JP3671344B2 - 基礎杭と柱脚部との接合構造およびその構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル等の建物における上部構造の柱脚部を基礎杭に対して直接接続するための接合構造およびその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ビル等の建物においては、杭基礎等の基礎構造上に、フーチングおよび地中梁を介して上部構造が支持された構成となっている。
ところで、近年、杭基礎上に直接柱を接続して上部構造を支持させる構法が採用されるようになってきている。この構法によれば、フーチング・地中梁を省略することができ、大幅なコストダウンおよび工期短縮を図ることができる。
【0003】
このように杭基礎と柱とを直接接続する場合の接合部の構造の例を図7に示す。図7に示す構造においては、場所打ちコンクリート杭101の主筋102が、上端102aが杭頭103より突出状態となるように配置されるとともに、これら上端102aにフープ筋104が取り付けられた構成とされる。そして、主筋102の上端102aとフープ筋104とからなる鉄筋かご105を囲むように補強鋼管106を配置するとともに、杭頭103上における鉄筋かご105の内方の位置に柱107を立設し、この状態において補強鋼管106内にコンクリートCを打設することにより、場所打ちコンクリート杭101と柱107との接合構造108が構築されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示した接合構造108においては、柱107の下端部を地中においてコンクリートに埋設することにより杭頭103に固定する必要があり、必ずしも施工性が良好であるとは言えなかった。また、作用する曲げ応力が大きくなる場合には、主筋102の本数を多くする必要があるが、このような場合には、施工性の低下がより一層顕著なものとなっていた。
【0005】
さらに、上部構造の一部または全部をあらかじめ組み立てておいて現場に搬入・設置する構法を採用しようとする場合、上述の接合構造108においては、地中における鉄筋かご105の内方に柱107の下端部を挿入することが困難となり、このような構法を採用する上でのネックとなっていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、柱の立設作業を容易に行うことのできるような基礎杭と柱脚部との接合構造およびその構築方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の発明は、基礎杭と上部構造の柱脚部とを直接接続するための構造であって、
前記基礎杭の杭頭面が少なくとも地表高さよりも低い位置に設置され、該杭頭面上にベースプレートが固定され、該ベースプレート上に前記柱脚部が接合され、
前記杭頭面には、アンカーボルトが打設され、該アンカーボルトの突出上端部にナットが螺着されるとともに、前記ベースプレートが、該突出上端部を該ベースプレートに設けた孔部の内部に挿通させた状態で、前記ナットの上方に配置され、前記ベースプレートと前記杭頭面との間に、グラウト材が充填されていることを特徴としている。
【0008】
このような構成により、柱を立設する際に、柱脚部を地中においてコンクリートに埋設する必要が無くなる。
【0012】
また、ナットの位置を調整することにより、ベースプレートの位置を容易に調整できる。また、ベースプレートに作用する柱軸力をグラウト材を介して杭頭面に伝達することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の基礎杭と柱脚部との接合構造であって、
前記基礎杭は、その下部が場所打ちコンクリート杭により形成されるとともに、その少なくとも上端部が鋼管コンクリート杭により形成されていること特徴としている。
【0014】
このような構成により、杭頭部の曲げ耐力を確保することができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の基礎杭と柱脚部との接合構造であって、
前記柱脚部を囲むように鉄筋かごが設けられるとともに、該鉄筋かごにコンクリートが打設されることにより、前記柱脚部がコンクリート内に埋設された構成とされ、
前記鉄筋かごを構成する主筋の下端部は、前記鋼管コンクリート杭を形成する鋼管の上端縁に溶接されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成により、柱脚部を杭頭部に対して強固に固定することができるとともに、柱脚部の耐力を確保するための配筋工事を柱脚部接合後に行うことが可能となる。
【0017】
請求項4記載の発明は、基礎杭と上部構造の柱脚部とを直接接続する接合構造を構築するための方法であって、
