JP6340467B1 - 袖壁を用いるラーメン構造及びその接合方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ところが、地震力はあらゆる方向から建物構造物に作用するから、袖壁の平面配置については、柱の平面(X、Y)2方向(直交する両側面)に配置することが必要である。しかしながら、特許文献2に示された袖壁付き柱は、柱の両側に袖壁を設けて柱本体と一体的に製作されたものであり、袖壁を柱の平面(X、Y)2方向側面(直交する両側面)に配置することは、現場打ちとする場合はできるが、プレキャストとする場合は、運搬が困難のため適用できないという問題点を有している。
しかしながら、特許文献3に示された方法は、袖壁に接合溝を設けて、柱の側面からアンカー筋を突設し、アンカー筋にスパイラル状の割裂防止筋を配筋し、これらの鉄筋を接合溝に収容するように袖壁を柱の側面に当接させて、接合溝内に無収縮モルタルを注入して一体化することになっているため、現場作業が煩雑で手間かかるばかりではなく、既存柱の側面からアンカー筋を突設しているため、プレキャスト製の袖壁を上方から建て込むことはできず、梁の長手方向から水平移動して取付するしかないから、現実的に施工は極めて困難である。
さらに、柱の側面から突設させたアンカー筋は袖壁の接合溝に注入されるモルタを介して袖壁と接合するだけで、直接的に袖壁コンクリートに挿通して接合されていないため、柱と袖壁との接合構造は非常に弱いから、地震時に制振ダンパーとする役割は十分に得られないという問題点も有している。
2.水平方向のPC鋼材のみで接合することで、建て込みには無理なく施工が簡単で工期が大幅に短縮することができる。
3. 袖壁の平面配置においては、柱の(X、Y)2方向側面に拘束条件なく自由自在に配置計画することができる。
4.柱の側面に配置される袖壁を上下梁と接合しないことによって、鉛直荷重による軸力及び曲げ応力を受けず、柱の水平剛性を大幅に増加し、柱の水平変形を抑制し、PC柱と鉄骨梁とで構成された複合ラーメン構造における制振効果を顕著に得られると共に、袖壁の壁厚が小さくすることができる。
また、柱が鉛直荷重を支えるものとして、水平荷重に対して袖壁が柱と共同作用で抵抗させることができるため、柱の断面大きさが主に鉛直荷重によって定めて小さくすることができる。
5.本発明の接合方法によれば、プレキャスト袖壁とプレキャスト柱を一体化する一連の作業は、全て地組で完成させ、高所作業を大幅に削減することができる。
また、袖壁を上下梁と接合しないことによって、袖壁の取付作業は全て地組で完成することが可能になり、現場作業の省力化を実現することができる。
図1は、実施の形態に係る基本的な構成を示すものである。PC柱1と鉄骨梁2とで形成される複合ラーメン構造であって、PC柱1は顎3付きでプレキャストコンクリート製とし、各階ごとにPC鋼材(以下、実施例の説明ではPC鋼棒という)4で緊張定着して接合される。PC柱1の顎3に鉄骨梁2の端部を設置して柱梁接合部とし、鉄骨梁2の端部には予めエンドプレート5と定着プレート6とが設けられており、前記柱梁接合部にシース10a、10bを介して複数のPC鋼棒7をそれぞれ貫通して定着プレート6に定着具8を用いて緊張定着して接合され、定着プレート6とエンドプレート5との間に充填材9、例えば、コンクリートまたは無収縮モルタルを用いて充填することが望ましい。なお、上下の柱連結部、柱梁接合部及び後述する袖壁には、PC鋼材またはPC鋼棒を挿通する部位にはそれぞれシース10a、10b、10cが予め取り付けられていると共に、PC柱1と鉄骨梁2のエンドプレート5との間には目地モルタル14aが設けられている。
PC柱1と鉄骨梁2とで形成される複合ラーメン構造で構築される建造物18において、所定箇所に所要の水平剛性に合わせて、PC柱1の片側、両側乃至四側面等に選択的に袖壁11を配置することが可能であり、柱の側面の一方向しか袖壁を配置できない従来技術(特許文献2の図5)に比べて、設置場所の制約を受けないばかりでなく、構造全体のバランスや耐震性等を考慮して、合理的に且つ自由に平面配置設計が可能になるのである。なお、建造物18における中央部の空間部分19は、例えば、吹き抜けやエレベータ、階段等の設置スペース、要するに、柱、梁そしてスラブを配置しない大空間として設けられて利用されるものである。
