JP6638984B2 - 構造物の接続構造、および接続方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物の接続構造、および接続方法に関する。
従来、鉄筋コンクリート製のボックスカルバートやマンホール等の既設の地中構造物では、相互の接続部やポンプ場等の躯体と配管の接続部に大規模地震時に大きな変形量が生じることが予想されている。そして、例えば構造物が設備配管の場合に現状のままで維持管理だけを行っていると、大規模地震時に部材の接続部が破断し、構造物の機能停止に伴って給水や排水機能が停止するおそれがあった。
そのため、大きな変形に対する対策として、例えば特許文献1に示すような後付けの耐震用の可撓性継手によるジョイント構造やゴム製ジョイント等を用いることが知られている。
特開2013−079532号公報
しかしながら、従来の可撓性継手やゴム製ジョイントを使用した構造物の接続構造の場合には、部材費が高価であり、接続する構造物同士の取り合いや位置決めなどの施工性に課題があり、施工の手間や時間がかかるという問題があった。
とくに水が流れている配管などの接続部にゴム製の可撓管を挿入する施工を行う改修工事では、供用を中止して施工せざるを得ず、改修作業ができない場合があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、施工が容易な構造により、互いに接続される構造物同士の変形を許容しつつ接続部分の接続を維持することができ、コストや工期を低減することができる構造物の接続構造、および接続方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、供用中であっても構造物の接続部の改修作業を行うことができる構造物の接続構造、および接続方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る構造物の接続構造は、互いに接続される構造物同士の接続部分の周面に樹脂材料を被覆することにより、接続する構造物同士にわたって一体に設けられた構造物の接続構造であって、前記樹脂材料が被覆される接続部分のうち前記構造物の双方の突合せ端側には、それぞれ前記樹脂材料と前記構造物とが接着されない非接着域が形成され、前記樹脂材料は、ポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる高ひずみ樹脂層であり、前記樹脂材料は、前記接続部分の周面に被覆されポリブタジエン系ゴムを含む変性ポリウレタン系プライマーからなるプライマー層と、該プライマー層の上に被覆される前記高ひずみ樹脂層と、から構成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る構造物の接続方法は、上述の構造物同士の接続部分に樹脂材料を被覆することにより接続する構造物の接続方法であって、前記樹脂材料が被覆される接続部分のうち前記構造物の双方の突合せ端側に非接着域を形成する工程と、前記非接着域を覆いつつ、前記樹脂材料を前記接続部分に被覆する工程と、を有することを特徴としている。
本発明では、構造物同士の接続部分にポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる高ひずみ樹脂層が被覆され一体的に設けられるとともに、前記接続部分のうち構造物の双方の突合せ端側に非接着域が設けられている。つまり、構造物同士の突合せ端側の部分で高ひずみ性能を有する樹脂材料が接着しない非接着域を跨いだ両側において、樹脂材料が構造物の周面に接続されているため、その非接着域に位置する樹脂材料が地震時に構造物同士の間にずれや離反による変形に追従して伸縮変形することになる。
したがって、地震時による構造物同士の変形を許容する機能保持材として機能し、構造物同士の接続部分の接続を維持することができる。
また、従来のような可撓性継手やゴム製ジョイント等の弾性変形可能な接続構造を用いる場合に比べて、部材費等のコストを低減することができる。さらに、本発明では、構造物同士の接続部分の周面に対して樹脂材料を塗布又は吹き付けるといった簡易な施工方法によって被覆することが可能となるので、施工にかかる工費や工期を低減することができる。さらに、接合部分に従来の接続部品が設けられているような複雑な形状の場合であっても容易に被覆することができる。しかも、このように接続部分の外側から樹脂材料の被覆を行うことが可能となることから、供用中であっても構造物の接続部の改修作業を行うことができる。
