JP3700119B2 - 柱の施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、仮設構真柱を用いて、1本の杭の上に互いに隣接した複数本の柱を立設する柱の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、高層ビルの地下部や地下構造物を構築する工法として、地盤に掘削孔を形成して杭を形成すると共に、杭の上部に構真柱(上半部を建物の地下階の本設柱として使用し且つ下半部を杭として使用する鉄骨柱)を建て入れた後、バックホー等を用いて掘削孔を一旦土砂で埋め戻し、その後、施工の進捗に伴って地盤を根切りしながら、上方から下方に向けて前記地下部や地下構造物を構成する本設の鉄骨梁を構真柱に取り付けて、地下部や地下構造物を構築するという工法が知られている。
【0003】
このような構真柱を用いて建物の柱群を施工するような建設現場において、近い位置で互いに隣接する複数の柱を施工する場合がある。図10はそのような現場における柱群の平面レイアウトの一例を示している。Hで示す領域において、2本の柱A、Bが近い位置で隣接する柱である。
【0004】
このような近い位置で隣接する2本の柱A、Bを施工する場合、従来では、各柱毎に杭を設けて構真柱を立てるか、杭径を大きくして1本の杭に構真柱を2本建込むかしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の2つの方法は、いずれもコストアップになるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮し、近い位置で隣接する複数本の柱を施工する場合に、仮設の構真柱を用いながら経済的に施工する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、1本の杭の上に互いに隣接した複数本の柱を立設する柱の施工方法であって、杭の上部に、立設しようとする複数本の柱の中間部に位置させて1本の仮設構真柱を建込むと共に、杭の施工に用いた掘削孔を埋め戻し、一次根伐りを行った後、仮設構真柱の上端に仮受治具を取り付け、その仮受治具に支持をとって複数本の柱本体を建込み、次いで柱本体の下方の地盤を杭の上端まで根切りし、根切り後に各柱本体の下端に継ぎ足し柱を連結し、継ぎ足し柱の下端を、杭上に施工した基礎コンクリートに固定することを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、前記仮設構真柱を建込んで、杭の施工に用いた掘削孔を埋め戻し、一次根伐りを行った後、一次根伐り後の地盤の表面に仮ベースを形成し、前記柱本体を建込むに当たり、前記仮ベースによって柱本体のレベル調整を行いながら、柱本体を仮受治具によって支持し、次いで前記柱本体の下方の地盤を根切りする際に仮ベースを撤去することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
この施工方法では、互いに隣接した複数本の柱(本実施形態では2本の柱A、B)を立設するに当たり、まず、図1(a)に示すように、柱A、Bの中間にアースドリル杭1を構築し、その杭1の上部に、これから立設しようとする2本の柱A、Bの中間部に位置させて1本の鉄骨材よりなる仮設構真柱2を建込み、仮設構真柱2を建込んだ後に、杭1の施工に用いた掘削孔3を埋め戻す。そして、図1(b)に示すようにB1レベル(B1FL)より所定高さ上まで一次根切りを行う。
【0010】
その後、図2に示すように、一次根伐りした地盤の表面に仮ベース7を形成すると共に、仮設構真柱2の上部を所定の高さで切断して、切断した仮設構真柱2の上端にプレート5を溶接して取り付ける。そして、図3に示すように、仮設構真柱2の上端に、仮受治具10をライナープレート等でレベル調整しながら取り付ける。
【0011】
仮受治具10は、図9(a)、(b)に示すように、仮設縦受梁11の上部両端に2本の仮設横受梁12を直交させて設けたものであり、仮設縦受梁11の中央部をプレート5にクランプ部材15で固定することにより、仮設構真柱2の上端に取り付ける。そして、その状態で、柱本体20に設けた梁接合ブラケット21を載せることにより、柱本体20を仮受けできるようになっている。
