JP2005193142A - コンクリート構造物の表面被覆方法、コンクリート構造物の表面被覆構造 - Google Patents

コンクリート構造物の表面被覆方法、コンクリート構造物の表面被覆構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 作業性に優れ、季節による硬化性に変化がなく、表面被覆材の膨れやピンホールの発生を抑制し、さらには、硬化後の表面被覆材にひび割れ挙動を伝えることのないコンクリート構造物の表面被覆方法およびコンクリート構造物の表面被覆構造を提供する。
【解決手段】 コンクリート構造物1の表面に素地調整層2を形成した後、素地調整層2の表面に表面保護層3を形成するコンクリート構造物1の表面被覆方法において、素地調整層2を、粘度10mPa・s〜300,000mPa・s、チクソトロピー指数1.0〜20.0の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂で形成する。コンクリート構造物1の表面に、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂を摺り込むように塗布する。コンクリート構造物1と素地調整層2を、プライマーを介して接合する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリート構造物の表面被覆方法およびコンクリート構造物の表面被覆構造に関するものである。
例えば高架橋などのコンクリート構造物は、施工時に発生するひび割れやコールドジョイントなどの初期欠陥、地震などの衝撃によるひび割れや剥離などの損傷、中性化、塩害、アルカリ骨材反応などの劣化機構により変状を生じることがある。
このようなコンクリート構造物の変状を防止するために、コンクリート構造物の表面には被覆が施されている。
一般に、コンクリート構造物に表面被覆を施す場合、まず、コンクリート構造物の表面をサンドブラスト、ウォータージェット、サンダーなどにより研磨して、コンクリート構造物の表面にある脆弱層を除去する。その後、コンクリート構造物の表面に、素地調整材として、ポリマーエマルジョンやラテックスエマルジョンを含み、水希釈してペースト状またはパテ状としたポリマーセメントモルタルを塗布する。この際、ポリマーセメントモルタルを金鏝、左官刷毛、ウールローラーなどでコンクリート構造物の表面に摺り込むようにして塗布し、コンクリート構造物の表面に平滑な下地を形成する(例えば、特許文献1参照。)。
ポリマーセメントモルタルが硬化した後、ポリマーセメントモルタルからなる下地の表面に、防水、防食、中性化抑制などのコンクリート構造物に要求される性能に適した表面被覆材を塗布する。
ポリマーセメントモルタルは、通常、ポルトランドセメント、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメントなどのセメントと、硅砂などの細骨材とを主成分とし、これらを結合するバインダーとしてポリマーエマルジョンやラテックスエマルジョンを含むものである。
ポリマーエマルジョンとしては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などの樹脂系エマルジョン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴムなどの合成ゴム系エマルジョン、天然ゴムエマルジョンなどが用いられている。
素地調整材としてのポリマーセメントモルタルは、コンクリート構造物の表面に存在する巣、痘痕、および凹凸を修正するために用いられる。また、ポリマーセメントモルタルが硬化してなる下地の厚みは薄くなっている。
ポリマーセメントモルタルは、セメントと水との水和反応によって硬化する。コンクリート構造物の表面に塗布後のポリマーセメントモルタルは、水を含みかつ厚みが薄いため、使用する季節によって水が蒸発したり、凍結したりするので、一年を通じて同一の物性を確保することができない。
特に、冬期の氷点下においてポリマーセメントモルタルを塗布するか、もしくは、ポリマーセメントモルタルを塗布後、硬化反応(水和反応)の途中で氷点下になった場合には、水の凍結により、ポリマーセメントモルタルは全く物性が発現しない。
一方、夏期の炎天下では、気温や日射によって、塗布後のポリマーセメントの表面より水が蒸発し、水和反応に必要な水が失われて、ポリマーセメントの表面または内部まで物性が発現しない。
さらに、ポリマーセメントモルタルに含まれるポリマーエマルジョンは、冬期の氷点下で貯蔵すると凍結して、破壊するため、ポリマーセメントモルタルは使用できなくなってしまう。
また、通常の状態で水和反応し、硬化したポリマーセメントモルタルであっても、構成が粗く、通気性や透水性を有している。
ポリマーセメントモルタルと同様に、コンクリート構造物の内部にも水和反応に要した水以外に、コンクリート打設時に必要な水が余剰水として残留している。この余剰水は、外気との平衡状態を得るために、徐々に水蒸気として蒸発する。この水蒸気が多量に通る部分が痘痕となって、コンクリート構造物の表面に残留する。
このように表面に痘痕が存在するコンクリート構造物に表面被覆材を塗布した場合、表面被覆材が硬化する際に、コンクリート構造物の内部から発生した水蒸気が痘痕を通って放出され、表面被覆材に欠陥を生じることがある。表面被覆材が水蒸気により破けずに硬化した場合、表面被覆材の膨れ(ブリスタリング)が発生する。一方、表面被覆材が水蒸気により破けた場合、表面被覆材にはピンホールが発生する。
このような膨れ(ブリスタリング)やピンホールを発生させる水は、コンクリート打設時にポリマーセメントモルタルに配合される水以外に、コンクリート硬化後、雨水などのコンクリート構造物の表面から侵入する水である。