また、本発明では、構造物の周面と高ひずみ樹脂層との靭性の差を和らげる中間層として、可撓性を有するプライマー層が設けられている。そして、プライマー層は構造物の周面及び高ひずみ樹脂層に密着した状態で設けられている。この構成によれば、大規模地震時に、プライマー層が構造物同士の間の変形に追従すると共に、高ひずみ樹脂層がプライマー層の動きに応じて自在に伸縮する、或いは撓ることで、高ひずみ樹脂層にプライマー層の変動が適度に吸収され、樹脂材料によって構造物同士の接続状態を維持することができる。
また、本発明に係る構造物の接続構造は、前記非接着域には、前記構造物の周面に対して非付着性を有する非付着材が配置され、該非付着材をさらに覆うようにして前記樹脂材料が前記接続部分の周面に配置されていることが好ましい。
この場合には、構造物の周面に対して非付着性を有する非付着材を配置した後に、その被付着部材を覆うようにして所定の接続部分に樹脂材料を塗布または吹き付けにより施工することができる。これにより双方の構造物の突合せ端側に樹脂材料の非接着域を容易に形成することができる。
本発明の構造物の接続構造、および接続方法によれば、施工が容易な構造により、互いに接続される構造物同士の変形を許容しつつ接続部分の接続を維持することができ、コストや工期を低減することができる。
また、本発明の構造物の接続構造、および接続方法によれば、供用中であっても構造物の接続部の改修作業を行うことができる効果を奏する。
本発明の実施の形態による構造物の接続構造の構成を示す側面図である。 図1に示す接続構造の接続部分の要部断面図である。 図2に示す接続部分が接続方向に直交する方向にずれた状態を示す要部断面図である。 図2に示す接続部分が接続方向に離反した状態を示す要部断面図である。 実施例による水平変位試験結果を示す図である。 他の実施の形態による構造物の接続構造の構成を示す側断面図である。
以下、本発明の実施の形態による構造物の接続構造、および接続方法について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による構造物の接続構造1は、互いに接続される構造物2A、2B同士の突合せ端部Rの周面に樹脂材料3を被覆することにより、接続する構造物2A、2B同士にわたって一体に設けられた構造となっている。
構造物2A、2Bとしては、例えば鋼管などの配管構造、ボックスカルバート等の鉄筋コンクリート構造などの接続構造物を対象としている。なお、構造物2A、2Bの部材としては、例えば、ダクタイル鋳鉄、鋼、鉛等の金属、コンクリート、ポリエチレン、塩化ビニル等の樹脂等の樹脂材料3が付着可能な部材であればよく、接続される双方の構造物2A、2Bがそれぞれ別の部材からなる接続構造であってもかまわない。
なお、図1〜図4に示す接続構造1は、円筒状の鋼管からなる構造物2A、2B同士を配管軸方向に突き合わせて、それぞれの突合せ端2a、2aで連結する突合せ端部Rを示している。そして、この突合せ端部Rは、コンクリート躯体に配管を直接挿入するタイプで溶接、ボルト接合などの通常の接合手段による接続が行われている場合もあるが、この接合手段は図面から省略している。
接続構造1は、図1及び図2に示すように、樹脂材料3が被覆される構造物2A、2Bの接続部分Rの外周面2b(周面)うち、構造物2A、2Bのそれぞれの突合せ端2a,2a側でそれぞれ樹脂材料3と構造物2A、2Bとが接着されない非接着域Sと、配管軸方向で非接着域Sを挟んだ両側に位置し、樹脂材料3と構造物2A、2Bとが接着される接着域T、Tと、が設けられている。
樹脂材料3は、図3に示すように、構造物2A、2B同士の接合部分Rの周面2bに被覆された可撓性を有するプライマー層31と、プライマー層31の上に被覆されたポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる高ひずみ樹脂層32と、を有する。
プライマー層31は、接続される構造物2A、2B同士の接続部分Rに発生するずれや離反などの変形に追従するとともに、その変形を許容しつつ接続機能を維持するために設けられている。すなわち、プライマー層31は、構造物2A、2Bの外周面2bとの密着性がよく、前述した変形に抵抗可能な可撓性を有するプライマーが採用される。ここで、可撓性を有するプライマーとしては、例えばポリウレタン樹脂プライマー、ブタジエン系樹脂プライマーが挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネートによって構成されている。また、ブタジエン系樹脂は、ブタジエンとイソシアネートとの架橋反応によって生成されるものである。