JP2019027103A - コンクリート充填鋼管柱構造物 - Google Patents

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裕喜 中田
Hiroki Nakata
裕喜 中田
大 岡本
Masaru Okamoto
大 岡本
航平 笹田
Kohei Sasada
航平 笹田
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Abstract

【課題】コンクリート充填鋼管柱の局部座屈発生範囲における鋼管の内面に孔あき板材を取り付けるとともに、複数の孔あき板材の孔を通過する線状部材を配設することによって、コンクリート充填鋼管柱における局部座屈の発生を適切に制御して、コンクリート充填鋼管柱の変形性能が向上するようにする。【解決手段】鋼管内にコンクリートが充填されたコンクリート充填鋼管柱と、前記鋼管の内面に取り付けられた孔あき板材と、複数の孔あき板材の孔を通過して配設された線状部材とを備え、該線状部材は、前記コンクリート充填鋼管柱の局部座屈発生範囲に設置される。【選択図】図4

Description

本開示は、コンクリート充填鋼管柱構造物に関するものである。
従来、鉄道の高架橋柱、橋脚等に使用されるコンクリート充填鋼管(Concrete Filled Steel Tube)柱(以下、「CFT柱」と言う。)は、一般に地震発生時の変形を考慮して、その仕様が決定される。したがって、CFT柱の変形性能を向上することができれば、例えば、断面積、鋼管厚等の寸法を小さくすることができ、合理的な構造物とすることができる。また、鉄道の高架橋柱、橋脚等の耐震設計においては、一般に柱が先行して降伏し、破壊するように設計されていることも考慮して、CFT柱の変形性能を向上することが重要となる。
図1は従来のCFT柱における矩形断面の鋼管に補剛材を適用した例を示す図、図2は従来のCFT柱における矩形断面の鋼管に補剛材を適用した効果を示す図である。なお、図1において、(a)は横断面図、(b)は正面図である。
図1において、71はCFT柱であり、72は鋼板から成る矩形断面の鋼管であり、73は鋼管72内に充填されたコンクリートである。そして、図1に示されるように、矩形断面の鋼管72の内面には、補剛材として、鋼板から成る縦補剛材74及び横補剛材75が取り付けられている。このように、鋼管72の内面に縦補剛材74及び横補剛材75が取り付けられたCFT柱71は、図2に示されるように、変形性能が向上する。
なお、鉄筋コンクリート製の柱、橋脚等を補強するために、周囲に鋼板を巻き立て、さらに、貫通鋼棒又は途中定着アンカーを設置する技術が採用されている(例えば、非特許文献1及び2参照。)。
図3は従来の鋼板巻立て補強された鉄筋コンクリート柱に貫通鋼棒を適用した例を示す図である。なお、図において、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は破壊状況を示す写真である。
図において、82は鉄筋コンクリート製の土台であり、81は土台82の上に構築された鉄筋コンクリート柱であり、83は鉄筋コンクリート柱81の周囲に巻き立てられた鋼板である。なお、該鋼板83は、溶接線84において溶接されることによって、矩形断面の鋼管を形成している。そして、複数本の貫通鋼棒85が、鉄筋コンクリート柱81及び該鉄筋コンクリート柱81の両面の鋼板83を貫通するようにして取り付けられている。このように、鋼板83を巻き立てることによって補強された鉄筋コンクリート柱81の場合、その中に埋め込まれている図示されない軸方向の鉄筋の座屈を鋼板83及び貫通鋼棒85が拘束するので、変形性能が向上する。
中田裕喜、鬼頭直希、岡本大、「鋼板巻き補強された鉄筋コンクリート橋脚のアンカーによる拘束効果に関する検討」、土木学会第69回年次学術講演会、V−413、2014.9 岡本大、佐藤勉、玉井真一、宮城敏明、「壁式橋脚の鋼板巻立てによる耐震補強効果」、コンクリート工学年次論文集、Vol.22、No.3、pp.1615−1620、2000
