JP6630158B2 - セメント硬化体構造物の保護工法およびセメント硬化体構造物の保護構造 - Google Patents

セメント硬化体構造物の保護工法およびセメント硬化体構造物の保護構造 Download PDF

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Description

本発明は、セメント硬化体構造物の保護技術に関する。具体的には、本発明は、セメント硬化体構造物の保護工法およびセメント硬化体構造物の保護構造に関する。
コンクリートは、空気中の二酸化炭素によって徐々に中性化する。コンクリートの内部にまで中性化が進行すると、鉄筋が腐食し、コンクリート構造物の強度が大幅に低下してしまう。そのため、特開2003−342084号公報(特許文献1)などに、コンクリート構造物の表面にエポキシ樹脂組成物などから成る塗材を塗布し、コンクリートの中性化を防止する技術が提案されている。このように塗材をコンクリート構造物の表面に塗布する工法の、プライマー、パテ、下塗り、中塗り、上塗りなどの多くの層を順次形成する必要性を解消するため、施工に要する時間と労力とを削減する手段として、特開2014−9508号公報(特許文献2)に、コンクリート構造物と、コンクリート構造物の表面を覆う保護シートと、を含み、保護シートが、樹脂から成る基材と、炭素膜、好ましくはダイヤモンドライクカーボンの膜とを含むコンクリート構造物の保護構造及びコンクリート構造物の保護工法が提案されている。
特開2003−342084号公報 特開2014−9508号公報
特開2014−9508号公報(特許文献2)の保護シートによるコンクリート構造物保護構造は、実使用時に保護シートが野外へ曝露される。コンクリート建造物と保護シートとの間には接着強度を確保する観点からエポキシ系接着剤が好ましく用いられるが、実使用時の太陽光および温湿度などの環境負荷によって保護シートは縁端から剥がれやすくなる。具体的な事象としては、保護シートの縁端からの水の浸入、および保護シートの縁端部分の浮きが上げられる。このような剥離は、たとえば、保護シート、接着層、および/またはコンクリートの伸縮、およびコンクリート構造物の振動による保護シートの縁端への応力集中、ならびに、保護シートの縁端に露出する樹脂層断面および/または接着剤の劣化などがきっかけとなりうる。
このような保護シートの剥離に伴って、保護シートによる中性化抑制効果が低下し、コンクリート構造物は経年劣化して強度が低下する。
そこで本発明の目的は、上記の問題に鑑み、外部環境負荷による保護シートの剥離に起因する保護シートのひび割れを抑制し、より長期的に構造物の強度低下を防止する保護工法および保護構造を提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、コンクリート構造物に貼り付けられた保護シートの縁端部分に沿って所定の封止材を塗布することによって上記の本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の発明を含む。
(1)
本発明のセメント硬化体構造物の保護工法は、接着剤塗布工程と、保護シート積層工程と、封止工程とを含む。接着剤塗布工程では、セメント硬化体構造物の表面に、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを含む接着剤樹脂組成物を塗布する。保護シート積層工程では、接着剤樹脂組成物の塗布層に、樹脂層と炭素膜とを含む保護シートを積層する。封止工程では、保護シートの縁端に沿って前記縁端を覆うように、シリコーン樹脂組成物および変性シリコーン樹脂組成物の少なくともいずれかの封止用樹脂組成物の層を設ける。
このように、保護シートの縁端が封止用樹脂組成物で封止されるため、硬化後に晒される外部環境負荷等に対して保護シートが剥離しにくくなる。
さらに、接着剤樹脂組成物が変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを含むため、硬化後に接着力だけでなく弾性率も優れることによって保護シートの炭素膜がひび割れにくくなる。このため、たとえば、セメント硬化体構造物の振動、セメント硬化体構造物の振動により生じうるひび割れの開閉(たとえば列車などの車両の通過により生じる振動に起因するもの)、および/またはセメント硬化体構造物自体の収縮(温度変化などの外部環境負荷に起因するもの)により、保護シートに繰り返し応力が加わっても、保護シートの炭素膜がひび割れにくくなる。したがって、保護シートによる中性化抑制効果が持続し、より長期的にセメント硬化体構造物の強度低下を防止することができる。
(2)
上記(1)のセメント硬化体構造物の保護工法では、封止用樹脂組成物の粘度が50,000mPa・s以上1,000,000mPa・s以下であってよい。
これによって、封止部の厚みを適度に確保することができるとともに、封止用樹脂組成物の密着性が良好になるため、保護シートの剥離をより効果的に抑制することができる。
なお、粘度は、JIS Z 8803に準拠して単一円筒形粘度計としてB型粘度計を用い、No.7ローター、23℃で測定した値である。
(3)
上記(1)または(2)のセメント硬化体構造物の保護工法では、封止用樹脂組成物のチクソインデックスが3.5以上8.0以下であってよい。
これによって、封止工程における作業性が良好となる。
なお、チクソインデックスは、BS粘度計を用い、No.7ローターの1rpmの条件下で測定した粘度を、前記BS粘度計を用い、前記No.7ローターの10rpmの条件下で測定した粘度で除した値として得られる。
(4)
上記(1)から(3)のいずれかのセメント硬化体構造物の保護工法では、樹脂層がポリエステル樹脂であってよい。
これによって、炭素膜の好ましい破損抑制効果を得ることができるため、より長期的にセメント硬化体構造物の強度低下を防止することができる。
(5)
本発明のセメント硬化体構造物の保護構造は、セメント硬化体構造物と;セメント硬化体構造物の表面に設けられた、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを含む接着層と;接着層に積層された、樹脂層と炭素膜とを含む保護シートと;保護シートの縁端に沿って縁端を覆うように設けられた、シリコーン樹脂組成物および変性シリコーン樹脂組成物の少なくともいずれかの封止用樹脂組成物の硬化物の封止部と、を含む。
このように保護シートの縁端が封止用樹脂組成物の硬化物で封止されているため、外部環境負荷対して保護シートが剥離しにくくなる。さらに、接着剤樹脂組成物の硬化物が変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを含む樹脂組成物の硬化物であるため、接着力だけでなく弾性率も優れることによって保護シートの炭素膜がひび割れにくくなる。したがって、保護シートによる中性化抑制効果が持続し、より長期的にセメント硬化体構造物の強度低下を防止することができる。
(6)
上記(5)のセメント硬化体構造物の保護構造では、封止部が、保護シートとセメント硬化体構造物とにまたがって設けられていてよい。
これによって、セメント硬化体構造物に貼り付けられた保護シートにおいて、セメント硬化体構造物と保護シートとの境界部分が良好に封止され、保護シートの剥離を効果的に抑制することができる。
(7)
上記(5)または(6)のセメント硬化体構造物の保護構造では、保護シートが、セメント硬化体構造物の表面に接着層を介して積層された他の保護シートの上に、さらなる接着層を介して積層されており、封止部が、保護シートと他の保護シートとにまたがって設けられていてよい。
これによって、セメント硬化体構造物に貼り付けられた保護シートにおいて、保護シート同士の継ぎ部分が良好に封止され、保護シートの剥離を効果的に抑制することができる。
(8)
上記(5)から(7)のいずれかのセメント硬化体構造物の保護構造では、封止用樹脂組成物の硬化物の引張り強さが0.7N/mm以上であってよい。
これによって、封止部とセメント硬化体構造物の表面との接着強度に優れ、保護シートの剥離をより効果的に防止することができる。
なお、引張り強さは、JIS K6251に準拠してダンベル状3号形の試験片を引張速度500mm/分にて得られる値である。
(9)
上記(5)から(8)のいずれかのセメント硬化体構造物の保護構造では、封止用樹脂組成物の硬化物の破断時伸びが10%以上であってよい。
これによって、封止部とセメント硬化体構造物の表面との接着強度に優れ、保護シートの剥離をより効果的に防止することができる。
