JP2006316495A - 橋脚基礎構造とその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
同一断面である鋼管杭と鋼管橋脚とから成る鋼管を少なくとも一本有する橋脚基礎構造およびその施工方法において、簡単な構成によってその耐震性能を向上させ、施工期間を短縮させる。
【解決手段】
同一断面である鋼管杭110と鋼管橋脚120とから成る鋼管100を複数有する橋脚基礎構造において、前記鋼管100が貫通できるフーチング200を予め地表に設ける。フーチング200の有する貫通孔に、鋼管100を打設する際の打設ガイドとしての機能を発揮させることにより、本橋脚基礎構造を備える橋梁の構築に要する施工期間を短縮できる。また、鋼管100と前記貫通孔との間にくさびを打ち込みモルタルで間詰めするという簡単な施工で容易に剛結化を図ることができる。以上のような簡単な構成で、鋼管100を支持する支点を追加できるので、橋梁の耐震性を容易に向上できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、橋梁の橋脚基礎構造と、その施工方法に関する。
一般的に鋼管杭基礎と橋脚とを備える橋梁では、その施工前において分離されている鋼管杭と橋脚とを接合する必要があり、その接合方法や施工方法として、例えば特許文献1〜5で示すものが開発され提供されている。このうち、特許文献1及び2では、鋼管杭施工後に設けられたフーチング内において鋼管杭と橋脚とが一体化される構造を開示する。一方、特許文献3〜5では、フーチングを構築することなく、同一断面である鋼管杭と橋脚とを一体化させる構造を開示する。以下にそれぞれの特許文献の概略を説明する。
特許文献1は、橋脚の下部に用いられるフーチングと、該フーチングの下部に設置されて構造物を支持する鋼管杭とを、両者の間に設けた接続部鋼管を介して接合する接合構造を開示する。また、地震が発生し、水平力が前記鋼管杭に作用した場合において、鋼管杭に生じる最大曲げモーメントが低減される効果に関しても述べられている。
特許文献2は、フーチングを築造することにより鋼管杭と橋脚を接合する構造を開示する。また、鋼管杭の頭部(上端部)に鋼製受圧板を配設することにより、橋脚やフーチングの荷重を鋼管杭へ確実に伝達する、とされている。
特許文献3は、鋼管矢板(鋼管杭に相当)の頭頂部にフーチングを構築することなく、橋脚本体(橋脚)を構築する上下部一体構造橋梁の施工方法を開示する。具体的には、地盤の所定の位置に打ち込まれた鋼管矢板の頭頂部に鋼管柱を溶接等により直接立設することにより、工期を大幅に短縮できる、とされている。
特許文献4は、柱部材としての鋼製柱(橋脚)の下部を地中に埋設した鋼管杭に差し込み、該差し込み部に充填する接合コンクリートにより前記両部材を一体化することで橋脚を構築する、とされている。
特許文献5は、地盤に立設された鋼管杭内に、張り出し部が設けられたT字状の鋼製部材の脚部を挿入してコンクリートで固定して構成された橋脚を開示する。また、特許文献5では、鋼管杭と鋼製部材とからなる橋脚に代わる鉄筋コンクリート造の橋脚に関しても述べている。
また、施工前に鋼管杭と橋脚とが分離されておらず、両者が一体として設けられる簡単な構造の橋脚(パイルベント橋脚と呼ばれる。)も提供されており、主に簡易的な橋梁に適用されている。
前記パイルベント橋脚と同様に鋼管杭の断面と橋脚の断面を同一とする橋梁の中でも、鋼管杭の本数低減と耐震性向上を目的として、橋脚上部をトラス構造とする橋梁も提供されている(例えば、特許文献6に開示されるジャケット桟橋)。
特開2002−54158号公報(請求項1・図2、耐震性に関して、0017・0018) 特開2000−355938号公報(請求項1、図1) 特開2004−278148号公報(施工方法に関して請求項1、構造に関して図12等) 特開2004−156292号公報(請求項1、図2) 特開2003−049407号公報(構成に関して、0009) 特開2004−183324号公報(構成に関して、請求項1)
しかし、上記の特許文献1や特許文献2のように、鋼管杭基礎の断面と橋脚の断面が異なり、フーチング内においてそれらを接合する橋脚基礎構造においては、フーチング内での接合部の構造が煩雑となる。また、このような橋脚基礎構造の施工においては、鋼管杭基礎を打設後、フーチングを構築してから橋脚を施工するため、橋梁の構築に相応の工期を要する。また、フーチング以下(鋼管杭含む)は剛体として扱われるので、地表より上方の構造物(橋脚や上部工等)と別々に設計される必要がある。
