JP2618841B2

JP2618841B2 - 複合構真柱工法

Info

Publication number: JP2618841B2
Application number: JP7061629A
Authority: JP
Inventors: 基義大島; 紘一佐野; 明水渕; 達司伊藤; 賢司高橋; 隆明廣重
Original assignee: Takenaka Corp
Current assignee: Takenaka Corp
Priority date: 1995-02-23
Filing date: 1995-02-23
Publication date: 1997-06-11
Anticipated expiration: 2012-06-11
Also published as: JPH0868057A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、逆打ち工法における鉄
骨構真柱の一部をプレキャストコンクリート柱とした複
合構真柱工法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】建物の地下階における逆打ち工法では、
まず、削孔機により地中に基礎地盤にまで達する掘削孔
を削孔して、該掘削孔内に鉄骨構真柱又はプレキャスト
コンクリート構真柱を建込みするとともに、掘削孔内の
基礎地盤部分に支持コンクリートを打設して、該支持コ
ンクリートにその構真柱の下端を植設支持させることに
より構真柱を掘削孔内に起立させ、次いで、その構真柱
を支えにして建物の地上一階の床から順に下方の地下階
へと構築工事を進める。そして、その構真柱は、建物の
柱に利用される。しかし、鉄骨構真柱の場合、施工中の
剛性の確保に難点がある上に、建物の柱として利用する
に当たり、多くの面倒な配筋や型枠の組立・解体を要
し、コンクリートの打設も容易でない。加えて、表面の
仕上げ工事を要して、工期、コストの面で不利がある。
また、プレキャストコンクリート構真柱の場合、上述の
ような不都合はないが、重量が大きくなるため、製作
上、運搬上からその長さに限度があって、地下階層の多
いものには適しない欠点がある。

【０００３】ところで、逆打ち工法に属するものに、柱
鉄骨、鉄筋の外周に予めコンクリートを巻いたプレキャ
ストコンクリート構真柱を用いる逆打ち工法が考えられ
ている（特開昭62-86242号公報）。また、プレキャスト
コンクリート構真柱の下端に鋼製仮支柱を付設して、該
鋼製仮支柱を場所打ちコンクリート杭に挿入させること
によって、そのプレキャストコンクリート構真柱を場所
打ちコンクリート杭上にセットするようにしたものも考
えられている（特開昭63-67344号公報）。しかし、これ
らとて、構真柱が上述のプレキャストコンクリート構真
柱の域を脱するものではなく、結局は、構真柱の重量が
大きくなるため、製作上、運搬上、その長さに限度があ
って、地下階層の多いものには適しない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
各種の問題点を解決しようとするものであり、予め製作
する構真柱の重量を小さく押えて、製作上、運搬上の便
宜を図り、かつ、その構真柱の長さの長いものを簡単に
可能にして、地下階層の多いものに適合し得るように
し、また、施工中の剛性を確保できるようにし、現場で
の配筋、型枠の組み立て及び解体を極力少なくし、コン
クリートの打設を容易にし、表面の仕上げ工事を少なく
し、工期、コストの面で有利なものにしようとするもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項１の発明は、地下階下層部の支柱たる鉄骨柱１の上
端に地下階上層部のプレキャストコンクリート柱２を連
設した複合構真柱ａを予め別途生産する一方、工事現場
の地中に基礎地盤にまで達する掘削孔ｄを削孔して、該
掘削孔ｄ内に前記複合構真柱ａを建込みするとともに、
掘削孔ｄ内下部に支持コンクリートｅを打設してその複
合構真柱ａの鉄骨柱１の下端を植設支持させ、次いで、
該複合構真柱ａを支えにして上層階から下層階へと順次
に地下階構築工事を進め、前記鉄骨柱１の部位の地下階
では、前記鉄骨柱１の周りに配筋及びコンクリート打設
工事を施して各階の現場打ちコンクリート柱を構築し、
かつ、前記鉄骨柱１の下端部を基礎地盤ｃ上に施工する
基礎コンクリートｈ中に埋設することを特徴とする。

【０００６】また、請求項２の発明は、地下階下層部の
支柱たる鉄骨柱１の上端に多数のスタッドジベル11を付
設することにより地下階上層部のプレキャストコンクリ
ート柱２を緊結一体化させて連設した複合構真柱ａを予
め別途生産する一方、工事現場の地中に基礎地盤にまで
達する掘削孔ｄを削孔して、該掘削孔ｄ内に前記複合構
真柱ａを建込みするとともに、掘削孔ｄ内下部に支持コ
ンクリートｅを打設してその複合構真柱ａの鉄骨柱１の
下端を植設支持させ、次いで、該複合構真柱ａを支えに
して上層階から下層階へと順次に地下階構築工事を進
め、前記鉄骨柱１の部位の地下階では、前記鉄骨柱１の
周りに配筋及びコンクリート打設工事を施して各階の現
場打ちコンクリート柱を構築し、かつ、前記鉄骨柱１の
下端部を基礎地盤ｃ上に施工する基礎コンクリートｈ中
に埋設することを特徴とする。