なお、伸びは、JIS K6251に準拠してダンベル状3号形の試験片を引張速度500mm/分条件に供して得られる値である。
(10)
上記(5)から(9)のいずれかのセメント硬化体構造物の保護構造では、封止用樹脂組成物の硬化物の引張り強さが、接着層の引張り強さの0.5倍以上1倍以下であってよい。
これによって、封止部の封止効果により優れ、かつ、保護シートの剥離防止効果を安定的に得ることができる。
(11)
上記(5)から(10)のいずれかのセメント硬化体構造物の保護構造では、封止用樹脂組成物の硬化物の破断時伸びが、接着層の破断時伸びの1.5倍以上4倍以下であってよい。
これによって、封止部の封止効果により優れ、かつ、保護シートの剥離防止効果を安定的に得ることができる。
本発明によれば、外部環境負荷による保護シートの剥離に起因する保護シートのひび割れを抑制し、より長期的に構造物の強度低下を防止することができる。
第1実施形態のセメント硬化体構造物の保護構造の模式的断面図である。 第2実施形態のセメント硬化体構造物の保護構造の模式的断面図である。 第1実施形態のセメント硬化体構造物の保護構造の変形例の模式的断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の要素には同一の符号を付しており、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は基本的に繰り返さない。
[1.第1実施形態]
図1に、第1実施形態のセメント硬化体構造物の保護構造の一例の模式的断面図を示す。
[1−1.構造概要]
図1に示すセメント硬化体構造物の保護構造100は、コンクリート建造物200と、保護シート300と、それらの間に介在する接着層400と、封止部500とを含む。なお、図1ならびに以降の図面において、コンクリート建造物200に設けられる積層物は、厚みを極端に表現している。
[1−2.コンクリート建造物(セメント硬化体構造物)]
コンクリート建造物200は、コンクリート210と、鉄筋などの芯材220とを含む。コンクリート210は、セメントに、水、砂利、砂などを混合し、セメントの水和反応により硬化したものである。コンクリート建造物200は、新設の物であってもよいし、供用中のものであってもよい。コンクリート建造物200としては、コンクリート高架橋(特に梁、柱)、コンクリート桁橋、電架柱、ビル、住宅などが挙げられる。
また、コンクリート建造物200は、東海道新幹線鉄筋コンクリート構造物維持管理基準に定められている項目のうち、Ae種(高架橋における縦梁中央部(下面,側面)、RC桁における梁部中央部(下面,側面))、A種(高架橋における縦梁ハンチ部(下面,側面),横梁部(下面,側面)、RC桁における梁部端部(下面,側面))、B種(高架橋における中央スラブ部)、C種(高架橋におけるはね出しスラブ部、RC桁におけるはねだしスラブ部,中央はねだしスラブ部,中央スラブ部)のいずれに該当する部位であってもよい。したがって、本発明は、コンクリート建造物のどのような部位に対しても有用である。
[1−3.保護シート]
保護シート300は、樹脂層310と炭素膜350とを含む。本実施形態では、保護シート300は、樹脂層310が接着層400に接する向きで設けられ、接着層400を介してコンクリート建造物200を覆う。
保護シート300が炭素膜350を有することによって、コンクリート210の中性化を抑制する。
保護シート300は、紫外線透過率がたとえば80%以下、好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以下であってよい。紫外線透過率は、分光光度計(たとえば島津製作所製、UV−2600)を用いて測定することができる。なお、ポリエステル系の樹脂は、波長325nm付近の光線で顕著に劣化することが知られているため、紫外線透過率は325nmにおける値とする。保護シート300がこのような紫外線バリア性を具備することによって、保護シート300自体の劣化、接着層400の劣化、および/またはコンクリート210の劣化を好ましく抑制することができる。
[1−3−1.樹脂層]
樹脂層310の材質としては樹脂であればよく、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリアミド樹脂(ナイロンなど)、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などが挙げられる。
この中でも、炭素膜350の好ましい破損抑制効果を得る観点から、ポリエステル樹脂であることが好ましい。
樹脂層310の膜厚は、たとえば10μm以上500μm以下、好ましくは50μm以上200μm以下である。上記下限値以上であることは、樹脂層310のコシが良好であるなどの点で好ましく、上記上限値以下であることは、樹脂層310自体の割れの防止および保護シート300のセメント硬化体構造物(コンクリート建造物200)への良好な接着施工性を得る点で好ましい。
樹脂層310を構成する樹脂の、JIS K7197に準拠した線膨張率は、10×10−5/K以下、好ましくは5×10−5/K以下、より好ましくは3×10-5/K以下、さらに好ましくは2×10-5/K以下、さらに一層好ましくは1.5×10-5/K以下であってよい。上記上限値以下であることは、樹脂層310自体の割れを防止し、炭素膜350の追随的な割れも防止する点で好ましい。当該線膨張率の範囲内の下限値は特に限定されないが、好ましくは0/Kである。
[1−3−2.炭素膜]
保護シート300の保護層は、炭素で構成される炭素膜350である。炭素膜350としては種々の炭素膜が適用されるが、中性化抑制効果の観点から好ましくはダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜が好ましい。また、DLC膜は、酸素、水蒸気および紫外線の透過を抑制することもできる。DLC膜は、ダイヤモンド構造(sp3結合)とグラファイト構造(sp2結合)とを両方含む非晶質の膜である。また、炭素膜には水素、酸素、窒素を含むことも許容する。ダイヤモンド構造とグラファイト構造との混在比率、および水素、酸素、窒素の含有率は特に限定されない。より具体的には、ta−C(テトラへドラルアモルファスカーボン)、a−C(アモルファスカーボン)、ta−C:H(水素化テトラへドラルアモルファスカーボン)、およびa−C:H(水素化アモルファスカーボン)が挙げられる。
本発明においては、保護シート300とコンクリート建造物200との間に接着層400が介在しているため、たとえば、ナノインデンテーション法で測定した硬さが1GPa以上の炭素膜であっても許容される。なお、ナノインデンテーション法とは、圧子(例えばナノオーダーの針)を材料表面に押込み、荷重と変位量とから微小領域の硬さ、ヤング率等を測定する方法である。一例として次のように測定することができる。ナノインデンター(Hysitron社製TriboIndenter TI900型)を用いて、ベルコビッチ型圧子と呼ばれる三角錘型ダイヤモンド製圧子を試料表面に直角に当て、炭素膜表面から炭素膜の膜厚の10%の押込み量まで徐々に荷重を印加後、荷重を0にまで徐々に戻す。この時の最大荷重Pを圧子接触部の投影面積Aで除した値P/Aを硬度として算出する。
炭素膜350の厚みは、樹脂層310の厚みに対したとえば0.005%以上0.5%以下であってよい。あるいは、10nm以上1000nm以下、好ましくは10nm以上500nm以下、さらに好ましくは10nm以上200nm以下であってもよい。炭素膜350の厚みが上記下限値以上であることは中性化抑制効果を得られやすい点で好ましく、上記上限値以下であることは炭素膜350の破損を起こしにくくすることができる点で好ましい。
保護シート300は、樹脂層310を基材とし、種々の気相成膜法によって炭素膜を形成することによって製造することができる。たとえば気相成膜法の具体例としては、プラズマCVD法およびスパッタ法などが挙げられる。さらに、プラズマCVD法としては、大気圧プラズマCVD法、および高真空下でのプラズマCVD法が挙げられる。
[1−4.接着層]
接着層400は、接着剤樹脂組成物の硬化物である。本発明において、この接着剤樹脂組成物の硬化物は、変成シリコーン樹脂硬化物とエポキシ樹脂硬化物とを含む硬化樹脂である。
変成シリコーン樹脂硬化物とエポキシ樹脂硬化物とを含む硬化樹脂は、変成シリコーン樹脂硬化物とエポキシ樹脂硬化物とのポリマーアロイである。好ましくは、変成シリコーン樹脂硬化物を主成分とし、変成シリコーン樹脂硬化物相中に、エポキシ樹脂硬化物相が分散した海島構造を有する。これによって、接着層400は、エポキシ樹脂硬化物に由来する靭性と変成シリコーン樹脂硬化物に由来する弾性との両方を兼ね備える。
