JP3977719B2 - コンクリート構造物の補強方法に用いる緩衝材 - Google Patents

コンクリート構造物の補強方法に用いる緩衝材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、梁、柱、スラブ、壁、煙突、トンネル、ヒューム管等のコンクリート構造物の補強方法に用いる緩衝材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、既設の鉄筋コンクリート建築物等のコンクリート構造物等においては、構造部材の経年変化による劣化のために、設計時の性能を保持できなくなった構造物や、より優れた性能を必要とされる構造物が散見されるようになってきた。そのため、これらの構造物を補強、補修することが行われている。具体的にいえば、耐震性能の向上を目的とした補強や、構造部材の劣化に対する補修、あるいは構造物の機能性の向上を目的とした補強などが実施されている。
【0003】
このようなコンクリート構造物に対する補強技術として、コンクリート構造物の表面に強化繊維シート及び/又は繊維強化プラスチック板等の強化繊維含有材料を貼り付け、この強化繊維含有材料とコンクリート構造物とを一体化させる補強方法が一般的に採用されてきており、数多い実績を有している。
【0004】
このような補強方法を施したコンクリート構造物では、破断しにくく高い引張強度を有する強化繊維含有材料とコンクリート構造物とが一体となっている限り、強化繊維含有材料に基づく高い補強効果を得ることができる。しかしながら、構造物の終局時においては、強化繊維含有材料が、破断する前に剥離して強化繊維含有材料とコンクリート構造物との一体性が失われ、それにより補強効果を失い構造物が破壊することが多い。
【0005】
かかる強化繊維含有材料の剥離を防止するために、従来は、補強のための強化繊維含有材料に加えて、この強化繊維含有材料を、コンクリート構造物上に、さらに別の強化繊維含有材料を用いて固定する方法や、コンクリート構造物上に、強化繊維含有材料をアンカー、金属プレート等を用いて固定する方法等が提案されている。しかしながら、これらの方法でも、強化繊維含有材料の有する強度を最大限に利用した、十分な補強を簡便に行うことは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、コンクリート構造物の補強方法に用いて十分な補強を簡便に行うことを可能にしたコンクリート構造物の補強方法に用いる緩衝材を提供することにある。
本発明の別の目的は、強化繊維含有材料によるコンクリート構造物の補強方法等において、強化繊維含有材料の剥離を防止でき、強化繊維含有材料の有する強度を最大限に利用することができ、十分な補強を簡便に行うことを可能にしたコンクリート構造物の補強方法に用いる緩衝材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、樹脂 50 100 質量%及び充填材 0 50 質量%を含み、前記樹脂が、硬化させた際の23℃での引張最大荷重時伸びが10〜200%、23℃での引張強度が0.1〜50N/mm2 23 ℃での引張弾性率が 0.1 50N mm 2 であることを特徴とするコンクリート構造物の補強方法に用いる緩衝材が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の緩衝材は、コンクリート構造物の補強方法に用いる緩衝材であって、例えば、コンクリート構造物の表面上に、緩衝材を介して強化繊維含有材料を設けるコンクリート構造物の補強方法等に用いることができる。
【0009】
前記緩衝材の材質としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂、又はこれらの組み合わせ等を含有するものを挙げることができる。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用できる。前記熱可塑性樹脂としては、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用できる。
前記緩衝材の材料として樹脂を用いる場合、当該樹脂を樹脂単独で硬化させた際の23℃での引張弾性率が、0.1〜50N/mm2、さらに好ましくは0.5〜10N/mm2である樹脂を用いることが好ましい。前記引張弾性率は、JIS K7113に従い測定することができる。
前記緩衝材中の前記樹脂の含有割合は、50〜100質量%、好ましくは59〜98質量%、さらに好ましくは70〜80質量%とすることができる。
【0010】
前記緩衝材は、前記樹脂に加えて、緩衝材形成に際して適切な粘度範囲を維持したりたれを防止すること等により構造物への塗布作業を良好にするために、本発明の目的を損なわない範囲で適宜充填材、揺変性付与剤等を含有することもできる。また充填材の添加により、引張最大荷重時伸びはやや低下するが、緩衝材の引張強度や引張弾性率を向上させることもできる。
