JP7184611B2 - セメント硬化体構造物の保護構造及びセメント硬化体構造物の保護工法 - Google Patents

セメント硬化体構造物の保護構造及びセメント硬化体構造物の保護工法 Download PDF

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Description

本発明は、セメント硬化体構造物の保護構造及びセメント硬化体構造物の保護工法に関する。
コンクリート構造物の強度は、コンクリートの経時変質によって大幅に低下する。例えば、コンクリートは、空気中の二酸化炭素によって徐々に中性化し、中性化が内部にまで進行すると、鉄筋が腐食してコンクリート構造物の強度が大幅に低下する。また、コンクリートは、雨等の水分の浸透によって結合力が低下し、それに伴い水分が徐々に内部にまで浸透すると、やはり鉄筋が腐食してコンクリート構造物の強度が大幅に低下する。このため、コンクリート構造物の強度低下を抑制する工法としては、二酸化炭素による中性化を防止する工法と、水分の浸透を防止する工法とが挙げられる。
二酸化炭素による中性化を防止する工法としては、コンクリート構造物の表面にエポキシ樹脂組成物などから成る塗材等を塗り重ねる方法(特許文献1)、コンクリート構造物の表面を、樹脂基材と炭素膜とを含む保護シートで被覆する方法(特許文献2)等が挙げられる。
水分の浸透を防止する工法としては、コンクリート構造物の表面に撥水剤を塗布する工法が知られている。撥水剤は、コンクリート構造物表面に撥水性膜を積層付与するものより、表面から内部に浸透して疎水層を形成し、水分や塩分等の侵入を防止してコンクリート構造物を保護する浸透性吸水防止材の方が耐久性の面で評価が高くなっている。このような浸透性吸水防止材としては、化学反応により強固な疎水層を形成するアルキルアルコキシシランを含む浸透型吸水防止材(特許文献3等)が知られている。
特開2003-342084号公報 特開2014-9508号公報 特開2008-013645号公報
本発明者は、コンクリートの中性化を抑制する工法による構造物の保護性能を検討したところ、コンクリートの中性化抑制を可能にする一方で、アルカリ性に保たれたコンクリート構造物の内部から進出する水分の影響でアルカリ水溶液が表面に滲出し、保護膜(防湿防水性シート)の剥離が生じるという新たな課題に直面した。
本発明は、以上の点に鑑み、保護膜(防湿防水性シート)の剥離を抑制するセメント硬化体保護構造およびセメント硬化体構造物の保護工法を提供することを目的とする。
コンクリートの中性化を抑制する工法では表面に保護膜が形成されるため、二酸化炭素の遮蔽のみならず、保護膜の防水性能によって雨等の水分が外部からコンクリートに浸透することも防止される。上述のとおり、コンクリートの保護工法として、外部からの水分の浸透を防止することに特化した工法もあるが、当該工法が塗布のみの簡便な方法で防水処理を可能にする技術であることに対し、コンクリートの中性化を抑制する工法はそれ自体が防水膜としても機能する保護膜をコンクリート表面に設けるものであって、外部からの二酸化炭素だけでなく外部からの水分浸透の課題も併せて解決されることから、それらの本質上、両工法が両立されることはない。さらに、外部からの水分の浸透を防止することに特化した工法が、新しいコンクリート建造物がコンクリート内部に残存する余剰水分を数年かけて自然蒸発させることで強度を確保させることを目的とした、いわば通気性の確保も重視する技術であることに対し、コンクリートの中性化を抑制する工法は二酸化炭素をはじめとする気体を完全に遮蔽することを目的とした技術であることから、それらの本質上、両工法の両立は相容れない。
しかしながら、本発明者は、コンクリートの中性化抑制工法において、保護膜の接着剤として湿気硬化型接着剤樹脂組成物を用いた場合に、本来的に両立され得ない工法である外部からの水分浸透防止工法を組み合わせることで、水分浸透防止工法によって形成されるコンクリート表層の改質層が、コンクリート内部から水蒸気(気体)を透過させて湿気硬化型接着剤樹脂組成物を硬化可能とするとともに、コンクリート内部から外への水分(液体)の浸潤は防止して保護膜の剥離を防止可能とすることを見出した。本発明は、これらの知見に基づき、さらに検討を重ねることにより完成された。すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. セメント硬化体構造物と、
前記セメント硬化体構造物の表面に形成された透湿防水改質層と、
湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層と、
防湿防水性シートと、
をこの順で含む、セメント硬化体構造物の保護構造。
項2. 前記透湿防水改質層の、JSCE-k571-2013に準拠した透湿比が60%以上、JSCE-k571-2013に準拠した透水比が30%以下である、項1に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
項3. 前記透湿防水改質層が、疎水性基を含むシラン化合物の浸透層である、項1又は2に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
項4. 前記疎水性基が、炭素数6~18のアルキル基である、項1~3のいずれかに記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
項5. 前記湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層が、変シリコーン樹脂を含む樹脂組成物の硬化層である、項1~4のいずれかに記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
項6. 前記防湿防水性シートが炭素膜を含む、項1~5のいずれかに記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
項7. セメント硬化体構造物表面に、吸水防止剤を塗布して浸透させる工程1と、
湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層及び防湿防水性シートを積層する工程2と、
前記湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層を硬化する工程3と、
を含む、セメント硬化体構造物の保護工法。
項8. 前記吸水防止剤が、疎水性基を有するアルコキシシランを含む、項7に記載のセメント硬化体構造物の保護工法。
項9. 前記疎水性基が、炭素数6~18のアルキル基である、項7又は8に記載のセメント硬化体構造物の保護工法。
項10. 前記湿気硬化性接着剤樹脂組成物が、1液型接着剤樹脂組成物である、項7~9のいずれかに記載のセメント硬化体構造物の保護工法。