しかも、接着層400は、エポキシ樹脂硬化物と異なり優れた弾性率を有し、変成シリコーン樹脂硬化物と異なり優れた接着力を有する。このように、接着層400は、保護対象であるコンクリート建造物200の線膨張率と保護シート300の樹脂層310の線膨張率との差を緩衝する点と、コンクリート建造物200と保護シート300との接着性の点とを両立する。したがって、接着力だけでなく弾性率も優れるため、保護シート300の炭素膜350がひび割れにくくなる。
さらに、接着層400は、たとえばウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂などを接着剤として用いた場合と異なり、低分子のブリードアウトおよび溶剤による劣化などを効果的に抑制するため、実用性にも優れる。
接着層400の厚み(コンクリート建造物200表面と保護シート300の裏面との間の平均距離)は、0.1mm以上1.0mm以下、好ましくは0.2mm以上0.8mm以下であってよい。当該厚みが上記下限値以上であることは、良好な弾性を得る点で好ましく、上記上限値以下であることは、接着剤樹脂組成物の節約の点で好ましい。
接着層400を構成する接着剤樹脂組成物の硬化物のJIS K6251に準拠した伸び率は、50%以上、好ましくは100%以上であってよい。上記下限値以上であることにより、コンクリート建造物200に生じうるひび割れの開閉(たとえば振動に起因するもの)および/またはコンクリート建造物200の収縮(たとえば温度変化に起因するもの)による応力が繰り返し加わっても炭素膜350への当該応力が効果的に吸収され、炭素膜350のひび割れを好ましく抑制することができる。当該伸び率の範囲内の上限は特に限定されず、大きいほど好ましい。
接着層400を構成する接着剤樹脂組成物の硬化物のJIS K6251に準拠した10%伸長時の応力(10%モジュラス)は、たとえば0.7N/mm以下、好ましくは0.5N/mm以下、さらに好ましくは0.3N/mm以下である。これによって、コンクリート建造物200から保護シート300の炭素膜350への応力が効果的に吸収され、炭素膜350のひび割れを好ましく抑制することができる。
[1−5.封止部]
封止部500は、保護シート300の縁端390を覆うように、縁端390に沿って設けられる。封止部500は、変性シリコーンおよびシリコーンの少なくともいずれかの封止用樹脂組成物の硬化物である。封止部500がこのような樹脂硬化物で構成されることによって、外部環境負荷への優れた耐性が発揮されるため、実使用環境において保護シート300の縁端390が封止された状態を長く保つことができる。
封止部500を構成する封止用樹脂組成物の硬化物のJIS K6251に準拠した引張り強さは、たとえば0.7N/mm以上、好ましくは1.0N/mm以上であってよい。これによって、保護シート300およびコンクリート建造物200の表面との接着強度に優れ、保護シート300の剥離をより効果的に防止することができる。封止部500の引張り強さは、たとえば10N/mm以下、好ましくは5N/mm以下であってよい。これによって、適度な剛性が確保されて封止部500の厚みが好ましく維持されるなどにより保護シート300の剥離防止効果を安定的に得ることができる。
封止部500を構成する封止用樹脂組成物の硬化物のJIS K6251に準拠した引張り強さは、接着層400の当該引張り強さのたとえば0.5倍以上1倍以下、好ましくは0.6倍以上0.8倍以下であってよい。封止部500の引張り強さが上記下限以上であることは、接着層400への追随が良好で接着層400との接着状態が保たれ封止効果により優れる点で好ましく、上記上限以下であることは、適度な剛性が確保されて保護シート300の剥離防止効果を安定的に得ることができる点で好ましい。
封止部500を構成する封止用樹脂組成物の硬化物のJIS K6251に準拠した伸び率は、たとえば10%以上、好ましくは150%以上、より好ましくは300%以上であってよい。これによって、保護シート300およびコンクリート建造物200の表面との接着強度に優れ、保護シートの剥離をより効果的に防止することができる。封止部500の伸び率の上限は特に限定されず、大きいほど好ましい。
封止部500を構成する封止用樹脂組成物の硬化物のJIS K6251に準拠した伸び率は、接着層400の当該伸び率のたとえば1.5倍以上4倍以下、好ましくは1.6倍以上3.7倍以下であってよい。封止部500の伸び率が上記下限以上であることは、接着層400への追随が良好で接着層400との接着状態が保たれ封止効果により優れる点で好ましく、上記上限以下であることは、適度な剛性が確保されて保護シート300の剥離防止効果を安定的に得ることができる点で好ましい。
封止部500は、保護シート300とコンクリート建造物200との両方にまたがるように設けられる。封止部500の、縁端390と直交する方向において、保護シート300に接して被覆している幅W3およびコンクリート建造物200に接して被覆している幅W2は、それぞれ、保護シート300の剥離をより効果的に防止する観点からたとえば5mm以上であってよい。なお、接着層400が保護シート300の縁端390からはみ出している場合は、封止部500は、保護シート300からはみ出している部分の接着層400の表面もすべて被覆する。これによって、保護シート300からはみ出している部分の接着層400の外部環境負荷による劣化も防止し、保護シート300の剥離をより効果的に防止する。また、封止部500の幅W3およびW2は、それぞれ、封止用樹脂組成物の節約の観点からたとえば50mm以下であってよい。
封止部500は、保護シート300の表面とコンクリート建造物200の表面との段差をならすように設けられる。これによって、保護シート300の縁端390への外部応力を分散することができる。封止部500の厚みは、少なくとも、保護シート300の表面上の縁端390からの厚みtが、0.2mm以上となるように施工されてよい。これによって、保護シートの剥離をより効果的に防止することができる。なお、接着層400が保護シート300の縁端390からはみ出している場合は、封止部500は、保護シート300からはみ出している部分の接着層400の表面からの厚みも0.2mm以上であってよい。これによって、保護シート300からはみ出している部分の接着層400の外部環境負荷による劣化も防止し、保護シート300の剥離をより効果的に防止する。封止部500における上記厚みtは、保護構造100の表面全体の平滑性をある程度確保する観点から2mm以下であってよい。
[1−6.セメント硬化体構造物の保護工法]
以下に、図1のセメント硬化体構造物の保護構造100を得るための施工法について説明する。
[1−6−1.接着剤塗布工程]
接着剤塗布工程では、接着剤樹脂組成物をコンクリート建造物200の表面に塗布し、接着剤樹脂組成物の塗布層を得る。
接着剤樹脂組成物は、硬化後に上述の接着層400を与える樹脂組成物であればよく、変成シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、それぞれの樹脂を硬化させるための硬化剤とを含む接着剤樹脂組成物である。
接着剤樹脂組成物は、いわゆる1液型の樹脂組成物であってもよいし、いわゆる2液混合型の樹脂組成物の2液混合物であってもよい。1液型の樹脂組成物である場合は、作業が容易であるとともに作業効率も良好であり、さらに、硬化に供する接着剤樹脂組成物の均一性が良好である点で硬化不良が起こりにくく、したがって容易に良好な接着性を得ることができる。2液混合型の樹脂組成物である場合は、コンクリート建造物200の表面における凹凸および/または割れの程度に関わらず接着性が良好であり、さらに、耐候性も良好である点で好ましい。
接着剤樹脂組成物が1液型である場合、変成シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、シラノール縮合触媒と、エポキシ硬化剤とを含む混合物が挙げられる。また、接着剤樹脂組成物が2液型である場合、第I剤および第II剤の例としては次のものが挙げられる。第I剤には変成シリコーン樹脂が含まれ、第II剤にはエポキシ樹脂が含まれる。この場合、第I剤にさらにエポキシ硬化剤が含まれ、第II剤にさらにシラノール縮合触媒が含まれる。