しかしながら、前記従来の技術では、CFT柱の変形性能を十分に高めるためには、多数の縦補剛材及び横補剛材を設置することが必要となるが、鋼管の内面に縦補剛材及び横補剛材を設置するために溶接が必要となるので、作業性及び経済性が低下してしまう。さらに、溶接の際に発生する熱が鋼管の構造性能に影響を及ぼす可能性がある。
なお、図3に示されるような技術は、鉄筋コンクリート製の柱、橋脚等を補強するために使用されるものであって、コンクリート内に埋め込まれている軸方向の鉄筋の座屈を鋼板及び貫通鋼棒が拘束するようにしたものであるから、CFT柱に適用することは、そもそも、想定されていない。
ここでは、前記従来の技術の問題点を解決して、コンクリート充填鋼管柱の局部座屈発生範囲における鋼管の内面に孔あき板材を取り付けるとともに、複数の孔あき板材の孔を通過する線状部材を配設することによって、コンクリート充填鋼管柱における局部座屈の発生を適切に制御して、コンクリート充填鋼管柱の変形性能が向上したコンクリート充填鋼管柱構造物を提供することを目的とする。
そのために、コンクリート充填鋼管柱構造物においては、鋼管内にコンクリートが充填されたコンクリート充填鋼管柱と、前記鋼管の内面に取り付けられた孔あき板材と、複数の孔あき板材の孔を通過して配設された線状部材とを備え、該線状部材は、前記コンクリート充填鋼管柱の局部座屈発生範囲に設置される。
他のコンクリート充填鋼管柱構造物においては、さらに、前記局部座屈発生範囲は、前記コンクリート充填鋼管柱の端部であって他の部材に接続されて固定された端部から所定長さの範囲である。
更に他のコンクリート充填鋼管柱構造物においては、さらに、前記所定長さは、前記鋼管の径と略同一である。
更に他のコンクリート充填鋼管柱構造物においては、さらに、前記孔あき板材は、前記鋼管の長軸方向に延在するフィン状の部材であって、板厚方向に貫通する前記孔が複数形成されている。
更に他のコンクリート充填鋼管柱構造物においては、さらに、前記線状部材は、少なくともその一部が鋼管の内周に沿って延在し、少なくとも、鋼管の内周方向に隣接して取り付けられた2枚の孔あき板材の孔を通過する。
更に他のコンクリート充填鋼管柱構造物においては、さらに、前記鋼管は、円形断面鋼管である。
更に他のコンクリート充填鋼管柱構造物においては、さらに、前記鋼管は、矩形断面鋼管である。
本開示によれば、コンクリート充填鋼管柱の局部座屈発生範囲における鋼管の内面に孔あき板材を取り付けるとともに、複数の孔あき板材の孔を通過する線状部材を配設する。これにより、コンクリート充填鋼管柱における局部座屈の発生を適切に制御することができ、コンクリート充填鋼管柱の変形性能を向上させることができる。
従来のCFT柱における矩形断面の鋼管に補剛材を適用した例を示す図である。 従来のCFT柱における矩形断面の鋼管に補剛材を適用した効果を示す図である。 従来の鋼板巻立て補強された鉄筋コンクリート柱に貫通鋼棒を適用した例を示す図である。 本実施の形態における高架橋の構造を示す斜視図である。 本実施の形態におけるCFT柱の例を示す図である。 本実施の形態におけるCFT柱の局部座屈による破壊例を示す写真である。 本実施の形態におけるCFT柱の局部座屈発生範囲を示す図である。 本実施の形態における矩形断面のCFT柱の局部座屈発生抑制部材の例を示す図である。 本実施の形態における円形断面のCFT柱の横断面である。 本実施の形態における高架橋のCFT柱に局部座屈発生抑制部材を適用する範囲を示す図である。
以下、本実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図4は本実施の形態における高架橋の構造を示す斜視図、図5は本実施の形態におけるCFT柱の例を示す図、図6は本実施の形態におけるCFT柱の局部座屈による破壊例を示す写真、図7は本実施の形態におけるCFT柱の局部座屈発生範囲を示す図である。なお、図5において、(a1)及び(a2)は矩形断面の場合の横断面図及び正面図、(b1)及び(b2)は円形断面の場合の横断面図及び正面図であり、図7において、(a)は局部座屈発生範囲を示す写真、(b)は幅厚比と局部座屈発生範囲との関係を示すグラフである。