項11. 前記湿気硬化性接着剤樹脂組成物が、変シリコーン樹脂を含む、項7~10のいずれかに記載のセメント硬化体構造物の保護工法。
本発明のセメント硬化体保護構造の一例を示す模式的断面図である。 本発明のセメント硬化体保護構造の層界面の模式的拡大図である。 本発明のセメント硬化体保護構造の他の例を示す模式的断面図である。 本発明のセメント硬化体保護構造の更に他の例を示す模式的断面図である。 本発明のセメント硬化体保護工法の一例を示す模式的断面図である。
[1.セメント硬化体保護構造]
図1は、本発明のセメント硬化体保護構造の一例を示す模式的断面図である。図2は、本発明のセメント硬化体保護構造の層界面の模式的拡大図である。
図1に示すセメント硬化体保護構造100は、セメント硬化体構造物200と、セメント硬化体構造物の表面に形成された透湿防水改質層211と、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400と、防湿防水性シート300とをこの順で含む。
[1-1.セメント硬化体構造物]
セメント硬化体構造物200は、具体的にはコンクリート建造物等であり、コンクリート210と、鉄筋などの芯材(図示せず)とを含む。コンクリート210は、セメントに、水、砂利、砂などを混合し、セメントの水和反応により硬化したものである。セメント硬化体構造物200としては、コンクリート高架橋(特に梁、柱)、コンクリート桁橋、電架柱、ビル、住宅などのコンクリート建造物が挙げられる。また、セメント硬化体構造物200としては、樹脂製の芯材を有するコンクリート建造物であってもよいし、芯材を有しないコンクリート構造物であってもよいし、モルタル構造物であってもよい。
[1-2.透湿防水改質層]
透湿防水改質層211は、セメント硬化体構造物200の表面に形成された改質層である。つまり、透湿防水改質層211は、セメント硬化体構造物200自体の表層が、透湿性かつ防水性を有する層として改質されたものである。
透湿防水改質層211における透湿性は、水蒸気(気体)を透過させる性質であり、具体的には、セメント硬化体構造物200内部からの水分を水蒸気(気体)として透過させる(図1中矢印a参照)ことが可能であって、その透過の程度が、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化を可能にする水蒸気を供給できる程度であればよい。透湿防水改質層211を通じて水蒸気(気体)を湿気硬化性接着剤樹脂組成物に供給することで、透湿防水改質層211界面から湿気硬化性接着剤樹脂組成物の未硬化層への水蒸気の供給が均等となるため、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化が均質に進行する結果、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400の硬化構造が均質で良好な接着強度が発揮される。より具体的には、透湿防水改質層211における透湿性は、JSCE-k571-2013に準拠した透湿比が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。より具体的には、当該透湿比は、60~100%であることが好ましく、70~100%であることがより好ましい。なお、本明細書において、数値範囲が「~」で表される場合、当該範囲は、「以上」及び「以下」で示される範囲と同様に、その両端の数値を含む意で用いる。これによって、施工後、セメント硬化体構造物200内部からの水蒸気を利用して湿気硬化性樹脂組成物の硬化層を形成することがより容易となる。
透湿防水改質層211における防水性は、水分(液体)進出を防止する性質であり、具体的には、セメント硬化体構造物200内部からの水分(液体)が表面外に浸潤することを防止する(図1中矢印b参照)ことが可能であって、その程度が、当該水分がアルカリ性であっても湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400の接着能力を維持する程度であればよい。より具体的には、透湿防水改質層211における防水性は、JSCE-k571-2013に準拠した透水比が30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。より具体的には、当該透水比は、0~30%であることが好ましく、0~20%であることがより好ましい。
透湿防水改質層211は、セメント硬化体構造物200の表面における疎水性基を含むシラン化合物の浸透層として構成されることが好ましい。疎水性基を含むシラン化合物は、後述の吸水防止剤とセメント硬化体との反応生成物であり、疎水性基が、セメント硬化体構造物200の表面層に入り込んで、セメント組織の空隙表面を被覆しているか、又はセメント組織の空隙内部を充填している。これによって、セメント硬化体構造物200からの水分を水蒸気として透過させる(図1中矢印a参照)とともに、セメント硬化体構造物200内部からの水分を遮断して表面外に浸潤することを防止する(図1中矢印b参照)ことがより容易となる。
透湿防水改質層211における疎水性基の好ましい例としては、炭素数6~18のアルキル基が挙げられる。炭素数が6以上であることは、セメント硬化体構造物200内部からの水分を遮断する好ましい疎水性を備えさせる点で好ましく、炭素数が18以下であることは、セメント硬化体構造物200内部からの水分を水蒸気として透過させる好ましい透過性を備えさせる点で好ましい。炭素数6~18のアルキル基の具体例としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、ヘキサデシル等のアルキル基が挙げられ、これらの中でもヘキシル基、オクチル基、デシル基が好ましく、オクチル基、デシル基がさらに好ましい。
透湿防水改質層211の厚みとしては特に限定されないが、セメント硬化体構造物200内部からの水分の遮断性をより良好とする観点からは好ましくは5mm以上、より好ましくは7mm以上、さらに好ましくは9mm以上が挙げられ、セメント硬化体構造物200内部からの水分を水蒸気として透過させる透過性をより良好とする観点からは好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、さらに好ましくは12mm以下、一層好ましくは9mm以下が挙げられる。
[1-3.湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層]
湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400は、後述の湿気硬化性接着剤樹脂組成物の湿気による硬化物である。湿気硬化性接着剤樹脂組成物については後に詳述する通りであるが、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400は、変シリコーン樹脂硬化物を含むことが好ましい。これによって、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400に、変成シリコーン樹脂硬化物に由来する弾性が備わり、セメント硬化体構造物の保護構造100の耐疲労性が良好となる。つまり、防湿防水性シート300に繰り返し応力(機械的負荷による応力及び/又は温度への経変暴露等の環境負荷による応力)が加わったとしても、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400が応力を効果的に吸収するため、当該繰り返し応力に対し湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400が良好に追随し、接着力を維持することができる。また、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400に弾性を備えさせることは、防湿防水性シート300が炭素膜(図中350で示される構成)を含む場合において炭素膜のひび割れを防止しやすい点でも好ましい。
さらに、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400は、変成シリコーン樹脂硬化物とエポキシ樹脂硬化物とのポリマーアロイであることがより好ましい。当該ポリマーアロイにおいては、変成シリコーン樹脂硬化物を主成分とし、変成シリコーン樹脂硬化物相中に、エポキシ樹脂硬化物相が分散した海島構造を有することが好ましい。これによって、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400に、変成シリコーン樹脂硬化物に由来する弾性に加えてエポキシ樹脂硬化物に由来する靭性を兼ね備えさせることができる。また変成シリコーン樹脂硬化物に対するエポキシ樹脂硬化物の比率としては特に限定されず、良好な弾性及び靭性を両立する観点から、例えば変成シリコーン樹脂硬化物100重量部に対してたとえば1重量部以上100重量部以下、好ましくは2重量部以上80重量部以下、より好ましくは2重量部以上50重量部以下、さらに好ましくは2重量部以上30重量部以下、一層好ましくは2重量部以上10重量部以下が挙げられる。
湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400の厚みとしては特に限定されないが、施工後のセメント硬化体構造物200内から透湿防水改質層211を通じて供給される水蒸気で硬化し接着力を充分に発揮させる観点から、3mm以下、好ましくは1.5mm以下が挙げられ、施工後のセメント硬化体構造物200内から透湿防水改質層211を通じて供給される水蒸気を取り込む余地を確保する観点から、0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上が挙げられる。
本発明では湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400は、通常、透湿防水改質層211に直接的に接して設けられている。これによって、セメント硬化体構造物200内から透湿防水改質層211を通じて湿気硬化性接着剤樹脂組成物に水蒸気を効率的に供給することができる。また、透湿防水改質層211はセメント硬化体構造物200自身がその表面で改質されたものであり、図2に示すように、透湿防水改質層211表面がセメント硬化体構造物200自身(改質前)の表面と同様に多孔質性とすることができるため、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400は透湿防水改質層211表面の凹凸に入り込むことによるアンカー効果を伴って良好な接着性を発揮することができる。
[1-4.防湿防水性シート]
防湿防水性シート300は、セメント硬化体構造物200外部からの水及び水蒸気を遮断する。防湿防水性シート300における防湿性は、セメント硬化体構造物200外部からの水蒸気(気体)の進入を防止する性質であり、具体的には、JIS Z 0208-1976に準拠した防湿性として10g/m2/日以下、好ましくは5g/m2/日以下が挙げられる。防湿防水性シート300における防水性は、セメント硬化体構造物200外部からの水分(液体)の進入を防止する性質であり、具体的には、JIS A-6909-2014に準拠した透水比として10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下が挙げられる。
図1に示す態様においては、防湿防水性シート300は、図1に示すように樹脂層310と炭素膜350とを含む。防湿防水性シート300に炭素膜350を含ませることによって、より優れたガスバリア性を備えさせることで、コンクリート210の中性化の抑制効果をさらに向上させることができる。
樹脂層310の材質としては樹脂であればよく、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。樹脂層310に良好な弾性を付与して防湿防水性シート300の割れを良好に抑制する観点から、樹脂層310の好ましい材質としてはポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
樹脂層310の膜厚は、優れた防湿防水性を得る観点から、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上が挙げられる。また、樹脂層310の膜厚は、セメント硬化体構造物200に対する防湿防水性シート300の良好な接着施工性を良好とする観点から、例えば1000μm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下が挙げられる。
炭素膜350としては、種々の炭素膜が用いられるが、中性化抑制効果の観点、さらには酸素および/または水蒸気の透過を抑制する観点から好ましくはダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜である。DLC膜は、ダイヤモンド構造(sp3結合)とグラファイト構造(sp2結合)とを両方含む非晶質の膜である。また、水素を含んでもよいし、含まなくてもよい。ダイヤモンド構造とグラファイト構造との混在比率、および水素の含有率は特に限定されない。より具体的には、ta-C、a-C、ta-C:H、およびa-C:Hが挙げられる。
炭素膜350の膜厚は、より良好な中性化抑制効果の観点、さらには酸素および/または水蒸気の透過を抑制する観点からを得る観点から、例えば0.01μm以上、好ましくは0.02μm以上が挙げられ、炭素膜350のひび割れを抑制しやすくする観点から、例えば1μm以下、好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.5μm以下が挙げられる。
