JP6013701B2 - 橋梁 - Google Patents
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Description
(1)上部構造の重量を軽量化するとともに下部構造の定着方法に特定の方法を採用すること等により剪断破壊の抑制、高い靱性能の確保及び地中梁の省略を図るために、柱部材としてのコンクリート充填鋼管柱の下部を、場所打ち杭の上部に一体に形成した合成鋼管杭に定着させるとともに、橋軸方向に隣接するコンクリート充填鋼管柱間に、縦桁部材としての中空断面あるいは開断面の鉄筋コンクリート梁を架設した立体ラーメン形式の高架橋構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
(3)また、橋脚上に桁を設置固定し、その桁の前後に他の桁を連結して連続架設するラーメン橋施工方法において、桁の架設時に橋脚と桁の間に方杖部材を設け、その方杖部材の上に設置した桁を当該方杖部材に固定し、ラーメン橋完成後も前記方杖部材を取り外すことなくラーメン橋の一部材として残すことにより、中間支点部に発生する曲げモーメントを減少させるようにしたラーメン橋が知られている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、建設コストを抑制しながら高い耐震性能を有する橋梁を提供することにある。
また、本発明の橋梁によれば、従来構造に比べて、橋梁下の空間を広げることができ、橋梁下の空間を有効活用することができる。また、従来構造に比べてその美観を向上させることができる。
このように構成された本発明の橋梁によれば、柱部材におけるコンクリート量と鉄筋量のバランスが更によくなるとともに、コンクリート部分と鉄筋部分との配置や位置関係のバランスも更によくなるため、地震動によって発生したコンクリート部分の小さいひび割れで損傷が応力分散し、想定以上の外力が作用しても破壊されない、という損傷メカニズムをより発揮する。このことにより、従来構造に比べて建設コストを更に抑制することができるとともに、終局耐力を更に大幅に増加させることができる。
ところで、上記課題を解決するためになされた本発明の橋梁は、梁部材と、前記梁部材を支持する鉄筋コンクリート製の柱部材と、を備える橋梁であって、前記柱部材は、地震動に対する耐震性能を有する耐震構造を有し、前記柱部材は、板状に形成され、水平断面での鉄筋の断面積の比率が0.006以上0.023以下であることにより、水平断面上の長手方向に沿う方向には剛性を有するとともに水平断面上の長手方向と直交する方向には靭性能を有することを特徴とする。
また、本発明の橋梁によれば、従来構造に比べて、橋梁下の空間を広げることでき、橋梁下の空間を有効活用することができる。また、従来構造に比べてその美観を向上させることができる。
また、本発明の橋梁によれば、従来構造に比べて、橋梁下の空間を広げることでき、橋梁下の空間を有効活用することができる。また、従来構造に比べてその美観を向上させることができる。
ところで、上記課題を解決するためになされた本発明の橋梁は、梁部材と、前記梁部材を支持する鉄筋コンクリート製の柱部材と、を備える橋梁であって、前記柱部材は、地震動に対する耐震性能を有する耐震構造を有し、前記柱部材は、板状に形成され、水平断面での鉄筋の断面積の比率が、水平断面上の長手方向が前記梁部材の延長方向と直交する柱部材については0.007であり、水平断面上の長手方向が前記梁部材の延長方向に沿う柱部材については0.008であることにより、水平断面上の長手方向に沿う方向には剛性を有するとともに水平断面上の長手方向と直交する方向には靭性能を有することを特徴とする。
また、本発明の橋梁によれば、従来構造に比べて、橋梁下の空間を広げることでき、橋梁下の空間を有効活用することができる。また、従来構造に比べてその美観を向上させることができる。
[1.高架橋1の構成の説明]
図1は本実施形態の高架橋を示す概略説明図である。
壁柱部20は、水平断面が壁状に形成された鉄筋コンクリート製の支柱である。具体的には、壁柱部20は、幅200cm、高さ600cm、厚み30cmの板状に形成されており、水平断面での長手方向が梁部材10の延長方向に直交する方向に沿うように形成されている。そして、二つの壁柱部20が直列に配置されて一組となっており、複数組の壁柱部20が、梁部材10の延長方向に沿って所定の間隔で配置されている。
一方、橋台部30は、水平断面がH型に形成された鉄筋コンクリート製の支柱であり、ウェブ部31および二つのフランジ部32から構成される。具体的には、ウェブ部31が幅770cm、高さ580cm、厚み40cmの板状に形成されるとともに、ウェブ部31の両端に形成されるフランジ部32が幅200cm、高さ580cm、厚み40cmの板状に形成されている。そして、橋台部30は、ウェブ部31の水平断面での長手方向が梁部材10の延長方向に沿うように形成されるとともに、フランジ部32の水平断面での長手方向が梁部材10の延長方向に直交する方向に沿うように形成されている。そして、二つの橋台部30が並列に配置されて一組となっており、複数組の橋台部30が、梁部材10の延長方向に沿って所定の間隔で配置されている。なお、図1では一組の橋台部30のみを図示している。
[2.試験体を用いた試験に関する説明]
次に、試験体を用いた載荷試験について、図2〜6を参照して説明する。
まず、壁柱部20の試験体に対する試験について説明する。
壁柱部20の試験体は、幅100cm、高さ300cm、厚み15cmの板状に形成されており、実施形態の壁柱部20の1/2縮小形状となっている。なお、このように試験体を1/2縮小形状とする場合は、水平断面での短辺に対する長辺の比をせん断スパンで除算した比率を計算する際に、実物大に換算するために、計算結果に2分の1を乗ずる必要がある。また、試験体は、水平断面での短辺に対する長辺の比をせん断スパンで除算した比率が0.044程度となっており、実物大に換算すると0.022程度となる。また、水平断面での鉄筋の断面積の比率が0.007程度となっている。
