JP3399918B2 - 湾曲面を有するコンクリート構造物の補強構造体 - Google Patents
湾曲面を有するコンクリート構造物の補強構造体Info
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Description
ンクリート構造物、例えば鉄道トンネル、道路トンネ
ル、山岳トンネルや水力発電所用水路トンネル、農業用
水路、上下水道、工業用水、河川放水路などの導水路ト
ンネル、圧力導水路トンネル、ヒューム管などの土中等
に建設され内部や外部から圧力等の応力を受けるような
コンクリート構造物、湾曲面を有するコンクリート製橋
梁、U字型コンクリート製溝等に、一体化して設け、補
強・補修することができる湾曲面を有するコンクリート
構造物の補強構造体に関する。
ち、道路トンネル等は、完成後の長期間経過等による地
山の緩み、凍結融解、亀裂発生部及び目地部分からの漏
水、地震、地山の変動等により、トンネル内壁面のコン
クリートが剥落する危険性が指摘されている。このよう
に、偏圧、膨張性挙動、緩み地圧の増加等により応力変
化が生じ、変状の発生したトンネルにおいては、その程
度に応じて改築(全断面、部分区間)、改修、補強、補
修等を行ない、コンクリート剥落防止の措置を取る必要
がある。従来より実施されている補強方法としては、ト
ンネル内壁面のコンクリート表面を吹き付けコンクリー
ト、PC板等により覆工する方法、さらにはこれにライ
ナープレートとH型鋼とによるアーチ形支保工、鋼板添
接等を加えた方法や、特開平7−34784号公報に開
示される、強化繊維シートを内壁に貼り付ける方法等が
知られている。また導水路トンネル等においては、様々
な理由による劣化によって、漏水が発生し破壊にいたる
ことがある。また、内水圧あるいは外圧に対する圧力導
水路トンネルの強度が低下したり、通水可能量の減少等
が生じる。このような劣化が生じた圧力導水路トンネル
の覆工コンクリート層内面に対しても補修、補強等を施
す必要がある。このような補修、補強方法としては、ス
チールファイバ混入モルタル、スチールファイバ混入コ
ンクリート等を既設覆工コンクリート層表面に吹き付け
る吹き付け工法、樹脂モルタル、スチールファイバ混入
モルタル等を表面に塗布する塗布(塗り付け)工法、打設
工法、張付工法等が採用されている。近年、既設の鉄筋
コンクリート構造物等においては、構造部材の経年変化
による劣化のために、設計時の性能を保持できなくなっ
た構造物や、より優れた性能を必要とされる構造物が散
見されるようになってきた。具体的にいえば、耐震性能
の向上を目的とした補強や、構造部材の劣化に対する補
修、あるいは構造物の機能性の向上を目的とした補強な
どが実施されている。このような既存の鉄筋コンクリー
ト構造物に対する補強技術として、既設コンクリート構
造物のコンクリート躯体表面に強化繊維シートを貼り付
け、この強化繊維シートとコンクリート躯体とを一体化
させる工法が一般的に採用されてきており、数多い実績
を有している。梁、柱、スラブ、壁、煙突等のコンクリ
ート構造物等において、コンクリート躯体外壁表面に強
化繊維シートを貼り付けることにより既存の鉄筋コンク
リート構造物を補強する方法については、その補強効果
が確認されている。
ル、道路トンネル、山岳トンネルや水力発電所用水路ト
ンネル、農業用水路、上下水道、工業用水、河川放水路
などの導水路トンネル、圧力導水路トンネル、ヒューム
管などの土中等に建設され内部や外部から圧力等の応力
を受けるようなコンクリート構造物については、構造物
外壁表面に強化繊維シートを貼り付けることは実質不可
能であり、構造物内壁表面に強化繊維シートを貼り付け
ることになるが、この方法では強化繊維シートの剥離が
早い段階で生じ強化繊維シートの効果が有効に発揮され
ず、構造物の耐力は上がらないため補強方法として有効
ではない。例えば、上記強化繊維シートによる補修・補
強は、特開平7−34784号公報の他に、特開平5−
231095号公報にも提案されているが、トンネル構
造物、特に環状のトンネル構造物に対してはいずれも補
強効果が小さく、小さな変位でトンネル構造物内壁と強
化繊維シートとの間で剥離が生じ易いという問題があ
る。通常、強化繊維シートは接着剤等を介してトンネル
構造物の内壁面に貼着されるが、従来使用されている接
着剤層は、23℃での引張最大荷重時伸びがほとんどな
く、せいぜい2%以下であるため、強化繊維シートとト
ンネル構造物とに対して、強化繊維シートの剥離等を防
止し得るような緩衝作用は示さない。このためこのよう
なコンクリート構造物内壁表面に強化繊維シートを貼り
付ける方法については、ひび割れの拘束やコンクリート
の剥落を防止する目的のために実施されており、構造物
の耐力を上げるための補強目的で実施されるところにま
では至っていない。
決し、新たな定着方法によりコンクリート構造物内壁表
面に強化繊維シートを貼り付ける方法においても、強化
繊維シートとコンクリート躯体とを一体化させ、強化繊
維シートの持つ能力を十分に発揮させ、コンクリート構
造物の耐力を上げることのできる補強構造体を提供する
ことにある。
を内壁に有するコンクリート構造物を補強する補強構造
体であって、23℃での引張最大荷重時伸びが10〜2
00%、23℃での引張強度が0.1〜50N/mm 2
である緩衝材層と、マトリックス樹脂を有する強化繊維
含有層とを備え、該緩衝材層の引張最大荷重時伸びが、
強化繊維含有層に含まれるマトリックス樹脂の引張最大
荷重時伸びより大きく、該補強構造体が、強化繊維含有
層の強化繊維が湾曲方向に沿って配列するように、且つ
緩衝材層が強化繊維含有層とコンクリート構造物の内壁
面との間に介在するように、コンクリート構造物の内壁
面の少なくとも湾曲面に設けられることを特徴とするコ
ンクリート構造物の補強構造体が提供される。また本発
明によれば、環状の内壁面を有するコンクリート構造物
を補強する補強構造体であって、23℃での引張最大荷
重時伸びが10〜200%、23℃での引張強度が0.
