JPH11207885A - 化粧板及び家具 - Google Patents

化粧板及び家具

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JPH11207885A
JPH11207885A JP3204498A JP3204498A JPH11207885A JP H11207885 A JPH11207885 A JP H11207885A JP 3204498 A JP3204498 A JP 3204498A JP 3204498 A JP3204498 A JP 3204498A JP H11207885 A JPH11207885 A JP H11207885A
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JP
Japan
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layer
ionizing radiation
decorative
curable resin
protective layer
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JP3204498A
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English (en)
Inventor
Kimio Ito
公夫 伊藤
Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が傷付きにくく耐摩耗性が良好であり、
長期にわたって表面の耐久性が良好で且つ製造が容易で
あり安価に提供可能な化粧板、及び家具を提供する。 【解決手段】 表面に球状アルミナが含有せしめられて
耐摩耗性に優れた電離放射線硬化性樹脂からなる保護層
2を、絵柄層3の表面に設けて化粧板1を構成し、該化
粧板1を用いて上記保護層2が外表面となるようにして
家具を製造した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れた化
粧板、及び該化粧板を用いて製造される建具等の家具に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、木目模様等が印刷形成された
化粧表面を有する化粧板を用いて家具等が作られてい
る。従来の化粧板としては、メラミン化粧合板、ダップ
化粧板、ポリエステル化粧板、プリント合板、塩化ビニ
ル化粧板等が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の化粧板にお
いて、熱硬化性樹脂を用いて形成されたメラミン化粧合
板等は、表面の耐摩耗性が良好であるものの、製造が複
雑であり手間がかるという問題があった。又、プリント
合板等のように、化粧シートが板にラミネートされたも
のは、製造が容易であるが、表面の耐摩耗性等に劣り、
該化粧板を用いて家具を製造した場合、その表面に傷が
付いたり摩耗する等、耐久性に劣るという問題があっ
た。
【0004】本発明は上記従来技術の欠点を解決するた
めのものであり、表面が傷付きにくく耐摩耗性が良好で
あり、長期にわたって表面の耐久性に優れ、且つ製造が
容易であり安価に提供可能な化粧板、及び家具を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)球状ア
ルミナを含有する電離放射線硬化性樹脂から形成された
保護層が絵柄層の表面に設けられていることを特徴とす
る化粧板、(2)球状アルミナを含有する電離放射線硬
化性樹脂から形成された保護層が絵柄層の表面に設けら
れている化粧板を用いて、保護層が外表面側となるよう
に形成されていることを特徴とする家具、を要旨とする
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき詳細
に説明する。図1に示すように本発明化粧板1は、表面
に球状アルミナが含有せしめられて耐摩耗性に優れた電
離放射線硬化性樹脂からなる保護層2が、下層の絵柄層
3の保護層として設けられている。化粧板1は例えば、
化粧紙原紙4の表面に絵柄層3を設け、該絵柄層3の表
面に保護層2を設けた化粧シート5を基板6に積層して
構成することができる。
【0007】保護層2は、電離放射線硬化性樹脂に球状
アルミナ、その他の添加剤からなる組成物を、絵柄層3
の表面に塗工して硬化させることで得られる。該保護層
2の塗工量は20〜30g/m2 程度である。
【0008】保護層2の電離放射線硬化性樹脂は、分子
中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレ
ポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混合
した、電離放射線により硬化可能な組成物が用いられ
る。尚、ここで電離放射線とは、電磁波または荷電粒子
線のうち分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を
有するものを意味し、通常紫外線または電子線等を意味
する。
【0009】上記プレポリマー、オリゴマーは、不飽和
ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリ
エステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテ
ルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミ
ンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステル
アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリ
レート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリ
レート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチ
オン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
【0010】ウレタンアクリレートとしては、例えばポ
リエーテルジオールとジイソシアネートとを反応させて
得られる、下記〔化1〕の一般式で表されるポリエーテ
ル系ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0011】
【化1】CH2 =C(R1 )−COOCH2 CH2 −O
CONH−X−NHCOO−〔−CH(R2 )−(CH
2 n −O−〕m −CONH−X−NHCOO−CH2
CH2 OCOC(R1 )=CH2 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素またはメチル基であ
り、Xはジイソシアネート残基、nは1〜3の整数、m
は6〜60の整数である。)
【0012】上記のポリエーテル系ウレタン(メタ)ア
クリレートに使用されるジイソシアネートとしては、例
えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート等が挙げられる。上記のポリエーテルジ
オールとしては、分子量が500〜3000のポリオキ
シプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられ
る。
【0013】以下、ウレタンアクリレートの製造例を示
す。滴下ロート、温度計、還流冷却管及び攪拌棒を備え
たガラス製反応容器中に、分子量1000のポリテトラ
メラレングリコール1000部と、イソホロンジイソシ
アネート444部とを仕込み、120℃で3時間反応さ
せた後、80℃以下に冷却し、2−ヒドロキシエチルア
クリレートを232重量部加え、80℃でイソシアネー
ト基が消失するまで反応させて、ウレタンアクリレート
が得られる。
【0014】電離放射線硬化性樹脂に用いるモノマーと
しては、スチレン、αメチルスチレン等のスチレン系モ
ノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘ
キシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキ
シエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチ
ル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸
エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸
ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2
−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メメタクリル酸
−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸
−2−(N、N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル
酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽
和置酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルア
ミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、
エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコ
ールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6
ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及
び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリ
チオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチ
オグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロ
ピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール
等が挙げられる。
【0015】電離放射線硬化性樹脂には光重合開始剤を
添加してもよい。光重合開始剤としては、アセトフェノ
ン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエ
ート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルチウラ
ムモノサルファイド、チオキサントン類、芳香族ジアゾ
ニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン、等が挙
げられる。又、光重合促進剤(増感剤)としてn−ブチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフ
ィン等を、更に混合して用いることができる。光重合開