図において、20は、本実施の形態における高架橋であって、鉄道用のものであってもよいし、道路用のものであってもよいし、いかなる用途のものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、鉄道用のものであるとして説明する。前記高架橋20は、ラーメン構造を有するものであり、橋桁21と、上側梁22と、下側梁23と、杭24と、コンクリート充填鋼管柱としてのCFT柱11とを備える。
前記橋桁21は、鉄筋コンクリート製の長尺部材であって、その上面に鉄道の線路、すなわち、軌道が敷設される。また、前記上側梁22は、前記橋桁21の下面に沿って、前記橋桁21と平行に延在する鉄筋コンクリート製の長尺部材である。なお、上側梁22の数は、いくつであってもよいが、ここでは、2本であって、橋桁21の下面と一体化されているものとして説明する。また、前記下側梁23は、前記橋桁21の下面から離れて、前記橋桁21の延在方向に延在する鉄筋コンクリート製の長尺部材である。なお、下側梁23の数は、いくつであってもよいが、ここでは、上側梁22と同様に2本であって、橋桁21の下方の地中に埋設されるものとして説明する。
前記CFT柱11は、橋桁21を支持する柱状部材であって、上下方向に延在し、その上端が上側梁22に接合されて固定され、その下端が下側梁23に接合されて固定されている。なお、CFT柱11の数は、いくつであってもよく、橋桁21の延在方向に所定の間隔で配設され、上側梁22と下側梁23とを連結する。また、前記杭24は、鉄筋コンクリート製の柱状又は棒状部材であって、上下方向に延在し、その上端が下側梁23に接合されて固定され、地中に埋設されている。なお、前記杭24の数はCFT柱11の数に対応し、各杭24は各CFT柱11に対応する位置に配設されている。また、前記杭24の上端は、対応するCFT柱11の下端に接合されて固定されていてもよい。
なお、本実施の形態において、CFT柱11の各部及びその他の部材の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記CFT柱11の各部及びその他の部材が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
本実施の形態におけるCFT柱11は、図5(a1)及び(a2)に示されるような矩形横断面を備える矩形断面CFT柱11aであってもよいし、図5(b1)及び(b2)に示されるような円形横断面を備える円形断面CFT柱11bであってもよいし、いかなる形状の横断面を備えるものであってもよい。前記矩形断面CFT柱11aは、鋼板から成る矩形断面鋼管12aと、該矩形断面鋼管12a内に充填されたコンクリート13aとを備えるコンクリート充填鋼管である。また、前記円形断面CFT柱11bは、鋼板から成る円形断面鋼管12bと、該円形断面鋼管12b内に充填されたコンクリート13bとを備えるコンクリート充填鋼管である。
なお、矩形断面CFT柱11a及び円形断面CFT柱11b、矩形断面鋼管12a及び円形断面鋼管12b、並びに、コンクリート13a及びコンクリート13bを統合的に説明する場合には、それぞれ、CFT柱11、鋼管12及びコンクリート13として説明する。
「背景技術」の項で説明したように、特に鉄道用の高架橋20の耐震設計においては、一般にCFT柱11が他の部材に先行して、降伏、破壊するように設計されている。そして、CFT柱11が破壊する場合、コンクリート13内に軸方向に延在する鉄筋が含まれていないので、図6に示されるように、鋼管12自体が座屈する。具体的には、CFT柱11の端部近傍において鋼管12の圧縮応力を受ける側の壁面を形成する鋼板が波を打つように座屈する局部座屈が発生する。なお、図6には、本発明の発明者が行った実験の結果であって、矩形断面CFT柱11aの下端近傍において、矩形断面鋼管12aに局部座屈が発生した例が示されている。
過去に行われた各種の実験(例えば、非特許文献3及び4参照。)の結果から、局部座屈発生範囲は、CFT柱11の端部であって他の部材に接続されて固定された端部から所定長さの範囲内であることが分かる。なお、前記所定長さは、鋼管12の径をDとすると、Dにほぼ等しい長さ、すなわち、略1Dである。