前記基礎杭を、その杭頭面が少なくとも地表高さより低く位置するように設置し、該杭頭面上にベースプレートを固定し、該ベースプレート上に前記柱脚部を固定することにより、前記上部構造の柱を前記基礎杭上に立設し、
前記ベースプレートを前記杭頭面上に固定する工程は、前記杭頭面にアンカーボルトを打設し、該アンカーボルトの突出上端部にナットを螺着し、該突出上端部における該ナットが螺着された位置の上方の部分を、前記ベースプレートに設けられた孔部に挿通し、前記ナットの位置を調整することにより、前記ベースプレートのレベル調整を行い、しかる後に、前記ベースプレートと前記杭頭面との間にグラウト材を充填することにより、前記ベースプレートを前記杭頭面上に固定することを特徴としている。
【0018】
このような構成により、地中に柱脚部を挿入することなく、杭頭部に対して柱脚部を接合することができる。
【0020】
また、ベースプレートを、その水平度を調整した状態で杭頭面に対して固定することができる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の基礎杭と柱脚部との接合構造の構築方法であって、
前記柱脚部を前記ベースプレート上に固定した後に、前記柱脚部を囲むように鉄筋かごを前記杭頭面に固定した状態で配置し、しかる後に、前記鉄筋かごに対して型枠を施工した後コンクリートを打設することにより、前記柱脚部をコンクリート内に埋設することを特徴としている。
【0022】
このような構成により、柱脚部の曲げ耐力を確保するための配筋・型枠・コンクリート打設作業を柱脚部の接合後に行うことができる。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項4または5に記載の基礎杭と柱脚部との接合構造の構築方法であって、
前記ベースプレート上に前記柱脚部を固定するに際しては、前記上部構造を構成する架構を、あらかじめ別位置において組み立てておき、該架構を前記基礎杭が設置された位置に搬送し、前記ベースプレート上に前記柱脚部が位置するように前記架構を載置することを特徴としている。
【0024】
このような構成により、短期間で建物の施工が可能となるとともに、その場合の施工の障害が少ない。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図5は、本発明の一実施の形態である基礎杭と柱脚部との接合構造1が適用された建物2の要部を拡大して示した図である。
【0026】
図中に示すように、建物2は、基礎杭3上に上部構造4を立設した構成とされている。上部構造4は、鉄骨架構として形成されたものであり、工場等においてブロック化されて製作されるとともに、自走式台車5により運搬されることにより、現場、すなわち、基礎杭3の設置対象位置に搬入され、設置されるようになっている。
また、接合構造1は、基礎杭3の杭頭部6に対して、鉄骨材により形成された上部構造4の柱7の柱脚部8を直接接続する構成となっている。
【0027】
また、基礎杭3は、図6に示すように、その下部が場所打ちコンクリート杭9により形成されるとともに、その上端部が、鋼管コンクリート杭10として形成されている。
【0028】
図3は、接合構造1を拡大して示す図である。図中に示すように、基礎杭3の杭頭面3aは、地表Gsよりも低く位置するように設置されている。また、この杭頭面3aには、ベースプレート11が固定されており、このベースプレート11に対して鉄骨材により形成された柱脚部8が接合された構成となっている。また、ベースプレート11と杭頭面3aとの間には、グラウト材12が充填されている。
【0029】
この接合構造1におけるベースプレート11の近傍を図1および図2に拡大して示す。図1に示すように、杭頭面3aには、アンカーボルト13が打設されており、このアンカーボルト13における杭頭面3aから突出する突出上端部13aにナット14が螺着され、さらに、ナット14の上方にベースプレート11が設置された構成となっている。
【0030】
ベースプレート11は、図2に示すように、平面視矩形に形成されるとともに、その四隅に孔部15を備えた構成となっており、アンカーボルト13の突出上端部13aは、この孔部15の内部に挿通される。
【0031】
一方、柱脚部8は、角型鋼管からなる鉄骨材16により形成されており、鉄骨材16の下端部には、上部ベースプレート17が溶接接合された構成となっている。そして、この上部ベースプレート17と、杭頭部6に固定されたベースプレート11とが、ボルト18により結合されることにより、ベースプレート11に対して柱脚部8が接合されている。
【0032】
また、図1に示すように、杭頭面3aにおけるベースプレート11の下方の位置には、定着鉄筋19が配置されている。一方、ベースプレート11の下面には、スタッドボルト20が突出状態に設けられている。これにより、ベースプレート11が杭頭面3aに対してグラウト材12を介して強固に固定されるようになっている。
【0033】
