、フーチング40の耐震性能が向上する。
また、図1に示されるように、プレキャスト部42の上向き段差面50Uは、現場打ち部60に埋設されている。これにより、地震時に柱14に作用する引抜き力Fが、突出部50の上向き段差面50Uから現場打ち部60を介して基礎梁70に伝達される。したがって、フーチング40の耐震性能がさらに向上する。
また、プレキャスト部42は、ベース体30を介して複数の杭22上に設けられている。これにより、複数の杭22に対するプレキャスト部42の位置決めや、プレキャスト部42のレベル調整、現場打ち部60の補強筋62の配筋作業が容易となる。さらに、プレキャスト部42の上端梁主筋46及び下端梁主筋48と、基礎梁70の上端梁主筋72及び下端梁主筋74との接続作業が容易となる。したがって、杭基礎構造20の施工性が向上する。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態の突出部50は、プレキャスト部42の外周部の全周に亘って設けられるが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図7に示される変形例では、プレキャスト部42の各側面42Sに、突起状に突出する突出部80が設けられており、この突出部80の下面によって下向き段差面80Lが形成されている。
また、上記実施形態では、突出部50の下面によって下向き段差面50Lが形成されるが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図8に示される変形例では、プレキャスト部42の上部42Aの横断面積が、プレキャスト部42の下部42Bの横断面積よりも大きくされている。これにより、プレキャスト部42の上部42Aと下部42Bとの間に下向き段差面82が形成されている。
また、上記実施形態では、下向き段差面50Lの外端50L1から外側下方へ斜め45°の伝達範囲M内に、杭22の杭頭部22Hの中心Cが配置されるが、上記実施形態はこれに限らない。伝達範囲Mには、杭22の杭頭部22Hの少なくとも一部を配置することができる。
また、上記実施形態では、突出部50の上向き段差面50Uが現場打ち部60に埋設されるが、上向き段差面50Uは、現場打ち部60に埋設せずに、現場打ち部60から突出させても良い。また、上向き段差面50Uと現場打ち部60の上面とを面一にしても良い。
また、上記実施形態では、4本の杭22によって柱14が支持されるが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図9に示される変形例のように、3本の杭22によって柱14が支持されても良いし、図10に示される変形例のように、2本の杭22によって柱が支持されても良い。この場合、例えば、杭頭部22Hに位置に応じて、プレキャスト部42の外周部に突出部50、86が設けられる。
また、上記実施形態では、ベース体30とフーチング40の現場打ち部60とが別々に施工されるが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、複数の杭頭部22H上に、架台を介してプレキャスト部42を設置する。この状態で、プレキャスト部42の周囲にコンクリートを打設するとともに、プレキャスト部42と複数の杭頭部22Hとの間(隙間)にコンクリートを打設することにより、ベース体30と現場打ち部60とを一体に施工しても良い。
また、複数の杭頭部22H上には、ベース体30に替えて、捨てコンクリートや、鋼製ベースプレートが設けられても良い。
また、上記実施形態では、プレキャスト部42には、補強部材52が設けられるが、補強部材52は、適宜省略可能である。
また、上記実施形態では、フーチング40の内部に補強筋62が配筋されるが、補強筋62は省略可能である。つまり、フーチングは、鉄筋の有無に関わらず、コンクリートで形成されたコンクリート造にすることができる。また、フーチング40及びプレキャスト部42の形状は、適宜変更可能である。
また、フーチング40上に立てられる柱14は、鉄筋コンクリート造に限らず、鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄骨造であっても良い。
また、プレキャスト部42は、プレキャストコンクリートで形成された柱14の柱脚部であっても良い。
また、上記実施形態では、基礎梁70がプレキャストコンクリートによって形成されるが、基礎梁70は、現場打ち工法によって形成されても良い。また、基礎梁70は、適宜省略可能である。なお、基礎梁70を省略した場合は、例えば、プレキャスト部42の上端梁主筋46及び下端梁主筋48も省略可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
14 柱
20 杭基礎構造
22 杭
22H 杭頭部
40 フーチング
42 プレキャストコンクリート部
50 突出部
50L 下向き段差面(段差面)
50L1 外端
52 補強部材
60 現場打ちコンクリート部
80 突出部
82 下向き段差面(段差面)
84 段差面(段差面)
86 段差面(段差面)

Claims (2)

  1. 複数の杭と、
    柱を支持するプレキャストコンクリート部と、前記プレキャストコンクリート部の周囲に設けられた現場打ちコンクリート部と、を有し、複数の前記杭の杭頭部上に設けられるコンクリート造のフーチングと、
    を備え、
    前記プレキャストコンクリート部の外周部のそれ自体には、前記プレキャストコンクリート部の底面から上方に離れた位置に、前記現場打ちコンクリート部に埋設された下向きの段差面が形成されており、側面視にて、前記段差面の外端から外側下方へ斜め45°の範囲内に、前記複数の杭の何れかの杭頭部の中心が位置し
    前記プレキャストコンクリート部の前記外周部には、前記プレキャストコンクリート部の側面から外側へ突出する突出部が設けられ、
    前記突出部の下面が、前記段差面とされる、
    杭基礎構造。
  2. 前記プレキャストコンクリート部には、前記外周部から突出し、前記現場打ちコンクリート部に埋設される補強部材が設けられる、
    請求項1に記載の杭基礎構造。
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