防湿防水性シート300は、樹脂層310を基材とし、種々の気相成膜法によって炭素膜350を形成することによって製造することができる。たとえば気相成膜法の具体例としては、プラズマCVD法およびスパッタ法などが挙げられる。さらに、プラズマCVD法としては、大気圧プラズマCVD法、および高真空下でのプラズマCVD法が挙げられる。
[1-5.他の実施形態]
なお、本発明のセメント硬化体保護構造においては、防湿防水性シートが上記の防湿性及び防水性を有していれば、炭素膜を有していなくてもよい。図3に、本発明のセメント硬化体保護構造の他の例を示す。図3に示すセメント硬化体保護構造100aでは、防湿防水性シート300aが炭素膜を含まない。防湿防水性シート300aは、好ましくは樹脂シートで構成されており、より具体的には、上述の樹脂層310として用いられる樹脂シートを用いることができる。
また、本発明のセメント硬化体保護構造においては、炭素膜と樹脂層との積層順は問わない。図4に、本発明のセメント硬化体保護構造の更に他の例を示す。図4に示すセメント硬化体保護構造100bでは、防湿防水性シート300bが樹脂層310及び炭素膜350を含むが、炭素膜350の方が湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400の側に積層されている。この場合、炭素膜350が外部環境(たとえば風雨、飛来物など)の影響を直接受けない観点でひび割れを抑制しやすい利点がある。
さらに、図示しないが、防湿防水性シートにおける樹脂層は、単層であってもよいし複層であってもよい。複数の樹脂層それぞれを構成する樹脂は、上述の樹脂層310の材質として挙げられたものの中から適宜選択することができる。
[2.セメント硬化体の保護工法]
本発明のセメント硬化体の保護工法は、上述のセメント硬化体の保護構造を得るための工法であり、セメント硬化体構造物表面に、吸水防止剤を塗布して浸透させる工程1と;湿気硬化性接着剤樹脂組成物及び防湿防水性シートを積層する工程2と;前記湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層を硬化する工程3とを含む。
[2-1.工程1]
工程1では、セメント硬化体構造物表面に、吸水防止剤を塗布して浸透させる。本発明のセメント硬化体の保護工法の対象となるセメント硬化体構造物は上述の通りであり、新設の物であってもよいし、補修対象物であってもよい。本発明のセメント硬化体の保護工法は、施工対象となるセメント硬化体が、その内部がアルカリ性である比較的新しい建造物の場合により有用である。
吸水防止剤は、セメント硬化体構造物表面の表面に塗布することで表層を透湿防水改質層に改質する。具体的には、吸水防止剤としては、セメント硬化体構造物表面の表面に浸透して化学反応により疎水層を形成するものが特に制限なく用いられる。
吸水防止剤は、好ましくは疎水性基を有するアルコキシシランを含む。疎水性基を有するアルコキシシランは、セメント硬化体構造物の表面に浸透してアルコキシ基の加水分解反応により疎水層を形成する。疎水性基を有するアルコキシシランは、次の一般式(1)で表される。
Figure 0007184611000001
式中、R1は疎水性基を表す。疎水性基としては炭素数6~18のアルキル基が挙げられる。炭素数が6以上であることは、加水分解速度及び揮発速度が速すぎないように制御することで吸水防止剤の浸透阻害を抑制する点で好ましく、炭素数が18以下であることは、アルコキシシランの分子量を大きすぎないように制御することで吸水防止剤を浸透しやすくする点で好ましい。R1の具体例としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、ヘキサデシル等のアルキル基が挙げられ、これらの中でもヘキシル基、オクチル基、デシル基が好ましく、オクチル基、デシル基がさらに好ましい。
2は炭素数1~3の1価炭化水素基を表す。R2の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基が挙げられ、これらの中でもメチル基、エチル基が好ましい。R3は独立に炭素数1~4の1価炭化水素基を表す。R3の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基が挙げられ、特にメチル基、エチル基が好ましい。rは0又は1を表し、好ましくは0を表す。
疎水性基を有するアルコキシシランのより具体的な例としては、n-プロピルトリメトキシシラン、i-プロピルトリメトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、i-ブチルトリメトキシシラン、t-ブチルトリメトキシシラン、n-ペンチルトリメトキシシラン、i-ペンチルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、i-ヘキシルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、i-オクチルトリメトキシシラン、n-デシルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、i-プロピルトリエトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、i-ブチルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、n-ペンチルトリエトキシシラン、i-ペンチルトリエトキシシラン、n-ヘキシルトリエトキシシラン、i-ヘキシルトリエトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、i-オクチルトリエトキシシラン、n-デシルトリエトキシシラン、n-ペンチルメチルジメトキシシラン、i-ペンチルメチルジメトキシシラン、n-ヘキシルメチルジメトキシシラン、i-ヘキシルメチルジメトキシシラン、n-オクチルメチルジメトキシシラン、i-オクチルメチルジメトキシシラン、n-デシルメチルジメトキシシラン、n-ペンチルメチルジエトキシシラン、i-ペンチルメチルジエトキシシラン、n-ヘキシルメチルジエトキシシラン、i-ヘキシルメチルジエトキシシラン、n-オクチルメチルジエトキシシラン、i-オクチルメチルジエトキシシラン、n-デシルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはn-ヘキシルトリエトキシシラン、i-ヘキシルトリエトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、i-オクチルトリエトキシシラン、n-デシルトリエトキシシランが挙げられ、より好ましくはn-オクチルトリエトキシシラン、n-デシルトリエトキシシランが挙げられる。これらの疎水性基を有するアルコキシシランは、1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
