JP6703816B2 - フーチング基礎構造 - Google Patents

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Description

本発明は、フーチング基礎構造に関する。
従来のフーチング構造では、プレキャストコンクリートで構成したフーチング部材の上面から定着筋を突出させておき、該定着筋によって、フーチング部材と、フーチング部材の後から施工する上部躯体とを一体化させている(例えば特許文献1)。
特開2001−355246号公報
しかし、特許文献1の構成によると、フーチング部材の上面から突出する定着筋との干渉を避けながら基礎梁の梁筋を配筋したり、鉄骨柱を配置する際に定着筋を乗り越えて運搬する必要がある。すなわち、定着筋が障害となって作業が煩雑となる。
本発明は上記事実を考慮して、上部構造体を施工し易いフーチング基礎構造を提供することを目的とする。
請求項1に係るフーチング基礎構造は、プレキャストコンクリート製のフーチング部材と、前記フーチング部材において外周壁に沿って埋設された外周補強筋と、前記フーチング部材の上面から突出しない状態で前記フーチング部材に埋設され、一方の端面から前記外周補強筋がねじ込まれた雌ねじ部材と、下面が前記フーチング部材の上面に接して構築され、前記雌ねじ部材の他方の端面へねじ込まれた雄ねじ部材を介して前記フーチング部材へ接合された現場打ちコンクリート製の基礎梁と、を有する。
請求項1に係るフーチング基礎構造によると、フーチング部材の上面から接合部が突出していないため、フーチング部材の上面に上部構造体を構築し接合する際、従来のように、フーチング部材から突出した鉄筋との干渉を避けながら作業を進めるといった煩雑さがない。したがって、上部構造体を施工し易い。
一態様に係るフーチング基礎構造は、前記接合部は、前記フーチング部材の上面に埋設された雌ねじ部材であり、前記基礎梁は、前記雌ねじ部材へねじ込まれる雄ねじ部材を介して前記フーチング部材へ接合されている。
一態様に係るフーチング基礎構造によれば、雌ねじ部材へ雄ねじ部材を捩じ込めばいいので、接合部を継手管とし、継手管へ鉄筋を挿入する構成と比較して、グラウト注入作業が不要となり、施工効率が向上する。
請求項2に係るフーチング基礎構造は、請求項1のフーチング基礎構造において、前記フーチング部材の底面には、基礎杭の杭頭部の外径より内径が大きい凹部が形成され、前記凹部が前記杭頭部に被せられている。
請求項2に係るフーチング基礎構造によれば、基礎杭の杭頭部へフーチング部材の凹部を被せたとき、凹部の内径は杭頭部の外径より大きいので、フーチング部材を横移動させて位置決め出来る。このため、杭頭部の位置が設計位置からずれていても、フーチング部材を横移動して設計位置へ配置することができる。
請求項3に係るフーチング基礎構造は、請求項2のフーチング基礎構造において、前記フーチング部材の上面と前記凹部とを連通する注入孔を備えている。
請求項4に係るフーチング基礎構造は、請求項2又は請求項3のフーチング基礎構造において、前記フーチング部材において前記凹部の壁面に沿って埋設された杭周補強筋と、互いに隣接する前記フーチング部材の間に敷設され、前記フーチング部材の上面と面一とされた敷き均しコンクリートと、を備えている。
以上説明したように、本発明のフーチング基礎構造は、上部構造体を施工し易い、という優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係るフーチング基礎構造を示す立断面図である。 (A)は本発明の実施形態に係るフーチング基礎構造のスリーブを示す斜視図であり、(B)はスリーブの断面図である。 本発明の実施形態に係るフーチング基礎構造の凹部周囲のフーチング配筋を示す平断面図である。 本発明の実施形態に係るフーチング基礎構造の注入孔周囲のフーチング配筋を示す平断面図である。 (A)は変形例1に係るフーチング基礎構造を示す立断面図であり、(B)は変形例2に係るフーチング基礎構造を示す立断面図であり、(C)は変形例3に係るフーチング基礎構造を示す立断面図である。
以下、図1〜図3を参照しながら、本発明の実施形態に係るフーチング基礎構造の一例について説明する。
(フーチング基礎構造)
まず、本実施形態に係るフーチング基礎構造10の全体構造について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るフーチング基礎構造10は、基礎杭20の杭頭部22を覆うように、敷均しコンクリート100の上に載置されたフーチング部材30と、フーチング部材30の上面30Aに形成され、上面30Aから突出していない接合部(雌ねじ部材)としてのスリーブ46と、フーチング部材30の上面30Aに構築された基礎梁50と、を含んで構成されている。
