JP2009074359A - コンクリート水路改修構造および改修方法 - Google Patents

コンクリート水路改修構造および改修方法 Download PDF

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治 益田
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Abstract

【課題】下地が水分を含んだ状態でも補修作業をすることが可能であり、漏水性能にも優れ目地からの亀裂の発生も少ないコンクリート水路改修構造を提供する。
【解決手段】コンクリート水路1の内面に少なくともセメントとポリマー分からなる接着層3、防水シート4、少なくともセメントとポリマー分からなる表面層5の順で積層配置したコンクリート水路の改修構造において、コンクリート水路1の内面下地2の少なくとも一部に配置する表面層5は、それぞれ固形分でセメント100質量部に対してポリマーを10〜100質量部、水を30〜70質量部の割合で配合してなる伸縮性ポリマーセメントペーストを用いた。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートからなりU字形状等の水路部材を並べて形成した水路の漏水を防止するための改修構造および改修方法であり、水路内が水分を含んだ湿潤下地であっても強固に接着・防水が可能である改修構造に関する。
従来、農業用、工業用、一般の用水路や排水路として、U字形状のコンクリート水路部材が地面に埋め込まれるような形態でよく用いられている。一定長の水路部材を直列に並べて延長し、目地部には例えばアスファルト組成物等からなるシール材を介在させるなどして漏水しないようにして用いられている。
しかし、コンクリート製の水路は水路を埋め込んだ地盤の挙動、天候によるコンクリートの乾燥収縮、環境温度の変化に伴うコンクリートの伸縮等によって比較的短期間の内に水路部材自身に亀裂が発生するという問題があった。また、前記のように一定長の水路部材を長手方向に並べて延長し、長い水路を形成していることから水路部材同士の間に目地がある。この目地をシールするために木材を挟み込んだものやアスファルトピッチを流し込んだもの等が使用されている。これらは止水処理が完全であるとは言えず目地からの漏水は避けられなかった。
このようなコンクリート水路の場合亀裂の発生や目地部のシール性が低下することによって一旦漏水が発生すると、水路下の土砂が侵食され、さらには亀裂の成長によって漏水量が多くなり、水路及び地盤が崩壊するということがあった。特に、水路付近に民家等が存在する場合には、非常に危険な問題となっていた。
しかし、コンクリートで全面改修するには膨大な費用と工期を要するため、漏水が発生すると亀裂等の漏水部分にシール材、注入剤、モルタル等を充填して補修していた。また、漏水のひどいところについては、そのコンクリート水路部材自体を撤去して、再度型枠を組んだ後に、コンクリートを打設して新たに水路部材を形成するといった方法が採られていた。
補修に要する費用を低減し工期を短縮できるような方法として、例えば特許文献1には損傷した水路部材を補修するためにポリウレタン樹脂塗料を用いており、水路の内面に厚く塗布して膜厚の厚い塗膜層を形成することによって、漏水を止めるとともに水路の形状も整える補修工法が開示されている。
また、特許文献2にはコンクリート水路上に、防錆性の鉄板を複数敷設配置して長手方向に連結し、敷設した鉄板とコンクリート水路との間に凝固性のある充填材を注入することによって、低コストでしかも工期を短縮できる補修方法が開示されている。
特許文献3には水路内に遮水性を有するシートを介在してFRP板を水路内面にアンカー止めすることで水路を補修するとともに漏水防止性能も持たせることが開示されている。
特許文献4には、水路内にレジンコンクリートからなるパネル材を接着剤で取り付けて、水路が損傷したり漏水したりしているのを補修する方法が開示されている。
特開平11−172654号公報 特開2002−54120号公報 特開2002−266337号公報 特開2003−306923号公報