変成シリコーン樹脂としては特に限定されないが、好ましくは湿気硬化型の変成シリコーン樹脂であり、この場合、加水分解性ケイ素基を有する。加水分解性ケイ素基を有する変成シリコーン樹脂は、ポリエーテル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマーおよびアクリル系ポリマーからなる群から選ばれるポリマーを主鎖(加水分解性ケイ素基を除く部分)とする。したがって、主鎖は、アルキレンオキサイド成分、オレフィン成分およびアクリル成分からなる群から選ばれるモノマーの重合体であってよく、この重合体は、単独重合体および共重合体を問わない。共重合体である場合、共重合成分としては、アルキレンオキサイド成分、オレフィン成分、アクリル成分、および他のビニル成分からなる群から選ばれてよい。
アルキレンオキサイド成分としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる。主鎖は、硬化後の伸びおよび粘性的な取り扱い易さの観点から、主としてプロピレンオキサイド単位から構成されるポリプロピレンオキサイドが好ましい。
オレフィン成分としては、イソブチレンが挙げられる。
アクリル成分としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸などが挙げられる。なお、アクリル系ポリマーが、他のビニルモノマー成分が共重合されたものである場合、加水分解性ケイ素基を有するビニルモノマー成分を共重合することにより加水分解性ケイ素基を導入することができる。
主鎖がアクリル単位を含んでいることは、耐候性が良好となる点で好ましい。さらに、耐候性の観点からは、主鎖中のアクリル単位の含有量は、5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。
加水分解性ケイ素基としては特に限定されないが、ハロゲン化シリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基、アルコキシシリル基などが挙げられる。ここで、加水分解性ケイ素基におけるケイ素原子に結合した加水分解性基の数は1以上3以下が好ましい。また、1つのケイ素原子に結合した加水分解性基は1種であってもよく、複数種であってもよい。更に、加水分解性基と非加水分解性基とが1つのケイ素原子に結合していてもよい。加水分解性ケイ素基としては、安定性に優れ、取り扱いが容易である点で、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基などのアルコキシシリル基が好ましい。
変成シリコーン樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
加水分解性ケイ素基を有する変成シリコーン樹脂の数平均分子量は、たとえば、1,000以上500,000以下、1,000以上100,000以下、10,000以上30,000以下、4,000以上500,000以下、または4,000以上30,000以下である。上記下限値以上であることは、接着剤樹脂組成物の硬化時間が短い点、または硬化後の接着強度が良好である点で好ましい。上記上限値以下であることは、接着剤樹脂組成物の粘度が適当であり取扱性が良好である点で好ましい。
シラノール縮合触媒は、変成シリコーン樹脂組成物を短時間で硬化させるために用いられる。シラノール縮合触媒としては、ポリ(ジアルキルスタノキサン)ジシリケート化合物、モノアルキル錫エステルおよびジアルキル錫エステルなどの錫触媒、有機チタネートなどが挙げられる。
モノアルキル錫エステルとしては、例えば、ブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)などが挙げられ、ジアルキル錫エステルとしては、例えば、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジオレート、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫アセトアセテート、オクタン酸第1錫などが挙げられる。
有機チタネートとしては、例えば、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシルチタネート)トリエタノールアミンチタネートなどのチタンアルコキシド類、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、オクチレングリコレートなどのチタンキレート類などが挙げられる。
シラノール縮合触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
接着剤組成物中のシラノール縮合触媒の含有量は、変成シリコーン樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上10重量部以下、好ましくは1重量部以上5重量部以下である。上記下限値以上であることは、硬化時間の短縮の点で好ましい。上記上限値以下であることは接着強度などの物性を担保する点で好ましい。
エポキシ樹脂としては特に限定されず、エポキシ基を有する樹脂であればよい。具体的には、不飽和の脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物、および複素環式化合物からなる群から選ばれる化合物にグリシジル基が結合したものが挙げられる。中性化抑制効果の観点からは、芳香族化合物を含むものであることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型およびこれらの水添化物などのビスフェノール型エポキシ樹脂;ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル型エポキシ樹脂などのエステル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型およびクレゾールノボラック型などのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂およびこれらの水添化物;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂などのトリスフェノール型の多官能エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート型、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型、テトラグリシジルメタキシレンジアミン型、ヒダントイン型などの含窒素環型多官能エポキシ樹脂;ナフタレン型などの縮環型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;エーテルエステル型エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどの脂環式構造を有するエポキシ樹脂;ウレタン型エポキシ樹脂;ポリブタジエンおよびアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのゴム骨格を有するゴム変成エポキシ樹脂などを用いることができる。
エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、変成シリコーン樹脂100重量部に対し、たとえば1重量部以上100重量部以下、好ましくは2重量部以上80重量部以下である。上記下限値以上であることにより、硬化後の接着層400において良好な靭性を得ることができ、上記上限値以下であることにより、硬化後の接着層400において良好な弾性を得ることができる。したがって、保護シート300の炭素膜350のひび割れを好ましく抑制することができる。
エポキシ硬化剤としては、たとえばアミン化合物が挙げられる。アミン化合物としては、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族3級アミン類、N−メチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジンなどの脂環族3級アミン類、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの芳香族3級アミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソフォロンジアミン、ノルボルデンジアミンなどの脂環式ジアミン類、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族ジアミン類が挙げられる。
