JP2016104946A - 基礎部施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、プレキャストコンクリート製の対象柱と、対象柱を支持するフーチングと、を備える基礎部を施工するための基礎部施工方法に関する。なお、このフーチングの上に形成される建物の具体的な構造については、特記する場合を除いて公知であり、その詳細な説明を省略する。
次に、各実施の形態の具体的内容について説明する。
まずは、実施の形態1について説明する。以下では、初めに、本実施の形態1に係る基礎部施工方法にて施工された基礎部の構成を説明し、次に、当該基礎部を施工する基礎部施工方法自体について工程毎に順を追って説明する。
図1は、本実施の形態1に係る基礎部1を示す鉛直断面図である。この図1に示すように、基礎部1は、基礎杭10、型枠20、フーチング30、埋戻し部40、土台部50、スラブ60、及び対象柱70、を備えて構成されている。なお、以下の説明では、各図のX−X´方向を幅方向(X方向を右方、X´方向を左方)、Y−Y´方向(すなわち、X−Z平面に直交する方向)を前後方向(Y方向を前方、Y´方向を後方)、Z−Z´方向を高さ方向(Z方向を上方、Z´方向を下方)、と称する。
基礎杭10は、建物を支持するために地中に打ち込まれる杭であって、本実施の形態1においては平面視において土台部50の左右両側方に配置されている。この基礎杭10は、概略的に、地中深くから型枠20の底面の僅かに上方に至るように配置された円柱状の基礎杭コンクリート11と、基礎杭コンクリート11の内部から型枠20の開口面(後述する)付近まで至るように配置された定着筋12とを備えて構成されている。なお、このような基礎杭10の施工方法については公知であるため、詳細な説明を省略する。また、基礎杭10としては、このような構成に限らず任意の公知の構成を採用でき、例えば鋼管を用いた杭、PCa製の杭であっても構わない。
型枠20は、フーチング30を施工するための地盤に設けられる公知の型枠である。この型枠20は、概略的に、掘削された土壌の底部に敷設された厚さ50mm程度の均しコンクリート(捨てコンクリート)21の上面に載置された枠材であって、上面は開口面となっている。この型枠20の材質や作成方法等は任意であるが、例えば、フーチング30の右面、左面、前面、及び後面をそれぞれ覆う4枚のベニヤ板を釘打ちして繋ぎ合わせることにより構成されている。
フーチング30は、建物の耐震性を向上させるために地盤に設けられる構造体である。このフーチング30は、概略的に、フーチング主筋31、フーチング側筋32、フーチング底部33、及びフーチング主体部34を備えて構成されている。ここで、フーチング主筋31は、フーチング30を構造的に補強するための鉄筋であって、図示のように、型枠20の内面や均しコンクリート21の上面を覆うように配置されている。具体的には、均しコンクリート21の上面において幅方向に沿って配置された複数の鉄筋と、均しコンクリート21の上面において前後方向に沿って配置された複数の鉄筋とを備えており、これらいずれの鉄筋も、均しコンクリート21の幅方向の端部又は前後方向の端部周辺で垂直に折り返して立ち上げられ、スラブ60の位置で再度内側に折り返されている。フーチング側筋32は、フーチング30を構造的に補強するための鉄筋であって、型枠20の内面に並設されており、各フーチング側筋32は、いずれも幅方向又は前後方向に沿うように配置されている。フーチング底部33は、フーチング主筋31を固着すると共に、土台部50の基礎となるコンクリートであって、均しコンクリート21の上方の位置に、フーチング主筋31の一部を覆うように打設されている。フーチング主体部34は、土台部50及びフーチング側筋32を固着するためのコンクリートであって、フーチング底部33から型枠20の開口面に至るように打設されている。
埋戻し部40は、フーチング30の施工のために掘削した土砂を埋戻して形成された部分であって、型枠20の幅方向の両側方、及び前後方向の両側方に形成されている。なお、このような埋戻し部40の構造や形成方法は公知であるため、詳細な説明を省略する。