始剤の添加量は、1〜10重量%の範囲が硬化性の点か
ら好ましい。また光重合開始剤の種類としては、ベンゾ
フェノン系が硬化性の点から好ましい。化粧板を用いて
家具とする場合に、家具の意匠等に応じて、化粧板の表
面に紫外線硬化型樹脂等による塗装を後から行ない、保
護層の表面にUVトップコートを設けることがある。こ
の際、保護層は電離放射線硬化性樹脂を塗工して、タッ
クフリーであるが半硬化或いは未硬化の完全に硬化しな
い状態として化粧シートを形成するのが好ましい。この
場合、保護層に光重合開始剤が添加されていると、UV
トップコートを塗工して該トップコートを紫外線照射で
硬化させる際に保護層とトップコートとの間で反応する
為、トップコートと保護層との密着性が良く、しかも保
護層の内部は光重合開始剤により十分に硬化する。
【0016】電離放射線硬化性樹脂は、平均架橋分子量
が200以上であり1000以下とするのが好ましい。
保護層の電離放射線硬化性樹脂の平均架橋間分子量が上
記範囲内であれば、耐摩耗性に優れると共に、後から塗
工されるUVトップコートとの密着性が更に良好であ
り、安定したリコート性を有する表面樹脂層が得られ
る。平均架橋分子量が上記範囲を外れると、十分なリコ
ート性が得られないおそれがある。
【0017】電離放射線硬化性樹脂の平均架橋分子量は
〔数1〕式から求められる。但し、〔数1〕式において
全体の分子量は、Σ(各成分の配合モル数×各成分の分
子量)であり、架橋点の数は、Σ[{(各成分の官能基
数−1)×2}×各成分のモル数]である。
【数1】平均架橋分子量=全体の分子量/架橋点の数
【0018】保護層2を構成する樹脂組成物には、電離
放射線非硬化性樹脂を添加することができる。該電離放
射線非硬化性樹脂としてはウレタン系、繊維素系、ポリ
エステル系、アクリル系、ブチラール系、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂が用いられ、特に
繊維素系、ウレタン系、ブチラール系は、可撓性の点か
ら好ましい。
【0019】保護層2の電離放射線硬化性樹脂に添加さ
れる球状アルミナは、真球状あるいは球を偏平にした楕
円球状、ならびに真球や楕円球樹脂に近い形状等のよう
に表面がなめらかな球面で囲まれたカッテイングエッジ
のない球形状のα−アルミナが用いられる。具体的に
は、昭和電工株式会社の商品名で、「Spherica
l Alumina AS−10、AS−20、AS−
30、AS−40、AS−50」等が挙げられる。これ
らの球状アルミナは、アルミナ水和物、ハロゲン化物、
硼素化合物等の鉱化剤あるいは結晶剤を電融アルミナあ
るいは焼結ナルミナ等の粉砕品に小量添加し、1400
℃以上の温度で熱処理することにより得られる。
【0020】球状アルミナの粒子径は平均粒径で5〜1
00μmが好ましい。平均粒径が5μm未満では皮膜が
不透明になり耐摩耗性の効果が十分発揮されない虞れが
あり、100μmを超えると電離放射線硬化性樹脂層の
塗工が困難になる虞れがあり、更に形成された該樹脂層
の表面平滑性が低下する。更に好ましい球状アルミナの
平均粒径は10〜50μmである。球状アルミナの電離
放射線硬化性樹脂層中の含有量は、硬化後の電離放射線
硬化性樹脂100重量部に対し5〜20重量部が好まし
い。
【0021】保護層2にはプラスチックビーズを含有せ
しめることができる。プラスチックビーズは、電離放射
線硬化性樹脂中に添加されて、該層中で、化粧シートを
他の基材に貼着した場合の基材の凹凸及び接着剤等の塗
布ムラによる凹凸を吸収する。その結果、電離放射線硬
化性樹脂層の表面平滑性を維持して、表面に基材や接着
剤の塗布ムラ等の影響のない意匠性の優れた化粧板が得
られる。プラスチックビーズの種類としては、例えばア
クリル、ポリカーボネート、ウレタン、スチレン、メラ
ミン、ふっそ樹脂等が挙げられる。好ましいプラスチッ
クビーズは、コーティング適性、インキの安定性が良好
であることからアクリル及びウレタンが好ましい。ま
た、プラスチックビーズの粒径は、5〜100μmが好
ましく、10〜50μmが更に好ましい。プラスチック
ビーズの粒径が10μm未満では、十分な硬化が得られ
ない虞れがあり、50μmを超えるとコーティング適性
が低下する虞れがある。
【0022】保護層2を形成する電離放射線硬化性樹脂
の塗工組成物には、上記の成分以外に、表面樹脂層とし
ての透明性、耐摩耗性等を損なわない範囲で、染料や顔
料等の着色剤、その他のCaCO3 、BaSO4 等の公
知の艶消調整剤や増量剤といった充填剤、消泡剤、レベ
リング剤、チクソトロピー性付与剤などの塗料、インキ
に通常添加される添加剤を加えることができる。
【0023】又、電離放射線硬化性樹脂の塗工組成物に
は、粘度を調整するために、樹脂の成分を溶解可能であ
り、常圧における沸点が70℃〜150℃の溶剤を、組
成物中に30重量%以下の範囲で用いることができる。
溶剤の添加量が30重量%以下の範囲であれば、乾燥が
スムーズであり、生産スピードの大きな低下がない。
【0024】上記の溶剤としては、塗料、インキ等に通
常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエ
チルケトンメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ア
ミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピル
エーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の混
合物が挙げられる。
【0025】保護層2を形成するには以下の方法を用い