【0011】
該充填材としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、珪酸、珪酸塩、無機顔料として知られる鉛白、鉛丹、黄鉛、二酸化チタン、ストロンチウムクロメート、チタニウムイエロー、その他の顔料等が挙げられる。
前記緩衝材中の前記充填材の含有割合は、0〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、さらに好ましくは10〜20質量%とすることができる。
【0012】
該揺変性付与剤としては、有機系のものと無機系のものがあるが、無機系のものが好ましく、ヒュームドシリカ、層状粘度鉱物、膨潤性マイカ、合成スメクタイト、ベントナイト、カーボンブラック、ヘクトライト等を使用することができる。
前記緩衝材中の前記揺変性付与剤の含有割合は、0〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは10〜20質量%とすることができる。
【0013】
前記緩衝材の23℃での引張最大荷重時伸びは、10〜200%、好ましくは10〜100%である。コンクリート構造物表面に塗布したときに液だれが問題となるときがあるが、その場合は引張最大荷重時伸びは小さめにすると液だれを解決することができる場合がある。さらに、前記緩衝材は、強化繊維含有材料に含まれる樹脂又は強化繊維含有材料の貼り付けに用いるマトリックス樹脂より大きい引張最大荷重時伸びを有することが特に好ましい。また、前記緩衝材の引張強度は、23℃において、0.1〜50N/mm2である。前記緩衝材の引張最大荷重時伸び及び引張強度は、JIS K7113に従い測定することができる。
【0014】
前記緩衝材の23℃での引張最大荷重時伸び及び引張強度、並びに前記緩衝材が樹脂を含む場合は、当該樹脂の23℃での引張弾性率を上記の範囲内とすることにより、強化繊維含有材料の剥離を防止し、強化繊維含有材料の有する強度を最大限に利用することができる。
【0015】
前記緩衝材は、さらに、5℃での引張最大荷重時伸びが10〜200%、より好ましくは10〜100%、5℃での引張強度が0.1〜50N/mm2であることが好ましい。また前記緩衝材が樹脂を含む場合は、当該樹脂を単独で硬化させた際の5℃での引張弾性率が0.1〜50N/mm2、より好ましくは0.5〜10N/mm2であるものが好ましい。このように低温においても上記材料特性を維持できる緩衝材を用いることにより、寒冷な使用条件下においても良好な補強効果を得ることができる。
前記緩衝材としては、市販品を用いることができる。例えば、東邦アーステック社製のEE50、EE50W、EE60等を用いることができる。
【0016】
前記緩衝材は、前記コンクリート構造物の表面に、直接若しくは必要に応じて設けるプライマー層等の他の層を介して、層として設けることができる。層の厚さは特に限定されないが、通常100〜2000μm、好ましくは200〜1000μmの厚さとすることができる。
【0017】
前記緩衝材層は、必要に応じて、表面、即ち強化繊維含有材料側の面等を物理的あるいは化学的処理により改質し、強化繊維含有材料との密着性を向上させることができる。該物理的処理としては、研磨、サンドペーパー等による目粗し、又は超音波処理等を挙げることができ、化学的処理としては、表面を一部酸化、官能基付加させる方法等を挙げることができる。より具体的には、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、酸化剤処理等を挙げることができ、これらの処理は、特に前記緩衝材がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等である場合に好ましく適用することができる。
【0018】
前記緩衝材層の形成方法としては、(i)液状の緩衝材の原料を、形成しようとする面上に塗布した後硬化させる方法、又は(ii)フィルム状等の形状に成形された前記緩衝材を貼付する方法等を挙げることができる。
【0019】
前記(i)の方法により緩衝材層を形成する場合は、緩衝材の原料として、硬化させた際に前記特定の引張最大荷重時伸び及び引張強度を呈するものを用いる。具体的には例えば、前に列挙した各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂からなるもの、又はこれらに前記充填材、揺変性付与剤等を加えたものを挙げることができる。かかる樹脂としては、熱硬化性樹脂、特に常温硬化性の熱硬化性樹脂が、作業性が良好であるため好ましい。また、2液混合型の樹脂も好ましい。
【0020】