土台部50は、対象柱70を支持するための土台となる手段であって、フーチング30の底部に設置される。ここで、「フーチング30の底部に設置される」とは、フーチング底部33の上面に設置される事や、均しコンクリート21の上面に設置される事を含むが、本実施の形態においては、フーチング底部33の上面に設置される事であるものとして説明する。図2は土台部50を示す図であって、図2(a)は平面図、図2(b)は正面図である。この土台部50は、平面視においてフーチング30の略中央位置に配置されており、概略的に、柱支持部51、及び基礎部柱主筋52を備えて構成されている。
柱支持部51は、対象柱70を支持するための部分であって、本実施の形態1においては、概略的に、下支持柱51a、上支持柱51b、及び柱脚部51cを備えて構成されている。
基礎部柱主筋52は、フーチング30を補強すると共に、フーチング30と対象柱70とを相互に接続するための手段である。この基礎部柱主筋52は、土台部50における下支持柱51aや上支持柱51bの周囲を覆うように配置された複数の鉄筋である。具体的には、図2(a)に示すように、各基礎部柱主筋52は柱脚部51cに対して上下方向に沿って挿通されており、平面視において正円状に所定の間隔を空けて複数(本実施の形態1においては、12本)並設されている。なお、図2(b)や図1においては、図示の便宜上、左右両端の基礎部柱主筋52のみを図示しており、他の基礎部柱主筋52については図示を省略している。そして、各基礎部柱主筋52は、上方の端部が柱脚部51cを貫通して柱脚部51cのさらに上方に位置し、下方の端部がフーチング底部33の上面に沿うように折り曲げられており、全体として略L字状に形成されている。ここで、基礎部柱主筋52における柱脚部51cの上面からさらに上方に突出した部分を、以下では「基礎部柱主筋突出部53」と称する。なお、本実施の形態においては、コンクリートとの接触面積を確保するために基礎部柱主筋52を略L字状としたが、充分な接触面積が確保できている場合には、基礎部柱主筋52を直筋としても良い。
スラブ60は、建物の床面を構成するスラブであって、フーチング30の上方に接するように形成された公知のスラブである。このスラブ60は、概略的に、スラブ筋61と、スラブコンクリート62とを備えている。
対象柱70は、建物の構造の一部を形成する柱であって、土台部50の上に載置されている。この対象柱70の形状は任意であり、例えば四角柱や六角柱等であっても構わないが、本実施の形態1においては、当該対象柱70は円柱形状に形成されているものとして説明する。そして、この対象柱70はプレキャストコンクリート(以下、PCa)製の柱であって、工場等で予め作成されて施工現場に搬入され、重機等を用いて土台部50の上に載置される事によって図示のように設置される。なお、対象柱70は一つのみを図示しているが、実際には、この対象柱70のさらに上に他のPCa柱が載置されており、このようなPCa柱については図示を省略している。
続いて、上記の基礎部1を施工する基礎部施工方法について、図を参照しつつ詳細に説明する。図3から図9は、いずれも本実施の形態1に係る基礎部施工方法の各工程にて施工された構造体を示す鉛直断面図であって、図3は工程1、図4は工程2、図5は工程3、図6は工程4、図7は工程5、図8は工程6、図9は工程7にて施工された構造体を示す鉛直断面図である。なお、以下では基礎部施工方法を複数の工程に分けて、それぞれの工程に名称(基礎杭形成工程、型枠形成工程、土台設置工程、フーチング側筋設置工程、型枠充填工程、柱施工工程、スラブ形成工程、柱支持部内部筋接続工程)を付して説明するが、これらの各工程と、図3から図9に示した採番された工程(工程1から工程7)については相互に一致せず、例えば図3に示す工程1は、複数の工程(基礎杭形成工程、型枠形成工程、及び土台設置工程)を含む。
初めに、図3に示す工程1を実行する。具体的に、まずは、地中深くまで杭穴を掘削し、杭穴に事前に組み立てた定着筋12を落し込み、杭穴内部に基礎杭コンクリート11を流し込んで固化させ、基礎杭コンクリート11と定着筋12とが一体となるように基礎杭10を形成する。一般的にはコンクリート固化後に杭穴を埋め戻すため、続いて、基礎杭10の上方の土砂を掘削し、フーチング30を形成するためのスペースを形成する。なお、2つの基礎杭10はいずれも同様に形成する事ができる。
そして、掘削された土砂の底部に均しコンクリート21を打設し、この均しコンクリート21が固化したら、均しコンクリート21の上に型枠20を形成する。この際には、型枠20の内部に、基礎杭コンクリート11の上端と定着筋12とが含まれるように型枠20を形成する。