1〜50N/mm 2 である緩衝材層と、マトリックス樹
脂を有する強化繊維含有層とを備え、緩衝材層の引張最
大荷重時伸びが、強化繊維含有層に含まれるマトリック
ス樹脂の引張最大荷重時伸びより大きく、該補強構造体
が、強化繊維含有層の強化繊維が内壁の円周方向に沿っ
て配列するように、且つ緩衝材層が強化繊維含有層とコ
ンクリート構造物の内壁面との間に介在するように、コ
ンクリート構造物の内壁面長手方向の少なくとも一部
に、円周方向に連続して設けられることを特徴とするコ
ンクリート構造物の補強構造体が提供される。
有した既設コンクリート構造物、例えば、長手方向に連
続した半径300mm以上の湾曲面を有した既設コンク
リート構造物、また環状の内壁面を有した既設コンクリ
ート構造物、例えば、半径300mm以上の環状の内壁
面を有した既設コンクリート構造物の補強に使用するこ
とができる。具体的には、鉄道トンネル、道路トンネ
ル、山岳トンネルや、水力発電所用水路トンネル、農業
用水路、上下水道、工業用水、河川放水路等の導水路ト
ンネル;圧力導水路トンネル、ヒューム管等の土中等に
建設され内部や外部から圧力等の応力を受けるような長
手方向に連続した湾曲面を内壁に有するコンクリート構
造物、更には、環状の内壁面を有するコンクリート構造
物、湾曲面を有するコンクリート製橋梁、U字型コンク
リート製溝等に一体化して設け、補強・補修等の補強に
使用することにより、該コンクリート構造物に、高い曲
げや、引っ張りに対する補強効果を得ることができるも
のである。本発明の補強構造体は、23℃での引張最大
荷重時伸びが10〜200%、23℃での引張強度が
0.1〜50N/mm 2 である緩衝材層と、マトリック
ス樹脂を有する強化繊維含有層とを備える。
ート構造物に生じる応力を分散させて強化繊維含有層へ
伝える機能を有している。前記緩衝材層の材質として
は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂、又はこれら
の組み合わせ等を含有するものを挙げることができる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、メチ
ルメタクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、又はこれ
らの組み合わせ等が使用できる。前記熱可塑性樹脂とし
てはナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は
これらの組み合わせ等が使用できる。前記緩衝材層は、
樹脂50〜100質量%、特に59〜98質量%、更に
は70〜80質量%及び充填材0〜50質量%を含むも
のが好ましい。該樹脂を硬化させた際の23℃での引張
弾性率は、0.1〜50N/mm2とすることが好まし
く、0.5〜10N/mm2とすることがさらに好まし
い。前記引張弾性率は、JIS K7113に従い測定
することができる。
材形成に際して適切な粘度範囲を維持したりたれを防止
すること等により構造物への塗布作業を良好にするため
に、本発明の目的を損なわない範囲で適宜充填材、揺変
性付与剤、不陸調整剤等を含有させることもできる。ま
た充填材の添加により、引張最大荷重時伸びはやや低下
するが、緩衝材の引張強度や引張弾性率を向上させるこ
ともできる。
酸カルシウム、タルク、珪酸、珪酸塩、無機顔料として
知られる鉛白、鉛丹、黄鉛、二酸化チタン、ストロンチ
ウムクロメート、チタニウムイエロー、その他の顔料等
が挙げられる。
機系のものがあるが、無機系のものが好ましく、ヒュー
ムドシリカ、層状粘度鉱物、膨潤性マイカ、合成スメク
タイト、ベントナイト、カーボンブラック、ヘクトライ
ト等を使用することができる。
与剤のそれぞれの含有割合は、0〜50質量%、好まし
くは1〜40質量%、更に好ましくは10〜20質量%
であることが好ましい。
伸びは、10〜200%、好ましくは10〜100%で
ある。コンクリート構造物表面に塗布したときに液だれ
が問題となるときがあるが、その場合は引張最大荷重時
伸びは小さめにすると液だれを解決することがある。さ
らに、前記緩衝材層は、強化繊維含有層に含まれるマト
リックス樹脂又は強化繊維含有層の貼り付けに用いるマ
トリックス樹脂より大きい引張最大荷重時伸びを有する
ことが特に好ましい。また、前記緩衝材層の引張強度
は、23℃において、0.1〜50N/mm2である。
前記緩衝材層の引張最大荷重時伸び及び引張強度は、J
IS K7113に従い測定することができる。
