JP5509374B1 - 既存建物の耐震補強構造及び耐震補強方法 - Google Patents

既存建物の耐震補強構造及び耐震補強方法 Download PDF

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【課題】既存基礎が地震時の引抜力により過大に浮き上がらないようなアンカー併用式新設基礎による耐震補強構造・方法の提供。
【解決手段】既存基礎2に隣接して新設基礎7を設け、既存基礎2の上端の一部を押さえるコッター8を備えた新設基礎を支持地盤中に定着させるアンカーによって、新設基礎7と既存基礎2とを結合・一体化しない構成にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震や強風などの対策のために、既存建物の耐震補強構造及び耐震補強方法に関するものである。
この種の既存建物における既存基礎を補強する方法及び構造においては、例えば、複数の技術が公知になっている。その公知に係る第1の従来例は、既存建物の補強構造であって、前記既存建物の下方の地盤の少なくとも一部を地盤改良することにより構築された地盤改良部と、一端がアンカーの定着地盤に定着され、他端が緊張力が付与された状態で又は緊張力が付与されない状態で前記既存建物の構造体に定着されたアンカーとを備えることを特徴とする既存建物の補強構造である(特許文献1)。
そして、上記の補強構造においては、既存建物の下方の軟弱地盤を地盤改良することで、既存建物が軟弱地盤上に建てられた場合や既存建物の基礎杭が十分な耐力を備えていない場合でも、アンカーに緊張力を付与することができる。これにより、既存建物をアンカーによりアンカーの定着地盤に定着することができ、外部に新たな架構を設けることなく、周囲に建物が密集するような場合であっても、耐震補強を行うことができる、と云うものである。
また、第2の従来例は、前記第1の従来例と同一出願人によるものであって、アンカーを、地盤に構築された構造体と前記アンカーの定着地盤とに定着させることにより行う耐震補強方法であって、前記アンカーの緊張材に、当該緊張材が弛まない程度の大きさの緊張力で、且つ、地震発生時の設計上の緊張力よりも小さい緊張力を与えた状態で、前記アンカーを前記構造体と前記定着地盤とに定着させることを特徴とする耐震補強方法である(特許文献2)。
この耐震補強方法によれば、施工コストを抑制し、工期を短縮できると共に、地盤に構築された構造物の耐震性能を向上させることができる、というものである。
特開2008−223430号公報 特開2012−127119号公報
前記第1の従来例においては、既存基礎に直接アンカーを定着させることとし、アンカーに緊張力を付与する場合と付与しない場合の2通りとしている。まず、緊張力を付与する場合、その緊張力が軸力等の応力として既存基礎に付加されて大きな影響を与え、既存基礎がその余分な応力に耐えられない問題が発生する。そのために、当該地盤の地盤改良を要しており、施工コストが増大し、工期が長期化していた。緊張力を付与しない場合、地震の揺れによる引抜力に対して、キャンセルできる緊張力がないため、アンカー自由長部におけるアンポンドPC鋼材の伸び量が大きく、耐震性能が低下するので、既存建物に生ずる変形量(層間変形角)が大きくなってしまうという問題点がある。
また、前記第2の従来技術においても、地盤に構築された構造体は、既存基礎に新設基礎を一体化したものであり、その一体化した後に新設基礎にアンカーを設置し、アンカーの緊張材に弛まない程度の大きさの緊張力を与えるため、前記第1の従来技術と同様に、地震の揺れによる引抜力によってPC鋼材の伸び量が大きく発生するから、既存建物の変形量が大きくなってしまうという問題点を有している。
従って、既存建物の耐震補強に係る従来技術においては、既存基礎が地震による引抜力で浮き上がらないようにして既存建物の変形量を小さく押さえること、および、アンカーに与える緊張力による高軸力が既存基礎に影響を与えないようにすることに解決課題を有している。
前述の従来例の課題を解決する具体的手段として、本発明に係る第1の発明は、既存建物の既存基礎に隣接して新設基礎が設けられ、該新設基礎に支持地盤中に延びて定着させるアンカーを設けると共に、少なくとも既存基礎の上端の一部を押さえるように一体化されたコッターを備え、前記新設基礎と既存基礎とを一体化しない構成にしたことを特徴とする既存建物の耐震補強構造を提供するものである。