また、ポリマーセメントモルタルは弾性を有していない。そのため、ポリマーセメントモルタルは、コンクリート構造物の乾燥収縮などによって発生するひび割れ(クラック)に追従することができない。加えて、ポリマーセメントモルタルにもひび割れが発生して、表面被覆材にそのひび割れ挙動が伝わって、表面被覆材にもひび割れが発生することがある。
特開平7−197670号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、作業性に優れ、季節による硬化性に変化がなく、表面被覆材の膨れやピンホールの発生を抑制し、さらには、硬化後の表面被覆材にひび割れ挙動を伝えることのないコンクリート構造物の表面被覆方法およびコンクリート構造物の表面被覆構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、コンクリート構造物の表面に素地調整層を形成した後、該素地調整層の表面に表面保護層を形成するコンクリート構造物の表面被覆方法において、前記素地調整層を、粘度10mPa・s〜300,000mPa・s、チクソトロピー指数1.0〜20.0の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂で形成するコンクリート構造物の表面被覆方法を提供する。
上記コンクリート構造物の表面被覆方法において、前記素地調整層を、粘度100,000mPa・s〜200,000mPa・s、チクソトロピー指数5.0〜15.0の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂で形成することが好ましい。
上記コンクリート構造物の表面被覆方法において、前記コンクリート構造物の表面に、前記一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または前記二液硬化型ポリウレタン樹脂を摺り込むように塗布することが好ましい。
上記コンクリート構造物の表面被覆方法において、前記一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または前記二液硬化型ポリウレタン樹脂は、充填材を含むことが好ましい。
上記コンクリート構造物の表面被覆方法において、前記一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、潜在性硬化剤を含むことが好ましい。
上記コンクリート構造物の表面被覆方法において、前記コンクリート構造物と前記素地調整層を、プライマーを介して接合することが好ましい。
本発明は、上記コンクリート構造物の表面被覆方法によって施工されたコンクリート構造物の表面被覆構造を提供する。
本発明のコンクリート構造物の表面被覆方法によれば、コンクリート構造物の表面と素地調整層との接着一体性が向上するから、素地調整層によって、コンクリート構造物の内部から発生する水蒸気が拡散するのを抑制することができるため、表面被覆材の膨れやピンホールの発生を抑制することができる。
本発明のコンクリート構造物の表面被覆方法は、粘度10mPa・s〜300,000mPa・s、チクソトロピー指数1.0〜20.0の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂を用いるから、これらが硬化してなる素地調整層は、季節による硬化性に変化がなく均一の物性を有し、さらには、硬化後の表面被覆材にひび割れ挙動を伝えることがない。また、粘度10mPa・s〜300,000mPa・s、チクソトロピー指数1.0〜20.0の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂は、コンクリート構造物の表面に存在する巣や痘痕の中に摺り込み易く、かつ、コンクリート構造物の表面に塗布した後に流動し難いので、これらのポリウレタン樹脂を用いることにより、作業効率が向上する。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態を説明する概略図であり、(a)は断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図である。
図中、符号1はコンクリート構造物、2は一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂からなる素地調整層、3は表面保護層を示す。
まず、この実施形態の表面被覆構造について説明する。
素地調整層2は、コンクリート構造物1の表面に塗布した一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂が硬化することによって形成されるものである。
素地調整層2を形成する一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂としては、コンクリート構造物1の表面に存在する巣や痘痕(図1(b)中、符号1a、1b、1cで示した部分)の中に容易に摺り込むことができ、かつ、コンクリート構造物1の表面に塗布した後に流動し難いものが用いられる。一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂としては、具体的には、粘度10mPa・s〜300,000mPa・s、かつ、チクソトロピー指数1.0〜20.0のものが好ましく、粘度100,000mPa・s〜200,000mPa・s、かつ、チクソトロピー指数5.0〜15.0のものがより好ましい。このような物性を有する一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、図1(b)中、符号1a、1b、1cで示したように複雑な形状の巣や痘痕の中に、容易に摺り込むことができる。
