JP5077865B2 - 既製杭及び基礎杭構造 - Google Patents

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Description

上杭と下杭を重ねた既製杭及びこの既製杭を杭穴内に埋設した基礎杭構造に関する。
工場で製造される既製杭は、製造上の問題や構築現場への搬送などのため、一般的に既製杭の長さは10〜15m程度となっていた。従って、杭穴内に、既製杭を沈設して、基礎杭構造を構築する場合、支持地盤の位置により杭穴の深さは50m程度に至ることもあり、複数の既製杭を、溶接などの手段により上下に継ぎ足すことが求められていた。とりわけ、コンクリート製の基礎杭の場合には、鋼管杭と異なり、一体に接続するためには多くの工夫が必要であった。
この場合、接続部分で応力集中が生じないように、少なくとも杭材以上の強度を発揮するように、各種金物、溶接等により工夫されていた(例えば、特許文献1)。
また、長さ方向に継ぎ足をして、単に必要な長さを確保する目的だけでなく、深さに応じた機能を発揮できるように、異なる機能の既製杭を継ぎ足すことも成されていた。例えば、先端支持力を強化することを目的とした先端金具を最下端に接続する発明もあった(特許文献2)。
このような既製杭の場合、接続部に求められる性能として、接続した上下杭が1本の既製杭として求められる強度と同等な強度、即ち、上部構造物(地上の建造物)の垂直荷重による「圧縮荷重」、不同沈下や地震時の水平力の作用による「引張荷重」「曲げ荷重」「せん断荷重」「ねじれ荷重」に対する有効な強度が求められていた。
特開2002−328556 特開2004−84275
前記従来の技術は、いずれも、長さ方向に継ぎ足した既製杭を全体として一体に接続することしか目的としていなかった。即ち、接続した上下の既製杭間で、いかにして、軸力(垂直荷重、引抜力)を支障無く伝達するかという目的の下に発明されたものであった。従って、基礎杭構造の全体として、効率的な応力の伝達と機能を考慮して、構成する既製杭を接続した基礎杭構造を提案する発明はなかった。
また、既製杭を深さ方向で、求める機能、例えば、杭頭側で曲げに対する耐力を強化する必要がある等に応じて対応させる場合には、当該部分の既製杭を除去して(短い既製杭を採用して)機能に応じた別途の既製杭を接合して対処していた。従って、機能を強化する為には、常に接合部の強度を考慮しなければ、ならなかった。
この場合、例えば、圧縮荷重に比して、引抜力による引張荷重は、3分の1程度で足りるのが一般的であった。しかし、既製杭自体の破壊耐力、既製杭を含めた基礎杭構造全体の支持力(耐力)を考慮する場合、全体として圧縮荷重と引張荷重の両方に耐える構造を選択していたので、合理的な基礎杭構造となっていない場合も生じていた。
然るにこの発明は、「上杭と下杭とを鉛直荷重を伝達可能で、引張荷重を伝達不能に連結し」あるいは「下杭の上面と上杭の下面とを連結せずに当接させると共に、下杭の外面と上杭の筒状当接具の内面とを連結せずに間隙を形成した」ので、新たな接合思想の基礎杭を提案し、前記問題点を解決した。
即ちこの発明は、コンクリート製の既製杭本体の上部外周に、引張荷重を負担することができ、かつ上端部を地上構造物に定着する鋼管を被覆してなり、前記鋼管は、作用する引張荷重を前記既成杭本体に伝達不能となるように前記既製杭本体の外周と前記鋼管の内周との間に間隙を形成して被覆し、「前記鋼管は、外周に、凸部又は凹部を形成した」あるいは「コンクリート製の既製杭本体の外周で、鋼管の下縁より下方の位置に、凸部又は凹部を形成した」ことを特徴とする既製杭である。
また、他の発明は、杭穴内に、既製杭を埋設してなる基礎杭の構造であって、以下のような構成としたことを特徴とする基礎杭構造である。
(1) 既製杭は、コンクリート製の既製杭本体の上部外周に、引張荷重を負担することができ、かつ上端部を地上構造物に定着する鋼管を被覆してなり、
(2) 前記既製杭本体は下端部外周に凸部又は凹部を形成してなり、当該凸部又は凹部を、前記杭穴に根固め液を充填して形成した杭穴の根固め部内に位置させた。