また、図3に示したように、柱脚部8の周囲には、鉄筋かご22が設置されている。そして、この鉄筋かご22に対してコンクリートCが打設されることにより、柱脚部8がコンクリートCに埋設された状態で接合構造1が形成されるようになっている。
【0034】
さらに、鉄筋かご22を構成する主筋23の下端部23aは、鋼管コンクリート杭10を構成する鋼管24の上端縁に対して固定されている。図4に、主筋23の下端部23aと鋼管24との接合部の構成を拡大して示す。図4に示すように、鋼管24の上端縁24aの周囲には、溶接プレート25が溶接固定されており、溶接プレート25の上面25aと鋼管24の上端縁24aとがフェーシング加工により、同一面26を構成するように成形されている。そして、この同一面26に対して主筋23の下端部23aが溶接されることにより、主筋23の下端部23aが鋼管コンクリート杭10の鋼管24に対して固定されるようになっている。
【0035】
次に、この接合構造1の構築方法について説明する。これには、まず、図3に示したように、基礎杭3を、その杭頭面3aが地表Gsよりも低く位置するように設置しておく。この際、鋼管コンクリート杭10内部のコンクリートCが硬化する以前に、杭頭面3aにアンカーボルト13を埋込しておくとともに、アンカーボルト13によって囲まれた位置に対して定着鉄筋19を埋込しておく。また、その一方で、工場等において上部構造4をブロック化して製作しておく。
【0036】
そして、鋼管コンクリート杭10のコンクリートCが硬化した後に、杭頭面3a上にベースプレート11を固定する。これには、まず、アンカーボルト13の突出上端部13aにナット14を螺着する。さらに、その上方にベースプレート11を配置して、ベースプレート11の孔部15内にアンカーボルト13の突出上端部13aを挿通させることにより、ナット14が螺着された位置の上方にベースプレート11を設置する。
【0037】
次に、ナット14の位置を上下調整することにより、ベースプレート11のレベル調整を行う。そして、このようにレベル調整が行われたベースプレート11と杭頭面3aとの間にグラウト材12を充填することにより、ベースプレート11を杭頭面3aに対して固定する。
【0038】
このように杭頭面3aにベースプレート11を固定し、さらに、グラウト材12が硬化したら、工場等において製作しておいた上部構造4を図5に示したように自走式台車5を用いて現場に搬入し、さらに、杭頭面3a上に上部構造4の柱脚部8が位置するように上部構造4をジャッキダウンすることにより上部構造4を載置する。さらに、この柱脚部8の上部ベースプレート17を、ボルト18を用いてベースプレート11に対して固定する。
【0039】
さらに、柱脚部8を囲むように鉄筋かご22を配置する。これには、図4に示したように、鋼管コンクリート杭10を構成する鋼管24の上端縁24aの外周に溶接プレート25を固定するとともに、これら上端縁24aおよび溶接プレート25の上端縁25aが形成する同一面26に主筋23を立設し溶接する。そして、これら主筋23に対して図3のようにフープ筋27を設置するようにする。
【0040】
さらに、鉄筋かご22に対して型枠を施工した後、コンクリートCを打設することにより、柱脚部8をコンクリート内に埋設して接合構造1を形成する。さらにその後、上部構造4の仕上げ施工を行うことにより、建物2を完成させることができる。
【0041】
上述の接合構造1およびその構築方法においては、基礎杭3の杭頭面3aを地表Gsよりも低い位置に設置するとともに、この杭頭面3aにベースプレート11を固定し、ベースプレート11上に上部構造4の柱脚部8を直接接合した構成となっているために、従来と異なり、柱7を立設する際に、柱脚部8を地中においてコンクリートに埋設して固定する必要が無くなる。これにより、柱7の立設作業を容易化して、建物2の施工性を向上させることができる。
【0042】
さらに、この場合、柱脚部8が、鉄骨材により形成されているため、柱脚部8を容易にベースプレート11に対して接合することができ、施工性がよい。また、これにより、上部構造2を鉄骨架構とした場合に良好に適用が可能であり、特に、本実施の形態のように上部構造2を工場製作するような場合において、接合構造1を良好に適用できる。したがって、建物2の工期短縮に貢献することが可能となる。
【0043】
また、この接合構造1およびその構築方法においては、杭頭面3aに、アンカーボルト13を打設し、アンカーボルト13の突出上端部13aにナット14を螺着するとともに、ベースプレート11を、突出上端部13aが孔部15の内部に挿通された状態で、ナット14の上方に配置するようにしたために、ナット14の上下位置を調整することにより、ベースプレート11のレベルを容易に調整することが可能となり、これにより、容易に柱7の設置精度を確保することができる。また、この場合、ベースプレート11と杭頭面3aとの間に、グラウト材12が充填されるために、ベースプレート11に作用する柱軸力を良好に杭頭面3aに伝達することができ、簡易な施工により、安定性の高い構造を実現することができる。