次に、この型枠20の内部に、定着筋12と接触しないようにフーチング主筋31を設置する。次に、掘削した際の土砂を型枠20の側方に戻して埋戻し部40を形成して型枠20を固定する。ここで、このように埋戻し部40を形成するタイミングは任意であり、例えば図1に示すフーチング30を形成した後のタイミングで形成しても構わず、このようなタイミングで形成することにより、型枠20を取り外して再利用できる。ただし、本実施の形態では、上述したように、フーチング30を形成する前のタイミングで埋戻し部40を形成し、型枠20を再利用しないものとして説明する。次に、型枠20の底部にフーチング主筋31を覆うようにコンクリートを打設して固化させることにより、フーチング底部33を形成する。なお、以上に示すフーチング底部33を形成するまでの各工程は、公知の方法を採用する事ができるため、詳細な説明は省略するものとし、さらに各工程を実行する順序も上記の順序に限定されない。最後に、このようにして形成したフーチング底部33に、下支持柱51aをアンカー留めして固定する。
次に、図6に示す工程4のように、フーチング側筋32を設置する。具体的には、複数のフーチング側筋32を、公知の方法(例えば、高さ方向に沿って配置した鉄筋(図示省略)に対して所定の高さ間隔で接合する方法)により、型枠20の内部に対して高さ方向に沿って所定の間隔で並設する。
次に、図7に示す工程5のように、フーチング主体部34を形成する。具体的には、型枠20の内部に、フーチング底部33から型枠20の開口面まで充填されるようにコンクリートを打設して、このコンクリートを固化させることによりフーチング主体部34を形成する。
次に、図8に示す工程6のように、対象柱70を柱脚部51cの上に載置する。具体的には、まず、対象柱70と柱脚部51cとの間にスペースが形成されるように、対象柱70を、スペーサ(図示省略)を介して柱脚部51cの上に載置する。この際に、対象柱70の柱主筋71の下端に設けられたスリーブ継手に、基礎部柱主筋52の基礎部柱主筋突出部53を嵌め込んだ状態となるように載置する。次に、これらのスリーブ継手と基礎部柱主筋突出部53とを相互に接続するようにグラウト注入する。このように注入されたグラウトの一部はスリーブ継手から溢れて、柱脚部51cの上面と対象柱70の下面との間に充填され、このようにして対象柱70と柱脚部51cとを強固に接合する事ができる。なお、スペーサの代わりに位置調整用のボルト等を用いても構わない。
次に、図9に示す工程7のように、型枠20の上方にスラブ筋61を設置する。具体的には、スラブ60を形成する位置に前後方向及び幅方向に沿うように複数のスラブ筋61を配置し、このスラブ筋61のうち一部を柱脚部51cの側面に形成された雌ネジ部にスラブ筋61を螺合することで、柱支持部内部筋51dと接合する。
このように、本実施の形態1の基礎部施工方法によれば、対象柱70を支持可能な土台部50を備えるので、型枠充填工程前において、又は型枠充填工程にて打設したコンクリートが基準強度まで固化する前において、対象柱70を施工することができ、基礎部1の施工期間を大幅に短縮することが可能となる。また、PCa製のフーチング30を用いることなく基礎部1を施工する事が出来るので、大型のPCa製部材を施工現場に搬入する手間や費用、及び施工現場にて大型の重機を使用する手間や費用を削減する事が可能となる。また、柱脚部51cや対象柱70を、工場等で施工して現場へ搬入する事ができるので、現場打ちすることなく柱脚部51cや対象柱70を施工する事ができ、より精度の高い基礎部1を施工する事が可能となる。
続いて、本実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
図10は、本実施の形態2に係る基礎部2を示す鉛直断面図である。この図10に示すように、基礎部2は、基礎杭10、型枠20、フーチング30、埋戻し部40、土台部80、スラブ60、及び対象柱70、を備えて構成されている。なお、土台部80以外の構成要素については、実施の形態1と同様に構成できるため詳細な説明を省略し、以下では土台部80の構成についてのみ説明する。
土台部80は、対象柱70を支持するための土台となる手段である。図11は土台部80を示す図であって、図11(a)は平面図、図11(b)は正面図である。この土台部80は、平面視においてフーチング30の略中央位置に配置されており、概略的に、柱支持部81、及び基礎部柱主筋82を備えて構成されている。