(3) 前記鋼管は、作用する鉛直荷重を前記既成杭本体に伝達可能で、作用する引張荷重を前記既成杭本体に伝達不能となるように、前記既製杭本体の外周と前記鋼管の内周との間に間隙を形成して被覆した。
また、前記において、コンクリート製の既製杭本体の外周で、鋼管の下縁より下方の位置に、凸部又は凹部を形成し、前記既製杭本体の凸部又は凹部の全部又は一部を、杭穴に形成した中間拡径部内又は根固め部内に位置させたことを特徴とする基礎杭構造である。更に、前記において、鋼管の上端に定着用の環状体を突設し、該定着用の突起を地上構造物内に埋設した基礎杭構造である。
前記におけるコンクリート杭、コンクリート製の既製杭は、構造鉄筋又はPC鋼棒が埋設された既製杭(いわゆるPHC杭、RC杭等)、あるいはコンクリートの外周に鋼管を被覆した既製杭(いわゆるSC杭)等を含む。
また、前記における環状体は、鋼管杭の上面に載置し、あるいは鋼管杭の外側に嵌装し、または、鋼管杭の内側に嵌挿して取付けし、例えば以下のような構成とする。
・短い鋼管
・短い鋼管で、内面及び/又は外面に突起を形成する。
・短い鋼管で「内面の全体」にコンクリートを被覆する。例えば、短いSC杭から構成する。
・短い鋼管で「上部内面」にコンクリートを被覆する。例えば、鋼管の上端に短いSC杭の鋼管部分を溶接して構成する。
また、前記において「その上杭(既成杭本体)の凸部又は凹部の全部又は一部を、杭穴の中間部に形成した中間拡径部に位置させた」とは、上杭(既成杭本体)に複数の「凸部又は凹部」を形成した際に、
・全部の「凸部又は凹部」に対応させて、中間拡径部を形成する場合、
・一部の「凸部又は凹部」に対応させて、中間拡径部を形成して、他の「凸部又は凹部」には中間拡径部が形成されず、軸部径のままの場合
のいずれの場合を含む。
更に、「凸部又は凹部」を中間拡径部に位置させた際に、
・1つの「凸部又は凹部」の全体が中間拡径部内に位置する場合、
・1つの「凸部又は凹部」の一部分のみが中間拡径部内に位置して、1つの「凸部又は凹部」の他の部分は中間拡径部から外れる場合、
のいずれもの場合を含む。
この発明は、「上杭と下杭とを鉛直荷重を伝達可能で、引張荷重を伝達不能に連結し」あるいは「下杭の外面と対向する筒状当接具の内面とを連結せずに間隙を形成した」ので、上杭と下杭とで鉛直荷重を負担し、上杭で引張荷重を負担でき、基礎杭構造に求められる性能に応じて最適な構造を、容易に設定できる効果がある。
また、上杭及び下杭に凸部又は凹部を形成した場合には、凸部又は凹部を杭穴の根固め部又は拡径中間部に配置すれば、根固め部又は拡径中間部内で、支持力を増強できる。既製杭本体及び鋼管の凸部又は凹部についても同様である。
また、「既製杭本体の上部外周に、外周に凸部又は凹部を形成した鋼管を被覆した」ので、鋼管の構造を調節することにより、基礎杭構造に求められる性能を、鉛直荷重、引張荷重、せん断荷重等の作用する荷重に応じて最適な構造を容易に設定できる効果がある。
(1) この発明は、上杭11に生じる地上構造物の鉛直荷重を、上杭11及び下杭1を通して地盤に伝え、上杭11と下杭1が一体となった既成杭30で負担する。また、上杭11に生じる引張荷重、曲げ荷重、せん断荷重、ねじれ荷重は上杭11単独で負担して、下杭1に伝達しないようにする。
(2) 下杭1は、下端部3に、環状突起7、7を有する外径Dのコンクリート製の既製杭である。上杭11は、外径Dの鋼管16で被覆したコンクリート製の既製杭で、下端部13の外周に、環状突起17、17が形成してある。上杭11の下端板15に、下方に開放した円筒状鋼製の筒状当接具21を固定する。筒状当接具21は、内径D(D>D)の円筒状の側板24を有する。
(3) 地上32から、径D00の軸部34、径D01の拡大根固め部35、径D02の拡径中間部36を有する杭穴33を掘削する。
地上32から杭穴33内に下杭1を下降させて地上32で一旦保持し、下杭1の上方から上杭11を下降させ、下杭1に上杭11を重ねて、既成杭30とする。この際、上杭11の下面と下杭1の上面とは密着して当接し、下杭1の上端板4に筒状当接具21の側板24を被せる。側板24の内面と下杭1の上端部外面との間には間隙28が形成される(図1(b))。
