JP5210337B2 - 制震プレストレスを付与した鉛直制震pc構造部材を用いる建造物 - Google Patents

制震プレストレスを付与した鉛直制震pc構造部材を用いる建造物 Download PDF

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Description

本発明は、鉛直構造部材を使用して構築された建造物であって、大地震や強風圧力に耐えられる制震プレストレス付与した鉛直制震PC構造部材を用いる建造物に関するものである。
一般にこの種の建築物においては、その基礎部分に制震や免震装置を配置して構築されているものが従来例として複数公知になっている。例えば、第1の従来例としては、高層構造物の基礎部の引き抜き防止用の、増し打ちコンクリートを免震装置で支持し、該増し打ちコンクリートに生ずる振動エネルギを、ポテンシャルエネルギに変換する手段と、該ポテンシャルエネルギを蓄積する手段を有し、該ポテンシャルエネルギの蓄積手段を介して地上階に設けた制震装置を駆動してなるエネルギ変換型高層制震構造物である(特許文献1)。
そして、従来、錘としてしか使われていなかったカウンターウエイトを、エネルギ発生装置として利用して地震時にアクティブ制御ができ、構造物の揺れが低減できる。さらに一般構造では、引き抜き力が大きくアースアンカーを用いなければならない場合でも、この発明の装置を搭載することで構造物の揺れを低減し引き抜き力を減少し、アースアンカーを用いることなく、引き抜き力を処置することができるのでコスト低減に繋がるというものである。
また、第2の従来例としては、地中に構築された基礎杭の上端部に、緩衝材を介装してなる杭頭ジョイント具を装着すると共に、定着鋼材の下部を前記基礎杭に定着固定し、該定着鋼材の上部を前記杭頭ジョイント具に形成した貫通孔から上方に突出させ、前記緩衝材を押圧した状態を維持して、前記定着鋼材の中間部を前記杭頭ジョイント具に固定し、前記定着鋼材を上部構造物内に定着させた基礎杭と上部構造物との連結構造である(特許文献2)。
そして、上記構成にしたことで、通常時の上部構造物の鉛直荷重は、定着鋼材及び杭頭ジョイント具の緩衝材を介して、基礎杭に伝達される。この際、緩衝材の押圧力に応じて、緩衝材が負担すべき鉛直荷重の分量が決まり、定着鋼材が負担すべき鉛直荷重の分量を軽減できる。また、上記の上部構造物と基礎杭との結合構造では、剛結合される定着鋼材と緩衝材とを併用して曲げモーメントの負荷を分散し、定着鋼材の負担を低減したので、高い支持力を有する基礎杭においても鉛直、水平両荷重に対してバランスのとれた高耐力を有する構造を容易に提供できるというものである。
さらに、第3の従来例としては、基礎構造と、該基礎構造に対して揺動可能に支持された上部建造物と、前記基礎構造と前記上部構造物との間に配置されたゴム防振部材と、前記上部建造物の下部構造に連結された地盤アンカーとからなる地盤アンカー免震構造である(特許文献3)。
そして、構造物に対して大きな転倒モーメントが加えられた場合であっても、充分に免震機能を維持でき、さらには積層ゴム等を用いる従来の免震機構を大きく変更すること無く適用することが可能な地盤アンカー免震構造を提供することが可能となるというものである。
特開平10−61256号公報 特開2004−44303号公報 特開2001−311164号公報
前記従来例においては、地震対策として積層ゴム等の免震装置を使用し、該免震装置に基礎部の引き抜き防止用の増し打ちコンクリートを支持させたり(第1の従来例)、該免震装置を基礎部の杭頭ジョイント具に組み込んだり(第2の従来例)、該免震装置を基礎構造と上部建造物との間に支持部を介して配置させたり(第3の従来例)して、地震による震動または揺れが免震装置で緩和され上部構造物に直接伝搬されないようにしている。
