JP2011084967A - 構造物の柱と既製杭との連結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造物の柱と既製杭との連結構造に係る柱型部の平面サイズを小さくできて建築計画の自由度を高める。
【解決手段】構造物の柱と、その下方の地盤に埋設される既製杭とを、前記柱の土台をなす柱型部を介して連結する連結構造である。前記柱型部は、コンクリート製の柱型部本体と、前記柱を前記柱型部本体に定着させるために前記柱型部本体内における水平方向の複数の位置に鉛直方向に沿って埋設された複数のアンカーボルトと、前記複数のアンカーボルトを水平方向の外方から囲いつつ前記柱型部本体内に埋設されたフープ筋と、を有する。前記アンカーボルトが前記柱型部の主筋を兼ねることにより、前記柱型部内には、該柱型部の主筋としてのみ機能する鉄筋は埋設されていない。前記既製杭の頭部は、前記柱型部本体内における前記複数のアンカーボルトで囲まれる部位に埋設されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、構造物の柱と、地盤に埋設される既製杭との連結構造に関する。
従来、構造物の柱を、地盤Gに埋設される基礎杭としての既製杭に連結する方法として、これら両者を、RC(鉄筋コンクリート)造等のフーチングを介して連結することが知られている。
一方、構造物の柱10を、地盤Gに埋設される基礎梁20に連結する構造として、スマートベース(商標)が知られている。図1は、スマートベースの主要部となる柱型部30を破断して示す概略側面図である。このスマートベースにあっては、柱10の下方に、基礎梁20と連結したRC造の柱型部30を設ける。そして、この柱型部30内に埋設されたアンカーボルト34に前記柱10の下端部10bをナット35aで締結固定することにより前記柱10を柱型部30に定着して、柱10と基礎梁20とを連結する。ここで、このスマートベースにおいては、前記アンカーボルト34に、柱型部30の主筋を兼ねさせる。そして、これにより、柱型部30内に配されるべき主筋を省略して、煩雑な配筋作業の軽減化やコストダウンを図っている。
特開2005−256424号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているのは、スマートベースの基礎梁20への適用例だけであり、つまり、当該特許文献1には、基礎杭に対する適用例は開示されていない。
ここで、当該基礎杭に対してスマートベースを適用する場合には、その適用の仕方によっては、柱型部30の強度確保の観点から、柱型部30の平面サイズを大きくする必要が生じる。
図2A及び図2Bは、これを詳しく説明するための図である。図2Aは、スマートベースを、基礎杭としての既製杭50に適用した場合に想定される構成例の概略側面図であり、柱型部30を破断して示している。また、図2Bは、図2A中のB−B断面図である。
例えば、地震時において構造物の柱10が地面に対して相対的に水平方向の左に揺れた際には、図2Aのように、既製杭50の頭部50aから柱型部30へと右向きの水平力Fが剪断的に作用する。そして、この時、図示のように、柱型部30内への既製杭50の頭部50aの埋め込み長L1が短かったりすると、上述の水平力Fを、専ら前記頭部50aの右側に位置するコンクリート部分30pの耐力のみで受け止めることになる。つまり、柱型部30内のフープ筋38は有効に機能せず、フープ筋38の張力に全く頼ることができない。そのため、このような場合に、図2B中灰色領域30kで示すような柱型部30の剪断的な破損を防ぐには、既製杭50の外周面50sから柱型部30の外形輪郭30sまでの寸法L2を、図2B中二点鎖線で示すようにL2’へと拡大して、そのコンクリート部分30pの剪断耐力の向上を図ることが必要になる。
しかし、そうすると、柱型部30の平面サイズの増大を来し、結果、柱10の平面位置を敷地境界に近づけ難くなる等、建築計画を大きく制約する虞がある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、柱型部の平面サイズを小さくできて建築計画の自由度を高めることが可能な構造物の柱と既製杭との連結構造を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、
