JP5423134B2 - 基礎構造 - Google Patents

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Description

本発明は、道路橋や鉄道橋などの基礎構造に関するものである。
一般的な橋梁の下部工事は、初めに仮設鋼矢板を打ち込み、次に基礎杭を打設して、床掘りの後、杭頭処理してコンクリートによってフーチングが構築され、フーチングの上に橋脚が構築される。その後、仮設鋼矢板を撤去し、埋め戻して完了する。この施工過程において、仮設鋼矢板の打設、撤去の作業は手間とコストがかかり無駄である。そこで、この鋼矢板を有効に活用する方法が提案されている。
特許文献1(特開2000-129696)は、フーチング構築予定位置の周辺に剛性を持つ矢板によって締め切ると共に、この矢板と結合してフーチングを構築する杭基礎構造である。
この発明では、フーチングの周辺を剛性の大きい矢板で締め切り、剛性の大きい矢板をフーチングに合体した状態で残置する構造としたから、地震時にフーチングに水平方向の荷重が作用しても、その水平荷重は矢板で受け止められ、受働抵抗を大きく採ることができ、水平荷重に対するフーチングの移動量を小さくでき、耐震性を向上させることができる。さらに、施工に要する面積も小さくできるとしている。
特許文献2(特開2007-32065)は、構造物を支持する複数の杭を囲み、この杭に接触しないように仕切る隔壁を地中に設け、構造物から隔離した杭の深さ方向地中部における隔壁内側地盤に薬液を注入して杭相互を連結する固化体を形成した杭基礎補強構造である。
このような構造では、地上或いは地表近傍の構造物と固化体とが鋼矢板により連結され、複数の杭が固化体により深さ方向地中部において拘束され、これにより複数の杭の剛性は高められ、例えば、地震などにより地盤に液状化現象が生じても、杭と構造物の結合部で生じる曲げひずみは大幅に抑制されるとしている。
また、慣用の高圧噴射工法と比較して施工コストを格段に抑制することが可能になり、固化体は地中における隔壁内側に限定的に構築されるものであるため充分な品質確保が可能になるとしている。
特許文献3(特開2007-303099)は、多角形の頂点又は頂点及び辺上に配置された継手を有する杭と、配置された杭間に多角形の辺を形成するように配置された継手を有する鋼矢板とを備え、杭と鋼矢板とが継手により嵌合されて形成されている多角形の内側に、経時硬化性材料が充填されている基礎構造である。
この発明は、隣り合う杭と杭の間に鋼矢板を備え、杭と鋼矢板を嵌合させ、連結材を介してフーチングと一体化させる事で、地震が発生した際には、杭の先端支持力、杭と鋼矢板の周面摩擦力、及び杭と鋼矢板の受働抵抗により、地震により発生した応力に抵抗することができる。さらに、基礎を小型化でき、必要な用地を小さくすることができ、コンクリート等の経時硬化性材料の打設量も少なくすみ、地震時の水平力による回転に対して、基礎を構成する杭の本数、径、及び躯体強度を増大させること無く、また水平力、曲げモーメントによる杭体に発生する応力も減るため杭の板厚を低減でき、低コストで確実性の高い耐震性を発揮させることができるとしている。
特許文献4、5、6(特開2006-57250、特開2006-57251、特開2006-57252)は、鋼矢板併用式直接基礎の施工法においてその作業性を改善するために成された発明であり、予め孔あき鋼板が溶接された複数枚のU字形鋼矢板を順に地盤内に打ち込んで矩形断面状の鋼矢板構造体を形成する。各孔あき鋼板の孔にJ字形のアンカー鉄筋を掛着し、手前側に向けて水平に保持する。場所打ちコンクリートを打設してフーチングを形成する。これにより、アンカー鉄筋はU形鋼矢板にスタッド溶接する必要が無くなり、溶接だれの心配が無くなる。そのため、太いアンカー鉄筋を使えば、アンカー鉄筋の必要本数が減る。特に奥側のU形鋼矢板に対する作業性が向上する。アンカー鉄筋をフーチング鉄筋よりも内側まで届かせることが容易になるとしている。
特開2000-129696号公報 特開2007-32065号公報 特開2007-303099号公報 特開2006-57250号公報 特開2006-57251号公報 特開2006-57252号公報