村田清満、山田正人、池田学、瀧口将志、渡邊忠朋、木下雅敬、「コンクリート充填円形鋼管柱の変形性能の再評価」、土木学会論文集、No.640、I−50、pp.149−163、2001.1 網谷岳夫、斉藤雅充、池田学、青木千里、井上佳樹、「矩形コンクリート充填鋼管部材の曲げ耐力・変形性能の算定法」、鉄道総研報告、Vol.30、No.5、2016.5
例えば、円形断面CFT柱11bについての実験(例えば、非特許文献3参照。)では、円形断面鋼管12bの径D=320〔mm〕の場合、局部座屈発生範囲は、固定された端部から200〔mm〕程度であることが示されている。
また、断面が正方形の矩形断面CFT柱11aについての実験(例えば、非特許文献4参照。)では、図7に示されるように、局部座屈発生範囲は、固定された端部から0.4〜0.9Dの長さの範囲であることが示されている。なお、矩形断面CFT柱11aの場合、Dは矩形断面における長辺の長さに相当する寸法である。図7(a)は、矩形断面CFT柱11aの下端近傍において発生した局部座屈の範囲(上下方向の範囲)の長さLを示し、図7(b)は、矩形断面CFT柱11aの下端近傍において発生した局部座屈についての幅厚比B/tと局部座屈範囲L/Bとの関係を示している。ここで、Bは正方形断面の1辺の長さであり、径Dに相当する。
これらのことから、CFT柱11において局部座屈が発生する局部座屈発生範囲は、CFT柱11の端部であって他の部材に接続されて固定された端部から上方向又は下方向にCFT柱11の径Dと略同一長さの範囲であって、該範囲内において鋼管12の局部座屈発生を抑制する部材を適用して局部座屈の発生を適切に制御すれば、CFT柱11の変形性能の向上が可能であることが分かる。
次に、本実施の形態における局部座屈発生抑制部材について説明する。
図8は本実施の形態における矩形断面のCFT柱の局部座屈発生抑制部材の例を示す図、図9は本実施の形態における円形断面のCFT柱の横断面、図10は本実施の形態における高架橋のCFT柱に局部座屈発生抑制部材を適用する範囲を示す図である。なお、図8において、(a)は横断面図、(b)は正面図、(c)は(b)のA部拡大図であり、図10において、(a)は高架橋の構造を示す斜視図、(b)はCFT柱の正面図である。
ここでは、局部座屈発生抑制部材が鋼管12の内面に取り付けられた補剛材であって、孔17が形成された孔あき板材としての縦補剛材14と、前記孔17を通過するように配設された線状部材としての線材16とである例について説明する。
図8(a)及び(b)に示されるように、CFT柱11が矩形断面CFT柱11aである場合、矩形断面鋼管12aの内面には、補剛材として、鋼板から成り、縦方向、すなわち、矩形断面鋼管12aの長軸方向に延在するひれ(フィン)状の縦補剛材14と、鋼板から成り、縦方向、すなわち、矩形断面鋼管12aの長軸方向を横断する方向に延在する鍔(フランジ)状の横補剛材15とが取り付けられている。前記縦補剛材14は、矩形断面CFT柱11aの長軸方向に延在する細長い帯状の鋼板であり、一端縁が矩形断面鋼管12aの内面に溶接等の固着手段によって固着され、他端縁が矩形断面鋼管12aの中心方向に向いて延出する。また、前記横補剛材15は、矩形断面鋼管12aの長軸方向を横断する方向に延在する細長い帯状の鋼板であり、一端縁が矩形断面鋼管12aの内面に溶接等の固着手段によって固着され、他端縁が矩形断面鋼管12aの中心方向に向いて延出する。
また、図9に示されるように、CFT柱11が円形断面CFT柱11bである場合、円形断面鋼管12bの内面には、補剛材として、鋼板から成り、縦方向、すなわち、円形断面鋼管12bの長軸方向に延在するひれ(フィン)状の縦補剛材14と、鋼板から成り、縦方向、すなわち、円形断面鋼管12bの長軸方向を横断する方向に延在する鍔(フランジ)状の横補剛材15とが取り付けられている。前記縦補剛材14は、円形断面鋼管12bの長軸方向に延在する細長い帯状の鋼板であり、一端縁が円形断面鋼管12bの内面に溶接等の固着手段によって固着され、他端縁が円形断面鋼管12bの中心方向に向いて延出する。また、前記横補剛材15は、円形断面鋼管12bの長軸方向を横断する方向に延在する細長い帯状の鋼板であり、一端縁が円形断面鋼管12bの内面に溶接等の固着手段によって固着され、他端縁が円形断面鋼管12bの中心方向に向いて延出する。