構造物の柱と、その下方の地盤に埋設される既製杭とを、前記柱の土台をなす柱型部を介して連結する連結構造であって、
前記柱型部は、コンクリート製の柱型部本体と、前記柱を前記柱型部本体に定着させるために前記柱型部本体内における水平方向の複数の位置に鉛直方向に沿って埋設された複数のアンカーボルトと、前記複数のアンカーボルトを水平方向の外方から囲いつつ前記柱型部本体内に埋設されたフープ筋と、を有し、
前記アンカーボルトが前記柱型部の主筋を兼ねることにより、前記柱型部内には、該柱型部の主筋としてのみ機能する鉄筋は埋設されておらず、
前記既製杭の頭部は、前記柱型部本体内における前記複数のアンカーボルトで囲まれる部位に埋設されていることを特徴とする。
上記請求項1に示す発明によれば、既製杭の頭部は、柱型部内において、複数のアンカーボルトで囲まれる部位に埋設されている。また、同複数のアンカーボルトには、これらアンカーボルトを水平方向の外方から囲ってフープ筋が設けられている。
よって、地震時において構造物の柱が水平方向に揺れた際に、既製杭の頭部が柱型部本体に加え得る水平力に対しては、柱型部本体は、フープ筋の張力で有効に受け止めることができて、これにより、柱型部本体自体の平面サイズを大きくしてコンクリート部分の剪断耐力を高めずとも、柱型部本体の破損を防ぐことができる。その結果、柱の平面位置を敷地境界に近づけることが可能になる等、建築計画の自由度を高めることができる。
請求項2に示す発明は、請求項1に記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
前記アンカーボルトと前記既製杭の頭部とは、鉛直方向にオーバーラップしていることを特徴とする。
上記請求項2に示す発明によれば、地震時に既製杭の頭部が柱型部本体に加え得る前述の水平力を、前記フープ筋の張力で有効に受け止め、前記アンカーボルトを介して構造物の柱に効率的に伝達することができる。これにより、この水平力を有効に受け止め可能となり、結果、柱型部本体自体の平面サイズを大きくせずに済む。
請求項3に示す発明は、請求項2に記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
前記柱型部本体内に埋設される前記既製杭の頭部の直径がD(mm)である場合に、前記アンカーボルトと前記既製杭の頭部との鉛直方向のオーバーラップ長は、1×D(mm)以上であることを特徴とする。
上記請求項3に示す発明によれば、前記オーバーラップ長は、比較的長く確保される。よって、地震時に既製杭の頭部が柱型部本体に加え得る水平力を、アンカーボルト及びフープ筋の張力でしっかりと受け止めることができる。
また、既製杭の横断面サイズに応じて、前記オーバーラップ長が決められるので、既製杭の水平耐力に見合った大きさの水平力を柱型部本体へ確実に伝達することができる。つまり、柱型部本体に対して、既製杭の資材コストに相応する大きさの水平力を柱型部本体に伝達することができて、これにより、必要以上に既製杭の横断面サイズが大きいという過剰仕様に起因したコスト増を有効に防止できる。
請求項4に示す発明は、請求項2又は3に記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
前記フープ筋は、鉛直方向に複数並んで配置されており、
前記オーバーラップしている範囲における上半部と下半部とのそれぞれにつき、少なくとも1本以上の前記フープ筋が配置されていることを特徴とする。
上記請求項4に示す発明によれば、地震時に既製杭の頭部が柱型部本体に加え得る水平力を、フープ筋に確実に伝達することができて、その結果、前記水平力をフープ筋の張力でしっかりと受け止めることができる。
また、前記オーバーラップしている範囲における上半部に少なくとも1本のフープ筋が配置され、同下半部にも少なくとも1本のフープ筋が配置される。よって、地震時に既製杭の頭部が、前記オーバーラップしている範囲において柱型部に対して傾いた際に、同範囲の上半部及び下半部にて既製杭から柱型部へ付与され得る偶力を、上半部のフープ筋及び下半部のフープ筋で確実に押さえ込むことができる(偶力については、図4中の水平力Fa及びFbを参照)。よって、柱型部の耐久性を格段に高めることができる。
