JP2014047513A - 橋梁 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震や津波等によって橋脚や橋桁の躯体のコンクリートが破壊された場合であっても、その躯体の形状を保持して橋梁の倒壊を防止し、しかも施工が容易で確実に効果を発揮させることを目的としている。
【解決手段】橋脚1及び橋桁10のうちの少なくとも一方のコンクリート造の躯体の表面に樹脂製の補強塗膜3,30が被覆されてなり、補強塗膜3,30は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート造の橋脚及びコンクリート造の橋桁のうちの少なくとも一方を備える橋梁に関する。
なお、本願では、「橋梁」という用語を、河川や湖、海等の水面上を通過するための架空構造物だけでなく、陸上部を通過するための架空構造物である高架橋も含む広義の意味で使用する。
従来から、コンクリート造の橋脚の補強工法として、橋脚の躯体にアラミド繊維シートや炭素繊維シートを巻き付けて補強する技術が知られている。例えば特許文献1に示された従来技術では、橋脚のうちの中間区間にアラミド繊維シートや炭素繊維シートを巻き付け、橋脚のうちの下側区間及び上側区間に高伸度繊維シートを巻き付けている。そして、上記特許文献1には、高伸度繊維シートとして、ポリエステル繊維シートやビニロン繊維シートが開示されており、また、高伸度繊維シートにより橋脚の表面を保持拘束することができるとしている。
特開2006−83612号公報
しかしながら、上記した従来の技術では、仮に高伸度繊維シートが橋脚の表面に密着されていない場合、保持拘束の効果を十分に発揮することができない。したがって、高伸度繊維シートの貼り付け作業において、高伸度繊維シートの全体を躯体の表面に隙間無く密着させる必要があるが、これは難しい作業であり、高度な技術が必要である。特に、高伸度繊維シートが貼り付けられる躯体が複雑な形状をしている場合、高伸度繊維シートの全体を躯体の表面に隙間無く密着させるのは非常に難しくて煩雑である。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、地震や津波等によって橋脚や橋桁の躯体のコンクリートが破壊された場合であっても、その躯体の形状を保持して橋梁の倒壊を防止し、しかも施工が容易で確実に効果を発揮させることを目的としている。
本発明に係る橋梁は、橋脚及び橋桁のうちの少なくとも一方のコンクリート造の躯体の表面に樹脂製の補強塗膜が被覆されてなり、前記補強塗膜は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなることを特徴としている。
本発明では、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなる補強塗膜が、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂であり、例えば10〜25MPa程度の高強度と例えば200%以上の大きな破断伸び(伸び変形性能)を有する。このため、躯体の変形が塑性域に達しても、補強塗膜が躯体の大変形に追従して伸び変形するので、補強塗膜によって躯体の変形に応じたエネルギー吸収性能が発揮される。したがって、高い軸圧縮力、曲げ応力及びせん断応力に対応することが可能な構造体を設けることができる。
仮に、高軸圧縮力、曲げ応力及びせん断応力を受けることにより躯体の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、補強塗膜は伸びることはあっても破断せず、補強塗膜によって躯体の表面が被覆された状態が維持される。これにより、躯体のコンクリート片の散逸が防止され、また、躯体が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状が保持される。例えば、巨大地震時に高軸圧縮力、曲げ応力及びせん断応力を受けることによって破壊が生じたコンクリート片が散乱したり、そのコンクリート片が周囲に飛散したりするといった被害の増大を防止することができる。