の23℃での引張弾性率、23℃での引張最大荷重時伸
び及び引張強度を上記の範囲内とすることにより、強化
繊維含有層の剥離を防止し、強化繊維含有層の有する強
度を最大限に利用することができる。
大荷重時伸びが10〜200%、より好ましくは10〜
100%、5℃での引張強度が0.1〜50N/mm2、
5℃での樹脂単体での硬化物の引張弾性率が0.1〜5
0N/mm2、より好ましくは0.5〜10N/mm2で
あることが好ましい。このように低温においても上記材
料特性を維持できる緩衝材層を用いることにより、寒冷
な使用条件下においても良好な補強効果を得ることがで
きる。前記緩衝材層の材料としては、市販品を用いるこ
とができる。例えば、東邦アーステック社製のEE50、EE
50W、EE60等を用いることができる。
脂を用いる場合は、例えば、前記コンクリート構造物の
内壁面に塗布して緩衝材層を形成する際に、熱ロールや
ドライヤー等で硬化温度まで加熱して硬化させて形成す
ることができる。このような作業を行なう場合には、常
温硬化性の熱硬化性樹脂の使用が好ましく、現場で塗布
する際には2液混合型のものの使用が作業工程上好まし
い。このような塗布は、緩衝材の材料をローラー刷毛や
ゴムベラ、金ゴテ等を用いて、緩衝材層の厚さが、通常
100〜2000μm、好ましくは200〜1000μ
mとなるように均一塗布することが好ましい。緩衝材層
としては、上記材料物性及び厚さを有したものであれ
ば、予め硬化成形されたシート状のものを使用してもよ
い。
は、JIS K6833二液測定法による20℃の粘度
が、通常50〜1000000mPa・s、好ましくは
5000〜300000mPa・sであることが、塗布
作業上望ましい。この粘度範囲を維持するためや、たれ
防止など前記コンクリート構造物への塗布作業を良好に
するために、本発明の目的を損なわない範囲で適宜充填
材、揺変性付与剤等を緩衝材層の材料中に加えることも
できる。
繊維含有層側の面を物理的あるいは化学的処理により改
質し、強化繊維含有層との密着性を向上させることがで
きる。該物理的処理としては、研磨、サンドペーパー等
による目粗し、又は超音波処理等を挙げることができ、
化学的処理としては、表面を一部酸化、官能基を付加さ
せる方法等が挙げられる。具体的には、コロナ処理、プ
ラズマ処理、酸化剤処理等が挙げられ、これらの処理
は、特に緩衝材層を形成する樹脂として、ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂等を用いた場合に好ましく適
用できる。前記緩衝材層の形成方法としては、(i)液状
の緩衝材層の原料を、形成しようとする面上に塗布した
後硬化させる方法、又は(ii)フィルム状等の形状に成形
された前記緩衝材層を貼付する方法等を挙げることがで
きる。
場合は、熱硬化性樹脂、特に常温硬化性の熱硬化性樹脂
が、作業性が良好であるためより好ましい。また、2液
混合型の樹脂も好ましい。
性樹脂を含むものを用いる場合、20℃における可使時
間が好ましくは30分間〜5時間、さらに好ましくは3
0分間〜2時間のものが作業性の点で望ましい。また2
0℃における塗膜硬化時間が好ましくは1時間〜24時
間、さらに好ましくは1時間〜12時間のものが作業工
程の点で望ましい。緩衝材層の原料の設計強度発現時間
は、20℃において通常1〜20日、好ましくは1〜7
日であることが望ましい。緩衝材層の原料の粘度はJI
S K6833測定法で20℃において通常50〜10
00000mPa・s、好ましくは5000〜3000
00mPa・sであることが、塗布作業上望ましい。
原料をローラー刷毛やゴムベラ、金ゴテ等で、緩衝材層
の厚さが通常100〜2000μm、好ましくは200
〜1000μmとなるように均一に塗布することにより
行うことができる。
性樹脂を含む場合は、構造物表面に塗布後に熱ロールや
ドライヤー等で硬化温度まで加熱して行うことができる
が、特に常温硬化性の熱硬化性樹脂である場合は、更に
常温で前記設計強度発現時間にわたり放置することによ
り硬化させることもできる。
場合は、前記緩衝材層の原料として、熱可塑性樹脂や可
撓性の熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。前記成
形された緩衝材層の厚さは、通常100〜2000μ
m、特に200〜1000μmとすることが好ましい。前
記成形された緩衝材層を貼付する方法としては通常知ら
れた方法を適宜使用することができ、例えば熱による融