また、前記従来技術においては、基礎構造と上部建造物との間に免震装置を配設しているものであるが、上部構造物は、免震装置の上部に取り付けられた増し打ちコンクリートやジョイント具等の部材(フーチング)に対して柱や梁を連結または一体的に結合させて取り付けられている。
ところで、従来技術において、上部構造物が鉄筋コンクリート造(RC造)であってもプレキャストコンクリート造(PC造)であっても、例えば、直下型短周期地震で震度7クラスの巨大地震時に発生する衝撃的引張力や強い揺れを繰り返し受けると、構造物を構成する鉛直部材は、免震装置の設置だけでは振動または揺れを吸収しきれず、ひび割れが生じたり破損したりする。
従来の耐震構造や制震及び免震構造のPC構造部材(柱、梁等)では、部材断面に配置されたPC鋼材の緊張導入力は一様とし、定着完了時ではPC鋼材の降伏荷重(Py)の80%としている。構造部材の断面耐力は大地震時において、PC鋼材の降伏荷重(Py)をもとに得られるものとしている。しかしながら、PC鋼材には明瞭な降伏点がないため、降伏荷重は0.2%永久伸びに対する荷重としている。降伏点強度はその降伏荷重を用いてPC鋼材の断面積を除した値とする。図6に示すように、降伏荷重の85%程度まで直線で示し、以後は緩やかな曲線で示す非線形復元力状態に入る。この段階に入るとコンクリート断面にはひび割れが発生し、主筋やPC鋼材の弾性付着損傷防止が期待できなくなる。また、地震後には残留変形が残っているため、発生したひび割れを閉じることができずにひび割れが大きく進行し、構造躯体に悪影響を与えて使用寿命が大幅に減少するという問題点を有する。
また、過去の直下型短周期地震の大地震の被害例は、特に、鉄筋コンクリート造柱(RC柱)や壁体構造に主筋の付着破壊が先行し、それによってせん断破壊が多く発生した。その理由は、柱や壁等の鉛直構造部材の断面内に配設された鉄筋が降伏点強度を超えて、コンクリートとの付着力が鋼材引張伸びに追従できず、コンクリートとの付着界面で付着破壊、剥離を起こすことが主たる原因であると推定される。そして、特に問題となっているのは、短周期の瞬間的な引張伸びはコンクリート柱の断面全体を塊状に破砕する損壊であり、現実に、原子炉構造物の厚い壁にも水平クラックの被害を発生させている。
従って、従来技術においては、大地震によるRC造柱の損壊は、建物全体に繋がる致命的なダメージを与えてしまうこと、およびPC構造の鉛直部材はPC鋼材や鉄筋の降伏点強度をもとに求められている断面耐力を持って使用されているため、大地震によりPC鋼材や鉄筋は降伏点強度に達する可能性があって、RC構造物の損壊例と同様な被害が予想されるという問題点を有している。
従来技術に係る高層の建造物における柱や壁等の鉛直構造部材について、大地震や強風によって衝撃的な引張力や曲げモーメントを受けても、PC鋼材や鉄筋が線形復元力の範囲内に維持されるようにしてひび割れや損壊を防止することに解決すべき課題がある。
本発明は、前述の従来例の課題を解決する具体的手段として、鉛直構造部材を使用して構築された高層の建造物であって、該建造物の基礎から最上層まで各階層に構築される鉛直構造部材の断面において、断面の核内および核外に制震PC鋼材を挿通させて配置し、少なくとも断面の核内に配設された制震PC鋼材を前記基礎から最上層まで全長にわたって連通した状態で配置し、前記制震PC鋼材において、断面の核内と断面の核外に配置されたPC鋼材にそれぞれ異なる緊張導入力を与えて緊張定着し、鉛直構造部材の全長にわたって制震プレストレスを付与した鉛直制震PC構造部材が形成されることを特徴とする建造物を提供するものである。
この発明においては、前記異なる緊張導入力は、断面の核内に配置された制震PC鋼材に与える緊張導入力を該PC鋼材の降伏荷重の80%までとし、断面核外に配置された制震PC鋼材に与える緊張導入力を該PC鋼材の降伏荷重の40〜70%とすること;前記基礎は、上部基礎構造と下部基礎構造と、それらの間に介在させた免震装置とからなること;および前記鉛直構造部材はコンクリート造柱であること、を付加的な要件として含むものである。