緩衝材の原料として常温硬化性の熱硬化性樹脂を含むものを用いる場合、20℃における可使時間が好ましくは30分間〜5時間、さらに好ましくは30分間〜2時間のものが作業性の点で望ましい。また20℃における塗膜硬化時間が好ましくは1時間〜24時間、さらに好ましくは1時間〜12時間のものが作業工程の点で望ましい。緩衝材の原料の設計強度発現時間は、20℃において通常1〜20日、好ましくは1〜7日であることが望ましい。緩衝材の原料の粘度は、JIS K6833測定法で20℃において通常50〜1000000mPa・s、好ましくは5000〜300000mPa・sであることが、塗布作業上望ましい。
【0021】
前記緩衝材の原料の塗布は、緩衝材をローラー刷毛やゴムベラ、金ゴテ等で、緩衝材の厚みが通常100〜2000μm、好ましくは200〜1000μmとなるように均一に塗布することにより行うことができる。
【0022】
塗布した緩衝材の原料の硬化は、熱硬化性樹脂を含む場合は、構造物表面に塗布後に熱ロールやドライヤー等で硬化温度まで加熱して行うことができるが、特に常温硬化性の熱硬化性樹脂を含む場合は、単に常温で、前記設計強度発現時間にわたり放置することにより硬化させることもできる。
【0023】
前記(ii)の方法により緩衝材層を形成する場合は、前記緩衝材として、熱可塑性樹脂や可撓性の熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。前記成形された緩衝材の厚さは、通常100〜2000μm、特に200〜1000μmとすることが好ましい。前記成形された緩衝材を貼付する方法としては通常知られた方法を適宜使用することができ、例えば熱による融着、接着剤による接着等が使用できる。前記接着剤としては、緩衝材層をコンクリート強度以上の接着強度で貼着することができるものを用いることが好ましく、具体的には例えば、前記緩衝材と同一材料系のものを用いることが好ましい。
【0024】
本発明において、コンクリート構造物の補強方法が、強化繊維含有材料を用いる場合、該強化繊維含有材料は、強化繊維を含む。前記強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維、又はこれらの組み合わせ等を挙げることができる。特に、軽量で且つ耐食性があることから、炭素繊維が好ましい。前記炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維あるいはPAN系炭素繊維あるいはこれらの組み合わせを用いることができる。
該炭素繊維は、高弾性率のものを要求される場合には、通常、日本グラファイトファイバー社製のXN60などのピッチ系炭素繊維が使用され、高強度が要求されるときには、通常、東レ社製T700SC、T300、東邦レーヨン社製UT500、三菱レーヨン社製TR30などのポリアクリロニトリル系炭素繊維が使用される。
【0025】
前記強化繊維は、二次元織物、一方向織物、一方向材等として、前記強化繊維含有材料中に設けることができる。
【0026】
前記強化繊維含有材料としては、具体的には、前記強化繊維を含む強化繊維シート及び/又は繊維強化プラスチック板を用いることができる。
前記強化繊維含有材料の目付は、通常100〜800g/m2であることが好ましく、強化繊維の一束当たりのフィラメント数は1000〜10000本が好ましく、引張強度は2000〜5000N/mm2、引張弾性率2×105〜1×106N/mm2のものが好ましい。
【0027】
前記強化繊維シートとしては、具体的には例えば、経糸及び緯糸の一方が前記強化繊維であり、他方が熱可塑性樹脂含有繊維(熱可塑性樹脂からなる繊維、又は任意の繊維に熱可塑性樹脂や熱可塑性繊維が付着した繊維)からなる補助糸であり、該経糸と該緯糸とが前記熱可塑性樹脂含有繊維中の熱可塑性樹脂により固着されたクロス状のシート、あるいは前記強化繊維を一方向に並べ、熱可塑性樹脂を含有する網目状の格子を重ね、これらを前記熱可塑性樹脂含有繊維中の熱可塑性樹脂により固着したシート等が使用できる。
【0028】
前記強化繊維含有材料としては、強化繊維糸条が多数本並列して配列しているものを挙げることができる。特に、以下に具体的に説明するものを挙げることができる。
【0029】
例えば、図4に示すもの等の、前記強化繊維糸条がたて方向に配列し、かつ、補助糸が前記強化繊維糸条に交錯してよこ方向に配列している強化繊維含有材料を挙げることができる。図4においては、強化繊維糸条4はたて方向に並行に配列し、よこ方向の補助糸5と交錯し、一方向性強化繊維織物を形成している。
【0030】
また例えば、図5に示すもの等の、前記強化繊維糸条が実質的に屈曲せずに糸条群を構成し、該糸条群の両面側に前記強化繊維糸条と交差するよこ方向補助糸群が位置し、それらよこ方向補助糸群と、前記強化繊維糸条群に並行するたて方向補助糸群とが織組織をなして前記強化繊維糸条群を一体に保持している強化繊維含有材料を挙げることもできる。図5においては、実質的に屈曲を有しない強化繊維糸条4を一方向に互いに並行且つシート状に引き揃えてなる糸条群イのシート面の両側によこ糸補助糸5の糸条群ハが位置し、それらよこ糸補助糸群と、強化繊維糸条群と並行するたて方向補助糸6の糸条群ロとが織組織をなして糸条群を一体に保持し、一方向性強化繊維織物を形成している。