しかも、補強塗膜は変形抵抗を有しているので、地震時に橋脚や橋桁の躯体が撓み変形したときに、補強塗膜の変形抵抗力によって躯体を元の形状に戻す力が働く。その結果、躯体は、一旦大きく撓み変形した後に若干戻され、最終的な変形量が小さく抑えられる。
また、本発明の橋梁によれば、補強塗膜は躯体に吹き付けや塗布することによって形成されるので、補強塗膜と躯体の表面とを確実に密着させることが可能であり、従来技術のように躯体に繊維シートを巻き付ける場合に比べて、施工が容易である。
また、本発明に係る橋梁は、前記補強塗膜が、前記躯体のうち3面以上に設けられていることが好ましい。
これにより、躯体の3面以上が補強塗膜によって包み込まれた状態となり、その効果(ラッピング効果)により、上記した形状保持がより効果的に発揮される。
さらに、本発明に係る橋梁は、前記補強塗膜が、前記躯体の全周に亘って設けられていることがより好ましい。
これにより、閉じられた形状(筒状)の補強塗膜の内側に躯体が収容された状態となり、上記したラッピング効果が大きくなり、高い形状保持が発揮される。
本発明に係る橋梁によれば、地震や津波等によって橋脚や橋桁の躯体のコンクリートが破壊された場合であっても、その躯体の形状を保持して橋梁の倒壊を防止することができる。しかも、施工が容易で確実に効果を発揮させることができる。
本発明の実施の形態による橋梁の概略構成を示す断面図であって、橋梁の長さ方向に沿って切断した断面図である。 本発明の実施の形態による橋梁の概略構成を示す断面図であって、橋梁の幅方向に沿って切断した断面図である。 図1に示すA−A間の断面図である。 図2に示すB−B間の断面図である。 ポリウレア樹脂の力学的特性を示すためのグラフであり、各材料の応力ひずみ関係を示すグラフである。 躯体の一部分を拡大した断面図である。 実施例1による試験結果を示す図である。 実施例2による試験結果を示す図である。 実施例3による試験結果を示す図である。
以下、本発明に係る橋梁の実施の形態について、図面に基いて説明する。
図1及び図2に示す橋梁100は、陸上部を通過するための架空構造物である高架橋であり、特に、ラーメン構造の高架橋である。このような橋梁100の概略構成としては、互いに間隔をあけて配置された複数の橋脚1と、各橋脚1の下端にそれぞれ接合された複数の基礎5と、各橋脚1の上端部間に架設された複数の橋桁10と、複数の橋桁10によって支持された床版11と、を備える。
上記した橋脚1は、橋桁10や床版11を支持する鉄筋コンクリート造の柱構造体であり、高軸力を受ける構造体である。
図3は、上記した橋脚1の横断面を示している。なお、図3では図面を簡略化するために鉄筋の図示を省略している。
図3に示すように、橋脚1は、横断面視円形の柱状体であり、この橋脚1の躯体2の表面には、樹脂製の補強塗膜3が被覆されている。この補強塗膜3は、躯体2の全周に亘って設けられている。つまり、本実施の形態における補強塗膜3は、横断面視の形状が環状(閉じられた形状)、すなわち筒形状に形成されている。また、図1及び図2に示すように、本実施の形態における補強塗膜3は、橋脚1のうち、橋桁10との接合部7の区間には設けられてなく、前記接合部7以外の区間全体に亘って被覆されている。ただし、本発明に係る橋梁では、前記接合部7の区間にも補強塗膜3が被覆されていてもよく、また、接合部7以外の区間のうち、コンクリートのひび割れや破壊が生じやすい区間にだけ補強塗膜3が被覆されていてもよい。
一方、上記した橋桁10は、隣り合う2本の橋脚1,1の間に架設された鉄筋コンクリート造の梁構造体である。橋桁10の両端部は、橋脚1,1にそれぞれ一体的に接合されており、かつ、その下面が橋脚1側に向かって下向きに傾斜するようにハンチ(垂直ハンチ)が形成されている。また、この橋桁10は、鉄筋コンクリート造の床版11にも一体的に接合されている。
図4は、上記した橋桁10の横断面を示している。なお、図4では図面を簡略化するために鉄筋の図示を省略している。