吸水防止剤は、溶剤型であってもよいし水系エマルジョン型であってもよい。吸水防止剤には、必要に応じて他の成分を適宜含ませることができる。他の成分としては、オルガノポリシロキサン、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、増粘剤、消泡剤、油溶性染料、水性着色剤等が挙げられる。
吸水防止剤は、スプレー塗布、刷毛、ローラ等で表面にセメント硬化体構造物表面に塗布することができる。塗布は1回でもよいし、乾燥前又は乾燥後に再塗布してもよい。具体的に、浸透性吸水防止材の塗布量としては、上述の透湿防水改質層211の厚みとなるように適宜決定することができるが、例えば、10~400g/m2、好ましくは50~200g/m2が挙げられる。塗布後は室温(20~25℃)で1日~1ヶ月間程度乾燥させることができる。これによって、セメント硬化体構造物の表面に透湿防水改質層211を形成することができる。
[2-2.工程2]
工程2では、湿気硬化性接着剤樹脂組成物及び防湿防水性シートを積層する。具体的には、透湿防水改質層211表面に湿気硬化性接着剤樹脂組成物を塗布した後に防湿防水性シートを積層してもよいし、防湿防水性シート300の片面に湿気硬化性接着剤樹脂組成物を積層した複合シートを透湿防水改質層211表面に積層してもよいし、透湿防水改質層211表面に湿気硬化性接着剤樹脂組成物を塗布した後に、防湿防水性シート300の片面に湿気硬化性接着剤樹脂組成物を積層した複合シートを湿気硬化性接着剤樹脂組成物の塗布層に積層してもよい。
湿気硬化性接着剤樹脂組成物は、いわゆる1液型の樹脂組成物であってもよいし、いわゆる2液混合型の樹脂組成物の2液混合物であってもよい。1液型の樹脂組成物である場合は、作業が容易であるとともに作業効率も良好であり、さらに、硬化に供する接着剤樹脂組成物の均一性が良好である点で硬化不良が起こりにくく、したがって良好な接着性を容易に得ることができる点で好ましい。
接着剤樹脂組成物が1液型である場合、接着剤樹脂組成物として、変成シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、シラノール縮合触媒と、エポキシ硬化剤とを含む混合物が挙げられる。接着剤樹脂組成物が2液混合型の樹脂組成物の2液混合物である場合、第I剤および第II剤としては次のものが挙げられる。第I剤には変成シリコーン樹脂が含まれ、第II剤にはエポキシ樹脂が含まれる。この場合、第I剤にさらにエポキシ硬化剤が含まれ、第II剤にさらにシラノール縮合触媒が含まれる。
変成シリコーン樹脂としては湿気硬化型の変成シリコーン樹脂である限りにおいて特に限定されない。つまり、湿気硬化性接着剤樹脂組成物に含まれる変シリコーン樹脂は、加水分解性ケイ素基を有していれば特に限定されない。加水分解性ケイ素基を有する変成シリコーン樹脂は、ポリエーテル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマーおよびアクリル系ポリマーからなる群から選ばれるポリマーを主鎖(加水分解性ケイ素基を除く部分)とする。したがって、主鎖は、アルキレンオキサイド成分、オレフィン成分およびアクリル成分からなる群から選ばれるモノマーの重合体であってよく、この重合体は、単独重合体および共重合体を問わない。共重合体である場合、共重合成分としては、アルキレンオキサイド成分、オレフィン成分、アクリル成分、および他のビニル成分からなる群から選ばれてよい。
アルキレンオキサイド成分としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる。主鎖は、硬化後の伸びおよび粘性的な取り扱い易さの観点から、主としてプロピレンオキサイド単位から構成されるポリプロピレンオキサイドが好ましい。オレフィン成分としては、イソブチレンが挙げられる。
アクリル成分としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-3-メチルブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2-ヒドロキシエチルフタル酸、2-[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2-ヒドロキシプロピルフタル酸などが挙げられる。なお、アクリル系ポリマーが、他のビニルモノマー成分が共重合されたものである場合、加水分解性ケイ素基を有するビニルモノマー成分を共重合することにより加水分解性ケイ素基を導入することができる。
主鎖がアクリル単位を含んでいることは、耐候性が良好となる点で好ましい。さらに、耐候性の観点からは、主鎖中のアクリル単位の含有量は、5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。
加水分解性ケイ素基としては特に限定されないが、ハロゲン化シリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基、アルコキシシリル基などが挙げられる。ここで、加水分解性ケイ素基におけるケイ素原子に結合した加水分解性基の数は1以上3以下が好ましい。また、1つのケイ素原子に結合した加水分解性基は1種であってもよく、複数種であってもよい。更に、加水分解性基と非加水分解性基とが1つのケイ素原子に結合していてもよい。加水分解性ケイ素基としては、安定性に優れ、取り扱いが容易である点で、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基などのアルコキシシリル基が好ましい。変成シリコーン樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
加水分解性ケイ素基を有する変成シリコーン樹脂の数平均分子量は、たとえば、1,000以上500,000以下、1,000以上100,000以下、10,000以上30,000以下、4,000以上500,000以下、または4,000以上30,000以下である。上記下限値以上であることは、接着剤樹脂組成物の硬化時間が短い点、または硬化後の接着強度が良好である点で好ましい。上記上限値以下であることは、接着剤樹脂組成物の粘度が適当であり取扱性が良好である点で好ましい。
シラノール縮合触媒は、変成シリコーン樹脂組成物を短時間で硬化させるために用いられる。シラノール縮合触媒としては、ポリ(ジアルキルスタノキサン)ジシリケート化合物、モノアルキル錫エステルおよびジアルキル錫エステルなどの錫触媒、有機チタネートなどが挙げられる。