【0031】
さらに例えば、図6に示すもの等の、二方向性強化繊維織物であるシートを含む強化繊維含有材料を挙げることもできる。図6においては、たて方向に多数本の強化繊維糸条4が並行に配列し、よこ方向にも強化繊維糸条7がたて方向の強化繊維糸条4と直交するように並行に配列した、二方向性強化繊維織物が形成されている。たて方向の強化繊維糸条4とよこ方向の強化繊維糸条7とは一本交互に交錯し、平組織を形成している。
【0032】
さらに例えば、図7に示すもの等の、前記強化繊維糸条がバインダーで支持体に接着されてなるシートを含む強化繊維含有材料を挙げることもできる。図7においては、たて方向に多数本の強化繊維糸条4が並行に配列し、これら強化繊維糸条は、その片側に位置しているメッシュ状の支持体8とバインダー9によって接着されている。バインダーの材質としては、特に限定されないが、後述するマトリックス樹脂の材料と同様のものを用いることができる。バインダーの付着量は、強化繊維重量100重量部に対して3〜7重量部とすることができる。
【0033】
前記各種の強化繊維含有材料の例において、強化繊維糸条4は、補助糸5と、低融点ポリマー等からなる固着部材10により固着されていてもよい。固着部材10は、例えば図4に示した通りよこ方向の糸に含まれていてもよく、たて方向の糸条4に含まれていてもよい。前記低融点ポリマーの材質は、特に限定されないが、ナイロン、共重合ナイロン、ポリエステル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ポリウレタン、又はこれらの組み合わせ等を挙げることができる。特に、共重合ナイロンが好ましい。
前記補助糸5の材質としては、ガラス繊維が好ましい。
【0034】
前記繊維強化プラスチック板としては、二次元織物、一方向織物、一方向材等の形態の前記強化繊維に樹脂を含む材料を含浸し、加熱硬化して板状に成形したもの等を挙げることができる。
【0035】
前記繊維強化プラスチック板に含まれるマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、又はこれらの組み合わせ等を使用することができる。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用でき、前記熱可塑性樹脂としては、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用できるが、密着性の良好なものが望ましい。
【0036】
本発明の補強方法において、前記強化繊維含有材料は、前記緩衝材を介して前記コンクリート構造物の表面上に設ける。ここで前記強化繊維含有材料は、前記緩衝材表面に直接設けてもよく、必要に応じて下塗り層等の他の層を介して設けても良い。また、前記強化繊維含有材料の層上に、必要に応じてさらに上塗り層、仕上げ層等の他の層を設けることができる。具体的には例えば、強化繊維含有材料として強化繊維シートを用いた場合、強化繊維シートの貼付に先立ち下塗り層としてマトリックス樹脂材料を塗布し、強化繊維シートの貼付後に上塗り層としてマトリックス樹脂材料を塗布することにより、強化繊維シートとマトリックス樹脂とが複合した層を形成し、高い強度を得ることができる。また、強化繊維含有材料として繊維強化プラスチック板を用いた場合、接着剤を用いて緩衝材表面に繊維強化プラスチック板を貼付することができる。
【0037】
前記強化繊維含有材料の層の厚さは、特に限定されない。また、前記強化繊維含有材料としては、その破断時伸びが好ましくは0.5〜3.0%、特に好ましくは0.6〜2.0であるものを用いることができる。
【0038】
本発明の緩衝材を適用するコンクリート構造物の補強方法において、該コンクリート構造物は特に限定されず、柱、梁、スラブ、壁、煙突、トンネル、ヒューム管等の各種の構造物を挙げることができ、既設の建築物のみならず、工場等で生産するコンクリート部品等、建築物となる前の構造物をも含む。また、本発明において、補強とは、劣化していないコンクリート構造物の補強のみならず、劣化したコンクリート構造物の補修をも含む。
【0039】
本発明の緩衝材を適用する補強方法の具体的な施工方法としては、前記コンクリート構造物の表面上に、前記プライマー層、本発明の緩衝材の層、前記下塗り層、前記強化繊維含有材料の層、上塗り層、仕上げ層等の各層を、順次形成する方法が挙げられる。これら各層のうち、緩衝材層及び強化繊維含有材料層は必須に形成されることが好ましく、他の層は必要に応じて形成することができる。これらの各層の形成は、通常は、コンクリート構造物の表面に近い層から順に形成することができるが、緩衝材層及び強化繊維含有材料層を含む複合物を予め形成し、それをコンクリート構造物の表面に貼りつけることによって行うこともできる。