隣接するフーチング部材30の間には敷均しコンクリート102が敷設され、フーチング部材30の上面30Aと敷均しコンクリート102の上方に基礎梁50の梁鉄筋が組まれ、型枠を施工して基礎梁50のコンクリートが打設される。なお、フーチング部材30の上面30Aと、敷均しコンクリート102の表面とは、面一とされている。
(フーチング部材)
フーチング部材30は、直方体形状のプレキャストコンクリート製の本体部32と、本体部32の底面に設けられた凹部34と、本体部32の上面32Aと凹部34とを連通する注入孔36と、を備えている。
凹部34は、図1に示すように、立面視では鉛直方向下向きに向かうに従って拡径する抜き勾配がつけられており、また図2に示すように、平面視では断面8角形とされている。
凹部34は、場所打ち鋼管コンクリート杭とされた基礎杭20の杭頭部22に被せられている。凹部34の内壁面34Bと、杭頭部22の周面22Bとの間には隙間V1が設けられており、互いに対向するフーチング部材30の内壁面34Bの距離W1に対して、杭頭部22の直径φ1は、200mm程度小さく形成されている。また、凹部34の上面34Cと、杭頭部22の頂面22Cとの間にも100mm程度の隙間V2が設けられている。
隙間V1、及びV2には、フーチング部材30の本体部32の上面32Aと凹部34とを連通する注入孔36から注入されたコンクリート24が充填されており、杭頭部22を呑み込むようにしてフーチング部材30と基礎杭20とを固定している。
また、本体部32の底面には、凹部34と本体部32の外部とを連通する空気抜き孔38が形成されており、コンクリート24を充填した際に隙間V1に空気溜りが発生することを抑制している。空気抜き孔38は本体部32の各外周壁32Bの中央部に一箇所ずつ設けられているが、充填するコンクリート24の流動性等を考慮して適宜増減することができる。
なお、本実施形態においては凹部34の内壁面34Bは平滑面とされているが、注入孔36から注入されるコンクリート24との付着力を高めるため、凹凸を有する形状としてもよいし、内壁面34Bからアンカー部材等を突出させてもよい。同様に、本実施形態においては杭頭部22の周面22Bは平滑面とされているが、コンクリート24との付着力を高めるため、凹凸を有する形状とされていてもよいし、周面22Bからアンカー部材が突出していてもよい。
図2(A)に示すように、注入孔36は、凹部34の上部に4つ設けられている。注入孔36の孔径はコンクリート注入用のフレキシブルホースを挿入できる径とされ、本実施形態においては約200mmとされている。
(スリーブ)
図2(A)に示すように、フーチング部材30の上面30Aには、フーチング部材30の外周に沿って円筒状のスリーブ46が複数設けられている。スリーブ46は、上面30Aから突出しないようにフーチング部材30に埋設されている。なお、本実施形態においては、図2(B)に示すように、上面30Aとスリーブ46の端面46Aとは面一とされているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば基礎梁50の施工作業の障害とならない程度であれば、端面46Aは上面30Aからわずかに突出していてもよい。あるいは、端面46Aは上面30Aからフーチング部材30の内部側に埋没していてもよい。
スリーブ46の端面46A、46Bには、それぞれ鉄筋を挿入する挿入孔46C、46Dが形成されている。挿入孔46Cには雌ネジが形成されており、基礎梁50とフーチング部材30とを接合するための鉄筋52が捩じ込まれている。また、挿入孔46Dにも同様に雌ネジが形成されており、フーチング部材30の内部に配筋された立上げ筋44A、44B、又は立上げ筋48Bが捩じ込まれている。なお、図2においては、鉄筋52、立上げ筋44A、44B、48Bは適宜省略している。また、鉄筋52、立上げ筋44A、44B、48Bはそれぞれ異形鉄筋とされている。
スリーブ46の外周面は、端部46Eが六角形状とされ、中央部46Fが端部46Eよりも大きな直径を有する円形状とされている。端部46Eが六角形状とされているため、スリーブ46に先行鉄筋(立上げ筋44A、44B、48B)を挿入する際に、治具を用いて固定し、鉄筋をセットすることができる。また、端部46Eと中央部46Fとの間には段差46Gが形成されているため、スリーブ46が受ける引張力をフーチング部材30へ伝達させることもできる。これにより、スリーブ46がフーチング部材30の上面30Aから軸方向へ抜け出すことが抑制されている。
