JPH11138735A - リコート性のある化粧シート - Google Patents

リコート性のある化粧シート

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JPH11138735A
JPH11138735A JP32708697A JP32708697A JPH11138735A JP H11138735 A JPH11138735 A JP H11138735A JP 32708697 A JP32708697 A JP 32708697A JP 32708697 A JP32708697 A JP 32708697A JP H11138735 A JPH11138735 A JP H11138735A
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JP
Japan
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resin layer
curable resin
ionizing radiation
decorative sheet
acrylate
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JP32708697A
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English (en)
Inventor
Kimio Ito
公夫 伊藤
Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性に優れた表面の樹脂層を有し、該樹
脂層が後から塗工される紫外線硬化型樹脂層との密着性
に優れたリコート性のある化粧シートを提供する。 【解決手段】 化粧紙原紙2、絵柄層3、電離放射線硬
化性樹脂層4が順次積層されてなり、紫外線硬化型塗料
が後から塗工される用途に使用される化粧シート1にお
いて、上記電離放射線硬化性樹脂層4に球状粒子を含有
させると共に光重合開始剤を含有させて化粧シート1を
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装の表面化粧等に利用可能であ
り、使用に際し表面に塗装することが可能なリコート性
のある化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】フローリング床の構成は、合板等の上に
厚さ0.3mm程度の突板を積層し、更に表面に紫外線
硬化型樹脂塗料(UV塗料)を塗装してなる床材が公知
である。しかし上記床材は突板として天然木等を用いた
場合、製造に手間がかかると共に木目模様等があまり綺
麗に見えないことが多々ある為、突板を使用せず単に合
板に木目模様が設けられた化粧シートを貼ってだけの床
材が近年用いられるようになっている。
【0003】例えば上記化粧シートとして、架橋性樹脂
からなるバインダーと該架橋性樹脂よりも高硬度の球状
粒子とを含有する塗工組成物から形成された耐摩耗性樹
脂層を基材の表面に設けたものが公知である(特開平8
−183147号)。上記化粧シートは、表面の耐摩耗
性に優れたものであり、床材等の用途に最適である。化
粧シートを用いて床材を構成する際、化粧シートを床基
材に貼着した後、突板を貼った状態に似せる為、化粧シ
ートの表面から床基材の表面に達する溝が設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の化粧シートを貼
着し溝を設けた床材は、表面に水がかかった際、水が溝
から床基材に染み込んでしまう為、床材を形成した後、
化粧シートの表面に紫外線硬化型塗料(UV塗料)を塗
工して樹脂層を形成して用いる。
【0005】しかしながら、上記の電離放射線硬化性樹
脂からなる耐摩耗性樹脂層はUV塗料との密着性が悪
く、硬化後にUV塗膜の剥離が生じることがあり、後か
らUV塗料を塗工した場合の密着性(リコート性)が不
十分であることが判明した。
【0006】本発明は上記従来技術の欠点を解決するた
めのものであり、耐摩耗性に優れた表面樹脂層を有する
と共に、該樹脂層が後から塗工されるUV塗料との密着
性が良好であり、安定したリコート性を有する化粧シー
トを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)化粧紙
原紙、絵柄層、電離放射線硬化性樹脂層が順次積層され
てなり、後から表面に紫外線硬化型樹脂塗料が塗工され
る用途に使用される化粧シートにおいて、上記電離放射
線硬化性樹脂層が球状アルミナを含有すると共に、光重
合開始剤を含有することを特徴とするリコート性のある
化粧シート、(2)電離放射線硬化性樹脂層が、タック
フリーであるが完全に硬化しない状態である上記(1)
記載のリコート性のある化粧シート、を要旨とするもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき詳細
に説明する。図1に示すように本発明化粧シート1は、
化粧紙原紙2と、該化粧紙原紙2の表面に設けた絵柄層
3と、該絵柄層3の表面側に電離放射線硬化性樹脂層4
が積層されてなり、該電離放射線硬化性樹脂層4には球
状アルミナが含有せしめられて耐摩耗性に優れた表面樹
脂層であると共に、光重合開始剤を含有している。ま
た、電離放射線硬化性樹脂層4はタックフリーの状態で
あるが完全に硬化しない未硬化の状態である。電離放射
線硬化性樹脂層4の厚みは特に限定されないが、好まし
くは5〜500μm、特に好ましくは10〜100μm
である。
【0009】化粧紙原紙2は、坪量50〜150g/m
2 程度の紙、織布、又は不織布からなる繊維質シート等
