JP6375195B2 - 拡幅pc床版構造及び、既設pc床版の拡幅工法 - Google Patents

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Description

本発明は、道路橋等の既存の橋桁を変更することなく、増線化等のためにその幅を拡幅するのに適用され、特に、PC床版を使用するコンクリート橋を拡幅することが可能な拡幅PC床版構造及び、既設PC床版の拡幅工法に関する。
例えば、下記特許文献1では、既存の橋桁を変更することなく、既存の橋桁に拡幅桁を接合することができる拡幅桁の接合構造及び方法に係る発明が提案されている。具体的には、既設桁から橋幅方向に張り出した床版の張り出し部分が、既設桁から橋幅方向に延びる既設ブラケットにより下方から片持ち支持され、既設桁に橋梁を拡幅するための拡幅桁を接合した接合構造に係る発明である。既設ブラケットの下方に既設桁から拡幅桁まで延びる拡幅ブラケットを設けるとともに、拡幅ブラケットを既設桁と、拡幅桁とにそれぞれ接合し、かつ、既設ブラケットとも接合して構成される。これにより、既存の橋桁を変更することをなく、橋梁の拡幅化を実現している。しかしながら、この技術は、拡幅桁を必須の構成とし、拡幅桁を設置するための土地の確保が必要となるので、土地の確保が非常に難しい大都市圏における橋梁の拡幅手法としては適用しがたいという問題がある。
また、拡幅桁を必要としない構造としてPC床版を拡幅する場合、図7に示すように、既設床版10に差し筋アンカー20で拡幅部に鉄筋30を配置し、既設床版10下面にコンクリートを増厚することで床版を拡幅する方法が知られている。しかしながら、床版厚が厚くなるために、拡幅長が大きくなると死荷重が大きくなるという問題がある。さらに、新旧床版の接合部40がRC構造となるので、PC床版に比べて疲労耐久性に劣るという問題もあった。
特開2009−161949号公報
上述のように、既存の橋桁を変更することなく、橋梁を拡幅することは実現されている。しかし、土地の確保が必要で大都市圏における橋梁の拡幅手法として適用し難いという問題のほか、土地の確保の必要がなくても、床版厚が厚くなって死荷重が大きくなる問題、RC構造部が発生して疲労耐久性に劣る等の問題等が依然、残されている。
本発明は、上記実情に鑑みて提案され、道路橋等の既存の橋桁を変更することなく、PC床版を使用するコンクリート橋における増線化等のための拡幅に適用することができ、新たな土地の確保の必要がなく、床版厚が厚くならず、かつRC構造部も発生しない拡幅PC床版構造及び、既設PC床版の拡幅工法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、車両が通過する路面を形成するためのコンクリート床版部と、このコンクリート床版部を支持する桁部とからなる既設主桁の前記コンクリート床版部を、幅方向に拡幅するのに用いる拡幅PC床版構造であって、前記桁部へ一端が接合されたときに他端部が前記コンクリート床版部よりも幅方向に突出する長さを有し、かつ、内部をPC鋼材が貫通しているプレキャスト構造体を備え、前記PC鋼材によって前記プレキャスト構造体が前記桁部へ接合され、前記プレキャスト構造体にプレストレスが導入されていることを特徴とする。
特に、上記拡幅PC床版構造において、前記プレキャスト構造体の前記他端部に載置される板材と、この板材と前記コンクリート床版部の幅方向の先端とで形成される空間にコンクリートが場所打ちされてなる張出し床版部と、を備え、前記プレキャスト構造体の内部を第二のPC鋼材が貫通し、この第二のPC鋼材によって、前記コンクリート床版部と前記張出し床版部との接合部にプレストレスが導入されていることを特徴とする。
また、本発明は、車両が通過する路面を形成するためのコンクリート床版部と、このコンクリート床版部を支持する桁部とからなる既設主桁の前記コンクリート床版部を、幅方向に拡幅するのに用いる既設PC床版の拡幅工法であって、前記コンクリート床版部の幅方向の先端の鉄筋をはつり出すとともに、前記桁部に複数の孔を形成し、前記桁部へ一端が接合されたときに他端部が前記コンクリート床版部よりも幅方向に突出する長さを有し、かつ、PC鋼材及び第二のPC鋼材が内部を貫通しているプレキャスト構造体を前記桁部へ、前記PC鋼材を緊張させることにより接合し、前記プレキャスト構造体にプレストレスを導入し、前記プレキャスト構造体の前記他端部に板材を載置し、前記板材と前記鉄筋とで形成される空間にコンクリートを場所打ちして張出し床版部を形成し、前記第二のPC鋼材を挿入し緊張させることで、前記コンクリート床版部と前記張出し床版部との接合部にプレストレスを導入することを特徴とする。
