JPH09169095A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JPH09169095A
JPH09169095A JP34858995A JP34858995A JPH09169095A JP H09169095 A JPH09169095 A JP H09169095A JP 34858995 A JP34858995 A JP 34858995A JP 34858995 A JP34858995 A JP 34858995A JP H09169095 A JPH09169095 A JP H09169095A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面を塗装することにより、耐磨耗性及び接
着性に優れた化粧材を提供することを課題とする。 【解決手段】基材1に耐磨耗性層3及び硬化性表面保護
層6を積層してしたなる化粧材10において、該耐磨耗
性表面層3が、電離放射線硬化型組成物、上記硬化性表
面層6の組成物と化学的に反応した官能基をもつ組成物
及びヌープ硬度が、1300Kg/mm2 を最低とする
無機粒子を含み、硬化した表面保護層6と耐磨耗性層3
とがその界面で化学反応で結着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具、壁面、床材
などの表面意匠を付与するとともに表面保護性能が優れ
た建材用の化粧材に属する。
【0002】
【従来の技術】従来から、基材に接着剤層、化粧紙及び
表面保護層が積層された化粧材において、意匠性、耐摩
耗性、耐水性や耐薬品性などの向上のために種々の構成
が提案されている。例えば、基材に接着剤層を介して、
化粧紙を設け、更に耐摩耗性をもつポリウレタン系塗
料、又はポリエステル系塗料を厚く塗装して、耐摩耗性
の向上、光沢の調整などの意匠性を向上していた。しか
しながら、塗料の吸収性がある化粧紙の表面に樹脂系塗
料を塗装するには、化粧紙と表面保護層との密着を強固
にするために、化粧紙層内への樹脂塗料の浸透を完全に
したり、塗装表面を厚くして、完全に覆うために数回の
塗装工程が必要であり、硬化に長時間を必要とするなど
の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の数回
の塗装工程を簡略にして、表面の耐摩耗性、耐薬品性や
意匠性が高くするとともに、表面保護層と化粧紙との密
着に優れた化粧材を提供することを課題とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、基材に耐摩耗性層及び硬化性表面保護
層を積層してなる化粧材において、該耐摩耗性層が、電
離放射線硬化型樹脂組成物、及び上記硬化性表面保護層
の組成物と化学的に反応した官能基をもつ組成物、並び
にヌープ硬度が、1300Kg/mm2 を最低とする無
機粒子を含み、硬化した表面保護層と該耐摩耗性層と
が、その界面で化学反応により結着してなる化粧材であ
る。そして、上記の無機粒子が球状アルミナ系粒子を含
む耐摩耗性層よりなる化粧材である。また、上記の硬化
性表面保護層の組成物が、イソシアネート化合物とポリ
オール化合物とからなり、上記の耐摩耗性層に含まれる
樹脂組成物と化学反応する官能基が活性水素基をもつ化
合物の化粧材である。
【0005】
【発明の実施の形態】本願発明は、図1に示すように、
基材1に耐摩耗性層3及び硬化性表面保護層4を積層し
てなる化粧材1において、該耐摩耗性層3が、電離放射
線硬化型樹脂組成物、及び上記硬化性表面保護層6の組
成物と化学的に反応した官能基をもつ組成物、並びにヌ
ープ硬度が、1300Kg/mm2 を最低とする無機粒
子5を含み、硬化した表面保護層6と該耐摩耗性層3と
が、その界面で化学反応により結着してなる化粧材10
である。そして、上記の耐摩耗性層3が、球状アルミナ
系粒子よりなる無機粒子5を含む化粧材である。また、
上記の硬化性表面保護層6の組成物が、イソシアネート
化合物とポリオール化合物とからなり、上記の耐摩耗性
層3に含まれる樹脂組成物と化学反応する官能基が活性
水素基をもつ化合物の化粧材である。
【0006】本発明の化粧材基材は、紙又は紙に類似し
た繊維質シートからなるものを使用できる。例えば、薄
葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、ビニル壁紙
用紙、コート紙、アート紙、板紙、石膏ボード紙、パー
チメント紙などの天然パルプを用いた紙、ガラス繊維、
石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊
維、炭素繊維などの無機質繊維及びポリエステル、ポリ