なお、本発明において上記の緊張導入力とは、定着部における定着完了時にPC鋼材に与えた引張力を意味するものである。
本発明に係る耐震構造や制震及び免震構造の高層の建造物は、基礎と最上層との間に構築された鉛直構造部材の断面核内に挿通した制震PC鋼材を緊張定着し全長にわたって制震プレストレスを付与した構成としたことによって、鉛直構造部材の断面耐力を増大させて地震時の部材安全余裕度を大幅に増すと共に、制震水平力Prの効果による制震ダンパー性能を発揮させ、全ての主筋やPC鋼材を降伏させずに線形復元力範囲に留めるので、大地震や強風を受けても建造物のひび割れや損傷が回避できるという優れた効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る鉛直制震PC構造部材を用いる耐震構造型の高層建造物を略示的に示した側面図である。 本発明の実施の形態に係る鉛直制震PC構造部材を用いる免震構造型の高層建造物を略示的に示した側面図である。 図2に示す実施の形態に係る高層建造物の基礎部分の一部を略示的に示した拡大側面図である。 同実施の形態に係る高層建造物において使用される鉛直制震PC構造部材(柱)を示す略示的断面図である。 同実施の形態に係る高層建造物で使用された鉛直制震PC構造部材(柱)の大地震で受ける震動による変形状況を従来例と比較して示した説明図である。 同実施の形態において使用されるPC鋼材の復元力特性曲線を示すグラフである。
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳しく説明する。図1において、基礎部1の上部に耐震構造型の高層の建造物3を構築したものである。基礎部1は、例えば、固い地盤4に達する複数本の基礎杭5の上部に基礎コンクリート部6が形成されたものである。また、複数本の基礎杭5の内でも半数本の基礎杭5には引き抜き力に対抗する鉛直地盤アンカー7が設けられて地盤に対して強固に定着されている。
図2は免震型構造の高層の建築物に係るものであり、前記実施の形態と同一部分には同一符合を付して説明する。この実施の形態は免震型構造のものであるから、基礎部1は上部基礎構造1aと下部基礎構造1bと、それらの間に配設された免震装置2とから構成されている。免震装置2は、図3に示したように、積層ゴム等の弾性を有する変形自在の材料を使用し、建造物3を免震状態で支えるために、例えば、上部基礎構造1aとなる連結ブロックまたはフーチング部材8等と下部基礎構造1bとの間において、適宜の連結部材9を介して取り付けたものであり、従来から使用されている任意の構造のものを適用することができる。
高層の建造物3は、例えば、プレキャストコンクリート造(PC構造)の柱10、梁11および壁12等を用いて構築されるものであり、梁11は柱10に対してPC鋼材によりPC圧着工法またはPC圧着関節工法をもって連結され、最下部の梁11は連結ブロックまたはフーチング部材8に対して同様にPC鋼材13によりPC圧着工法またはPC圧着関節工法をもって連結される。このように取り付けられた最下部の梁11は、連結ブロックまたはフーチング部材8と共に建造物3の上部基礎構造1aである。
特に、鉛直部材であるPC構造の柱10については、図4に示した構造の柱が使用される。このPC構造の柱10は、その内部に主筋とフープ筋からなる鉄筋14が配設されると共に、複数のシース管15が配設され、該シース管に挿通した制震PC鋼材16によって各階毎に緊張定着させること、または複数階の柱毎、例えば、1階と2階の2本(複数)の柱10に連通させて緊張定着させることもできる。また、1階の柱10については、図3に示したように、連結ブロックまたはフーチング部材8に埋設してある各PC鋼棒8aに制震PC鋼材16をそれぞれ連結して取り付けるのである。