請求項5に示す発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
前記アンカーボルトよりも水平方向の外方に、前記フープ筋を束ねて支持するための建て方筋が配置されており、
前記フープ筋は、前記アンカーボルトとの間に間隔を有しつつ、前記アンカーボルトの外方に配置されていることを特徴とする。
上記請求項5に示す発明によれば、建て方筋を用いるので、アンカーボルトの外方にフープ筋を容易且つ確実に配置可能となる。その結果、地震時に既製杭の頭部が柱型部本体に加え得る水平力を、アンカーボルト及びフープ筋の張力で確実に受け止め可能となる。
請求項6に示す発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
前記フープ筋は、前記複数のアンカーボルトに巻き付けられて接合されていることを特徴とする。
上記請求項6に示す発明によれば、フープ筋を支持するための建て方筋を設けずに済むので、資材コストの削減を図れる。
また、前記接合に基づきフープ筋はアンカーボルトに近接配置されるので、柱型部の平面サイズを小さくすることができる。
更には、アンカーボルトとフープ筋との前記接合に基づいて、アンカーボルトとフープ筋との水平力の伝達が速やか且つ確実に行われるので、地震時に既製杭の頭部が柱型部本体に加え得る水平力をフープ筋の張力でより確実に受け止め可能となる。
本発明によれば、柱型部の平面サイズを小さくできて建築計画の自由度を高めることができる。
スマートベースの主要部となる柱型部30を破断して示す概略側面図である。 図2Aは、参考例として、スマートベースを、基礎杭としての既製杭50に適用した場合の概略側面図であり、図2Bは、図2A中のB−B断面図である。 図3A及び図3Bは、本実施形態に係る柱10と既製杭50との連結構造の説明図であって、図3Aは、連結構造に係る柱型部30を破断して示す概略側面図であり、図3Bは、図3A中のB−B断面図である。 本実施形態の作用効果を説明するための柱型部30を破断して示す概略側面図である。 図5A乃至図5Fは、本実施形態の連結構造の施工手順の説明図である。 図6A及び図6Bは、本実施形態に係る柱型部30の変形例の説明図であって、図6Aは、柱型部30を破断して示す概略側面図であり、図6Bは、図6A中のB−B断面図である。
===本実施形態===
図3A及び図3Bは、本実施形態に係る構造物の柱10と既製杭50との連結構造の説明図である。図3Aは、連結構造に係る柱型部30を破断して示す概略側面図であり、図3Bは、図3A中のB−B断面図である。
図3Aに示すように、本実施形態に係る既製杭50は、地盤Gに埋設されている。また、その上方には、建物等の構造物の柱10が配置されており、これら既製杭50及び柱10の両者は、柱10の土台としての柱型部30を介して連結されている。なお、この柱型部30は、既製杭50と柱10との仕口部(又は接合部)と言うこともでき、この例では、図3Aに示すように、この柱型部30を介して地盤G中の基礎梁20も連結されている。ちなみに、基礎梁20の無い独立基礎でも良い。
柱10としては、例えば、H形鋼や、角形鋼管、円形鋼管等の鉄骨柱を例示でき、ここでは角形鋼管の鉄骨柱である。但し、何等鉄骨柱に限るものではなく、つまり、後述するアンカーボルト34を介して柱型部30に締結固定可能なベースプレート10bの如き脚部を有していれば、CFT等の柱状部材でも良い。
既製杭50としては、例えばPHC杭やPRC杭等の既製コンクリート杭や鋼管杭等を例示でき、ここではPHC杭が用いられている。なお、既製杭50の形状としては、図示例のような円筒体等の筒体でも良いし、円柱体等の中実な棒体でも良い。
柱型部30は、RC造である。つまり、鉄筋を内在させたコンクリート製の略直方体部材を本体30aとし、以下では、これを柱型部本体30aと言う。そして、この柱型部本体30aの略水平な上面30uには、柱10の下部(脚部)をなす水平板状のベースプレート10bが無収縮モルタル等のグラウト材39を介して配置され、アンカーボルト34により定着されている。