一方、特許文献3〜5に開示される種々の橋脚基礎構造では、鋼管杭と橋脚が同一断面であるので、鋼管杭を打設してすぐに橋脚を構築でき、したがって施工に要する工期を短縮できて、都市内での急速施工が実現可能である、とされるが、耐震性に劣るという問題を抱えている。
前記パイルベント橋脚も、耐震性の面で十分な強度が確保されていない、という問題がある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
同一断面である鋼管杭と鋼管橋脚とから成る鋼管を少なくとも一本有する橋脚基礎構造において、前記鋼管が貫通するフーチングを設ける。
以上の構成により、前記フーチングを設けるという簡素な構成で、前記鋼管を支持する支点が追加されるので、前記橋脚基礎構造を基礎とする橋梁等の耐震性能を容易に向上できる。
また、前記鋼管杭の打設と同時に前記鋼管橋脚も含めた基礎構造が構築され、更には、前記鋼管杭の打設前に前記フーチングを設置した場合には、前記フーチングの前記鋼管が貫通する孔(単に貫通孔ともいう。)に、前記鋼管(前記鋼管杭)の打設時における打設ガイドとしての機能を発揮させることができる。従って、施工性が向上し、施工期間を短縮できる。
前記フーチングが地表近傍あるいは水底近傍に設置されていてもよい。
以上の構成により、前記鋼管を支持する支点を高い位置にできるので、耐震性を一層向上できる。
前記フーチングと前記鋼管との間にくさびが設けられていてもよい。
以上の構成により、前記フーチングと前記鋼管との間に前記くさびを設けるという簡単な構成で互いを剛結化(一体化)できる。
前記フーチングと前記鋼管との間に、前記フーチングの上方側よりくさびが打ち込まれていてもよい。
以上の構成により、前記フーチングを地表近傍あるいは水底近傍に設置した場合でも、容易に前記くさびを打ち込むことができ、したがって容易に両者を剛結化できる。
また、この場合、橋脚基礎構造の上端に設置される橋梁の自重などの前記鋼管を地中へ押し込もうとする力を利用して、前記くさびがさらに食い込むこととなるので、前記鋼管が地中へこれ以上沈下することを防止できる。
前記フーチングと前記鋼管との間がモルタルで間詰めされ、剛結化されていてもよい。
以上の構成により、簡単な構成で前記フーチングと前記鋼管とをより一層剛結化(一体化)できる。
また前記鋼管に対する引き抜き力および曲げモーメント力に対して十分な強度を得ることができる。具体的には、前記の作用力によって前記くさびが抜脱したり、緩くなることを防止できる。
前記鋼管と、床版などを含む上部工との結合部にトラスを形成し、かつ上下部一体構造をなしていてもよい。
以上の構成により、固定点、すなわち不静定次数が増加するので、前記橋脚基礎構造を基礎とする橋梁の耐震性能を向上でき、同時に必要とする前記鋼管の本数を低減できる。
また、上下部一体構造(支承を省略した構造)であるので、建設費および維持管理費を低減できる。
さらに、前記結合部をトラスとすることで、橋脚と上部工との剛結部構造を比較的容易に構築できる。
前記上部工は、主構トラスの上側に床版を支持する上路トラスであってもよい。
以上の構成により、前記結合部のトラスと、前記上路トラスの主構トラスとを連続して設けることができるので、より簡単に前記剛結部構造を構築できる。
また、同種のコンクリート橋に比べ上部工を軽量とできるので、下部工の規模を小さくでき、例えば、前記鋼管の径を小さくできる。
同一断面である鋼管杭と鋼管橋脚とから成る鋼管を少なくとも一本有する橋脚基礎構造の施工方法において、前記鋼管が貫通する孔を有するフーチングを予め設置し、前記鋼管を前記フーチングの前記孔に貫通させながら打設し、前記フーチングと前記鋼管との間にくさびを打ち込むことによって両者を剛結化させる。
これにより、前記フーチングの前記鋼管が貫通する孔に前記鋼管(前記鋼管杭)の打設時において打設ガイドとしての機能を発揮させることで、かつ前記鋼管杭の打設と同時に前記鋼管橋脚が構築されるよう構成されているので、施工性が向上し、施工期間を短縮できる。