柱支持部81は、対象柱70を支持するための部分であって、本実施の形態2においては、柱脚部81aのみを備えており、実施の形態1のように下支持柱51a及び上支持柱51bは備えていない。
基礎部柱主筋82は、フーチング30と対象柱70とを相互に接続するための接続手段である。この基礎部柱主筋82は、柱脚部81aを上下に挿通するように配置された複数の鉄筋であって、上端及び下端において柱脚部81aから突出しており、下端においてはフーチング底部33の上面に沿うように折り曲げられており、全体として略L字状に形成されている。なお、基礎部柱主筋82における柱脚部81aの上面からさらに上方に突出した部分を、以下では「基礎部柱主筋突出部83」と称する。なお、本実施の形態2においては、コンクリートとの接触面積を確保するために基礎部柱主筋82を略L字状としたが、充分な接触面積が確保できている場合には、基礎部柱主筋82を直筋としても良い。
続いて、上記の基礎部2を施工する基礎部施工方法について、図を参照しつつ詳細に説明する。図12から図16は、いずれも本実施の形態2に係る基礎部施工方法の各工程にて施工された構造体を示す鉛直断面図であって、図12は工程1、図13は工程2、図14は工程3、図15は工程4、図16は工程5にて施工された構造体を示す鉛直断面図である。
初めに図12に示す工程1を実行する。具体的には、まず、実施の形態1と同様の方法により、基礎杭10を形成し、続いて基礎杭10の上方の土砂を掘削し、フーチング30を形成するためのスペースを形成する。
そして、掘削された土砂の底部に均しコンクリート21を打設し、この均しコンクリート21が固化したら、均しコンクリート21の上に型枠20を形成する。この際には、型枠20の内部に、基礎杭コンクリート11の上端と定着筋12とが含まれるように型枠20を形成する。
次に、型枠20の内部にフーチング主筋31を設置し、型枠20の側方に埋戻し部40を形成し、型枠20の底部にフーチング底部33を形成する。なお、実施の形態1と同様に、埋戻し部40は図10に示すフーチング30を形成した後のタイミングで形成しても構わない。そして最後に、フーチング底部33の上面に、土台部80を載置する。
以降の工程は、実施の形態1と同様に行う事が出来る。すなわち、まずは図13に示す工程2のように、型枠20の内部にフーチング側筋32を設置する。次に、図14に示す工程3のように、型枠20の内部にフーチング底部33から型枠20の開口面まで充填されるようにコンクリートを打設してフーチング主体部34を形成する。なお、柱脚部81aの側面には上述したように細かいコッターが複数設けられているため、柱脚部81aはフーチング主体部34と強固に密着する事ができる。次に、図15に示す工程4のように、対象柱70を柱脚部81aの上に載置する。なお、この工程4は、工程3にて打設したコンクリートが基準強度まで固化する事を待たずに、行う事ができる。次に、図16に示す工程5のように、複数のスラブ筋61を配置し、このスラブ筋61のうち一部を柱脚部81aの側面に形成された雌ネジ部にスラブ筋61を螺合することで、柱支持部内部筋81bと接合する。最後に、スラブ筋61を覆うようにスラブコンクリート62を打設することによりスラブ60を形成し、これにて図10に示した基礎部2が完成させる。
このように、本実施の形態2の基礎部施工方法によれば、柱支持部81として、フーチング底部33の上面から、型枠20の開口面よりも上方に至る柱脚部81aを備えるので、より高い強度にて柱脚部81aを構成することができ、より安定的に対象柱70を支持する事が可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態1及び2について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、各実施の形態に係る基礎部施工方法によって施工期間が従来の基礎部施工方法よりも短縮出来ない場合であっても、従来と異なる技術により施工期間を短縮できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
発明の詳細な説明や図面で説明した基礎部1、2の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。
