JP7461179B2 - 対象物の補修または補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、対象物の補修または補強方法に関するものである。
特許文献1は、強化繊維シートを用いた対象物の補修または補強方法を開示している。特許文献1の補強工法は、現場にて強化繊維に樹脂を含浸させる方式を採っている。そのため、含浸樹脂の粘度は、2~25Pa・sと低い。
特開平10-339039号公報
従来の構成では、含侵樹脂の粘度が低いことによって天井などの補強または補修をする際に天井面に上手く張り付かず、別の手段を用いて固定するなどの工夫が必要であった。
しかしながら、このようにすると、手間がかかり作業も大変であった。これに対し、張り付くようにするために粘度を上げる事が考えられる。しかしながら、粘度を上げると繊維状部材への含浸性が悪くなり、貼付強度が十分に発現しなかったり、引張強度がでなかったりと信頼性の問題があった。すなわち、作業性と信頼性とは両立しない問題として認識されていた。
第1観点の対象物の補修または補強方法は、以下の(a)~(e)の工程を有する。
(a)対象物に直接または下地層を介して、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第1樹脂組成物を塗布し、
(b)前記(a)で塗工された前記第1樹脂組成物の上に繊維状部材を配置し、
(c)前記(b)で配置された前記繊維状部材の上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第2樹脂組成物を塗布し、
(d)前記(c)で塗工された前記第2樹脂組成物の上に高分子シートを配置し、
(e)前記高分子シートの上から押圧する。
第2観点の対象物の補修または補強方法は、第1観点の対象物の補修または補強方法であって、前記第1樹脂組成物と前記第2樹脂組成物は、同一である。
第3観点の対象物の補修または補強方法は、第1観点または第2観点の対象物の補修または補強方法であって、前記高分子シートは光硬化性樹脂を含み、前記(e)の後で、さらに、工程(f)を有する。工程(f)は、以下の工程である。
(f)前記高分子シートの表面に紫外線を照射する。
第4観点の対象物の補修または補強方法は、第1観点~第3観点のいずれかの対象物の補修または補強方法であって、前記対象物は、コンクリートである。
第5観点の対象物の補修または補強方法は、第1観点~第4観点のいずれかの対象物の補修または補強方法であって、前記繊維状部材は、炭素繊維を含む。
第6観点の対象物の補修または補強方法は、第5観点の対象物の補修または補強方法であって、前記炭素繊維は、繊維径が5~7μmである。
第7観点の対象物の補修または補強方法は、第1観点~第6観点のいずれかの対象物の補修または補強方法であって、前記(a)において、前記対象物に第0樹脂組成物を塗布して下地層を形成した後で、前記下地層上に前記第1樹脂組成物を塗布する。
第8観点の対象物の補修または補強方法は、第1観点~第7観点のいずれかの対象物の補修または補強方法であって、前記第1樹脂組成物、第2樹脂組成物、および、前記高分子シートからなる群のうちの一つ、または、その組み合わせは、ビニルエステルを主要構成樹脂として含む。
第9観点の対象物の補修または補強方法は、第1観点~第8観点のいずれかの対象物の補修または補強方法であって、
前記(a)の前に、さらに、
(a0)対象物に直接または下地層を介して、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第3樹脂組成物を塗布し、
(d0)前記(a0)で塗工された前記第3樹脂組成物の上に光硬化性樹脂シートを配置し、
(e0)前記光硬化性樹脂シートの上から押圧し、
(f0)前記光硬化性樹脂シートの表面に紫外線を照射する、
工程を含み、
前記(a)は、前記光硬化性樹脂シートの上に、前記第1樹脂組成物を塗布する。
第10観点の対象物の補修または補強方法は、第3観点の対象物の補修または補強方法であって、
前記(f)の後で、さらに、
(a1)前記高分子シートの上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第4樹脂組成物を塗布し、