詳しくは、柱型部本体30a内には、鉛直方向に沿って鋼製のアンカーボルト34が埋設されており、アンカーボルト34の下部には定着板35bが一体に固定されている一方、アンカーボルト34の上端部34aは、柱型部本体30aの上面30uから突出している。そして、当該上端部34aが柱10のベースプレート10bの鉛直なボルト孔10hに通されつつ、同上端部34aにおいてボルト孔10hから上方に突出した部分にナット35aを螺合させて締め付けることにより、ベースプレート10bの柱型部本体30aへの締結固定を通じて、柱10が柱型部30に定着されている。
このようなアンカーボルト34は、水平方向の複数の位置に設置されており、図示例では、ベースプレート10bの平面形状が矩形であることからベースプレート10bの四つの隅角部にそれぞれ対応させて合計四カ所にそれぞれ配置されている(図3Bを参照)。
また、この例は、所謂「スマートベース」であるので、これらのアンカーボルト34は柱型部30の主筋(RC部材において、構造計算上必要な軸力や曲げモーメントなどを負担可能な鉄筋)も兼ねており、それ故、当該アンカーボルト34の材料としては、柱型部30の主筋としても機能し得るように、22mm〜51mmの直径で材質がSD490の鉄筋、又はこれと同等以上の引っ張り耐力を有する鉄筋から選択される。
そして、これにより、柱型部30には、当該柱型部30の主筋としてのみ機能する鉄筋は省略されて埋設されず、もって、その施工時において煩雑になりがちな柱型部30内の配筋作業が軽減される。ちなみに、この図3A及び図3Bでは図示していないが、柱型部30内には、後述する図5Dや図5Eに示すように、基礎梁20の主筋23の端部23eが埋設されていても良い。この場合、これらの主筋23は、主に基礎梁20の主筋23として機能するものであり、つまり、請求項1に係る「柱型部30の主筋としてのみ機能する鉄筋」に該当しないのは言うまでもない。
また、図3Bに示すように、柱型部本体30a内において、これらアンカーボルト34よりも水平方向の外方の部分には、全てのアンカーボルト34を一纏めに囲むように鋼製のフープ筋38が埋設されている。フープ筋38は、例えば、図3A及び図3Bに示すようにU字形状の一対の建て方筋36,36に支持されている。すなわち、図3Bに示すように、一対の建て方筋36,36は、これら建て方筋36,36同士で、全アンカーボルト34,34…を水平方向の外方から挟む位置に配置されており、そして、これら建て方筋36,36に対してフープ筋38が水平に巻き付けられた状態で、フープ筋38が各建て方筋36に溶接等により接合されて支持されている。そして、このような支持形態で、複数本(図示例では10本)のフープ筋38が鉛直方向(以下、高さ方向とも言う)に間隔を空けつつ並んで配されており、これにより、建て方筋36と組み合わされてなるフープ筋38,38…の一群の外観は略篭状を呈している。
ここで、フープ筋38の材料は、例えば10mm〜16mmの直径で材質がSD295Aの鉄筋、又はこれと同等以上の引っ張り耐力を有する鉄筋から選択される。
また、建て方筋36の材料は、適宜な鉄筋から選択される。ちなみに、この建て方筋36は、フープ筋36の支持部材として機能するものなので、請求項1における「柱型部30の主筋としてのみ機能する鉄筋」に該当しないのは言うまでもない。
ここで、本実施形態にあっては、図3A及び図3Bに示すように、既製杭50の頭部50aを、柱型部本体30a内における前記四本のアンカーボルト34,34…で囲まれる部位に埋設している。すなわち、既製杭50の頭部50aを、柱型部本体30aにおける略平面中心部に埋設しているとともに、アンカーボルト34と既製杭50の頭部50aとを、高さ方向に所定のオーバーラップ長L3でオーバーラップさせている。そして、こうすることにより、柱型部本体30aの平面サイズを大きくすること無く、柱型部30の水平耐力を高め、地震時における柱型部30の破損防止を図っている。以下、これについて図4を参照しつつ説明する。
図4に示すように、地震時において建物の柱10が地盤Gに対して相対的に水平方向の左に揺れた際には、柱型部30には、既製杭50の頭部50aから水平力が付与されるが、ここで、本実施形態にあっては、上述のオーバーラップに基づいて頭部50aの柱型部30への埋設長が比較的長くなっている。よって、左側に傾こうとする頭部50aからは、柱梁部30の上半部には左向きの水平力Faが付与され、同下半部には右向きの水平力Fbが付与される。