(4) 下杭1の地上32での保持を解除して、上杭11を下降させれば、筒状当接具21により上下杭11、1のずれを抑えて、上杭11及び下杭1を杭穴33内に沈設できる。下杭1の環状突起7が拡大根固め部35内に位置し、上杭11の環状突起17、17が拡径中間部36内に位置した状態で、上下杭11、1を杭穴33内に設置する(図1(a))。この状態で、根固め液及び杭周固定液が固化発現したならば、この発明の基礎杭構造40を構築する(図1(a))。
図1に基づきこの発明の実施例を説明する。
[1]既製杭30の構成
(1) 下杭1は、外径Dの遠心成形したコンクリート製の既製杭で、下端部3に、環状突起7、7が形成してある。環状突起7は、上面8及び下面9が水平状に形成してあるが、テーパー状に斜めに形成することもできる。
また、下杭1の上下端には、上端板4、下端板5が夫々取り付けられ、端板4、5に連続して、外周に補強バンドが巻かれている。上端板4又は補強バンドの外周に、係止棒27を取り付ける為の取付孔(図示していない)を形成する。係止棒27は、例えばボルトからなり、この場合には取付孔は螺孔とし、2〜4箇所を周方向で等間隔に形成する。
また、係止棒27をボルトに代えて、ピンとした場合には、取付孔はピンが挿入でき、ピンを立設できるような構造とする。
また、図中6は中空部で、上下に連通している。
(2) 上杭11は、外径Dの遠心成形したコンクリート製の既製杭で、外周に鋼管16が巻かれている。また、下端部13の外周に、環状突起17、17が形成してある。環状突起17は、下杭1と同様に、上面18及び下面19が水平状に形成してあるが、テーパー状に斜めに形成することもできる。図中14は上端板、15は下端板で、ドーナツ状に形成され、中空部20で上下に連通している。
上杭11の下端板15に、下方に開放した円筒状鋼製の筒状当接具21を固定する。筒状当接具21は、中空部20の径(上杭11の内径)に対応した開口部23を形成した円形頂板22に、内径D(D>D)で円筒状の側板24を連設した構成となっている(図1(b)鎖線図示)。 また、筒状当接具21の側板24には、下杭1の取付孔と対応した位置に、係止長孔25、25を形成する。
上杭11は単独で(下杭1が無くとも)、引張荷重、曲げ荷重、せん断荷重、ねじれ荷重に抵抗できるように設計し、前記のような鋼管被覆コンクリート杭の他鋼管杭なども有効である。
(3) 下杭1の上端板4に上杭11の下端板15を重ねて、上下に積み上げてこの発明の既製杭30を構成する(図1(a))。この際、下杭1の上端板4の上面は、筒状当接具21の円形頂板22の下面に密着して、上杭11から下杭1への圧縮荷重(垂直荷重)を支障無く伝達できるように、下杭1の筒状当接具21の円形頂板22の上面と密着できるようになっている。
[2]基礎杭構造40の構成
(1) 地上32から、径D00(D00>環状突起の外径)の軸部34、径D01(D01>D00)の拡大根固め部35、径D02(D02>D00)の拡径中間部36を有する杭穴33を掘削する。杭穴33内の拡大根固め部35には根固め液が充填され、軸部34及び拡径中間部36には杭周固定液(通常の杭周固定液よりも富配合とすることが望ましい)が充填されている。尚、拡径中間部36は、地盤の性状や求める鉛直荷重、引張荷重や水平荷重の大きさなどによっては省略することもできる(図示していない)。
(2) 所定の杭打ち機(図示していない)に下杭1を連結して、地上32から杭穴33内に下杭1を下降させる。
一旦下降を中断して、地32で、下杭1の上端部2を保持して下杭1を杭打ち機から外す。続いて杭打ち機に上杭11を設置する。
(3) 下杭1の上方から上杭11を下降させ、下杭1の上端板4に筒状当接具21を被せ、下杭1の上面に筒状当接具21の円形頂板22の下面を載せ、当接させる。この際、筒状当接具21の側板24の内面と下杭1の上端部外面との間には間隙28が形成される(図1(b))。また、この際、筒状当接具21の側板24の係止長孔25、25を、下杭1の取付孔に一致させ、連通させる。続いて、係止棒(例えばボルト)27、27を係止長孔25から、取付孔に差し込み螺合して、係止棒27、27を下杭1に固定する。