ことができる。絵柄層3を設けた化粧紙原紙4の表面
に塗工組成物を直接塗工する直接コーティング法、又
は、剥離性の基材表面に電離放射線硬化性樹脂層を予
め形成した後、該層を絵柄層3を設けた化粧紙原紙4の
表面に転写する、転写コーティング法が用いられる。化
粧紙原紙の材質として塗工組成物が浸透しないものを使
用した場合には、上記の及びの何方を用いてもよい
が、塗工組成物を浸透させるものを使用した場合や、表
面に凹凸のある基材、ならびに、塗膜厚みの均一性を出
す場合、電離放射線の強度を均一にして均一な耐摩耗性
を形成したい場合には、上記の転写コーティング法を
用いるのが好ましい。
【0026】上記の直接コーティング法は、グラビア
コート、グラビアリバースコート、グラビアオフセット
コート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロ
ールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコ
ート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバ
ーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコー
ト、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる
が、好ましいのはグラビアコートである。
【0027】転写コーティング法は、下記の(a)〜
(d)に示す、一旦、薄いシート(フィルム)基材に塗
膜を形成し架橋硬化せしめ、しかる後基材の表面に被覆
する方法であり、塗工組成物の塗膜を基材と共に立体物
に接着するラミネート法(a、b)、一旦離型性支持体
シート上に塗膜と必要に応じて接着剤層を形成し塗膜を
架橋硬化させてなる転写シートを、その塗膜側を立体物
に接着後、支持体シートのみ剥離する転写法(c)等の
手段を利用することができる。尚、薄いシート基材に、
樹脂層を形成する方法は上記の直接コーティング法と同
じ各種のコーティング手段を用いることができる。 (a)特公平2−42080号公報、特公平4−199
24号公報等に開示されるような射出成形同時転写法。
或いは特公昭50−19132号公報に開示されるよう
な射出成形同時ラミネート法。 (b)特開平4−288214号公報、特開平5−57
786号公報に開示されるような真空成形同時転写法。
或いは特公昭56−45768号公報に開示されるよう
な真空成形同時ラミネート法。 (c)特公昭59−51900号公報、特公昭61−5
895号公報、特公平3−2666号公報等に開示され
るように、ラッピング同時転写法、又はラッピング同時
ラミネート法。 (d)実公大15−31122号公報等に開示されてい
るVカット加工同時ラミネート法、或いは特公昭56−
7866号公報等に開示されているVカット加工同時転
写法。
【0028】又、下記の(A)〜(D)の工程を順次行
う方法を用いることもできる(特開平2−26673号
公報等記載)。 (A)非吸収性且つ離型性の合成樹脂シートに、未硬化
液状の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工する工程。 (B)前記電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布面が基材
と接するようにラミネートする工程。 (C)前記電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜に電離放
射線を照射して架橋、硬化させる工程。 (D)合成樹脂シートを剥離除去する工程。 上記の工程において、電離放射線硬化性樹脂として溶剤
で希釈されたものを使用する場合には、工程(A)と
(B)との間に溶剤を乾燥する工程を行う。上記の方法
によれば、基材として紙のような浸透性の高い材質の場
合であっても、樹脂が基材の裏側に抜ける、いわゆる
「うらぬけ」を確実に防止して、基材表面に良好な耐摩
耗性を有する電離放射線硬化性樹脂からなる保護層を容
易に形成可能である。
【0029】絵柄層3は、絵柄印刷、着色印刷等により
形成される。絵柄層3は具体的には顔料添加による着色
(透明又は不透明)の模様又はベタ印刷等であり、グラ
ビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転
写シートからの転写印刷等の公知の印刷法を用い、イン
キ(或いは塗料)にて形成する。絵柄層3の模様として
は、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何学
図形、文字、記号、等がある。絵柄層3に用いられるイ
ンキは、バインダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素
化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用い、
1種又は2種以上混合して用いる。またこれに顔料等を
添加したものでもよい。絵柄層3は化粧紙原紙4表面の
全面に設けても部分的に設けても何れでもよい。又、絵
柄層3は図2に示すように、化粧紙原紙4の表面全面に
設けたベタ印刷層31と、該印刷層の表面に部分的に設
けた模様印刷層32とから構成してもよい。
【0030】化粧紙原紙4は、坪量50〜150g/m
2 程度の紙、織布、又は不織布からなる繊維質シート等
が挙げられる。その厚みは50〜300μm程度の範囲
から選択することができる。繊維質シートを構成する繊
維質素材は、セルロースパルプ、麻、木綿、ナイロン等
の有機質系の合成又は人造繊維、石綿、硝子、石英、カ
ーボン、チタン酸カリウム等からなる無機質系の繊維が