アミド、ポリビニルアルコールのアセタール化物(商品
名:ビニロン)などの有機高分子化合物の繊維からなる
シートが使用できる。これらは、晒、未晒、着色のいず
れのものもデザインに応じて選択することができる。
【0007】この他の基材としては、木材単板、木材合
板、パーチクルボード、中密度繊維板(MDF)などの
木質板、及び石膏板、石膏スラグ板などの石膏系板、珪
酸カルシウム板などが適し、この他に石綿スレート板、
コンクリート板、軽量発泡コンクリート板、セラミック
ス板、鋼板、樹脂板、繊維強化プラスチック板並びに上
記の各種基材を2種以上積層した複合基材を使用するこ
とができる。
【0008】本発明の化粧材は、基材として2種類以上
の積層による積層基材としてもよく、基材に接着剤を塗
布し、耐摩耗性層を設けた化粧紙の耐摩耗性層を設けて
いない面と、上記基材の接着剤層とを重ね合わせ、加熱
加圧により化粧紙と基材とを積層して化粧材を形成する
こともできる。また、木質系の耐水合板は、JAS規格
に準ずる耐水試験及び浸漬剥離試験により合格したもの
であり、木質系の耐水性化粧材を得るためには好ましい
材料である。
【0009】木質系基材と化粧紙とを積層する場合は、
接着剤として、アクリル樹脂系、酢酸ビニル系樹脂や、
それらの共重合体のエマルジョン型接着剤、尿素系、フ
エノール系などの熱硬化型接着剤などを使用できる。こ
こで、尿素系接着剤は、ホルマリンと反応させて得られ
るものであり、メチロール化尿素と反応触媒とを含むも
のである。また、フエノール系接着剤は、フエノールと
ホルマリンとを反応させて得られるものであり、メチロ
ール化フエノールと反応触媒とを含むものである。
【0010】本発明の、耐摩耗性層を形成する電離放射
線硬化型樹脂組成物は、電離放射線により架橋重合反応
を起こし固体化するポリマー、プレポリマー、あるいは
オリゴマーが使用できる。例えば、(メタ)アクリルア
ミド〔本明細書では、アクリル・・・及びメタアクリル
・・・を(メタ)アクリル・・・と記載する。〕、(メ
タ)アクリルニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリロイル基をも
つ化合物からなるラジカル重合系組成物、エポキシ、環
状エーテル、環状アセタール、ラクトン、ビニルモノマ
ー、環状シロキサンとアリールジアゾウム塩、ジアリー
ルヨードニウム塩などとの組合せからなるカチオン重合
系組成物、チオール基をもつ化合物であるトリメチロー
ルプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロ
パントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテト
ラチオグルコールとポリエン化合物とからなるポリエン
・チオール系組成物などが使用できる。
【0011】ラジカル重合系の(メタ)アクリレート化
合物の単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、
メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール
(メタ)アクリレート、フエノキシエチル(メタ)アク
リレート、フエノキシポリエチレンフリコール(メタ)
アクリレート、テトラヒドキシフルフリル(メタ)アク
リレート、メトキシトリプロピレングルコール(メタ)
アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレートなど
の化合物がある。
【0012】また、ラジカル重合系多官能モノマーとし
ては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキシルジオールジ
(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ビスフエノールA−ジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドト
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、グセリンポリエチレンオキサイ
ドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロ
イルオキシエチルフオスフエートなどがある。
【0013】プレポリマーとしては、アルキッド(メ
タ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エ
ポコシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)ア
クリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレートなど
の(メタ)アクリレートや不飽和ポリエステルなどがあ
る。
【0014】これらの(メタ)アクリロイル基を含む化
合物の中でも特にアクリロイル基を含む化合物、すなわ
ち、アクリレートがより重合反応速度が速い。そのた
め、電離放射線硬化型組成物を塗布形成するときの生産
速度を重視する場合は、アクリレートが、メタアクリレ
ートより好ましい。
【0015】本発明の耐摩耗性層は、これらの化合物を
1種若しくは2種以上混合して用いる。また、混合され
た組成物の(メタ)アクリロイル基の総和は0.2〜1
2ミリモル/g、好ましくは、2〜10ミリモル/gで
ある。
【0016】本発明の電離放射線硬化型組成物としてよ
り好ましいものは、化学式1の一般式で表せるポリエー
テル系ポリウレタン(メタ)アクリレートである。
【0017】
【化1】
【0018】上記ポリエーテル系ウレタン(メタ)アク
リレートに使用されるジイソシアネートとしては公知の
ものがある。例えば、イソホロンジイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0019】上記ポリエーテル系ウレタン(メタ)アク
リレートの製造に用いられるジオールとしては、分子量
が500〜3000のポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラ
メチレングリコールなどが挙げられる。
【0020】本発明において、電離放射線硬化型組成物
が反応した後の架橋間平均分子量は、通常200〜10
00、好ましくは250〜800である。架橋間平均分
子量が200未満では、電離放射線硬化型組成物層自体
の可撓性が低下し、基材が屈曲したときにひび割れをす
ることがあり、1000を超えると電離放射線硬化型組
成物層が柔らかくなりすぎて、球状無機粒子の保持力に
欠けるため、耐擦傷性が不充分となる。
【0021】ここでいう架橋間平均分子量とは、〔m/
〔2×(f−1)〕の式で表すことができる値である。
但し、 f:電離放射線硬化型組成物層の重合官能基の平均官能
基数 m:平均分子量
【0022】本発明の電離放射線硬化型組成物を塗布に
供するときは、作業性の点からは、比較的低粘度が好ま
しく、800センチポイズ以下、より好ましくは500
センチポイズ以下である。粘度が800センチポイズを
超えると作業性が悪く平滑な塗布面を得られないことが
ある。
【0023】本発明の電離放射線硬化型組成物を塗布す
るときに、粘度を調整する溶剤は、電離放射線硬化型組
成物を溶解し、かつ常圧で沸点が70°〜150℃であ
る1種以上の溶剤を使用する。上記の溶剤は、通常の塗
料、インキなどに供されるものである。例えば、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢
酸アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコ
ール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロ
ピルエーテル類及びこれらの2種以上の混合物が挙げら
れる。
【0024】電離放射線硬化型組成物の反応促進剤は、
ラジカル発生剤を添加してもよい。また、紫外線により
硬化する場合の光反応開始剤には、ベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル、アセトフエノン、ミヒラーケト
ン、ジフエニルサルフアイド、ジベンジルサルフアイ
ド、ジエチルオキサイド、トリフエニルビイミダゾー
ル、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエー
トなどの1種又は2種以上を該電離放射線硬化型組成物
100重量部に対して、0.1〜10重量部を混合して
用いることができる。
【0025】本発明の硬化性表面保護層の組成物と反応
する官能基をもつ耐摩耗性層の組成物は、硬化性表面保
護層の種類により適宜選択できる。例えば、硬化性表面
保護層の組成物の官能基が、アクリル系、エポキシ系、
ウレタン系、不飽和ポリエステル系などの場合は、それ
らの官能基をもつものであればよい。すなわち、アクリ
ル系、エポキシ系、ウレタン系、不飽和ポリエステル系
などのものが使用される。このうち、硬化性表面保護層
の組成物が、主剤と硬化剤とからなる組成物、すなわ
ち、主剤のエポキシ化合物と硬化剤のアミン化合物とか
らなるエポキシ系組成物、主剤のポリオール化合物と硬
化剤のイソシアネート化合物とからなるウレタン系組成
物の場合には、少なくとも、主剤又は硬化剤のいずれか
一方を耐摩耗性層の成分として使用することができる。