【0012】
仮受治具10を仮設構真柱2の上端に取り付けたら、図4に示すように、その仮受治具10に支持をとって2本の柱本体20を位置決めしながら建込む。その際、仮ベース7上にクサビ8等を挟み込むことで、柱本体20のレベル調整を行い、調整した状態で仮受治具10と柱本体20をクランプ部材で固定する。
【0013】
また、柱本体20を仮受治具10に固定したら、図5に示すように、柱本体20を隣接する他の柱(図示略)と本設梁25で連結する。また、二次根切りを行う前に、柱本体20の下端付近を仮設構真柱2に単管パイプ(仮設材)9を用いて仮固定する。
【0014】
そして、この状態で、図6に示すように、柱本体20の下方の地盤を杭1の上端が露出する位置まで二次根切りし(この二次根切りの際に仮ベース7は撤去される)、二次根切り後に、各柱本体20の下端に継ぎ足し柱(柱脚部鉄骨)26を高張力ボルトを用いて接合する。図において、28は接合部を示す。
【0015】
また、継ぎ足し柱26の下端にアンカー27を取り付けると共に、型枠施工及びコンクリート打設を行って、図7に示すように、基礎梁30及びフーチング(基礎コンクリート)31を構築して、継ぎ足し柱26の下端を固定する。
【0016】
その後、不要になった仮設構真柱2を切断撤去して、図8に示すように、1本の杭1の上に2本の柱(柱本体20及び継ぎ足し柱26)を立設した構造が出来上がる。なお、必要であれば、仮設構真柱2を撤去せずに他の用途に利用することも可能である。
【0017】
上記実施形態では、1本の杭の上に2本の柱を立てる場合を示したが、3本以上の柱を立ててもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、仮設構真柱を利用しながら1本の杭の上に複数本の柱を建込むので、高い精度で簡単に柱の施工を行うことができ、コストダウンが図れる。
【0019】
また、請求項2の発明のように、仮設ベースを用いてレベル出しを行うようにすれば、更に柱の施工精度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の施工方法の最初の工程を示す側断面図である。
【図2】 図1の次の工程を示す側断面図である。
【図3】 図2の次の工程を示す側断面図である。
【図4】 図3の次の工程を示す側断面図である。
【図5】 図4の次の工程を示す側断面図である。
【図6】 図5の次の工程を示す側断面図である。
【図7】 図6の次の工程を示す側断面図である。
【図8】 図7の次の工程を示す側断面図である。
【図9】 完成した構造を示す側面図である。
【図10】 本発明の施工対象の現場における柱群の平面レイアウト図である。
【符号の説明】
1 杭
2 仮設構真柱
3 掘削孔
7 仮ベース
10 仮受治具
20 柱本体
26 継ぎ足し柱
31 フーチング(基礎コンクリート)

Claims (2)

  1. 1本の杭の上に互いに隣接した複数本の柱を立設する柱の施工方法であって、
    前記杭の上部に、立設しようとする前記複数本の柱の中間部に位置させて1本の仮設構真柱を建込むと共に、杭の施工に用いた掘削孔を埋め戻し、一次根伐りを行った後、前記仮設構真柱の上端に仮受治具を取り付け、該仮受治具に支持をとって複数本の柱本体を建込み、次いで前記柱本体の下方の地盤を杭の上端まで根切りし、根切り後に各柱本体の下端に継ぎ足し柱を連結し、該継ぎ足し柱の下端を、杭上に施工した基礎コンクリートに固定することを特徴とする柱の施工方法。
  2. 前記仮設構真柱を建込んで、杭の施工に用いた掘削孔を埋め戻し、一次根伐りを行った後、一次根伐り後の地盤の表面に仮ベースを形成し、前記柱本体を建込むに当たり、前記仮ベースによって柱本体のレベル調整を行いながら、柱本体を仮受治具によって支持し、次いで前記柱本体の下方の地盤を根切りする際に仮ベースを撤去することを特徴とする請求項1記載の柱の施工方法。
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