各実施の形態においては、柱脚部51c、81aの上端の位置がスラブ60の上面の位置と一致するものとして説明したが、これに限られない。例えば、スラブ60の施工後に柱脚部51c、81aがスラブ60の上方に露出してしまっても構わないのであれば、柱脚部51c、81aの上端の位置がスラブ60の上面よりも上方に位置していても構わない。なお、この場合であっても、柱脚部51c、81aの形状を対象柱70の形状と合せることにより、柱脚部51c、81aが目立たない構成とすることができる。また、柱脚部51c、81aの上端の位置がスラブ60の上面よりも下方に位置していても構わない。ただし、この場合には、スラブコンクリート62を打設すると柱脚部51c、81aがスラブコンクリート62に埋まってしまい、対象柱70を柱脚部51c、81aの上に載置する事ができなくなってしまうため、スラブコンクリート62を打設する前に対象柱70を柱脚部51c、81aの上に載置する必要がある。
実施の形態1においては、施工性向上のために下支持柱51a及び上支持柱51bを別個の部材として形成したが、これらを一体に形成しても構わない。また、下支持柱51aや上支持柱51bの高さを調節する機構を設けても良く、例えば下支持柱51aの下方や上支持柱51bの上方に板状体を配置して高さを調節しても良い。また、下支持柱51aや上支持柱51bにおけるアンカーを挿通するための孔を長孔として、位置を微調整可能としても良い。
各実施の形態においてはスラブ60を形成するものとして説明したが、スラブ60を形成しなくても構わない。
各実施の形態においては、フーチング底部33を打設し、そのフーチング底部33の上に土台部50、80を設置するものとして説明したが、これに限らず、フーチング底部33を打設しなくても良い。図17から図19は、いずれも変形例に係る基礎部施工方法の各工程にて施工された構造体を示す鉛直断面図であって、図17は工程1、図18は工程2、図19は工程3にて施工された構造体を示す鉛直断面図である。なお、この変形例に係る基礎部施工方法や、当該基礎部施工方法で施工された基礎部3の構成については、特記する場合を除いて各実施の形態と同様であるため、適宜説明を省略する。
各実施の形態においては、柱支持部内部筋51d、81bを、スラブ筋61に接続するものとして説明したが、これに限られない。例えば、当該柱支持部内部筋51d、81bを、フーチング30の上方に形成されたフーチング上端筋に接続したり、スラブ筋61及びフーチング上端筋の両方に接続したりしても構わない。また、これらのような接続を行わなくても十分な強度が確保できている場合には、柱支持部内部筋51d、81bの上記接続を行わなかったり、柱支持部内部筋51d、81bを設けなかったりしても構わない。この場合には、スラブ筋61やフーチング上端筋を柱脚部51c、81aの前後左右に振り分けたり、スラブ筋61やフーチング上端筋が柱脚部51c、81aを迂回するように配置したりしても良い。
付記1の基礎部施工方法は、柱主筋が挿通されたプレキャストコンクリート製の対象柱と、当該対象柱を支持するフーチングと、を備える基礎部を施工するための基礎部施工方法であって、前記フーチングの型枠であって、上面に開口面を有する型枠を形成する型枠形成工程と、前記対象柱を支持するための柱支持部と、前記柱支持部に上下方向に沿って挿通された基礎部柱主筋であって、前記柱支持部から上方に突出した基礎部柱主筋突出部を有する基礎部柱主筋と、を備える土台部を、前記フーチングの底部に設置する土台設置工程と、コンクリートを前記型枠の開口面まで充填されるように打設して、前記フーチングを施工する型枠充填工程と、前記型枠充填工程の前において、又は前記型枠充填工程にて打設したコンクリートが基準となる強度まで固化する前において、前記対象柱を前記柱支持部の上面に載置し、前記対象柱の柱主筋と、前記基礎部柱主筋の基礎部柱主筋突出部とを相互に接続する柱施工工程と、を含む。
付記1に記載の基礎部施工方法によれば、対象柱を支持可能な土台部を備えるので、型枠充填工程前において、又は型枠充填工程にて打設したコンクリートが基準強度まで固化する前において、対象柱を施工することができ、基礎部の施工期間を大幅に短縮することが可能となる。また、PCa製のフーチングを用いることなく基礎部を施工する事が出来るので、大型のPCa製部材を施工現場に搬入する手間や費用、及び施工現場にて大型の重機を使用する手間や費用を削減する事が可能となる。
10 基礎杭
11 基礎杭コンクリート
12 定着筋