【0040】
前記強化繊維含有材料層として強化繊維シートを用いた場合の補強方法の例を、図1に示す施工例を参照して、以下により具体的に説明する。
まず、必要に応じて、コンクリート構造物の表面11に対し、洗浄、研磨処理、及び下地調整材を用いた段差、欠損部位等の前処理を行う。
前記洗浄の方法としては、ディスクサンダー、サンドブラスト、高圧洗浄、ウエス、有機溶剤等で取り除く方法等を用いることができる。
前記下地調整材としては、コンクリート強度と同等以上の圧縮強度を有する樹脂、例えばパテ状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂モルタル等を用いることができる。これらの樹脂等を段差、欠損部位等に充填することにより、前処理を行うことができる。また、前処理工程においては、出隅、入隅のR仕上げを併せて施すことが好ましい。
前記洗浄、前処理等を必要に応じて施した後、必要に応じて強化繊維含有材料の貼付位置等の参照とするための墨出しを行うことができる。
【0041】
次に、構造物表面にローラー刷毛等でプライマーを塗布し、乾燥させ、プライマー層12を形成する工程を行う。
前記プライマーとしては、構造物表面及び緩衝材層との接着性が良好なもの、例えば溶剤型エポキシ樹脂あるいは無溶剤型エポキシ樹脂等を使用することができる。前記プライマーの混合粘度は、20℃において通常1〜10000mPa・s、好ましくは10〜5000mPa・sが作業性の点で好ましい。
前記プライマーの塗布に際しての使用温度は、通常−10℃〜50℃であることが好ましい。前記プライマーの塗布量は、通常0.01〜1kg/m2、好ましくは0.1〜0.5kg/m2であることが望ましい。
前記プライマーを乾燥させる時間は、20℃において通常1〜24時間、好ましくは1〜12時間であることが望ましい。
【0042】
プライマー層12を形成した後、必要に応じてパテ材等の不陸調整材を塗布し、層表面の不陸を調整した後、その上に緩衝材層13を、上に述べた方法等により形成する。この際、パテ材等の不陸調製材を塗布する代わりに、本発明の緩衝材層を、層表面の不陸を調整するように形成することもできる。この場合、必要に応じて、本発明の緩衝材に、不陸調整材の成分を含有させて用いることができる。さらに必要に応じて緩衝材表面を物理的あるいは化学的処理により改質し、次に、必要に応じて下塗り層14としてのマトリックス樹脂材料等を塗布する工程を行う。
【0043】
前記マトリックス樹脂材料としては、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、又はこれらの組み合わせ等を含むものを使用することができるが、作業性の点で常温硬化性樹脂を含むものが好ましい。前記熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用でき、前記熱可塑性樹脂としてはナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用できるが、緩衝材との密着性の良好なものが望ましい。
前記マトリックス樹脂材料は、前記樹脂に加えて、塗布に際して適切な粘度範囲を維持したりたれを防止するために、本発明の目的を損なわない範囲で適宜充填材、揺変性付与剤等を含有することもできる。
【0044】
該充填材としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、珪酸、珪酸塩、無機顔料として知られる鉛白、鉛丹、黄鉛、二酸化チタン、ストロンチウムクロメート、チタニウムイエロー、その他の顔料等が挙げられる。
【0045】
該揺変性付与剤としては、有機系のものと無機系のものがあるが、無機系のものが好ましく、ヒュームドシリカ、層状粘度鉱物、膨潤性マイカ、合成スメクタイト、ベントナイト、カーボンブラック、ヘクトライト等を使用することができる。
【0046】
前記マトリックス樹脂材料中の前記充填材及び/又は揺変性付与剤の含有割合は、1〜20質量%であることが好ましい。
前記マトリックス樹脂材料として、前記常温硬化性樹脂を含むものを用いる場合、20℃における可使時間が好ましくは30分間〜5時間、さらに好ましくは30分間〜2時間のものが作業性の点で望ましい。また20℃における塗膜硬化時間が好ましくは1時間〜24時間、さらに好ましくは1時間〜12時間のものが作業工程の点で望ましい。
前記マトリックス樹脂材料の設計強度発現時間は、20℃において通常1〜20日、好ましくは1〜7日であることが望ましい。また、粘度は20℃において通常10〜100000mPa・s、好ましくは100〜50000mPa・sであることが、含浸性及び脱泡性がよいため望ましい。