具体的に、ブタジエン系樹脂プライマーは、例えば常温でポリイソシアネートと混合しても、発熱により高温になることなく、弾性を有するプライマーを形成することが可能なブタジエン系ゴムを含むものが好適である。ブタジエン系ゴムとしては、ポリブタジエン系ゴム、ブタジエンと例えばスチレン、イソブチレン等の他のモノマーやその他のビニル系モノマーとの共重合体等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーのコンクリートに対する密着性は比較的高く、ポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーのコンクリートに対する変形追従性は極めて良好である。上記説明した各プライマーの組成に起因して、ポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーのポリウレタン樹脂及びポリウレア樹脂に対する密着性は、非常に高い。従って、構造物2A、2Bと高ひずみ樹脂層32の双方に密着し、構造物2A、2Bの変形に追従しながら、構造物2A、2Bが高ひずみ樹脂層32を剥がそうとする力を充分に緩和させる点から、プライマー層31はポリウレタン樹脂プライマーやブタジエン系樹脂プライマーから構成されていることが好ましい。特に液剤等の調合が容易である点から、プライマー層31は、ポリウレタン樹脂を主成分とする溶剤系プライマー或いは無溶剤系プライマーから構成されている、又は、ポリブタジエン系ゴムを含む変性ポリウレタン系プライマーであることが好ましい。ポリウレタン樹脂を主成分とする溶剤系プライマー或いは無溶剤系プライマーには、例えば市販のサンシラールスーパー(AGCポリマー建材株式会社製)がある。ポリブタジエン系ゴムを含むプライマー層31の材料には、例えば市販のスワエールB−500M(三井化学産資株式会社製)がある。
高ひずみ樹脂層32は、接続される構造物2A、2B同士の接続部分Rにおける大きな変形に対して自身が柔軟に伸縮する、或いは撓ることで、構造物2A、2Bの変形に追従するために設けられている。すなわち、高ひずみ樹脂層32は、非常に高い靭性を有するものであり、せん断付着力及び曲げ引張強度が高く、かつ、強度及び伸び等の力学的特性に優れた合成樹脂から構成されている。高ひずみ樹脂層32を構成する合成樹脂の引張強度は20MPa程度(10〜25MPa)であり、合成樹脂の破断伸びは200%以上であればよい。高ひずみ樹脂層32の厚さ寸法は、良好な力学的特性が得られる点や被覆厚の均一性の点から、2mm以上であることが好ましい。
高ひずみ樹脂層32は、力学的特性等に優れたポリウレタン樹脂或いはポリウレア樹脂から構成されている。ポリウレア樹脂は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤との化学反応により形成された化合物である。このようなポリウレア樹脂には、例えばスワエールAR−100(登録商標:三井化学産資株式会社製)がある。
このような樹脂層3(プライマー層31および高ひずみ樹脂層32)の厚さ寸法は、大規模地震時の構造物2A,2Bの必要スライド量(変形量)に応じて適宜設定されるものである。
図1及び図2に示す非接着域Sには、構造物2A、2Bの外周面2bに対して非付着性を有する養生テープ4(非付着材)が非接着状態で配置され、この養生テープ4の上面をさらに覆うようにして樹脂材料3が被覆されている。その樹脂材料3は、非接着域Sの両側の接着域T、Tにおいて下面3aを構造物2A、2Bの外周面2bに密着させている。
非接着域Sに設けられる養生テープ4は、下面4aが構造物2A、2Bの外周面2bに対して粘着性を有していてもかまわないが、付着性に関しては、例えば大規模地震時に変形する構造物2A、2Bに対しては縁が切れる状態となる非付着性を有している。
ここで、上述した構成による接続構造1の施工方法、すなわち構造物2A、2Bの接続方法について説明する。
先ず、構造物2A、2Bの外周面2bのうち、樹脂材料3によって被覆される領域(接着域Tおよび非接着域S)を例えばサンダー等を使用してケレンする下地処理を行う。その後、樹脂材料3が被覆される接続部分のうち構造物2A、2Bの双方の突合せ端2a、2a側に非接着域Sを形成する。すなわち、非接着域Sに養生テープ4を配置する。