特許文献1〜6に開示された発明はいずれも以下に示すような問題点を有している。
<特許文献1の発明>
特許文献1に開示された発明においては、矢板とフーチングを構成する鉄筋を連結して一体化させるとしているが、具体的な記述が無く、どのようにして行うかが不明である。さらに、大きな曲げモーメントが作用する橋脚下部とフーチングの結合部に従来と変わらず工夫が無く、基礎部の水平荷重に対する剛性は向上しているが、橋脚を含めた全体挙動として耐震性が向上しているとはいえない。全体の耐震性を向上させるには、橋脚を大きくして、それに伴いフーチングも大きくする必要があり、コストがかかり、施工スペースも増大する。
<特許文献2の発明>
特許文献2に開示された発明においては、薬液注入することを必須の要件としているが、薬液を注入した場合、地盤によっては所定の強度を得られないなど不確定要素が大きく、鋼矢板にリブなどを設けないと改良体との一体化を図るのは難しい。
また、薬液注入は、地下水汚染などの懸念も生じる。さらに、特許文献1と同様に、橋脚基部の剛性をあげるためには、フーチングを大きくする必要があり、コストがかかり、施工スペースも増大する。
<特許文献3の発明>
特許文献3に開示された発明においては、杭と鋼矢板を継手で接続しているが、この継手は、両者を一体化して耐震性を有するに十分な剛性や強度が必要である。このような剛性や強度を得るために継手部にモルタル等を充填することも考えられるが、モルタル等を充填するのは非常に手間であり、またコストもかかる。また、鋼矢板に取り付けた連結材でフーチングとの一体化はできるが、橋脚とフーチングの接合構造は従来通りであり、特許文献1と同じ問題点を有する。
<特許文献4、5、6の発明>
特許文献4〜6の発明においては、孔あき鋼板の孔にJ字形のアンカー鉄筋を掛着するとしているが、フーチングコンクリートにはコンクリートの割裂を防止するために多量のアンカー鉄筋が必要となる。
特許文献4〜6の発明は、そもそも杭との連成を想定しない直接基礎を対象としている。そのため、杭基礎に対応するためには、杭および鋼矢板の力学的役割および杭、鋼矢板、フーチング間の力の伝達機構を明確化した上で、力学的に成立する構成を考える必要がある。例えば、杭をフーチング内に定着させるためには、別途、接合のための多量の鉄筋およびずれ止めが必要となる。単純に足し算で付加すれば、鉄筋量が多くなって輻輳しコンクリートの施工性が悪くなり、結果として、フーチングの大型化にも繋がる。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、仮設として用いられてきた矢板を本設として用いることで構造物全体としての耐震性を向上すると共に、コンパクトな基礎構造を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る基礎構造は、杭と該杭の上部を囲むように設置された複数の鋼製矢板とを備え、該鋼製矢板で囲まれた空間にフーチングコンクリートを打設してなる基礎構造であって、
前記鋼製矢板の内面に設けた係止部材と、該係止部材に係止して前記鋼製矢板の内周方向に沿うように設けられ、前記各鋼製矢板の連結を強化する連結強化部材とを備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、係止部材は縦方向に複数の孔を有する孔あきジベルであり、連結強化部材は前記孔あきジベルの孔に挿通されたワイヤーであることを特徴とするものである。
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、前記孔あきジベルに前記ワイヤーを螺旋状になるように挿通したことを特徴とするものである。
(4)また、上記(2)又は(3)に記載のものにおいて、前記孔あきジベルは、該孔の周壁側から前記孔へ前記ワイヤーの挿入を可能にする通路を有していることを特徴とするものである。
(5)また、上記(2)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、ワイヤーはパラレルワイヤーであることを特徴とするものである。