チクソトロピー指数(thixotropy index)は、チクソトロピー性の評価に使用される指数であり、この指数が大きいほど、チクソトロピー性が大きいことを表している。
一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂の粘度が10mPa・s未満あるいは300,000mPa・sを超え、または、チクソトロピー指数が1.0未満あるいは20.0を超えると、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、コンクリート構造物1の表面に存在する巣や痘痕の中に摺り込み難くなり、コンクリート構造物1の表面に塗布した後に流動し易くなる。
また、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂としては、硬化後の弾性率が低く、適度な伸びや柔軟性を有する材料が望ましい。素地調整層2がこのような材料で形成されていれば、素地調整層2は、温度変化による物性の変動が少なく、コンクリート構造物1の撓みなどによる変形に追従して変形し、破断し難いから、コンクリート構造物1の表面に長期に渡って安定に接着する。
さらに、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、ケチミン、アルジミンなどの潜在性硬化剤を含んでいてもよい。潜在性硬化剤を含む一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂を用いた場合、養生中の表面が湿った状態のコンクリート構造物1に素地調整層2を形成すると、コンクリート構造物1の表面の水分が潜在性硬化剤を含む一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂に取り込まれ、この水分によって潜在性硬化剤を含む一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂が硬化するから、コンクリート構造物1の表面と素地調整層2との接着一体性が向上する。また、素地調整層2の施工時に、コンクリート構造物1の表面に存在していた水分が、潜在性硬化剤を含む一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂に取り込まれる構成であれば、この水分がコンクリート構造物1と素地調整層2の界面に拡散して、両者の密着度を劣化させるといった不都合を防止でき、長期耐久性に優れた素地調整層2を得ることができる。
素地調整層2を形成する二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂としては、コンクリート構造物1の表面に存在する巣や痘痕(図1(b)中、符号1a、1b、1cで示した部分)の中に容易に摺り込むことができ、かつ、コンクリート構造物1の表面に塗布した後に流動し難いものが用いられる。二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂としては、具体的には、粘度10mPa・s〜300,000mPa・s、かつ、チクソトロピー指数1.0〜20.0のものが好ましく、粘度100,000mPa・s〜200,000mPa・s、かつ、チクソトロピー指数5.0〜15.0のものがより好ましい。このような物性を有する二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、図1(b)中、符号1a、1b、1cで示したように複雑な形状の巣や痘痕の中に、容易に摺り込むことができる。
二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂の粘度が10mPa・s未満あるいは300,000mPa・sを超え、または、チクソトロピー指数が1.0未満あるいは20.0を超えると、二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、コンクリート構造物1の表面に存在する巣や痘痕の中に摺り込み難くなり、コンクリート構造物1の表面に塗布した後に流動し易くなる。
また、二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂としては、硬化後の弾性率が低く、適度な伸びや柔軟性を有する材料が望ましい。素地調整層2がこのような材料で形成されていれば、素地調整層2は、温度変化による物性の変動が少なく、コンクリート構造物1の撓みなどによる変形に追従して変形し、破断し難いから、コンクリート構造物1の表面に長期に渡って安定に接着する。
上記のような一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂および二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、コンクリート構造物1の表面に存在する巣や痘痕(図1(b)中、符号1a、1b、1cで示した部分)の中に入り込んだ状態で硬化させることができる。したがって、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂が硬化してなる素地調整層2が、コンクリート構造物1の巣や痘痕(図1(b)中、符号1a、1b、1cで示した部分)に係止すること(アンカー効果)により、コンクリート構造物1の表面から剥離し難くなり、コンクリート構造物1の表面に長期に渡って安定に接着する。