【0044】
また、この接合構造1においては、基礎杭3が、その下部が場所打ちコンクリート杭9により形成されるとともに、その上端部が鋼管コンクリート杭10により形成された構成となっているために、杭頭部6の曲げ耐力を確保することができ、この場合に、従来と異なり、杭主筋を多数配置するような必要が無く、施工性にも配慮できる。
【0045】
さらに、上述の接合構造1においては、柱脚部8を囲むように鉄筋かご22が設けられるとともに、鉄筋かご22にコンクリートCが打設されることにより、柱脚部8がコンクリートC内に埋設された構成とされており、なおかつ、鉄筋かご22の主筋23の下端部23aが、鋼管コンクリート杭10を形成する鋼管24の上端縁24aに溶接された構成となっているために、柱脚部8を杭頭部6に対して強固に固定することができ、さらに、これらを一体化してその曲げ耐力を確保することができる。これにより、安定性の高い構造を実現することができる。また、この場合、鉄筋かご22の配筋工事を柱7の立設作業後に行うことが可能であるために、施工の容易化を図ることができ、構造安定性と施工性とを両立させることが可能となる。
【0046】
また、上述の接合構造1の構築方法においては、柱脚部8をベースプレート11上に固定した後に、その周囲に鉄筋かご22を配置し、その後、鉄筋かご22に対して型枠を施工した後、コンクリートCを打設するようにしたために、従来と異なり、柱脚部8の曲げ耐力を確保するための配筋・型枠・コンクリート打設作業を、柱7の立設作業後に行うことが可能となり、柱7の立設作業および鉄筋の配筋作業を従来に比較して大幅に容易化することが可能となる。
【0047】
さらに、上述の接合構造1の構築方法においては、ベースプレート11上に柱脚部8を固定するに際して、上部構造4を構成する鉄骨架構を、あらかじめ工場において組み立てておき、この鉄骨架構を基礎杭3が設置された位置に搬送し、ベースプレート11上に柱脚部8が位置するように鉄骨架構を地上にジャッキダウンするようになっているために、短期間で建物2の施工が可能となる。また、この際、杭頭面3aが地上に突出しないために、自走式台車5を用いて鉄骨架構を搬送する際の障害が少なく、しかも、柱脚部8を地中に埋設する必要がないために、鉄骨架構のジャッキダウンを容易に行うことができる。
【0048】
なお、上記実施の形態において、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、建物2の構造、あるいは、その構法等について他の構成を採用するようにしてもよい。例えば、上記実施の形態において、上部構造4は必ずしも工場製作される必要はなく、現場において施工されるものであってもよい。
また、上記実施の形態において、杭頭面3aの位置は、地表Gs上であっても、自走式台車5の走行に支障のない程度であれば、若干突出していてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る基礎杭と柱脚部との接合構造および請求項4に係るその構築方法においては、柱を立設する際に、柱脚部を地中においてコンクリートに埋設する必要が無く、柱の立設作業を容易化して、建物の施工性を向上させることができる。
【0051】
また、ナットの位置を調整することにより、ベースプレートのレベルを容易に調整することが可能となり、これにより、容易に柱の設置精度を確保することができる。また、ベースプレートと杭頭面との間に、グラウト材を充填するようにしたために、ベースプレートに作用する柱軸力を良好に杭頭面に伝達することができ、簡易な施工により、安定性の高い構造を実現することができる。
【0052】
請求項2に係る基礎杭と柱脚部との接合構造においては、基礎杭の下部が場所打ちコンクリート杭により形成されるとともに、その上端部が鋼管コンクリート杭により形成された構成となっているために、杭頭部の曲げ耐力を確保することができ、従来と異なり、杭主筋を多数配置するような必要が無く、施工性がよい。
【0053】
請求項3に係る基礎杭と柱脚部との接合構造においては、柱脚部を杭頭部に対して強固に固定することができ、さらに、これらを一体化してその曲げ耐力を確保することができるため、安定性の高い構造を実現することができる。また、この場合、鉄筋かごの配筋工事を柱立設後に行うことができるために、施工の容易化を図ることができ、構造安定性と施工性とを両立することが可能となる。
【0054】
請求項5に係る基礎杭と柱脚部との接合構造の構築方法においては、柱脚部をベースプレート上に固定した後に、その周囲に鉄筋かごを配置し、その後、鉄筋かごに対して型枠を施工した後、コンクリートを打設するようにしたために、従来と異なり、柱脚部の曲げ耐力を確保するための配筋・型枠・コンクリート打設作業を、柱脚部設置後に行うことが可能となり、柱の立設作業および鉄筋かごの配筋作業を従来に比較して大幅に容易化することが可能となる。