次に、養生テープ4を覆いつつ、樹脂材料3を接続部分に被覆する。構造物2A、2Bに対してプライマー層31を被覆する施工方法としては、構造物2A、2Bにプライマー層31を構成するプライマーを所定の厚み寸法で塗布又は吹き付ける方法が挙げられる。そして、プライマー層31の上に高ひずみ樹脂層32を被覆する施工方法としては、プライマー層31の表面を清浄した後、プライマー層31の表面に高ひずみ樹脂層32の材料を所定の厚み寸法で塗布する方法が挙げられる。
上述のように本実施の形態による構造物の接続構造、および接続方法では、図1及び図2に示すように、構造物2A、2B同士の接続部分にポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる高ひずみ樹脂層32が被覆され一体的に設けられるとともに、接続部分のうち構造物2A、2Bの双方の突合せ端側に非接着域Sが設けられている。つまり、構造物2A、2B同士の突合せ端側の部分で高ひずみ性能を有する樹脂材料3が接着しない非接着域Sを跨いだ両側において、樹脂材料3が構造物2A、2Bの外周面2bに接続されているため、その非接着域Sに位置する樹脂材料3が地震時に構造物2A、2B同士の間に図3に示すようなずれ(構造物2A、2Bの接続方向に直交する方向(図3の矢印方向)のずれ)や、図4に示すような離反(図4の構造物2A、2Bの下側の矢印は離反方向を示している)による変形に追従して伸縮変形することになる。したがって、地震時による構造物2A、2B同士の変形を許容する機能保持材として機能し、構造物2A、2B同士の接続部分の接続を維持することができる。
また、従来のような可撓性継手やゴム製ジョイント等の弾性変形可能な接続構造を用いる場合に比べて、部材費等のコストを低減することができる。さらに、本実施の形態では、構造物2A、2B同士の接続部分の外周面2bに対して樹脂材料3を塗布又は吹き付けるといった簡易な施工方法によって被覆することが可能となるので、施工にかかる工費や工期を低減することができる。さらに、接合部分に従来の接続部品が設けられているような複雑な形状の場合であっても容易に被覆することができる。
しかも、このように接続部分の外側から樹脂材料3の被覆を行うことが可能となることから、供用中であっても構造物の接続部の改修作業を行うことができる。
また、本実施の形態では、構造物2A、2Bの周面と高ひずみ樹脂層32との靭性の差を和らげる中間層として、可撓性を有するプライマー層31が設けられている。そして、プライマー層31は構造物2A、2Bの外周面2b及び高ひずみ樹脂層32に密着した状態で設けられている。この構成によれば、大規模地震時に、プライマー層31が構造物2A、2B同士の間の変形に追従すると共に、高ひずみ樹脂層32がプライマー層31の動きに応じて自在に伸縮する、或いは撓ることで、高ひずみ樹脂層32にプライマー層31の変動が適度に吸収され、樹脂材料3によって構造物2A、2B同士の接続状態を維持することができる。
また、本実施の形態では、構造物2A、2Bの外周面2bに対して非付着性を有する養生テープ4を配置した後に、その養生テープ4を覆うようにして所定の接続部分に樹脂材料3を塗布または吹き付けにより施工することができる。これにより双方の構造物2A、2Bの突合せ端側に樹脂材料3の非接着域Sを容易に形成することができる。
このように本実施の形態の構造物の接続構造、および接続方法によれば、施工が容易な構造により、互いに接続される構造物2A、2B同士の変形を許容しつつ接続部分の接続を維持することができ、コストや工期を低減することができる。また、供用中であっても構造物の接続部の改修作業を行うことができる効果を奏する。
次に、上述した実施の形態による構造物の接続構造、および接続方法の効果を裏付けるために行った実施例について以下説明する。
(実施例)
本実施例では、上述した実施の形態の樹脂材料を塗布した試験体を製造し、水平変位試験を行い、試験体の効果を確認した。
試験体は、モルタル成型板(厚さ寸法20mm×横寸法100mm×縦寸法150mm)を2つ設け、塗装面をサンダーを用いたケレンによる下地処理を行った後、両モルタル成型板を縦寸法の長さ方向に突き合わせた状態で固定したものを使用し、突き合わせ部から各成型板の各50mmを非接着部とするために養生テープを張り付け、さらにモルタル成型板の全体にプライマーを塗布し、プライマーの硬化後に主材(上述した実施の形態の高ひずみ樹脂層32)を吹き付けたものを使用した。
そして、試験は、主材を塗布してから1週間以上の硬化養生を行った後の試験体に対して、突き合わせ方向に沿う方向の両端を固定して二つのモルタル成型板同士が離反する方向に引張治具を用いて引っ張ることによる一軸引張試験を実施した。なお、試験速度は、5mm/min(JSCE−K 532−2010 表面被覆材のひび割れ追従性試験方法を参考)とした。