着、接着剤による接着等が使用できる。前記接着剤とし
ては、緩衝材層をコンクリート強度以上の接着強度で貼
着することができるものを用いることが好ましく、具体
的には例えば、前記緩衝材層と同一材料系のものを用い
ることが好ましい。
前記コンクリート構造物の内壁面を補修又は補強する層
であり、緩衝材層の上に張り付けられる強化方向に強化
繊維が敷き並べられた強化繊維シートとマトリックス樹
脂とから基本的に構成され、高い靭性が付与されてい
る。この強化繊維シートは1〜5層を基本とするが、必
要に応じて6層以上敷き並べて補強効果を高める構成と
してもよい。該マトリックス樹脂は含浸性が良好であれ
ばよく、エポキシ樹脂の他に、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシアクリレート樹脂、メタアクリレート樹
脂、ビニルエステル樹脂等も使用可能である。
して二次元織物、一方向織物、一方向材等が使用でき
る。該一方向織物あるいは一方向材としては、経糸が強
化繊維、緯糸が補助糸(一部の経糸に使用しても良
い)、通常は補助糸はガラス繊維で、例えば、熱可塑性
樹脂含有繊維(ホットメルト樹脂やホットメルト繊維が
付着したものでも良い)からなり、該経糸と該緯糸とが
前記熱可塑性樹脂含有繊維中の熱可塑性樹脂により固着
された平織り、綾織り、絡み織り等に織製されたクロス
状もの、一方向に強化繊維を並べたプリプレグシートあ
るいは強化繊維を一方向に並べ熱可塑性樹脂を含有する
網目状の格子で強化繊維と格子を、前記熱可塑性樹脂含
有繊維中の熱可塑性樹脂により固着されたプリプレグ状
のシート等が使用できる。
は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、
アラミド繊維、炭化珪素繊維、ビニロン繊維、ポリアリ
レート繊維、ポリエチレン繊維等が挙げられるが、軽量
で且つ耐食性を有する炭素繊維が好ましい。該炭素繊維
は、高弾性率のものを要求される場合には、通常日本グ
ラファイトファイバー社製のXN60等のピッチ系炭素
繊維が使用され、高強度が要求されるときには通常、東
レ社製のT700SC、T300、東邦レーヨン社製の
UT500、三菱レーヨン社製のTR30等のポリアク
リロニトリル系炭素繊維の使用が好ましい。
00g/m2のものが好ましく、強化繊維の1束当たり
のフィラメント数は1000〜10000本が好まし
く、引張強度は2000〜5000N/mm2、引張弾
性率200000〜1000000N/mm2のものが
好ましい。
しては、前記コンクリート構造物の内壁表面上に、例え
ば、プライマー層、前記緩衝材層、下塗り層、前記強化
繊維含有層、上塗り層、仕上げ層等の各層を、順次形成
する方法が挙げられる。これら各層のうち、緩衝材層及
び強化繊維含有層は必須に形成され、他の層は必要に応
じて形成することができる。これらの各層の形成は、通
常は、コンクリート構造物の内壁表面に近い層から順に
形成することができるが、緩衝材層及び強化繊維含有層
を含む複合物を予め形成し、それをコンクリート構造物
の内壁表面に貼りつけることによって行うこともでき
る。
トを用いた場合の補強構造体の施工方法例を以下に具体
的に説明する。まず、必要に応じて、トンネル構造物の
表面に対し、ディスクサンダー、サンドブラスト、ウエ
ス、有機溶剤、高圧ウォータージェット等により洗浄す
る。洗浄後、トンネル内壁のクラックを補修し、またア
ースアンカー施工部の頭部処理を行なう。そして研磨処
理、及び下地調整材を用いた段差、欠損部位等の前処理
を行う。
度と同等以上の圧縮強度を有する樹脂、例えばパテ状エ
ポキシ樹脂、エポキシ樹脂モルタル等を用いることがで
きる。これらの樹脂等を段差、欠損部位等に充填するこ
とにより、前処理を行うことができる。また、前処理工
程においては、出隅、入隅のR仕上げを併せて施すこと
が好ましい。前記洗浄、前処理等を必要に応じて施した
後、必要に応じて強化繊維含有層の貼付位置等の参照と
するための墨出しを行うことができる。
イマーを塗布し、乾燥させ、プライマー層を形成するこ
とができる。前記プライマーとしては、構造物表面及び
緩衝材層との接着性が良好なもの、例えば溶剤型エポキ
シ樹脂あるいは無溶剤型エポキシ樹脂等を使用すること
ができる。前記プライマーの混合粘度は、20℃におい
て通常1〜10000mPa・s、好ましくは10〜5
000mPa・sであることが、作業性の点で好まし
い。前記プライマーの塗布に際しての使用温度は、通常