なお、本実施形態においては接合部として雌ネジを有するスリーブ46を使用しているが、本発明の接合部はこの構成に限られず、各種の機械式継手を用いてもよい。例えば鉄筋の挿入孔は端面46A、46Bに連通していてもよいし、端部及び中央部の形状はどのような形状としてもよい。また、雌ネジを設けずにグラウトを充填して鉄筋52を固定するものとしてもよい。あるいは、フーチング部材30の成形後に打込む後施工アンカー等としてもよい。
(配筋)
次に、図2(B)、図3、図4を用いて、フーチング部材30の配筋について説明する。図3に示すように、フーチング部材30の凹部34の周囲には、凹部34の内壁面34Bに沿って杭周補強筋42が埋設されている。さらに、本体部32の外周壁32Bに沿って外周補強筋44が埋設されている。
外周補強筋44は、外周壁32Bと平行に配置され、両端が上部(図2では紙面手前側)に向かって折り曲げられた立上げ筋44Aと、立上げ筋44Aと直交する方向に配置され、両端が上部に向かって折り曲げられた立上げ筋44Bと、立上げ筋44Bと平行に配置され、両端が立上げ筋44Aに沿った方向に折り曲げられた底部筋44Cと、を備えている。立上げ筋44A、44Bの端部は、図2(B)を用いて説明した通り、スリーブ46の挿入孔46Dに捩じ込まれている。
図4に示すように、注入孔36の周囲には、格子状のフーチング下端筋48が埋設されている。フーチング下端筋48は外周壁32Bと平行に配置され、両端が本体部32に埋設されている埋設筋48Aと、両端が上部(図2では紙面手前側)に向かって折り曲げられた立上げ筋48Bと、を備えている。立上げ筋48Bの端部は、図2(B)を用いて説明した通り、スリーブ46の挿入孔46Dに捩じ込まれている。
(基礎梁)
基礎梁50は、フーチング部材30の上面30Aに接して構築される上部構造体としての現場打ちの鉄筋コンクリート梁であり、図示しない梁主筋やあばら筋、腹筋等の梁鉄筋が埋設されている。また、基礎梁50は、フーチング部材30の上面30Aから開口しているスリーブ46の挿入孔46Cに捩じ込まれた鉄筋52によって、フーチング部材30と接合されている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態に係るフーチング基礎構造10の施工方法を説明しながら、作用並びに効果を説明する。
フーチング基礎構造10を構成するフーチング部材30を設置するためには、まず、現場打ちした基礎杭20の周囲の地盤を壺掘りし、杭頭部22を露出させる。杭頭部22の周囲には割栗石104、敷均しコンクリート100を敷設し、敷均しコンクリート100の硬化後、敷均しコンクリート100の上にフーチング部材30を載置する。
フーチング部材30は、プレキャストコンクリート製とされているため、現場で硬化させる必要が無い。つまり、現場に型枠を設置する必要がない。このため、壺掘りの範囲を小さく抑えることができる。あるいは現場打ちの場合は土型枠を用いる場合があるが、この場合と比較して、コンクリートの使用量を少なくすることができる。また、雨天時にも設置作業が可能なため、施工効率が高い。
また、基礎梁50は後施工するため、基礎梁と一体となっているフーチングと比較してフーチング部材30の重量は軽く、クレーンでの揚重が容易である。さらに、体積も小さくなるので、フーチング部材30、及び基礎梁50を養生する際の発熱量が低く抑えられる。したがって、コンクリートの組成や養生方法等に関してマスコンクリート対策の必要性が減少する。
また、フーチング部材30の凹部34の内壁面34Bと、杭頭部22の周面22Bとの間には、隙間Vが設けられている。この隙間Vの幅を調整することで、基礎杭20が偏心していても、フーチング部材30を設計位置に設置することができる。さらに、対向する内壁面34B同士の幅W1を調整すれば、フーチング部材30を、既成杭、及び、既成杭よりも杭径の大きな場所打ち杭の双方に適用可能である。
次に、フーチング部材30の上面に開口した注入孔36から、コンクリート24を注入する。注入孔36の孔径はフレキシブルホースを挿入できる大きさとされているので、コンクリート24を容易に注入することができる。また、注入孔36は4つ形成されており、このうちの1つの注入孔36を用いてコンクリート24を流し込み、残りの3つの注入孔36からコンクリート24が溢れ出したことを視認して、隙間Vへコンクリート24が充填されたことを確認する。これにより、注入孔が例えば1つの場合と比較して、コンクリート24の充填を確実に行うことができる。