【0055】
請求項6に係る基礎杭と柱脚部との接合構造の構築方法においては、上部構造を構成する架構を、あらかじめ別位置において組み立てておき、この架構を基礎杭が設置された位置に搬送して、ベースプレート上に柱脚部が位置するように架構を載置するようになっているために、短期間で建物の施工が可能となる。また、この際、杭頭面が地上に突出しないために、架構を搬送する際の障害が少なく、しかも、柱脚部を地中に埋設する必要がないために、架構を容易に載置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である基礎杭と柱脚部との接合構造において用いられたベースプレートの近傍の状況を拡大して示す立断面図である。
の断面図である。
【図2】 図1におけるI−I線矢視断面図である。
【図3】 図1,2に示した基礎杭と柱脚部との接合構造の全体を示す立断面図である。
【図4】 図3において鉄筋かごの主筋と鋼管との接合部を拡大して示した立断面図である。
【図5】 本発明が適用された建物の部分拡大立断面図である。
【図6】 本発明が適用された建物における基礎杭を拡大して示す立断面図である。
【図7】 従来の杭基礎と柱との接合構造を拡大して示す立断面図である。
【符号の説明】
1 接合構造
2 建物
3 基礎杭
3a 杭頭面
4 上部構造
6 杭頭部
7 柱
8 柱脚部
9 場所打ちコンクリート杭
10 鋼管コンクリート杭
11 ベースプレート
12 グラウト材
13 アンカーボルト
13a 突出上端部
14 ナット
15 孔部
16 鉄骨材
19 定着鉄筋
22 鉄筋かご
23 主筋
23a 下端部
24 鋼管
24a 上端部
Claims (6)
- 基礎杭と上部構造の柱脚部とを直接接続するための構造であって、
前記基礎杭の杭頭面が少なくとも地表高さよりも低い位置に設置され、該杭頭面上にベースプレートが固定され、該ベースプレート上に前記柱脚部が接合され、
前記杭頭面には、アンカーボルトが打設され、該アンカーボルトの突出上端部にナットが螺着されるとともに、前記ベースプレートが、該突出上端部を該ベースプレートに設けた孔部の内部に挿通させた状態で、前記ナットの上方に配置され、前記ベースプレートと前記杭頭面との間に、グラウト材が充填されていることを特徴とする基礎杭と柱脚部との接合構造。 - 請求項1記載の基礎杭と柱脚部との接合構造であって、
前記基礎杭は、その下部が場所打ちコンクリート杭により形成されるとともに、その少なくとも上端部が鋼管コンクリート杭により形成されていることを特徴とする基礎杭と柱脚部との接合構造。 - 請求項2記載の基礎杭と柱脚部との接合構造であって、
前記柱脚部を囲むように鉄筋かごが設けられるとともに、該鉄筋かごにコンクリートが打設されることにより、前記柱脚部がコンクリート内に埋設された構成とされ、
前記鉄筋かごを構成する主筋の下端部は、前記鋼管コンクリート杭を形成する鋼管の上端縁に溶接されていることを特徴とする基礎杭と柱脚部との接合構造。 - 基礎杭と上部構造の柱脚部とを直接接続する接合構造を構築するための方法であって、
前記基礎杭を、その杭頭面が少なくとも地表高さよりも低く位置するように設置し、該杭頭面上にベースプレートを固定し、該ベースプレート上に前記柱脚部を固定することにより、前記上部構造の柱を前記基礎杭上に立設し、
前記ベースプレートを前記杭頭面上に固定する工程は、前記杭頭面にアンカーボルトを打設し、該アンカーボルトの突出上端部にナットを螺着し、該突出上端部における該ナットが螺着された位置の上方の部分を、前記ベースプレートに設けられた孔部に挿通し、前記ナットの位置を調整することにより、前記ベースプレートのレベル調整を行い、しかる後に、前記ベースプレートと前記杭頭面との間にグラウト材を充填することにより、前記ベースプレートを前記杭頭面上に固定することを特徴とする基礎杭と柱脚部との接合構造の構築方法。 - 請求項4記載の基礎杭と柱脚部との接合構造の構築方法であって、
前記柱脚部を前記ベースプレート上に固定した後に、前記柱脚部を囲むように鉄筋かごを前記杭頭面に固定した状態で配置し、しかる後に、前記鉄筋かごに対して型枠を施工した後コンクリートを打設することにより、前記柱脚部をコンクリート内に埋設することを特徴とする基礎杭と柱脚部との接合構造の構築方法。 - 請求項4または5に記載の基礎杭と柱脚部との接合構造の構築方法であって、
前記ベースプレート上に前記柱脚部を固定するに際しては、前記上部構造を構成する架構を、あらかじめ別位置において組み立てておき、該架構を前記基礎杭が設置された位置に搬送し、前記ベースプレート上に前記柱脚部が位置するように前記架構を載置することを特徴とする基礎杭と柱脚部との接合構造の構築方法。
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