−10℃〜50℃であることが好ましい。前記プライマ
ーの塗布量は、通常0.01〜1kg/m2、好ましく
は0.1〜0.5kg/m2であることが望ましい。前
記プライマーを乾燥させる時間は、20℃において通常
1〜24時間、好ましくは1〜12時間であることが望
ましい。プライマーとしては水性シラン系浸透型吸水防
止剤等の含浸性接着剤樹脂等により処理する場合もあ
る。
シ樹脂製の緩衝材層の材料(例えば、東邦アーステック
社製EE50)を300〜600g/m2の割合で300
〜400μmの厚さに塗布し、緩衝材層を形成する。該
緩衝材層には、必要に応じてパテ材等の不陸調整材を塗
布し、層表面の不陸を調整した不陸調整材層が含まれて
いても良く、通常、この不陸調整材層上にエポキシ樹脂
製の緩衝材層の材料等が塗布される。さらに必要に応じ
て緩衝材層の表面を物理的あるいは化学的処理により改
質し、次に、必要に応じて下塗り層としてのマトリック
ス樹脂材料等を塗布する工程を行うこともできる。
化性樹脂、常温硬化性樹脂、又はこれらの組み合わせ等
を含むものを使用することができるが、作業性の点で常
温硬化性樹脂を含むものが好ましい。前記熱硬化性樹脂
としてはエポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、メ
タクリレート樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用で
き、前記熱可塑性樹脂としてはナイロン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用
できるが、緩衝材層との密着性の良好なものが望まし
い。
加えて、塗布に際して適切な粘度範囲を維持したりたれ
を防止するために、本発明の目的を損なわない範囲で適
宜充填材、揺変性付与剤等を含有することもできる。
酸カルシウム、タルク、珪酸、珪酸塩、無機顔料として
知られる鉛白、鉛丹、黄鉛、二酸化チタン、ストロンチ
ウムクロメート、チタニウムイエロー、その他の顔料等
が挙げられる。該揺変性付与剤としては、有機系のもの
と無機系のものがあるが、無機系のものが好ましく、ヒ
ュームドシリカ、層状粘度鉱物、膨潤性マイカ、合成ス
メクタイト、ベントナイト、カーボンブラック、ヘクト
ライト等を使用することができる。前記マトリックス樹
脂材料中の前記充填材及び/又は揺変性付与剤の含有割
合は、1〜20質量%であることが好ましい。
温硬化性樹脂を含むものを用いる場合、20℃における
可使時間が好ましくは30分間〜5時間、さらに好まし
くは30分間〜2時間のものが作業性の点で望ましい。
また20℃における塗膜硬化時間は、通常1〜24時
間、さらには1〜12時間のものが作業工程の点で望ま
しい。
時間は20℃において通常1〜20日、好ましくは1〜
7日であることが望ましい。また、粘度は20℃におい
て通常10〜100000mPa・s、好ましくは10
0〜50000mPa・sであることが、含浸性及び脱
泡性がよいため望ましい。
料を塗布する工程は、前記マトリックス樹脂材料をロー
ラー刷毛やゴムベラ等で、塗布量が通常0.1〜2kg
/m 2、好ましくは0.2〜1kg/m2の範囲となるよ
うに均一に塗布することにより行うことができる。
り付ける。この工程は、下塗り層の塗布直後に強化繊維
シートを前記墨出し位置に沿って貼り付け、好ましくは
シートの表面を強化繊維方向に、さらに好ましくはシー
トの中心部から端部に強化繊維方向に沿ってゴムベラ、
熱ロール、脱泡ロール等でしごき、マトリックス樹脂材
料を強化繊維の中に含浸させ、且つ強化繊維中の空気を
追い出し平滑に仕上げることにより行うことができる。
強化繊維シートは、前記コンクリート構造物が長手方向
に連続した湾曲面を内壁に有するもの、特に、環状の内
壁面を有する場合の、該湾曲面等に敷き並べる場合に
は、所望の補強効果を得るために、強化繊維が内壁の湾
曲方向又は円周方向に沿って配列するように敷き並べる
必要がある。この際、強化繊維シートの強化繊維の配列
が2方向以上ある場合には、その1方向が湾曲方向又は
円周方向に沿って配列するように敷き並べれば良い。敷
き並べた後、熱ロールや刷毛等で転圧して、マトリック
ス樹脂内に埋め込むことにより強化繊維含有層とするこ
とができる。
シートの長さが長すぎると作業が困難であるため、強化
繊維シートを適度の長さに切断し、継ぎ重ねて貼り付け
ることができる。この場合、強度を確保するために、継
ぎ重ね部分は、強度を確保する方向に100mm以上重