モノアルキル錫エステルとしては、例えば、ブチルスズトリス(2-エチルヘキサノエート)などが挙げられ、ジアルキル錫エステルとしては、例えば、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジオレート、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫アセトアセテート、オクタン酸第一錫などが挙げられる。有機チタネートとしては、例えば、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラ(2-エチルヘキシルチタネート)トリエタノールアミンチタネートなどのチタンアルコキシド類、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、オクチレングリコレートなどのチタンキレート類などが挙げられる。
シラノール縮合触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
湿気硬化性接着剤組成物中のシラノール縮合触媒の含有量は、変成シリコーン樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上10重量部以下、好ましくは1重量部以上5重量部以下である。上記下限値以上であることは、硬化時間の短縮の点で好ましい。上記上限値以下であることは接着強度などの物性を担保する点で好ましい。
エポキシ樹脂としては特に限定されず、エポキシ基を有する樹脂であればよい。具体的には、不飽和の脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物、および複素環式化合物からなる群から選ばれる化合物にグリシジル基が結合したものが挙げられる。中性化抑制効果の観点からは、芳香族化合物を含むものであることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型およびこれらの水添化物などのビスフェノール型エポキシ樹脂;ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル型エポキシ樹脂などのエステル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型およびクレゾールノボラック型などのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂およびこれらの水添化物;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂などのトリスフェノール型の多官能エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート型、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型、テトラグリシジルメタキシレンジアミン型、ヒダントイン型などの含窒素環型多官能エポキシ樹脂;ナフタレン型などの縮環型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;エーテルエステル型エポキシ樹脂;3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどの脂環式構造を有するエポキシ樹脂;ウレタン型エポキシ樹脂;ポリブタジエンおよびアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのゴム骨格を有するゴム変成エポキシ樹脂などを用いることができる。これらのエポキシ樹脂の中でも、ビルフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
湿気硬化性接着剤樹脂組成物における変成シリコーン樹脂に対するエポキシ樹脂の比率としては特に限定されず、良好な弾性及び靭性を両立する観点から、例えば変成シリコーン樹脂100重量部に対してたとえば1重量部以上100重量部以下、好ましくは2重量部以上80重量部以下、より好ましくは2重量部以上50重量部以下、さらに好ましくは2重量部以上30重量部以下、一層好ましくは2重量部以上10重量部以下が挙げられる。
エポキシ硬化剤としては、たとえばアミン化合物が挙げられる。アミン化合物としては、N,N-ジメチルプロピルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族3級アミン類、N-メチルピペリジン、N,N’-ジメチルピペラジンなどの脂環族3級アミン類、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの芳香族3級アミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソフォロンジアミン、ノルボルデンジアミンなどの脂環式ジアミン類、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族ジアミン類が挙げられる。上記以外にも、エポキシ硬化剤としては、ポリアミド樹脂;2-エチル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;無水フタル酸などのカルボン酸無水物などの化合物が挙げられる。
さらに、エポキシ硬化剤としては、活性アミンがブロックされており、水分などの所定の条件下で活性化するケチミンなどの潜在型硬化剤であってもよい。たとえばケチミンは、水分がない状態では安定に存在するが、水分の存在によって一般に一級アミンとなり、エポキシ樹脂と反応する。具体的には、2,5,8-トリアザ-1,8- ノナジエン、2,10- ジメチル-3,6,9- トリアザ-2,9- ウンデカジエン、2,10- ジフェニール-3,6,9- トリアザ-2,9- ウンデカジエン、3,11- ジメチル-4,7,10-トリアザ-3,10-トリデカジエン、3,11- ジエチル-4,7,10-トリアザ-3,10-トリデカジエン、2,4,12,14-テトラメチル-5,8,11-トリアザ-4,11-ペンタデカジエン、2,4,20,22-テトラメチル-5,12,19- トリアザ-4,19-トリエイコサジエン、2,4,15,17-テトラメチル-5,8,11,14- テトラアザ-4,14-オクタデカジエンなどが挙げられる。エポキシ硬化剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