(b1)前記(a1)で塗工された前記第4樹脂組成物の上に第2の繊維状部材を配置し、
(c1)前記(b1)で配置された前記第2の繊維状部材の上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第5樹脂組成物を塗布し、
(d1)前記(c1)で塗工された前記第5樹脂組成物の上に第2の高分子シートを配置し、
(e1)前記第2の高分子シートの上から押圧し、
(f1)前記第2の高分子シートの表面に紫外線を照射する。
本開示の対象物の補修または補強方法は、施工が容易であり、かつ、短時間で施工が完了する方法である。
繊維状部材に含侵させる樹脂組成物として、従来に比べて粘度の高いゲル状の樹脂組成物を用いる。樹脂組成物の粘度は、30Pa・s以上、85Pa・s以下である。そして、繊維状部材を高粘度樹脂組成物で挟み込んだうえで、さらに、高粘度樹脂組成物の上に高分子シートをおいて、高分子シート上から押圧する。こうすることで、高粘度の樹脂組成物を繊維状部材に染み込ませることができる。また、高分子シートとして光(紫外線)硬化型FRPシートを使用した場合、従来の低粘度樹脂部材に比べると硬化が早く、さらに、高分子シートの硬化過程で発生する高加熱により、高粘度樹脂組成物が加温され、常温硬化性樹脂の硬化が促進されるため、工期を短縮できる。このようにすることにより、コンクリートなどの対象物に繊維状部材等を十分な付着強度で付着させることができる。
実施形態1の補修または補強後の対象物の模式図である。 実施形態1の対象物の補修または補強方法のフローチャートである。 実施形態1の補修または補強後の対象物の断面図である。 実施形態2の対象物の補修または補強方法のフローチャートである。 実施形態2の補修または補強後の対象物の断面図である。 実施形態3の対象物の補修または補強方法のフローチャートである。 実施形態3の補修または補強後の対象物の断面図である。 実施形態4の対象物の補修または補強方法のフローチャート(前半)である。 実施形態4の対象物の補修または補強方法のフローチャート(後半)である。 実施形態4の補修または補強後の対象物の断面図である。
(実施形態1)
実施形態1の対象物の補修または補強方法を、図面を用いて説明する。本実施形態の補修または補強後の対象物の概略、断面を図1、3に、補修または補強方法のフローチャートを図2に示す。
本実施形態の対象物の補修または補強方法は、以下(図2)に示すように、工程(a)~(e)を含んでいる。
(a)対象物1に直接または下地層10を介して、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第1樹脂組成物20を塗布する。
(b)(a)で塗工された第1樹脂組成物20の上に繊維状部材30を配置する。
(c)前記(b)で配置された繊維状部材30の上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第2樹脂組成物40を塗布する。
(d)前記(c)で塗工された第2樹脂組成物40の上に高分子シート50を配置し、
(e)前記高分子シート50の上から押圧する。
以下、各工程について、詳述する。
本実施形態において、補修または補強の対象物は、構造部材である。構造部材としては、コンクリート、金属、樹脂製品などである。対象物は、他の構造部材であってもよい。
工程(a)では、まず、コンクリート1に下地層10を塗布する。塗布には、ローラー等を用いる。以下、塗布には同様にローラー等を用いる。下地層10は、樹脂を溶剤に溶解したものである。下地層10は、一部、コンクリート1の内部に染み込む。下地層10は、後に説明する樹脂組成物20、40、70、繊維状部材30などのコンクリートへの接着力を向上させる。下地層10の例としては、積水化学工業株式会社製、シンクボンドプライマー U-100である。シンクボンドプライマーは、樹脂としてウレタンプレポリマーを含み、溶媒として、トルエン、酢酸エチルを含む。なお、この下地層10を第0樹脂組成物と呼ぶことがある。