本発明は、既設主桁の桁部へ一端が接合されたときに他端部が既設主桁のコンクリート床版部よりも幅方向に突出する長さを有し、かつ、内部をPC鋼材が貫通しているプレキャスト構造体を備える拡幅PC床版構造である。この構造により、例えば、コンクリートの圧縮強度が100N/mm2程度の高強度のプレキャスト構造体を採用し、これを既設主桁の軸方向に直角にPC鋼材で接合して一体化させることができる。したがって、後述する張出し床版部等を、既設主桁から軸方向に直角に突出するプレキャスト構造体で支えることで、張出し床版部をはじめとする床版全体の厚みを薄くすることができ、拡幅床版の軽量化を果たすことができる。また、PC鋼材によってプレキャスト構造体に多くのプレストレスを導入することができるので、プレキャスト構造体の部材断面の寸法の縮小化、軽量化を実現することができる。
さらに、本発明は、上記プレキャスト構造体の他端部に載置される板材と、この板材とコンクリート床版部の幅方向の先端とで形成される空間にコンクリートが場所打ちされてなる張出し床版部とを備えた構造である。プレキャスト構造体の内部には、第二のPC鋼材が貫通している。したがって、プレキャスト構造体の他端部に板材を載置することで、この板材とコンクリート床版部とで形成される空間にコンクリートを場所打ちすることができ、張出し床版部を形成することが可能となる。さらに、第二のPC鋼材によって、プレキャスト構造体の上面側に形成した張出し床版部と、コンクリート床版部との接合部に多くのプレストレスを導入することができ、接合部の耐荷力を向上させて疲労耐久性に優れた構造とすることができる。コンクリートの圧縮強度が100N/mm2程度の高強度のプレキャスト構造体を採用し、部材断面を小さくしているので、コンクリート床版部と張出し床版部との接合部へ、第二のPC鋼材によってプレストレスを効率的に導入することができる。RC構造部が発生することもない。
また、本発明に係る既設PC床版の拡幅工法では、コンクリート床版部の幅方向の先端の鉄筋をはつり出すとともに、桁部に複数の孔を形成する。桁部へ一端が接合されたときに他端部がコンクリート床版部よりも幅方向に突出する長さを有し、かつ、内部をPC鋼材及び第二のPC鋼材が貫通しているプレキャスト構造体を桁部へ、PC鋼材を緊張させることにより接合し、プレキャスト構造体にプレストレスを導入する。プレキャスト構造体の他端部には板材を載置し、板材と鉄筋とで形成される空間にコンクリートを場所打ちして張出し床版部を形成する。第二のPC鋼材を緊張させることで、コンクリート床版部と張出し床版部との接合部にプレストレスを導入するといった各種のステップを踏む。したがって、張出し床版部等を、既設主桁から軸方向に直角に突出するプレキャスト構造体で支えることで、張出し床版部をはじめとする床版全体の厚みを薄くすることができ、拡幅床版の軽量化を果たすことができる。また、PC鋼材によってプレキャスト構造体に多くのプレストレスを導入することができ、プレキャスト構造体の部材断面の寸法の縮小化、軽量化を実現することができる。コンクリート床版部と張出し床版部との接合部へ、プレストレスを第二のPC鋼材で効率的に導入することで、接合部の耐荷力を向上させて疲労耐久性に優れた構造とすることができる。
(a)は、本発明に係る拡幅PC床版構造を概略で説明する概略斜視説明図、(b)は、(a)のI−I断面図、(c)は、(a)のII−II断面図である。 (a)は、本発明に係る拡幅PC床版構造を構成するプレキャストリブについて説明する概略正面説明図、(b)は、(a)のIII−III断面図である。 プレキャストリブに備えられる第1ケーブル及び第2ケーブルと、これらのケーブルによって導入されるプレストレスについて説明する概略断面説明図である。 図3を平面視し、導入されるプレストレスの分布について説明する概略平面説明図である。 本発明に係る拡幅PC床版構造における接合部の例を説明する説明図であって、(a)はその一の例を、(b)はその他の例を説明する説明図である。 本発明に係る既設PC床版の拡幅工法の各工程を説明するフロー図である。 従来の拡幅PC床版構造を概略断面で説明する概略断面説明である。
以下、本発明に係る拡幅PC床版構造の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、下記の一実施形態は、本発明を具現化した例示に過ぎない。そして、本発明は特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更が可能である。