なるよう貼り付けることが好ましい。
てのマトリックス樹脂材料等を塗布する。この工程は、
前記下塗りで使用したものと同様のマトリックス樹脂材
料等を用い、ローラー刷毛やゴムベラ等で通常0.05
〜2kg/m2、好ましくは0.1〜1kg/m2の塗布
量により均一に塗布することによって行うことができ
る。
れ等が発生したら直ちに修正することが好ましい。ま
た、汚れの付着、降雨等からの保護を十分に行うことが
好ましい。
り層上に、ウレタン樹脂あるいはフッ素樹脂等の耐候性
塗料又はポリマーセメント系材料を塗布し保護層を形成
することによって行うことができる。このようにしてコ
ンクリート構造体の内壁面に本発明の補強構造体を一体
形成した例を図1に示す。図1において、10は長手方
向に湾曲面を有するコンクリート構造体であり、11は
プライマー層、12は緩衝材層、13は下塗り層、14
は強化繊維層、15は上塗り層及び16は表面仕上げ層
である。
強化繊維シートのみを設けたが、本発明では、2層以上
の強化繊維シートを設けることもできる。2層以上の強
化繊維シートは、前記下塗り工程、強化繊維シートの貼
り付け工程、及び上塗り工程を必要な回数だけ繰り返す
ことにより設けることができる。このようにして形成さ
れた緩衝材層及び強化繊維含有層からなる補強構造体
は、施工後の強度が従来の強化繊維シートの数倍の強度
・剛性を発揮させることができる。また、本発明の補強
構造体は、前記コンクリート構造物の補強が必要な内壁
面の箇所に施工することができ、略全面に施工すること
も可能である。特に、長手方向に連続した湾曲面を内壁
に有するコンクリート構造物や、環状の内壁面を有する
コンクリート構造物を補強する場合には、強化繊維含有
層の強化繊維が該湾曲方向又は円周方向に沿うように配
置することによりより高い補強効果が得られ、更には、
環状の内壁面を有するコンクリート構造物の場合、該構
造物の内壁面長手方向の少なくとも一部若しくは全部
に、円周方向に連続して設けることにより、従来の強化
繊維シートでは得られない引張応力に対しても優れた性
能を発揮させることができる。
場合、施工中は、トンネルを通行止めにすることが少な
く、片側車線を通しながらの施工が可能である。しかも
施工終了後トンネルをすぐに使用に供することができ
る。また、施工した強化繊維含有層の外表面から所定間
隔をおいてアースアンカーを地山に打ち込み、鉄板及び
ボルトによりアースアンカーの頭部を固定し処理するこ
ともできる。アースアンカーの打ち込みは、強化繊維含
有層の張り付けに先立って行なってもよい。このような
アースアンカーの打ち込みを組み合わせることによりコ
ンクリートブロックの剥落防止に関し、一層の安全が確
保される。
造物の断面の大きさ、施工延長、規模、条件等に応じて
台車を有する専用施工設備を用いるが、汎用性のある作
業台車、簡易足場等を使い、ロボット化した機械又は人
力により施工することができる。前記コンクリート構造
物の断面が大きい場合は、強化繊維シートの張り付け、
エポキシ樹脂等の塗布を行なえるロボットにより機械施
工しても良い。なお、従来の強化繊維シート工法で得ら
れていた、補修による小さい断面縮小率、工事規模の縮
小化や特に導水路トンネルなどにおける高い止水効果、
内水圧に対する引張抵抗力、小さい壁面抵抗の維持など
の優れた効果なども維持することができる。これにより
例えば既設コンクリート構造物の耐力を積極的に活用で
き、経済性を高めると共に、耐用年数を長くすることが
できる。
材による地山補強、構造体吊り下げ、アーチ形成等を組
み合わせることにより、さらには、コンクリート表面の
空隙充填剤、地盤改良剤等を覆工コンクリート、地盤に
注入することにより、覆工コンクリート層に作用する内
部応力をバランスさせ、補強効果を効率化することがで
きる。また、前記コンクリート構造物に必要とする補強
の程度および規模に応じて、極めてフレキシブルに対応
できるとともに、比較的規模の小さい仮設設備で施工で
き、各種条件に応じた特殊形態の施工にも広く対応でき
る。
場で施工しながら作成することができる他、予め所望の
大きさ及び厚さに硬化成型した積層物を、接着剤層等を
介してコンクリート構造物の内壁面に貼着して施工する
こともできる。また、本発明の補強構造体を施工するに
際しては、必要に応じて、下塗り層等の他の層を介して
設けても良いし、さらに上塗り層、仕上げ層等の他の層
を設けることもできる。このような他の層としては、公
知のものを適宜組合せて使用することができる。