上記以外にも、エポキシ硬化剤としては、ポリアミド樹脂;2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;無水フタル酸などのカルボン酸無水物などの化合物が挙げられる。
さらに、エポキシ硬化剤としては、活性アミンがブロックされており、水分などの所定の条件下で活性化するケチミンなどの潜在型硬化剤であってもよい。たとえばケチミンは、水分がない状態では安定に存在するが、水分の存在によって一般に一級アミンとなり、エポキシ樹脂と反応する。具体的には、2,5,8-トリアザ-1,8- ノナジエン、2,10- ジメチル-3,6,9- トリアザ-2,9- ウンデカジエン、2,10- ジフェニール-3,6,9- トリアザ-2,9- ウンデカジエン、3,11- ジメチル-4,7,10-トリアザ-3,10-トリデカジエン、3,11- ジエチル-4,7,10-トリアザ-3,10-トリデカジエン、2,4,12,14-テトラメチル-5,8,11-トリアザ-4,11-ペンタデカジエン、2,4,20,22-テトラメチル-5,12,19- トリアザ-4,19-トリエイコサジエン、2,4,15,17-テトラメチル-5,8,11,14- テトラアザ-4,14-オクタデカジエンなどが挙げられる。
エポキシ硬化剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
接着剤樹脂組成物中のエポキシ硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対し、たとえば20重量部以上60重量部以下、好ましくは30重量部以上50重量部以下である。あるいは、エポキシ硬化剤として潜在型硬化剤を用いる場合は、活性化により生じる活性アミノ基の総モル数に対する、エポキシ樹脂のエポキシ基の総モル数(エポキシ基の総モル数/活性アミノ基の総モル数)は、たとえば0.8以上1.2以下、好ましくは0.9以上1.1以下である。上記下限値以上であることは、硬化膜の弾性率の観点で好ましく、上記上限値以下であることは、貯蔵安定性の点で好ましい。
接着剤樹脂組成物中には、必要に応じて、他の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤としては、脱水剤、エポキシシランカップリング剤、酸化防止剤、充填材、可塑剤、タレ防止剤、紫外線吸収剤、顔料、溶剤、及び香料などが挙げられる。
上述の接着剤樹脂組成物としては、さらに水が加えられた、非加熱または加熱されたものが用いられてよい。加熱される場合、たとえば40度以上80度以下の温度とすることができる。上記下限値以上であることは、短時間で十分な接着力を得る点で好ましい。上記上限値以下であることは、保護シート300の損傷を防ぐ点で好ましい。
接着剤樹脂組成物の粘度は、JIS K6833に準拠し、23℃、50%RHにおける初期粘度が10Pa・s以上1000Pa・s以下(初期粘度とは、BS型粘度計のローター7を使用し、回転数10rpmで測定した粘度)であることが好ましい。上記下限値以上であることは、適度な粘性となり施工性の点で好ましい。上記上限値以下であることは、コンクリート建造物200表面の凹凸への密着性が良好となり接着性の点で好ましく、また、後述の補強層450の網の目455に入り込みやすいため第1接着剤樹脂組成物と第2接着剤樹脂組成物とを一体化させやすい点で好ましい。
なお、本発明において接着剤樹脂組成物を塗布するとは、塗布法によって接着剤樹脂組成物層を設けることに限定されず、浸漬法、スプレー法などによって接着剤樹脂組成物層を設けることも含む。塗布法としては、ロール、ヘラ、コテなどを用いた塗布、しごき塗り、刷毛塗り、流し塗りなどの方法が挙げられる。ロールを用いて塗布する場合、ゴム製または金属性のロールを用いることができ、さらに、2本ロールまたは3本ロールの態様で塗布することができる。
なお、コンクリート建造物200の表面に予め必要に応じて下地調整塗膜を設けておき、下地調整塗膜の上に接着剤樹脂組成物の塗布層を設けてもよい。下地調整用塗料としては、エチレン酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、アクリルカチオン系エマルジョンなどが挙げられる。
[1−6−2.保護シート積層工程]
保護シート積層工程では、炭素膜350を有する保護シート300を接着剤組成物の塗布層に貼り付ける。本実施形態では、保護シート300の樹脂層310の側を貼り付けることができるが、後述の第3変形例のように保護シート300を本実施形態とは表裏を逆にして炭素膜350の側を貼り付けてもよい。
[1−6−3.封止工程]
封止工程では、封止用樹脂組成物の層を保護シート300の縁端390に沿って、保護シート300とコンクリート建造物200との両方にまたがり縁端390を覆うように設ける。
封止用樹脂組成物の態様は、ペーストであってもよいし、あらかじめ長尺板状に形成されたテープ材であってもよい。ペーストの場合は、封止用樹脂組成物の層を所定の幅に制御するために、あらかじめ縁端390の方向に沿って、縁端390を挟むように、保護シート300の表面上およびコンクリート建造物200の表面上に並行にマスキングテープを貼り付けておいてもよい。
封止用樹脂組成物としては、シリコーン樹脂組成物および変性シリコーン樹脂組成物が挙げられる。
シリコーン樹脂組成物は、いわゆる硬化型シリコーンゴム(特に室温硬化型シリコーンゴム)であってよく、一液型および二液型のいずれの構成であってもよい。シリコーン樹脂組成物は、空気中の水分または樹脂組成物中に混入している水分によって縮合反応を起こす湿気硬化性樹脂であり、いわゆる脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型等、アミノキシ型などのシリコーン樹脂組成物が挙げられる。
一液型シリコーン樹脂組成物は、より具体的には、反応性シラノール基を有するオルガノポリシロキサンと、潜在性硬化剤とを含む混合物である。潜在性硬化剤としては、メチルトリスメチルエチルケトオキシムシラン、メチルトリスアセトキシシラン、メチルトリスメトキシシラン、メチルトリスシクロヘキシルアミノシラン、メチルトリスイソプロペノキシシラン等が挙げられる。
二液型シリコーン樹脂組成物は、より具体的には、第I剤と第II剤との混合物であり、第I剤には、硬化剤の不存在下では硬化しない上記の反応性シラノール基を有するオルガノポリシロキサンが含まれ、第II材には、環状アミノキシシロキサン、直鎖状アミノキシシロキサン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランなどの硬化剤が含まれる。
変性シリコーン樹脂組成物は、いわゆる硬化型変性シリコーンゴム(特に室温硬化型変性シリコーンゴム)であってよく、一液型および二液型のいずれの構成であってもよい。変性シリコーン樹脂組成物は、硬化触媒の存在下で、空気中の水分または樹脂組成物中に混入している水分によって縮合反応を起こす湿気硬化性樹脂である。
変性シリコーン樹脂組成物は、具体的には、上述の接着剤樹脂組成物の構成成分として挙げた加水分解性ケイ素基を有する変成シリコーン樹脂とシラノール縮合触媒とを含む混合物が挙げられる。
封止用樹脂組成物中には、必要に応じて、他の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤としては、脱水剤、酸化防止剤、充填材、可塑剤、タレ防止剤、紫外線吸収剤、顔料、溶剤、及び香料などが挙げられる。
封止用樹脂組成物は、粘度(mPa・s)が、たとえば50,000mPa・s以上1,000,000mPa・s以下、好ましくは100,000mPa・s以上700,000mPa・s以下であってよい。粘度が上記下限値以上であることは、垂れにくさの点で好ましく、上記上限値以下であることは、塗りやすさの点で好ましい。また、粘度が上記下限値以上であることは、封止部500の厚みを適度に確保することができ、上記上限値以下であることは、封止部500の密着性が良好になるため、保護シート300の剥離をより効果的に抑制することができる点で好ましい。なお、粘度は、JIS Z 8803に準拠して単一円筒形粘度計としてB型粘度計を用い、No.7ローター、23℃で測定した値である。粘度を上記の範囲内とすることによって、作業性が良好となる。
また、封止用樹脂組成物は、チクソインデックス(23℃)が3.5以上8.0以下、好ましくは4.0以上7.0以下であってよい。なお、チクソインデックスは、BS粘度計を用い、No.7ローターの1rpmの条件下で測定した粘度を、前記BS粘度計を用い、前記No.7ローターの10rpmの条件下で測定した粘度で除した値として得られる。チクソインデックスを上記の範囲内とすることによって、作業性が良好となる。