図4に示すように、橋桁10の躯体20の表面には、樹脂製の補強塗膜30が被覆されている。この補強塗膜30は、躯体20の下面20a及び両側の側面20b,20bにそれぞれ設けられている。つまり、本実施の形態における補強塗膜30は、横断面視の形状が略コ字状、すなわちU字溝状に形成されている。また、補強塗膜30の上端部はスラブ11の下面に沿って屈曲した形状となっており、補強塗膜30の端部はスラブ11の下面まで延びている。また、図1及び図2に示すように、本実施の形態における補強塗膜30は、橋桁10の全長に亘って設けられている。ただし、本発明に係る橋梁では、橋桁10のうち、コンクリートのひび割れや破壊が生じやすい区間にだけ補強塗膜30が被覆されていてもよい。
[補強塗膜]
上記した補強塗膜3,30は、躯体2,20の表面に吹き付けやローラーなどで塗布される樹脂製の塗膜であって、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤との化学反応により形成された化合物からなる。例えば、補強塗膜3,30としては、イソシアネートとアミンとの化学反応により形成された化合物であるポリウレア樹脂を用いることができる。
補強塗膜3,30は、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂からなり、例えばポリウレア樹脂の場合は、図5に示す応力ひずみ特性を有する。補強塗膜3,30を構成する合成樹脂としては、例えば引張強度が鉄筋の十分の一程度の20MPa程度(10〜25MPa)であって、破断伸びが200%以上の物性を有する樹脂からなる。ポリウレア樹脂としては、例えば「スワエールAR−100(登録商標:三井化学産資株式会社製)」が用いられる。なお、補強塗膜3,30の厚さ寸法Dは、2mm以上であることが好ましい。
ここで、躯体2,20に補強塗膜3,30を被覆する施工方法としては、塗布するコンクリート表面を十分に清掃して塵等を取り除いた後、プライマーを塗布し、その後、補強塗膜材料を躯体2,20の表面に所定厚さだけ塗布する。これにより、躯体2,20の表面に補強塗膜3,30が形成される。なお、プライマーの塗布は省略することも可能であり、或いは、補強塗膜3,30と躯体2,20との付着性を高めるために躯体2,20の表面を斫って凸凹に加工してもよい。
次に、上記した構成からなる橋梁100の作用について、具体的に説明する。
上述したように、本実施の形態では、補強塗膜3,30が、せん断付着力が高く、曲げ引張強度が高く、かつ伸び性能が高い力学的特性(強度、伸び)に優れた合成樹脂であるため、躯体2,20の変形が塑性域に達しても、補強塗膜3,30が躯体2,20の大変形に追従して伸び変形するので、補強塗膜3,30によって躯体2,20の変形に応じたエネルギー吸収性能が発揮される。したがって、高い軸圧縮力、曲げ応力及びせん断応力に対応することが可能な橋脚1や橋桁10を設けることができる。
仮に、高い軸圧縮力、曲げ応力及びせん断応力を受けることにより躯体2,20の変形が塑性域に達してコンクリートが破壊されても、補強塗膜3,30は伸びることはあっても破断せず、補強塗膜3,30によって躯体2,20の表面が被覆された状態が維持される。これにより、躯体2,20のコンクリート片の散逸が防止され、また、躯体2,20が転倒したり崩壊したりせずに自立した形状を保持される(形状保持)。例えば、巨大地震時に高軸圧縮力、曲げ応力及びせん断応力を受けることによって破壊が生じたコンクリート片が散乱したり、そのコンクリート片が周囲に飛散したりするといった被害の増大を防止することができる。
また、補強塗膜3,30は変形抵抗を有しているので、地震時に橋脚1や橋桁10の躯体2,20が撓み変形したときに、補強塗膜3,30の変形抵抗力によって躯体2,20を元の形状に戻す力が働く。その結果、躯体2,20は、一旦大きく撓み変形した後に若干戻され、最終的な変形量が小さく抑えられる。
また、補強塗膜3,30を躯体2,20の表面に吹き付けたり塗布したりするだけなので、補強塗膜と躯体の表面とを確実に密着させることが可能であり、容易に且つ安価に施工することができる。
また、図6に示すように、躯体2(20)にクラックC(ひび割れ)が生じても、補強塗膜3(30)はその伸縮性によって破断しない。この場合、補強塗膜3(30)は伸び変形しているので、補強塗膜3(30)の弾性力によって戻る方向の力Eが作用する。この力は、クラックCの幅を拡げる力Sに抵抗する方向に作用するため、結果的に、クラックCの開き量dが小さく抑えられる。