特許文献1では、補修する際に水路内の水分を少ない状態にしなければならないこと、またウレタンの膜厚の厚い塗膜層を形成する作業にも少なからず時間がかかってしまうという問題がある。
特許文献2では水路にちょうど嵌め込むことができる鉄板を水路の長さ分準備しなければならず、重量物となるので搬入にも手間がかかり、また作業性も良好とはいえない。
特許文献3ではFRP板をボルト等のアンカー材で水路部材に固定しており、遮水性を持たせたい場合、遮水層にはアンカー部材が貫通しているために、その貫通口から後に漏水が発生してしまうといった可能性がある。
特許文献4では、パネルを貼り付けていく方法であり、漏水が発生しやすい箇所であるパネル同士の目地が多くできてしまうので、将来の漏水性能に不安を残す方法であるということができる。
また、その他の問題として、U字形状の水路内において側面は地面に対して略垂直面であることから、側面への塗膜層の形成は比較的困難な作業であるということができる。例えば塗膜剤の粘度が低すぎると液垂れが起こりやすく必要な厚みを確保するのが難しくなること、逆に粘度が高すぎると作業性が悪くなること、また、所定の厚みに設定することや仕上げ面を形成する作業が専門の職人でなければできない場合があるといったことが挙げられる。
そこで本発明では、下地が水分を含んだ状態でも補修作業をすることが可能であり、漏水防止性能にも優れ、またU字溝の側面においても所定の厚みを確保して仕上げ面を形成した塗膜層を容易に形成することができるコンクリート水路改修構造の提供を課題とする。
このような課題を解決するために本発明の請求項1では、コンクリート水路内面に少なくともセメントとポリマー分からなる接着層、防水シート、少なくともセメントとポリマー分からなる表面層の順で積層配置したコンクリート水路の改修構造において、コンクリート水路内面の少なくとも一部に配置する表面層はセメント100質量部に対してポリマーを10〜100質量部、水を30〜70質量部の割合で配合してなる伸縮性ポリマーセメントペーストを用いたことを特徴とする。
請求項2では、コンクリート水路が底面及び該底面の両側端から立ち上がる側面を有する断面略U字形状の部材であり、側面に配置する表面層には伸縮性ポリマーセメントペーストを配置してなる請求項1記載のコンクリート水路改修構造としている。
請求項3では、コンクリート水路内面のすべての表面層に伸縮性ポリマーセメントペーストを配置してなる請求項1記載のコンクリート水路改修構造。
請求項4では、コンクリート水路内面の少なくとも一部に配置する表面層は、それぞれ固形分でセメント100質量部に対してポリマーを60〜100質量部、水を30〜60質量部の割合で配合してなる伸縮性ポリマーセメントペーストを用いた請求項1〜3のいずれかに記載のコンクリート水路改修構造。
請求項5では、コンクリート水路内面に少なくともセメントとポリマー分からなる接着層、防水シート、セメントとポリマー分からなる表面層の順で積層配置するコンクリート水路の改修工法において、水路内面の下地上に少なくともセメントと樹脂エマルションからなる接着剤を塗布して接着層を形成し、その上に防水シートを敷設し、更にその上から少なくともセメントと樹脂エマルションからなる表面層を塗布形成する改修方法であり、表面層の少なくとも一部にセメント100質量部に対してポリマーを10〜100質量部、水を30〜70質量部の割合で配合してなる伸縮性ポリマーセメントペーストを用いたことを特徴とする。
請求項6では、コンクリート水路が底面及び該底面の両側端から立ち上がる側面を有する断面略U字形状の部材であり、側面に配置する表面層には伸縮性ポリマーセメントペーストを配置してなる請求項4記載のコンクリート水路改修方法としている。
請求項7では、コンクリート水路内面のすべての表面層に伸縮性ポリマーセメントペーストを配置してなる請求項4記載のコンクリート水路改修方法としている。
請求項8では、コンクリート水路内面の少なくとも一部に配置する表面層は、それぞれ固形分でセメント100質量部に対してポリマーを60〜100質量部、水を30〜60質量部の割合で配合してなる伸縮性ポリマーセメントペーストを用いた請求項5〜7のいずれかに記載のコンクリート水路改修方法。