また、打設ガイドの機能を有する前記貫通孔に前記鋼管を貫通させた後、前記フーチングと前記鋼管との間に生じる間隙に前記くさびを打ち込むという簡単な施工で、前記フーチングと前記鋼管とを剛結化できる。
また、前述のパイルベント橋脚と比較しても、前記鋼管を支持する支点が追加されるので、前記橋脚基礎構造を基礎とする橋梁の耐震性能を向上できる。
前記フーチングが地表近傍あるいは水底近傍に設置され、前記くさびが前記フーチングに対して上方側から打ち込まれていてもよい。
これにより、前記フーチングの前記貫通孔に前記鋼管(前記鋼管杭)の打設時においてより確実にガイドとしての機能を発揮させることができる。また、前記鋼管を支持する支点を高い位置にできるので、耐震性を一層向上できる。
また、前記フーチングを地表近傍あるいは水底近傍に設置した場合でも、容易に前記くさびを打ち込むことができ、したがって容易に両者を剛結化できる。
また、こうすることで、橋脚基礎構造の上端に設置される橋梁の自重などの前記鋼管を地中へ押し込もうとする力に対して前記くさびがさらに食い込み、前記鋼管が地中へこれ以上沈下することを防止できる。
前記フーチングと前記鋼管との間隙に前記くさびが打ち込まれた後に、隣り合う前記くさびの間隙がモルタルで間詰めされ剛結化されてもよい。
これにより、簡単な施工で前記フーチングと前記鋼管とをより一層剛結化(一体化)でき、また前記鋼管に対する引き抜き力および曲げモーメント力に対して十分な強度を得ることができる。具体的には、前記の作用力によって前記くさびが抜脱したり、緩くなることを防止できる。
以下、図1〜3を参照しつつ、本発明に係る橋脚基礎構造の第1の実施の形態に関して説明する。
本実施形態では、本発明に係る橋脚基礎構造がラーメントラス橋に適用されている例に関して説明する。なお、ラーメントラス橋とは、上部工の下面や、上部工と橋脚との間にトラスが形成され、かつ支承が省略され、上部工と下部工とが剛結化される上下部一体構造を特徴とする橋梁のことである。
図1は、本実施形態における橋脚基礎構造が適用されているラーメントラス橋1の側面図である。
図2は、図1におけるA−A’断面図である。
図3は、図1及び図2に示すフーチングのみの平面図である。
ラーメントラス橋1は大きくわけて以下のように構成されている。
すなわち、地中に打ち込まれる複数の鋼管100と、地表に設けられ、鋼管100を貫通させることによって鋼管100を支持するフーチング200と、鋼管100の上部に設けられる上部工としてのジャケット式上路トラス300と、から構成されている。
地盤に略垂直に打設される複数の鋼管100は、地中の硬質部分まで埋設される鋼管杭110と、地表から所定の距離だけ露出し、前記の鋼管杭110と同一断面である鋼管橋脚120と、から構成されている。
それぞれの鋼管100は、鋼管杭110の部分と鋼管橋脚120の部分とが一体とされた構造になっている。また、鋼管100は、その軸方向に垂直な面で切った断面が、軸方向で一様となっている。言い換えれば、鋼管杭110の断面と鋼管橋脚120の断面とが共通化されている。
また、本実施形態における前記複数の鋼管100は、3×3の格子状に配置された計9本を1組とし、ラーメントラス橋1の橋軸方向に沿って一組ずつ適宜の間隔で並べられている。
フーチング200は、地表に設けられ、鋼管100を貫通させることにより鋼管100を支持するものであって、コンクリート製か、あるいは鋼殻内部にコンクリートを打設した合成構造となるよう構成されており、図3に示すように、鋼管100のそれぞれが貫通できる貫通孔201を有している。
本実施形態における貫通孔201は、前記複数の鋼管100の配置に対応するよう3×3の格子状に配置されており、そのそれぞれは少なくとも鋼管100が貫通できる程度の径を有する下向きの截頭円錐状となるよう形成されている。
本実施形態におけるフーチング200は、上記1組(計9本)の鋼管100を互いに連結させる機能をも備えている。
鋼管100とフーチング200との剛結部分に関しては後述する。
ジャケット式上路トラス300は、鋼管100の上部に設けられる上部工であって、主構トラス301の上側に鉄筋コンクリート床版350を支持する立体鋼管トラス構造物である。
