JP7128094B2 - 基礎構造の施工方法 - Google Patents
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Description
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、基礎構造、フーチング部材、及び基礎構造の施工方法に関する。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、本実施の形態に係るフーチング部材について説明する。図1は、本実施の形態に係るフーチング部材の平面図であり、図2は、フーチング部材の正面図である。なお、図1及び図2においては、フーチング側鉄筋11は、多数(3本以上)突出している、これらのうちの2本に対して代表して符号が付されている。
図1及び図2のフーチング部材1は、前述したように、基礎構造に付与される荷重を分散させるための部材である。このフーチング部材1の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、建築物が建築される地盤に埋めて用いられるプレキャスト製(プレキャストコンクリート製)のものであり、また、全体としては外形が矩形柱形状のものであり、また、側面(+X方向の面、-X方向の面、+Y方向の面、-Y方向の面)に鉄筋が設けられていないものである。また、フーチング部材1は、例えば、フーチング側鉄筋11、及びフーチング側貫通孔12を備える。
フーチング側鉄筋11は、フーチング部材1に設けられている鉄筋である。このフーチング側鉄筋11の具体的な種類や構成は任意であるが、図1及び図2に示すように、上面(Z方向の面)における外周寄りの位置から複数本突出しているものである。また、このフーチング側鉄筋11におけるフーチング部材1の内部での形状は任意であり、例えば、一部のフーチング側鉄筋11についてはX方向又はY方向に向かって一部が曲げられていることとする。また、フーチング部材1の内部には、フーチング側貫通孔12を取り囲んで設けられている不図示の鉄筋も配筋されていることとする。
フーチング側貫通孔12は、前述の貫通孔である。このフーチング側鉄筋11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、高さ方向(Z軸方向)において貫通している孔であり、また、フーチング部材1の中央寄りの位置に1個のみ設けられている孔であり、また、後述する杭体22の外形に対応する形状(ここでは相似形状)であって円形の孔であり、また、当該杭体22よりも大径の孔である。
次に、このようにして構成されたフーチング部材1を用いて行われる基礎構造の施工手法について説明する。図3~図10は、基礎構造の施工手法を説明するための図である。なお、図3~図10においては、図10に示す基礎構造200を施工するための各工程(ステップ)を説明するための図であり、基礎構造200の各要素を正面側から見た図であり、特に、地中等の隠れて実際には見えない部分についても、説明の便宜上、見えるものとして実線にて図示されている。また、この図3~図10においては、従来と同様にして構成することが可能な一部の構成(例えば、公知の鉄筋等)は、説明の便宜上図示が省略されており、また、フーチング部材1の外形は簡略化して図示されている。また、従来と同様な工法にて施工可能な部分については、概要のみ説明する。
本実施の形態によれば、地盤21に埋めて用いられるプレキャスト製のフーチング部材1が、杭体22と当該フーチング部材1との相対位置を調整するためのフーチング側貫通孔12を備えることにより、例えば、杭体22に加えてフーチング部材1も建築物を建設する基準として用いることができ、また、例えば、フーチング部材1の杭体22に対する位置を調整することができるので、建築物を建設する基準の位置に冗長性を持たせることができ、杭体22を打ち込む精度を緩和して、施工の手間を軽減することが可能となる。また、フーチング部材1がプレキャスト製となっていることにより、例えば、現場でフーチング部材1を生成することが不要となるので、工期を短縮することが可能となる。また、例えば、フーチング部材1が地盤21に埋められているので、建築物を強固に支持することが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
また、上記実施の形態の図1及び図2のフーチング部材1の構成を任意に変更してもよい。具体的には、フーチング部材1の外形を円柱形状、三角柱形状、又は五角柱形状等としてもよいし、フーチング側貫通孔12の形状を、杭体22の外形に関わらず、楕円形状、三角形状、及び矩形状等してもよい。