この際、係止棒27を使用して取り付けるので、作業者は特殊な技能を有さなくても簡単に取付け可能であり、従来のような上下杭11、1を接合する為の溶接・ボルト締め等の正確な取付作業や特殊な技能が不要であるので、接合作業の大幅な短縮を図れる。
(4) 続いて、下杭1の地上での保持を解除して、上杭11を下降させれば、上杭11及び下杭1を杭穴33内に沈設できる。この場合、下杭1に固定した係止棒37が係止長穴25に緩くはまっているので、下杭1の上面と上杭11の下面(筒状当接具21の円形頂板22の下面)とが離れることがあっても、上杭11と下杭1とがはずれることがないので、杭の埋設作業に支障がなく、従来と同様に埋設作業ができる。
(5) 下杭1の環状突起7が拡大根固め部35内に位置し、上杭11の環状突起17、17が拡径中間部36内に位置した状態で、上下杭11、1を杭穴33内に設置する(図1(a))。この状態で、根固め液及び杭周固定液が固化発現したならば、この発明の基礎杭構造40を構築する(図1(a))。この際、上下杭11、1の連結部分(特に上杭11の上面位置、又は下杭1の下面位置)は拡径中間部36内に位置する。
(6) 続いて、上杭11の上端部12に地上構造物(フーチング)を構築する(図示していない)。この場合、上杭11の表面から鉄筋を露出させ上端部12(杭頭部)を地上構造物内に定着させる剛構造、あるいは積層ゴムや球座等の緩衝装置を使った柔構造場合のいずれを採用しても良い。
(7) この基礎杭構造40が垂直荷重を受けた場合、通常の建造物の荷重は、杭頭部から上杭11に伝えられ、上杭11の下端板15、円形頂板22から下杭1の上端板4を経て、下杭1から拡大根固め部35を経て支持地盤に伝えられ、この発明の基礎杭構造40全体として垂直荷重を負担する。
風や地震により建造物に水平力が作用した場合や不同沈下が生じた場合に、基礎杭構造40に引抜力、即ち引張力が作用する。この際、上杭11と下杭1とは固定されていないので、上部建造物に連結された上杭11にのみ引張力が作用し、上杭11は拡径中間部36内の環状突起17、17で支持力を発揮すると共に、若干の周面摩擦力で抵抗する。一般に発生する引抜力は小さいの(鉛直荷重に比較して)で、上下杭11、1の全体でなくても上杭11の部分のみで充分に支持できる。一般に、鉛直荷重に比べて引張荷重は10分の1〜3分の1程度であるからである。
また、杭頭部(上杭11の上端部12)に生じる水平力により、曲げ荷重、せん断荷重、ねじれ荷重が作用した場合にも、鋼管16により被覆した上杭11でほとんど負担でき、下杭1は不要である。下杭1の係止棒27、27が筒状接続具21の係止長孔25、25と緩くはまっているので、鉛直荷重以外は伝達しない構造であり、下杭1には、曲げ荷重、せん断荷重、ねじれ荷重はほとんど伝達されない。
[3]他の実施例
(1) 前記実施例において、上杭11の外径Dと下杭1の外径Dとの大小関係は任意である。使用する構築現場が求める基礎杭構造40の性能により、種々選択して使用することもできる。例えば、地上32付近での大きな水平荷重が予想される場合には、上杭11を大径とする(D>D。図示していない)。
(2) また、前記実施例において、筒状当接具21の長さLを下杭11の外径Dの2分1程度としたが、引張荷重、曲げ荷重を生じた際に、下杭1の上端部2が脱落しないような長さで形成する(図1(b))。
(3) また、前記実施例において、根固め部を拡径して拡大根固め部35を形成し、更に拡径中間部36を形成したが、拡径せずに、杭穴33の全体を軸部径D00で形成することもできる(図示していない)。
(4) また、前記実施例において、既製杭30の上杭11は環状突起7を形成したが、上面8、下面9を形成できれば、突起は環状でなく断続的に形成することもできる。また、上面8、下面9を形成できれば、環状突起7に変えて凹部を形成することもできる。更に、地盤や上部構造の特性により、上杭11に対して大きな引張荷重、曲げ応力等を要求しない場合には、環状突起17、17を省略することもできる(いずれも図示していない)。下杭1についても同様である。
次に、図2、図3に基づきこの発明の他の実施例を説明する。
[1]既製杭30の構成
