JP2003019759A - 活性エネルギー線硬化樹脂層を含む積層体の製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化樹脂層を含む積層体の製造方法

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JP2003019759A JP2001209332A JP2001209332A JP2003019759A JP 2003019759 A JP2003019759 A JP 2003019759A JP 2001209332 A JP2001209332 A JP 2001209332A JP 2001209332 A JP2001209332 A JP 2001209332A JP 2003019759 A JP2003019759 A JP 2003019759A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材上に活性エネルギー線硬化樹脂層と、そ
の上に更に上層として熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂層
あるいは別の活性エネルギー線硬化樹脂層とが設けられ
た積層体を、良好な層間密着性で製造できるようにす
る。 【解決手段】 活性エネルギー線硬化樹脂層を含む積層
体は、基材上に、活性エネルギー線硬化性組成物から活
性エネルギー線硬化性層を形成し、未硬化の該活性エネ
ルギー線硬化性層上に、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性
樹脂組成物又は別の活性エネルギー線硬化性組成物から
なる上層を積層し、更にその上層を通して、活性エネル
ギー線硬化性層に活性エネルギー線を照射して活性エネ
ルギー線硬化性層を硬化させて活性エネルギー線硬化樹
脂層を形成することにより製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
硬化樹脂層を含む積層体の製造方法及びその製造方法に
より得られる積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像表示板における要求性能の1
つとして反射防止機能が挙げられている。一般的な反射
防止機能の原理は、高屈折率層の表面に低屈折率層を設
け、高屈折率層で反射する光と低屈折率層で反射する光
とをそれらの光路差を利用して互いに干渉させることに
より反射光を低減させるものである。
【0003】従って、プラスチック基材に、反射防止機
能を有する機能膜を設ける場合、基材上に少なくとも高
屈折率層と低屈折率層とを積層する必要があるので、従
来は、プラスチック基材上に高屈折率層形成用の光硬化
性組成物を塗工し乾燥した後に、光を照射して硬化させ
ることにより高屈折率層を形成し、次いで、硬化したそ
の高屈折率層上に、低屈折率層形成用組成物を塗工し乾
燥した後に、再び光を照射して硬化させることにより低
屈折率層を形成している。また、最近では、高屈折率層
及び低屈折率層の材料として、共に、短時間で硬化可能
な活性エネルギー線硬化性樹脂が用いられるようになっ
ている。
【0004】しかし、このように、高屈折率層を完全に
硬化した後に低屈折率層を形成すると、十分な層間密着
性が得られないという問題があった。
【0005】そこで、高屈折率層形成用組成物の塗工膜
の光重合率を制御して半硬化状態の塗工膜を得、次にそ
の上に低屈折率層形成用組成物を塗布し、その後に低屈
折率層形成用組成物の塗工膜の光重合と共に高屈折率層
形成用組成物の半硬化状態の塗工膜の光重合を追い込む
ことによって、高屈折率層と低屈折率層との間の層間密
着性を向上させることが試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高屈折
率層形成用組成物の塗工膜の光重合率の制御が非常に難
しいため、良好な層間密着性を再現性よく実現すること
は困難であるという問題がある。このような問題は、基
材上に設けられた活性エネルギー線硬化樹脂層の上に、
熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂層あるいは別の活性エネ
ルギー線硬化樹脂層が上層として設けられた積層体にお
いても同様に生じている。
【0007】本発明は、以上の従来の技術の問題を解決
しようとするものであり、基材上に活性エネルギー線硬
化樹脂層と、その上に更に上層として熱可塑性樹脂層、
熱硬化性樹脂層あるいは別の活性エネルギー線硬化樹脂
層とが設けられた積層体を、良好な層間密着性で製造で
きるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基材上
に、活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、乾燥して
活性エネルギー線硬化性層を形成する際に、光照射を行
わずに活性エネルギー線硬化性層を未硬化の状態として
おき、その上に上層を積層した後に、上層を通して活性
エネルギー線を活性エネルギー線硬化性層に照射するこ
とによって活性エネルギー線硬化樹脂層を形成すると、
良好な層間密着性を示す積層体が得られること、しかも
上層として前述の活性エネルギー線硬化性層と同一もし
くは異なる組成の活性エネルギー線硬化性層を設けた場
合には、積層された二つの活性エネルギー線硬化性層を
一度の活性エネルギー線の照射により硬化させることが