また、本実施の形態の橋脚1及び橋桁10では、補強塗膜3,30が躯体2,20のうち3面以上に設けられているので、躯体2,20が補強塗膜3,30によって包み込まれた状態となり、そのようなラッピング効果により、上記した形状保持がより効果的に発揮される。
特に、本実施の形態の橋脚1では、補強塗膜3が躯体2の全周に亘って設けられているので、閉じられた形状(筒状)の補強塗膜3の内側に躯体2が収容された状態となり、上記したラッピング効果が大きくなり、高い形状保持が発揮される。
また、特に、本実施の形態の橋桁10では、補強塗膜30が躯体20の下面20a及び両側の側面20b,20bにそれぞれ設けられて断面視略コ字状に形成されているので、U字溝状に形成された補強塗膜30の内側に躯体20が収容された状態となり、上記したラッピング効果が大きくなり、高い形状保持が発揮される。
上述したように、本実施の形態の橋梁100によれば、地震や津波等によって橋脚1や橋桁10の躯体2,20のコンクリートが破壊された場合であっても、その躯体2,20の形状を保持して橋梁100の倒壊を防止することができる。しかも、施工が容易で確実に効果を発揮させることができる。
また、本実施の形態の橋梁100では、軸力を受ける橋脚1の圧縮靭性を向上させることができる。これにより、橋梁100の上部構造の耐震要素の性能を最大限に発揮させ、高い靭性能を付与することができ、橋梁100の地震に対する耐力および靭性能を向上させることができる。
次に、上述した実施の形態による橋梁100の効果を裏付けるために行った試験例(実施例1、2、3)について以下説明する。
(実施例1)
実施例1では、矩形断面の鉄筋コンクリート製の梁材を試験体に使用し、その梁材の表面にポリウレア樹脂を塗布した試験体1、2、3と、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体4とに対して載荷装置を使用した衝撃曲げ試験を行い、ポリウレア樹脂の塗布状況を変えた試験体1〜4の変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
各試験体1〜4の梁材は、縦100mm×横120mmで長さ寸法が1200mmの6面を有する構造体であり、4週強度で25N/mm2のコンクリートを使用している。さらに、試験体1〜4の内部にD13(芯被り35mm)、せん断補強筋D6を使用している。そして、載荷条件としては、試験体1〜4を長さ方向を水平方向に向けて配置し、試験体1〜4の長さ方向の中心部に対して30kNの荷重を準静的な0.0001m/sの速度で載荷を付与した。
ここで、試験体1は梁材の6面に塗布厚4mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体2は梁材の6面に塗布厚2mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体3は梁材のうち長さ方向を水平方向に向けた状態で上面および下面の2面のみに塗布厚2mmのポリウレア樹脂を塗布したもの(4側面にポリウレア樹脂を塗布しない場合)であり、試験体4はポリウレア樹脂を施していないものである。
図7は、上記試験体1〜4において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図7に示すように、試験体4の場合には、変形量δが略40mmで破壊し、その破壊箇所においてコンクリート片が生じた。
上下2面にポリウレア樹脂2mmを塗布した試験体3の場合は、変形量δが略60mmで破壊しているが、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体4の場合よりはじん性が高い、つまり拘束効果(ラッピング効果)を有し、一定の形状保持効果があることが確認された。
また、梁材の表面全周(6面)にポリウレア樹脂を塗布した試験体1、2においては、降伏後(図7の降伏点P1より右側)でも30kNの荷重が維持されていることが確認できることから、ラッピング効果が大きく、形状保持効果が高いことがわかる。