(6)また、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、鋼製矢板で形成される基礎構造の平面形状が円形であることを特徴とするものである。
本発明においては、鋼製矢板の内面に設けた係止部材と、該係止部材に係止して前記鋼製矢板の内周方向に沿うように設けられ、前記各鋼製矢板の連結を強化する連結強化部材とを備えたことにより、連結強化部材によって各鋼製矢板の連結が強化され、鋼製矢板からの面圧としてフーチングコンクリートを拘束し、効率的にフーチングコンクリートの深さ方向のひび割れが抑制され構造物全体としての耐震性を向上する。また、このような状態のコンクリート内に橋脚及び杭の一端を埋め込めば、周囲のコンクリートの密着性が保持されるため橋脚及び杭の端部を強固に定着でき、定着長を短くすることが可能となり、フーチングのコンパクト化が実現できる。
本発明の一実施の形態にかかる基礎構造の説明図である。 図1の矢視A―A線に沿う水平断面図である。 本発明の一実施の形態にかかる基礎構造に用いる構成部材(鋼矢板、孔あき鋼板ジベル)の説明図である。 本発明の一実施の形態にかかる基礎構造に用いる構成部材(鋼矢板)の説明図である。 本発明の一実施の形態にかかる基礎構造に用いる構成部材(孔あき鋼板ジベル)の説明図である。 本発明の一実施の形態にかかる基礎構造に用いる構成部材(パラレルワイヤー)の設置方法の説明図である。 本発明の一実施の形態にかかる基礎構造に用いる構成部材(パラレルワイヤー)の説明図である。 本発明の一実施の形態にかかる基礎構造に用いる構成部材(鉄筋)の施行方法の説明図である。 本発明の一実施の形態である基礎構造の施工手順の説明図である。 本発明の一実施の形態である基礎構造の施工手順の説明図である。 本発明の一実施の形態である基礎構造の施工手順の説明図である。 本発明の一実施の形態である基礎構造の施工手順の説明図である。 本発明の一実施の形態である基礎構造の施工手順の説明図である。
本実施の形態に係る基礎構造は、鋼管橋脚1の基礎構造であって、図1、図2に示すように、地中に打設された鋼管杭3と、鋼管杭3の上部を囲むように設置された複数の鋼矢板5とを備え、鋼矢板5で囲まれた空間にフーチングコンクリート7を打設してなり、各鋼矢板5の内面に設けた孔あき鋼板ジベル9と、孔あき鋼板ジベル9の孔11に螺旋状に挿通されて各鋼矢板5の連結を強化するパラレルワイヤー13とを備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<鋼管杭>
鋼管杭3は、図1、図2に示すように、所定の間隔を離して4本施工されている。なお、図1、図2に示す例では鋼管杭3の数は4本であるが、その数や配置はフーチングに適合させる等により適宜変更できる。
鋼管杭3の支持形態としては、先端を強固な支持層や中間層に止めてもよく、摩擦杭として軟弱層に止めてもよい。
また、鋼管杭は本発明の杭の一態様であるが、本発明の杭の種類としては、鋼管杭の他、場所打ち杭、既製コンクリート杭などどのような種類の杭を適用してもよい。
<鋼矢板>
鋼矢板5は、図3に示すように、ハット形のもので両端部に継手5aを有している。そして、両端部の継手5aを連結することによって、図2に示すように、平面視で略円形になっている。なお、鋼矢板5同士を連結するに際して、一般的な鋼矢板5に形成されている継手5a同士を連結してもよいが(図4参照)、鋼矢板5を連結して形成する形状によって、一般的な鋼矢板5に形成されている継手5aと継手5aの間に別途継手5a相互を連結する付属的な継手を介在させてもよい。
なお、鋼矢板5は本発明の鋼製矢板の一態様であるが、本発明の鋼製矢板は鋼矢板5の他に鋼管矢板を含む。
<孔あき鋼板ジベル>
孔あき鋼板ジベル9は、図2に示すように、各鋼矢板5を円形に連結したときに内面側になる面に接合されている。孔あき鋼板ジベル9は、図1、図3に示すように、矩形状の板材からなり、縦方向に複数の孔11が形成されている。
各孔あき鋼板ジベル9の孔11の位置は、縦方向に少しずつずらして設けられており、孔11に挿通するパラレルワイヤー13を螺旋状に設置できるようにしている。