できるので、2回の照射工程を1回に減少させて製造コ
ストを低減することができることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0009】即ち、本発明は、活性エネルギー線硬化樹
脂層を含む積層体の製造方法であって、以下の工程
(a)〜(c): (a) 基材上に、活性エネルギー線硬化性組成物から
活性エネルギー線硬化性層を形成する工程; (b) 工程(a)で形成された、未硬化の該活性エネ
ルギー線硬化性層上に、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性
樹脂組成物又は工程(a)で用いた活性エネルギー線硬
化性組成物と同一もしくは異なる組成の活性エネルギー
線硬化性組成物からなる上層を積層する工程; (c)工程(b)で得られた上層を通して、工程(a)
で得られた活性エネルギー線硬化性層に活性エネルギー
線を照射することにより、活性エネルギー線硬化性層を
硬化させることにより活性エネルギー線硬化樹脂層を形
成する工程を含む積層体の製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、活性エネルギー線硬化
樹脂層を含む積層体の製造方法であり、以下の工程
(a)〜(c)を含む。ここで、活性エネルギー線硬化
樹脂層は、単層でも複数層でも良く、また、積層体を構
成する活性エネルギー線硬化樹脂層のうち少なくとも1
層は、その硬化前に他の層が積層されているものであ
る。
【0011】工程(a) まず、基材上に、活性エネルギー線硬化性組成物から活
性エネルギー線硬化性層を形成する。具体的には、基材
上に、活性エネルギー線硬化性組成物を、含浸法、凸版
印刷、平板印刷、凹版印刷等で用いられるロールを用い
た塗工法、スプレー法、カーテンフローコート法などの
公知の方法により塗工し、必要に応じて組成物中に含有
されている希釈剤等の低沸物質を加熱炉、遠赤外炉又は
超遠赤外炉等を用いて加熱し蒸発させて乾燥すればよ
い。
【0012】本工程では、乾燥処理を施された後でも活
性エネルギー線硬化性層を未硬化の状態としておくこと
が必要である。硬化させてしまうと、この活性エネルギ
ー線硬化性層上に設けられる上層との間の層間密着性が
不十分となるからである。また、活性エネルギー線硬化
性層は、希釈剤を除去した状態(乾燥状態)で、ゲル状
あるいは固体であることが望ましい。これは、活性エネ
ルギー線硬化性層が液状であると、その上に上層を積層
する際の圧力によって膜厚むらが生じる可能性や、上層
と混合する可能性を排除するためである。
【0013】基材としては、板状またはフィルム状であ
れば特に制限はなく、鉄、アルミ等の金属、ガラス、ア
ルミナ等のセラミックス、アクリル、PET、ポリカー
ボネート等のプラスチックなどの板、シート又はフィル
ムが挙げられる。また、これらの積層物も本発明におけ
る基材として使用できる。
【0014】活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エ
ネルギー線硬化性単量体を含有するが、この単量体とし
ては、分子内に少なくとも1個のエチレン性二重結合を
有し、且つ活性エネルギー線(例えば、紫外線、電子
線、可視光、エックス線等)の照射により重合可能なエ
チレン性不飽和化合物を好ましく挙げることができる。
ここで、本明細書においては、アクリロイル基又はメタ
クリロイル基を(メタ)アクリロイル基と、アクリレー
ト基又はメタクリレート基を(メタ)アクリレート基、
アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と称
する。
【0015】このようなエチレン性不飽和化合物の具体
的としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メト
キシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エ
トキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、
ビフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキ
シエトキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル
(メタ)アクリレート、フェニルエポキシ(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−[2
−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキ
サンジカルボイミド、N−[2−(メタ)アクリロイル
エチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−1
−エン、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−
1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−4−エン等の
単官能性(メタ)アクリレート系モノマー;N−ビニル
ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカプ
ロラクタム、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、安息香酸ビニルなどのビニル系モノマー;1,4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジグリ
シジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノー
ル−A−ジエポキシジ(メタ)アクリレート、エチレン
オキサイド変性ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリ
レート、1,4−シクロヘキサンジメタノールのエチレ
ンオキサイド変性ジアクリレート、エチレンオキサイド
変性テトラブロモビスフェノール−A−ジ(メタ)アク
リレート、ジンクジアクリレートなどの2官能性(メ
タ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加トリメ
チロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、エチレ
ンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンのテトラ
(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加トリ
メチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、エチ
レンオキサイド変性イソシアヌール酸トリ(メタ)アク
リレート、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロール
プロパンのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキ
サイド付加ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アク
リレート、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリト
ールのテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド付加ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリ
レート、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリト
ールのペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド付加ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリ
レート、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリト
ールのヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌ
レート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホル
マール、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−
s−ヒドラジンなどの3官能以上の多官能性モノマー;
ウレタンアクリレート、エステルアクリレートなどのオ
リゴマーアクリレート等が挙げられる。これらのうち、
2官能以上の多官能性モノマーが好ましく用いられる。
また、これらの化合物は単独で又は2種以上で用いられ
る。
【0016】以上のようなエチレン性不飽和化合物の活
性エネルギー線硬化性組成物中の配合量は、少なすぎる
と硬化物物性が不十分となり、多すぎるとゲル化剤を用
いた場合には相対的にゲル化剤が少なくなりゲル化能が
不十分となるので、活性エネルギー線硬化性組成物の固
形分中の好ましくは50質量%以上99質量%以下、よ
り好ましくは70質量%以上99質量%以下である。
【0017】また、必要に応じて、活性エネルギー線で
重合可能なビニルエーテル系、エポキシ系またはオキセ
タン系の化合物等を、エチレン性不飽和化合物と共に使
用してもよい。
【0018】ビニルエーテル系化合物の具体例として
は、エチレンオキサイド変性ビスフェノール−A−ジビ
ニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノール
−F−ジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性カテ
コールジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性レゾ
ルシノールジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性
ハイドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド
変性−1,3,5,ベンゼントリオールトリビニルエー
テルが挙げられる。エポキシ系化合物の具体例として
は、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート、トリメチロールプロパンジグリシ
ジルエーテル、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシ
クロヘキシルメチル)アジペート、フェノールノボラッ
クのグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルなどが挙げられる。オキセタン化合物の具体