一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂および二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、充填材を含んでいてもよい。一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂および二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂が充填材を含んでいることにより、これらのポリウレタン樹脂の硬化時における収縮を低減し、硬化後の硬度を向上することができる。充填材の添加量は、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液湿気硬化型ポリウレタン樹脂の100重量部に対して約5〜100重量部の割合とする。
充填材としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、ケイ藻土、およびこれらを脂肪酸や脂肪酸エステルにて表面処理したものなどの微粉末からなる無機系充填材、無機繊維、合成繊維、天然繊維などの有機系充填材が用いられる。
表面保護層3は、素地調整層2の表面に塗布した合成樹脂が硬化することによって形成されたものである。
表面保護層3は、防水、防食、中性化抑制、コンクリート片の剥落対策など、コンクリート構造物に要求される性能を確保する層、または、耐候性や意匠性を確保する層のいずれか一方、あるいはこれら両方の層からなるものである。
コンクリート構造物に要求される性能を確保する層を形成する合成樹脂としては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、メチルメタクリレート系樹脂などの有機系の塗料が挙げられる。
また、コンクリート構造物に要求される性能を確保する層を形成する合成樹脂は、通常、単独で用いられるが、必要に応じて、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)などの補強繊維からなる織布、不織布またはチョップドストランドマットなどと併用される。これらの織布、不織布またはチョップドストランドマットを用いる場合、これらを素地調整層2の表面にラミネートした後に、コンクリート構造物に要求される性能を確保する層を形成する樹脂を塗布する。
耐候性や意匠性を確保する層を形成する合成樹脂としては、アクリル樹脂系、アクリルウレタン樹脂系、ウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、シリコンウレタン樹脂系、シリカ系などの有機系または無機系の塗料が挙げられる。
次に、この実施形態のコンクリート構造物の表面被覆方法について説明する。
この実施形態のコンクリート構造物の表面被覆方法では、まず、コンクリート構造物1の表面をサンドブラスト、ウォータージェット、サンダーなどによって研磨して、コンクリート構造物1の表面の脆弱層を完全に除去して、表面を平滑にする。また、コンクリート構造物1の表面に突起物や段差などがある場合、動力工具や手工具を併用して、表面を平滑にする。コンクリート構造物1の表面の素地調整層2が形成される部分(被形成面)を全て平滑処理した後、ブラシ、エアーブローなどで被形成面を清掃し、塵埃や異物を完全に除去する。
次いで、清掃済みのコンクリート構造物1の表面に、素地調整層2を形成する。素地調整層2をコンクリート構造物1の表面に形成する方法としては、上記の素地調整層2を形成する一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、金鏝、左官刷毛、ウールローラー、レーキなどによって塗布する方法など、各種採用できる。素地調整層2を形成する際には、金鏝、左官刷毛、ウールローラー、レーキなど用いて、上記の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂を、コンクリート構造物1の表面に存在する巣や痘痕(図1(b)中、符号1a、1b、1cで示した部分)の中に摺り込むように塗布することが好ましい。
また、この工程において、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂を適量の溶剤または水で希釈して、所望の粘度に調整した後、コンクリート構造物1の表面に塗布してもよい。このようにすれば、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂は、コンクリート構造物1の表面に存在する巣や痘痕の中に入り込み易くなるため、作業効率が向上する。
次いで、素地調整層2の表面に、表面保護層3を形成し、表面被覆構造を得る。表面保護層3を素地調整層2の表面に形成する方法としては、特に限定はなく、上記の表面保護層3を形成する合成樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや鏝もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用可能である。
(第二の実施形態)
図2は、本発明の第二の実施形態を説明する概略断面図である。
図2において、図1に示した第一の実施形態の構成部分と同じ構成部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態は、コンクリート構造物1と素地調整層2の間に、プライマー層4を設ける点で、第一の実施形態と異なる。
まず、この実施形態の表面被覆構造について説明する。
プライマー層4は、コンクリート構造物1および素地調整層2との親和性を有するものであることが好ましく、コンクリート構造物1の表面が湿っている場合にも施工することがあるから、湿潤面に接着可能であるものが好ましい。プライマー層4を構成するプライマーとしては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂を主成分とし、粘度10mPa・s〜20,000mPa・s程度の溶剤系または水系のプライマーが用いられる。また、プライマー層4を構成するプライマーとしては、一液硬化型でも二液硬化型でもよく、コンクリート構造物1が強アルカリを呈するため、耐アルカリ性が高いものが望ましい。