本発明は、図1(a)に示すように、舗装等がされて車両が通過する路面を形成する既設コンクリート床版部10Aと、この既設コンクリート床版部10Aを支持する桁部11Aとからなる既設主桁Aにおける既設コンクリート床版部10Aを、幅方向に拡幅するのに用いる拡幅PC床版構造1に係る。拡幅PC床版構造1は、桁部11Aへ一端21が接合されたときに他端部22が既設コンクリート床版部10Aよりも幅方向に突出する長さを有するプレキャスト構造体としてのプレキャストリブ2を備えて構成されている。プレキャストリブ2は、プレキャストにより適宜の形状の構造体として形成される。プレキャストリブ2は、その内部を、緊張材であるPC鋼材として鋼製の第1ケーブル3が貫通している。また、その内部の第1ケーブル3よりも上方に、第2のPC鋼材としての鋼製の第2ケーブル4も貫通している(図1(b)及び(c)も参照のこと)。
図1(b)及び(c)に示すように、プレキャストリブ2には、第1ケーブル3及び第2ケーブル4が内部を貫通するための孔が形成されている。プレキャストリブ2は、一対の第1ケーブル3によって一端21が、既設主桁Aの桁部11Aに接合される。特に、図1(a)に示すように、プレキャストリブ2は既設主桁Aの軸方向に対して直角に接合される。拡幅PC床版構造1では、第1ケーブル3を緊張させることで、プレキャストリブ2に対してプレストレスが導入されている。
プレキャストリブ2は、図2(a)及び(b)に示すように、既設主桁Aの軸方向に3m程度を標準間隔として、それ以下の範囲(≦3m間隔)で配置される(図4も参照のこと)。プレキャストリブ2の、一端21が既設主桁Aの桁部11Aに接合されたときに既設コンクリート床版部10Aよりも幅方向に突出している他端部22には、後述する張出し床版部6を場所打ちコンクリートで形成するための鉄筋の一種として、U型ジベル筋23が配筋されている。なお、プレキャストリブ2という名称は、既設主桁Aに対し肋骨が形成されるようにプレキャストリブ2が取り付けられることから名付けたものである。
拡幅PC床版構造1は、図1(a)に示すように、プレキャストリブ2の他端部22に、上記間隔を橋渡すようにして板材が配置されて構成される。この板材は、プレキャストで板状に成型されたPC板5である。拡幅PC床版構造1では、このPC板5上に適宜の間隔で鉄筋が配筋されるとともに、既設コンクリート床版部10Aの幅方向の先端の鉄筋がはつり出され、PC板5上の鉄筋と連結される。その上で、PC板5と既設コンクリート床版部10Aとで形成される空間にコンクリートが場所打ちされることで、張出し床版部6がこれらの鉄筋及びU型ジベル筋23を覆って形成される。また、拡幅PC床版構造1は、既設コンクリート床版部10Aと張出し床版部6とが、既設コンクリート床版部10Aの鉄筋とPC板5上の鉄筋とが連結されている接合部7で接続された構造である。
図3に示すように、本発明に係る拡幅PC床版構造1では、プレキャストリブ2の内部を貫通する一対の第1ケーブル3を既設主桁Aの桁部11Aに形成された孔に挿入し、第1ケーブル3を緊張させることで、プレキャストリブ2に対してプレストレスを導入している。さらに、プレキャストリブ2の内部を第1ケーブル3よりも上方で貫通している一対の第2ケーブル4を既設主桁Aの桁部11Aに形成された孔に挿入し、第2ケーブル4を緊張させることで、既設コンクリート床版部10Aと張出し床版部6との接合部7に対してもプレストレスを導入することができる。
なお、第1ケーブル3及び第2ケーブル4はそれぞれ、図1(b)及び(c)に示すように、2本1組の一対でプレキャストリブ2の内部を貫通させることが好ましい。一対のケーブルとすることで、プレキャストリブ2に対し、又は、既設コンクリート床版部10Aと張出し床版部6との接合部7に対し、プレストレスを効率よく導入するのに好都合だからである。
本発明におけるプレストレスの分布は、図4に示すとおりである。すなわち、第2ケーブル4は、プレキャストリブ2を貫通する方向を軸としたときに、既設コンクリート床版部10Aと張出し床版部6との接合部7へ向けて約34°(約34度)の角度でプレストレスを分布させることができる。このとき、プレキャストリブ2は、既設主桁Aの軸方向に3m程度を標準間隔として配置されているので、図4に示すように、接合部7のすべてに対し、プレストレスを分布させることが可能となる。