が挙げられる。その厚みは50〜300μm程度の範囲
から選択することができる。繊維質シートを構成する繊
維質素材は、セルロースパルプ、麻、木綿、ナイロン等
の有機質系の合成又は人造繊維、石綿、硝子、石英、カ
ーボン、チタン酸カリウム等からなる無機質系の繊維が
挙げられる。尚、セルロースパルプ繊維を用いた繊維質
シートは、いわゆる「紙」であり、具体的には、上質
紙、クラフト紙、和紙等が挙げられる。又、化粧紙原紙
は上記繊維質シート等に硬化性樹脂等を含浸してなる、
いわゆる含浸紙等を用いることもできる。
【0010】絵柄層3は、絵柄印刷、着色印刷等により
形成される。絵柄層3は具体的には顔料添加による着色
(透明又は不透明)の模様又はベタ印刷等であり、グラ
ビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転
写シートからの転写印刷等の公知の印刷法を用い、イン
キ(或いは塗料)にて形成する。絵柄層3の模様として
は、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何学
図形、文字、記号、等がある。絵柄層3に用いられるイ
ンキは、バインダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素
化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用い、
1種又は2種以上混合して用いる。またこれに顔料等を
添加したものでもよい。絵柄層3は化粧紙原紙2表面の
全面に設けても部分的に設けても何れでもよい。又、絵
柄層3は図1に示すように、化粧紙原紙2の表面全面に
設けたベタ印刷層31と、該印刷層の表面に部分的に設
けた模様印刷層32とから構成してもよい。
【0011】電離放射線硬化性樹脂層4の電離放射線硬
化性樹脂は、分子中に重合性不飽和結合または、エポキ
シ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモ
ノマーを適宜混合した、電離放射線により硬化可能な組
成物が用いられる。尚、ここで電離放射線とは、電磁波
または荷電粒子線のうち分子を重合或いは架橋し得るエ
ネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線または
電子線等を意味する。
【0012】上記プレポリマー、オリゴマーは、不飽和
ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリ
エステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテ
ルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミ
ンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステル
アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリ
レート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリ
レート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチ
オン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
【0013】ウレタンアクリレートとしては、例えばポ
リエーテルジオールとジイソシアネートとを反応させて
得られる、下記〔化1〕の一般式で表されるポリエーテ
ル系ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0014】
【化1】CH2 =C(R1 )−COOCH2 CH2 −O
CONH−X−NHCOO−〔−CH(R2 )−(CH
2 n −O−〕m −CONH−X−NHCOO−CH2
CH2 OCOC(R1 )=CH2 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素またはメチル基であ
り、Xはジイソシアネート残基、nは1〜3の整数、m
は6〜60の整数である。)
【0015】上記のポリエーテル系ウレタン(メタ)ア
クリレートに使用されるジイソシアネートとしては、例
えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート等が挙げられる。上記のポリエーテルジ
オールとしては、分子量が500〜3000のポリオキ
シプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられ
る。
【0016】以下、ウレタンアクリレートの製造例を示
す。滴下ロート、温度計、還流冷却管及び攪拌棒を備え
たガラス製反応容器中に、分子量1000のポリテトラ
メラレングリコール1000部と、イソホロンジイソシ
アネート444部とを仕込み、120℃で3時間反応さ
せた後、80℃以下に冷却し、2−ヒドロキシエチルア
クリレートを232重量部加え、80℃でイソシアネー
ト基が消失するまで反応させて、ウレタンアクリレート
が得られた。
【0017】電離放射線硬化性樹脂に用いるモノマーと
しては、スチレン、αメチルスチレン等のスチレン系モ
ノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘ
キシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキ
シエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチ
ル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸
エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸
ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2
−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メメタクリル酸
−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸
−2−(N、N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル
酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽
和置酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルア
ミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、
エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコ
ールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6
ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及
び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリ
チオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチ
オグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロ
ピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール
等が挙げられる。
【0018】電離放射線硬化性樹脂層には光重合開始剤
が含有せしめられる。光重合開始剤としては、アセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベン
ゾエート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイド、チオキサントン類、芳香族ジ
アゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン、等
が挙げられる。又、光重合促進剤(増感剤)としてn−
ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホ
スフィン等を、更に混合して用いることができる。光重
合開始剤の添加量は、樹脂100重量部に対し1重量部
〜5重量部の範囲が好ましい。添加量が1重量部未満で
は、反応性や架橋性が低下し、一方添加量が5重量部を
超えると紫外線が最深部まで到達しない虞れがあり、樹
脂層間の密着性が低下する虞れがある。また光重合開始
剤の種類としては、芳香族スルホニウム塩が感光性が高
い点から好ましい。
【0019】光重合開始剤を含有する電離放射線硬化性
樹脂層は、該層形成時に表面の粘着性が残らないタック
フリーとなる状態であって且つ完全に硬化しない未硬化
又は半硬化の状態にある。このように形成すると、化粧
シートを被貼着体の表面に貼った後にUVトップコート
の塗工組成物を塗工して硬化させる際、未硬化状態にあ
る電離放射線硬化性樹脂層とUVトップコートの塗工組
成物が界面で反応して、電離放射線硬化性樹脂層とUV
トップコートが硬化する為、電離放射線硬化性樹脂層と
UVトップコートとの間で更に良好な密着性が得られ
る。尚、電離放射線硬化性樹脂層が光重合開始剤を含有
しない場合には、UVトップコートを紫外線照射して硬
化させる際、電離放射線硬化性樹脂層がUVコート塗工
物との界面(電離放射線硬化性樹脂層の表面)でしか反
応が進まない為、電離放射線硬化性樹脂層の表面しか硬
化せず、該層の内部が未硬化状態となってしまう。
【0020】電離放射線硬化性樹脂層をタックフリーで
あるが完全に硬化しない状態とするには、未硬化状態と
するには、以下の樹脂が用いられる。未硬化の状態で固
体状である固層反応型電離放射線硬化性樹脂、未硬化の
状態で流動性を有する樹脂であっても、電離放射線の照
射条件や加熱条件を調節して一部硬化させて、いわゆる
半硬化の状態では見掛け状又は手で触ったときに非流動
性である塗膜を与える樹脂、熱可塑性樹脂を添加するこ
とで、未硬化又は半硬化の状態(完全に硬化しない状
態)で、見掛け状又は手で触ったときに非流動性である
塗膜を与える樹脂等が挙げられる。
【0021】固層反応型電離放射線硬化性樹脂は、
(イ)ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラ
ジカル重合性不飽和基を有する樹脂、具体的には以下の
〜を重合もしくは共重合させたものに対し、後述の
(a)〜(d)の方法でラジカル重合性基を導入したも
の、(ロ)融点が常温(20℃)〜250℃であり、ラ
ジカル重合性不飽和基を有する化合物等、具体的にはス
テアリルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、シクロヘキサンジオ
ールジ(メ)アクリレート、シクロヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、スピログリコールジアクリレー