【0026】更に、硬化性表面保護層がイソシアネート
化合物とポリオールとからなる2液硬化型ウレタン系樹
脂の場合は、硬化性表面保護層の組成物と反応する官能
基が、活性水素基であることが好ましく、例えば、アル
コール、アミン、アミド、フエノール、カルボン酸など
が挙げられる。
【0027】本発明の耐摩耗性層が含む球状無機粒子と
は、その粒子形状が球形又はそれに類似するものであ
る。例えば、溶融アルミナ、バイヤー方法アルミナ、ジ
ルコニア、チタニア、あるいは、これらの共融混合物
で、ヌープ硬度が1300Kg/mm2 以上のものを挙
げられる。これらのうちで好ましくは、ヌープ硬度が1
800Kg/mm2 以上のものであり、具体的には溶融
アルミナがある。
【0028】ここでいうヌープ硬度とは、ASTM C
−849に記載されている、ヌープ圧子を用いて測定さ
れる微小押し込み硬さで、試料面に菱形の圧痕をつけた
ときの荷重を、永久凹みの長い方の対角線の長さより求
めた凹みの投影面積で除した商で表される値である。
【0029】無機粒子の形状を球形にするには、粉砕し
た不定形の上記の無機ものを融点以上の高温炉の中に投
入して溶融し、表面張力を利用して球状にしたりする方
法や、上記の無機物を高温炉の中に投入して溶融したも
のを霧状に吹き出して球状にしたりする方法がある。
【0030】本発明の耐摩耗性層は、球状無機粒子を5
〜50重量%好ましくは10〜40重量%含むものであ
る。該球状無機粒子の含有量が5重量%未満では、耐擦
傷性が不充分であり、50重量%を超えると電離放射線
硬化型組成物によるバインダー効果が損なわれて可撓性
を低下するなどの弊害を生じる。
【0031】球状無機粒子の平均粒径は、通常3〜50
μm、好ましくは、8〜40μmである。平均粒径が3
μm未満では、所望の耐摩耗性を得るための添加量を多
く必要となり、耐摩耗性層の透明性を損ない好ましくな
い。また、平均粒径が50μmを超えると、通常の耐摩
耗性層より厚くなり表面平滑性を低下する。
【0032】本発明の耐摩耗性層に構成することができ
る熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂、ブチラール系樹
脂、セルロース誘導体、ポリエステル系樹脂、線状ウレ
タン樹脂などがある。なかでも、絵柄層を形成するイン
キとの接着がよく、可撓性に優れるセルロース誘導体の
ニトロセルロースを主とするものが好ましい。
【0033】また、上記の耐摩耗性層を構成する電離放
射線硬化型組成物には、炭酸カルシウム、シリカ、アル
ミナなどの充填剤、粘性調整剤、レベリング剤や着色顔
料、光輝性顔料などを添加することもできる。
【0034】本発明における電離放射線とは、電磁波又
は荷電粒子線のうち重合あるいは架橋できるエネルギー
量子をもつものを意味し、このようなものには、可視光
線、紫外線、エックス線などの電磁波、又は電子線など
の粒子線があるが、通常は紫外線、又は電子線が用いら
れる。
【0035】本発明の電離放射線硬化型組成物を硬化す
るために用いる電離放射線照射装置として、紫外線を照
射する場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀
灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、又はメタ
ルハライドランプなどの光源を用いることができる。ま
た、電子線を照射する装置は、コックロフトワルト型、
バンデラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、ある
いは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電
子線加速器などを用いる。尚、電子線の照射量は、通常
100〜1000keV、好ましくは、100〜300
keVのエネルギーをもつ電子を0.1〜30Mrad
である。
【0036】電離放射線の照射方法は、塗布面に先ず紫
外線を照射して、電離放射線硬化型組成物の表面を少な
くとも、指触乾燥する程度以上に硬化させたものを、電
子線で完全に硬化させる方法をとることもできる。耐摩
耗性層と硬化性表面保護層とを別工程で設けるときに、
双方の層に含まれる電離放射線硬化型組成物の硬化を完
結でき、相互間の接着を強固にすることができる。
【0037】また、電離放射線硬化型組成物を基材に塗
布する方法は、通常のグラビア、グラビアリバースコー
ト、ロールコート、コンマーコートなどが挙げられる。
塗布を行うときの電離放射線硬化型組成物の粘度は、コ
ート方法、塗布量によって決められるが1000センチ
ポイズ以下が好ましい。組成物は、揮発性溶剤を含まな
い無溶剤型のものと、揮発性溶剤を含むもののいずれを