また、プライマー層4を構成するプライマーには、コンクリート構造物1および素地調整層2との接着力を向上させるために、セメントまたはシラン系カップリング剤のいずれか一方、あるいは、これらの両方が添加されていてもよい。
次に、この実施形態のコンクリート構造物の表面被覆方法について説明する。
この実施形態のコンクリート剥落防止方法では、まず、第一の実施形態と同様にコンクリート構造物1の表面の脆弱層や、その他の塵埃や異物を完全に除去する。
次いで、清掃済みのコンクリート構造物1の表面に、上記のプライマーを塗布してプライマー層4を形成する。このプライマーの塗布方法としては、特に限定はなく、例えば、スプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーや刷毛もしくはレーキを用いた塗布など、各種採用可能である。プライマー層4を形成する際には、ローラー、刷毛、金鏝、レーキなど用いて、プライマーを、コンクリート構造物1の表面に存在する巣や痘痕の中に摺り込むように塗布することが好ましい。
次いで、コンクリート構造物1の表面(詳細には、プライマー層4の表面)に、素地調整層2を形成する。素地調整層2をコンクリート構造物1の表面に形成する方法としては、上記の素地調整層2を形成する一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラー、刷毛、金鏝、レーキなどによって塗布する方法など、各種採用できる。素地調整層2を形成する際には、ローラー、刷毛、金鏝、レーキなど用いて、上記の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂を、コンクリート構造物1の表面に存在する巣や痘痕の中に摺り込むように塗布することが好ましい。
また、この工程においても、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂を適量の溶剤または水で希釈して、所望の粘度に調整して用いてもよい。
次いで、素地調整層2の表面に、表面保護層3を形成し、表面被覆構造を得る。表面保護層3を素地調整層2の表面に形成する方法としては、特に限定はなく、上記の表面保護層3を形成する合成樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、または、ローラーや鏝もしくはレーキによって塗布する方法など、各種採用可能である。
本発明のコンクリート構造物の表面被覆方法は、建築防水、土木防水、コンクリート防食、コンクリート保護工にも適用可能である。
本発明の第一の実施形態を説明する概略図であり、(a)は断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図である。 本発明の第二の実施形態を説明する概略断面図である。
符号の説明
1・・・コンクリート構造物、2・・・素地調整層、3・・・表面保護層、4・・・プライマー層。

Claims (7)

  1. コンクリート構造物の表面に素地調整層を形成した後、該素地調整層の表面に表面保護層を形成するコンクリート構造物の表面被覆方法において、
    前記素地調整層を、粘度10mPa・s〜300,000mPa・s、チクソトロピー指数1.0〜20.0の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂で形成することを特徴とするコンクリート構造物の表面被覆方法。
  2. 前記素地調整層を、粘度100,000mPa・s〜200,000mPa・s、チクソトロピー指数5.0〜15.0の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または二液硬化型ポリウレタン樹脂で形成することを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物の表面被覆方法。
  3. 前記コンクリート構造物の表面に、前記一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または前記二液硬化型ポリウレタン樹脂を摺り込むように塗布することを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート構造物の表面被覆方法。
  4. 前記一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂または前記二液硬化型ポリウレタン樹脂は、充填材を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のコンクリート構造物の表面被覆方法。
  5. 前記一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、潜在性硬化剤を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコンクリート構造物の表面被覆方法。
  6. 前記コンクリート構造物と前記素地調整層を、プライマーを介して接合することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコンクリート構造物の表面被覆方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のコンクリート構造物の表面被覆方法によって施工されたことを特徴とするコンクリート構造物の表面被覆構造。

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