例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセ
タン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタ
ン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエー
テル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチ
ル)オキセタンなどが挙げられる。
【0019】活性エネルギー線硬化性組成物には、前述
のエチレン性不飽和化合物を重合させ、活性エネルギー
線硬化性層を硬化させて硬化樹脂層とするための手段と
して後述のごとく各種の活性エネルギー線(紫外線、可
視光、電子線等)を使用する際に、通常、重合開始剤を
配合する。例えば、紫外線を用いて硬化反応を行う場合
などには、光重合開始剤を使用し、その他に光重合を促
進させるために光重合開始剤と共に光増感剤や光促進剤
などから選ばれる1種類以上の公知の光触媒化合物を含
有させることが好ましい。また、状況に応じて少量の熱
重合開始剤を併用しても差し支えない。
【0020】光重合開始剤の具体例としては、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトン、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、キサントフルオレノン、ベンズアルデ
ヒド、アントラキノン、3−メチルアセトフェノン、4
−クロロベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェ
ノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン、4−チオキサントン、カンファーキノ
ン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルホリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
また、N−アクリロイルオキシエチルマレイミドのよう
に分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を
有する光重合開始剤も用いることができる。
【0021】光重合開始剤の活性エネルギー線硬化性組
成物中の配合量は、希釈剤を除いた固形分に対して通常
0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは3質
量%以上5質量%以下である。
【0022】光増感剤の具体例としては、2−クロロチ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,
4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
【0023】光促進剤の具体例としては、p−ジメチル
アミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イ
ソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキ
シエチル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル等が挙げ
られる。
【0024】また、活性エネルギー線硬化性組成物に
は、活性エネルギー線硬化性組成物を薄膜で塗布するた
めに希釈剤を加えることができる。希釈剤の種類、配合
量は、目的とする硬化樹脂層の膜厚に合わせて適宜決定
することができる。
【0025】本発明で使用される希釈剤としては、一般
の樹脂塗料に用いられている希釈剤であれば特に制限は
ないが、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエス
テル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化
合物;トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ペンタ
ン、ヘキサンなどの脂肪族化合物;塩化メチレン、クロ
ロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;
メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソ
プロパノールなどのアルコール化合物、水などを挙げる
ことができる。
【0026】また、活性エネルギー線硬化性組成物に
は、未硬化状態の活性エネルギー線硬化性層の保形性を
向上させるために、ゲル化剤を配合することが好まし
い。このゲル化剤としては、加熱又は希釈剤(溶剤)添
加によってゾルを形成し、希釈剤の除去などによりゲル
化するものであり、樹脂組成物にゾル/ゲル転移性能を
付与できるものであれば特に制限はないが、例えばポリ
ウレタンなど水素結合によって疑似架橋体を生成しうる
化合物や立体規則性重合体の混合物等が挙げられる。こ
れらのうちでも立体規則性重合体の混合物が好ましく用
いられる。
【0027】ここで、立体規則性重合体の混合物として
は、アイソタクチック(以下、「アイソタクチック」を
「iso−」と表記する)重合体とシンジオタクチック
(以下、「シンジオタクチック」を「syn−」と表記
する)重合体との樹脂混合物を意味する。