もっとも、各鋼矢板5に設置する各孔あき鋼板ジベル9は、すべて同じ位置に孔11を設けてもよく、その場合には、パラレルワイヤー13を同じ高さ位置の孔11に挿通させてリング状にすればよい。
孔あき鋼板ジベル9は、図5に示すように、各孔11の周壁側から孔11へパラレルワイヤー13の挿入を可能にする通路12を設けるようにしてもよい。なお、孔11に挿入したパラレルワイヤー13が孔11から出ることなく孔11の周壁に係止させるために、通路12の幅は孔11の径よりも小さくする。通路12を設けることにより、ワイヤーの設置が容易になる。
孔あき鋼板ジベル9の孔11の周壁に通路12を設け、かつ隣接して設置されるもの同士で上下方向に少しずつずらして設けるようにしておけば、以下のようにパラレルワイヤー13の設置を極めて簡単に行うことが可能になる。
螺旋状に巻かれたパラレルワイヤー13を、円形に連結された鋼矢板5の内面側に挿入する。そして、パラレルワイヤー13を螺旋と反対方向に捻ることで、螺旋の径を広げ、その状態で、パラレルワイヤー13を、通路12を介して孔11に入れていく。このようにすることで、施行が容易で、かつ孔11に入れた状態ではパラレルワイヤー13が縮まろうとすることで、各鋼矢板5を拘束する。
孔あき鋼板ジベル9は、本発明の係止部材の一態様であるが、係止部材としては、他の態様であってもよく、要するに鋼矢板5の内面側に設けられて、鋼矢板5同士の連結を強化するワイヤー等の連結強化部材を止めることができるものであればよい。
なお、孔あき鋼板ジベル9は、パラレルワイヤー13を止める係止部材としての機能に加えて、フーチングコンクリート7と鋼矢板5とを接合するジベル(ずれ止め)として機能するので、より好ましい。
<パラレルワイヤー>
パラレルワイヤー13は、孔あき鋼板ジベル9の孔11に螺旋状に挿通されて(図6参照)各鋼製矢板の連結を強化するものである。パラレルワイヤー13は、図7に示すように、複数本の鋼線が束ねられてなるものであり、通常のワイヤーのように捩られていないので、張力が作用したときにも緩みが少ない。そのため、鋼矢板5で囲まれた空間にフーチングコンクリート7を打設したときに、鋼矢板5で形成された円筒体が膨らもうとしたときに、それに対して効果的に抵抗し、結果としてフーチングコンクリート7に対する拘束力が高い。
パラレルワイヤー13に代えて通常のワイヤーや鉄筋17を施行してもよい。鉄筋17を施行する場合には、鋼矢板5で囲まれた略円筒と同じ曲率で鉄筋17を予め曲げ加工しておく必要がある。鉄筋17を孔あき鋼板ジベル9に挿入する場合には、図8に示すように、各孔11に複数本入れるようにするのが望ましい。
なお、鉄筋17を用いる場合においては、鉄筋17は周方向に連続したものでなくてもよい。例えば複数の鉄筋17を繋ぎ目で所定長さ重なるように配置すれば、重なり合う鉄筋同士がフーチングコンクリート7を介して接続され、鉄筋17自体が連続しているのと同様の効果が得られる。
パラレルワイヤー13は螺旋状に設置してもよいし、リング状に設置してもよい。
上記のように構成された本実施の形態においては、孔あき鋼板ジベル9の孔11に螺旋状に挿通されたパラレルワイヤー13によって各鋼矢板5の連結が強化され、パラレルワイヤー13が横拘束筋の役割を果たし、しかもパラレルワイヤー13の拘束力は鋼矢板5に伝達され、鋼矢板5からの面圧としてフーチングコンクリート7を拘束する。その結果、フーチングコンクリート7への拘束は均一に行われ、これにより、効率的にフーチングコンクリート7の深さ方向のひび割れが抑制されかつ周方向の膨張が押さえられる。
このような状態のコンクリート内に鋼管橋脚1及び鋼管杭3の一端を埋め込めば、周囲のコンクリートの密着性が保持されるため鋼管橋脚1及び鋼管杭3の端部を強固に定着できる。強固に定着できれば、定着長を短くすることが可能となり、フーチングのコンパクト化に繋がる。
また、鋼矢板5とフーチングコンクリート7とは、孔あき鋼板ジベル9とこの孔11に挿通させたパラレルワイヤー13がシアコネクタの役目を兼ねるにより、一体化される。その結果、フーチングコンクリート7は深さ方向にも拘束され、フーチングコンクリート7の周方向のひび割れも抑制される。なお、鋼矢板5もフーチングコンクリート7と一体化されるため、座屈耐荷力が向上する。