工程(a)では、下地層10上にさらに、第1樹脂組成物20を塗布する。塗布には、ゴムベラや左官ゴテ等を用いる。以下、樹脂組成物20、21、40、41の塗布には同様に、ゴムベラや左官ゴテを用いる。第1樹脂組成物20は、下地層10を用いないで、直接、コンクリート1上に塗布してもよい。第1樹脂組成物20は、ゲル状である。第1樹脂組成物20の粘度は、30Pa・s以上、85Pa・s以下である。第1樹脂組成物20は、樹脂を溶剤に溶かしたものである。樹脂としては、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステルなどがある。本実施形態では、第1樹脂組成物20として、積水化学工業株式会社製、貼付けプライマー V-200を用いる。貼付けプライマーは、ビニルエステル樹脂を含む。
第1樹脂組成物20は、上記樹脂のほかに、さらに、硬化剤を含んでもよい。硬化剤としては、たとえば、積水化学工業株式会社製、メポックスDを用いる。メポックスDは、主にメチルエチルケトンパーオキサイドと、フタル酸ジメチルを含む。
工程(a)の次に工程(b)では、第1樹脂組成物20の上に、繊維状部材30を配置する。繊維状部材30は、たとえば、メッシュ状の炭素繊維である。炭素繊維は、繊維径が5~7μmである。
次に、工程(c)では高分子シート50の上に第2樹脂組成物40を塗布する。第2樹脂組成物40は、ゲル状である。第2樹脂組成物40の粘度は、30Pa・s以上、85Pa・s以下である。第2樹脂組成物40は、樹脂を溶媒に溶かしたものである。樹脂としては、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステルなどがある。第2樹脂組成物40は、上記樹脂のほかに、さらに、硬化剤を含んでもよい。第2樹脂組成物40は、第1樹脂組成物20と同一であっても異なっていてもよい。本実施形態では、第2樹脂組成物40は、第1樹脂組成物20と同一のものを用いている。
工程(c)の次に工程(d)では、第2樹脂組成物40上に、高分子シート50を配置する。高分子シート50は、樹脂シートである。樹脂シートとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)シートであってもよいし、光硬化性樹脂シートであってもよい。ここでは、PETシートを用いる。
工程(d)の次に工程(e)では、高分子シート50を押圧する。押圧には、金ベラまたはプラスチックベラ又は脱泡ローラー等を用いる。押圧することによって、高粘度の樹脂組成物20、40が、繊維状部材30に染み込む。また、コンクリート1と高分子シート50の間で脱泡される。
工程(e)の後で、さらに、高分子シート50の上に塗料60を塗布(塗装)してもよい。塗料60は、紫外線による劣化防止や装飾等の目的である。
工程(d)の後、または、塗装の後で、樹脂組成物20、40、繊維状部材30等を塗布、配置されたコンクリート1を放置することにより、樹脂組成物20、40を硬化させる。
(実施形態2)
実施形態2の対象物の補修または補強方法のフローチャートを図4に、補修または補強後の対象物の断面図を図5に示す。
実施形態2の工程(a)~(c)、(e)と、下地層10、樹脂組成物20、40、繊維状部材30、塗料60は、実施形態1とまったく同様である。実施形態2は、工程(d)と高分子シート50が実施形態1と異なり、工程(f)が新たに加わっている。
実施形態2の高分子シート50は、光硬化性樹脂シート51、すなわち、光(紫外線)硬化型FRPシートである。光硬化性樹脂の例としては、不飽和ポリエステル、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどである。本実施形態では、積水化学工業株式会社製、インフラガードUVPを用いる。インフラガードUVPは、ビニルエステル樹脂を主成分とする。
実施形態2においては、工程(d)で、高分子シート50として光硬化性樹脂シート51を第2樹脂組成物40上に配置したのち、第1実施形態と同様に、工程(e)で光硬化性樹脂シート51の上から押圧して、樹脂組成物20、40を繊維状部材30に含侵させる。
工程(f)において、光硬化性樹脂シート51の表面から紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化させる。光硬化性樹脂は硬化のプロセスにおいて発熱する。この熱によって、樹脂組成物20、40の乾燥、硬化が促進される。
工程(f)の後で、さらに、光硬化性樹脂シート51の上に塗料60を塗布(塗装)してもよい。塗料60は、紫外線による劣化防止や装飾等の目的である。