【0028】iso−重合体とsyn−重合体のそれぞ
れのタクチシティ及び混合比率は、活性エネルギー線硬
化性組成物に配合した場合に、その硬化性組成物がゲル
融点を示すように決定する。
【0029】例えば、iso−重合体のアイソタクチシ
ティは、低すぎるとゲル化剤としての性能が低下する傾
向があるので、好ましくは80%以上、より好ましく
は、90%以上である。また、syn−重合体のシンジ
オタクチシティは、低すぎたり高すぎたりするとゲル化
剤としての性能が低下する傾向があるので、好ましくは
40%以上80%以下、より好ましくは50%以上70
%以下である。
【0030】また、アイソタクチック重合体とシンジオ
タクチック重合体の合計量に対するアイソタクチック重
合体の存在量は、好ましくは25〜60質量%、より好
ましくは30〜40質量%であり、シンジオタクチック
重合体の存在量は、好ましくは40〜75質量%、より
好ましくは60〜70質量%である。これらの範囲を外
れると、ゲル化剤のゲル化能が低下するので好ましくな
い。
【0031】このような立体規則性重合体混合物の例と
しては、互いに共通する重合単位を持たないiso−重
合体とsyn−重合体との樹脂混合物でもよいが、高分
子鎖同士の疑似架橋の形成が円滑に進行するように、互
いに共通する重合単位を有するiso−重合体とsyn
−重合体との樹脂混合物が好ましく挙げられる。具体的
には、iso−ポリメタクリル酸エステル(例えば、メ
チルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、プロ
ピルエステル、2−プロペニルエステル、イソブチルエ
ステル、イソブチリルエステル、ベンジルエステル、シ
クロプロピルメチルエステル等)とsyn−ポリメタク
リル酸エステル(例えば、メチルエステル、エチルエス
テル、ブチルエステル、プロピルエステル、2−プロペ
ニルエステル、イソブチルエステル、イソブチリルエス
テル、ベンジルエステル、シクロプロピルメチルエステ
ル等)との樹脂混合物、iso−ポリ(メチル α−
(クロロメチル)アクリレート)とsyn−ポリ(メチ
ル α−(クロロメチル)アクリレート)との樹脂混合
物、ポリ(γ−ベンジル−D−グルタル酸)とポリ(γ
−ベンジル−L−グルタル酸)との樹脂混合物、D−ポ
リ乳酸とL−ポリ乳酸との混合物などを挙げることがで
きる。
【0032】これらの樹脂混合物の中でも、ゲル融点が
比較的高くしかも入手容易なiso−ポリメタクリル酸
エステル(特に、iso−ポリメタクリル酸メチルエス
テル)とsyn−ポリメタクリル酸エステル(特に、s
yn−ポリメタクリル酸メチルエステル)が好ましい。
【0033】ここで、ゲル化剤として、特にiso−ポ
リメタクリル酸メチルエステルとsyn−ポリメタクリ
ル酸メチルエステルとの樹脂混合物を使用した場合、i
so−ポリメタクリル酸メチルエステルのアイソタクチ
シティは好ましくは50%〜100%、より好ましくは
この範囲内で80%以上、特に好ましくは90%以上で
あり、一方、syn−ポリメタクリル酸メチルエステル
のシンジオタクチシティは好ましくは40%〜100
%、より好ましくは40%以上80%以下、特に好まし
くは50%〜70%である。
【0034】また、iso−ポリメタクリル酸メチルエ
ステルとsyn−ポリメタクリル酸メチルエステルの混
合比率は、iso−ポリメタクリル酸メチルエステルと
syn−ポリメタクリル酸メチルエステルの合計量を1
00質量%とした場合、高分子鎖同士の疑似架橋を生じ
やすくするため、syn−ポリメタクリル酸メチルの割
合を好ましくは30〜80質量%、より好ましくは60
〜70質量%とする。
【0035】以上説明したようなゲル化剤の活性エネル
ギー線硬化性組成物中での含有量は、少なすぎると硬化
性組成物がゲル化しにくく、多すぎると相対的にエチレ
ン性不飽和化合物の配合量が減少するために硬化した硬
化樹脂層の力学性能が低下するので、希釈剤を除いた固
形分中に好ましくは1質量%以上50質量%以下、より
好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
【0036】活性エネルギー線硬化性組成物には、必要
に応じて、無機フィラー、重合禁止剤、着色顔料、染
料、消泡剤、レベリング剤、分散剤、光拡散剤、可塑
剤、帯電防止剤、界面活性剤、非反応性ポリマー等を添
加できる。
【0037】工程(b) 次に、工程(a)で形成された、未硬化の該活性エネル
ギー線硬化性層上に、上層形成用組成物(即ち、熱可塑
性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物又は工程(a)で用
いた活性エネルギー線硬化性組成物と同一もしくは異な
る組成の活性エネルギー線硬化性組成物)からなる上層
を積層する。具体的には、上層形成用組成物を、未硬化
の該活性エネルギー線硬化性層上に、含浸法、凸版印
刷、平板印刷、凹版印刷等で用いられるロールを用いた
塗工法、スプレー法、カーテンフローコート法などの公
知の方法により塗工し、必要に応じて組成物中に含有さ
れている希釈剤等の低沸物質を加熱炉、遠赤外炉又は超
遠赤外炉等を用いて加熱し蒸発させて乾燥すればよい。
【0038】なお、上層形成用組成物として熱硬化性樹
脂組成物を使用した場合には、この加熱工程で熱硬化さ
せてもよい。
【0039】本工程において、上層を構成する材料の種
類や上層の厚みは、後述する工程(c)において、工程
(a)で形成した活性エネルギー線硬化性層に対して上