封止工程が完了した後、養生して接着剤組成物の塗布層および封止用樹脂組成物の層を硬化させる。これによって、保護シート300が接着層400によりコンクリート建造物200に強固に接着するとともに、その縁端390部分も封止部500によって封止される。
[2.第2実施形態]
図2に、第2実施形態のセメント硬化体構造物の保護構造の一例の模式的断面図を示す。以下の実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同じ点については説明を省略する。なお、本発明においては、本実施形態が単独態様で実施されてもよいし、第1実施形態との組み合わせ態様としても実施されてもよい。
[2−1.セメント硬化体構造物の保護構造]
図2に示すセメント硬化体構造物の保護構造100aは、コンクリート建造物200と、保護シート300と、それらの間に介在する接着層400と、封止部500aとを含む。保護構造100aでは、保護シート300と、当該保護シート300の下に重ねられた他の保護シート300’とが、縁端の部分で互いに重ね合わされ、保護シート300の縁端390に沿って設けられる封止部500aが、保護シート300と、当該保護シート300の下に重ねられた他の保護シート300’とにまたがるように設けられていることを除いて、第1実施形態と同様である。他の保護シート300’は、保護シート300と同一のものである。
封止部500aは、第1実施形態の封止部500と同様に、変性シリコーンおよびシリコーンの少なくともいずれかの封止用樹脂組成物の硬化物である。封止部500aがこのような樹脂硬化物で構成されることによって、外部環境負荷への優れた耐性が発揮されるため、実使用環境において保護シート300の縁端390が封止された状態を長く保つことができる。
本実施形態では、封止部500aを構成する封止用樹脂組成物の硬化物の引張り強さは、たとえば0.7N/mm以上、好ましくは1.0N/mm以上であってよい。これによって、保護シート300およびその下に重ねられた他の保護シート300’との接着強度に優れ、保護シート300の剥離をより効果的に防止することができる。
本実施形態では、封止部500aを構成する封止用樹脂組成物の硬化物の伸び率は、たとえば10%以上、好ましくは150%以上、より好ましくは300%以上であってよい。これによって、保護シート300およびその下に重ねられた他の保護シート300’との接着強度に優れ、保護シートの剥離をより効果的に防止することができる。
封止部500aの、縁端390と直交する方向において、保護シート300に接して被覆している幅W3および他の保護シート300’に接して被覆している幅W3’は、それぞれ、保護シート300の剥離をより効果的に防止する観点からたとえば5mm以上であってよい。なお、接着層400が保護シート300の縁端390からはみ出している場合は、封止部500aは、保護シート300からはみ出している部分の接着層400の表面もすべて被覆する。これによって、保護シート300からはみ出している部分の接着層400の外部環境負荷による劣化も防止し、保護シート300の剥離をより効果的に防止する。また、封止部500aの幅W3およびW3’は、それぞれ、封止用樹脂組成物の節約の観点からたとえば50mm以下であってよい。
封止部500aは、保護シート300の表面と他の保護シート300’の表面との段差をならすように設けられる。これによって、保護シート300の縁端390への外部応力を分散することができる。封止部500aの厚みは、少なくとも、保護シート300の表面上の縁端390からの厚みtが、0.2mm以上となるように施工されてよい。これによって、保護シートの剥離をより効果的に防止することができる。なお、接着層400が保護シート300の縁端390からはみ出している場合は、封止部500aは、保護シート300からはみ出している部分の接着層400の表面からの厚みも0.2mm以上であってよい。これによって、保護シート300からはみ出している部分の接着層400の外部環境負荷による劣化も防止し、保護シート300の剥離をより効果的に防止する。封止部500における上記厚みtは、保護構造100の表面全体の平滑性をある程度確保する観点から2mm以下であってよい。
[2−2.セメント硬化体構造物の保護工法]
図2に示すセメント硬化体構造物の保護構造を得るための工法では、保護シート積層工程で、保護シート300に先だって他の保護シート300’をコンクリート建造物200に接着剤樹脂組成物の塗布層を介して貼り付け、他の保護シート300’の縁端の部分と保護シート300の縁端390の部分とを、接着剤樹脂組成物の塗布層を介して重ねあわせる。これによって、保護シート300と他の保護シート300’とを継ぎ合わせる。
封止工程では、封止用樹脂組成物の層を保護シート300の縁端390に沿って、保護シート300と他の保護シート300’との両方にまたがり縁端390を覆うように設ける。
封止用樹脂組成物は、粘度(mPa・s)が、たとえば50,000mPa・s以上1,000,000mPa・s以下、好ましくは100,000mPa・s以上700,000mPa・s以下であってよい。粘度が上記下限値以上であることは、垂れにくさの点で好ましく、上記上限値以下であることは、塗りやすさの点で好ましい。また、粘度が上記下限値以上であることは、封止部500の厚みを適度に確保することができ、上記上限値以下であることは、封止部500の密着性が良好になるため、保護シート300の剥離をより効果的に抑制することができる点で好ましい。
また、封止用樹脂組成物は、チクソインデックス(23℃)が3.5以上8.0以下、好ましくは4.0以上7.0以下であってよい。
[3.変形例]
以下、上記の実施形態の変形例について述べる。以下の変形例は、第1実施形態に適用する場合を挙げて説明する場合があるが、第2実施形態に対しても同様に適用することができる。
[3−1.第1変形例(接着層の変形例)]
[3−1−1.セメント硬化体構造物の保護構造]
図3に示す保護構造100bは、コンクリート建造物200と、保護シート300と、それらの間に介在する接着層400bと、封止部500とを含む。本変形例における保護構造100bは、接着層400bが、第1接着層410bと、網状シートで構成される補強層450bと、第2接着層420bとを含むことを除いて、第1実施形態と同様である。本変形例は、コンクリート建造物200としてはね出しスラブに施工する場合に特に有用である。
接着層400b全体の厚みは、0.3mm以上2.0mm以下、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であってよい。当該厚みが上記下限値以上であることは、良好な弾性を得る点で好ましく、上記上限値以下であることは、接着剤樹脂組成物の節約の点で好ましい。
第1接着層410bおよび第2接着層420bは、それぞれ、第1接着剤樹脂組成物の塗布層および第2接着剤樹脂組成物の塗布層の硬化物であり、第1実施形態で述べた接着剤樹脂組成物の硬化物と同様である。第1接着層410bおよび第2接着層420bは、後述の補強層450bの網の目455bにおいて一体化されているため、互いに同じ樹脂組成であってもよいし、樹脂組成物の相溶性が有る限りにおいて異なる樹脂組成であってもよい。
第1接着層410bおよび第2接着層420bそれぞれの層厚は、それぞれ、たとえば0.1mm以上1.9mm以下、好ましくは0.2mm以上1.3mm以下であってよい。上記下限値以上であることは、良好な弾性を得る点で好ましく、上記上限値以下であることは、接着剤樹脂組成物の節約の点で好ましい。第1接着層410bの層厚と第2接着層420bの層厚とは、互いに同等であってもよいし、同等でなくてもよい。
第1接着層410bおよび第2接着層420bそれぞれの、JIS K6251に準拠した伸び率は、50%以上、好ましくは100%以上であってよい。上記下限値以上であることにより、コンクリート片の浮きおよび/または剥離が生じた場合でも、接着剤樹脂組成物がよく伸びるので剥離したコンクリート片の荷重を均一に受け止めることができ、高い剥落防止性能を得ることができる。当該伸び率の範囲内の上限は特に限定されず、大きいほど好ましい。
第1接着層410bおよび第2接着層420bそれぞれの、JIS K6251に準拠した引張強さは、たとえば0.7N/mm以下、好ましくは0.5N/mm以下、さらに好ましくは0.3N/mm以下である。これによって、コンクリート建造物200から保護シート300の炭素膜350への応力が効果的に吸収され、炭素膜350のひび割れを好ましく抑制することができる。