次に、橋台部30の試験体に対する試験について説明する。
橋台部30の試験体は、ウェブ部が幅170cm、高さ217.5cm、厚み15cmの板状に形成されるとともに、ウェブ部の両端に形成されるフランジ部が幅75cm、高さ217.5cm、厚み15cmの板状に形成されており、実施形態の橋台部30の3/8縮小形状となっている。なお、このように試験体を3/8縮小形状とする場合は、水平断面での短辺に対する長辺の比をせん断スパンで除算した比率を計算する際に、実物大に換算するために、計算結果に8分の3を乗ずる必要がある。また、試験体のウェブ部は、水平断面での短辺に対する長辺の比をせん断スパンで除算した比率が0.052程度となっており、実物大に換算すると0.020程度となる。また、水平断面での鉄筋の断面積の比率が0.008程度となっている。また、試験体のフランジ部は、水平断面での鉄筋の断面積の比率が0.006程度となっている。
また、図6に示すように、高さ600cm、コンクリート強度24N/mm2、鉄筋規格SD295、帯筋比0.4%および軸力比0.07(1.575N/mm2)である試験体を用いて、鉄筋比の相違による特性を測定した。その結果、鉄筋比が0.64%以上2.25%以下である場合に、破壊強度が高く、鉄筋比が0.64%未満である場合と鉄筋比が2.25よりも大きい場合とでは破壊強度が著しく低下することが確認された。
また、図7に示すように、水平断面が壁状に形成され、せん断スパンh、長辺比a/b、コンクリート強度24N/mm2、鉄筋規格SD295、帯筋比0.4%および軸力比0.07(1.575N/mm2)である試験体を用いて、試験体の水平断面での短辺に対する長辺の比をせん断スパンで除算した比率(a/b/h)と変位量との関係を解析した。その結果、試験体の水平断面での短辺に対する長辺の比をせん断スパンで除算した比率(a/b/h)が0.018以上0.034以下である場合に、変位量が小さくなる、つまり効果を発揮することが確認された。
[3.効果]
(1)このように本実施形態の高架橋1によれば、梁部材10を支持する壁柱部20が、水平断面での短辺に対する長辺の比をせん断スパンで除算した比率が0.022程度となっており、水平断面での鉄筋の断面積の比率が0.007となっている。このように構成された壁柱部20は、1/2縮小形状の試験体を用いた載荷試験の結果より、地震動に対する耐震性能を有する耐震構造として機能し、水平断面上の長手方向に沿う方向には剛性を有するとともに水平断面上の長手方向と直交する方向には靭性能を有することが確認された。このことにより、壁柱部20には、既往の破壊形態であるせん断破壊や曲げ破壊を超越する鉄筋コンクリートの破壊抑制機能がある。すわなち、壁柱部20が、上述のように形成されることによりコンクリート量と鉄筋量のバランスがよくなるとともに、コンクリート部分と鉄筋部分との配置や位置関係のバランスもよくなるため、地震動によって発生したコンクリート部分の小さいひび割れで損傷が応力分散し、想定以上の外力が作用しても破壊されない、という損傷メカニズムを発揮する。このことにより、従来構造に比べて建設コストを抑制することができるとともに、終局耐力を大幅に増加させることができる。
また、本実施形態の高架橋1によれば、従来構造に比べて、高架橋1下の空間を広げることでき、高架橋1下の空間を有効活用することができる。また、従来構造に比べてその美観を向上させることができる。
また、本実施形態の高架橋1によれば、従来構造に比べて、高架橋1下の空間を広げることでき、高架橋1下の空間を有効活用することができる。また、従来構造に比べてその美観を向上させることができる。
[4.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の様々な態様にて実施することが可能である。
Claims (1)
- 梁部材と、前記梁部材を支持する鉄筋コンクリート製の柱部材と、を備える橋梁であって、
前記柱部材として、複数組の橋台部と複数組の壁柱部とを備え、
前記複数組の橋台部については、二つの前記橋台部が前記梁部材の延長方向に水平面上で直交する方向に沿って配置されて一つの組となり、前記延長方向に沿って所定の間隔で配置されており、
前記複数組の壁柱部については、二つの前記壁柱部が前記延長方向に水平面上で直交する方向に沿って配置されて一つの組となり、各組の前記橋台部を挟む前記延長方向の両側それぞれに、前記延長方向に沿って所定の間隔で配置されており、
各前記橋台部は、前記延長方向および鉛直方向に延出する板状に形成されたウェブ部と、前記ウェブ部の前記延長方向での両端部のそれぞれに前記鉛直方向に沿って形成される二つのフランジ部と、を有し、前記ウェブ部の水平断面での長手方向が前記梁部材の延長方向に沿うように形成されるとともに、前記フランジ部と前記ウェブ部とを接合する接合部における前記延長方向に水平面上で直交する方向での幅寸法が前記ウェブ部側から前記フランジ部側に向かうほど大きくなり、前記橋台部に発生する斜めクラックの進行方向を前記ウェブ部の位置で水平方向に角度を変えるテーパ状に形成され、
各前記壁柱部は、板状に形成されており、水平断面での長手方向が前記延長方向に水平面上で直交する方向に沿うように形成されていること
を特徴とする橋梁。
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JP2010203084A Active JP6013701B2 (ja) | 2010-09-10 | 2010-09-10 | 橋梁 |
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