但し、この時、上述のようにアンカーボルト34と既製杭50の頭部50aとは高さ方向にオーバーラップして配置されているので、当該頭部50aからの水平力Fa,Fbを、柱型部本体30aは、アンカーボルト34及びフープ筋38,38…の張力で受け止めることができる。よって、柱型部本体30aにおけるフープ筋38よりも水平方向の外側のコンクリート部分30eの剪断耐力にあまり頼らずに済み、結果、剪断耐力を高めるための前述の対策(図2B)、つまり、既製杭50の外周面50sから柱型部30の外形輪郭30sまでの寸法L2の増大策を講じる必要が無くなり、これをもって、柱型部30の平面サイズを小さくすることができる。
また、望ましくは、既製杭50の上端面50uが、フープ筋38,38…のうちの少なくとも一つのフープ筋38よりも上方に位置していると良い。図3Aや図4の例では、高さ方向に合計10本のフープ筋38,38…が並んで配置されており、そのうちの半数を超える下から8本目のフープ筋38よりも上方の位置に、既製杭50の上端面50uは位置している。そして、この構成によれば、地震時において既製杭50の頭部50aが柱型部本体30aに加え得る前述の水平力Fa,Fbを、多数のフープ筋38に確実に伝達してこれらフープ筋38の張力でよりしっかりと受け止めることができて、その結果、柱型部30の耐久性を高めることができる。
更に、望ましくは、上述の既製杭50の頭部とアンカーボルト34とがオーバーラップしている範囲において、その上半部と下半部とのそれぞれにつき、少なくとも1本以上の前記フープ筋38が配置されていると良い。図4の例では、上半部には3本のフープ筋38が配置され、下半部には5本のフープ筋38が配置されている。そして、この構成によれば、同図4で前述したように、地震時に既製杭50の頭部50aから柱型部30に付与され得る偶力Fa,Fbを、それぞれ、上半部のフープ筋38及び下半部のフープ筋38で確実に押さえ込むことができて、その結果、柱型部30の耐久性を格段に高めることができる。
また、望ましくは、既製杭50の頭部50aの直径がD(mm)である場合に、アンカーボルト34と既製杭50の頭部50aとの高さ方向のオーバーラップ長L3を、1×D(mm)以上に設定すると良い。そして、このように設定すれば、オーバーラップ長L3を長く確保できるので、地震時に既製杭50の頭部50aが柱型部本体30aに加え得る前述の水平力Fa,Fbを、アンカーボルト34、及び、当該アンカーボルト34を介してフープ筋38の張力でしっかりと受け止めることができる。また、既製杭50の横断面サイズたる直径D(mm)に応じて、前記オーバーラップ長L3が決められるので、既製杭50の水平耐力に見合った大きさの水平力Fa,Fbを柱型部本体30aへ確実に伝達することができる。つまり、柱型部本体30aに対して、既製杭50の資材コストに相応する大きさの水平力Fa,Fbを柱型部本体30aに伝達することができる。
図5A乃至図5Fは、本実施形態の連結構造の施工手順の説明図である。
先ず、図5Aに示すように、掘削前の地上面からオーガー等で既製杭埋設用の竪孔150を掘削し、オーガー等を抜きながら竪孔150内にセメントミルク等の充填材を充填する。そうしたら、当該竪孔150内に、予め工場等で製造された既製杭50を目標深さまで建て込む。なお、一本の既製杭50で足りない場合には、適宜複数本の既製杭50,50…を直列に継ぎ足しつつ目標深さまで建て込む。そして、建物の基礎梁20や柱型部30を設けるべき空間S20,S30を形成すべく、地盤Gを所定レベルまで掘り下げる。そして、必要に応じて余分な杭頭を切断し、これにより、後に柱型部30内に埋設されるべき部分たる既製杭50の頭部50aのみが、竪孔150から上方に突出した状態にする。
次に、同図5Aに示すように、掘り下げ形成した前記空間S20,S30の底面を均すべく、同底面に倣って捨てコン80を所定厚みで打設する。これにより、この後に行われるべき、各種支持フレームの設置作業や型枠組み、配筋位置の墨出し等の作業を容易に行えるようになる。