(1) 既製杭本体42は、外径Dの遠心成形したコンクリート製の既製杭で、下端部44に、環状突起48、48が形成してある。環状突起48は、上下面49、50が水平状に形成してあるが、テーパー状に斜めに形成することもできる。図中45、46、47は、夫々上端板45、下端板46、中空部47である。
(2) 内径Dの鋼管52の下端部54の外周面55に環状突起57、57が形成してある。環状突起57は、既製杭本体42と同様に、上下面58、59が水平状に形成してあるが、テーパー状に斜めに形成することもできる。
(3) 既製杭本体42の上方から、鋼管52を被せ、鋼管52の上端53aと既製杭本体1の上端板45とを略同じ高さに位置させ、この発明の既製杭30を構成する(図2)。尚、鋼管52の上端53aと既製杭本体42の上端板45の位置は、杭頭部に接合するフーチングの構造等により、上下にずらして位置させることもできる。
この際、鋼管52の内径Dと既製杭本体42の外径Dは、鋼管52が既製杭本体42の外周にはめることができれば、大きさは任意である。従って、一旦既製杭本体42に鋼管52を取り付けた後に、既製杭本体42の外周面51と鋼管52の内面56との間に引き抜き容易な程度の若干の間隙62が形成される(図2(b))。
既製杭本体42と鋼管52とが固定されないので、鉛直荷重は鋼管52と既成杭本体42とで負担するが、引張荷重は鋼管のみで負担することができる。
[2]基礎杭構造40の構成
(1) 実施例1と同様に、地上32から、径D00(D00>環状突起48、57の外径)の軸部34、径D01(D01>D00)の拡大根固め部35、径D02(D02>D00)の拡径中間部36で、杭穴33を掘削する。杭穴33内の拡大根固め部35には根固め液が充填され、軸部34及び拡径中間部36には杭周固定液が充填されている。
尚、杭穴33の軸部34で、拡大根固め部40の上方は、径D00で形成され、D00は環状突起48と同等又はより大径に形成される。また、杭穴33の軸部34で、拡径中間部36の上方は、径D03形成され、D03は環状突起57と同等又はより大径に形成される(図2(a)(b))。
(2) 地上32で予め、既製杭本体42の上部に鋼管52を取り付けて、上記構造の既製杭30を構成しておく。続いて、所定の杭打ち機に既製杭30(既製杭本体42と鋼管52)を地上32から杭穴33内にへ下降させ、予め設定した位置で既製杭30を保持する。即ち、既製杭30は、拡大根固め部35内に既製杭本体42の環状突起49が位置し、拡径中間部36に鋼管52の環状突起57、57が位置するように、杭穴33内に埋設される。また、鋼管52の下端54aも中間根固め部36内に位置している。
この状態で、根固め液及び杭周固定液が固化発現後又は固化発現前に、鋼管52の上端53aに定着用の短い鋼管(環状体)60を突設し、この発明の基礎杭構造40を構築する(図2(a)(b))。短い鋼管60には、内面及び/又は外面に突起を形成して、地上構造物との定着を強化することもできる。
(3) 続いて、実施例1と同様に、既製杭30の上端部に、地上構造物(フーチング)61を構築して、短い鋼管60を地上構造物61内に埋設する(図2(b))。
(4) この基礎杭構造40が垂直荷重(圧縮荷重)を受けた場合、通常の建造物の荷重は、杭頭部から既製杭本体42に伝えられ、既製杭本体42の下端部44の拡大根固め部35を経て支持地盤に伝えられ、この発明の基礎杭構造40の全体として垂直荷重を負担する。この際、環状突起48を含む鋼管52でも垂直荷重を負担する。
風や地震により建造物に水平力が作用した場合や不同沈下が生じた場合に、基礎杭構造40に引抜力、即ち引張力が作用する。この際に、引張力は鋼管52のみが負担する。
また、杭頭部(上杭の上端部)の水平力に曲げ荷重、せん断荷重、ねじれ荷重が作用した場合には、鋼管52のみが負担する。
[3]他の実施例
(1) 前記実施例において、既製杭本体42への鋼管52を取り付け、既製杭30の状態で、杭穴33内に下降させたが、施工途中で既製杭本体42に鋼管52を被せることもできる。即ち、一旦既製杭本体42のみを下降させて、既製杭本体42を地上32付近でで保持する(図3(a))。この状態で、既製杭本体42の上方から鋼管53を被せて、既製杭30を構成する。この場合、その後、既製杭本体42の保持を解除して、既製杭30の状態で以降は前記実施例と同様に既製杭30を埋設して、基礎杭構造40を構成する(図2(a)(b))。