主構トラス301は、鉄筋コンクリート床版350の下面に鋼材製であって橋軸方向に延在する縦梁と横梁による格子状の床組304が組まれており、縦梁を上弦材とし、この縦梁と、床組304の下側に縦梁と対応して配設される下弦材305とが、鉛直材306および斜材307、水平材308によって結合されて構成されている。
また、鉄筋コンクリート床版350の側面には、車両等が落下するのを防止する壁面である壁高欄351が形成されており、また、鉄筋コンクリート床版350の上面は、アスファルト(不図示)により厚さが20〜30cmとなるよう舗装されている。
鉛直材306のより具体的な形状、および鉛直材306と鋼管橋脚120との結合部分に関しては後述する。
次に、図3〜6に基づいて、鋼管100とフーチング200との剛結部の説明をする。
図4は、図3のB−B’断面図であって貫通孔に鋼管が貫通されている状態の図を示す。
図5は、図4において、貫通孔と鋼管との間にくさびが嵌挿された状態の図を示す。
図6は、図5のC−C’断面図である。
図4に示すように、地表に設けられたフーチング200の貫通孔201と、前記貫通孔201に貫通させて地盤へ打設される鋼管100との間には、円周状であって鉛直上向きに広がる傾斜間隙202が形成されている。
上記の傾斜間隙202には、図5及び図6に示すように、くさび203が円周方向に所定の間隔で、かつフーチング200の上側から打ち込まれており、このような簡単な構成で鋼管100とフーチング200との剛結化(一体化)が図られている。
これにより、ラーメントラス橋1の自重など、鋼管100を地中へ押し込もうとする力を利用して、くさび203がさらに食い込むこととなるので(くさび効果)、鋼管100が地中へこれ以上沈下することを防止できる。
また、図6に示すように、傾斜間隙202内であって隣り合うくさび203の間隙には、モルタル204が充填されている。そして、モルタル204が硬化時に膨張することによって、前記間隙が間詰めされており、鋼管100とフーチング200、およびくさび203の一体化がより図られるよう構成されている。
これにより、例えば鋼管100を引き抜こうとする力や、鋼管100に対する曲げモーメント力に対して剛結部に十分な強度を確保できる。
また、図5及び図6に示すように、鋼管100内部であってフーチング200近傍にはコンクリート205が打設され、補強されている。
これにより、ラーメントラス橋1に振動等が作用し、鋼管100の支点の一つである鋼管100のフーチング200付近に大きな曲げ作用が働いた場合でも、それによって鋼管100が変形し損傷することを防止できる。
次に、ジャケット式上路トラス300の鉛直材306のより具体的な形状と、前記鉛直材306と鋼管橋脚120の上部との結合部分に関して説明する。
鉛直材306は鋼管橋脚120の外径より若干大きい内径を有する鋼管であって、その下端はラッパ状に若干広げられており、その上端は縦梁と横梁により格子状に構成された床組304の格子点に接続され溶接等の適宜の固定手段により固定されている。また、鉛直材306内部の上方所定の高さには、鋼管100上にジャケット式上路トラス300を設置する際に、鋼管100上端が当接するための十字板等の支持材(不図示)が設けられている。
また、鉛直材306の内周面と鋼管100の外周面との間に形成されている間隙にはグラウト材が充填されており、これによってジャケット式上路トラス300が鋼管100に確実に固定されるよう構成されている。
なお、本実施形態のラーメントラス橋1においては、鋼管100、フーチング200、くさび203、モルタル204を含めた部分が、橋脚基礎構造に相当する。
次に、本実施形態におけるラーメントラス橋1の施工方法について説明する。
まず、ラーメントラス橋1を設置する地形を調査し、ジャケット式上路トラス300を橋架するために必要とする鋼管100の本数とその配置を決定する。より具体的には、本実施形態では、計9本の鋼管100を3×3の格子状に集約して配置し、これを1組として橋軸方向に適宜の間隔で一組ずつ配設されるよう構成されるので、鋼管100の本数やその配置もそれに基づいて決定される。
そして、前記鋼管100の各組が打設される地盤の地表に、予めフーチング200を設置しておく。ここで、フーチング200には、前述したように格子状に配置される鋼管100のそれぞれが貫通できる貫通孔201を予め設けておく。なお、前記鋼管100の各組を橋軸方向に沿って適宜の間隔で配置するためには、それに対応するようにフーチング200も橋軸方向に沿って複数配置されることとなる。