請求項1および請求項5では、水路内の表面層としてセメントとポリマーと水を所定割合で配合した伸縮性を有するポリマーセメントペーストを配置していることから、表面層を薄くすることができ、塗布形成する作業も比較的容易行うことができるとともに、乾燥収縮によるひび割れの問題が発生しにくい。そのことから水路の目地を特に意識することもなく、施工時間も短時間にすることができる。
請求項2および請求項6では、特に水路内の側面に伸縮性ポリマーセメントペーストにて表面層を形成するとしており、立ち上がり面で表面層を形成する作業中に垂れるなどの問題がおきやすい面であっても、塗布による薄塗りが可能であり、経験の豊富な職人を必要としない。
請求項3および請求項7では、コンクリート水路内面のすべてに伸縮性ポリマーセメントペーストを用いるものであり、水路の内面は全面に渡って継ぎ目のない表面層を形成することができ、塗布作業も容易であり、水路の継ぎ目であってもシール材などで目地を形成する必要もなく、また、ひび割れなどの問題の発生しない水路の構造を得ることができる。
請求項4および請求項8では、セメントとポリマーと水との配合割合を更に限定的にしており、表面層における乾燥収縮によるひび割れの問題を、より発生しにくく良好な防水構造とすることができる。
本発明は、図1に示すような略U字形状でコンクリート製の水路を改修する構造及び方法に関するものである。コンクリート製の水路部材1の内面を下地2として、まず少なくともセメントと樹脂エマルションなどのポリマー成分からなるポリマーセメントペーストを接着層3として塗布し、そしてその上から防水シート4を敷設して接着し、次いで防水シート4の上から更にセメントとポリマー成分と水を所定割合で配合した伸縮性を有するポリマーセメントペーストを表面層5として塗布積層したものであり、下地2からポリマーセメントペーストからなる接着層3、防水シート4、伸縮性を有するポリマーセメントペーストからなる表面層5の順で積層された構造を有する。この中でも伸縮性を有するポリマーセメントペーストからなる表面層5を形成することが本発明の特徴部分であり、重要な構成であるといえる。
接着層3は少なくともセメントと樹脂エマルションを配合したポリマーセメントペーストからなり、セメントとしては水和硬化性粉体で一般的なポルトランドセメントやアルミナセメント、フライアッシュセメント、シリカセメント、マグネシアセメント、急硬性セメントなどを挙げることができ、樹脂エマルションとしては、エチレン酢酸ビニル(EVA)、変性EVA、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルスチレン、SBR、CRなどを挙げることができる。樹脂エマルションはこれらの中では接着性とコストの面からエチレン酢酸ビニル樹脂を用いることが実用的で好ましい。
そしてセメントと樹脂エマルションとの配合において、セメント/樹脂エマルションの固形分比を100/20〜100/200の範囲、更に好ましくは100/60〜100/100の範囲とすることによって接着層3自身に防水性能を持たせることができるので、防水シート4と接着層3の両方で防水することができるので好ましい。前記固形分比において樹脂エマルションの固形分が100/20未満、より好ましくは100/60未満であると透水量が多くなって水密性が乏しく伸縮性が減少し好ましくない。逆に100/200、より好ましくは100/100を超えると下地への塗布がしにくくなるとともに、1回の塗布量が少なくなり、所定の塗布量を得るには塗布回数を多くする必要があり、作業性の面で好ましくない。
接着層3の塗布厚みとしては1〜5mm程度で、塗布量としては2〜10kg/m程度が好ましい。厚みが1mm未満であるとその上に敷設する防水シート表面の凹凸によるアンカー硬化が少なくなり、防水性能を十分に確保することができない。一方、5mmを超える厚みとなると、硬化するのに長時間を要することになるので好ましくない。
また、図示はしないが下地2に接着層3を塗布するに先立って、プライマーを下地2に塗っておいてもよい。下地2のコンクリート表面には図示していないが、通常、細かな孔が存在していることから、直接、ポリマーセメントペーストからなる接着層3に塗ると孔内の空気によって気泡が生じ、ピンホールになり易いため下地2に接着層3を塗る前に予めプライマーを塗布することでその様な問題を防止することができる。素材としてはエチレン酢酸ビニル(EVA)、変性EVA、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルスチレン、SBR、CR等のエマルションを用いることができる。