また、既設コンクリート床版部10Aと張出し床版部6との接合部7は、図5(a)又は図5(b)に示すような各種の形態により、PC板5上で配筋された鉄筋51と、既設コンクリート床版部10Aの幅方向の先端ではつり出された鉄筋10bとが連結される。その上で、PC板5と既設コンクリート床版部10Aの幅方向の先端とで形成される空間にコンクリートが場所打ちされ、張出し床版部6が形成されることとなる。
例えば、図5(a)に示すように、既設コンクリート床版部10Aの先端のはつり出された既設主桁A側の鉄筋10bの端部と、PC板5上で配筋されている鉄筋51とが突合せアーク溶接継ぎ手(エンクローズド溶接X)により連結される形態が例示される。エンクローズド溶接Xを施した上で、PC板5と既設コンクリート床版部10Aの幅方向の先端とで形成される空間にコンクリートを場所打ちし、張出し床版部6を形成することにより、エンクローズド溶接Xを含んだ接合部7が形成される。エンクローズド溶接Xは、突合せアーク溶接継ぎ手などと称されるものである。
また、図5(b)に示すように、既設コンクリート床版部10Aの先端のはつり出された既設主桁A側の鉄筋10bの端部と、PC板5上で配筋されている鉄筋51とがモルタル充てん式鉄筋継ぎ手(スプライススリーブY)により連結される形態が例示される。スプライススリーブYを施した上で、PC板5と既設コンクリート床版部10Aの幅方向の先端とで形成される空間にコンクリートを場所打ちし、張出し床版部6を形成することにより、スプライススリーブYを含んだ接合部7が形成される。スプライススリーブYは、モルタル充てん式鉄筋継ぎ手などと称されるものである。
以下、本発明に係る既設PC床版の拡幅工法の各工程について、図6を使って簡単に説明していく。なお、下記の各工程も本発明を具現化した例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更が可能である。
まず、PC床版の拡幅準備工程S1として、道路規制のためのバリケードの設置や吊り足場、防護工の設置、既設床版の地覆、壁高欄等の除去等を行う。本発明では、道路規制を一車線で済ますことができる。その他、従来から実施されている方法を利用して準備に係る工程を行えばよい。そして、PC床版の拡幅準備工程S1において、既設主桁Aにおける既設コンクリート床版部10Aの幅方向の先端の鉄筋10bのはつり出しを行う。また、既設主桁Aにおける桁部11Aに、軸方向に直角の向きでプレキャストリブ2の一端21を接合可能とする孔を形成する。
次に、プレキャストリブ取付工程S2として、クレーン等を利用してプレキャストリブ2を、既設コンクリート床版部10Aの下面側に、他端部22を既設コンクリート床版部10Aよりも幅方向に突出させて取り付ける。特に、プレキャストリブ2の内部に第1ケーブル3が貫通しているので、これを桁部11Aの孔に挿入し、プレキャストリブ2を既設主桁Aの軸方向に直角の向きとしてその一端21で接合するとともに、第1ケーブル3を緊張させてプレキャストリブ2にプレストレスを導入する。なお、プレキャストリブ2には、あらかじめU型ジベル筋23が配筋されている。
PC板設置工程S3として、クレーン等を利用してプレキャストリブ2の他端部22にPC板5を設置し、PC板5上で配筋を行う。その後、はつり出した既設コンクリート床版部10Aの幅方向の先端の鉄筋10bと、PC板5上に配筋された鉄筋51を、突合せアーク溶接継ぎ手(エンクローズド溶接X)又はモルタル充てん式鉄筋継ぎ手(スプライススリーブY)等を施して連結する。続いて、場所打ち床版形成工程S4として、これらの連結した鉄筋を含む既設コンクリート床版部10Aの幅方向先端と、PC板5とで形成される空間にコンクリートを場所打ちして張出し床版部6を形成する。すなわち、既設コンクリート床版部10Aと張出し床版部6とが、既設コンクリート床版部10Aの鉄筋10bとPC板5上の鉄筋51とが連結されている接合部7で接続される構造とする。
次に、第2ケーブル緊張工程S5として、プレキャストリブ2の内部に第2ケーブル4が貫通しているので、これを桁部11Aの孔に導入し、既設コンクリート床版部10Aと張出し床版部6との接合部7にもプレストレスを導入する。
最後に、仕上げ工程S6として、拡幅した床版部分について地覆、壁高欄等を施工し、その他必要な型枠、コンクリート打設を行い、防水工、アスファルト舗装などを行う。また、吊り足場、防護工を除去したり、バリケードを除去して道路規制を解除したりして既設PC床版の拡幅工法を終了する。仕上げ工程S6についても、従来から実施されている方法を利用して行うことができる。