も選ぶことができる。無溶剤型で常温で高粘度のために
塗布が困難なときは、電離放射線硬化型組成物を40°
〜80℃に加熱して適度な粘度、例えば1000センチ
ポイズ以下に下げて塗布することもできる。
【0038】本発明の基材には、印刷による絵柄層を設
けることができる。印刷方法は、通常に用いられる、凹
版(グラビア版を含む)、平版、凸版、孔版による、枚
葉又は輪転印刷やオフセット印刷の他に静電印刷、イン
クジェットにより絵柄層を形成することができる。これ
らのなかでも、グラビア輪転印刷、フレキソ輪転印刷、
シルクスクリーン印刷による方法が好ましく使用され
る。また、離形性フイルムに一旦絵柄層を形成した転写
フイルムを用いて、所定の基材に絵柄層を転写印刷で設
けることもできる。
【0039】また、絵柄層を形成する印刷インキは、印
刷方式に適合した通常のインキで、接着などの後加工に
支障のない材料から選択する。耐久性のある着色料、体
質顔料、バインダー、硬化剤、添加剤、溶剤などからな
る組成物でインキを構成する。また、バインダーは、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂など
から自由に選択できる。
【0040】絵柄層は木目、石目、布目などの天然物を
模写した階調のあるもの、文字、記号、線画などのベタ
印刷のものや、抽象柄などから適宜に選択できる。
【0041】本発明の硬化性表面保護層は、熱硬化性樹
脂又は電離放射線硬化型樹脂などのワニスから適宜に選
択できる。耐水性をもち接着性に優れているイソシアネ
ート化合物とポリオールとからなるウレタン系組成物が
好ましい。イソシアネート化合物には、トリレンジイソ
シアネートプレポリマー、ジフエニルメタンジイソシア
ネートプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシアネート
プレポリマー、リジンイソシアネートプレポリマーなど
が挙げられる。また、ポリオール化合物としては、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリ
ルポリオール、エポキシポリオールなどがある。
【0042】また、硬化性表面保護層には、シリカ、ア
ルミナなどの無機系及び/又はプラスチックビーズなど
の有機系の微粒子を艶消し剤及び表面強化剤として上記
のワニスに添加することができる。更に防湿性、耐候
性、潤滑性、耐汚染性を向上するために、シリコーン化
合物、フッ素化合物などを加えることができる。
【0043】次に本発明における化粧材の実施例につい
て、更に詳細に説明する。
【0044】(実施例1)坪量30g/m2 の薄葉紙を
基材1としてその一方の面に、グラビアインキ(HAT
ザ・インクテッック株式会社製 商品名)を用いて木
目柄の絵柄層2を印刷し、更に、下記の球状アルミナ5
を含む(電離放射線硬化型組成物1)をグラビアコート
で25g/m2 (固形分、以下本明細書の塗布量は固形
分の数値を記載する。)塗布し、その塗布面から175
keV、3Mradの電子線を照射して、電離放射線硬
化型組成物を硬化して耐摩耗性層3を形成し図3に示す
実施例1の化粧紙7を作成した。 (電離放射線硬化型組成物1) ウレタンアクリレート 20重量部 2官能アクリレートモノマー 30重量部 ヒドロキシエチルメタアクリレート 30重量部 球状アルミナ (昭和電工株式会社製、平均粒径:20μm ヌープ硬度:2800) 20重量部
【0045】(実施例2)実施例1と同様に、坪量30
g/m2 の薄葉紙1に木目柄の絵柄層2を印刷し、更
に、下記の球状アルミナを含む(電離放射線硬化型組成
物2)をグラビアコートで25g/m2 を塗布し、その
塗布面から175keV、3Mradの電子線を照射し
て、電離放射線硬化型組成物硬化して耐摩耗性層3を形
成し実施例2の化粧紙7を作成した。 (電離放射線硬化型組成物2) ニトロセルロース 10重量部 ウレタンアクリレート 20重量部 2官能アクリレートモノマー 30重量部 ヒドロキシエチルメタアクリレート 20重量部 球状アルミナ (昭和電工株式会社製、平均粒径:20μm ヌープ硬度:2800) 20重量部
【0046】(比較例)実施例1と同様に、坪量30g
/m2 の薄葉紙1に木目柄の絵柄層2を印刷し、更に、
下記の組成の(電離放射線硬化型組成物3)よりなる耐
摩耗性層3をグラビアコートで25g/m2 塗布し、そ
の塗布面から175keV、3Mradの電子線を照射
して、電離放射線硬化型組成物硬化して比較例の化粧紙
7を作成した。 (電離放射線硬化型組成物3) ウレタンアクリレート 20重量部 2官能アクリレートモノマー 30重量部 単官能アクリレートモノマー 30重量部 アクリルビーズ 20重量部