防水シート4の素材としてはエチレン・プロピレン・ターポリマー(EPDM)、ブチルゴム(IIR)あるいはこれらのブレンド物などの加硫ゴムシートやポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂ならびにその変性体などの熱可塑性樹脂防水シートが挙げられる。厚みは0.5〜2.0mm程度が好ましく、簡単に破断しないよう強度を持たせるためにゴム中にポリエステル繊維、綿、ポリアミド繊維などからなる基布を埋設したものを用いてもよい。シートが露出しないような用途の場合は少し耐候性に劣るところがあるもののスチレンブタジエンゴムやニトリルゴム、天然ゴムを用いることも可能である。防水シート4の厚みが0.5mm未満であると強度不足となりシートが破断してしまうといった問題があり、2.0mmを超える厚みであると柔軟性が失われて出入隅部などに沿いにくくなるので好ましくない。
また、防水シート4の別の例として図2に示すようなものを挙げることができる。図2の防水シート4は、ゴムシートからなるシート本体4aと該シート本体4aに目付量が10〜70g/mの不織布4bを貼り合わせて一体化しており、接着層3に不織布4bの面を重ねることによってポリマーセメントペーストである接着層3を不織布4bに含浸させて物理的な効果等により防水シート4と接着層3を固定することができる。不織布4bは、シート本体4aの両面に配置することによって上面の不織布4bにも表面層5が含浸して防水シート4との間を強固に固定することができるので好ましい形態ということができるが、片面だけであっても構わない。
不織布4aの目付量が10g/m未満であると不織布12の強度が不足して不織布自身が容易に破壊されるので剥がれが生じやすくなり、70g/mを超えるとポリマーセメントペーストからなる接着層3の不織布4bへの含浸が不十分になることから固定力が小さくなってポリマーセメントペーストと不織布との間で剥離しやすくなるので好ましくない。
不織布4bのシート本体4aへの貼り合わせは、ゴムからなるシート本体4aを加硫した際の熱を利用して圧着ロールで不織布4bを熱により圧着する方法を採ることができる。また、シート本体4aと不織布4bとの間の接着強度を高めるためにシート本体4aに融着層4cを介在させておき、そこに不織布4bを重ね合わせて加熱圧着してよい。そうすることによって不織布4bをシート本体4aに対して容易に融着させることができるとともに接着強度も十分に大きなものを得ることができる。
不織布4bとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨンなどの素材を挙げることができ、特にポリエステルからなるものがポリマーセメントペーストからなる接着層3との接着が良好であることから好ましい。
本発明の特徴部分である表面層5は、少なくともセメントと樹脂エマルションとからなるものであるが、表面に位置する層であることからある程度の強度を有する必要があるとともに下地の動きに追従できる程度の伸びを有することが好ましく、表面層はセメント100質量部に対してポリマーを10〜100質量部、水を30〜70質量部の割合で配合した伸縮性を有するポリマーセメントペーストを用いている。
そうすることによって表面層の施工性を損なうことなく十分な伸びを持たせることができ、下地のずれや動きがあっても表面層に断裂したり浮きが生じたりするといった問題を防止することができる。場合によっては、更に砂などの骨材を必要な伸縮性を損なわない程度に混入した一般的にポリマーセメントモルタルと呼ばれるものとしてもよく、骨材を配合することによって、耐衝撃性などの強度を向上させることができ、防水性能の耐久性を増すことができる。しかし、表面層5の伸縮性を十分に保つために前記骨材の配合比率はセメント100質量部に対して75質量部以下とする。また、骨材を配合することによる効果を得るには15質量部以上配合することが好ましい。表面層5で用いることができるセメントや樹脂エマルションのようなポリマーは接着層3に用いるものと同様のものが挙げられる。