ト、スピログリコール(メタ)アクリレート等、(ハ)
上記(1)及び(2)の混合物等である。
【0022】水酸基を有する単量体:N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3フェノキシプロピル(メタ)ア
クリレート等、カルボキシル基を有する単量体:(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモ
ノサクシネート等、エポキシ基を有する単量体:グリ
シジル(メタ)アクリレート等、アジリジニル基を有
する単量体:2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレ
ート、2−アジリジニルプロピオン酸アリル等、アミ
ノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、ダイア
セトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等、スルフォン基を有する単量体:2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォ
ン酸等、イソシアネート基を有する単量体:2,4−
トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートの1モル対1モル付加物等のジイソシ
アネートと活性水素を有するラジカル重合性単量体の付
加物等、更に、上記の共重合体のガラス転移点を調節
したり、含浸紙全体の物性を調節したりするために、上
記の化合物と、この化合物と共重合可能な以下のような
単量体とを共重合させることができる。
【0023】上記〜の化合物と共重合可能な単量体
としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソ
アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる
【0024】上述のようにして得られた重合体にラジカ
ル重合性不飽和基を導入する方法は、(a)水酸基を有
する単量体の重合体または共重合体の場合には、(メ
タ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体等を
縮合反応させる、(b)カルボキシル基、スルフォン基
を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前
述の水酸基を有する単量体を縮合反応させる、(c)エ
ポキシ基、イソシアネート基あるいはアジリジニル基を
有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述
の水酸基を有する単量体もしくはカルボキシル基を有す
る単量体を付加させる、(d)水酸基あるいはカルボキ
シル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合に
は、エポキシ基を有する単量体あるいはアジリジニル基
を有する単量体あるいはジイソシアネート化合物と水酸
基含有アクリル酸エステル単量体の1対1モルの付加物
を付加反応させる等の方法がある。
【0025】電離放射線硬化性樹脂層4の樹脂は、平均
架橋分子量が200以上であり1000以下とするのが
好ましい。この範囲であれば耐摩耗性に優れると共に、
後から塗工されるUVトップコートとの密着性が更に良
好であり、安定したリコート性を有する表面樹脂層が得
られた。平均架橋分子量が上記範囲を外れると、十分な
リコート性が得られないおそれがある。
【0026】電離放射線硬化性樹脂層4の樹脂の平均架
橋分子量は〔数1〕式から求められる。但し、〔数1〕
式において全体の分子量は、Σ(各成分の配合モル数×
各成分の分子量)であり、架橋点の数は、Σ[{(各成
分の官能基数−1)×2}×各成分のモル数]である。
【数1】平均架橋分子量=全体の分子量/架橋点の数
【0027】電離放射線硬化性樹脂層4には、電離放射
線非硬化性樹脂を添加することができる。該電離放射線
非硬化性樹脂としてはウレタン系、繊維素系、ポリエス
テル系、アクリル系、ブチラール系、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂が用いられ、特に繊維
素系、ウレタン系、ブチラール系は、可撓性の点から好
ましい。
【0028】電離放射線硬化性樹脂層に添加される球状
アルミナは、真球状あるいは球を偏平にした楕円球状、
ならびに真球や楕円球樹脂に近い形状等のように表面が
なめらかな球面で囲まれたカッテイングエッジのない球
形状のα−アルミナが用いられる。具体的には、昭和電
工株式会社の商品名で、「Spherical Alu
mina AS−10、AS−20、AS−30、AS
−40、AS−50」等が挙げられる。これらの球状ア
ルミナは、アルミナ水和物、ハロゲン化物、硼素化合物
等の鉱化剤あるいは結晶剤を電融アルミナあるいは焼結
ナルミナ等の粉砕品に小量添加し、1400℃以上の温
度で熱処理することにより得られる。
【0029】球状アルミナの粒子径は平均粒径で5〜1
00μmが好ましい。平均粒径が5μm未満では皮膜が
不透明になり耐摩耗性の効果が十分発揮されない虞れが
あり、100μmを超えると電離放射線硬化性樹脂層の
塗工が困難になる虞れがあり、更に形成された該樹脂層
の表面平滑性が低下する。更に好ましい球状アルミナの
平均粒径は10〜50μmである。球状アルミナの電離
放射線硬化性樹脂層中の含有量は、硬化後の電離放射線
硬化性樹脂100重量部に対し5〜20重量部が好まし
い。
【0030】電離放射線硬化性樹脂層4は、上記電離放
