JP2012211496A - 建築物基礎の形成方法及び仮支持金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレキャストコンクリートブロック5の底面に仮支持金具20を取り付ける。仮支持金具の脚部21cは、2箇所から下方に突き出すとともに脚部間の空間が下方に開放されている。また、脚部には立ち上げ部4となるプレキャストコンクリートブロック5の高さを調整する高さ調整部が設けられており、鋼板材24,25に形成されたねじ穴に高さ調整用ボルト26がねじ込まれている。上記プレキャストコンクリートブロック5は、基礎支持面2上に鉄筋11,12を配列した後に、仮支持金具の脚部が上記鉄筋を跨ぐように配置する。鉄筋は所定の高さに支持し、プレキャストコンクリートブロックの下部と連続して、仮支持金具を埋め込むようにコンクリート床版3を形成する。
【選択図】図1
Description
なお、上記立ち上げ部は建築物の外周部と内部の耐力壁の壁面方向に設置され、コンクリートの基礎版と強固に固着されて建築物の荷重を基礎版に伝達し、分散して地盤に伝えるものとなっている。
このような事情から、工場等で製作されたプレキャストコンクリートブロックを用いて上記立ち上げ部を形成する方法が提案されている。これは、転圧された基礎支持面上に複数のプレキャストコンクリートブロックを配置した後、これらのプレキャストコンクリートブロックと一体となるように基礎版のコンクリートを打設するものである。
特許文献1に記載の形成方法は以下のようなものである。
工場等で形成されたコンクリートからなる複数の基礎本体(プレキャストコンクリートブロック)を基礎地盤上に配列して、基礎本体の両端部に設けられた脚部を埋め込むようにコンクリート打設するものである。上記基礎本体の脚部間では下部に補強鉄筋が露出しており、基礎本体を配列した後に打設するコンクリート中に上記補強鉄筋を埋め込む。また、基礎本体の両端からは水平方向に補強鉄筋を突き出しており、隣り合う二つの基礎本体から突き出した補強鉄筋を重ね合わせ、これらを埋め込むように二つの基礎本体間にコンクリートを打設して一体とするものである。
突合せ端面又は側面にジョイントが設けられるとともに底面に高さ調整用金具が備えられた基礎材(プレキャストコンクリートブロック)を均しコンクリート面上に配置し、上記ジョイントを嵌合させて複数の基礎材を連結する。
基礎材が連結された後、均しコンクリート上つまり基礎材の下方に底鉄筋を格子状に配筋するとともに基礎材の底面から突出している鉄筋を底鉄筋と結束し、コンクリートを打設して底板と基礎材とを一体化する。
上記高さ調整金具は、底部が基礎材の両側に張り出した箱状の部材となっており、均しコンクリートの上面に載置されて基礎材を安定した状態で支持することができるものとなっている。
特許文献1に記載の形成方法では、基礎本体(プレキャストコンクリートブロック)の側端面から突出した補強鉄筋を連結するために、二つの基礎本体間にコンクリートを打設する必要がある。このコンクリートを打設するための型枠として複雑な構成を有する連結ブロックが使用されている。つまり、基礎本体間の連結部コンクリートを打設するための型枠を形成する工程の作業効率が良好ではない。
なお、基礎支持面上に配列された鉄筋を基礎版内に埋め込む所定の高さへ持ち上げる工程は、プレキャストコンクリートブロックを基礎支持面上に支持させる工程の前又は後のいずれで行われるものであってもよい。
なお、捨てコンクリートが打設される範囲以外の基礎支持面である締め固められた地盤は、掘削後の地盤を締め固めるものであっても良いが、砕石、砂利等を敷きならして締め固めるのが望ましい。
また、基礎版内に埋設される鉄筋を基礎支持面上に配列するとき、又は仮支持金具を介して、プレキャストコンクリートブロックを配置するときに上記シートの損傷を回避することも可能となる。
また、脚部間に空間が形成されているので打設されるコンクリートが脚部間に回りこみやすく、プレキャストコンクリートブロックと基礎版とが強固に一体化される。
また、本願発明に係る仮支持金具では、プレキャストコンクリートブロックを支持するとともに、該プレキャストコンクリートブロックの軸線方向の直下に鉄筋を容易に配置して効率よく建築物基礎を形成することが可能となる。
図1は本願発明に係る方法で形成された建築物基礎の一例を示す断面図、図2はこの建築物基礎の立ち上げ部を構成するプレキャストコンクリートブロックの平面図、正面図及び側面図、図3はプレキャストコンクリートブロックに備えられた接合部を示す平面図、正面図及び側面図である。