【0047】
前記下塗り層としてのマトリックス樹脂材料を塗布する工程は、前記マトリックス樹脂材料をローラー刷毛やゴムベラ等で、塗布量が通常0.1〜2kg/m2、好ましくは0.2〜1kg/m2の範囲となるように均一に塗布することにより行うことができる。
【0048】
次に、下塗り層14上に、強化繊維シート15を貼り付ける工程を行う。本工程は、下塗り層14の塗布直後に強化繊維シートを前記墨出し位置に沿って貼り付け、好ましくはシートの表面を強化繊維方向に、さらに好ましくはシートの中心部から端部に強化繊維方向に沿ってゴムベラ、熱ロール、脱泡ロール等でしごき、マトリックス樹脂材料を強化繊維の中に含浸させ、且つ強化繊維中の空気を追い出し平滑に仕上げることにより行うことができる。
【0049】
前記強化繊維シート15の貼り付け工程の際、シートの長さが長すぎると作業が困難であるため、強化繊維シートを適度の長さに切断し、継ぎ重ねて貼り付けることができる。この場合、強度を確保するために、継ぎ重ね部分は、強度を確保する方向に100mm以上重なるよう貼り付けることが好ましい。
【0050】
次に、強化繊維シート上に、上塗り層16としてのマトリックス樹脂材料等を塗布する工程を行う。本工程は、前記下塗り工程で使用したものと同様のマトリックス樹脂材料等を用い、ローラー刷毛やゴムベラ等で通常0.05〜2kg/m2、好ましくは0.1〜1kg/m2の塗布量により均一に塗布することによって行うことができる。
【0051】
前記各工程において、繊維の膨れ、皺、よれ等が発生したら直ちに修正することが好ましい。また、汚れの付着、降雨等からの保護を十分に行うことが好ましい。
【0052】
最後に、仕上げ工程を行う。本工程は、上塗り層上に、ウレタン樹脂あるいはフッ素樹脂等の耐候性塗料又はポリマーセメント系材料を塗布し保護層17を形成することによって行うことができる。
【0053】
以上において説明した施工例では、1層の強化繊維シートのみを設けたが、本発明の緩衝材を適用する補強方法では、2層以上の強化繊維シートを設けることもできる。2層以上の強化繊維シートは、前記下塗り工程、強化繊維シートの貼り付け工程、及び上塗り工程を必要な回数だけ繰り返すことにより設けることができる。
【0054】
次に、前記強化繊維含有材料層として繊維強化プラスチック板を用いた場合の本発明の緩衝材を適用する補強方法の例を、図3に示す施工例を参照して説明する。
【0055】
まず、図1に示す施工例と同様に、必要に応じて、コンクリート構造物の表面31の前処理、墨出し、プライマー層32の形成、層表面の不陸の調整等を行った後、緩衝材層33を形成し、必要に応じて緩衝材表面の改質及び下塗り層(図示せず)の塗布を行った後、接着剤を用い、前記緩衝材層33の面上に前記繊維強化プラスチック板35を貼り付け、さらにその上に仕上げ層(保護層)37を形成する補強方法を挙げることができる。
【0056】
繊維強化プラスチック板35を貼り付けるための接着剤としては、緩衝材層と繊維強化プラスチック板との接着強度が十分にコンクリートの引張強度以上になるような接着剤を用いることが好ましい。
該接着剤としては、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂等の樹脂を含むものを使用することができるが、作業性の点で常温硬化性樹脂を含むものが好ましい。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用でき、前記熱可塑性樹脂としては、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用できる。前記接着剤は、前記樹脂に加えて、塗布に際して適切な粘度範囲を維持したりたれを防止するために、本発明の目的を損なわない範囲で適宜充填材、揺変性付与剤等を含有することもできる。
【0057】
該充填材としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、珪酸、珪酸塩、無機顔料として知られる鉛白、鉛丹、黄鉛、二酸化チタン、ストロンチウムクロメート、チタニウムイエロー、その他の顔料等が挙げられる。
【0058】
該揺変性付与剤としては、有機系のものと無機系のものがあるが、無機系のものが好ましく、ヒュームドシリカ、層状粘度鉱物、膨潤性マイカ、合成スメクタイト、ベントナイト、カーボンブラック、ヘクトライト等を使用することができる。
【0059】
前記接着剤中の前記充填材及び/又は揺変性付与剤の含有割合は、1〜20質量%であることが好ましい。
【0060】
前記接着剤として前記常温硬化性樹脂を含むものを用いる場合、20℃における可使時間が好ましくは30分間〜5時間、さらに好ましくは30分間〜2時間のものが作業性の点で望ましい。また20℃における塗膜硬化時間が好ましくは1時間〜24時間、さらに好ましくは1時間〜12時間のものが作業工程の点で望ましい。