補強層450bは、網状シートで構成される。網状シートは、長繊維で構成されかつ厚さ方向に連通する連通孔(つまり網の目455b)が確保されたシートであれば特に限定されない。
補強層450bを構成する網状シートは、シート全体の面積に対する網の目455bの開口面積の割合がたとえば30%以上80%以下であってよい。網の目455bの開口面積の割合が上記下限値以上であることは、網状シートの両面側に配置される第1接着剤樹脂組成物と第2接着剤樹脂組成物との一体化性に優れる点で好ましく、上記上限値以下であることは、網状シートによる接着層400のbの補強強化、ひいては剥落防止能に優れる点で好ましい。
補強層450bを構成する網状シートの網の目455bのピッチ(最近接する網の目455b同士において、それぞれの網の目455bの中心同士の距離)は、3mm以上15mm以下、好ましくは5mm以上12mm以下であってよい。ピッチが上記下限値以上であることは、網状シートの両面側に配置される第1接着剤樹脂組成物と第2接着剤樹脂組成物との一体化性に優れる点で好ましく、上記上限値以下であることは、網状シートによる接着層400bの補強強化、ひいては剥落防止能に優れる点で好ましい。
補強層450bを構成する網状シートは、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などの繊維で構成されてよい。特に、剥落防止能、柔軟性、第1接着層410b、第2接着層420bとの接着性および実用性などの観点からポリプロピレン繊維およびビニロン繊維が好ましく、ビニロン繊維がより好ましい。また、実用性および剥落防止能の観点ではガラス繊維(ガラスクロス)がより好ましい。
網状シートの具体的態様としては、メッシュ、織布、編布(網)および不織布が挙げられ、これらの中から1種を単独で、または2種以上の組み合わせで用いることができる。この中でも、剥落防止能の観点から、メッシュが好ましい。本発明においてメッシュとは、複数本の連続繊維束が交差積層し、その交差部分において繊維束同士が好ましくは接着された構造を持つ基材を指す。具体的には、2軸メッシュ(格子状メッシュ)、3軸メッシュ、4軸メッシュ、5軸メッシュ、およびそれ以上の多軸メッシュ(多次元メッシュ)が挙げられ、剥落防止能をより好ましく得る観点からは、3軸以上の多軸メッシュであることが好ましい。3軸メッシュは、経方向、斜方向、逆斜方向の3方向に、具体的には繊維束の交差角が60度となるように積層した多軸メッシュであることが好ましい。より具体的には、組布(登録商標)が挙げられる。
補強層450bの厚みは特に限定されないが、たとえば0.01mm以上1mm以下であってよい。上記下限値以上であることは、剥落防止能に優れる点で好ましく、上記上限値以下であることは、網状シートの両面側に配置される第1接着剤樹脂組成物と第2接着剤樹脂組成物との一体化が容易となる点、および第1接着剤樹脂組成物と補強層450bと第2接着剤樹脂組成物との一体性が良好となる点で好ましい。
[3−1−2.セメント硬化体構造物の保護工法]
上記の接着層400bを有する保護構造100bを得るための工法は、接着剤塗布工程が、第1接着剤塗布工程と、補強層積層工程と、第2接着剤塗布工程とをこの順に含むことを除いて、上記保護構造100を得るための工法と同様である。
接着剤塗布工程では、第1の接着剤樹脂組成物をコンクリート建造物200表面に塗布(第1接着剤塗布工程)した後、第1の接着剤樹脂組成物の塗布層に網状シートを貼り付けて網状シートで構成される補強層450bを積層し(補強層積層工程)、補強層450bの上に第2の接着剤樹脂組成物を塗布する(第2接着剤塗布工程)する。
なお、第1の接着剤樹脂組成物および第2の接着剤樹脂組成物は、それぞれ硬化後に上述の第1接着層410bおよび第2接着層420bを与える接着剤樹脂組成物であればよく、その具体例としては、第1実施形態における接着剤樹脂組成物の具体例として挙げた接着剤樹脂組成物が同様に挙げられる。また、第2の接着剤樹脂組成物は第1の接着剤樹脂組成物と同じ組成のものであってもよいし、互いに相溶して一体化する限りにおいて異なる組成のものであってもよい。一体化性を考慮すると、第1の接着剤樹脂組成物と同じ組成のものを用いることがより好ましい。
これによって、コンクリート建造物200の表面上に、補強層450bとして網状シートが埋め込まれた接着剤組成物の塗布層が設けられる。
保護シート積層工程では、炭素膜350を有する保護シート300を第2の接着剤樹脂組成物の塗布層に貼り付ける。
[3−2.第2変形例(セメント硬化体構造物の変形例)]
本発明の剥落防止施工法の施工対象としては、セメント硬化体構造物であればよいため、コンクリート建造物200のほか、樹脂製の芯材を有するコンクリート建造物であってもよいし、芯材を有しないコンクリート構造物であってもよいし、モルタル構造物であってもよい。
[3−3.第3変形例(保護シートの変形例)]
保護シート300の樹脂層310は、上述のように単層構造であってもよいが、複層構造であってもよい。樹脂層310が複層構造である場合、たとえば、最上層(つまり炭素膜350の隣接層)をポリエステル樹脂など上述の樹脂層310の構成樹脂として例示した樹脂で構成し、その下層として、別の樹脂層を積層してよい。当該別の樹脂層としては、接着層400との相性などに応じて所望の機能を発現する樹脂からなる1または複数の層を、当業者が適宜選択することができる。たとえば、上記のポリエステル樹脂層とは異なるバリア性、耐水性、および/または機械的特性などを有する樹脂層、ならびに接着層などが挙げられる。
また、保護シート300は、樹脂層310と炭素膜350との間に、別の樹脂層が介在していてもよい。当該別の樹脂層の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から挙げられる。別の樹脂層320の線膨張率(JIS K7197に準拠した測定値)は、たとえば10×10−5/K以下、好ましくは5×10−5/K以下であってよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1a]
(1.モルタル試験片保護構造の作成)
縦120mm×横40mm×厚10mmのモルタル試験片の表面において、表面積を二分割したうちの一方の領域(120mm×20mmの面積領域)に接着剤樹脂組成物を0.5mmの厚さで塗布した。この接着剤樹脂組成物は、変成シリコーン樹脂100重量部に対するエポキシ樹脂の混合量が70重量部である、変成シリコーン樹脂およびエポキシ硬化剤とを含む第I剤と、エポキシ樹脂およびシラノール縮合触媒を含む第II剤とが混合された2液型変成シリコーン−エポキシ系接着剤であった。この接着剤の硬化後の伸び率(JIS K6251に準拠)は180%、10%伸長時の応力(JIS K6251に準拠)は0.4N/mmであった。
接着剤の塗布面積と同サイズの保護シートを、接着剤塗布層に貼り付けた。この保護シートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)層と炭素膜とから構成されており、樹脂層厚みは125μm、DLC膜の膜厚(走査型電子顕微鏡(SEM)で断面を観察)は0.1μmであった。なお、保護シートは、PET層が接着剤樹脂組成物の塗布層に接触するように貼り付けた。
モルタル試験片表面の中央部分において、保護シートの縁端を覆うように、幅1インチ×縦120mmの領域に封止用樹脂組成物を塗布した。この封止用樹脂組成物は、変性シリコーン樹脂A430−S(積水フーラー株式会社社製)であり、粘度(JIS Z 8803に準拠)は153,000mPa・s、チクソインデックス(チクソインデックスは、BS粘度計を用い、No.7ローターの1rpmの条件下で測定した粘度を、前記BS粘度計を用い、前記No.7ローターの10rpmの条件下で測定した粘度で除した値として得た。)は4.5であった。また、この封止用樹脂組成物の硬化後の伸び率(JIS K6251に準拠)は360%、引張強さ(JIS K6251に準拠)は1.2N/mmであった。
その後、7日間養生し、モルタル試験片保護構造を作成した。
(2.耐候性試験(促進条件後の剥離試験))
得られたモルタル試験片保護構造を、JIS K7350(プラスチック−実験室光源による暴露試験方法)−4(オープンフレームカーボンアークランプ):2008に基づき劣化促進環境下で3000時間曝露した。その後、封止部の表面全体に、剥離試験用PETシートを接着剤を使用して貼り付け、JIS K6854に準拠して180°剥離試験(剥離試験用PETシートの一端と、モルタル試験片とを、180°剥離となるように互いに反対方向に引っ張った。)を行った。