(実施例2)
次に、実施例2では、上記実施例1における梁材の6面に塗布厚2mmでポリウレア樹脂を塗布し、衝撃曲げ試験で載荷速度を変えた試験を行い、変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
第1試験T1は4m/s(高速)の載荷速度とし、第2試験T2は0.5〜1m/s(中速)の載荷速度とし、第3試験T3は0.1〜0.5m/s(低速)の載荷速度とし、第4試験T4は0.0001m/s(準静的速度)の載荷速度とした。
図8は、上記第1試験T1〜第4試験T4において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図8に示すように、各試験T1〜T4ともに降伏後でも準静的最大荷重が維持されていることがわかる。このことから、ポリウレア樹脂を梁材の6面全体にわたって塗布する場合には、載荷速度にかかわらず、準静的最大荷重が維持されることを確認することができる。このとき、梁材の試験体は大きく変形し、約5度程度の角度で屈曲していたが、コンクリート片が生じることもなく、梁材としての形状が保持されていた。このように、ポリウレア樹脂を塗布した梁材は、衝撃や持続的な加力に対して有効であり、コンクリート片の発生を防ぐことができることが確認できた。
(実施例3)
実施例3では、矩形断面の鉄筋コンクリート製の梁材を試験体に使用し、その梁材の表面にポリウレア樹脂を塗布した試験体1´、2´と、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体3´とに対して載荷装置を使用した衝撃曲げ試験を行い、ポリウレア樹脂の塗布状況を変えた試験体1´〜3´の変形状態(亀裂や剥離)を確認した。
各試験体1´〜3´の梁材は、縦150mm×横150mmで長さ寸法が450mmの6面を有する構造体であり、4週強度で25N/mm2のコンクリートを使用している。さらに、試験体1´〜3´の内部にD13(芯被り35mm)、せん断補強筋D6を使用している。そして、載荷条件としては、試験体1´〜3´を長さ方向を水平方向に向けて配置し、試験体1´〜3´の長さ方向の中心部に対して30kNの荷重を準静的な0.0001m/sの速度で載荷を付与した。
ここで、試験体1´は梁材の6面に塗布厚4mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体2´は梁材の上面以外の5面に塗布厚4mmのポリウレア樹脂を塗布したものであり、試験体3´はポリウレア樹脂を施していないものである。
図9は、上記試験体1´〜3´において、横軸を載荷点の変形量δ(mm)とし、縦軸を荷重P(kN)とした曲げ試験結果を示している。
図9に示すように、試験体3´の場合には、変形量δが略0.65mmで破壊し、その破壊箇所においてコンクリート片が生じた。
上面以外の5面にポリウレア樹脂4mmを塗布した試験体2´の場合は、変形量δが略9mmで破壊しているが、ポリウレア樹脂を塗布しない試験体3´の場合よりはじん性が高い、つまり拘束効果(ラッピング効果)を有し、一定の形状保持効果があることが確認された。
また、梁材の表面全周(6面)にポリウレア樹脂を塗布した試験体1´においては、変形量δが略30〜35mmで破壊しているが、5面にポリウレア樹脂を塗布した試験体2´の場合よりは更にじん性が高い、つまりラッピング効果が大きく、形状保持効果が高いことがわかる。
以上、本発明に係る構造体の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、橋脚1及び橋桁10の両方の躯体2,20の表面に補強塗膜3,30が被覆された橋梁100について説明しているが、本発明は、橋脚1及び橋桁10の両方の躯体2,20の表面に補強塗膜3,30が被覆されているが、本発明は、橋脚1の躯体2の表面にのみ補強塗膜3が被覆されて橋桁10の躯体20の表面に補強塗膜30が塗布されていない構成であってもよく、或いは、反対に、橋桁10の躯体20の表面にのみ補強塗膜30が被覆されて橋脚1の躯体2の表面に補強塗膜3が塗布されていない構成であってもよい。さらに、本発明は、張り出し梁部の躯体に補強塗膜30を被覆させてもよい。