湿気硬化性接着剤樹脂組成物中のエポキシ硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対し、たとえば20重量部以上60重量部以下、好ましくは30重量部以上50重量部以下である。あるいは、エポキシ硬化剤として潜在型硬化剤を用いる場合は、活性化により生じる活性アミノ基の総モル数に対する、エポキシ樹脂のエポキシ基の総モル数(エポキシ基の総モル数/活性アミノ基の総モル数)は、たとえば0.8以上1.2以下、好ましくは0.9以上1.1以下である。上記下限値以上であることは、硬化膜の弾性率の観点で好ましく、上記上限値以下であることは、貯蔵安定性の点で好ましい。
湿気硬化性接着剤樹脂組成物中には、必要に応じて、他の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤としては、脱水剤、エポキシシランカップリング剤、酸化防止剤、充填材、可塑剤、タレ防止剤、紫外線吸収剤、顔料、溶剤、及び香料などが挙げられる。
施工時における湿気硬化性接着剤樹脂組成物の粘度は、JIS K6833に準拠し、23℃、50%RHにおける初期粘度が例えば10Pa・s以上1000Pa・s以下(初期粘度とは、BS型粘度計のローター7を使用し、回転数10rpmで測定した粘度)、好ましくは100Pa・s以上600Pa・s以下、より好ましくは300Pa・s以上500Pa・s以下であることが好ましい。上記下限値以上であることは、適度な粘性となり施工性の点で好ましい。上記上限値以下であることは、透湿防水改質層211表面の凹凸への密着性が良好となり、アンカー効果をより良好に得る点で好ましい。
接着剤樹脂組成物の層を設ける方法としては、塗布法、浸漬法、スプレー法など特に限定されない。塗布法としては、ロール、ヘラ、コテなどを用いた塗布、しごき塗り、刷毛塗り、流し塗りなどの方法が挙げられる。ロールを用いて塗布する場合、ゴム製または金属性のロールを用いることができ、さらに、2本ロールまたは3本ロールの態様で塗布することができる。
以上のようにして、図5に示す、セメント硬化体構造物200、透湿防水改質層211、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層400’(未硬化層)、及び防湿防水性シートの積層物100’が得られる。
[2-3.工程3]
工程3では、工程2で得られた積層物100’を養生し、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層400’(未硬化層)を硬化させる。
湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層400’の硬化は、セメント硬化体構造物内部からの水分を透湿防水改質層211で透過させた水蒸気を利用して行う。透湿防水改質層211を通じて水蒸気(気体)を湿気硬化性接着剤樹脂組成物に供給する(図中矢印a参照)ことで、透湿防水改質層211界面から湿気硬化性接着剤樹脂組成物の未硬化層への水蒸気の供給が均等となるため、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化が均質に進行する。その結果、得られる湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400はその硬化構造が均質で良好な接着強度を発揮できる。これによって、積層物100’からセメント硬化体構造物の保護構造100が得られる。セメント硬化体構造物の保護構造100においては、透湿防水改質層211がセメント硬化体構造物内部からの水分(液体)を遮断する(図中矢印b参照)ため、湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層400が安定した接着状態を維持し、防湿防水性シート300の剥離を抑制することができる。
<セメント硬化体構造物の保護構造の作製>
[実施例1]
実施例1では、図1に示す構造のセメント硬化体構造物の保護構造を作製した。
1.防湿防水性シートの作製
ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム(以下、PETフィルムとする)として、東レ株式会社製のルミラーシリーズを用意した。このPETフィルムの膜厚は50μmであった。PETフィルムを基材として、その片面に、大気圧プラズマCVD装置を用いてDLC膜を形成した。これによって、PETフィルム(樹脂層)と、その片面に形成されたDLC膜(炭素膜)とから構成されたDLCシート(防湿防水性シート)が作製された。なお、DLCシートにおけるDLC膜の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)で断面を観察する方法で測定した結果、0.5μmであった。また、DLCシートの防湿性は、JIS Z 0208-1976に準拠した測定値で4.0g/m2/日であり、防水性は、JIS A-6909-2014に準拠した測定値で1%であった。
2.セメント硬化体構造物の保護工法
劣化していないコンクリート製の基板(70×70×20mm)を用い、その表面全面に、保護工法を施工した。コンクリート製の基板表面に、n-オクチルトリエトキシシランを主成分とするプライマー液(吸水防止剤)を1回塗布した。このプライマー液(吸水防止剤)は、水性エマルジョンペーストであり、n-オクチルトリエトキシシランの他に水、エタノール等を含む。プライマー液の塗布量は約100g/m2とした。塗布後、72時間乾燥させることで、透湿防水改質層を形成した。得られた透湿防水改質層の厚みは、10mmであった。
透湿防水改質層上に、変成シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、シラノール縮合触媒と、エポキシ硬化剤とを含む混合物からなる1液型接着剤(湿気硬化性接着剤樹脂組成物)を塗布した。1液型接着剤(湿気硬化性接着剤樹脂組成物)は、変成シリコーン樹脂100重量部に対しビスフェノールA系エポキシ樹脂を3重量部含み、JIS K6833に準拠した23℃、50%RHにおける初期粘度が400Pa・sであった。その後、DLCシート(防湿防水性シート)を、PETフィルム(樹脂層)側が1液型接着剤(湿気硬化性接着剤樹脂組成物)の塗布層側となるように積層した。
このようにして得られた積層物を、23℃50%RHに調整された室内で28日間養生し、セメント硬化体構造物の保護構造を得た。養生後の湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層は硬化しており、この硬化層の厚みは1.0mmであった。
3.透湿防水改質層の透湿性及び防水性の測定
上述と同様の条件でコンクリート製の基板の表面に透湿防水改質層を形成した試験体を作製し、JSCE-k571-2013に準拠して透湿比及び透水比を測定した。その結果、透湿比は70%、透水比は15%であった。
[実施例2]