工程(f)の後、または、塗装の後で、樹脂組成物20、40、繊維状部材30等を塗布または配置されたコンクリート1を放置することにより、樹脂組成物20、40をさらに硬化させる。
(実施形態3)
実施形態3の対象物の補修または補強方法のフローチャートを図6に、補修または補強後の対象物の断面図を図7に示す。
実施形態2の工程(b)~(f)と、下地層10、樹脂組成物20、40、繊維状部材30、光硬化性樹脂シート51は、実施形態2とまったく同様である。実施形態3は、工程(a0)~工程(f0)と、第3樹脂組成物11と、光硬化性樹脂シート52とが新たに加わり、工程(a)が工程(aA)に代わっている。
工程(a0)では、まず、第1実施形態と同様に、コンクリート1に下地層10を塗布する。
工程(a0)では、下地層10上にさらに、第3樹脂組成物11を塗布する。第3樹脂組成物11は、下地層10を用いないで、直接、コンクリート1上に塗布してもよい。第3樹脂組成物11は、ゲル状である。第3樹脂組成物11の粘度は、30Pa・s以上、85Pa・s以下である。第3樹脂組成物11は、樹脂を溶剤に溶かしたものである。樹脂としては、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステルなどがある。本実施形態では、第3樹脂組成物11として、積水化学工業株式会社製、貼付けプライマー V-200を用いる。貼付けプライマーは、ビニルエステル樹脂を含む。
第3樹脂組成物11は、上記樹脂のほかに、さらに、硬化剤を含んでもよい。硬化剤としては、たとえば、積水化学工業株式会社製、メポックスDを用いる。メポックスDは、主にメチルエチルケトンパーオキサイドと、フタル酸ジメチルを含む。
工程(a0)の次に工程(d0)では、第3樹脂組成物11の上に、光硬化性樹脂シート52を配置する。光硬化性樹脂シート52は、光(紫外線)硬化型FRPシートである。光硬化性樹脂の例としては、不飽和ポリエステル、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどである。光硬化性樹脂シート52は、光硬化性樹脂シート51と同一であっても異なっていてもよい。本実施形態では、同一である。
工程(d0)の次の工程(e0)では、工程(e)と同様に、光硬化性樹脂シート52(高分子シート50)を押圧する。
工程(f0)では、工程(f)と同様に、光硬化性樹脂シート52の表面に、紫外線を照射する。
次に、工程(aA)では、光硬化性樹脂シート52の上に第1樹脂組成物20を塗布する。工程(aA)の後、工程(b)~工程(f)は、第2実施形態と同じであるので説明を省略する。
工程(f)の後で、第2実施形態と同様に、さらに、光硬化性樹脂シート51の上に塗料60を塗布(塗装)してもよい。塗料60は、紫外線による劣化防止や装飾等の目的である。
工程(f)の後、または、塗装の後で、樹脂組成物11、20、40、繊維状部材30等を塗布されたコンクリート1を放置することにより、樹脂組成物11、20、40をさらに硬化させる。
(実施例1)
実施例1では、第3実施形態の方法を用いて、コンクリート1の試験片に対して補修または補強を行った。そして、その試験片に対して、付着強度試験を行った。付着強度試験は、建研式接着試験法を用いた。
試験片は、300mm×300mmの矩形で厚みが60mmである。この試験片の矩形の四角近傍に40mm(4cm)×40mm(4cm)の矩形で厚みが10mmの金属製のパッドを配置し、中央にも同じ形状の金属製パッド(アタッチメント)を配置する。四角のアタッチメントは、固定した状態で、中央のアタッチメントを試験片に接着し、アタッチメントを上に引っ張る。試験片が破断したときの引張強度より、付着強度を求める。
引張強度(kN)から付着強度(MPa)との関係は、式(1)の通りである。
P=F1/(4×4)×10 (1)
なお、式(1)で、 4はアタッチメントの一辺の値(cm)であり、10はkN/cm2からMPaへの換算時の係数である。
式(1)を簡単にすると、以下の式(2)が得られる。
∴P=0.625×F1 (2)
健研式接着試験により引張強度F1(kN)を求め、その値を式(2)に代入して、付着強度P(MPa)を求める。表1の結果は、第1実施形態の方法により試験片を作成し、アタッチメントを取り付けた後に1日養生し、翌日、健研式接着試験により、付着強度Pを求めた。その試験結果を表1に示す。