【0047】次いで、実施例1及び実施例2、並びに比
較例の化粧紙7を、基材1Aとして(耐水合板1類、1
類浸漬剥離試験に合格するもの)に、尿素系の接着剤層
4を55g/m2 の厚さで塗布し、実施例1で得た化粧
紙7の裏面(基材1)とを重ね合せて、プレス機を用い
て150℃、15kg/m2 で15分間、加熱加圧し、
冷却後圧力を除いて化粧紙7と合板1Aとを積層した積
層基材8に化粧紙7を積層した図3に示す化粧積層基材
9を得た。
【0048】更に、上記の化粧積層基材9の化粧紙8の
面から全面に2液硬化型ウレタン樹脂を、硬化性表面保
護層6として20g/m2 の厚さで塗装した図2に示す
本発明の化粧材10を得た。
【0049】実施例及び比較例の化粧材について、硬化
性表面保護層に粘着テープを強く、圧着し、急激に剥離
して、硬化性表面保護層と、耐磨耗性層との間における
剥離の有無を確認した結果は次のとおりである。 実施例1 全く剥離なし。 実施例2 極く一部剥離が認められる。 比較例 全面的に剥離する。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0051】硬化性表面保護層が上記耐摩耗性層との界
面で化学反応により強固に結着できる。したがって、表
面保護層と化粧紙の耐摩耗性層との間で剥離することが
なく優れた耐摩耗性を発揮することができる。また、耐
摩耗性層が、球状無機粒子を含むことにより、強靱な耐
摩耗性を与えることができる。更に、この球状の粒子を
分散した耐摩耗性層の塗布液は、印刷機やコーターの塗
布部の摩耗を最小にすることができる。
【0052】また、球状アルミナ系粒子を含む耐摩耗性
層の塗布液は優れた流動性と、それにより形成された耐
摩耗性層をもつものであった。更に、イソシアネート化
合物とポリオールとからなる表面保護層に含まれる活性
水素基が、化粧紙の耐摩耗性層と化学的に結合して、強
固な結着を示す効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の断面概略図である。
【図2】基材を2層積層した実施例の化粧材の断面概略
図である。
【図3】実施例の化粧積層基材の断面概略図である。
【符号の説明】
1、1A 基材 2 絵柄層 3 耐摩耗性層 4 接着剤層 5 無機粒子 6 硬化性表面保護層 7 化粧紙 8 積層基材 9 化粧積層基材 10 化粧材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/40 B32B 27/40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧材の基材に耐摩耗性層及び硬化性表
    面保護層を積層してなる化粧材において、該耐摩耗性層
    が、電離放射線硬化型樹脂組成物、及び上記硬化性表面
    保護層の組成物と化学的に反応した官能基をもつ組成
    物、並びにヌープ硬度が、1300Kg/mm2 を最低
    とする無機粒子を含み、硬化した表面保護層と該耐摩耗
    性層とが、その界面で化学反応により結着してなること
    を特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の無機粒子が球状アルミナ
    系粒子を含む耐摩耗性層であることを特徴とする化粧
    材。
  3. 【請求項3】 硬化性表面保護層の組成物が、イソシア
    ネート化合物とポリオール化合物とからなり、請求項1
    及び2記載の耐摩耗性層に含まれる樹脂組成物と化学反
    応する官能基が活性水素基である化合物であることを特
    徴とする化粧材。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000238205A (ja) * 1999-02-19 2000-09-05 E I Du Pont De Nemours & Co 耐摩耗性被覆剤組成物、それを被覆された基板、およびその被覆方法
JP2008074002A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Toppan Cosmo Inc 化粧材
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JP2017527461A (ja) * 2014-07-16 2017-09-21 ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグVaelinge Innovation Ab 熱可塑性の耐摩耗性箔を製造する方法

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