なお、前記横補剛材15は、適宜省略することができる。また、前記縦補剛材14は、必ずしも、CFT柱11の長軸方向の全範囲に亘って存在する必要はなく、少なくとも、CFT柱11の端部であって他の部材に接続されて固定された端部(図8(b)に示される例では下端)から長さLの範囲、すなわち、局部座屈発生範囲に配設されていればよい。ここで、L≒Dである。すなわち、縦補剛材14は、少なくとも、CFT柱11の下端からCFT柱11の径Dと略同一長さの範囲内に取り付けられる。なお、前述のように、円形断面CFT柱11bである場合、Dは円形断面の直径であるが、矩形断面CFT柱11aである場合、Dは矩形断面における長辺の長さに相当する寸法である。
そして、前記縦補剛材14は、孔あき板材であって、孔あき鋼板ジベル(perforated steel plate dowel)と呼ばれる部材と同様に、縦補剛材14を板厚方向に貫通するように形成された複数の孔17を有する。なお、図8(c)に示される例において、孔17は、縦補剛材14の延在する方向、すなわち、縦方向に1列に並んで配列されているが、2列以上に並んで配列されていてもよいし、いかなる形態で配列されていてもよい。そして、各孔17の径は線材16の径よりも大きく形成され、線材16が孔17を通過可能となっている。なお、該孔17は、縦補剛材14の全範囲に亘って存在する必要はなく、少なくとも、局部座屈発生範囲に存在すればよい。
前記線材16は、鋼製の線状部材であって、例えば、コンクリートに埋め込まれる一般的な鉄筋と同様の部材であってもよいが、いかなる種類の線状部材であってもよい。そして、前記線材16は、図8及び9に示されるように、縦補剛材14の孔17を通過して鋼管12の内周に沿って延在するように配設される。なお、前記線材16は、必ずしも鋼管12の内周を1周する程度の長さを備える長尺の部材である必要はなく、横断面において、少なくとも、鋼管12の内周方向に隣接して取り付けられた2枚の縦補剛材14を連結する程度の長さを備える部材であればよい。また、前記線材16は、縦補剛材14に、溶接等の固着手段によって固着されていてもよいし、固着されていなくてもよい。なお、前記線材16は、縦補剛材14の全範囲に亘って配設される必要はなく、少なくとも、局部座屈発生範囲に配設されていればよい。また、ここでは、縦補剛材14のみが孔あき板材であって、横補剛材15は孔あき板材でない例についてのみ説明されているが、横補剛材15も孔あき板材であって、線材16が横補剛材15の孔17を通過するようになっていてもよい。
そして、鋼管12内にコンクリート13を充填することによって、図8及び9に示されるような局部座屈発生範囲に局部座屈発生抑制部材としての孔17が形成された補剛材である縦補剛材14及び前記孔17を通過する線材16が配設されたCFT柱11を得ることができる。これにより、縦補剛材14同士が線材16によって拘束されるので、内面に縦補剛材14が取り付けられた鋼管12の強度が向上し、局部座屈発生が抑制される。また、前記孔17にコンクリート13が流入して固化するので、縦補剛材14とコンクリート13との密着性が向上し、局部座屈発生が抑制される。なお、縦補剛材14及び線材16の数、位置、向き等は、図8及び9に示される例に限定されるものでなく、必要に応じて調整することができる。例えば、縦補剛材14及び線材16の数を増加させれば、局部座屈発生を抑制する能力を向上させることができる。