[実施例1b]
(1.保護構造モデルの作成)
実施例1aで用いた保護シートの炭素膜側の面に、実施例1aで用いたものと同じ封止用樹脂組成物を同様に塗布した。
その後、7日間養生し、保護構造のモデルを作成した。
(2.耐候性試験(促進条件後の剥離試験))
得られた保護構造のモデルを、JIS K7350(プラスチック−実験室光源による暴露試験方法)−4(オープンフレームカーボンアークランプ):2008に基づき劣化促進環境下で3000時間曝露した。その後、剥離試験のため、封止用樹脂組成物の塗布層に、剥離試験用PETシートを接着剤を使用して貼り付けた。その後、JIS K6854に準拠してT型剥離試験(剥離試験用PETシートの一端と、保護シートの一端とを、T型剥離となるように互いに反対方向に引っ張った。)を行った。
[実施例2a]
封止用樹脂組成物として、アルコール型シリコーン樹脂 スーパーシーラー21(積水フーラー株式会社製)を用いたことを除き、実施例1aと同様にモルタル試験片保護構造を作成し、耐候性試験を行った。
なお、本実施例で用いた封止用樹脂組成物の粘度は340,000mPa・s、チクソインデックスは5.8であった。また、この封止用樹脂組成物の硬化後の伸び率は550%、引張強さは1.73N/mmであった。
[実施例2b]
封止用樹脂組成物として、実施例2aの封止用樹脂組成物を用いたことを除き、実施例1bと同様に保護構造モデルを作成し、耐候性試験を行った。
[実施例3a]
封止用樹脂組成物として、オキシム型シリコーン樹脂 セキスイシーラント(積水フーラー株式会社製)を用いたことを除き、実施例1aと同様にモルタル試験片保護構造を作成し、耐候性試験を行った。
なお、本実施例で用いた封止用樹脂組成物の粘度は300,000mPa・s、チクソインデックスは5.7であった。また、この封止用樹脂組成物の硬化後の伸び率は650%、引張強さは1.80N/mmであった。
[実施例3b]
封止用樹脂組成物として、実施例3aの封止用樹脂組成物を用いたことを除き、実施例1bと同様に保護構造モデルを作成し、耐候性試験を行った。
[比較例1a]
封止用樹脂組成物に、ウレタン樹脂(オート化学工業株式会社製)を用いたことを除き、実施例1aと同様にモルタル試験片保護構造を作成し、耐候性試験を行った。
[比較例1b]
封止用樹脂組成物に、比較例1aと同じウレタン樹脂を用いたことを除き、実施例1bと同様に保護構造モデルを作成し、耐候性試験を行った。
[まとめ]
実施例1a,1bから比較例1a,1bについて、封止用樹脂組成物および硬化物の種類および物性と、耐候性試験の結果とを、それぞれ、下記表1および表2に示す。このように、本発明の保護構造は、接着強度の高い封止部によって保護シートの縁端が封止されるため、保護シートの剥離を防止することができる。したがって、中性化抑制効果が持続し、セメント硬化体の長期的な劣化を抑制することができる。
Figure 0006630158
Figure 0006630158
本発明の好ましい実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれらのみに限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱することのない様々な実施形態が他になされる。
[実施形態の各部と請求項の各構成要素との対応関係]
本発明においては、明細書の保護構造100,100a,100bが請求項の「セメント硬化体構造物の保護構造」に相当し、コンクリート建造物200が「セメント硬化体構造物」に相当し、保護シート300が「保護シート」に相当し、他の保護シート300’が「他の保護シート」に相当し、樹脂層310が「樹脂層」に相当し、炭素膜350が「炭素膜」に相当し、縁端390が「縁端」に相当し、接着層400,400bが「接着層」に相当し、封止部500が「封止部」に相当する。
100,100a,100b…保護構造
200…コンクリート建造物(セメント硬化体構造物)
300…保護シート
300’…他の保護シート
310…樹脂層
350…炭素膜
390…縁端
400,400b…接着層
500,500a…封止部

Claims (11)

  1. セメント硬化体構造物の表面に、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを含む接着剤樹脂組成物を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記接着剤樹脂組成物の塗布層に、樹脂層と炭素膜とを含む保護シートを、前記樹脂層が前記塗布層に接する向きで積層する保護シート積層工程と、
    前記保護シートの縁端に沿って前記縁端を覆うように、シリコーン樹脂組成物および変性シリコーン樹脂組成物の少なくともいずれかの封止用樹脂組成物の層を設ける封止工程と、
    を含み、
    前記樹脂層のJIS K7197に準拠した線膨張率が10×10 −5 /K以下であり、
    前記炭素膜がダイヤモンドライクカーボン膜であり、
    前記接着剤樹脂組成物の塗布層の硬化物のJIS K6251に準拠した伸び率が50%以上、かつ、JIS K6251に準拠した10%伸長時の応力(10%モジュラス)が0.7N/mm 以下であり、
    前記封止用樹脂組成物の硬化物のJIS K6251に準拠した引張り強さが0.7N/mm 以上である、セメント硬化体構造物の保護工法。
  2. 前記封止用樹脂組成物の粘度が50,000mPa・s以上1,000,000mPa・s以下である、請求項1に記載のセメント硬化体構造物の保護工法。
  3. 前記封止用樹脂組成物のチクソインデックスが3.5以上8.0以下である請求項1または2に記載のセメント硬化体構造物の保護工法。
  4. 前記樹脂層がポリエステル樹脂である、請求項1から3のいずれか1項に記載のセメント硬化体構造物の保護工法。
  5. 前記炭素膜の厚みが10nm以上1000nm以下である請求項1から4のいずれか1項に記載のセメント硬化体構造物の保護工法。
  6. セメント硬化体構造物と、
    前記セメント硬化体構造物の表面に設けられた、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを含む接着層と、
    前記接着層に積層された、樹脂層と炭素膜とを含む保護シートと、
    前記保護シートの縁端に沿って前記縁端を覆うように設けられた、シリコーン樹脂組成物および変性シリコーン樹脂組成物の少なくともいずれかの封止用樹脂組成物の硬化物の封止部と、を含み、
    前記接着層と前記保護シートに含まれる前記樹脂層とが接しており、
    前記樹脂層のJIS K7197に準拠した線膨張率が10×10 −5 /K以下であり、
    前記炭素膜がダイヤモンドライクカーボン膜であり、
    前記接着層のJIS K6251に準拠した伸び率が50%以上、かつ、JIS K6251に準拠した10%伸長時の応力(10%モジュラス)が0.7N/mm 以下であり、
    前記封止用樹脂組成物の硬化物のJIS K6251に準拠した引張り強さが0.7N/mm 以上である、セメント硬化体構造物の保護構造。
  7. 前記封止部が、前記保護シートと前記セメント硬化体構造物とにまたがって設けられている、請求項に記載のセメント構造物の保護構造。
  8. 前記保護シートが、前記セメント硬化体構造物の表面に前記接着層を介して積層された他の保護シートの上に、さらなる接着層を介して積層されており、
    前記封止部が、前記保護シートと前記他の保護シートとにまたがって設けられている、請求項またはに記載のセメント構造物の保護構造。
  9. 前記封止用樹脂組成物の硬化物の破断時伸びが10%以上である、請求項から8のいずれか1項に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
  10. 前記封止用樹脂組成物の硬化物の引張り強さが、前記接着層の引張り強さの0.5倍以上1倍以下である、請求項から9のいずれか1項に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
  11. 前記封止用樹脂組成物の硬化物の破断時伸びが、前記接着層の破断時伸びの1.5倍以上4倍以下である、請求項から10のいずれか1項に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。

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