【０００７】

【作用】如上の構成であるから、いずれの発明にあって
も、複合構真柱ａにおいて鉄骨柱１とプレキャストコン
クリート柱２とがそれぞれの特長を発揮し、所期の目的
を達成する。

【０００８】

【実施例】図面は、請求項１及び請求項２の複合構真柱
工法に係る発明の実施例を示している。図１は、その一
例であり、図示の構真柱ａは、地下下層階の一乃至数階
に相応する鉄骨十字柱１の上端に、地下上層階の一乃至
数階に相応する断面円形又は正方形でかつ中実（むく）
のプレキャストコンクリート柱２を連設し、相互の取り
合いには、鉄骨十字柱１の上端外周面に多数のスタッド
ジベル11を溶接により付設して、両者を緊結一体化させ
る。また、上記鉄骨十字柱１には、下端外周面にも多数
のスタッドジベル12を溶接により付設する。なお、上記
プレキャストコンクリート柱２は、１〜２階分が最適で
ある。上記プレキャストコンクリート柱２に壁を取り付
ける場合には、予め鉄筋アンカー用インサートを埋め込
んでおくとよい。斯る複合構真柱ａは、工場又は現場サ
イトで生産し、工事現場の要所へと搬送する。運搬等の
都合から分離を要するときは、鉄骨十字柱１の部分で切
り離し、現場にて再びジョイントすればよい。

【０００９】一方、工事現場、例えば、直基礎形式のコ
ンクリート地下躯体を構築する現場では、地上ｂに大孔
径ベノト削孔機を配備させて、該削孔機により基礎地盤
ｃにまで達する鉛直な掘削孔ｄを地中に削孔し、該掘削
孔内に上記複合構真柱ａを建込むとともに、孔底に鉄筋
コンクリート塊の支持コンクリートｅを打設して、その
複合構真柱ａにおけるスタッドジベル11を有する鉄骨十
字柱１の下端を支持コンクリートｅ中に植設支持させ、
起立させる。次いで、その複合構真柱ａを支えにして地
下上層階から地下下層階へと順次に地下階構築工事を進
め、鉄骨十字柱１の部位の地下階では、その鉄骨十字柱
１の周りに配筋及びコンクリート打設工事を施して、各
階の現場打ちコンクリート柱を構築する。地下最下層階
では、基礎地盤ｃ上に基礎コンクリートｈたる基礎スラ
ブを構築するが、この際、鉄骨十字柱１の下部をその基
礎コンクリートｈたる基礎スラブ中に埋設し、定着させ
る。なお、図中、ｆは、プレキャストコンクリート梁又
は現場打ちコンクリート梁、ｇは、現場打ちコンクリー
トスラブである。

【００１０】図２乃至図４は、他の例であり、この場合
は、前例の複合構真柱ａにおいて、プレキャストコンク
リート柱２を品質の優れた遠心力成形中空柱としたもの
である。そのため、便宜上、鉄骨十字柱１の上端部を切
り離してそのプレキャストコンクリート柱２の下端部に
連結させ、後ほど残る鉄骨十字柱１をジョイント金物13
によりジョイントするようにしている。なお、その中空
のプレキャストコンクリート柱２内には、後にコンクリ
ートを充填するが、鉄骨十字柱１の周りにコンクリート
を打設する際には、プレキャストコンクリート柱２内を
通じてコンクリートを投入すればよい。

【００１１】また、杭基礎形式のコンクリート地下躯体
を構築する工事現場では、上述の実施例において、支持
コンクリートｅが杭基礎、基礎コンクリートｈが杭基礎
上のフーチングであればよく、この場合、前記複合構真
柱ａの鉄骨十字柱１の下端部をその杭基礎の上端部へ植
設支持させるとともに、鉄骨十字柱１の下部をフーチン
グに埋入させればよい。