次に、図5Bに示すように、既製杭50の頭部50aの周囲に、複数の一例として4本のアンカーボルト34を配置する。これらのアンカーボルト34,34…は、適宜な支持フレームにより仮支持される。支持フレームの一例としては、捨てコン80上に設置され、全アンカーボルト34,34…の下端部を一体に支持する略環状の下プレート(不図示)と、同上端部34a,34a…を一体に連結する略環状の上プレート60と、を組み合わせたものが挙げられ、ここでは、これを使用している。
次に、図5Cに示すように、柱型部30内に埋設されるべきフープ筋38,38…及びフープ筋38を支持する建て方筋36,36を、既製杭50の頭部50aの周囲に配置する。また、これと相前後して又は同時に、図5Dに示すように、基礎梁20が設けられるべき空間S20に、基礎梁20用の主筋23,23…やスターラップ筋25,25…を配置する。なお、基礎梁20用の主筋23の端部23eは、例えば、既製杭50の頭部50aの周囲の位置において、水平方向から鉛直方向の下方に屈曲され、当該屈曲された端部23eが、フープ筋38の内周側に位置していても良い。
次に、図5Eに示す前記空間S20,S30に、柱型部30用の型枠(不図示)及び基礎梁20用の型枠(不図示)を配置する。そして、これら型枠内に、同図5E中ドットで示すようにコンクリートを打設し、当該コンクリートの硬化後に上記型枠を解体し、これにより、柱型部30及び基礎梁20が形成される。なお、この時、柱型部30のコンクリートの上面30uからは前記アンカーボルト34の上端部34aが突出した状態となっている。
そうしたら、最後に、図5Fに示すように、柱型部30の上面30uに鉄骨柱10を据え付ける。すなわち、柱型部30の上面30uにおいてアンカーボルト34が突出する部分に向けて上方から鉄骨柱10を降ろし、この降下中に、鉄骨柱10のベースプレート10bの各ボルト孔10hに、それぞれ対応するアンカーボルト34を通す。そして、柱型部30の上面30uとベースプレート10bとの間に所定隙間Sを空けた状態で、鉄骨柱10を仮支持し、この仮支持の間に、前記隙間Sに無収縮モルタル等のグラウト材39を密実に充填する。そうしたら、ベースプレート10bのボルト孔10hから上方に突出した各アンカーボルト34の上端部34aに、それぞれナット35aを螺合させるとともに各ナット35aを締め込み、これによるベースプレート10bの柱型部30への締結固定を介して鉄骨柱10の柱型部30への据え付けが終了する。そして、当該終了をもって、連結構造の施工が完了する。
図6A及び図6Bは、本実施形態に係る柱型部30の変形例の説明図である。図6Aは、柱型部30を破断して示す概略側面図であり、図6Bは、図6A中のB−B断面図である。
上述の実施形態では、図3Aの柱型部30内にフープ筋38を配筋するのに、建て方筋36を用いていたが、この変形例では、建て方筋36を使用しない点で相違する。なお、これ以外の点は概ね上述の実施形態と同じであり、同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
この変形例では、フープ筋38をアンカーボルト34,34…に巻き付けている。すなわち、全四本のアンカーボルト34,34…を一つに束ねるように、フープ筋38が水平方向の外方からこれらアンカーボルト34,34…に巻き付けられて結束線等で接合されている。そして、かかる形態で、複数のフープ筋38,38…が、互いの間に高さ方向に間隔を空けつつ並んで配置されている。
よって、この変形例によれば、建て方筋36を設けずに済み、その結果、資材コストの削減を図れる。また、フープ筋38はアンカーボルト34に近接配置されるので、柱型部30の平面サイズをより小さくすることもできる。更には、アンカーボルト34とフープ筋38との接合に基づいて、アンカーボルト34とフープ筋38との水平力の伝達が速やか且つ確実に行われるので、地震時に既製杭50の頭部50aが柱型部本体30aに加え得る水平力Fa,Fbをフープ筋38の張力でより確実に受け止め可能となる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態では、全アンカーボルト34,34…を水平方向の外方から挟む位置に、一対の建て方筋36,36同士を配置したが、全アンカーボルト34,34…を水平方向の外方から囲むようにフープ筋38を配置できれば、これに限らない。