前記接着剤は、ローラー刷毛やゴムベラ等で、塗布量が通常0.05〜3kg/m2、好ましくは0.2〜2kg/m2の範囲になるよう均一に塗布することができる。
【0061】
以上において説明した施工例では、1層の繊維強化プラスチック板のみを設けたが、本発明の緩衝材を適用する補強方法では、2層以上の繊維強化プラスチック板を設けることもできる。2層以上の繊維強化プラスチック板は、前記接着剤により繊維強化プラスチック板を貼り付ける工程を必要な回数だけ繰り返すことにより設けることができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明の緩衝材は、コンクリート構造物の表面上に特定の緩衝材を介して強化繊維含有材料を設ける補強方法等に用いることにより、コンクリート構造物と強化繊維含有材料とを安定に一体化させ、強化繊維含有材料の剥離を防止でき、強化繊維含有材料の有する強度を最大限に利用した、十分な補強を簡便に行うことができる。従って、柱、梁、スラブ、壁、煙突、トンネル、ヒューム管等の既存のコンクリート構造物の補強、補修等に適用でき、構造物の終局強度やエネルギー吸収性能を向上させることができる。
【0063】
【実施例】
以下において実施例及び比較例を参照して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例 1
主筋および帯筋を配筋したコンクリート製の供試体に、本発明の緩衝材及び強化繊維シートを用いた補強方法を適用し、その補強効果を試験した。
供試体として、図2に示す長さ2200mm、幅200mm、高さ200mmの寸法を有し、主筋22としてD13のSD295鋼棒を4本有し、帯筋23としてD6のSD295鋼棒を150 mm間隔で有する梁21を使用した。この供試体の底面24の、長さ1740mm(中央部)、幅全面にわたり、エポキシ系のプライマーを塗布しプライマー層(図示せず)を形成した後、エポキシ系の緩衝材(エポキシ樹脂、商品名トーホーダイトEE50、株式会社東邦アーステック製、硬化時における23℃での引張最大荷重時伸び95%(JIS K7113により測定)、引張強度1.4N/mm2(JIS K7113により測定)、5℃における引張最大荷重時伸び65%、引張強度6.5N/mm2)を膜厚が500μmとなるように塗布し緩衝材層25を形成し、さらに強化繊維シート26(商品名:HT300、日石三菱(株)製)を、1層強化繊維の方向が主筋方向となるよう、エポキシ系の常温硬化樹脂により接着させて貼り付けた。
【0064】
強化繊維シートを貼り付けた後1週間以上養生した後、図2に示す通り支点27を当て、支点間距離1800mm、載荷点間距離300mmの4点単調載荷を負荷し、静的載荷試験を実施した。測定された破壊荷重、最大変位及び強化繊維シートの最大ひずみ、並びに破壊時に観察された強化繊維シートの破壊形態を表1に示す。また、強化繊維シートのひずみ分布(供試体の中央からの距離とひずみとの関係)を、さまざまな荷重を負荷した時点において測定した。結果を図8に示す。さらに、負荷した荷重と変位との関係を図9に示す。
【0065】
実施例 2
主筋および帯筋を配筋したコンクリート製の供試体に、本発明の緩衝材及び繊維強化プラスチック板を用いた補強方法を適用し、その補強効果を試験した。
供試体として、実施例1で用いたものと同一の梁を用いた。また、繊維強化プラスチック板としては、TUプレートTYPE-S(商品名、日石三菱株式会社製)を用いた。
前記供試体の底面の、長さ1740mm(中央部)、幅全面にわたり、実施例1で用いたものと同一のエポキシ系プライマーを塗布しプライマー層を形成した後、エポキシ系の緩衝材(エポキシ樹脂、商品名「トーホーダイトEE50」、株式会社東邦アーステック製、硬化時における23℃での引張最大荷重時伸び95%(JIS K7113により測定)、引張強度1.4N/mm2(JIS K7113により測定)、5℃における引張最大荷重時伸び65%、引張強度6.5N/mm2)を膜厚が500μmとなるように塗布し緩衝材層を形成し、さらに前記繊維強化プラスチック板を1枚、強化繊維の方向が主筋方向となるよう、実施例1と同一のエポキシ系の常温硬化樹脂により接着させて貼り付けた。
【0066】
繊維強化プラスチック板を貼り付けた後1週間以上養生した後、図2に示す通り支点間距離1800mm、載荷点間距離300mmの4点単調載荷を負荷し、静的載荷試験を実施した。測定された破壊荷重、最大変位及び強化繊維シートの最大ひずみ、並びに破壊時に観察された強化繊維シートの破壊形態を表1に示す。
【0067】
実施例 3
緩衝材層の膜圧を1000μmとした他は実施例1と同様に操作し、静的載荷試験を実施した。結果を表1及び図9に示す。
【表1】