本発明のコンクリート水路改修構造および改修方法は、以上説明したような構成からなるものであるが、実際に水路に該構造を形成する場合には、例えば図1に示すように水路部材1の側面Sと底面Tとに分けて次のような手順で工事を行う。まず、水路部材1の側面Sにポリマーセメントペーストを塗布して接着層3を形成する。そして防水シート4を敷設して接着層3を硬化させ、防水シート4が接着層3に接着されるのを待ち、次に底面Tにポリマーセメントペーストを塗布して接着層3を形成した上に防水シート4を敷設して底面の接着層3と防水シート4を接着させる。そして、接着層3が硬化したら最後に防水シート4上に伸縮性を有するポリマーセメントペーストを塗布して表面層5を形成する。
次に水路を形成するときにコンクリートからなる水路部材1を長手方向に複数並べることによって必要な長さを形成するが、隣接する水路部材1同士の間に図3に示すように目地部6ができることになる。コンクリート製の水路部材1は湿度の変化や温度の変化によって伸び縮みすることや地盤沈下等でズレが発生することがあるので予め10〜40mm程度の隙間を開けて木材やアスファルト等が既設の目地材として充填されている。目地部6は特に漏水を起こしやすい箇所であり改修の際には、この目地部6をより補強することが好ましい。よって、他の箇所と比べると特別な構造を採るのが通常であるが、本発明のように表面層5に伸縮性を有するポリマーセメントペーストを用いることによって、特別な構造を採ることなく水路部材1の目地部6の動きを吸収することも可能である。
もちろん、水路部材1の目地部6において補強のために特別な構造を採ってもかまわない。その例としては図4のような構成が挙げられる。図4では、下地2の上に少なくともセメントと樹脂エマルションなどのポリマー分からなる第2接着層7、第2防水シート8、接着層3、防水シート4、表面層5の順で積層している。目地部6を含む領域において他の箇所と比べて、下地2と接着層3との間に更に第2接着層と第2防水シートを配置しており、より防水性を高めることができる。
以下、表面層5の配合比率を変化させて試験体を作成し、それぞれの塗布性を評価するとともに物性を測定し、保護層の外観を観察することで比較試験を行った。
(実施例1)
表1に示すようにセメントを50%含んだ粉体(PX粉体 三ツ星ベルト社製)とポリマー固形分が45%の樹脂エマルション(WDプライマーA 三ツ星ベルト社製)とを150:100の割合配合し、骨材はまったく配合していないポリマーセメントペーストを表面層として形成した。その試験片の引張強さおよび伸び率を測定すると共に、(1)80℃のオーブン中で7日間乾燥させたもの、(2)気温30℃にて7日間暴露乾燥させたもの、(3)気温25℃の室内で乾燥させたものをそれぞれ表面層の様子を観察した。その結果を表2に示す。
(実施例2)
表1に示すようにセメントを50%含んだ粉体(PX粉体 三ツ星ベルト社製)とポリマー固形分が45%の樹脂エマルション(WDプライマーA 三ツ星ベルト社製)とを150:100の割合配合し、骨材を15質量部配合したポリマーセメントペーストを表面層として形成した。その試験片の引張強さおよび伸び率を測定すると共に、(1)80℃のオーブン中で7日間乾燥させたもの、(2)気温30℃にて7日間暴露乾燥させたもの、(3)気温25℃の室内で乾燥させたものをそれぞれ表面層の様子を観察した。その結果を表2に示す。
(比較例)
表1に示すようにセメントを50%含んだ粉体(PX粉体 三ツ星ベルト社製)とポリマー固形分が45%の樹脂エマルション(WDプライマーA 三ツ星ベルト社製)とを150:100の割合配合し、骨材を75質量部配合したポリマーセメントペーストを表面層として形成した。その試験片の引張強さおよび伸び率を測定すると共に、(1)80℃のオーブン中で7日間乾燥させたもの、(2)気温30℃にて7日間暴露乾燥させたもの、(3)気温25℃の室内で乾燥させたものをそれぞれ表面層の様子を観察した。その結果を表2に示す。
Figure 2009074359
Figure 2009074359