と、強化繊維含有層とを備え、緩衝材層が、強化繊維含
有層と前記コンクリート構造物の内壁面との間に介在す
るように、該補強構造体が前記コンクリート構造物の内
壁面の少なくとも一部に設けられるので、湾曲面を有し
たコンクリート構造物、また環状の内壁面を有したコン
クリート構造物の劣化による内壁面のコンクリート等の
剥落等が防止でき、補修・補強による前記コンクリート
構造物の断面積縮小率を最小限に抑え、施工規模や複雑
度を最小限にして効率良く、補強ができると共に、その
耐久性能も従来の強化繊維シートの施工よりも優れてい
る。特に、前記コンクリート構造物の補強にあたり、強
化繊維含有層の強化繊維が内壁の湾曲方向又は円周方向
に沿って配列させることにより、より優れた強度を前記
コンクリート構造物に付与することができる。更には、
環状の内壁面を有する前記コンクリート構造物の内壁面
長手方向の少なくとも一部に、円周方向に連続して設け
ることにより、従来の強化繊維シートではその補強効果
が期待できない引張応力についても優れた強度を得るこ
とができる。なお、本発明のコンクリート構造物は既設
あるいは新設のコンクリート構造物のいずれにも補強、
補修することができる。
はこれに限定されない。実施例1 コンクリート製のヒューム管(JIS A5303B型1
種、内径1200mm、厚さ95mm、長さ2430m
m)の内壁を高圧ウォータージェットにより洗浄し、内
壁全面にわたり、エポキシ系のプライマーを塗布しプラ
イマー層を形成した。次いで、内壁全体に、エポキシ樹
脂製の緩衝材層用材料(東邦アーステック社製EE5
0)を600g/m2の割合で塗布し、500μmの厚
さの緩衝材層を形成した。この緩衝材層と同様に成型し
たものについて、物性測定をしたところ、23℃でのJ
IS K7113による引張最大荷重時伸びは95%、
引張強度が1.4N/mm2、5℃でのJIS K711
3による引張最大荷重時伸びが65%、引張強度が6.
5N/mm2であった。続いて、緩衝材層上にマトリッ
クス樹脂(商品名ボンドE2500、コニシ株式会社製)
をロールで塗布し、その上に強化繊維シート(日石三菱
社製TUクロスST200−50、目付200g/
m2、シート幅50mm、設計厚さ0.11mm、引張
強度3430N/mm2、引張弾性率2.3×105N/
mm2)を敷き並べた。強化繊維シートは、ヒューム管
の円周方向に沿って配列し、含浸ロールで転圧した。そ
の結果、強化繊維シートは、マトリックス樹脂内に埋め
込まれた状態となった。更にマトリックス樹脂の塗布と
強化繊維シートの積層を繰り返し、最終的に強化繊維シ
ート層が2層の強化繊維含有層をヒューム管内壁面全体
に形成した。得られた補強したヒューム管について、J
IS A5303「遠心力鉄筋コンクリート管」に準拠
して破壊されるまで荷重Pを加え、載荷試験を行った。
補強の様子と試験の概略を図2及び図3に示し、結果を
表1に示す。図2及び図3において、20はコンクリー
ト製ヒューム管、21は緩衝材層、22は強化繊維シー
ト、23は載荷冶具を示す。得られた補強ヒューム管
は、補強していないものに比べ耐力が向上し、管の上下
に生じた引張応力が緩衝材層の存在により、管の左右周
方向に分散していることが観察でき、以下の比較例のも
のに比べて優れた性能を有していた。
ヒューム管を作製し、載荷試験を行った。結果を表1に
示す。
例1と同様に載荷試験を行った。結果を表1に示す。
種、内径1200mm、厚さ95mm、長さ2430m
m)を用いて、正確に半円になるようにヒューム管を切
り出した。この半円状のヒューム管の内壁を高圧ウォー
タージェットにより洗浄し、内壁全面にわたり、エポキ
シ系のプライマーを塗布しプライマー層を形成した。次
いで、内壁全体に、エポキシ樹脂製の緩衝材層用の材料
(東邦アーステック社製EE50)を600g/m2の割
合で塗布し、500μmの厚さの緩衝材層を形成した。
この緩衝材層と同様に成型したものについて、物性測定
をしたところ、23℃でのJIS K7113による引
張最大荷重時伸びは95%、引張強度が1.4N/mm
2、JIS K7113による引張弾性率が1.5N/m
m2、5℃でのJIS K7113による引張最大荷重時
伸びが65%、引張強度が6.5N/mm2であった。
続いて、緩衝材層上にマトリックス樹脂(商品名ボンド
E2500、コニシ株式会社製)をロールで塗布し、そ
の上に強化繊維シート(日石三菱社製TUクロスST2
00−50、目付200g/m2、シート幅50mm、
設計厚さ0.11mm、引張強度3430N/mm2、