この建築物基礎1は、図1に示すように、基礎支持面2上に支持された基礎版であるコンクリート床版3と、コンクリート床版3から連続するように立ち上げられた立ち上げ部4と、を有するものである。上記立ち上げ部4は、複数のプレキャストコンクリートブロックを配列して形成されている。上記コンクリート床版3と立ち上げ部4とには、それぞれ鉄筋が埋め込まれるとともに、立ち上げ部4となるプレキャストコンクリートブロック5の下端部が、現場でコンクリートを打設して形成されたコンクリート床版3中に埋め込まれている。プレキャストコンクリートブロック5に埋め込まれた鉄筋の一部は底面から突出しており、該鉄筋13の突出した部分がコンクリート床版3に埋め込まれて、プレキャストコンクリートブロック5とコンクリート床版3とが一体に結合されている。また、プレキャストコンクリートブロック5を基礎支持面2上に仮支持する仮支持金具20が、プレキャストコンクリートブロック5を仮支持した状態のままコンクリート床版3のコンクリート中に埋め込まれている。
立ち上げ部4の上には、木造の建築物の構造部材(図示しない)が立ち上げられ、この建築物の荷重が上記立ち上げ部4及びコンクリート床版3を介して地盤に分散して伝達されるものとなっている。
なお、捨てコンクリート8上の仮支持金具20が支持される領域には、鋼または合成樹脂からなるプレート10が載置或いは固着されており、仮支持金具20による高さの調整を容易としている。
プレキャストコンクリートブロック5は、上記外壁又は耐力壁の壁面に沿った水平方向に最も長い軸線を有するほぼ直方体となっており、軸線に対する幅は壁体の厚さに等に基づいて設定される。また、高さは基礎版であるコンクリート床版3の位置及び建築物の床面の高さ等に基づいて適宜に決定されるものである。
また、プレキャストコンクリートブロック5の底面には仮支持金具20が取り付けられており、プレキャストコンクリートブロック5はこの仮支持金具20を介して捨てコンクリート8上に支持される。つまり、仮支持金具20はコンクリート床版3のコンクリートが打設されて硬化するまで、プレキャストコンクリートブロック5を所定の高さに仮支持するものである。
上記プレキャストコンクリートブロック5は、他のプレキャストコンクリートブロックとの連結部に雌ジョイント15を備えるとともに他の連結部に雄ジョイント16を備えたもの、すべての連結部に雌ジョイントを備えたもの、すべての連結部に雄ジョイントを備えたもの等、構築される建築物に応じて設計される。また、ジョイント15,16やシアコッター17は、プレキャストコンクリートブロックの軸線方向における端面の他、他のプレキャストコンクリートブロックの端面と対向する側面に設けられる。
上記突出部16bは、先端付近で幅方向の寸法が拡大された頭部を有し、プレキャストコンクリートブロック5が他のプレキャストコンクリートブロックと対向する当接面5aから突出している。上記基部16aは上記突出部16bと一体に形成されて突出部16bを支持するものであり、後方で2つに分岐し、分岐のそれぞれにアンカー筋16cが結合されている。上記アンカー筋16c及び基部16aがプレキャストコンクリートブロック5内に埋設されることにより、雄ジョイント16がプレキャストコンクリートブロック5に固着されている。
上記支持部15bは、雄ジョイント16の突出部16bが凹状の空間内に嵌め合わされたときに、雌ジョイント15と雄ジョイント16との間に空隙が形成されるように緩く組み付けるようになっている。そして、支持基部15aに連結されたアンカー筋15cがプレキャストコンクリートブロック5に埋め込まれ、雌ジョイント15を固着するものとなっている。
まず、図5(a)に示すように、建築物が構築される地盤6を掘削し(根切り)、砕石を敷き均して転圧して上面が平坦な砕石層7を形成する。
上記砕石を敷き均して転厚するときに、プレキャストコンクリートブロック5に取り付けられた仮支持金具20を支持する位置には、所定の大きさの板状部材31例えば木板を埋め込み、この板状部材31の上面とこの周囲の締め固められた砕石層7とがほぼ同じ高さになるように仕上げる。その後、上記板状部材31を抜き取り、砕石層7に凹部7aを形成する。
その後、雌ジョイント15の上方に形成された切り欠き5bからモルタルグラウトを流し込み、雄ジョイント16と雌ジョイント15との隙間及びシアコッター17内にモルタルグラウトを充填する。これにより、プレキャストコンクリートブロック間の変位が生じない状態に連結される。
例えば、仮支持金具は、コンクリート床版内に埋設される下側主筋を跨いでプレキャストコンクリートブロックを支持することができるものであれば、図8に示すような他の形態のものを用いることができる。
上記取り付け部42は、棒鋼41の長さ方向の中央部を圧延して平板状にし、この部分に上下方向の貫通孔42aを設けたものである。この貫通孔42aにボルト(図示しない)を挿通し、プレキャストコンクリートブロック5に埋設されたアンカー部材27の雌ねじに上記ボルトをねじ込むことによって、この仮支持金具40をプレキャストコンクリートブロック5の底面に取り付けることができる。また、下方へ突出した上記脚部43の先端付近43aでは、棒鋼41を水平方向に曲げた部分が圧延され、厚みを有する平板状となっている。この部分に形成されたねじ孔に高さ調整用ボルト44がねじ込まれ、支持するプレキャストコンクリートブロックの高さを調整する高さ調整部となっている。