なお、本実施形態においては、注入孔36からはコンクリートを注入しているが、本発明の実施形態はこれに限られず、基礎杭20とフーチング部材30との間に必要な固定度に応じて、モルタルやグラウトなどを適宜用いることができる。
次に、フーチング部材30の周囲の壺掘り部分を土砂で埋め戻し、地盤表面を敷均しコンクリート102で整地する。なお、このとき、敷き均しコンクリート102の表面と、フーチング部材30の上面30Aとが面一となるように整地して、その後、フーチング部材30の上部、及び敷均しコンクリート102の上部に、基礎梁鉄筋を配筋する。
このとき、例えば建物エリア外の地組ヤード等で予め組み立てた基礎梁鉄筋をクレーンで揚重し、フーチング部材30の上に跨って載置する際には、敷き均しコンクリート102の表面とフーチング部材30の上面30Aとが面一となっており載置場所に段差がないので、載置後に基礎梁鉄筋がたわむことが抑制される。
さらに、フーチング部材30の上面30Aには、雌ねじを有するスリーブ46が開口しているので、フーチング部材30と基礎梁50とを接合させるための鉄筋52は、基礎梁鉄筋の配置後に、スリーブ46に捩じ込むことができる。このため、基礎梁施工時には、フーチング部材30の上面30Aからは鉄筋52は突出していない。
よって、例えば予め組み立てた基礎梁鉄筋を、フーチング部材30の近傍の敷均しコンクリート102の上面に仮置きしてからフーチング部材30の上面に載置する際には、鉄筋52を乗り越えて揚重する必要がなく、基礎梁鉄筋を横方向にスライドさせるだけでよい。したがって、基礎梁鉄筋を配置する作業効率が高い。
また、基礎梁鉄筋を、地組ヤード等ではなくフーチング部材30の上部で組み立てる場合においても、フーチング部材30の上面30Aから鉄筋52が突出していないため、鉄筋52と基礎梁鉄筋との干渉が発生せず、作業効率が高い。
さらに、鉄筋52は、スリーブ46を介して、フーチングを補強する立上げ筋44A、44B、48Bと接合されている。このため鉄筋52がフーチング部材30に強固に固定され、フーチング部材30と基礎梁50との固定度を上げることができる。
次に、フーチング部材30と基礎梁50とを接合させるための鉄筋52を、スリーブ46に捩じ込む。このとき、スリーブ46の内周部に形成された雌ねじに鉄筋52を捩じ込むことにより、スリーブ46と鉄筋52とを接合することができるので、例えばグラウトを注入してスリーブと鉄筋とを固定する場合と比較して、接合作業が容易である。
次に、基礎梁50の型枠を設置してコンクリート打設し、硬化後脱型して、本実施形態に係るフーチング基礎構造10の施工が完了する。
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例について説明する。図4には、上記実施形態の変形例が複数示されている。
まず、図5(A)に示された変形例1に係るフーチング基礎構造12について説明する。フーチング基礎構造12では、フーチング部材60の上面60Aに構築される上部構造体として、鉄筋コンクリート製の基礎梁50に代えてH形鋼54が用いられ、フーチング部材60の上面62Aに形成された接合部として、スリーブ46に代えて埋め込みプレート70が用いられている。埋め込みプレート70はスタッドボルト72と一体化されており、フーチング部材60の成形時にコンクリートとスタッドボルト72とが定着することで、埋め込みプレート70とフーチング部材60とが固定されている。埋め込みプレート70の上面70Aはフーチング部材60の上面60Aと面一とされ、H形鋼54の下フランジと溶接によって接合されている。
変形例1に係るフーチング基礎構造12によれば、埋め込みプレート70の上面70Aとフーチング部材60の上面60Aとが面一とされているため、フーチング部材60の上部に突出するものがなく、H形鋼54の設置時に、H形鋼54と干渉するものがない。したがって、上部構造体であるH形鋼54を施工しやすい。
なお、本変形例では、埋め込みプレート70はスタッドボルト72と一体とされているものとしたが、本発明の実施形態はこれに限られない、例えば、スタッドボルト72に代えて雌ネジアンカー等をフーチング部材60に埋め込んでおき、埋め込みプレート70に形成した取付孔へボルトを差し込み埋め込みプレート70を固定してもよい。このとき、埋め込みプレート70の上面に、ボルト頭を陥入させるための凹部を設けてもよいし、H形鋼54の設置の障害にならなければ、埋め込みプレート70の上面から突出していてもよい。