層を介して活性エネルギー線を照射する際に、活性エネ
ルギー線硬化性層を十分に硬化させるに足る活性エネル
ギー線が照射されるように、決定することが必要であ
る。通常、上層は活性エネルギー線に対し透明であるこ
とが好ましい。
【0040】熱可塑性樹脂組成物としては、ポリメチル
メタクリレート、ポリスチレン等を主成分として含有す
るものを挙げることができる。
【0041】熱硬化性樹脂組成物としては、シリコーン
系樹脂、メラミン系樹脂などを主成分として含有するも
のを挙げることができる。
【0042】工程(b)において、上層形成用組成物と
して活性エネルギー線硬化性組成物を使用する場合、構
成成分としては工程(a)で用いた活性エネルギー線硬
化性組成物の場合と同じものを例示することができる。
従って、構成成分を例示された中から選択する仕方によ
って、工程(a)で用いた活性エネルギー線硬化性組成
物と同一もしくは異なる組成の活性エネルギー線硬化性
組成物を使用する結果となる。
【0043】なお、上層形成用組成物が希釈剤を含有す
る場合、その希釈剤が工程(a)で形成された活性エネ
ルギー線硬化性層の構成材料に対する親和性が良好であ
る場合には、活性エネルギー線硬化性層と上層とが混合
する可能性があるので、上層形成用組成物の希釈剤とし
ては、活性エネルギー線硬化性層の構成材料との親和性
が不良であるものを使用することが好ましい。
【0044】工程(c) 次に、工程(b)で得られた上層を通して、工程(a)
で得られた活性エネルギー線硬化性層に活性エネルギー
線を照射して活性エネルギー線硬化性層を硬化させるこ
とにより活性エネルギー線硬化樹脂層を形成する。これ
により、基材上に活性エネルギー線硬化樹脂層とその上
に設けられた上層との間の層間密着性が良好な積層体が
得られる。
【0045】活性エネルギー線硬化性層を硬化させるた
めに照射する活性エネルギー線としては、紫外線、可視
光線、レーザー、電子線、エックス線などの広範囲の活
性エネルギー線を使用することができるが、これらの中
でも、紫外線を用いることが実用面からは好ましい。紫
外線の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ラン
プ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げ
られる。
【0046】なお、上層が熱硬化性組成物から形成され
ている場合には、工程(c)の後、あるいは工程(c)
の前、上層を熱硬化させる操作を行ってもよい。
【0047】また、上層が活性エネルギー線硬化性層で
ある場合には、工程(c)の活性エネルギー線照射の際
に、工程(a)で作製した活性エネルギー線硬化性層と
共に硬化させることができ、一回の活性エネルギー線照
射により、積層された少なくとも2つの活性エネルギー
線硬化性層を同じに硬化させることができる。
【0048】以上説明した本発明の製造方法により得ら
れる積層体は、良好な層間密着性を示すので、表示画面
保護板、ヘルメットシールド、グレージング等の物品に
有利に適用することができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0050】合成例1(iso-PMMAの合成(Mw=5万、iso率=9
3%)) 300ml三つ口フラスコを窒素置換し、トルエン(2
8ml)、シクロヘキサン(112ml)、フェニルマ
グネシウムブロマイド(エーテル溶液0.77M、7.
4ml)を加えた後10℃に冷却した。
【0051】メチルメタクリレート(30ml)を90
分間かけて滴下し、その後6時間攪拌した後メタノール
(0.5ml)を加え反応を停止させた。反応液をろ過
後、残渣をメタノールで洗い、乾燥させiso−PMM
Aを得た。GPC測定の結果Mw(質量平均)は10万
であった。NMR測定の結果アイソタクチシティは93
%であった。
【0052】実施例1〜3 板厚2mmのアクリル板上に表1に示す活性エネルギー
線硬化性組成物Aを膜厚20μmでバーコータで塗布
後、140℃で30秒乾燥し、さらに光照射せずに表1
に示す活性エネルギー線硬化性組成物Bを膜厚1μmで
塗布し、140℃で30秒乾燥して積層物を得た。この
積層物に対し、ベルトコンベア(コンベア速度1m/m
in)で搬送しながら80W高圧水銀灯で紫外線を2回
照射して積層体を得た。
【0053】比較例1〜3 活性エネルギー線硬化性組成物Aを塗布し、乾燥した後
に、塗布物をベルトコンベア(コンベア速度1m/mi
n)で搬送しながら80W高圧水銀灯で紫外線を2回照
射する工程を付加したこと以外、実施例1〜3と同様の
操作により、実施例1〜3に対応してそれぞれ比較例1
〜3の積層体を得た。
【0054】(評価)得られた積層体について、以下に
説明するようにクロスカット試験を行った。
【0055】クロスカット試験 実施例及び比較例で得られた積層体の硬化層面にカッタ
ーナイフを用いて2mm間隔で縦に11本、横に11本
の切れ目を入れて100個の升目を作り、この升目に粘
着テープ(登録商標セロテープ、ニチバン社製)を密着
させ180度方向に強制的に剥離し、剥離せずに残存し
た硬化層の升目の数を計数して密着性を評価した。残存
する升目の数が多いほど密着性が良好であることを示
す。
【0056】その結果、実施例1〜3の積層体の場合に
は、いずれも残存升目数が100であり、一方、比較例
1〜3の積層体の場合には、いずれも残存升目数が0で
あった。このことは、活性エネルギー線硬化性層を形成