この実施例は、鉄骨梁に代えてプレキャストコンクリート梁(以下PC梁という)20を使用した例を示すもので、他の構成部分については実質的に同一であり、それらの説明については重複するので、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
即ち、袖壁11を取り付けたPC柱1の顎3にPC梁20の端部を載置し、該PC梁20内に配設したシース10dを介して挿通したPC鋼材による二次ケーブル21でPC圧着接合してPC柱1とPC梁20を一体化した構造である。なお、PC柱1とPC梁20の端部との間には目地モルタル14aが設けられている。
まず、工場で、それぞれプレキャストコンクリート部材として予めPC鋼材とするPC鋼棒が挿通されシース10a、10cが内部に配設されて形成されたPC柱1と袖壁11とをまとめて建築現場に搬入して所要の場所にストックし、図6に示すように、地面22に所要広さの鉄板23を敷設してプレキャスト部材、即ち、PC柱1と袖壁11とを組み立てる場所(地組する場所)を用意する。そして、設計図に基づいて設置されるべきPC柱1をストックした所からクレーンで吊り上げて地組場所へ搬送し、鉄板23上の略中央部に立設して仮止めして(仮止め金具は図示省略)セットする。
その後に、鉄骨梁2の上部にトップコンクリート17(スラブ含む)を打設してスラブを形成する。
また、PC柱1に袖壁11を配置しない一般階において、従来通りに先に立設された柱の上に次の柱を設置し、PC鋼棒4をカプラー16で接続して緊張定着して接合する。
本発明の構築方法の特徴としては、上記の図6〜図9で説明した手順で、要するにプレキャスト袖壁11とプレキャスト柱1とを一体化する一連の作業は、全て建築現場の地上で地組して完成させ、高所作業を大幅に削減したところにある。
また平面おいては、PC柱1の2方向に拘束条件はなく地組で袖壁11を適宜配置することができ、従来の現場打ちで構築することを必要としない。さらに、袖壁11を上下梁と接合しないことによって、袖壁11の取付作業は全て建築現場における地組で完成することが可能になり、現場作業の省力化を実現することができる。
2 鉄骨梁
3 顎
4,7、13 PC鋼棒(PC鋼材)
5 エンドプレート
6 定着プレート
8、15 定着具
9 充填材
10a、10b、10c、10d シース
11 袖壁
12 一次ケーブル
14a、14b、14c 目地モルタル
16 カプラー
17 トップコンクリート
18 建造物
19 空間部分
20 PC梁
21 二次ケーブル
22 地面
23 鉄板
25 グラウト
Claims (5)
- 袖壁付き柱と梁とで形成されるラーメン構造であって、
前記袖壁と柱は、それぞれプレキャストコンクリート部材とし、袖壁が上下の梁間の柱の側面に配置され、該袖壁の鉛直方向において上下の梁と接合せず、水平方向においてPC鋼材を柱に貫通させて配置し、該PC鋼材が緊張定着され前記袖壁と柱とが一体化されることを特徴とする袖壁を用いるラーメン構造。 - 前記袖壁の平面配置において、柱の2方向側面ともに配置されることを特徴とする請求項1に記載の袖壁を用いるラーメン構造。
- 前記梁は、鉄骨造とすることを特徴とする請求項1乃至2に記載の袖壁を用いるラーメン構造。
- 袖壁付き柱と梁とで形成されるラーメン構造における袖壁と柱と梁との接合方法であって、
袖壁と柱をそれぞれプレキャストコンクリート部材とし、予めPC鋼材を挿入する用のシースを配置してあるプレキャスト柱部材を地面に仮建てし、PC鋼材を挿入する用のシースを配置してあるプレキャスト袖壁部材を柱の側面に吊り込んで設置し、シースにPC鋼材を柱に貫通して袖壁に配置し、袖壁と柱との間に設けられている目地にモルタルを注入し硬化させ、PC鋼材の端部に定着具を取り付けて緊張定着して袖壁を柱に一体化接合し、PC鋼材とシースとの隙間にグラウトを注入して硬化させるという一連の作業を地組で完成した後に、一体化された袖壁付き柱を吊り上げて、先に構築された柱頭及び梁の上端(トップコンクリート上面)に設置し、袖壁と梁とを接合せず柱同士のみをPC鋼材で連接することを特徴とする袖壁と柱と梁との接合方法。 - 前記袖壁の平面配置において、地組で柱の2方向側面ともに袖壁を配置して一体化した状態で吊り上げて設置することを特徴とする請求項4に記載の袖壁と柱梁との接合方法。
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