JP6203441B1 - 剥落防止シート、剥落防止工法、及び剥落防止再補修工法 - Google Patents
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Abstract
Description
先ず、図1〜図3を用いて、本発明の実施形態に係る剥落防止シートについて説明する。なお、本発明に係る剥落防止シートは、吸水性無機質材表面を有する構造物には適用可能であるが、本発明の実施形態に係る構造物として鉄筋コンクリート構造物RCに接着してコンクリート片が剥落するのを防止する場合を例示して説明する。
本発明に係る繊維基材は、剥落を防止するための所定強度を有する繊維基材である。具体的には、所定強度とは、剥落防止シート全体で、土木学会規準となる「コンクリート片のはく落防止に適用する表面被覆材の押抜き試験方法(案)(JSCE-K 533-2010)」を基に、旧道路公団(NEXCO)が採用している押し抜き試験において、1.5kN以上を満たすことを指している。
耐候性フィルム3は、主に、紫外線を遮って繊維基材2及び接着剤の紫外線劣化を防ぐために、繊維基材2の耐候性(耐紫外線性)を向上させることを目的として繊維基材2の外側(鉄筋コンクリート構造物RCの表面から離れた側)に設けられる樹脂フィルムである。この耐候性フィルム3は、従来、耐候性塗料を施工現場で塗布等により設けられていたものを工場等で予め製作することにより、現場作業の作業日数(作業時間)を短縮するとともに、品質を均一且つ向上させることを目的としている(図4も参照)。
そして、この耐候性フィルム3は、繊維基材2にラミネート接着剤4で接着されている(図1、図2参照)。本実施形態に係るラミネート接着剤4は、主材と硬化材とを使用直前に混合して用いるウレタン系2液型接着剤が採用されている。勿論、本発明に係るラミネート接着剤は、ウレタン系2液型接着剤だけでなく、エポキシ系樹脂など他の樹脂接着剤であっても構わない。要するに、本発明に係るラミネート接着剤は、耐候性フィルムと繊維基材とを接着して積層可能な樹脂であれば、特に限定されるものではない。
また、図1に示すように、剥落防止シート1の外側、即ち、耐候性フィルム3の外側には、施工現場までの搬送中及び作業中に汚れることを防止するために、保護フィルム5が貼着されている。この保護フィルム5は、まばらな点状にプリントされたアクリル樹脂系樹脂などの微粘着樹脂層(図示せず)を介して耐候性フィルム3及び繊維基材2に貼着されており、剥離容易となっている。
以上説明した実施形態に係る剥落防止シート1を鉄筋コンクリート構造物RCに接着するシート接着用接着剤6には、2液型エポキシ樹脂系接着剤が採用されている。2液型エポキシ樹脂系接着剤は、アルカリ性に高い耐性を示し、グリース状の所定粘度があるとともに、適度な揺変性を有し、作業性に優れているからである。勿論、シート接着用接着剤は、鉄筋コンクリート構造物RCの強アルカリ性に耐性があり、帆布からなる繊維基材2に含浸性が高ければ、特に限定されるものではない。しかし、従来の紫外線硬化型の接着剤のように、一定時間保持しなくても済むためには、シート接着用接着剤は、前述の剥落防止シート1が硬化するまでの間保持可能なグリース状の所定粘度を有することが望ましい。
次に、図4を用いて、本発明の実施形態に係る剥落防止工法について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る剥落防止工法の各工程を従来工法と対比して示すフローチャートである。
先ず、図4に示すように、本実施形態に係る剥落防止工法では、従来の剥落防止工法と同様に、剥落防止作業の施工範囲である鉄筋コンクリート構造物RCの表面に下地処理を施す下地処理工程を行う。
次に、図4に示すように、本実施形態に係る剥落防止工法では、従来の剥落防止工法と同様に、前工程で平滑にした鉄筋コンクリート構造物RCの表面に接着性を向上させるプライマーを塗布するプライマー塗布工程を行う。
次に、図4に示すように、本実施形態に係る剥落防止工法では、前工程でプライマーを塗布した鉄筋コンクリート構造物RCの表面に、前述のシート接着用接着剤6を塗布する接着剤塗布工程を行う。
次に、図4に示すように、本実施形態に係る剥落防止工法では、前工程でシート接着用接着剤6を塗布した鉄筋コンクリート構造物RCの表面に、前述の剥落防止シート1を貼り付けるシート貼付工程を行う。
そして、剥落防止シート1がずれないように、ある程度シート接着剤6が硬化した後、鉄筋コンクリート構造物RCの表面に接着した剥落防止シート1の保護フィルム5を撤去する保護フィルム撤去工程を行う。その後、シート接着用接着剤6が硬化する所定の養生期間を置けば、本実施形態に係る剥落防止工法による剥落防止作業工事が完成する。