この第1の発明において、前記コッターの下面と既存基礎の上端との間に所要隙間を設けたこと;前記コッターの下面と既存基礎の上端との間に所要隙間に、充填材を充填すること;前記コッターをプレキャストコンクリート製とし、既存基礎の上端との間の隙間に緩衝材を配設すること;前記コッターを後打ちコンクリートで新設基礎と一体化すること;および前記コッターを後打ちコンクリートとすると共に、既設基礎の上端との間に緩衝材を敷設すること、を付加的な要件として含むものである。
本発明に係る第2の発明は、既存建物の既存基礎に隣接して新設基礎を設け、該新設基礎に支持地盤中に延びて定着させるアンカーを設けると共に、少なくとも既存基礎の上端の一部を押さえるように一体化されたコッターを備え、前記新設基礎と既存基礎とを一体化しないようにし、前記アンカーに所要の緊張力を付与して定着したことを特徴とする既存建物の耐震補強方法を提供するものである。
この第2の発明において、前記コッターの下面と既存基礎の上端との間の所要隙間に、所要の充填材を充填すること;前記コッターをプレキャストコンクリート製とし、該コッターの下面と既存基礎の上端との間に所要隙間を設け、該所要隙間に緩衝材を介在させて前記新設基礎に着脱可能に取り付けたこと;および前記コッターを後打ちコンクリートとし、該コッターの下面と既存基礎の上端との間に緩衝材を敷設して前記新設基礎に一体的に形成すること、を付加的な要件として含むものである。
本発明によれば、新設基礎と既存基礎とを一体化しないようにしたことによって、新設基礎をアンカーによって支持地盤に緊張定着させても、アンカーの緊張による高軸力が既存基礎に影響を及ぼすことなく、しかも、新設基礎と一体化されたコッターが地震時に既存基礎の引抜力を押さえて引抜耐力を補強し、地震時の引抜力による浮き上がりと建物転倒とを防止することができると共に、新設基礎のコッターの下面と既存基礎の上端との間の所要隙間を設けたことによって、新設基礎にアンカーが設置されたことにより発生した地盤のクリープ変形や既存基礎の沈下等を吸収して、その影響を防止することができるという優れた効果を奏する。
また、前記隙間に充填材を充填又は緩衝材を配設させることによって、地盤変形を吸収することができるばかりでなく、施工時における施工誤差も吸収することができるという優れた効果を奏する。
さらに、コッターをプレキャストコンクリート製とし、既存基礎との隙間に緩衝材を配設し、新設基礎に着脱可能に取り付けたことによって、地盤の引抜力による衝撃を緩和し、繰り返しの地震引抜力を受けても、隙間上下端のひび割れ発生を防止できるし、緩衝材の交換やメンテナンスができるという種々の優れた効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る既存建物の耐震補強構造を略示的に示した断面図である。 同実施の形態に係る既存建物の耐震補強構造の他の実施例を略示的に示した断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る既存建物の耐震補強構造を略示的に示した断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る既存建物の耐震補強構造を略示的に示した断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る既存建物の耐震補強構造を略示的に示した断面図である。 本発明に係る耐震補強構造を既存建物の既存基礎に適用する場合の一例を略示的に示した平面図である。
本発明を図示の複数の実施の形態に基づいて詳しく説明する。図1〜図2に示した第1の実施の形態において、既存建物1は、例えば、勾配付き(フーチングとも呼ぶ)の独立基礎を既存基礎2とし、その上部に柱3が建てられ、既存基礎2は地中梁4で一応連結された状態で、低層または中層の建物に構築されている。このような既存建物1における勾配付きの既存基礎2を耐震補強する場合には、その勾配部分に後施工アンカー筋5を用いてふかしコンクリート6を打設して、既存基礎2の天端をフラットにする。なお、既存基礎2の天端が最初からフラットである場合には、ふかしコンクリート6を打設する工程無しで、以下に示す構成および工程をそのまま適用できるものである。
既存基礎2に隣接して新設基礎7を設ける。この新設基礎7は、コッター8を横方向に突出させて一体的に形成されたものであり、該コッター8が既存基礎2の上端(天端)、即ち、ふかしコンクリート6のフラット面に被さるように形成されるが、フラット面、側面および柱3とは接触しないように、所要の隙間(数mm程度)9をもって、縁切り状態で設置される。そして、コッター8の下面には、耐圧補強プレート10が取り付けられている。