上述の実施形態では、フープ筋38を支持する建て方筋36として、図3Aに示すような両端部が上方を向いたU字形状の鉄筋を例示したが、フープ筋38の配筋時に同フープ筋38を支持できれば何等これに限るものではなく、つまり、これ以外の部材でも良い。
10 柱、10b ベースプレート、10h ボルト孔、
20 基礎梁、23 主筋、23e 端部、25 スターラップ筋、
30 柱型部、30a 柱型部本体、30e コンクリート部分、
30s 外形輪郭、30u 上面、
34 アンカーボルト、34a 上端部、35a ナット、35b 定着板、
36 建て方筋、38 フープ筋、39 グラウト材、
50 既製杭、50a 頭部、50s 外周面、50u 上端面、
60 上プレート、80 捨てコン、150 竪孔、
G 地盤、S 隙間、S20 空間、S30 空間

Claims (6)

  1. 構造物の柱と、その下方の地盤に埋設される既製杭とを、前記柱の土台をなす柱型部を介して連結する連結構造であって、
    前記柱型部は、コンクリート製の柱型部本体と、前記柱を前記柱型部本体に定着させるために前記柱型部本体内における水平方向の複数の位置に鉛直方向に沿って埋設された複数のアンカーボルトと、前記複数のアンカーボルトを水平方向の外方から囲いつつ前記柱型部本体内に埋設されたフープ筋と、を有し、
    前記アンカーボルトが前記柱型部の主筋を兼ねることにより、前記柱型部内には、該柱型部の主筋としてのみ機能する鉄筋は埋設されておらず、
    前記既製杭の頭部は、前記柱型部本体内における前記複数のアンカーボルトで囲まれる部位に埋設されていることを特徴とする構造物の柱と既製杭との連結構造。
  2. 請求項1に記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
    前記アンカーボルトと前記既製杭の頭部とは、鉛直方向にオーバーラップしていることを特徴とする構造物の柱と既製杭との連結構造。
  3. 請求項2に記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
    前記柱型部本体内に埋設される前記既製杭の頭部の直径がD(mm)である場合に、前記アンカーボルトと前記既製杭の頭部との鉛直方向のオーバーラップ長は、1×D(mm)以上であることを特徴とする構造物の柱と既製杭との連結構造。
  4. 請求項2又は3に記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
    前記フープ筋は、鉛直方向に複数並んで配置されており、
    前記オーバーラップしている範囲における上半部と下半部とのそれぞれにつき、少なくとも1本以上の前記フープ筋が配置されていることを特徴とする構造物の柱と既製杭との連結構造。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
    前記アンカーボルトよりも水平方向の外方に、前記フープ筋を束ねて支持するための建て方筋が配置されており、
    前記フープ筋は、前記アンカーボルトとの間に間隔を有しつつ、前記アンカーボルトの外方に配置されていることを特徴とする構造物の柱と既製杭との連結構造。
  6. 請求項1乃至4の何れかに記載の構造物の柱と既製杭との連結構造であって、
    前記フープ筋は、前記複数のアンカーボルトに巻き付けられて接合されていることを特徴とする構造物の柱と既製杭との連結構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103774687A (zh) * 2014-01-22 2014-05-07 深圳市海能通信股份有限公司 单管塔预制螺旋钢管桩基础
KR101564747B1 (ko) 2015-03-05 2015-11-02 김경호 공기막 구조의 기초 철골 시공 구조 및 시공방법
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JP2018003308A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 株式会社熊谷組 杭基礎の耐震補強構造及びその構築方法

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