次に、図5を用いて、本発明の実施形態に係る剥落防止再補修工法について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る剥落防止再補修工法の各工程を示すフローチャートである。なお、前述の実施形態に係る剥落防止工法により剥落防止シート1を接着した鉄筋コンクリート構造物RCを再補修する場合を例示して説明する。
先ず、図5に示すように、本発明の実施形態に係る剥落防止再補修工法では、剥落が起きた部位など不具合が発生した変状部の剥落防止シート1を切断して変状部を除去する変状部除去工程を行う。
また、除去した後の変状部には、パテやモルタル等で埋めて鉄筋コンクリート構造物RCの表面が平滑になるようにする。
次に、図5に示すように、本実施形態に係る剥落防止再補修工法では、前述の剥落防止工法と同様に、前工程で平滑にした鉄筋コンクリート構造物RCの表面に接着性を向上させるプライマーを塗布するプライマー塗布工程を行う。
次に、図5に示すように、本実施形態に係る剥落防止再補修工法では、前述の剥落防止工法と同様に、前工程でプライマーを塗布した鉄筋コンクリート構造物RCの表面に、前述のシート接着用接着剤6を塗布する接着剤塗布工程を行う。
次に、図5に示すように、本実施形態に係る剥落防止再補修工法では、前工程でシート接着用接着剤6を塗布した鉄筋コンクリート構造物RCの表面に、内側の保護フィルム5を剥がした前述の剥落防止シート1を貼り付けるシート貼付工程を行う。
そして、接着した剥落防止シート1の残りの保護フィルム5を撤去する保護フィルム撤去工程を行う。その後、シート接着用接着剤6が硬化する所定の養生期間を置けば、本実施形態に係る剥落防止再補修工法による再補修工事が完成する。
次に、図6、表1を用いて、前述の剥落防止シート1を重ね合わせて施工した場合の付着強さを確認するために行った、重ね合わせ条件付着試験について説明する。図6は、重ね合わせ条件付着試験後の供試体破壊状況を示す写真である。
2 :繊維基材
3 :耐候性フィルム
4 :ラミネート接着剤
5 :保護フィルム
RC :鉄筋コンクリート構造物(構造物)
Claims (5)
- 吸水性無機質材を有する構造物の表面に接着されて、当該表面から剥落物が剥落するのを防止する剥落防止シートであって、
剥落物の落下を抑える所定強度を有した繊維基材と、この繊維基材に含浸されたラミネート接着剤で接着され、紫外線を遮り耐候性を向上させる耐候性フィルムと、を備えた2層構造からなり、
前記繊維基材は、天然繊維又は合成繊維の所定太さの原糸が複数本撚り合わされた撚糸からなる経糸及び緯糸が平織された帆布であり、
前記帆布は、30テックス(tex)以上130.8テックス(tex)以下の原糸からなり縦緯の打込み本数を調整することで坪量が100g/m 2 以上412g/m2以下となっていること
を特徴とする剥落防止シート。 - 前記耐候性フィルムは、ポリフッ化ビニル樹脂からなること
を特徴とする請求項1に記載の剥落防止シート。 - 吸水性無機質材を有する構造物の表面に請求項1又は2に記載の剥落防止シートを接着して当該表面から剥落物が剥落するのを防止する剥落防止工法であって、
前記構造物の表面に経時硬化型のシート接着用接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記シート接着用接着剤上に前記剥落防止シートを貼り付けるシート貼付工程と、を備え、
前記シート貼付工程終了後に、前記シート接着用接着剤上に前記剥落防止シートを一定時間保持しなくても前記剥落防止シートがずれることなく前記シート接着用接着剤が硬化すること
を特徴とする剥落防止工法。 - 前記シート貼付工程前に、前記剥落防止シートの前記耐候性フィルム上に樹脂フィルムからなる保護フィルムを貼着し、前記シート貼付工程終了後、当該保護フィルムを前記耐候性フィルムから剥がして撤去する保護フィルム撤去工程を行うこと
を特徴とする請求項3に記載の剥落防止工法。 - 請求項2に記載の剥落防止シートが接着された表面を有する構造物を再補修する際に、補修後にさらに前記剥落防止シートを接着して当該表面から剥落物が剥落するのを防止する剥落防止再補修工法であって、
前記耐候性フィルムに傷をつける目荒らし工程を行うことなく、前記耐候性フィルム上にシート接着用接着剤を塗布し、前記剥落防止シート上にさらに他の前記剥落防止シートを貼着すること
を特徴とする剥落防止再補修工法。
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