新設基礎7は、鉛直方向に延びるアンカー11によって軟弱地盤の下にある支持地盤12に所要の緊張力をもって定着させる。この場合、新設基礎7は、プレキャストコンクリート製でも現場打ちコンクリートで形成してもよい。そして、定着させるアンカー11については、従来から行っているように、削孔装置によって支持地盤12内に達するアンカー用の孔を設け、該孔に金属または樹脂パイプを挿通し、該パイプ内にPC鋼より線またはアンカー鋼棒を挿着すると共に、グラウトを充填し、グラウトが硬化して一体化した後に、PC鋼より線またはアンカー鋼棒に所要の緊張力を付与してから、新設基礎7を定着するものであり、新設基礎7は、支持地盤12との間で、高軸力をもって独自に安定した状態で緊張定着されるのである。なお、新設基礎7は、グラウンドレベルGLで覆われる位置に形成される。
このように、アンカー11による高軸力で新設基礎7を支持地盤12に定着させても、新設基礎7と既存基礎2との間に所要の隙間9が存在することにより、アンカー11による高軸力が既存基礎2に影響を与えないし、アンカー力によって地盤クリープ変形や沈下等を吸収するので、経年においても、既存基礎2はアンカー11の緊張定着力で沈み込むことはないのである。また、新設基礎7の設置において、既存基礎2をハツッたりせず、施工時に断面欠損による耐力低下が生ずる虞がないばかりでなく、地震時に既存基礎2に発生する引抜力に対しては、新設基礎7のコッター8が既存基礎2を押さえて耐引抜力を補強するので、既存基礎2の浮き上がり防止と建物の転倒防止とを行うのである。
また、図示では、新設基礎7が既存基礎2のフラット面、側面および柱3と接触しないように、横と縦方向とに隙間を空けて設けられているが、横方向の隙間を空けておいて、縦方向の隙間は目地モルタルで埋めてもよい。要するに、フラット面だけに隙間を空ければ、同じ効果が得られるので、縦方向の隙間は充填材で充填してもよい。また、新規基礎が現場打ちコンクリートで形成する場合は、接合筋等の連結鋼材で接合して一体的にしなければ縦方向の隙間を設けずに形成してもよい。
図2は第1の実施の形態に係る他の実施例を示すものであり、新設基礎7と既存基礎2におけるふかしコンクリート6のフラット面との間に所要の隙間9を設ける点でまでは一致しているが、その隙間9(数cm程度の目地)に縁切りとしての充填材13を充填する。この充填材13としては目地モルタルとするが、好ましくは、既存及び新設基礎より強度の低いモルタルとすること、新設基礎7をアンカー11で支持地盤12に緊張定着させた後に、コッター8に設けた注入孔14から注入するものであるから、アンカー11による高軸力は既存基礎2に影響を与えないのである。この充填材13は、一種の緩衝材または絶縁材として存在するものであればよく、要するに、新設基礎7と既存基礎2とを縁切り状態で存在させ、接合筋等の連結鋼材で強く結び付けるものでなければよいのである。従って、その作用効果は、前記図1の実施の形態で説明した事項と実質的に同レベルである。
次に、図3に示した第2の実施の形態について説明する。この実施の形態においては、既設基礎2に後施工アンカー筋5を用いてふかしコンクリート6を形成する点までは、前記第1の実施の形態と同一であるが、新設基礎7の形成については、その構成が異なる。即ち、新設基礎7は、既設基礎2に隣接してふかしコンクリート6のフラット面より僅かに高い位置に上面を合わせて構築するのである。そして、内部に支圧板15を配設し、該支圧板15に下端部を連結した複数のPC鋼棒16を配設し、該PC鋼棒16の上端部は、新設基礎7の上面から突出させた状態で形成し、該新設基礎7は、前記実施の形態1と同様にアンカー11により支持地盤12に緊張定着させる。この緊張定着において、前記支圧板15がアンカー11の上端部を緊張定着する定着具17を支持する。
このように構築した新設基礎7の上部に新設ブロック18を載置し、該新設ブロック18に設けたPC鋼棒19の下端部を前記PC鋼棒16にカップラー等の連結具20を介して連結し、新設ブロック18の上面で、手締めまたは緊張ジャッキによりナットを締め付けることによって、PC鋼棒19により新設基礎7に新設ブロック18を着脱可能に取り付けられるものである。この新設ブロック18はプレキャストコンクリート製で、既設基礎2のふかしコンクリート6のフラット面を覆う大きさに形成されたものであり、そのフラット面に対応する部分には、前記実施の形態1と同様に、耐圧補強プレート10が取り付けられている。そして、この新設ブロック18とふかしコンクリート6のフラット面、側面および柱3との間に、所要の隙間9が存在するが、フラット面との隙間9には緩衝ゴム21を敷設し、その他の隙間には、前記実施例と同様に、新設ブロック18に設けた注入孔14から充填材13を注入して設ける。