表2の結果からセメントとポリマー固形分の比率が100/40〜100/70の範囲とするとともに骨材の配合量を所定以下の配合比率とすることによって、塗布性も全般的に良好であり、しかも伸びの性能が高く下地にクラックが発生するなどのずれや動きに対する追従性が高くクラックや浮きなどの発生を防止できる。
それに対して比較例では表面層へのクラックの発生が顕著であり、骨材の配合割合が大きいことから伸縮性に乏しいことよりこのような結果になったものと考えられる。また、実施例同士であっても実施例2よりも実施例1のほうがクラックが発生しにくいという結果になっており、骨材をまったく配合しないほうがクラックの発生防止の面では好ましい形態であるということがわかった
コンクリート水路の改修に利用することができる。
本発明のコンクリート水路改修構造を示す断面図である。 防水シートの一例を示す断面図である。 目地部における構造を示す断面図である。 目地部における構造の別の例を示す断面図である。
符号の説明
1 水路部材
2 下地
3 接着層
4 防水シート
5 表面層
6 目地部
7 第2接着層
8 第2防水シート
S 側面
T 底面

Claims (8)

  1. コンクリート水路内面に少なくともセメントとポリマー分からなる接着層、防水シート、少なくともセメントとポリマー分からなる表面層の順で積層配置したコンクリート水路の改修構造において、コンクリート水路内面の少なくとも一部に配置する表面層は、それぞれ固形分でセメント100質量部に対してポリマーを10〜100質量部、水を30〜70質量部の割合で配合してなる伸縮性ポリマーセメントペーストを用いたことを特徴とするコンクリート水路改修構造。
  2. コンクリート水路が底面及び該底面の両側端から立ち上がる側面を有する断面略U字形状の部材であり、側面に配置する表面層には伸縮性ポリマーセメントペーストを配置してなる請求項1記載のコンクリート水路改修構造。
  3. コンクリート水路内面のすべての表面層に伸縮性ポリマーセメントペーストを配置してなる請求項1記載のコンクリート水路改修構造。
  4. コンクリート水路内面の少なくとも一部に配置する表面層は、それぞれ固形分でセメント100質量部に対してポリマーを60〜100質量部、水を30〜60質量部の割合で配合してなる伸縮性ポリマーセメントペーストを用いた請求項1〜3のいずれかに記載のコンクリート水路改修構造。
  5. コンクリート水路内面に少なくともセメントとポリマー分からなる接着層、防水シート、少なくともセメントとポリマー分からなる表面層の順で積層配置するコンクリート水路の改修工法において、水路内面の下地上に少なくともセメントと樹脂エマルションからなる接着剤を塗布して接着層を形成し、その上に防水シートを敷設し、更にその上から少なくともセメントと樹脂エマルションからなる表面層を塗布形成する改修方法であり、表面層の少なくとも一部にセメント100質量部に対してポリマーを10〜100質量部、水を30〜70質量部の割合で配合してなる伸縮性ポリマーセメントペーストを用いたことを特徴とするコンクリート水路改修方法。
  6. コンクリート水路が底面及び該底面の両側端から立ち上がる側面を有する断面略U字形状の部材であり、側面に配置する表面層には伸縮性ポリマーセメントペーストを配置してなる請求項5記載のコンクリート水路改修方法。
  7. コンクリート水路内面のすべての表面層に伸縮性ポリマーセメントペーストを配置してなる請求項5記載のコンクリート水路改修方法。
  8. コンクリート水路内面の少なくとも一部に配置する表面層は、それぞれ固形分でセメント100質量部に対してポリマーを60〜100質量部、水を30〜60質量部の割合で配合してなる伸縮性ポリマーセメントペーストを用いた請求項5〜7のいずれかに記載のコンクリート水路改修方法。
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JP2019201583A (ja) * 2018-05-23 2019-11-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 農業用ハウスシステム

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