射線硬化性樹脂、球状アルミナ、及び光重合開始剤、そ
の他の添加剤等を含む塗工組成物を絵柄層3が設けられ
た化粧紙原紙2の絵柄層3の上からに塗工し、硬化させ
て形成することができる。電離放射線硬化性樹脂層4の
塗工組成物には、上記の成分以外に、表面樹脂層として
の透明性、耐摩耗性等を損なわない範囲で、染料や顔料
等の着色剤、その他のCaCO3 、BaSO4 、ナイロ
ン樹脂ビーズ等の公知の艶消調整剤や増量剤といった充
填剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤
などの塗料、インキに通常添加される添加剤を加えるこ
とができる。
【0031】又、電離放射線硬化性樹脂層の塗工組成物
には、粘度を調整するために、樹脂の成分を溶解可能で
あり、常圧における沸点が70℃〜150℃の溶剤を、
組成物中に30重量%以下の範囲で用いることができ
る。溶剤の添加量が30重量%以下の範囲であれば、乾
燥がスムーズであり、生産スピードの大きな低下がな
い。
【0032】上記の溶剤としては、塗料、インキ等に通
常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエ
チルケトンメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ア
ミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピル
エーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の混
合物が挙げられる。
【0033】電離放射線硬化性樹脂層を形成するには以
下の方法を用いことができる。化粧紙原紙の表面に塗
工組成物を直接塗工する直接コーティング法、又は、
剥離性の基材表面に電離放射線硬化性樹脂層を予め形成
した後、該層を化粧紙原紙の表面に転写する、転写コー
ティング法が用いられる。化粧紙原紙の材質として、塗
工組成物が浸透しないものを使用した場合には上記の
及びの何方を用いてもよいが、塗工組成物を浸透させ
るものを使用した場合や、表面に凹凸のある基材、なら
びに、塗膜厚みの均一性を出す場合、電離放射線の強度
を均一にして均一な耐摩耗性を形成したい場合には、上
記の転写コーティング法が用いるのが好ましい。
【0034】上記の直接コーティング法は、グラビア
コート、グラビアリバースコート、グラビアオフセット
コート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロ
ールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコ
ート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバ
ーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコー
ト、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる
が、好ましいのはグラビアコートである。
【0035】転写コーティング法は、下記の(a)〜
(d)に示す、一旦、薄いシート(フィルム)基材に塗
膜を形成し架橋硬化せしめ、しかる後基材の表面に被覆
する方法であり、塗工組成物の塗膜を基材と共に立体物
に接着するラミネート法(a、b)、一旦離型性支持体
シート上に塗膜と必要に応じて接着材層を形成し塗膜を
架橋硬化させてなる転写シートを、その塗膜側を立体物
に接着後、支持体シートのみ剥離する転写法(c)等の
手段を利用することができる。尚、薄いシート基材に、
樹脂層を形成する方法は上記の直接コーティング法と同
じ各種のコーティング手段を用いることができる。 (a)特公平2−42080号公報、特公平4−199
24号公報等に開示されるような射出成形同時転写法。
或いは特公昭50−19132号公報に開示されるよう
な射出成形同時ラミネート法。 (b)特開平4−288214号公報、特開平5−57
786号公報に開示されるような真空成形同時転写法。
或いは特公昭56−45768号公報に開示されるよう
な真空成形同時ラミネート法。 (c)特公昭59−51900号公報、特公昭61−5
895号公報、特公平3−2666号公報等に開示され
るように、ラッピング同時転写法、又はラッピング同時
ラミネート法。 (d)実公大15−31122号公報等に開示されてい
るVカット加工同時ラミネート法、或いは特公昭56−
7866号公報等に開示されているVカット加工同時転
写法。
【0036】又、下記の(A)〜(D)の工程を順次行
う方法を用いることもできる(特開平2−26673号
公報等記載)。 (A)非吸収性且つ離型性の合成樹脂シートに、未硬化
液状の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工する工程。 (B)前記電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布面が基材
と接するようにラミネートする工程。 (C)前記電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜に電離放
射線を照射して架橋、硬化させる工程。 (D)合成樹脂シートを剥離除去する工程。 上記の工程において、電離放射線硬化性樹脂として溶剤
で希釈されたものを使用する場合には、工程(A)と
(B)との間に溶剤を乾燥する工程を行う。上記の方法
によれば、基材として紙のような浸透性の高い材質の場
合であっても、樹脂が基材の裏側に抜ける、いわゆる
「うらぬけ」を確実に防止して、基材表面に良好な耐摩