また、PC鋼棒16、19の代わりに、高強度棒鋼としてもよい。要するに、新規基礎7と新設ブロック18を接合する方法としては、従来通りのPC鋼棒や高強度棒鋼を緊張定着してPC圧着工法によって一体化する方法と、既存基礎に生じた引抜力に抵抗する鋼材として手締め程度で締め付ける方法とのいずれとしてもよい。
このように新設基礎7をアンカー11により支持地盤12に緊張定着させてから、該新設基礎7に新設ブロック18を着脱自在に設置することにより、アンカー11による高軸力は既存基礎2に影響を与えないのである。そして、地震による引抜力は、緩衝ゴム21によってその衝撃を吸収すると共に、新設ブロック18によって既設基礎2を押さえるので、既存基礎2の浮き上がり防止と建物の転倒防止とを行うことができるのである。
次に、図4に示した第3の実施の形態について説明する。この実施の形態に係る耐震補強構造は、既設基礎2の上面(天端)にふかしコンクリートを形成しないで、新設基礎7を形成すると共に、該新設基礎7のコッター部分を後打ちコンクリートで形成するものである。即ち、既設基礎2に隣接して、コッター部分に対応する側面に、予め複数の鉄筋22を突出させて新設基礎7を形成する。そして、新設基礎7をアンカー11により支持地盤12に緊張定着させてから、新設基礎7の側面と既設基礎2の上面に渡って後打ちコンクリートによりコッター部分8aを形成する。この場合に、鉄筋22によってコッター部分8aは新設基礎7と一体的に形成されるが、該コッター部分8aの下面及び側面と既設基礎2とは、鉄筋22等の連結鋼材を設けずに縁切り状態にする。
このように新設基礎7をアンカー11により支持地盤12に緊張定着させてから、後打ちコンクリートによりコッター部分8aを構成することで、施工作業が簡単であり、且つ安価に提供でき、しかも、アンカー11による高軸力は既存基礎2に影響を与えないのである。そして、地震による引抜力は、コッター部分8aによって既設基礎2を押さえるので、既存基礎2の浮き上がり防止と建物の転倒防止とを行うことができるのである。
さらに、第5図に示した第4の実施の形態について説明する。この実施例における建物1の既設基礎2の上面(天端)がフラットであるので、前記第3の実施の形態と同様に、既設基礎2に隣接して、コッター部分に対応する側面に、予め複数の鉄筋22を突出させて新設基礎7を形成する。そして、新設基礎7をアンカー11により支持地盤12に緊張定着させてから、既設基礎2の上面に緩衝ゴム21を敷設し、新設基礎7の側面と既設基礎2の上面に渡って後打ちコンクリートによりコッター部分8aを形成する。この場合に、鉄筋22によってコッター部分8aは新設基礎7と一体的に形成されるが、該コッター部分8aの下面と既設基礎2とは緩衝ゴム21の介在により縁切り状態になっている。また、緩衝ゴムのかわりに、弾性絶縁材であればよく、例えば、ゴムや発泡スチロールなどの各種樹脂材、ベニヤ板等であってもよいのである。
このように後打ちコンクリートによりコッター部分8aを構成することで、施工作業が簡単であって、且つ安価に提供でき、しかも、アンカー11による高軸力は既存基礎2に影響を与えないのである。そして、地震による引抜力は、緩衝ゴム21によってその衝撃を吸収すると共に、コッター部分8aによって既設基礎2を押さえて既存基礎2の浮き上がり防止と建物の転倒防止とを行うことができるのである。
前記した各実施の形態に係る耐震補強構造は、例えば、図6に示した建物1に、単独でまたは複数組み合わせて適用できるものである。この建物1において、外周に位置する柱を外柱3a〜3cと称し、内側に位置する柱を内柱3dと称し、特に、隅部に位置する柱を隅柱3cを称して耐震補強構造の好ましい適用例を説明する。なお、図示していないが、地震による水平力が建物に作用すると、平面(断面)において曲げモーメントが生じ、その曲げモーメントによる引張力(引抜力)は、中央部が小さく外周部が大きくなることは、この種技術分野において周知の事実である。
