JP5889050B2 - 鉄筋コンクリート製の本設柱 - Google Patents
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Description
逆打ち工法では、工事進捗に合わせて増加する地上階の重量を、地下階の構真柱で支える必要がある。
また、特許文献2には、構真柱として、鉄骨製の下部分と鉄筋コンクリート製の上部分とを組み合わせることにより構成されたものが開示されている。
構真柱の断面寸法が大きくなると、設置工事における建て込み作業に手間がかかるとともに、大型のクレーンを使用する必要があるため、費用が嵩む。
また、鉄骨自体が高いとともに、スタッドジベルにより場所打ち杭にせん断力を伝える構成のため、場所打ち杭への埋め込み長さを長く確保する必要があり、材料費が嵩む。
なお、鉄筋コンクリート製の本設柱は、本設梁との接合部において、前記構真柱を貫通することなく、前記構真柱の外側かつ前記本設梁の内側に配筋された前記本設梁用の梁主筋を備えていてもよい。
また、施工費の低減化とともに材料費の低減化が可能なため、経済的にも優れている。
なお、構真柱を構成する高強度コンクリートとしては、圧縮強度200N/mm2以上の強度を備えているものを使用するのが望ましい。
また、下端部が先細形状を呈しているため、場所打ち杭への接合が容易である。
本実施形態の構真柱1は、図1に示すように、大規模な建物工事において、逆打ち工法を採用する際に使用するものである。
本実施形態の構真柱1は、最下段に配設される柱部材である第一柱部材11と、第一柱部材11よりも上段に配設される柱部材である第二柱部材12とを備えている。
第一柱部材11の断面形状は正方形に限定されるものではなく、円形や矩形またはその他の多角形であってもよい。
また、第一柱部材11の上端には、後記する第二柱部材12の凸部14(図4参照)と係合する凹部13が形成されている。
本実施形態では、図3の(c)に示すように、第一柱部材11の断面中央部に、2本の貫通孔15,15が形成されている。なお、貫通孔15の本数は限定されるものではない。
第二柱部材12の断面形状は、正方形に限定されるものではなく、円形や矩形またはその他の多角形であってもよい。
また、第二柱部材11の各角部には、形状保持筋17が配筋されている。
そして、柱部材11,12同士の接合は、複数の柱部材11,12の貫通孔15,15を挿通した鋼材19を介して行う。
建物の施工方法は、接合工程と、杭施工工程と、建て込み工程と、埋め戻し工程と、地下施工工程とを備えている。
構真柱1の形成は、まず、第一柱部材11と複数の第二柱部材12を架台等に横置きに並べた後、柱部材11,12の接合部(第一柱部材11と第二柱部材12の接合部および第二柱部材12同士の接合部)に目地材18を充填するとともに、互いの凹部13と凸部14とを噛合させる。このとき、柱部材11,12の貫通孔15には、鋼材19を挿通しておく(図5参照)。
柱部材11,12同士の圧着接合後、貫通孔15内にグラウト材を注入して、鋼材19の防錆処理を施す。
本実施形態では、杭2として、場所打ち杭を採用している。
削孔3の上端部には、孔口の補強用のケーシング31が配置されている。
このとき、ケーシング31の内部に精度確保治具32を設置しておき、構真柱1の垂直精度を確保する。
削孔3の埋め戻しは、杭2のコンクリートの養生後、コンクリートの所定の強度が発現してから行う。なお、埋め戻し材料33には、発生土を使用するが、搬入した材料を使用してもよい。
建物の施工は、地上部分と地下部分とを同時に行う。
一方、地下部分の施工は、図7の(a)および(b)に示すように、地上に近い部分から下に向って掘削しながら各階の本設柱4、梁5、床スラブ6、および、基礎スラブ7を構築することにより行う。
また、構真柱1をコンクリートにより構成することで、鉄骨を使用する場合と比較して、材料由来のCO2削減の効果も期待できる。
また、構真柱1を貫通させることなく梁主筋を配筋することができるため(図8参照)、施工の手間を大幅に削減することができる。
また、凹部13または凸部14を包括して拘束するように帯筋16が配筋されているため、プレキャスト部材である柱部材11,12の端部に材軸方向に生じる割裂破壊を防止することができる。
また、同様に第二柱部材12は、下端に凹部13が形成されていて、上端に凸部14が形成されたものであってもよいし、両端が平坦に形成されていてもよい。さらに、第二柱部材12として、両端に凹部13が形成されたものと、両端に凸部14が形成されたものとを交互に配設してもよい。
柱部材11,12の端部には、必ずしも帯筋16を配筋する必要はなく、例えば、炭素繊維シートを端部に巻き付けることにより補強を行ってもよい。
11 第一柱部材
12 第二柱部材
13 凹部
14 凸部
15 貫通孔
16 帯筋
19 鋼材
Claims (4)
- 複数の柱部材を軸方向に連結することにより形成された構真柱をコア部とする鉄筋コンクリート製の本設柱であって、
前記柱部材は、高強度コンクリートにより構成されているとともに、軸方向に沿って貫通孔が形成されており、
前記貫通孔に挿通した鋼材を介して前記柱部材同士が連結されていて、
前記構真柱の周囲に配筋された主筋を備えていることを特徴とする、鉄筋コンクリート製の本設柱。 - 本設梁との接合部において、
前記構真柱を貫通することなく、前記構真柱の外側かつ前記本設梁の内側に配筋された前記本設梁用の梁主筋を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の鉄筋コンクリート製の本設柱。 - 前記構真柱の最下段に配設される前記柱部材である第一柱部材は、下端部が下に向うに従って断面形状が小さくなるように先細形状を呈しており、
前記第一柱部材の上端には前記第一柱部材の上方に配設される柱部材である第二柱部材と係合するための凹部または凸部が形成されており、
前記第二柱部材の下端および上端には、他の柱部材と係合するための凸部または凹部が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の鉄筋コンクリート製の本設柱。 - 前記構真柱の前記柱部材の端部には、前記貫通孔を囲う帯筋が配筋されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート製の本設柱。
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