また、上記した実施の形態では、ラーメン構造の高架橋である橋梁100について説明しているが、本発明は、ラーメン構造の高架橋に限定されるものではなく、コンクリート造の橋梁であれば他の構造であってもよい。さらに、本発明は、河川や湖、海等の水面上を通過するための橋梁であってもよい。
また、上記した実施の形態では、補強塗膜3が橋脚1の躯体2の全周に亘って被覆されているが、本発明に係る橋梁は、補強塗膜3が橋脚1の躯体2の表面のうちの周方向の一部を除いて被覆した構成、つまり、補強塗膜3が横断面視C字形状の構成であってもよく、この場合でも、上記したラッピング効果をある程度は発揮することができる。さらに、補強塗膜3が橋脚1の躯体2の表面のうちの周方向の一部のみを被覆した構成であってもよく、この場合であっても、上記したラッピング効果が発揮されないが、上記した形状保持の効果を奏することができる。
さらに、本発明では、橋脚が角柱形状或いは壁形状であってもよく、その場合でも、補強塗膜3が橋脚の躯体の表面の全周に亘って設けられていることで高いラッピング効果を奏することができる。ただし、補強塗膜3が角柱形状或いは壁形状の橋脚の躯体の3面だけを被覆した構成であってもよく、この場合でも、上記したラッピング効果を発揮することができる。さらに、補強塗膜3が角柱形状或いは壁形状の橋脚の躯体の表面のうちの2面あるいは1面だけを被覆している構成であってよく、この場合であっても、上記したラッピング効果が発揮されないが、上記した形状保持の効果を奏することができる。
また、上記した実施の形態では、補強塗膜30が橋桁10の躯体20の下面20a及び両側の側面20b,20bに被覆されているが、本発明に係る橋梁は、補強塗膜30が橋桁10の躯体20の下面20a及び両側の側面20b,20bのうちの2つの面あるいは1つの面だけを被覆した構成であってもよく、この場合であっても、上記したラッピング効果が発揮されないが、上記した形状保持の効果を奏することができる。さらに、橋桁10がスラブ11に一体に接合されていない場合には、橋桁10の上面にも補強塗膜30が被覆された構成であってもよい。
さらに、補強塗膜3,30において、例えばガラス片やガラス繊維、ガラスフリット等を分散させてなる不燃性を有する混入材を、ポリウレア樹脂に混入させることも可能である。あるいは混入材として、例えばコンクリート、煉瓦、瓦、石綿スレート、鉄鋼、アルミニウム、モルタル、漆喰等のガラス以外の不燃材料であっても良い。
また、上記した実施の形態では、補強塗膜3,30として、イソシアネートとアミンとの化学反応により形成された化合物からなるポリウレア樹脂が用いられているが、本発明は、イソシアネートとポリオールとの化学反応により形成された化合物からなるポリウレタン樹脂を補強塗膜として用いることも可能であり、また、イソシアネートとポリオールとアミンとの化学反応により形成された化合物からなる樹脂を補強塗膜として用いることも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1・・・橋脚
2,20・・・躯体
3,30・・・補強塗膜
10・・・橋桁
100・・・橋梁

Claims (3)

  1. 橋脚及び橋桁のうちの少なくとも一方のコンクリート造の躯体の表面に樹脂製の補強塗膜が被覆されてなり、
    前記補強塗膜は、イソシアネートと、ポリオール及びアミンのうちの少なくとも一方からなる硬化剤と、の化学反応により形成された化合物からなることを特徴とする橋梁。
  2. 前記補強塗膜は、前記躯体のうち3面以上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の橋梁。
  3. 前記補強塗膜は、前記躯体の全周に亘って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の橋梁。
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