20 型枠
21 均しコンクリート
30 フーチング
31 フーチング主筋
32 フーチング側筋
33 フーチング底部
34 フーチング主体部
40 埋戻し部
50 土台部
51 柱支持部
51a 下支持柱
51b 上支持柱
51c 柱脚部
51d 柱支持部内部筋
52 基礎部柱主筋
53 基礎部柱主筋突出部
60 スラブ
61 スラブ筋
62 スラブコンクリート
70 対象柱
71 柱主筋
80 土台部
81 柱支持部
81a 柱脚部
81b 柱支持部内部筋
82 基礎部柱主筋
83 基礎部柱主筋突出部
90 フーチング主体部
100 基礎部
110 フーチング
111 フーチング主筋
112 フーチング底部
113 フーチング主体部
120 型枠
130 基礎部柱主筋
140 架台
150 テンプレート
160 スラブ
161 スラブ筋
162 スラブコンクリート
170 対象柱
171 柱主筋
Claims (5)
- 柱主筋が挿通されたプレキャストコンクリート製の対象柱と、当該対象柱を支持するフーチングと、を備える基礎部を施工するための基礎部施工方法であって、
前記フーチングの型枠であって、上面に開口面を有する型枠を形成する型枠形成工程と、
前記対象柱を支持するための柱支持部と、前記柱支持部に上下方向に沿って挿通された基礎部柱主筋であって、前記柱支持部から上方に突出した基礎部柱主筋突出部を有する基礎部柱主筋と、を備える土台部を、前記フーチングの底部に設置する土台設置工程と、
コンクリートを前記型枠の開口面まで充填されるように打設して、前記フーチングを施工する型枠充填工程と、
前記型枠充填工程の前において、又は前記型枠充填工程にて打設したコンクリートが基準となる強度まで固化する前において、前記対象柱を前記柱支持部の上面に載置し、前記対象柱の柱主筋と、前記基礎部柱主筋の基礎部柱主筋突出部とを相互に接続する柱施工工程と、を含む、
基礎部施工方法。 - 前記柱支持部は、支持柱と、当該支持柱の上に載置されたプレキャストコンクリート製の柱脚部と、を備え、
前記基礎部柱主筋は前記柱脚部に上下方向に沿って挿通され、
前記土台設置工程において、前記支持柱の底面部は前記フーチングの底部に接し、前記柱脚部の少なくとも一部が前記型枠の開口面よりも上方に位置するように、前記土台部を設置する、
請求項1に記載の基礎部施工方法。 - 前記柱支持部は、プレキャストコンクリート製の柱脚部を備え、
前記基礎部柱主筋は前記柱脚部に上下方向に沿って挿通され、
前記土台設置工程において、前記柱脚部の底面部が前記フーチングの底部に接し、前記柱脚部の少なくとも一部が前記型枠の開口面よりも上方に位置するように、前記土台部を設置する、
請求項1に記載の基礎部施工方法。 - 前記型枠の上方にスラブ筋を設置し、当該スラブ筋を覆うように所定厚のコンクリートを打設してスラブを形成するスラブ形成工程を含み、
前記土台設置工程において、前記柱支持部の上面が、前記スラブの上面と同一平面上、又は前記スラブの上面よりも上方に位置するように、前記土台部を設置し、
前記柱施工工程を、前記スラブ形成工程の前に、又は前記スラブ形成工程にて打設したコンクリートが基準となる強度まで固化する前に行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載の基礎部施工方法。 - 前記柱支持部の上端部近傍には、柱支持部の内部に形成された柱支持部内部筋を備え、
前記柱支持部内部筋と、前記フーチングの上方に形成されたフーチング上端筋、又は前記型枠の上方に形成されたスラブ筋とを相互に接続する柱支持部内部筋接続工程を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基礎部施工方法。
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JP2014243417A JP6368630B2 (ja) | 2014-12-01 | 2014-12-01 | 基礎部施工方法 |
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JP2014243417A JP6368630B2 (ja) | 2014-12-01 | 2014-12-01 | 基礎部施工方法 |
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