前記PC構造の柱10において、さらに、鉛直部材である柱10の断面核10a内(断面略中心部)に制震PC鋼材用シース管17を配設し、該制震PC鋼材用シース管17に制震PC鋼材18を挿通させて最終的に緊張定着させるものである。この断面核10aというのは、柱10の略中心部であるが、その広さ(大きさ)としては、柱の断面せいDに対してD/3、断面幅bに対してb/3の範囲内のことである。複数の制震PC鋼材16は鉛直部材の断面核外に配設とし、基礎から最上階の柱10まで連続させて挿通した制震PC鋼材18は鉛直部材の断面核内に配設とすることができるのである。
制震PC鋼材16および制震PC鋼材18に対する定着のための緊張導入力は、いずれも各PC鋼材の降伏荷重の80%以下とするが、好ましくは制震PC鋼材16については降伏荷重の40〜70%の緊張導入力で緊張定着し、制震PC鋼材18については、該制震PC鋼材の降伏荷重の80%までの緊張導入力で緊張定着させる。特に、鉛直部材であるPC構造の柱10の断面核内外に制震PC鋼材18と16とを配設して、それぞれ異なる緊張導入力で緊張定着することは、所謂、制震プレストレスを付与することであり、該制震プレストレスによりPC構造の柱10の断面耐力を増大させて地震時の部材安全余裕度を大幅に増すことができ、それによって大地震や強風を受けた場合でもPC鋼材の線形復元力の範囲内に留められるのである。なお、制震PC鋼材18は、中間接続具を省いてコストを軽減するため、基礎から最上層まで連通したPC鋼より線を使用することが好ましい。
図5について、例えば、20階建ての建造物における1階から20階までの20本の柱10を制震PC鋼材で緊張定着した一連の柱を示すものであって、一点鎖線Aは、その一連の柱が地震や強風を受けない状態における中心線であり、太線Bは、例えば、矢印cで示したように大地震の震動を受けたときの変形状況を示し、二点鎖線B’は、同太線Bの揺れ戻しによる変形状況を示し、点線Cは、従来のPC構造の柱をPC鋼材で緊張定着したもので、大地震の震動cを受けたときの変形状況を示し、点線C’は、前記点線Cの揺れ戻しによる変形状況を示すものである。
このように制震PC鋼材を断面に挿通して緊張定着し、制震プレストレスPを付与した一連の柱は、制震プレストレスによって弾性一体化された状態になっており、大地震の震動cを受けたときに上部(最上層階)に生ずる強い揺れは、太線Bと二点鎖線B’で示したように、制震水平力Prの効果によって中間部分が変形する鞭打ち現象に制震させるのであり、それによって衝撃的引張力や曲げモーメントで発生する引張力に対して制震ダンパー性能を発揮し、変形量Δs2は少なく、内部に配設してある全ての主筋やPC鋼材を降伏させずに線形復元力範囲に留めるのである。
これに対して従来のPC構造の柱をPC鋼材で緊張定着しただけの一連の柱は、制震水平力Prの効果が働かず、上部(最上層階)に生ずる強い揺れによって、点線C、C’で示したように、上部が中心線Aから大きく離れる揺れになり、変形量Δs1は多くなり、前記制震プレストレスPを付与した一連の柱に較べて2倍以上の変形量になり、それによって、図6に示したように、必然的に、内部に配設してある全ての主筋やPC鋼材の線形復元力(降伏荷重のほぼ85%)を超えて非線形復元力範囲に入って破砕や損壊が生ずる。
ところで、本願発明のように、断面核内と断面核外とに制震PC鋼材を配置し、核内のPC鋼材に与える緊張導入力を該PC鋼材の降伏荷重の80%までとすることによって、大地震時においてPC鋼材に掛かる引張力が増加せずに弾性範囲内に保持できるし、核外のPC鋼材では、部材断面中立軸からの配置位置によって初期緊張導入力を40〜70%に小さく押さえているため、大地震時にPC鋼材に掛かる引張力が増えてくるが最大引張力を弾性範囲内(降伏荷重の85%以内)に留まるように設計することができるのである。それによって、鉛直構造部材の断面耐力を増大させて地震時の部材安全余裕度を大幅に増すことができ、大地震時においても鉛直部材の断面内(内部)に配置された鉄筋およびPC鋼材が降伏せずに線形復元力の範囲内に留められることが保証され、コンクリートにひび割れが発生することなく、鉛直構造部材は損傷しないのである。そして、地震後はPC鋼材の弾性復元力によって元の状態に戻るので、地震による繰り返しの揺れ変形を制震する機能は失われないのである。