次に、所定の長さに製造された鋼管100のそれぞれを上記の貫通孔201に貫通させながら、地中の所定の深さまで垂直に打設する。このとき、地表に予め設置されたフーチング200の前記貫通孔201に、鋼管100の打設を案内する打設ガイドとしての機能を発揮させることができるので、施工性が向上し、ラーメントラス橋1の構築に要する施工期間を短縮できる。
そして、所定の深さまで打設された鋼管100とフーチング200とを剛結化(一体化)させる。
具体的には、前記貫通孔201に鋼管100を貫通させることで形成される、鋼管100とフーチング200との間隙である傾斜間隙202に、周方向に所定の間隔でフーチング200の上側からくさび203を打ち込む。また、隣り合うくさび203間の間隙をモルタル204で充填し、前記モルタル204が硬化時に膨張することで前記間隙が間詰めされ、より一層剛結化(一体化)されるようにする。
このように、上記の傾斜間隙202にくさび203を打ち込み、モルタル204で間詰めするという簡素な構成と簡単な施工で、両者を容易に剛結化できる。
上記のように、鋼管100とフーチング200が、くさび203とモルタル204により互いに剛結化されることで、以下のような効果を奏する。
即ち、鋼管100の上端に設置されるジャケット式上路トラス300の自重などの鋼管100を地中へ押し込もうとする力を利用して、前記くさび203がさらに食い込むこととなるので(くさび効果)、鋼管100が地中へこれ以上沈下することを防止できる。
また、鋼管100を引き抜こうとする力、あるいは鋼管100に対する曲げ作用に対しては、モルタル204の間詰めによって剛結化(一体化)が図られているので、そのような作用力によって前記くさび203が抜脱したり、緩くなることを防止できる。
また、鋼管100の打設前に予めフーチング200を設置し、フーチング200の貫通孔201が鋼管100を打設する際の打設ガイドとして利用される、という本施工法において、フーチング200の裏面側(地表側)から鋼管100とフーチング200とを剛結化させることは容易ではない。そこで本実施形態では、鉛直上方に向かって広がっている傾斜間隙202に、フーチング200の上側からくさび203を打ち込む、という簡単な作業で剛結化(一体化)が図られている。また、上述のようなくさび203を打ち込む、という作業は簡単な施工でもあるので、他の剛結化手法に比べて施工性が向上され、施工期間も短縮できる。
また、フーチング200を設ける、という簡素な構成で、鋼管100を支持する支点が追加されるので、前述のパイルベント橋脚と比較しても、本実施形態における橋脚基礎構造を基礎とするラーメントラス橋1の耐震性能を容易に向上できる。
また、その支点となるフーチング200が地表に設けられているので、鋼管杭110を、鋼管杭110の下端から離隔された高い位置で支持でき、耐震性を一層向上できる。
さらには、鋼管100の1組を構成する格子状の鋼管100の計9本を互いに連結するという本実施形態の態様により、前記の耐震性をさらに向上できる。
なお、以上の効果は、例えばフーチング200が水底に設置される場合においても、同様に発揮される。
加えて、本実施形態における施工方法では、鋼管杭110の打設と同時に鋼管橋脚120を含めたラーメントラス橋1の基礎構造が構築されるので、施工性が向上し、施工期間も短縮できる。
なお、このとき、鋼管100内部のフーチング200近傍にコンクリート205を打設して補強することが望ましい。ただし、十分な強度を確保できる場合は、コンクリート205の打設を省略してもよい。
ところで、ジャケット式上路トラス300の主要な鋼構造部分は、陸上ヤードや工場にて製作および組立てが行なわれ、大型のブロック(例えば、鋼管100の隣り合う2組に橋架できる程度の長さ)ごとに一括で施工現場へ輸送される。
施工現場では、輸送されてきたジャケット式上路トラス300がクレーン等で吊り上げられ、地盤に打設された1組の、あるいは2組の鋼管100上に架設される。より具体的には、ジャケット式上路トラス300の鉛直材306の内部へ鋼管100の上部を緩挿する。
鉛直材306に鋼管100が緩挿されることで形成される間隙にグラウト材が充填され、これが硬化することで鋼管100とジャケット式上路トラス300の鉛直材306が強固に剛結化される。