Figure 0007461179000001
表1より、付着強度Pは、3MPa以上であり、日本道路公団基準である1.5MPa以上をクリアしていることが分かった。
以上説明したように、本開示の対象物の補修または補強方法によれば、十分な付着強度を有する対象物の補修または補強が行えることが分かった。また、短時間の放置により、このような強度が得られるので、工期の短縮にも寄与する。
(実施形態4)
実施形態4の対象物の補修または補強方法のフローチャートを図8A、8Bに、補修または補強後の対象物の断面図を図9に示す。
実施形態4の前半(図7A)、工程(a)~(f)は、第2実施形態と同じである。実施形態4の後半(図7B)の工程(a1)~(f1)では、基本的に、工程(a)~(f)を繰り返す。
工程(a1)では、光硬化性樹脂シート51上に、第4樹脂組成物21を塗布する。第4樹脂組成物21は、ゲル状である。第4樹脂組成物21の粘度は、30Pa・s以上、85Pa・s以下である。第4樹脂組成物21は、樹脂を溶媒に溶かしたものである。樹脂としては、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステルなどがある。第4樹脂組成物21は、上記樹脂のほかに、さらに、硬化剤を含んでもよい。第4樹脂組成物21は、第1樹脂組成物20と同一であっても異なっていてもよい。本実施形態では、第4樹脂組成物21は、第1樹脂組成物20と同一のものを用いている。
工程(b1)では、第4樹脂組成物21上に、繊維状部材31を配置する。繊維状部材31は、たとえば、メッシュ状の炭素繊維である。炭素繊維は、繊維径が5~7μmである。繊維状部材31は、繊維状部材30と同一であっても、異なっていてもよい。
工程(c1)では、繊維状部材31の上に、第5樹脂組成物41を塗布する。第5樹脂組成物41は、ゲル状である。第5樹脂組成物41の粘度は、30Pa・s以上、85Pa・s以下である。第5樹脂組成物41は、樹脂を溶媒に溶かしたものである。樹脂としては、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステルなどがある。第5樹脂組成物41は、上記樹脂のほかに、さらに、硬化剤を含んでもよい。第5樹脂組成物41は、第4樹脂組成物21と同一であっても異なっていてもよい。本実施形態では、第5樹脂組成物41は、第4樹脂組成物21と同一のものを用いている。
工程(d1)では、光硬化性樹脂シート53を第5樹脂組成物41上に配置する。光硬化性樹脂シート53は、光(紫外線)硬化型FRPシートである。光硬化性樹脂の例としては、不飽和ポリエステル、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどである。光硬化性樹脂シート53は、光硬化性樹脂シート51と同一であっても異なっていてもよい。本実施形態では、光硬化性樹脂シート53は、光硬化性樹脂シート51と同一である。
工程(e1)では工程(e)と同様に、光硬化性樹脂シート53の上から押圧して、樹脂組成物21、41を繊維状部材31に含侵させる。
工程(f1)において、工程(f)と同様に、光硬化性樹脂シート53の表面から紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化させる。光硬化性樹脂は硬化のプロセスにおいて発熱する。この熱によって、樹脂組成物21、41の乾燥、硬化が促進される。
工程(f1)の後で、さらに、光硬化性樹脂シート53の上に塗料60を塗布(塗装)してもよい。塗料60は、紫外線による劣化防止や装飾等の目的である。
工程(f1)の後、または、塗装の後で、樹脂組成物20、21、40、41、繊維状部材30、31等を塗布または配置されたコンクリート1を放置することにより、樹脂組成物20、21、40、41を硬化させる。
1 コンクリート(対象物)
10 下地層(第0樹脂組成物)
11、20、21、40,41 樹脂組成物
30、31 繊維状部材
50 高分子シート
51、52、53 光硬化性樹脂シート
60 塗料

Claims (9)

  1. (a0)対象物に直接または下地層を介して、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第3樹脂組成物を塗布し、