上記のように本発明においては、鋼管橋脚1、フーチング、鋼管杭3、鋼矢板5が一体化されるため、それぞれの部材剛性に応じて、作用力を分担することが可能となる。すなわち、鋼管杭3の支持力を鋼矢板5が一部分担したり、杭頭部に作用する過大な曲げモーメントを鋼矢板5が低減させたりできる。したがって、基礎の支持力ばかりでなく基礎部の水平荷重に対する耐荷性とともに剛性も向上し、構造物全体挙動としての耐震性が向上する。また、土壌19への薬液注入の必要がないため、地下水汚染などの懸念も生じない。
また、鋼管橋脚1と鋼管杭3と鋼矢板5は直接相互に干渉せずコンクリートを介して一体化されるため、施工誤差を吸収する余地がある。そのため、相互の接続に要する手間を省力化できるとともに、ミリ単位の施工精度を確保する必要がないため、施工期間の短縮が可能となる。また、鋼材同士の溶接量が減少するため、鋼部材の加工コストを縮減できる。
なお、本実施の形態に係る基礎構造の諸元については、対象構造物とその規模に応じて種々異なるが、図1、図2に示した橋脚基礎構造の寸法の一例を示せば、次の通りである。
鋼管橋脚1は外径2.5mで板厚25mm、フーチングの外径は6.2m、フーチングの厚さは3.8m、4本の鋼管杭3は外径1.2mで板厚40mm、鋼矢板5の形状は幅900mm高さ230mm板厚10.8mmである。
鋼矢板5に設置する孔あき鋼板ジベル9は150mm×25mmの断面で、孔径50mmが200mmピッチで設けられている。フーチングの厚さは3.8mで鋼管橋脚1が3.75m、鋼管杭3が1.8mフーチング内に埋め込まれている。パラレルワイヤー13はPWS19である。コンクリートは、鋼矢板5で囲まれた円筒内、および鋼管杭内(杭頭部のみ)、ならびに鋼管橋脚内地上2mより下方に充填している。
次に、図1、図2に示した基礎構造の施行方法を、図9〜図13に基づいて説明する。
地中に鋼管杭3と鋼管杭3を囲むように鋼矢板5を施工する(図9参照)。そして、鋼矢板5で囲まれた略円筒内の土壌19をフーチング底面位置まで掘削する(図10参照)。
土壌19を掘削すると、鋼矢板5に設置された孔あき鋼板ジベル9がフーチング厚さの範囲に現れる。土壌掘削後、孔あき鋼板ジベル9の孔11にパラレルワイヤー13を挿通させて鋼矢板5が周方向に膨らまないように拘束する(図11参照)。このときパラレルワイヤー13一束を螺旋状に各鋼矢板5の孔あき鋼板ジベル9の孔11に挿通させる、あるいはパラレルワイヤー13を複数段リング状に各鋼矢板5の孔あき鋼板ジベル9の孔11に挿通させる。
その後、略円筒中央に鋼管橋脚1を建て込み、コンクリートを鋼矢板5で囲まれた略円筒内、および鋼管杭3内、ならびに鋼管橋脚1内に充填する(図12参照)。
最後に、フーチング上に土壌19を被せる(図13参照)。
1 鋼管橋脚 3 鋼管杭 5 鋼矢板
5a 継手 7 フーチングコンクリート 9 孔あき鋼板ジベル
11 孔 13 パラレルワイヤー 17 鉄筋

Claims (2)

  1. 杭と該杭の上部を囲むように設置された複数の鋼製矢板とを備え、該鋼製矢板で囲まれた空間にフーチングコンクリートを打設してなる基礎構造であって、
    前記鋼製矢板の内面に設けた係止部材と、該係止部材に係止して前記鋼製矢板の内周方向に沿うように設けられ、前記各鋼製矢板の連結を強化する連結強化部材とを備えてなり、
    前記係止部材は、縦方向に複数の孔を有する孔あきジベルであり、前記連結強化部材は前記孔あきジベルの孔に挿通された螺旋状に巻かれたパラレルワイヤーであり、
    前記各孔あきジベルの孔が縦方向に少しずつずらして設けてあり、かつ前記孔の周壁側から前記孔へ前記パラレルワイヤーの挿入を可能にする通路を有していることを特徴とする基礎構造。
  2. 鋼製矢板で形成される基礎構造の平面形状が円形であることを特徴とする請求項1に記載の基礎構造。
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