これにより、実質的に鋼管橋脚120の上部にトラス構造が形成されることとなり、また、まわりが腐食し易く、かつ高価である支承を省略できる上下部一体構造となる。
したがって、鋼管橋脚120と上部工の剛結部構造を、鉄筋コンクリート造と比較して容易に構築できるとともに、ラーメントラス橋1の建設費および維持管理費を低減できる。
また、上記の如く鋼管橋脚120上部をトラス構造とすることにより、固定点、すなわち不静定次数が増加するので、本橋脚基礎構造を基礎とするラーメントラス橋1の耐震性能を向上できるとともに、前記トラス構造を用いない橋梁と比較して、耐震性のために必要とする鋼管杭110の本数を低減できる。
また、鋼管橋脚120の上部に形成されるトラス構造と、ジャケット式上路トラス300の主構トラス301とを連続して同じように設けることができるので、前記剛結部構造をより一層容易に構築できる。
また、本実施形態では、上部工がトラス構造であるから、同種のコンクリート橋に比べ上部工を軽量とでき、下部工の規模を小さくできる。例えば、鋼管100の径を小さくできる。
また、橋脚上部にトラスを形成することで、橋脚が鋼管であっても耐震面等で十分な強度が得られるので、橋脚をRC(コンクリート)にする必要がなく、これにより、施工期間を大幅に短縮できる。
また、本実施形態では、ジャケット式上路トラス300を予め工場等で製造および組み立てられてから現場に輸送され設置されるというジャケット式の施工法を採用しているので、ラーメントラス橋1の構築に要する施工期間を大幅に短縮できる。
さて、上記の如く1組の鋼管100の上端に設けられたジャケット式上路トラス300は、隣接する他の組の鋼管100の上端に同じように設けられた他のジャケット式上路トラス300と、例えばボルト締結などの適宜の固定手段により固定される。
そして、橋軸方向に連続するジャケット式上路トラス300の床組304の上面に、鉄筋コンクリート床版350が形成される。
また、前記の鉄筋コンクリート床版350の側面には、車両等が落下するのを防止する壁面である壁高欄351が適宜に形成される。さらに必要に応じて中央分離帯などが形成される。
上記の鉄筋コンクリート床版350に対して適宜の防水処理が施工された後に、厚さが20〜30cm程度となるようアスファルトの舗装道路が形成される。
次に、図7を参照しつつ、本発明に係る橋脚基礎構造の第2の実施の形態に関して説明する。
ここでは、本発明に係る橋脚基礎構造が高架橋1aに適用されている例に関して説明する。
まず、第2実施形態における高架橋1aの構成と、第1実施形態におけるラーメントラス橋1の構成との共通点および相違点に関して説明する。
地表に設置されるフーチング200と、フーチング200の有する貫通孔201に貫通させて地盤に垂直に打設されている鋼管100と、くさび203やモルタル204によって鋼管100とフーチング200とが剛結化(一体化)されている構成に関しては、前述の第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、並べて設けられる前記鋼管100の組のそれぞれの上端に、水平部材400が設けられている。前記水平部材400は、橋脚天端に相当し、支承を配置できるものであって、例えばH型鋼骨組にRCやPCが施されたものや、合成床版などからなる。そして、隣り合う前記水平部材400の間に、支承を有する通常の鋼上部工401が複数懸架されている。
さらに、懸架された鋼上部工401の上面には鉄筋コンクリート床版350が、鉄筋コンクリート床版350の上面にはアスファルトからなる舗装道路などが形成されている。
次に、第2実施形態における高架橋1aの施工方法を説明する。
予め地表に設置されたフーチング200の貫通孔201に打設ガイドとしての機能を発揮させながら、地盤に対して垂直に所定の深さまで鋼管100が打設され、鋼管100と前記貫通孔201との間に形成される傾斜間隙202にくさび203が打ち込まれ、さらにモルタル204にて間詰めされ剛結化される、という鋼管100の施工方法に関しては、前述の第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、構築された鋼管100を含む橋脚基礎構造の上部に、適宜の剛結手段により前記水平部材400が構築される。