図5は、一軸引張試験を行った結果を示す荷重(kN)−変位(mm)曲線である。この結果、変位5mm程度までに約2kNの荷重を示し、その後、変位が増加するに従って、荷重が漸増することが確認された。本試験では、最大荷重で2.51kN、最大変位で167mmが得られた。なお、本試験では、試験体が変位167mmで引張治具から外れたため試験を中止したが、ここまでに塗膜の破断は確認されなかった。
以上、本発明による構造物の接続構造、および接続方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、樹脂材料3としてプライマー層31を設けた構成としているが、このプライマー層31を省略することも可能である。つまり、構造物2A、2Bの周面に対して直接、高ひずみ樹脂層32を塗布又は吹き付けにより被覆するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、非接着域Sに設けられる非付着材として養生テープ4を使用しているが、これに限定されることはなく、他の部材を採用することも勿論可能である。例えば、離型剤やポリオレフィン系シートを用いるようにしても良い。
さらに、本実施の形態のように接続する構造物2A、2Bがそれぞれ同一形状で、同一の部材であることに制限されることもない。例えば、図6に示す接続構造1Aのように、鉄筋コンクリート製の躯体5(一方の構造物)に対して、鋼管2C(他方の構造物)を接続する場合であっても良い。
図6に示す接続構造1Aは、鋼管2Cの配管本体21の端部が躯体5に挿通されており、その挿通部分の接続部、すなわち躯体5の外面5aと鋼管2Cの外周面2bとにわたって樹脂材料3(プライマー層31および高ひずみ樹脂層32)が被覆されている。そして、樹脂材料3が被覆される接続部分のうち躯体5の外面5aと鋼管2Cの外周面2bとの突合せ端側には、それぞれ樹脂材料3と接着されない非接着域として養生テープ4が貼り付けられている。
この場合も、躯体5と鋼管2Cとの間に生じるずれや離反による変形に対して、非接着域の樹脂部材3が追従するため、双方の構造物の接続が維持される構造となっている。
さらに、構造物2A、2Bにおける樹脂材料3の被覆域、被覆厚さ、非接着域S、接着域Tの範囲等の構成については、上述した実施の形態に限定されることはなく、例えば地震時における構造物同士のずれや離反による変形量に対応して適宜設定することが可能である。
さらに、本実施の形態では、構造物2A、2Bの外周面2bに樹脂材料3を設けているが、内周面、あるいは外周面及び内周面の両面に樹脂材料3を設けるようにしてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1、1A 接続構造
2A、2B 構造物
2C 鋼管(構造物)
2a 突合せ端
2b 外周面(周面)
3 樹脂材料
4 養生テープ(非付着材)
5 躯体(構造物)
31 プライマー層
32 高ひずみ樹脂層
S 非接着域
T 接着域

Claims (3)

  1. 互いに接続される構造物同士の接続部分の周面に樹脂材料を被覆することにより、接続する構造物同士にわたって一体に設けられた構造物の接続構造であって、
    前記樹脂材料が被覆される接続部分のうち前記構造物の双方の突合せ端側には、それぞれ前記樹脂材料と前記構造物とが接着されない非接着域が形成され、
    前記樹脂材料は、ポリウレタン樹脂、或いはポリウレア樹脂からなる高ひずみ樹脂層であり、
    前記樹脂材料は、
    前記接続部分の周面に被覆されポリブタジエン系ゴムを含む変性ポリウレタン系プライマーからなるプライマー層と、
    該プライマー層の上に被覆される前記高ひずみ樹脂層と、
    から構成されていることを特徴とする構造物の接続構造。
  2. 前記非接着域には、前記構造物の周面に対して非付着性を有する非付着材が配置され、該非付着材をさらに覆うようにして前記樹脂材料が前記接続部分の周面に配置されていることを特徴とする請求項に記載の構造物の接続構造。
  3. 請求項1又は2に記載の構造物同士の接続部分に樹脂材料を被覆することにより接続する構造物の接続方法であって、
    前記樹脂材料が被覆される接続部分のうち前記構造物の双方の突合せ端側に非接着域を形成する工程と、
    前記非接着域を覆いつつ、前記樹脂材料を前記接続部分に被覆する工程と、
    を有することを特徴とする構造物の接続方法。
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