そこで、建物1における外柱3a〜3cを支える既存基礎2の平面において、曲げモーメントが生ずる方向に新設基礎7を構築する例を説明する。建物1のY軸方向の中間位置の柱3aを支える既存基礎2aでは、曲げモーメントによる引抜力が作用しないので、X軸方向に対して既存基礎2aの1面に新設基礎7を構築すれば足りる。そして、中央部から順次遠くなるに従って、引抜力が順次大きく作用するので、中間位置から離れる柱3bを支える既存基礎2bには、2面または3面に新設基礎7を構築し、さらに、隅柱3cを支える隅部の既存基礎2cに対しては、少なくとも2面以上、好ましくは4面に新設基礎7を構築するのである。なお、内柱3dを支える既存基礎2については、スペース的に新設基礎が構築できないのである。
本発明に係る耐震補強構造は、既存基礎2の構造について、その天端(上面)が勾配付きとフラットである場合の実施例を説明したが、これに限らず、例えば、杭基礎やベタ基礎、布基礎等の既設基礎であっても適用できることはいうまでもないのであり、要するに、補強しようとする既設基礎2との間を縁切り状態でコッターを一体的に設けた新設基礎7を構築し、その新設基礎7をアンカー11により支持地盤12に緊張定着させて、アンカーによる高軸力が既設基礎に影響を与えないようにしたものであり、それによってコッターが既存基礎の地震時の引抜耐力を補強して、既設基礎2の浮き上がり防止と建物の転倒防止とを行うことができるので、あらゆる既設建物の既設基礎に対して広く利用することができる。
また、本願発明は、上部の外付けフレーム耐震補強と併せて利用することもできる。
1 既存建物
2 既存基礎
2a〜2c 外柱を支える既存基礎
3 柱
3a 外柱
3b 中間位置から離れる柱
3c 隅柱
3d 内柱
4 地中梁
5 後施工アンカー筋
6 ふかしコンクリート
7 新設基礎
8 コッター
8a コッター部分
9 隙間
10 耐圧補強プレート
11 アンカー
12 支持地盤
13 充填材
14 注入孔
15 支圧板
16 PC鋼棒
17 定着具
18 新設ブロック
19 PC鋼棒
20 連結具
21 緩衝ゴム
22 鉄筋

Claims (10)

  1. 既存建物の既存基礎に隣接して新設基礎が設けられ、
    該新設基礎に支持地盤中に延びて定着させるアンカーを設けると共に、少なくとも既存基礎の上端の一部を押さえるように一体化されたコッターを備え、
    前記新設基礎と既存基礎とを一体化しない構成にしたこと
    を特徴とする既存建物の耐震補強構造。
  2. 前記コッターの下面と既存基礎の上端との間に所要隙間を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の既存建物の耐震補強構造。
  3. 前記コッターの下面と既存基礎の上端との間に所要隙間に、充填材を充填すること
    を特徴とする請求項1乃至2に記載の既存建物の耐震補強構造。
  4. 前記コッターをプレキャストコンクリート製とし、既存基礎の上端との間の隙間に緩衝材を配設すること
    を特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の既存建物の耐震補強構造。
  5. 前記コッターを後打ちコンクリートで新設基礎と一体化すること
    を特徴とする請求項1に記載の既存建物の耐震補強構造。
  6. 前記コッターを後打ちコンクリートとすると共に、既設基礎の上端との間に緩衝材を敷設すること
    を特徴とする請求項5に記載の既存建物の耐震補強構造。
  7. 既存建物の既存基礎に隣接して新設基礎を設け、
    該新設基礎に支持地盤中に延びて定着させるアンカーを設けると共に、少なくとも既存基礎の上端の一部を押さえるように一体化されたコッターを備え、
    前記新設基礎と既存基礎とを一体化しないようにし、前記アンカーに所要の緊張力を付与して定着したこと
    を特徴とする既存建物の耐震補強方法。
  8. 前記コッターの下面と既存基礎の上端との間の所要隙間に、所要の充填材を充填すること
    を特徴とする請求項7に記載の既存建物の耐震補強方法。
  9. 前記コッターをプレキャストコンクリート製とし、
    該コッターの下面と既存基礎の上端との間に所要隙間を設け、該所要隙間に緩衝材を配設し、前記新設基礎に着脱可能に取り付けたこと
    を特徴とする請求項7に記載の既存建物の耐震補強方法。
  10. 前記コッターを後打ちコンクリートとし、
    該コッターの下面と既存基礎の上端との間に緩衝材を敷設して前記新設基礎に一体的に形成すること
    を特徴とする請求項7に記載の既存建物の耐震補強方法。
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