そして、予め製造された複数の鋼上部工401が個別にクレーンなどにより吊り上げられ、隣り合うH型鋼骨組400の間に懸架される。
鋼上部工401の上面に鉄筋コンクリート床版350が構築される。
前記鉄筋コンクリート床版350の側面には、車両等が落下するのを防止する壁面である壁高欄351が形成され、さらに必要に応じて中央分離帯などが形成される。
鉄筋コンクリート床版350に対して適宜の防水処理が施工された後、その上面に厚さが20〜30cm程度となる舗装道路が形成される。
以上の如く、本発明は、上記の好ましい第1実施形態および第2実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他に成されることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用効果を述べているが、これら作用効果は一例であり、本発明を限定するものではない。
例えば、第1実施形態および第2実施形態において、鋼管100は、計9本が3×3の格子状に並んで1組となるよう構成されるがこれに限るものではなく、例えば、前記1組は、計4本が2×2の格子状に配置されていたり、数本が円周状に配置されていてもよいし、1つのフーチング200に対して、1本の鋼管100のみが配置されていてもよい。
本発明の第1実施形態における橋脚基礎構造が適用されているラーメントラス橋1の側面図。 図1におけるA−A’断面図。 図1及び図2に示すフーチングのみの平面図。 図3のB−B’断面図であって貫通孔に鋼管が貫通されている状態の図。 図4において、貫通孔と鋼管との間にくさびが嵌挿された状態の図。 図5のC−C’断面図。 第2の実施形態における高架橋の模式図であり、図2に対応する図。
符号の説明
1 ラーメントラス橋
100 鋼管杭
200 フーチング
201 貫通孔
203 くさび
204 モルタル
300 ジャケット式上路トラス

Claims (10)

  1. 同一断面である鋼管杭と鋼管橋脚とから成る鋼管を少なくとも一本有する橋脚基礎構造において、
    前記鋼管が貫通するフーチングを設けることを特徴とする、橋脚基礎構造。
  2. 前記フーチングが地表近傍あるいは水底近傍に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の橋脚基礎構造。
  3. 前記フーチングと前記鋼管との間にくさびが設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の橋脚基礎構造。
  4. 前記フーチングと前記鋼管との間に、前記フーチングの上方側よりくさびが打ち込まれることを特徴とする、請求項2に記載の橋脚基礎構造。
  5. 前記フーチングと前記鋼管との間がモルタルで間詰めされ、剛結化されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の橋脚基礎構造。
  6. 前記鋼管と、床版などを含む上部工との結合部にトラスを形成し、かつ上下部一体構造をなすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の橋脚基礎構造。
  7. 前記上部工は、主構トラスの上側に床版を支持する上路トラスであることを特徴とする、請求項6に記載の橋脚基礎構造。
  8. 同一断面である鋼管杭と鋼管橋脚とから成る鋼管を少なくとも一本有する橋脚基礎構造の施工方法において、
    前記鋼管が貫通する孔を有するフーチングを予め設置し、
    前記鋼管を前記フーチングの前記孔に貫通させながら打設し、
    前記フーチングと前記鋼管との間にくさびを打ち込むことによって両者を剛結化させることを特徴とする、橋脚基礎構造の施工方法。
  9. 前記フーチングが地表近傍あるいは水底近傍に設置され、
    前記くさびが前記フーチングに対して上方側から打ち込まれることを特徴とする、請求項8に記載の橋脚基礎構造の施工方法。
  10. 前記フーチングと前記鋼管との間隙に前記くさびが打ち込まれた後に、
    隣り合う前記くさびの間隙がモルタルで間詰めされ剛結化されることを特徴とする、請求項8又は9記載の橋脚基礎構造の施工方法。
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