また、核内のPC鋼材が基礎から最上層まで全長にわたって連通した状態で配置され緊張定着されることによって、あらゆる方向に対する制震効果が得られるのである。耐震構造について、例えば、ラーメン構造を例として説明すると、地震力による曲げモーメントに対して柱に配置されたPC鋼材に生じた曲げ引張力を弾性範囲内に抑えることができ、制震プレストレスによって制震ダンパー性能を発揮して変形量を小さくでき、柱のひび割れや損傷を生じさせないのである。
さらに、免震構造において、従来の免震構造は、海洋型地震による水平動に対して水平方向の相対変位により地震エネルギーを吸収し、地震エネルギーが上部構造に作用することを回避できるが、直下型地震による上下動に対しては抑えることができない。しかるに、従来の免震構造に本発明の制震プレストレスを付与した鉛直制震PC構造部材を用いれば、免震装置の上に構築された構造躯体に水平方向の地震力による地震エネルギーを吸収すると共に、上下動による鉛直部材の損傷も抑えることができるのである。
特に、高層の建造物3全体に与える鉛直方向の制震プレストレスの付与は、衝撃波による応力度を緩和させる効果があること、柱や梁間がPC圧着工法またはPC圧着関節工法の導入で弾性的付着特性を有することによりコンクリートの付着破壊を起こさせない効果があること、これらの効果が総和して大地震によっても、制震PC構造の建造物3が進行性崩壊・損傷被害を最小限に食い止めることができるのである。
本発明に係る耐震構造や制震及び免震構造の高層の建造物については、大地震及び強風に対して耐えられるPC構造の建造物について説明したが、これに限定されることなく、例えば、高層または低層の鉄筋コンクリート造(RC造)やプレストレスト鉄筋コンクリート造(PRC構造)にも適用できるので、高層マンションやオフイスビル等の高層または低層ビル建設に広く利用できる。
1 基礎部
1a 上部基礎構造
1b 下部基礎構造
2 免震装置
3 建造物
4 固い地盤
5 基礎杭
6 基礎コンクリート部
7 地盤アンカー
8 連結ブロックまたはフーチング部材
8a PC鋼棒
9 連結部材
10 柱(鉛直部材)
10a 断面核
11 梁
12 壁(鉛直部材)
13 PC鋼材
14 鉄筋
15、17 シース管
16、18 制震PC鋼材

Claims (4)

  1. 鉛直構造部材を使用して構築された建造物であって、
    該建造物の基礎から最上層まで各階層に構築される鉛直構造部材の断面において、断面の核内および核外に制震PC鋼材を挿通させて配置し、
    少なくとも断面の核内に配設された制震PC鋼材を前記基礎から最上層まで全長にわたって連通した状態で配置し、
    前記制震PC鋼材において、断面の核内と断面の核外に配置されたPC鋼材にそれぞれ異なる緊張導入力を与えて緊張定着し、鉛直構造部材の全長にわたって制震プレストレスを付与した鉛直制震PC構造部材が形成されること
    を特徴とする建造物。
  2. 前記異なる緊張導入力は、断面の核内に配置された制震PC鋼材に与える緊張導入力を該PC鋼材降伏荷重の80%までとし、断面核外に配置された制震PC鋼材に与える緊張導入力を該PC鋼材降伏荷重の40〜70%とすること
    を特徴とする請求項1に記載の建造物。
  3. 前記基礎は、上部基礎構造と下部基礎構造と、それらの間に介在させた免震装置とからなること
    を特徴とする請求項1または2に記載の建造物。
  4. 前記鉛直構造部材はコンクリート造柱であること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の建造物。
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