(2) また、前記実施例において、既製本体42は、鋼管52の下端54a位置と下端部44の環状突起48、48の位置の間に、前記実施例1の筒状当接具21を使用した連結構造とすることもできる(図3(b))。即ち既製杭本体42は、上部を鋼管に被覆されかつ筒状当接具21を固定した上部既製杭本体42aと、環状突起48、48を形成した下部既製杭本体42bとから構成する。この場合、杭穴33には、筒状当接具21に対応した拡径中間部36aを形成することが望ましい(図3(b))。
(3) また、前記実施例において、他の構成は実施例1と同様である。
この発明の実施例1で、(a)は基礎杭構造の概略した縦断面図、(b)は既製杭で接続部分の一部を破切した拡大図である。 この発明の実施例2で、基礎杭構造の縦断面図で、(a)は既製杭を外観とし、(b)は既製杭を断面してある。 同じく実施例2で、(a)は他の構築方法を説明する縦断面図、(b)は他の基礎杭構造を説明する縦断面図である。
符号の説明
1 下杭
2 下杭の上端部
3 下杭の下端部
4 下杭の上端板
5 下杭の下端板
7 下杭の環状突起
11 上杭
12 上杭の上端部
13 上杭の下端部
14 上杭の上端板
15 上杭の下端板
17 上杭の環状突起
20 上杭の中空部
21 筒状当接具
22 筒状当接具の円形頂板
23 筒状当接具の円形頂板の開口
24 筒状当接具の側板
25 係止長孔(筒状当接具の側板)
27 係止棒
28 間隙
30 既製杭
32 地上
33 杭穴
34 杭穴の軸部
35 杭穴の拡大根固め部
36、36a 杭穴の拡径中間部
40 基礎杭構造
42 既製杭本体
42a 上部既製杭本体
42b 下部既製杭本体
43 既製杭本体の上端部
44 既製杭本体の下端部
45 既製杭本体の上端板
46 既製杭本体の下端板
48 既製杭本体の環状突起
51 既製杭本体の外周面
52 鋼管
53 鋼管の上端部
54 鋼管の下端部
55 鋼管の外周面
56 鋼管の内面
57 鋼管の環状突起
60 短い鋼管(定着用の環状体)
61 上部建造物(フーチング)
62 間隙

Claims (4)

  1. コンクリート製の既製杭本体の上部外周に、引張荷重を負担することができ、かつ上端部を地上構造物に定着する鋼管を被覆してなり、
    前記鋼管は、作用する引張荷重を前記既成杭本体に伝達不能となるように前記既製杭本体の外周と前記鋼管の内周との間に間隙を形成して被覆し、
    「前記鋼管は、外周に、凸部又は凹部を形成した」あるいは「コンクリート製の既製杭本体の外周で、鋼管の下縁より下方の位置に、凸部又は凹部を形成した」ことを特徴とする既製杭。
  2. 杭穴内に、既製杭を埋設してなる基礎杭の構造であって、以下のような構成としたことを特徴とする基礎杭構造。
    (1) 既製杭は、コンクリート製の既製杭本体の上部外周に、引張荷重を負担することができ、かつ上端部を地上構造物に定着する鋼管を被覆してなり、
    (2) 前記既製杭本体は下端部外周に凸部又は凹部を形成してなり、当該凸部又は凹部を、前記杭穴に根固め液を充填して形成した杭穴の根固め部内に位置させた。
    (3) 前記鋼管は、作用する鉛直荷重を前記既成杭本体に伝達可能で、作用する引張荷重を前記既成杭本体に伝達不能となるように、前記既製杭本体の外周と前記鋼管の内周との間に間隙を形成して被覆した。
  3. コンクリート製の既製杭本体の外周で、鋼管の下縁より下方の位置に、凸部又は凹部を形成し、前記既製杭本体の凸部又は凹部の全部又は一部を、杭穴に形成した中間拡径部内又は根固め部内に位置させたことを特徴とする請求項2記載の基礎杭構造。
  4. 鋼管の上端に定着用の環状体を突設し、該定着用の突起を地上構造物内に埋設した請求項3記載の基礎杭構造。
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