    (d0)前記(a0)で塗工された前記第3樹脂組成物の上に光硬化性樹脂シートを配置し、
    (e0)前記光硬化性樹脂シートの上から押圧し、
    (f0)前記光硬化性樹脂シートの表面に紫外線を照射し、
    (a)前記光硬化性樹脂シートの上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第1樹脂組成物を塗布し、
    (b)前記(a)で塗工された前記第1樹脂組成物の上に繊維状部材を配置し、
    (c)前記(b)で配置された前記繊維状部材の上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第2樹脂組成物を塗布し、
    (d)前記(c)で塗工された前記第2樹脂組成物の上に、光硬化性樹脂を含む高分子シートを配置し、
    (e)前記高分子シートの上から押圧し、
    (f)前記高分子シートの表面に紫外線を照射する、
    対象物の補修または補強方法。
  2. 前記(a0)において、前記対象物に第0樹脂組成物を塗布して下地層を形成した後で、前記下地層上に前記第3樹脂組成物を塗布する、
    請求項に記載の対象物の補修または補強方法。
  3. (a)対象物に直接または下地層を介して、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第1樹脂組成物を塗布し、
    (b)前記(a)で塗工された前記第1樹脂組成物の上に繊維状部材を配置し、
    (c)前記(b)で配置された前記繊維状部材の上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第2樹脂組成物を塗布し、
    (d)前記(c)で塗工された前記第2樹脂組成物の上に、光硬化性樹脂を含む高分子シートを配置し、
    (e)前記高分子シートの上から押圧し、
    (f)前記(e)の後で、前記高分子シートの表面に紫外線を照射する、
    (a1)前記(f)の後で、前記高分子シートの上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第4樹脂組成物を塗布し、
    (b1)前記(a1)で塗工された前記第4樹脂組成物の上に第2の繊維状部材を配置し、
    (c1)前記(b1)で配置された前記第2の繊維状部材の上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第5樹脂組成物を塗布し、
    (d1)前記(c1)で塗工された前記第5樹脂組成物の上に、光硬化性樹脂を含む第2の高分子シートを配置し、
    (e1)前記第2の高分子シートの上から押圧し、
    (f1)前記第2の高分子シートの表面に紫外線を照射する、
    対象物の補修または補強方法。
  4. 前記(a)において、前記対象物に第0樹脂組成物を塗布して下地層を形成した後で、前記下地層上に前記第1樹脂組成物を塗布する、
    請求項に記載の対象物の補修または補強方法。
  5. 前記第1樹脂組成物と前記第2樹脂組成物は、同一である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の対象物の補修または補強方法。
  6. 前記対象物は、コンクリートである、
    請求項1~のいずれか1項に記載の対象物の補修または補強方法。
  7. 前記繊維状部材は、炭素繊維を含む、
    請求項1~のいずれか1項に記載の対象物の補修または補強方法。
  8. 前記炭素繊維は、繊維径が5~7μmである、
    請求項に記載の対象物の補修または補強方法。
  9. 前記第1樹脂組成物、第2樹脂組成物、および、前記高分子シートからなる群のうちの一つ、または、その組み合わせは、ビニルエステルを主要構成樹脂として含む、
    請求項1~のいずれか1項に記載の対象物の補修または補強方法。
JP2020044627A 2020-03-13 2020-03-13 対象物の補修または補強方法 Active JP7461179B2 (ja)

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