挙げられる。尚、セルロースパルプ繊維を用いた繊維質
シートは、いわゆる「紙」であり、具体的には、上質
紙、クラフト紙、和紙等が挙げられる。又、化粧紙原紙
は上記繊維質シート等に硬化性樹脂等を含浸してなる、
いわゆる含浸紙等を用いることもできる。また、化粧紙
原紙は、プラスチックシート、フィルム等を用いてもよ
い。
【0031】図2に示すように、化粧板は、化粧板の基
材6の表面に接着剤7を塗布した後、化粧シート5を接
着剤7と接するようにして化粧板の基材6に積層して一
体化することで得られる。接着剤7は、化粧シート5側
に塗布してもよい。
【0032】化粧板基材6としては、木材単板、木材合
板、パーチクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木
質板、石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板、珪酸カルシ
ウム板、石綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中
空押出セメント板等のセメント板、パルプセメント板、
石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板、
陶器、磁器、せっ器、土器、硝子、琺瑯等のセラミック
ス板、鉄板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾル塗工
鋼板、アルミニウム板、銅板等の金属板、ポリオレフィ
ン樹脂板、アクリル樹脂板、ABS板、ポリカーボネー
ト板等の熱可塑性樹脂板、フェノール樹脂板、尿素樹脂
板、不飽和ポリエステル樹脂板、ポリウレタン樹脂板、
エポキシ樹脂板、メラミン樹脂板等の熱硬化性樹脂板、
フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂等の樹脂を、硝子繊維不織布、布
帛、紙、その他の各種繊維質基材に含浸硬化して複合化
したいわゆるFRP板等の樹脂板が挙げられる。また、
化粧板基材は上記各種基材の2種以上を接着剤、熱融着
等の公知の手段により積層した複合基材を用いてもよ
い。
【0033】接着剤としては、基材6と化粧シート5が
接着可能なものであればよい。接着剤は例えば、酢ビ
系、尿素系等が挙げられる。
【0034】本発明の家具は、上記の化粧板1からな
り、該化粧板1の保護層2が外表面となるように構成さ
れている。具体的な家具として例えば、たんす、戸棚、
書棚、げた箱、サイドホード、食器戸棚等の収納家具、
机、食卓、会議テーブル、応接テーブル、ワゴン、座卓
等のテーブル類、椅子、ドア、雨戸、板戸等が挙げられ
る。本発明家具は、上記化粧板1を家具の部品として形
成し、接合、組立することで得られる。本発明家具は、
外表面に球状アルミナが含有せしめられた電離放射線硬
化性樹脂の保護層を有しているため、耐久性に優れたも
のであり、また、家具を構成する化粧板は、化粧シート
を基板に積層して形成するだけでよい為、化粧板が安価
に製造できると共に、化粧シートが貼着可能であればど
のような形状でも容易に得られ、メラミン化粧合板のよ
うに形状等が限定されることがなく、各種形状の家具が
容易且つ安価に提供できる。
【0035】
【実施例】実施例1 化粧紙原紙として(株)興人製含浸紙GF601を使用
し、該原紙の片面にグラビア印刷法により絵柄インキ
〔ザ・インクテック(株)製HATインキ〕を使用して
木目印刷を施し、その上に下記組成の電離放射線硬化性
樹脂塗料を塗工して保護層を設け化粧シートを得た。化
粧板基材としてパーチクルボードに接着剤を塗布した上
記化粧シートを積層一体化して化粧板を得た。得られた
化粧板を用いて保護層が外表面側となるように、家具を
製造した。
【0036】 〔電離放射線硬化性樹脂塗料組成〕 ・ウレタンアクリレート 50重量部 ・2官能アクリレートモノマー 40重量部 ・3官能アクリレートモノマー 10重量部 ・シリコーンアクリレート 3重量部 ・球状アルミナ(25μm) 30重量部 ・プラスチックビーズ(50μm) 20重量部
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明は上記構成を
採用したことにより、表面が傷付きにくく耐摩耗性が良
好であり、長期にわたって表面の耐久性に優れ、且つ製
造が容易であり安価に提供可能な化粧板、及び家具が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化粧板の1例を示す断面図である。
【図2】化粧シートを用いた化粧板の積層前の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 化粧板 2 保護層 3 絵柄層 4 化粧紙原紙 5 化粧シート 6 化粧板の基材 7 接着剤層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状アルミナを含有する電離放射線硬化
    性樹脂から形成された保護層が絵柄層の表面に設けられ
    ていることを特徴とする化粧板。
  2. 【請求項2】 球状アルミナを含有する電離放射線硬化
    性樹脂から形成された保護層が絵柄層の表面に設けられ
    ている化粧板を用いて、保護層が外表面側となるように
    形成されていることを特徴とする家具。
JP3204498A 1998-01-29 1998-01-29 化粧板及び家具 Pending JPH11207885A (ja)

Priority Applications (1)

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