耗性の電離放射線硬化性樹脂層を容易に形成可能であ
る。
【0037】本発明化粧シートは、例えばフローリング
床材として用いる場合、図2に示すように化粧シート1
を合板等6等の床基材の表面に貼着し、表面にUVトッ
プコート7を施してフローリング床材5が得られる。
【0038】このフローリング床材5には、突板を用い
たフローリング床に似せるために、突板を並べたように
見える所定の間隔で溝が設けられる。図3(a)に示す
ように、まず合板6の表面に化粧シート1を貼着した
後、同図(b)に示すように、所定間隔で合板に至る溝
8を設けた後、同図(c)に示すように化粧シート1表
面からUV塗料を塗工して硬化させる。この時UV塗料
は、溝の内部に入り込み更に表面全体を被ってUVトッ
プコート7が形成される。UVトップコート7は溝6の
内部の電離放射線硬化性樹脂層のない部分の化粧紙原紙
及び合板の表面を保護し、内部に水が侵入するのを防止
して耐水性等を向上せしめる。
【0039】
【実施例】実施例1 化粧紙原紙として(株)興人製含浸紙GF601を使用
し、該原紙の片面にグラビア印刷法により絵柄インキ
〔ザ・インクテック(株)製HATインキ〕を使用して
木目印刷を施し、その上に下記組成の電離放射線硬化性
樹脂塗料を塗工して化粧シートを得た。得られた化粧シ
ートを合板の表面に貼り、溝を設けた後、下記組成のU
V塗料を表面に塗工して硬化させUVトップコートを設
けてフローリング床材を得た。
【0040】 〔電離放射線硬化性樹脂塗料組成〕 ・ウレタンアクリレート 30重量部 ・2官能アクリレートモノマー 20重量部 ・3官能アクリレートモノマー 10重量部 ・シリコーンアクリレート 3重量部 ・光重合開始剤(芳香族スルホニウム塩) 3重量部 ・球状アルミナ(平均粒径:25μm) 20重量部
【0041】 〔UV塗料組成〕 ・ウレタンアクリレートプレポリマー 29重量部 ・ポリエチレングリコールジアクリレート 6重量部 ・エチルカルビトールアクリレート 8重量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート 7重量部 ・耐衝撃性樹脂微粒子(アイゾット衝撃値70kgcm/cmの球状粒子) 重量部 ・シリコーンアクリレート 4重量部 ・光重合開始剤(メチルベンゾインフォーメート) 2重量部 ・溶剤(イソプロピルアルコール) 適宜
【0042】比較例1 電離放射線硬化性樹脂層の組成物から光重合開始剤を除
いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを得、該化
粧シートからフローリング床材を得た。
【0043】実施例1、比較例1のフローリング床材の
リコート性を測定し得られた結果を表1に示す。尚、リ
コート性は、UV硬化型ウレタン塗料をトップコート
し、UV硬化させ、セローテープ密着試験をすることで
求めた。
【0044】
【表1】 ※1 化粧シートとUVトップコートとの層間の剥離状
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明化粧シート
は、電離放射線硬化性樹脂層が球状アルミナを含有する
と共に、光重合開始剤を含有することにより、該化粧シ
ートの表面に後からUV塗料等で塗工を行った際にUV
塗膜との密着性が常に良好であり、確実なリコート性を
有し、耐摩耗性に優れたものが得られる。
【0046】また電離放射線硬化性樹脂層がタックフリ
ーであるが完全に硬化しない状態であると、化粧シート
を被貼着体の表面に貼った後にUVトップコートを設け
る際、未硬化状態にある電離放射線硬化性樹脂層とUV
トップコートの塗工組成物が界面で反応して、電離放射
線硬化性樹脂層とUVトップコートが硬化する為、電離
放射線硬化性樹脂層とUVトップコートとの間で更に良
好な密着性が得られる。電離放射線硬化性樹脂層が光重
合開始剤を含有しない場合には、UVトップコートを紫
外線照射して硬化させる際、電離放射線硬化性樹脂層が
UVトップコートとの界面(電離放射線硬化性樹脂層の
表面)でしか反応が進まない為、電離放射線硬化性樹脂
層の表面しか硬化せず、該層の内部が未硬化状態となっ
てしまう。本発明では、電離放射線硬化性樹脂層に光重
合開始剤を含有する為、該層の内部まで良好に硬化す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化粧シートの1例を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明化粧シートを用いたフローリング床材の
1例を示す縦断面図である。
【図3】図2に示すフローリング床材の製造方法を説明
するための工程図である。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 化粧紙原紙 3 絵柄層 4 電離放射線硬化性樹脂層 5 フローリング床材 6 合板 7 UVトップコート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧紙原紙、絵柄層、電離放射線硬化性
    樹脂層が順次積層されてなり、後から表面に紫外線硬化
    型樹脂塗料が塗工される用途に使用される化粧シートに
    おいて、上記電離放射線硬化性樹脂層が球状アルミナを
    含有すると共に、光重合開始剤を含有することを特徴と
    するリコート性のある化粧シート。
  2. 【請求項2】 電離放射線硬化性樹脂層が、タックフリ
    ーであるが完全に硬化しない状態である請求項1記載の
    リコート性のある化粧シート。
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