【００１２】

【発明の効果】請求項１及び請求項２の発明によれば、
構真柱を上部がプレキャストコンクリート柱２、下部が
鉄骨柱１の複合構真柱ａとしたので、下部の重量を小さ
くできて、全体としての重量を低く押さえることがで
き、したがって、運搬や建込みを容易にでき、また、プ
レキャストコンクリート柱は用いていても構真柱全体と
しての長さを大きくできて、地下階層が多い場合にも支
障なく適合させることができ、そして、地下階層が多く
構真柱全体が長くても上部のプレキャストコンクリート
柱２によりその上部の剛性を大きくできて、施工中の変
形、振動に対して安定性を保つことができる。勿論、下
部の鉄骨柱１は切り離しやジョイントが工場でも工事現
場でも簡単に行えるので、構真柱全体が長くても運搬に
支障を来すようなことはない。なお、上部のプレキャス
トコンクリート柱２を中空にすれば、その重量を更に低
減できて、運搬や建込みを一層容易にできる。また、地
下階層が多い場合でも、配筋、型枠の組立・解体、コン
クリート打設、表面仕上げ等の工事が下部の鉄骨柱１の
部分だけでよいから、従来の鉄骨構真柱に比しこれらの
工事を大幅に少なくできて、工期を短縮でき、施工性、
経済性を向上させることができ、かつ、品質を向上させ
ることができ、構成部材の多様性を図ることができる。
しかも、鉄筋コンクリート地下躯体であっても、地下階
下層部の柱に鉄骨を内蔵させることができて、躯体強度
を増大させることができる。

【００１３】加えて、請求項２の発明では、鉄骨柱１の
上端に多数のスタッドジベル11を付設することによりプ
レキャストコンクリート柱２を緊結一体化させて連設し
ているので、両者の結合強度を増大させることができ、
したがって、当該複合構真柱ａは当初から大きな鉛直荷
重に耐え、当該複合構真柱ａで支える地上一階のコンク
リートスラブｇを作業ステージ、資材置場等に支障なく
利用することができて、施工上の便宜を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１及び請求項２の発明に係る複合構真
柱工法の一実施例を示す截断側面図である。

【図２】請求項１及び請求項２の発明に係る複合構真
柱工法の他の実施例を示す要部拡大截断側面図である。

【図３】図２のIII-III 線の断面図である。

【図４】図２のIV-IV 線の断面図である。

【符号の説明】

１…鉄骨十字柱２…プレキャストコ
ンクリート柱 11,12 スタッドジベル 13…ジョイント金物ａ…複合構真柱ｂ…地上ｃ…基礎地盤ｄ…掘削孔ｅ…支持コンクリートｆ…プレキャストコンクリート梁又は現場打ちコンクリ
ート梁ｇ…現場打ちコンクリートスラブｈ…基礎コンクリー
ト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者伊藤達司東京都中央区銀座八丁目21番１号株式会社竹中工務店東京本店内 (72)発明者高橋賢司東京都中央区銀座八丁目21番１号株式会社竹中工務店東京本店内 (72)発明者廣重隆明東京都中央区銀座八丁目21番１号株式会社竹中工務店東京本店内 (56)参考文献特開昭62−17233（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】地下階下層部の支柱たる鉄骨柱１の上端
に地下階上層部のプレキャストコンクリート柱２を連設
した複合構真柱ａを予め別途生産する一方、工事現場の
地中に基礎地盤にまで達する掘削孔ｄを削孔して、該掘
削孔ｄ内に前記複合構真柱ａを建込みするとともに、掘
削孔ｄ内下部に支持コンクリートｅを打設してその複合
構真柱ａの鉄骨柱１の下端を植設支持させ、次いで、該
複合構真柱ａを支えにして上層階から下層階へと順次に
地下階構築工事を進め、前記鉄骨柱１の部位の地下階で
は、前記鉄骨柱１の周りに配筋及びコンクリート打設工
事を施して各階の現場打ちコンクリート柱を構築し、か
つ、前記鉄骨柱１の下端部を基礎地盤ｃ上に施工する基
礎コンクリートｈ中に埋設することを特徴とする複合構
真柱工法。
【請求項２】地下階下層部の支柱たる鉄骨柱１の上端
に多数のスタッドジベル11を付設することにより地下階
上層部のプレキャストコンクリート柱２を緊結一体化さ
せて連設した複合構真柱ａを予め別途生産する一方、工
事現場の地中に基礎地盤にまで達する掘削孔ｄを削孔し
て、該掘削孔ｄ内に前記複合構真柱ａを建込みするとと
もに、掘削孔ｄ内下部に支持コンクリートｅを打設して
その複合構真柱ａの鉄骨柱１の下端を植設支持させ、次
いで、該複合構真柱ａを支えにして上層階から下層階へ
と順次に地下階構築工事を進め、前記鉄骨柱１の部位の
地下階では、前記鉄骨柱１の周りに配筋及びコンクリー
ト打設工事を施して各階の現場打ちコンクリート柱を構
築し、かつ、前記鉄骨柱１の下端部を基礎地盤ｃ上に施
工する基礎コンクリートｈ中に埋設することを特徴とす
る複合構真柱工法。