図4に示されるようなラーメン構造の高架橋20におけるCFT柱11は、前述のように、上端が上側梁22に接合されて固定され、その下端が下側梁23に接合されて固定されている。そこで、図10(b)に示されるように、上端から所定長さLの範囲及び下端から所定長さLの範囲に孔17が形成された縦補剛材14及び前記孔17を通過する線材16が配設される。これにより、CFT柱11の上下両端近傍の局部座屈発生範囲における局部座屈の発生を制御して、変形性能を向上させることができる。なお、図10(b)に示される例において、縦補剛材14は、CFT柱11の長軸方向の全範囲に亘って存在するが、上端から所定長さLの範囲及び下端から所定長さLの範囲のみに存在するようにしてもよい。また、図10(b)に示される例においては、横補剛材15が取り付けられているが、必要がなければ、横補剛材15を省略することもできる。
このように、本実施の形態におけるコンクリート充填鋼管柱構造物は、鋼管12内にコンクリート13が充填されたCFT柱11と、鋼管12の内面に取り付けられた孔あき板材としての縦補剛材14と、複数の縦補剛材14の孔17を通過して配設された線材16とを備え、線材16は、CFT柱11の局部座屈発生範囲に設置される。これにより、局部座屈発生範囲において鋼管12の局部座屈発生を適切に制御することができるので、他の部材に先行して降伏し、破壊するように設計されているCFT柱11の変形性能の向上が可能となる。
また、局部座屈発生範囲は、CFT柱11の端部であって他の部材に接続されて固定された端部から所定長さの範囲である。さらに、所定長さは、鋼管12の径Dと略同一である。このように、局部座屈発生範囲は、過去に行われた各種の実験の結果に基づいて、特定することができる。
さらに、縦補剛材14は、鋼管12の長軸方向に延在するフィン状の部材であって、板厚方向に貫通する孔17が複数形成されている。また、線材16は、少なくともその一部が鋼管12の内周に沿って延在し、少なくとも、鋼管12の内周方向に隣接して取り付けられた2枚の縦補剛材14の孔17を通過する。したがって、鋼管12の強度が向上し、局部座屈発生が抑制される。
さらに、鋼管12は、円形断面鋼管12bである。また、鋼管12は、矩形断面鋼管12aである。このように、本実施の形態は、各種断面のCFT柱11に適用することができる。
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
本開示は、コンクリート充填鋼管柱構造物に適用することができる。
11 CFT柱
11a 矩形断面CFT柱
11b 円形断面CFT柱
12 鋼管
12a 矩形断面鋼管
12b 円形断面鋼管
13a、13b コンクリート
14 縦補剛材
16 線材
17 孔

Claims (7)

  1. 鋼管内にコンクリートが充填されたコンクリート充填鋼管柱と、
    前記鋼管の内面に取り付けられた孔あき板材と、複数の孔あき板材の孔を通過して配設された線状部材とを備え、
    該線状部材は、前記コンクリート充填鋼管柱の局部座屈発生範囲に設置されることを特徴とするコンクリート充填鋼管柱構造物。
  2. 前記局部座屈発生範囲は、前記コンクリート充填鋼管柱の端部であって他の部材に接続されて固定された端部から所定長さの範囲である請求項1に記載のコンクリート充填鋼管柱構造物。
  3. 前記所定長さは、前記鋼管の径と略同一である請求項2に記載のコンクリート充填鋼管柱構造物。
  4. 前記孔あき板材は、前記鋼管の長軸方向に延在するフィン状の部材であって、板厚方向に貫通する前記孔が複数形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート充填鋼管柱構造物。
  5. 前記線状部材は、少なくともその一部が鋼管の内周に沿って延在し、少なくとも、鋼管の内周方向に隣接して取り付けられた2枚の孔あき板材の孔を通過する請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート充填鋼管柱構造物。
  6. 前記鋼管は、円形断面鋼管である請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート充填鋼管柱構造物。
  7. 前記鋼管は、矩形断面鋼管である請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート充填鋼管柱構造物。
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