Figure 0003977719
【0068】
比較例 1
実施例1で用いたものと同一の供試体であって、何ら補強を施さなかったものについて、実施例1と同様の静的載荷試験を行った。結果を表2及び図9に示す。
【0069】
比較例 2
緩衝材層を形成しなかった以外は、実施例1と同様に供試体の補強を行い、静的載荷試験を行った。結果を表2、図9及び図10に示す。
【0070】
比較例 3
緩衝材として、エポキシ系樹脂の緩衝材層(23℃での引張最大荷重時伸び5%(JIS K7113により測定)、引張強度40N/mm2(JIS K7113により測定))を形成した以外は実施例1と同様に供試体の補強を行い、静的載荷試験を行った。結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
Figure 0003977719
【0072】
実施例 4
緩衝材としてEE50W(エポキシ樹脂、商品名「トーホーダイトEE50W」、株式会社東邦アーステック製、硬化時における23℃での引張最大荷重時伸び56%(JIS K7113により測定)、引張強度1.2N/mm2(JIS K7113により測定)5℃における引張最大荷重時伸び55%、引張強度5N/mm2)を使用した他は、実施例1と同様に操作し、静的載荷試験を実施した。測定された破壊荷重、最大変位及び強化繊維シートの最大ひずみ、並びに破壊時に観察された強化繊維シートの破壊形態を表1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緩衝材及び1層の強化繊維シートを設けた補強方法の施工例を模式的に示す断面図である。
【図2】実施例1及び2において行った補強方法の適用及び補強効果の試験における載荷の態様を説明する模式図である。図2Aは、供試体を側面から見た立面図であり、図2Bは、供試体を長さ方向に垂直な面に沿って切断した断面図である。図2中において、長さを示す数値の単位は全てmmである。
【図3】緩衝材及び1枚の強化繊維プラスチック板を設けた本発明の補強方法の施工例を模式的に示す断面図である。
【図4】コンクリート構造物補強用強化繊維含有材料の例を示す斜視図である。
【図5】コンクリート構造物補強用強化繊維含有材料の別の例を示す斜視図である。
【図6】コンクリート構造物補強用強化繊維含有材料のさらに別の例を示す斜視図である。
【図7】コンクリート構造物補強用強化繊維含有材料のさらに別の例を示す斜視図である。
【図8】実施例1における強化繊維シートのひずみ分布の測定結果を示すグラフである。
【図9】実施例1、実施例3、比較例1及び比較例2における荷重と変位との関係を示すグラフである。
【図10】比較例1における強化繊維シートのひずみ分布の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
4:たて方向の強化繊維糸条
5:よこ方向の補助糸
6:たて方向の補助糸
7:よこ方向の強化繊維糸条
8:支持体
9:バインダー
10:固着部材
イ:炭素繊維糸条群
ロ:たて方向の補助糸群
ハ:よこ方向の補助糸群
11,31:コンクリート構造物表面
12,32:プライマー層
13,33:緩衝材層
14:下塗り層
15:強化繊維シート
35:繊維強化プラスチック板
16:上塗り層
17,37:仕上げ層(保護層)
21:梁
22:主筋
23:帯筋
24:梁の底面
25:緩衝材層
26:強化繊維含有材料層
27:支点

Claims (6)

  1. 樹脂 50 100 質量%及び充填材 0 50 質量%を含み、前記樹脂が、硬化させた際の23℃での引張最大荷重時伸びが10〜200%、23℃での引張強度が0.1〜50N/mm2 23 ℃での引張弾性率が 0.1 50N mm 2 であることを特徴とするコンクリート構造物の補強方法に用いる緩衝材。
  2. 5℃での引張最大荷重時伸びが10〜200%、5℃での引張強度が0.1〜50N/mm2であることを特徴とする請求項1記載の緩衝材。
  3. 前記樹脂が、硬化させた際の5℃での引張弾性率が0.1〜50N/mm2の樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の緩衝材。
  4. 厚さ100〜2000μmの層又はフィルムである請求項1〜のいずれか1項記載の緩衝材。
  5. 不陸調整作用を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の緩衝材。
  6. コンクリート構造物の表面上に、緩衝材を介して強化繊維含有材料を設けるコンクリート構造物の補強方法に用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の緩衝材。
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