次に、図5(B)に示された変形例2に係るフーチング基礎構造14について説明する。フーチング基礎構造14では、現場打ちの鉄筋コンクリート製の基礎梁50に代えてプレキャストコンクリート製の基礎梁部材56が用いられ、基礎梁部材56の端部がフーチング部材30の上面30Aに載置されている。基礎梁部材56の端面56Aからは梁鉄筋56Bが突出しており、現場打ちコンクリートによって形成された仕口部56Cに定着している。また、フーチング部材30の上面には、上記実施形態と同様にスリーブ46が埋め込まれており、スリーブ46に捩じ込まれた鉄筋52も、仕口部56Cに定着している。
変形例2に係るフーチング基礎構造14によれば、鉄筋52は、基礎梁部材56の配置後に、スリーブ46に捩じ込むことができる。このため、基礎梁部材56の施工時には、フーチング部材30の上面30Aからは鉄筋52は突出しておらず、基礎梁部材56の端部をフーチング部材30の上面30Aに載置する際に、梁鉄筋56Bと干渉するものがない。したがって、基礎梁部材56を施工しやすい。
次に、図5(C)に示された変形例3に係るフーチング基礎構造16について説明する。フーチング基礎構造16では、フーチング部材62の上面62Aに形成された接合部として、スリーブ46に代えてコッターとしての凹部64が設けられている。フーチング部材62の上面62Aには現場打ちコンクリートの基礎梁58が載置されており、基礎梁58のコンクリート打設時に凹部64に流れ込むコンクリートにより、フーチング部材62と基礎梁58とが、水平方向のせん断力を伝達可能に接合されている。
変形例3に係るフーチング基礎構造16によれば、フーチング部材62と基礎梁58とを接合するために、スリーブに鉄筋を捩じ込んだり部材同士を溶接する必要がない。また、基礎梁58の施工時には、フーチング部材62の上面62Aから突出するものがないので、基礎梁58をフーチング部材62の上面62Aに施工する際に、基礎梁鉄筋と干渉するものがない。したがって、基礎梁58を施工しやすい。
以上、実施形態及び変形例を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態及び変形例は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
例えば、上記実施形態においては、フーチングの上面に構築される上部構造体として、コンクリート製若しくは鉄骨製の梁としたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えばフラットスラブなどでもよい。上部構造体としてフラットスラブを用いた場合、基礎杭20とフラットスラブとの間にフーチングが形成されることにより、フラットスラブのパンチング破壊を抑制することができる。また、鋼管杭等の杭を用いた木造住宅の土台や床束としてもよい。木造住宅の杭基礎からアンカーボルトなどが突出していなければ、主に手作業による木造住宅の土台の配置作業の効率が高まる。
このように、本発明はこうした上記の実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10、12、14、16 フーチング基礎構造
20 基礎杭
22 杭頭部
30 フーチング部材
34 凹部
46 スリーブ(接合部、雌ねじ部材)
50 基礎梁(上部構造体)
52 鉄筋(雄ねじ部材)
54 H形鋼(上部構造体)
56 基礎梁部材(上部構造体)
58 基礎梁(上部構造体)

Claims (4)

  1. プレキャストコンクリート製のフーチング部材と、
    前記フーチング部材において外周壁に沿って埋設された外周補強筋と、
    前記フーチング部材の上面から突出しない状態で前記フーチング部材に埋設され、一方の端面から前記外周補強筋がねじ込まれた雌ねじ部材と、
    下面が前記フーチング部材の上面に接して構築され、前記雌ねじ部材の他方の端面へねじ込まれた雄ねじ部材を介して前記フーチング部材へ接合された現場打ちコンクリート製の基礎梁と、
    を有するフーチング基礎構造。
  2. 前記フーチング部材の底面には、基礎杭の杭頭部の外径より内径が大きい凹部が形成され、前記凹部が前記杭頭部に被せられている、請求項1に記載のフーチング基礎構造。
  3. 前記フーチング部材の上面と前記凹部とを連通する注入孔を備えている、請求項2に記載のフーチング基礎構造。
  4. 前記フーチング部材において前記凹部の壁面に沿って埋設された杭周補強筋と、
    互いに隣接する前記フーチング部材の間に敷設され、前記フーチング部材の上面と面一とされた敷き均しコンクリートと、
    を備えた請求項2又は請求項3に記載のフーチング基礎構造。
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