また、上記実施の形態では、図9でコンクリートを打設する場合に、コンクリートをフーチング部材1と杭体22との間の間隙120に充填剤として充填して打設するものとして説明したが、これに限らない。例えば、図6において、杭体22にフーチング部材1を位置決めした直後に、コンクリートをフーチング部材1と杭体22との間の間隙120に充填剤として充填して打設してもよい。
付記1の基礎構造は、建築物を支持する基礎構造であって、前記建築物が建築される地盤に埋めて用いられるプレキャスト製のフーチング部材、を備え、前記フーチング部材は、前記建築物を支持する杭体が挿通される貫通孔であって、当該杭体と当該フーチング部材との相対位置を調整するための前記貫通孔、を備える。
付記1に記載の基礎構造、付記7に記載のフーチング部材、及び付記8に記載の基礎構造の施工方法によれば、地盤に埋めて用いられるプレキャスト製のフーチング部材が、杭体と当該フーチング部材との相対位置を調整するための貫通孔を備えることにより、例えば、杭体に加えてフーチング部材も建築物を建設する基準として用いることができ、また、例えば、フーチング部材の杭体に対する位置を調整することができるので、建築物を建設する基準の位置に冗長性を持たせることができ、杭体を打ち込む精度を緩和して、施工の手間を軽減することが可能となる。また、フーチング部材がプレキャスト製となっていることにより、例えば、現場でフーチング部材を生成することが不要となるので、工期を短縮することが可能となる。また、例えば、フーチング部材が地盤に埋められているので、建築物を強固に支持することが可能となる。
11 フーチング側鉄筋
12 フーチング側貫通孔
21 地盤
22 杭体
23 杭孔
24 掘削部
25 底部
26 埋戻し部
31 捨てコンクリート
32 捨てコンクリート
41 杭側鉄筋
42 第1鉄筋群
43 第2鉄筋群
44 柱側鉄筋
45 第3鉄筋群
51 止め枠
61 鋼製型枠
62 浮き型枠
63 基礎梁型枠
71 第1打設面
72 第2打設面
120 間隙
200 基礎構造
Claims (3)
- 建築物を支持する基礎構造の施工方法であって、
前記建築物が建築される地盤に設けられている杭体の杭頭に接合体を接合する工程と、
前記杭体にプレキャスト製のフーチング部材であって、貫通孔を備える前記フーチング部材を位置決めする工程と、
前記フーチング部材を埋める工程と、を含んでおり、
前記接合体は、複数の鉄筋であり、
前記杭体の杭頭に接合体を接合する工程は、
前記複数の鉄筋の下端部を、前記杭体の杭頭の外周部に固定する工程、を含み、
前記フーチング部材を位置決めする工程は、
前記貫通孔に前記杭体を挿通した状態で前記杭体と前記フーチング部材との相対位置を調整する工程、を含み、
前記フーチング部材を埋める工程では、
前記フーチング部材の周囲に土を設けることにより、当該フーチング部材の周囲に埋戻し部を形成し、
前記埋戻し部の上面の高さは、前記フーチング部材の上面の高さ以上になっている、
基礎構造の施工方法。 - 建築物を支持する基礎構造の施工方法であって、
前記建築物が建築される地盤に設けられている杭体にプレキャスト製のフーチング部材であって、貫通孔を備える前記フーチング部材を位置決めする工程と、
前記フーチング部材を埋める工程と、を含んでおり、
前記フーチング部材を位置決めする工程は、
前記貫通孔に前記杭体を挿通した状態で前記杭体と前記フーチング部材との相対位置を調整する工程、を含み、
前記フーチング部材を埋める工程では、
前記フーチング部材の周囲に土を設けることにより、当該フーチング部材の周囲に埋戻し部を形成し、
前記埋戻し部の上面の高さは、前記フーチング部材の上面の高さ以上になっている、
基礎構造の施工方法。 - 建築物を支持する基礎構造の施工方法であって、
杭体を地盤に設ける工程と、
前記地盤における前記杭体の周辺を掘削することにより、前記杭体の杭頭を露出させる工程と、
前記杭体の杭頭に接合体を接合する工程と、
前記杭体にプレキャスト製のフーチング部材であって、貫通孔を備える前記フーチング部材を位置決めする工程と、
前記フーチング部材を埋める工程と、
少なくとも前記フーチング部材の上側にコンクリートを打設する工程と、を含んでおり、
前記フーチング部材を位置決めする工程は、
前記貫通孔に前記杭体を挿通した状態で前記杭体と前記フーチング部材との相対位置を調整する工程、を含む、
前記フーチング部材を埋める工程では、
前記フーチング部材の周囲に土を設けることにより、当該フーチング部材の周囲に埋戻し部を形成し、
前記埋戻し部の上面の高さは、前記フーチング部材の上面の高さ以上になっており、
少なくとも前記フーチング部材の上側にコンクリートを打設する工程では、
前記フーチング部材の上面よりも上側にコンクリートを打設することにより、前記建築物の基礎梁を前記フーチング部材の上面よりも上側に形成する、
基礎構造の施工方法。
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