し、それに光照射することなく別の活性エネルギー線硬
化性層を積層し、その後で光照射を行った実施例1〜3
の積層体は、非常の良好な層間密着性を示し、一方、活
性エネルギー線硬化性層に光照射した後に、別の活性エ
ネルギー線硬化性層を積層し、その後で再び光照射を行
った比較例1〜3の積層体は、層間密着性に劣っている
ことを示している。
【0057】
【表1】 (質量部) 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 比較例3 成分 A B A B A B トリフ゛ロモフェニルアクリレート*1 0 40 40 0 40 0エチレンオキシト゛ 変性ヒ゛スフェノールAシ゛アクリレート*2 20 0 50 0 50 0 1,6-ヘキサンシ゛オールシ゛アクリレート*3 0 0 0 30 0 0トリメチロールフ゜ロハ゜ントリアクリレート*4 0 0 0 70 0 0シ゛アリルシ゛メチルアンモニウムクロライト゛*5 80 0 0 0 0 0シ゛ヘ゜ンタエリスリトールヘキサアクリレート*6 0 60 0 0 0 0 iso-PMMA(Mw=5万、iso率=93%) 0 0 3 0 0 0 syn-PMMA(Mw=10万、syn率=60%)*7 0 0 7 0 0 0 ポリウレタン*8 0 0 0 0 10 0 光重合開始剤*9 3 3 3 3 3 0 シリカゾル 0 0 0 0 0 30 メチルトリメトキシシラン 0 0 0 0 0 70酢酸 0 0 0 0 0 3 固形分濃度 20 20 20 20 20 20 トルエン 0 80 80 0 80 0 メチルエチルケトン 0 0 0 80 0 0 メタノール 80 0 0 0 0 30イソプロパノール 0 0 0 0 0 50 (表1注) *1:商品名 BR−30、第一工業製薬(株)製 *2:商品名 ビスコート#540、阪有機化学工業
(株)製 *3:商品名 KS−HDDA、日本化薬(株)製 *4:商品名 KS−TMPTA、日本化薬(株)製 *5:商品名 C−1615M BR−30、第一工業
製薬(株)製 *6:商品名 DPHA、日本化薬(株)製 *7:商品名 パラペットHR−L、(株)クラレ製 *8:商品名 クラミロンU 1780、(株)クラレ
製 *9:商品名 イルガキュア184、日本チバガイギー
(株)製
【0058】
【発明の効果】本発明を用いた積層体の製造方法によれ
ば、層間密着性の良い積層体を得ることができるので、
表示画面保護板、ヘルメットシールド、グレージング等
の物品に有利に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 敬次 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 (72)発明者 大串 眞康 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 (72)発明者 寺田 和俊 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 Fターム(参考) 4F100 AK01B AK01C AK25A AK25B AK25H AK25K AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA30B EH462 EJ543 GB76 GB90 JB13C JB14B JB14C JB15B JB16C JK06 4J002 BG05X BG06W GF00 4J038 CG142 CH032 FA011 FA041 FA061 FA081 FA111 FA261 FA281 KA02 PA17 PC02 PC03 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性エネルギー線硬化樹脂層を含む積層
    体の製造方法であって、以下の工程(a)〜(c): (a) 基材上に、活性エネルギー線硬化性組成物から
    活性エネルギー線硬化性層を形成する工程; (b) 工程(a)で形成された、未硬化の該活性エネ
    ルギー線硬化性層上に、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性
    樹脂組成物又は工程(a)で用いた活性エネルギー線硬
    化性組成物と同一もしくは異なる組成の活性エネルギー
    線硬化性組成物からなる上層を積層する工程; (c)工程(b)で得られた上層を通して、工程(a)
    で得られた活性エネルギー線硬化性層に活性エネルギー
    線を照射して活性エネルギー線硬化性層を硬化させるこ
    とにより活性エネルギー線硬化樹脂層を形成する工程を
    含む積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)で用いる活性エネルギー線硬
    化性組成物がゲル化剤を含む請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ゲル化剤が、アイソタクチシティが80
    %以上のポリメタクリル酸メチルエステルとシンジオタ
    クチシティが40%以上80%以下のポリメタクリル酸
    エステルとの樹脂混合物を含む請求項2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法によって得られる積層体。
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