引張弾性率2.3×105N/mm2)を敷き並べた。強
化繊維シートは、ヒューム管の円周方向に沿って配列
し、含浸ロールで転圧した。その結果、強化繊維シート
は、マトリックス樹脂内に埋め込まれた状態となった。
更にマトリックス樹脂の塗布と強化繊維シートの積層を
繰り返し、最終的に強化繊維シート層が2層の強化繊維
含有層をヒューム管内壁面全体に形成した。得られた補
強した半円状のヒューム管について、JIS A530
3「遠心力鉄筋コンクリート管」に準拠して破壊される
まで荷重Pを加え、載荷試験を行った。補強の様子と試
験の概略を図4及び図5に示し、結果を表2に示す。図
4及び図5において、30はコンクリート製半円状ヒュ
ーム管、31は緩衝材層、32は強化繊維シート、33
は載荷冶具を示す。得られた補強ヒューム管は、補強し
ていないものに比べ耐力が向上し、管の上下に生じた引
張応力が緩衝材層の存在により、管の左右周方向に分散
していることが観察できた。また以下の比較例のものに
比べて優れた性能を有していた。
した半円状ヒューム管を作製し、載荷試験を行った。結
果を表2に示す。
て、実施例2と同様に載荷試験を行った。結果を表2に
示す。
の内壁面に、本発明の補強構造体を一体的に設けた一例
を概念的に示す概略図である。
及び補強コンクリート構造体を示す正面概略図である。
側面概略図である。
及び半円状補強コンクリート構造体を示す正面概略図で
ある。
造体の側面概略図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 湾曲面を内壁に有するコンクリート構造
物を補強する補強構造体であって、23℃での引張最大
荷重時伸びが10〜200%、23℃での引張強度が
0.1〜50N/mm 2 である緩衝材層と、マトリック
ス樹脂を有する強化繊維含有層とを備え、該緩衝材層の
引張最大荷重時伸びが、強化繊維含有層に含まれるマト
リックス樹脂の引張最大荷重時伸びより大きく、該補強
構造体が、強化繊維含有層の強化繊維が湾曲方向に沿っ
て配列するように、且つ緩衝材層が強化繊維含有層とコ
ンクリート構造物の内壁面との間に介在するように、コ
ンクリート構造物の内壁面の少なくとも湾曲面に設けら
れることを特徴とするコンクリート構造物の補強構造
体。 - 【請求項2】 環状の内壁面を有するコンクリート構造
物を補強する補強構造体であって、23℃での引張最大
荷重時伸びが10〜200%、23℃での引張強度が
0.1〜50N/mm 2 である緩衝材層と、マトリック
ス樹脂を有する強化繊維含有層とを備え、緩衝材層の引
張最大荷重時伸びが、強化繊維含有層に含まれるマトリ
ックス樹脂の引張最大荷重時伸びより大きく、該補強構
造体が、強化繊維含有層の強化繊維が内壁の円周方向に
沿って配列するように、且つ緩衝材層が強化繊維含有層
とコンクリート構造物の内壁面との間に介在するよう
に、コンクリート構造物の内壁面長手方向の少なくとも
一部に、円周方向に連続して設けられることを特徴とす
るコンクリート構造物の補強構造体。 - 【請求項3】 前記緩衝材層が、樹脂50〜100質量
%及び充填材0〜50質量%を含み、前記樹脂が、硬化
させた際の23℃での引張弾性率が0.1〜50N/m
m2の樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載
のコンクリート構造物の補強構造体。 - 【請求項4】 前記緩衝材層の5℃での引張最大荷重時
伸びが10〜200%、5℃での引張強度が0.1〜5
0N/mm2であり、且つ前記緩衝材層が、樹脂50〜
100質量%及び充填材0〜50質量%を含み、前記樹
脂が、硬化させた際の5℃での引張弾性率が0.1〜5
0N/mm2の樹脂であることを特徴とする請求項1〜
3のいずれか1項記載のコンクリート構造物の補強構造
体。 - 【請求項5】 前記緩衝材層の厚さが100〜2000
μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
項記載のコンクリート構造物の補強構造体。
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2000
- 2000-08-31 JP JP2000264335A patent/JP3399918B2/ja not_active Expired - Lifetime
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