したがって、張出し床版部6等を、既設主桁Aから軸方向に直角に突出するプレキャストリブ2で支える構造とし、張出し床版部6をはじめとする床版全体の厚みを薄くすることができ、拡幅床版の軽量化を果たすことができる。また、PC鋼材の第1ケーブル3によってプレキャストリブ2に多くのプレストレスを導入することができ、プレキャストリブ2の部材断面の寸法の縮小化、軽量化を実現することができる。既設コンクリート床版部10Aと張出し床版部6との接合部7へ、プレストレスを第2ケーブル4で効率的に導入することができるので、接合部7の耐荷力を向上させて疲労耐久性に優れた構造とすることができる。そして、接合部7がRC構造部となることもない。
以上、本発明について一実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
上記実施形態において、プレキャスト構造体は、既設主桁の桁部へ一端が接合されたときに他端部が既設主桁のコンクリート床版部よりも幅方向に突出する長さを有し、かつ、内部をPC鋼材が貫通している形状であれば、図示したものをはじめ、有効な各種の形状を採用することができる。そして、プレキャスト構造体は、部材断面の寸法の縮小化、軽量化が実現されるものとすることが好ましい。また、コンクリート床版部と張出し床版部との接合部における耐荷力を向上させて疲労耐久性に優れた構造とするため、プレキャスト構造体を、その内部を貫通させた第二のPC鋼材でプレストレスを接合部に効率的に導入することが実現される形状とすることが、さらに好ましい形態となる。
1・・・拡幅PC床版構造(本発明)
2・・・プレキャストリブ(プレキャスト構造体)
21・・一端
22・・他端部
23・・U型ジベル筋
3・・・第1ケーブル(PC鋼材)
4・・・第2ケーブル(第二のPC鋼材)
5・・・PC板(板材)
51・・PC板上の鉄筋
6・・・張出し床版部
7・・・接合部
A・・・既設主桁
10・・既設床版
10A・既設コンクリート床版部
10b・既設コンクリート床版部の先端のはつり出された鉄筋
11A・桁部
20・・差し筋アンカー
30・・拡幅部
40・・新旧床版の接合部
X・・・エンクローズド溶接
Y・・・スプライススリーブ

Claims (3)

  1. 車両が通過する路面を形成するためのコンクリート床版部と、このコンクリート床版部を支持する桁部とからなり、前記コンクリート床版部が前記桁部よりも幅方向に張り出した既設主桁において、前記コンクリート床版部を、幅方向に拡幅するのに用いる拡幅PC床版構造であって、
    前記桁部へ一端が接合されたときに他端部が前記コンクリート床版部よりも幅方向に突出する長さを有し、かつ、内部をPC鋼材が貫通しているプレキャスト構造体を備え、
    前記PC鋼材によって前記プレキャスト構造体が前記桁部へ接合され、前記プレキャスト構造体にプレストレスが導入されている、
    ことを特徴とする拡幅PC床版構造。
  2. 前記プレキャスト構造体の前記他端部に載置される板材と、
    この板材と前記コンクリート床版部の幅方向の先端とで形成される空間にコンクリートが場所打ちされてなる張出し床版部と、を備え、
    前記プレキャスト構造体の内部を第二のPC鋼材が貫通し、
    この第二のPC鋼材によって、前記コンクリート床版部と前記張出し床版部との接合部にプレストレスが導入されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の拡幅PC床版構造。
  3. 車両が通過する路面を形成するためのコンクリート床版部と、このコンクリート床版部を支持する桁部とからなる既設主桁の前記コンクリート床版部を、幅方向に拡幅するのに用いる既設PC床版の拡幅工法であって、
    前記コンクリート床版部の幅方向の先端の鉄筋をはつり出すとともに、前記桁部に複数の孔を形成し、
    前記桁部へ一端が接合されたときに他端部が前記コンクリート床版部よりも幅方向に突出する長さを有し、かつ、PC鋼材及び第二のPC鋼材が内部を貫通しているプレキャスト構造体を前記桁部へ、前記PC鋼材を緊張させることにより接合し、前記プレキャスト構造体にプレストレスを導入し、
    前記プレキャスト構造体の前記他端部に板材を載置し、
    前記板材と前記鉄筋とで形成される空間にコンクリートを場所打ちして張出し床版部を形成し、
    前記第二のPC鋼材を緊張させることで、前記コンクリート床版部と前記張出し床版部との接合部にプレストレスを導入する、
    ことを特徴とする既設PC床版の拡幅工法。
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