プライマー液(吸水防止剤)を、n-デシルトリメトキシシランを主成分とするプライマー液に変更したことを除いて、実施例1と同様にしてセメント硬化体構造物の保護構造を得た。このプライマー液(吸水防止剤)は、溶剤ベースであり、n-デシルトリメトキシシランの他にミネラルスピリット等を含む。プライマー液の塗布量は約100g/m2とした。塗布後、72時間乾燥させることで、透湿防水改質層を形成した。得られた透湿防水改質層の厚みは、8mmであった。さらに、透湿防水改質層についてJSCE-k571-2013に準拠して透湿比及び透水比を測定した結果、透湿比は90%、透水比は20%であった。また、養生後の湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層は硬化していた。
[比較例1]
プライマー液(吸水防止剤)の塗布を行わなかったことを除き、実施例1と同様にしてセメント硬化体構造物の保護構造を得た。透湿防水改質層を有しないコンクリート製の基板についてSCE-k571-2013に準拠して透湿比及び透水比を測定した結果、透湿比は100%、透水比は100%であった。また、養生後の湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層は硬化していた。
[比較例2]
吸水防止剤の代わりに、エポキシ樹脂系プライマー液を塗布したことを除き、実施例1と同様にしてセメント硬化体構造物の保護構造を得た。このエポキシ樹脂系プライマーは、吸水防止剤のようにコンクリート製の基板の表面に浸透することなく、コンクリート製の基板の表面上にエポキシ樹脂の積層皮膜を形成した。エポキシ樹脂皮膜についてJSCE-k571-2013に準拠して透湿比及び透水比を測定した結果、透湿比は5%、透水比は70%であった。また、養生後の湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層は部分的に硬化しておらず、構造不整を生じていた。
[比較例3]
吸水防止剤の代わりに、ウレタン樹脂系プライマー液を塗布したことを除き、実施例1と同様にしてセメント硬化体構造物の保護構造を得た。このウレタン樹脂系プライマーは、吸水防止剤のようにコンクリート製の基板の表面に浸透することなく、コンクリート製の基板の表面上にウレタン樹脂の積層皮膜を形成した。ウレタン樹脂皮膜についてJSCE-k571-2013に準拠して透湿比及び透水比を測定した結果、透湿比は10%、透水比は75%であった。また、養生後の湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層は部分的に硬化しておらず、構造不整を生じていた。
<セメント硬化体構造物の保護構造の剥離抑制効果>
セメント硬化体構造物の保護構造について、東海道新幹線鉄筋コンクリ-ト構造物維持管理標準1.5.2試験方法の「(2)耐アルカリ性について」に準じて、耐アルカリ性試験を行った。具体的には、実施例及び比較例の保護工法を施工した70×70×20mmのモルタル板を試験片とし、施工面とは反対の面を下にして、試験片を飽和水酸化カルシウム溶液に30日間半浸漬させ、その後引き上げ、さらに2時間後に、DLCシートのふくれ・はがれの有無を以下の基準に基づいて評価した。この試験により、コンクリート内部からの水分による保護構造への影響を調べた。結果を表1に示す。
○ DLCシートに膨れ(剥がれ)が認められない
△ DLCシートの一部に膨れ(剥がれ)が認められる
× DLCシートの全面に膨れ(剥がれ)が認められる
Figure 0007184611000002
表1に示す通り、比較例1~3によると、いずれのDLCシートの全面に膨れ(剥がれ)が認められた。透湿防水性改質層が無い比較例1では、コンクリート内部からの水分がコンクリートと湿気硬化型樹脂組成物との界面に浸潤することで湿気硬化型樹脂組成物が全体的に硬化されていたが、水分の浸潤量が過度であるためコンクリート表面から湿気硬化型樹脂組成物の硬化層を押し上げて剥離させたものと考えられる。コンクリート表面上に樹脂の積層皮膜が形成された比較例2及び比較例3では、塗布作業により積層皮膜にピンホールが不可避的に生じており、このピンホールから水分が浸潤することで湿気硬化型樹脂組成物が局所的に硬化されて構造不整を生じ、その上に重ねて水分が浸潤することでコンクリート表面から湿気硬化型樹脂組成物の硬化層を押し上げて剥離させたものと考えられる。これに対し、実施例1及び実施例2によると、DLCシートに膨れ(剥がれ)は認められなかった。つまり、実施例1及び実施例2によると、透湿防水性改質層が、コンクリート内部の水分を水蒸気として供給することで湿気硬化型樹脂組成物を硬化させる一方で、コンクリートの内部の水分が湿気硬化型樹脂組成物との界面に浸潤することを防止することで、湿気硬化型樹脂組成物の硬化層の剥離を抑制することができた。
100,100a,100b セメント硬化体構造物の保護構造
200 セメント硬化体構造物
211 透湿防水改質層
300,300a,300b 防湿防水性シート
350 炭素膜
400 湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層

Claims (4)

  1. セメント硬化体構造物と、
    前記セメント硬化体構造物の表面に形成された、炭素数6~18のアルキル基を含むアルコキシシランを含む吸水防止剤と前記セメント硬化体との反応生成物である疎水性基を含むシラン化合物の浸透層であって、JSCE-k571-2013に準拠した透湿比が60%以上、且つJSCE-k571-2013に準拠した透水比が30%以下の透湿防水改質層と、
    変成シリコーン樹脂を含む湿気硬化性接着剤樹脂組成物の硬化層と、
    防湿防水性シートと、
    をこの順で含む、セメント硬化体構造物の保護構造。
  2. 前記防湿防水性シートが炭素膜を有する、請求項1に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
  3. セメント硬化体構造物表面に、炭素数6~18のアルキル基を含むアルコキシシランを含む吸水防止剤を塗布して浸透させ、前記吸水防止剤と前記セメント硬化体との反応生成物である疎水性基を含むシラン化合物の浸透層であって、JSCE-k571-2013に準拠した透湿比が60%以上、且つJSCE-k571-2013に準拠した透水比が30%以下の透湿防水改質層を形成する工程1と、
    変成シリコーン樹脂を含む湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層及び防湿防水性シートを積層する工程2と、
    前記湿気硬化性接着剤樹脂組成物の層を硬化する工程3と、
    を含む、セメント硬化体構造物の保護工法。
  4. 前記湿気硬化性接着剤樹脂組成物が、1液型接着剤樹脂組成物である、請求項に記載のセメント硬化体構造物の保護工法。

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