この仮支持金具50は所定の長さの棒鋼51を曲げ加工し、中央部の水平となる部分を圧延して、(a)図及び(b)図に示す仮支持金具40と同様に取り付け部52が形成されている。この取り付け部52にはボルトを挿通する貫通孔52aが設けられている。そして、取り付け部の両側で下方に曲げ下げられた部分が脚部53となっており、この脚部53の先端付近は外周面に雄ねじが形成されている。この雄ねじに長ナット54が螺合されて高さ調整部となっており、上記雄ねじの長ナット54へのねじ込み量を調整することによりプレキャストコンクリートブロック5の高さを調整するものである。
図9(a)に示す建築物基礎60は、地盤61を深く掘り下げて地中梁62とする部分では、配置するプレキャストコンクリートブロック5の底面に、鋼で形成された支柱63を固定し、その下端に仮支持金具20を取り付けている。このように仮支持金具20を取り付けたプレキャストコンクリートブロック5も、図1に示すものと同様に仮支持金具が先に配置された鉄筋64を跨ぐように設置し、鉄筋64の配置を容易に行うことができる。
20:仮支持金具、 21,22:棒鋼、 23:鋼板材(取り付け板)、 24,25:鋼板材(脚板)、 26:高さ調整用ボルト、 27:アンカー部材、 28:高さ表示、
31:板状部材(木版)、 32:型枠、
40:仮支持金具、 41:棒鋼、 42:取り付け部、 42a:貫通孔、 43:脚部、 44:高さ調整用ボルト、
50:仮支持金具、 51:棒鋼、 52:取り付け部、 53:脚部、 54:長ナット、
60:建築物基礎、 61:地盤、 62:地中梁、 63:支柱、 64:鉄筋、
70:建築物基礎、 71:地盤、 72:地中梁、 73:砕石層、 74:鉄筋、 75:コンクリート床版
Claims (7)
- 基礎支持面上に形成された基礎版と、この基礎版上に立ち上げられる立ち上げ部とを有する建築物基礎の形成方法であって、
地盤上に前記基礎支持面をほぼ水平に形成する工程と、
前記基礎支持面上に、前記基礎版にほぼ水平に埋め込む鉄筋を配列する工程と、
前記立ち上げ部を構成するプレキャストコンクリートブロックの底面に、少なくとも2箇所から下方に突き出した脚部を有する仮支持金具を取り付け、該プレキャストコンクリートブロックを、2箇所から突き出した前記脚部が前記鉄筋を跨ぐように、前記基礎支持面上に支持させる工程と、
前記基礎支持面上に配列された前記鉄筋を上方に持ち上げ、前記基礎版内に埋め込む所定の高さに配置する工程と、
前記鉄筋と前記仮支持金具とを埋め込み、前記プレキャストコンクリートブロックと密接するように前記基礎版のコンクリートを打設する工程と、を含むことを特徴とする建築物基礎の形成方法。 - 前記仮支持金具は、前記脚部の高さの調整を可能とする高さ調整部を有するものを用い、
前記プレキャストコンクリートブロックを前記基礎支持面上に支持させる工程の後に、前記高さ調整部によって前記プレキャストコンクリートブロックを所定の高さに設定する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の建築物基礎の形成方法。 - 前記基礎支持面を形成する工程は、地盤を締め固めるとともに前記仮支持金具を支持する位置の地盤内に板状部材を埋め込み、該板状部材の上面とこの板状部材の周囲の締め固められた地盤の表面とがほぼ同じ高さとなるように仕上げる工程と、
前記板状部材を抜き取り、抜き取った後の凹部に捨てコンクリートを打設して上面を周囲の地盤の表面とほぼ同じ高さに均す工程と、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建築物基礎の形成方法。 - 前記板状部材を抜き取った後、凹部に捨てコンクリートを打設するまでに、前記凹部の周囲の地盤上から該凹部の内側に連続して防湿性又は防蟻性を有するシートを敷設する工程を含み、
前記捨てコンクリートは前記シートの上に打設することを特徴とする請求項3に記載の建築物基礎の形成方法。 - 前記基礎支持面上に配列された前記鉄筋を持ち上げ、所定の高さに支持させる工程は、該鉄筋を前記脚部に結束する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の建築物基礎の形成方法。
- 基礎支持面上に形成された基礎版と、この基礎版上に立ち上げられる立ち上げ部とを有する建築物基礎の前記立ち上げ部となるプレキャストコンクリートブロックを仮支持し、その後に打設される前記基礎版のコンクリート中に埋め込まれる仮支持金具であって、
前記プレキャストコンクリートブロックの底面に取り付けられる取り付け部と、
前記取り付け部の少なくとも2箇所から下方に突き出した脚部と、
前記基礎支持面上に支持された状態で前記脚部の高さの調整を可能とする高さ調整部とを有し、
前記脚部間の空間が下方に開放されていることを特徴とする仮支持金具。 - 前記脚部は、棒状の鋼部材で形成されており、
前記基礎版に配置される鉄筋の高さに相当する位置に、鉄筋の位置の表示が付されていることを特徴とする請求項6に記載の仮支持金具。
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